JP4273438B2 - マイクロフォン - Google Patents

マイクロフォン Download PDF

Info

Publication number
JP4273438B2
JP4273438B2 JP2008117041A JP2008117041A JP4273438B2 JP 4273438 B2 JP4273438 B2 JP 4273438B2 JP 2008117041 A JP2008117041 A JP 2008117041A JP 2008117041 A JP2008117041 A JP 2008117041A JP 4273438 B2 JP4273438 B2 JP 4273438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substrate
hole
etching
element thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008117041A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008271568A (ja
Inventor
隆 笠井
恭弘 堀本
史仁 加藤
正紀 宗近
秀一 若林
敏幸 高橋
正幸 犬賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to JP2008117041A priority Critical patent/JP4273438B2/ja
Publication of JP2008271568A publication Critical patent/JP2008271568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4273438B2 publication Critical patent/JP4273438B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)
  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)

Description

本発明は、マイクロフォンに関し、特にダイアフラムのような素子薄膜を備えたマイクロフォンに関する。
半導体集積回路製造技術を応用して、シリコン基板上に単結晶シリコンや多結晶シリコンを積層させて薄膜を形成し、この薄膜をダイアフラムとして用いる振動センサが開発されてきている。シリコンから成るダイアフラムはアルミニウムやチタンなどの金属に比べて内部応力が少なく、また密度が低いために、高感度の振動センサが得られるとともに、半導体集積回路製造工程との整合性も良い。このようなダイアフラムを有する振動センサとしては、例えば特許文献1に開示されたコンデンサマイクロフォンがある。このコンデンサマイクロフォンにあっては、単結晶シリコン(100)面からなる半導体基板の表面にダイアフラム(可動電極)と固定電極を形成した後、当該半導体基板の裏面外周部にエッチング用マスクを形成し、裏面側から表面に達するまで半導体基板をエッチングし、半導体基板の中央部に貫通孔をあけている。その結果、ダイアフラムは、その周囲を半導体基板の表面に固定され、中央部が貫通孔の上で中空支持され、音声振動などによって振動可能となる。
しかしながら、このような構造のコンデンサマイクロフォンでは、(100)面半導体基板を裏面側から結晶異方性エッチングするため、貫通孔の内周面には(111)面による傾斜面が出現し、貫通孔は裏面側で大きく開口した角錐台状の空間となる。そのためダイアフラムの面積に比べて貫通孔の裏面側における開口面積が大きくなり、コンデンサマイクロフォンの小型化が困難であった。なお、半導体基板の厚みを薄くすれば、貫通孔の表面の開口面積に対する裏面の開口面積の比率を小さくすることができるが、半導体基板の強度が低下するために製造時の取り扱いが難しくなり、半導体基板の厚みを薄くするにも限度がある。
また、特許文献2に記載された膜型センサでは、いわゆるDRIE(Deep Reactive Ion Etching)やICP(誘導結合プラズマ)などの垂直エッチングによって、半導体基板に裏面側から貫通孔を開口している。従って、貫通孔が角錐台状に広がらない分だけ膜型センサの小型化を図ることができる。しかしながら、DRIEやICPなどの装置では、装置価格が高価であると共にウエハの加工が枚様式であり、生産性が悪かった。
また、表面側(ダイアフラム側)から半導体基板を結晶異方性エッチングする方法もあるが、このような方法ではダイアフラムにエッチングホールを開口しなければならず、時としてエッチングホールがダイアフラムの振動特性や強度等に悪影響を及ぼす恐れがあった。
なお(100)面半導体基板を裏面側から結晶異方性エッチングして基板に貫通孔を形成し、かつ表面の開口面積に対する裏面の開口面積の比率を小さくすることができるエッチング方法としては、特許文献3に記載された方法がある。この方法にあっては、半導体基板であるシリコンウエハ表面上の開口させたい矩形領域にまず犠牲層を形成し、その上に窒化シリコンから成る薄膜を蒸着させているので、シリコンウエハ裏面の開口面積は、異方性エッチングによって貫通孔がこの犠牲層に到達することができるだけの大きさがあればよい。
しかしながら、このエッチング方法では、表面の犠牲層をエッチングした後の基板をエッチングする際に、薄膜が基板のエッチャントにさらされるため、薄膜の材料として単結晶シリコンや多結晶シリコンを使用することができない。また、薄膜が基板上に直接形成されるため、薄膜の応力制御やベントホール等、振動センサの特性を向上させるための工程や構造を組み込むことが困難である。よって特許文献3に開示されたエッチング方法は、マイクロフォン等の高い感度を必要とする振動センサの製造方法としては適していなかった。
特表2004−506394号公報 特表2003−530717号公報 特開平1−309384号公報 特開2006−157863号公報
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型でかつ生産性が高く、しかも振動特性に優れたマイクロフォンを提供することにある。
本発明のマイクロフォンは、単結晶シリコンからなり、表裏に貫通する貫通孔を形成された単一の半導体基板と、前記半導体基板をエッチングして貫通孔を形成するためのエッチャントに対して耐性を有する材料からなり、前記半導体基板の表面上に配設された保持部と、前記保持部によって隅部下面を支持され、前記貫通孔の基板表面側の開口を覆う素子薄膜と、前記半導体基板の表面上に前記素子薄膜と隙間をあけて前記素子薄膜を覆うように配設されたバックプレートとからなり、前記素子薄膜の表面側と裏面側とを連通させるためのベントホールが前記保持部間に形成され、前記貫通孔の基板表面と平行な断面の面積が、前記半導体基板の表面から裏面に向かうにつれて次第に増加すると共に、前記半導体基板の表面と裏面の中間において増加から減少に転じていることを特徴としている。
本発明のマイクロフォンによれば、単一の半導体基板に形成された前記貫通孔の基板表面と平行な断面の面積が、前記半導体基板の表面から裏面に向かうにつれて次第に増加すると共に、前記半導体基板の表面と裏面の中間において増加から減少に転じているので、半導体基板の表面における貫通孔の開口面積と裏面における貫通孔の開口面積との比率を1に近づけることができ、マイクロフォンの小型化を図ることができる。また、貫通孔の体積を大きくすることができるので、マイクロフォンを音響センサに用いたときに音響コンプライアンスを大きくできる。また、素子薄膜の表面側と裏面側とを連通させるためのベントホールが保持部間に形成されているので、長さの長いベントホールを形成することができ、マイクロフォンなどに用いた場合には、その音響抵抗を大きくでき、良好な音響特性を得ることができる。また、ベントホールで素子薄膜の表面側と裏面側を連通させることができるので、素子薄膜の表裏における静的圧力を均衡させることができる。
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1(a)は本発明の実施形態1による振動センサ11の構造を示す平面図、図1(b)はその断面図である。この振動センサ11は、例えば半導体マイクロフォンや超音波センサ等の音響センサ、薄膜フィルタ等に用いられるものである。振動センサ11は、Si基板12と、素子薄膜13(ダイアフラム)とを有している。このSi基板12は(100)面基板である。Si基板12は、裏面側からエッチングすることによって表裏に貫通し、さらに縦横の各方向の辺が(110)方向に沿った矩形の貫通孔14を設けられている。貫通孔14は、表面側と裏面側とに(111)面又はそれと等価な結晶面による傾斜面15、17が形成され、両傾斜面15、17間には垂直面16が形成されている。ここで、垂直面16は実際には(110)面、(311)面、(411)面などの複数の結晶面で構成されているが、簡易的に垂直面で示している。従って、貫通孔14の縁における基板断面は、表裏でテーパーの付いた形状となっている。
素子薄膜13は、前記貫通孔14の表面側開口を覆うようにしてSi基板12の上面に配置されており、下面の全周を保持部18によってSi基板12上面に固定されている。保持部18により貫通孔14の表面側開口(あるいは、Si基板12の表面であった面)と素子薄膜13の裏面との間に狭い隙間19が形成されている。
このような構造の振動センサ11であると、裏面側からSi基板12をエッチングして貫通孔14を形成しているにも拘わらず、貫通孔14の表面側開口に比較して裏面側開口の面積があまり大きくならない。従って、最初の従来例のように貫通孔14のためにSi基板12の面積が大きくならない。Si基板12は素子薄膜13及び必要であれば回路部品を実装できるだけの大きさがあれば足り、振動センサ11を小型化することができる。
次に、図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)により、上記振動センサ11の製造工程を説明する。ただし、振動センサ11はウエハ上で多数個一度に製造されるが、以下の説明では、1個の振動センサ11だけを図示して説明する。
まず、図2(a)に示すように、(100)面Si基板12の表面及び裏面に熱酸化法などによってSiOからなる保護膜20、21を成膜する。ついで、Si基板12の表面において、上記隙間19を形成しようとする領域の保護膜20をフォトリソグラフィ技術を用いて部分的に除去し、矩形状のエッチング窓22を開口する。
保護膜20の上からSi基板12の表面に多結晶シリコン薄膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いて保護膜20の上に乗っている多結晶シリコン薄膜を除去する。これにより、エッチング窓22内においてSi基板12の表面に多結晶シリコン薄膜からなる矩形状の犠牲層23を成膜する。このときの状態を図2(b)に示す。
次に、犠牲層23の上からSi基板12の表面に、SiOよりなる保護膜24を成膜し、図2(c)に示すように、犠牲層23を保護膜24で覆い隠す。
ついで、保護膜24の上に多結晶シリコン薄膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶シリコン薄膜の不要部分を除去し、図2(d)に示すように、保護膜24の上に多結晶シリコン薄膜からなる素子薄膜13を形成する。さらに、図3(a)に示すように、素子薄膜13の上にSiOよりなる矩形状の保護膜25を成膜し、素子薄膜13を保護膜25で覆い隠す。
この後、図3(b)に示すように、Si基板12の裏面において保護膜21の一部をフォトリソグラフィ技術を用いて部分的に除去し、保護膜21に裏面エッチング窓26を矩形状に開口する。裏面エッチング窓26は、裏面エッチング窓26から開始した結晶異方性エッチングがSi基板12の表面に達するだけの大きさがあればよく、例えば厚みが400μmのSi基板12であれば、1辺が570μm程度の比較的小さな裏面エッチング窓26で十分である。なお、犠牲層23の縦横サイズの大きさは必要な素子薄膜13の縦横サイズの大きさで決まり、例えば一辺が650μm程度である。
裏面エッチング窓26を開口したら、TMAHやKOH、EDP等のエッチャント(以下、TMAH等のエッチャントという。)に浸漬して裏面エッチング窓26からエッチングを行なう。TMAH等のエッチャントは、Siに対しては結晶異方性エッチングを行なうので、Si基板12の裏面では、(111)面及びそれに等価な結晶面(傾斜面17)に沿ってエッチングが進み、Si基板12の裏面に角錐台状をした貫通孔14が形成される。
こうして貫通孔14がSi基板12の表面に達すると、図3(c)に示すように、貫通孔14から犠牲層23が露出する。SiOからなる保護膜20、21、24、25は、TMAH等のエッチャントではエッチングされないが、多結晶シリコンからなる犠牲層23はTMAH等のエッチャントにより等方性エッチングされる。よって、貫通孔14内に犠牲層23が露出すると、図3(d)に示すように、犠牲層23は貫通孔14内に露出した部分から周囲へとエッチングされていき、保護膜24とSi基板12の表面との間に隙間19が生じる。
この状態では、素子薄膜13及び保護膜24、25は、隙間19によりSi基板12の表面から浮いているため、薄膜として機能させることができる。しかし、この隙間19は厚みの薄い空間であるので、素子薄膜13及び保護膜24、25が振動するとダンピング効果が起こり、周波数の高い帯域の振動特性を劣化させたり、機械的ノイズの原因となったりし、また素子薄膜13及び保護膜24、25がSi基板12へスティック(貼り付き)しやすくなる。これらを防止するため、素子薄膜13の下方においてSi基板12のエッチングをさらに継続する。
なお、隙間19(犠牲層23)の厚みは、厚い方がそのエッチング速度は速くなるが、厚すぎると犠牲層23の成膜時間が多くかかったり、保護膜24の被膜性が悪くなったりするため、それら加味して設計し、例えば1μm程度とする。一方、素子薄膜13の厚みは振動センサ11の感度と強度のトレードオフを考慮して設計し、例えば1μm程度とする。
保護膜24とSi基板12の表面との間に隙間19が生じると、エッチャントは隙間19に浸入し、Si基板12を表面側から結晶異方性エッチングする。この異方性エッチングでは、図4(a)において矢印で示した方向にエッチングが進み、貫通孔14内に傾斜面15が形成される。さらに、貫通孔14の縁の尖端部分ではエッチング速度が大きいので、貫通孔14の内周面は角が取れて垂直面16が形成され、貫通孔14はドーナツの孔のような形状にエッチングされる。こうして、図4(b)のように犠牲層23が完全にエッチング除去された時点でSi基板12をエッチャントから引き上げる。
Si基板12を洗浄した後、HF水溶液などでSiOからなる保護膜20、21、24、25をエッチングし、図4(c)のように保護膜20、24の一部による保持部18だけが残った時点でエッチングを終了し、洗浄及び乾燥を行なって振動センサ11を完成する。
このようにして振動センサ11を製作すれば、Si基板12の裏面側からのエッチングのみで、裏面側における広がりの小さな貫通孔14を開口することができ、振動センサ11を小型化することができる。また、裏面側からのみのエッチングで貫通孔14を開口することができるので、素子薄膜13にエッチングホールを開口する必要が無く、振動センサ11における素子薄膜13の物理的特性を変化させたり、素子薄膜13の強度を低下させたりする恐れが小さくなる。
また、貫通孔14の裏面側の開口面積は保護膜21に明けた裏面エッチング窓26の大きさによって決まり、貫通孔14の表面側の開口面積は犠牲層23の大きさによって決まるので、上記のような製造方法によれば、貫通孔14の開口面積を精度良くコントロールすることができる。
なお、上記実施形態では、犠牲層23を多結晶シリコンによって成膜したが、アモルファスシリコンを用いてもよい。
(実施形態2)
図5(a)は本発明の実施形態2による振動センサ31を示す平面図、図5(b)はその断面図である。この振動センサ31では、貫通孔14の上面を覆うようにしてSi基板12の上に多結晶シリコンからなる素子薄膜13が形成されている。素子薄膜13は、Si基板12の上面で保持部18によって外周部下面を支持されていてSi基板12の上面から浮かされており、保持部18で囲まれた領域が変形可能となっている。
図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)は、この振動センサ31の製造工程を説明する断面図である。以下、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)に従って、振動センサ31の製造工程を説明する。
まず、Si基板12の上面にSiO薄膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてSiO薄膜の不要部分を除去し、図6(a)に示すように、Si基板12の上面から素子薄膜13を浮かそうとする領域にのみSiO薄膜からなる犠牲層32を形成する。
次に、犠牲層32の上からSi基板12の表面に、SiNからなる保護膜34を成膜し、図6(b)に示すように、犠牲層32を保護膜34で覆い隠す。ついで、図6(c)に示すように、保護膜34の表面に多結晶シリコンからなる素子薄膜13を成膜する。
さらに、図6(d)に示すように、素子薄膜13の上から保護膜34の表面にSiNよりなる保護膜35を成膜し、素子薄膜13を保護膜35で覆い隠す。また、Si基板12の裏面にSiO以外の材料からなる保護膜33を成膜する。このとき、保護膜33をSiN薄膜によって形成すれば、保護膜34もしくは保護膜35と保護膜33とを同一工程により一度に形成することができる。Si基板12の裏面に保護膜33が成膜されたら、図6(d)に示すように保護膜33の一部をフォトリソグラフィ技術を用いて矩形状に開口し、裏面エッチング窓26を形成する。裏面エッチング窓26は、裏面エッチング窓26からの結晶異方性エッチングがSi基板12の表面に達するだけの大きさがあればよい。
裏面エッチング窓26が開口されたら、TMAH等のエッチャントにSi基板12を浸漬して裏面エッチング窓26からSi基板12をエッチングし、Si基板12に貫通孔14を設ける。TMAH等のエッチャントは、Siに対しては結晶異方性エッチングとなるので、Si基板12の裏面では、(111)面及びそれに等価な結晶面に沿ってエッチングが進み、ついには図7(a)に示すように、貫通孔14がSi基板12の表面に達して犠牲層32が貫通孔14内に露出する。
SiOからなる犠牲層32はTMAH等のエッチャントではエッチングされないので、犠牲層32が露出したら当該エッチング処理を終了し、Si基板12を洗浄する。
ついで、Si基板12をHF水溶液に浸漬する。HF水溶液はSi基板12を侵さないが、SiOを等方的にエッチングするので、Si基板12の裏面側から貫通孔14内に入ったHF水溶液により、犠牲層32が露出部分から周囲へとエッチングされていき、図7(b)に示すように、素子薄膜13とSi基板12の表面との間に隙間19が生じる。
犠牲層32がエッチングにより完全に除去されたら、Si基板12を洗浄した後、再びTMAH等のエッチャントに浸漬する。このエッチャントは、隙間19に浸入してSi基板12を表面側から結晶異方性エッチングする。その結果、実施形態1の場合と同様に、貫通孔14の内周面でSi基板12の角が取れて傾斜面15と垂直面16が形成され、貫通孔14がドーナツの孔のような形状にエッチングされる。こうして、図7(c)のように所望の貫通孔14が形成されたらSi基板12をエッチャントから引き上げ、洗浄及び乾燥を行なう。最後に図7(d)に示すように、SiNからなる保護膜33、34、35を、加熱した燐酸水溶液などにより除去し、振動センサ31を完成する。
このようにして振動センサ31を製作すれば、Si基板12の裏面側からのエッチングのみで、裏面側における広がりの小さな貫通孔14を開口することができ、振動センサ31を小型化することができる。また、裏面側からのみのエッチングで貫通孔14を開口することができるので、素子薄膜13にエッチングホールを開口する必要が無く、振動センサ31における素子薄膜13の物理的特性を変化させたり、素子薄膜13の強度を低下させたりする恐れが小さくなる。
また、貫通孔14の裏面側の開口面積は保護膜33に明けた裏面エッチング窓26の大きさによって決まり、貫通孔14の表面側の開口面積は犠牲層32の大きさによって決まるので、上記のような製造方法によれば、貫通孔14の開口面積を精度良くコントロールすることができる。
さらに、貫通孔の結晶異方性エッチングの工程と犠牲層をエッチングする工程とでエッチャントを切り替えているので、それぞれの工程でエッチャントを選択する際の制約が少なくなる。また、結晶異方性エッチングから等方性エッチングへと連続して移行しないために、各エッチング工程で歩留まり検査などの工程管理をすることができるという利点もある。
また、実施形態1の場合には、結晶異方性エッチングと等方性エッチングとを同一のエッチャントによって行なったので、結晶異方性エッチングと等方性エッチングとを同一装置内で連続して行え、作業効率が高かった。これに対し、実施形態2の場合には、結晶異方性エッチングと等方性エッチングとを別工程としているので、結晶異方性エッチングの手段と等方性エッチングの手段の制約が少なくなり、例えば等方性エッチングは水溶液以外の腐食性のガスなどを用いた化学的エッチングとすることもできる。
(実施形態3)
図8(a)は本発明の実施形態3による振動センサ41の構造を示す平面図、図8(b)は図8(a)のX−X線断面図である。この振動センサ41は、素子薄膜13にしわ(皺)構造やストッパ43などの機能部分を設けたものである。
素子薄膜13のしわ構造は、四角環状をした2つの屈曲部42によって構成されている。各屈曲部42は、その断面が素子薄膜13の上面側へ突出するように屈曲している。このように素子薄膜13にしわ構造を形成すれば、素子薄膜13の変位が大きくなったり、応力による撓みが少なくなることは、"The fabrication and use of micromachined corrugated silicon diaphragms"(J. H. Jerman, Sensors and Actuators A21-A23 pp.998-992, 1992)に報告されている。
ストッパ43は、素子薄膜13の表面が丸い突起状に突出したものである。静電容量型の振動センサ(例えば、後述のマイクロフォンなど)の場合には、素子薄膜13が可動電極となり、素子薄膜13の上面に対向電極(固定電極)が配置される。静電容量型の振動センサの場合には、素子薄膜13の上面にストッパ43を設けておけば、素子薄膜13が大きく変形した場合でも、ストッパ43が固定電極に当接することにより、振動センサ41の電荷帯電に起因する静電力や、水分固着に起因する毛細管力などによって素子薄膜13が対向電極に吸着されるのを防ぐことができる。
図9(a)(b)、図10(a)〜(d)、図11(a)(b)、図12(a)(b)、図13(a)(b)は、上記振動センサ41の製造工程を説明する図である。以下、図9〜図13に従って振動センサ41の製造工程を説明する。まず、図9(a)(b)に示すように、Si基板12の表面に多結晶シリコン薄膜からなる犠牲層を所定パターンに形成する。この犠牲層は、中央部に位置する四角形の犠牲層44a、屈曲部42の形成領域に形成された四角環状の犠牲層44b、44c、犠牲層44a〜44cをつなぐ線状の犠牲層44d、ストッパ43の形成領域に形成された犠牲層44eからなる。
ついで、図10(a)に示すように、犠牲層44a〜44eの上からSi基板12の表面をSiOからなる保護膜45で覆い、Si基板12の裏面にもSiOからなる保護膜46を形成する。このとき保護膜45は、各犠牲層44a〜44eの上に成膜されるので、各犠牲層44a〜44eの部分では保護膜45は上に突出している。
図10(b)に示すように、保護膜45の上に多結晶シリコン薄膜からなる素子薄膜13を形成する。素子薄膜13は、各犠牲層44a〜44eの領域では、保護膜45を介して各犠牲層44a〜44eによって持ち上げられるので、犠牲層44b、44cの上で屈曲部42が形成され、犠牲層44eの上にストッパ43が形成される。なお、犠牲層44a及び44dの上でも素子薄膜13が上に膨らんで突部47、48が形成される。
さらに、図10(c)に示すように、素子薄膜13の上から保護膜45の表面にSiOからなる保護膜49を成膜して保護膜49で素子薄膜13を覆い隠し、Si基板12の裏面の保護膜46に裏面エッチング窓50を開口する。
この後、Si基板12をTMAH等のエッチャントに浸漬して裏面エッチング窓50から結晶異方性エッチングを行ない、Si基板12の裏面に角錐台状をした貫通孔14を形成する。貫通孔14は、Si基板12下面におけるエッチングが裏面エッチング窓50の縁に達すると停止する。
貫通孔14がSi基板12の表面に達すると、図10(d)に示すように、犠牲層44aが貫通孔14に露出する。犠牲層44aが露出すると、犠牲層44aはTMAH等のエッチャントで等方的エッチングされる。こうして犠牲層44aから始まった等方的エッチングは、図11(a)に細線矢印で示すように、犠牲層44a→犠牲層44d→犠牲層44b→犠牲層44cというように進んでいく。そして、犠牲層44a〜44dがエッチングされた後の隙間にエッチャントが浸入すると、図11(a)(b)及び図12(a)(図12(a)はSi基板12の表面を表わす。)に太線矢印で示すように、犠牲層44a〜44dの除去された跡の隙間51a〜51dのエッジ部からSi基板12の結晶異方性エッチングが進み、Si基板12の表面側からも貫通孔14のエッチングが行なわれる。
この結果、犠牲層44cの外周よりも内側の領域でSi基板12の上面がエッチングされ、Si基板12には表面側と裏面側とからエッチングされた貫通孔14ができる。また、この際に犠牲層44eをエッチングにより除去される。こうして、貫通孔14が完全に形成された時点でSi基板12をエッチャントから引き上げる。
Si基板12を洗浄した後、HF水溶液などでSiOからなる保護膜45、49をエッチング除去し、図13(a)(b)に示すように、素子薄膜13の四隅に保護膜45による保持部18だけが残った時点でエッチングを終了し、洗浄及び乾燥を行なって振動センサ41を完成する。
この実施形態でも、Si基板12の裏面側からのエッチングのみで、裏面側における広がりの小さな貫通孔14を開口することができ、振動センサ41を小型化することができる。また、裏面側からのみのエッチングで貫通孔14を開口することができるので、素子薄膜13にエッチングホールを開口する必要が無く、振動センサ41における素子薄膜13の物理的特性を変化させたり、素子薄膜13の強度を低下させたりする恐れが小さくなる。また、同じ工程により素子薄膜13にしわ構造やストッパ等を容易に形成することができる。
(実施形態4)
図14(a)は本発明の実施形態4による振動センサ61の構造を示す平面図、図14(b)はその断面図である。実施形態1の振動センサ11では、素子薄膜13の下面全周に保持部18を形成していたが、実施形態4の振動センサ61では素子薄膜13のコーナー部(四隅)にのみ保持部18を形成している。実施形態4の振動センサ61では、素子薄膜13のコーナー部にのみ保持部18を設けているので、4辺において素子薄膜13の保持部18間のベントホール63を通じて素子薄膜13の上面側と下面側とが連通している。
図15(a)は本発明の実施形態4の別な振動センサ62の構造を示す平面図、図15(b)はその断面図である。この振動センサ62では、素子薄膜13の一辺にのみ保持部18を形成している。この振動センサ62では、素子薄膜13が保持部18によって片持ち状に支持されているので、素子薄膜13の上面側と下面側とが3辺のベントホール63を通して連通している。
振動センサ61、62のように部分的に保持部18を形成するためには、保持部18を形成しようとする部分で保護膜の幅を広くしておいたり、エッチャント投入位置からの距離(エッチング開始位置から終了位置までの距離)を大きくしておいたりして、エッチング時間を管理することで一部保護膜を除去し一部保護膜を残してやれば、残った保護膜によって保持部18を形成することができる。例えば、振動センサ61では、中心から遠い位置に保持部18が形成されている。また、振動センサ62では、1辺の保護膜の幅を他3辺の保護膜の幅よりも大きくしておいてエッチング後に残るようにしている。
振動センサ61、62のような構造は、マイクロフォン(音響センサ)としての用途に望ましいものである。すなわち、振動センサ61、62では、素子薄膜13は一部分を固定されているだけであるので、素子薄膜13が柔軟になって弾性変形し易くなる。従って、動的な圧力差を検知するマイクロフォンなどとして用いるのに適している。
特に素子薄膜13が矩形の場合に、振動センサ61のように素子薄膜13の4つのコーナー部のみを固定すると、素子薄膜13が柔軟なバネとなる。さらにこの四隅のみの固定方法によると、素子薄膜13の大部分が平行平板のように変形するために、静電容量式マイクロフォンの感度が飛躍的に向上する。
なお、素子薄膜13の四隅の固定部分は、変形による外部からの応力が集中しないよう、対角線方向に延伸した形状とするのがよい。またこの延伸した部位に電極パッド73を接続するようにすれば、素子薄膜13の振動を阻害せずに素子薄膜13から電極を取り出すことができる。
また、保持部18の内部応力は素子薄膜13の振動特性に影響を与えるため、保持部18の内部応力を制御することで素子薄膜13の振動特性を変化させられる。例えば、素子薄膜13が強い引張応力の場合には、保持部18を圧縮応力を持った酸化膜とすることで素子薄膜13の引張応力を弱め、感度を向上させることができる。
また、振動センサ61、62のような構造によれば、Si基板12の表面と素子薄膜13との間で通気性を有するので、素子薄膜13の両面で静的な圧力差を無くすことができベントホールの機能を持たせることができる。
米国特許第5,452,268号などでは、音響抵抗を高めるために平面方向のベントホールの幅を短くしている。しかし、ベントホールの幅を狭くするのにはプロセスルール的に限界があり、あまり効果を期待することができない。
ベントホールの抵抗成分Rvは、
Rv=(8・μ・t・a)/(Sv) …(数1)
で表わされる。但し、μはベントホールの摩擦損失係数、tはベントホールの通気方向の長さ、aはダイアフラムの面積、Svはベントホールの断面積である。また、マイクロフォンのロールオフ周波数fL(感度の低下する限界周波数)は、
1/fL=2π・Rv(Cbc+Csp) …(数2)
で表わされる。但し、但し、Rvは上式の抵抗成分、Cbcは貫通孔14の音響コンプライアンス、Cspは素子薄膜13のスティフネス定数である。
振動センサ61、62では、図16に示すように、Si基板12の上面と素子薄膜13との間のベントホール63の長さtを長くとることができる。よって振動センサ61、62では、上記(数1)から分かるように、ベントホール63の長さtを長くとることによって音響抵抗を非常に高くすることができ、また上記(数2)から分かるように、振動センサ61、62の低周波特性を改善することができるので、マイクロフォンとして好ましい特性を得ることができる。
また、貫通孔14の音響コンプライアンス(バックチャンバーの音響コンプライアンス)Ccavは、
Ccav=Vbc/(ρc・Sbc) …(数3)
で表わされる。但し、Vbcは貫通孔14の体積(バックチャンバー体積)、ρc2は空気の体積弾性率、Sbcは貫通孔14の開口部の面積である。
振動センサ61、62では、Si基板12の表裏両面からエッチングすることにより、体積に比べて開口面積の小さな貫通孔14を形成することができるので、上記(数3)から分かるように、貫通孔14の音響コンプライアンスを大きくすることができ、ベントホール63を開口していても感度が下がりにくくできる。
また、図17(a)のように、貫通孔14がその中央部が内側へ突出するように結晶異方性エッチングされた後、さらにエッチングを継続すると、図17(b)のような状態を経て最終的に図17(c)のような状態までエッチングが進み、(111)面又はそれに等価な結晶面が現れたところで貫通孔14のエッチングが停止する。従って、図17(c)のような状態までエッチングすれば、貫通孔14の体積がより大きくなり、音響コンプライアンスCcavをより大きくできる。あるいは、図17(a)の状態から図17(c)の状態へエッチングする際に、エッチング時間を制御することにより適切な貫通孔14の体積と振動センサのサイズを得ることができる。
また、図17(c)の状態は、結晶異方性エッチングの最終形態であり、表面と裏面の開口部の大きさと相対位置によってバックチャンバーの形状が決まる。最終形態となった場合には、それ以上エッチング時間を長くしてもバックチャンバー(貫通孔14)の形状はほぼ一定に保たれるため、プロセス安定性がよく、歩留まりが高くなる利点がある。
つぎに、上記のような構造の振動センサ61を利用して構成した静電容量型のマイクロフォン71の構造とその製造方法を説明する。図18(a)はマイクロフォン71の平面図、図18(b)はバックプレート72を取り除いた状態におけるマイクロフォン71(つまり、振動センサ61)の平面図、図19はマイクロフォン71の断面図である。このマイクロフォン71は、素子薄膜13を覆うようにして振動センサ61の上にバックプレート72を固定している。バックプレート72は下面に凹部を有するキャップ状をしており、凹部内に素子薄膜13を納めるようにしてSi基板12の表面に固定されている。また、バックプレート72の下面と素子薄膜13との間には、素子薄膜13の振動を妨げない程度の隙間が形成されている。
バックプレート72の上面には金属電極73が設けられている。金属電極73は、図18に示す通りバックプレートの全面に設けられているのではなく、バックプレート72の一部分、特に素子薄膜13の比較的振幅が大きい部分に対向する部分に設けられている。これは、寄生容量を少なくし、静電容量型のマイクロフォン71の特性を向上させるためである。本実施形態のように素子薄膜13が四隅で固定されている場合には、金属電極73の形状を図18(a)に示すようにほぼ八角形とすると、寄生容量を少なくし、かつ限られた領域を有効に活用することができる。金属電極73及びバックプレート72には複数のアコースティックホール74、75を開口している。よって、上方からの音響振動は、金属電極73及びバックプレート72のアコースティックホール74、75を通過して素子薄膜13に達し、素子薄膜13を振動させる。多結晶シリコンからなる素子薄膜13(可動電極)は導電性を有しており、素子薄膜13が振動すると素子薄膜13と金属電極73(固定電極)との間の静電容量が変化するので、これらを素子薄膜13側の電極パッド76、バックプレート72側の電極パッド77を通じて外部へ電気信号として取り出し、この静電容量の変化を検出することによって音響振動を検知できる。
次に、マイクロフォン71の製造工程を図20(a)〜(d)及び図21(a)〜(d)により説明する。まず、図20(a)に示すように、Si基板12の表面に保護膜20、犠牲層23、保護膜24、素子薄膜13、保護膜25を順次積層し、またSi基板12の裏面に保護膜21を成膜する。これは実施形態1の図3(a)と同じ構造であって、実施形態1の図2(a)〜図2(d)と同じ工程を経て作製される。
ついで、図20(b)に示すように、保護膜25の表面から保護膜24及び25の外周面に掛けてSiN膜を成膜し、SiN膜によってバックプレート72を形成する。その後、図20(c)に示すように、エッチングによってバックプレート72にアコースティックホール75を開口する。この際に、図20には記載していないが、電極取り出し部分のSiN膜もエッチングしておく。ついで、図20(d)に示すように、バックプレート72の表面にCr膜を成膜し、その上にAuを成膜してAu/Cr膜を得た後、Au/Cr膜を所定形状にエッチングして金属電極73及び電極パッド76、77を作製する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて裏面の保護膜21に裏面エッチング窓26を開口する。裏面エッチング窓26の大きさは、厚み400μmの(100)面Si基板12であれば、1辺570μm程度で十分である。裏面エッチング窓26が開口されたら、Si基板12をTMAH等のエッチャントに浸漬して裏面側からSi基板12を結晶異方性エッチングし、Si基板12に貫通孔14を開口する。この状態を図21(a)に示す。
図21(a)に示すように、貫通孔14内に犠牲層23が露出すると、多結晶シリコンの犠牲層23がTMAH等のエッチャントによって等方性エッチングされ、図21(b)に示すように、Si基板12の表面に隙間19ができる。隙間19ができると、この隙間19にTMAH等のエッチャントが浸入してSi基板12を表面側からもエッチングし、さらに水平方向にもエッチングが進むので、貫通孔14の縁は図21(c)に示すように表裏にテーパーのついた断面形状となる。
所望の貫通孔14の形状が得られたらSi基板12をエッチャントから引き上げる。そして、素子薄膜13を保護している保護膜21、24、25をHF水溶液などでエッチングし、バックプレート72の下面の保護膜20と保持部18を残して除去する。このとき、保護膜25は、主にアコースティックホール74、75から入り込んだHF水溶液でエッチングされる。よって、アコースティックホール74、75の配置間隔は、図18(a)に示される通り、エッチングが均等になされるようにほぼ等間隔とすることが望ましい。ここで配置間隔を小さくするとエッチング時間を短縮できるが、その分アコースティックホール74、75の数が増え、電極面積が小さくなって感度が減少してしまう。また、アコースティックホールの配置間隔は保持部18の大きさにも関係している。すなわち配置間隔が大き過ぎると、エッチング時間が長くなって保持部18が全てエッチングにされてしまう。これらのことを加味し、アコースティックホール74、75の間隔は50μmとした。保持部18は素子薄膜13のコーナー部にのみ形成され、保持部18間にはベントホール63が開口される。こうして、図20(d)のような構造のマイクロフォン71を完成する。
このようにしてマイクロフォン71を製作することにより、Si基板12の表面側と裏面側とから貫通孔14をエッチングでき、貫通孔14の傾斜面による面積ロスを少なくでき、マイクロフォン71の小型化を図ることができる。しかも、結晶異方性エッチングと等方性エッチングとを組み合わせることで、裏面側からエッチングを開始して表面側と裏面側からSi基板12を結晶異方性エッチングして貫通孔14を開口させることができる。よって、簡略な工程により貫通孔14を開口することができ、低コスト化と高量産性とを両立できる。また、素子薄膜13にエッチングホールを開口する必要がないので、素子薄膜13の強度を低下させたり、振動特性を劣化させたりする恐れも少なくなる。
さらに、素子薄膜13を保持部18で部分的に支持しているので、素子薄膜13が振動しやすくなってマイクロフォン71の感度が向上し、また保持部18間で素子薄膜13とSi基板12の隙間に長いベントホール63を形成できるので、マイクロフォン71の音響抵抗を高くして低周波特性を改善できる。さらに、貫通孔14の体積を大きくできるので、音響コンプライアンスを大きくしてマイクロフォン71の特性を改善できる。
なお、上記各実施形態においては、基板として(100)面Si基板を用いた場合について説明したが、(110)面Si基板などを用いてもよい。
図1(a)は、本発明の実施形態1による振動センサの構造を示す平面図、図1(b)はその断面図である。 図2(a)〜(d)は、実施形態1の振動センサの製造工程を説明する断面図である。 図3(a)〜(d)は、実施形態1の振動センサの製造工程を説明する断面図であって、図2(d)の続図である。 図4(a)〜(c)は、実施形態1の振動センサの製造工程を説明する断面図であって、図3(d)の続図である。 図5(a)は、本発明の実施形態2による振動センサを示す平面図、図5(b)はその断面図である。 図6(a)〜(d)は、実施形態2の振動センサの製造工程を説明する断面図である。 図7(a)〜(d)は、実施形態2の振動センサの製造工程を説明する断面図であって、図6(d)の続図である。 図8(a)は、本発明の実施形態3による振動センサの構造を示す平面図、図8(b)は図8(a)のX−X線断面図である。 図9(a)(b)は、実施形態3の振動センサの製造工程を説明する平面図及び断面図である。 図10(a)〜(d)は、実施形態3の振動センサの製造工程を説明する断面図であって、図9の続図である。 図11(a)(b)は、実施形態3の振動センサの製造工程を説明する平面図及び断面図であって、図10(d)の続図である。 図12(a)(b)は、実施形態3の振動センサの製造工程を説明する平面図及び断面図であって、図11の続図である。 図13(a)(b)は、実施形態3の振動センサの製造工程を説明する平面図及び断面図であって、図12の続図である。 図14(a)は、本発明の実施形態4による振動センサの構造を示す平面図、図14(b)はその断面図である。 図15(a)は、本発明の実施形態4の別な振動センサの構造を示す平面図、図15(b)はその断面図である。 図16は、ベントホールの働きを説明する図である。 図17(a)(b)(c)は、貫通孔の内周面が窪むまでエッチングを継続する工程を示す断面図である。 図18(a)は、本発明にかかるマイクロフォンの平面図、図18(b)はバックプレート72を取り除いた状態におけるマイクロフォンの平面図である。 図19は、同上のマイクロフォンの断面図である。 図20(a)〜(d)は、本発明にかかるマイクロフォンの製造工程を示す断面図である。 図21(a)〜(d)は、本発明にかかるマイクロフォンの製造工程を示す断面図であって、図20(d)の続図である。
符号の説明
11 振動センサ
12 Si基板
13 素子薄膜
14 貫通孔
18 保持部
20、21 保護膜
22 エッチング窓
23 犠牲層
24、25 保護膜
26 裏面エッチング窓
31 振動センサ
32 犠牲層
33 保護膜
41 振動センサ
42 屈曲部
43 ストッパ
44a〜44e 犠牲層
45、46 保護膜
49 保護膜
50 裏面エッチング窓
71 マイクロフォン
72 バックプレート
73 金属電極
74 アコースティックホール
75 アコースティックホール

Claims (1)

  1. 単結晶シリコンからなり、表裏に貫通する貫通孔を形成された単一の半導体基板と、
    前記半導体基板をエッチングして貫通孔を形成するためのエッチャントに対して耐性を有する材料からなり、前記半導体基板の表面上に配設された保持部と、
    前記保持部によって隅部下面を支持され、前記貫通孔の基板表面側の開口を覆う素子薄膜と
    前記半導体基板の表面上に前記素子薄膜と隙間をあけて前記素子薄膜を覆うように配設されたバックプレートとからなり、
    前記素子薄膜の表面側と裏面側とを連通させるためのベントホールが前記保持部間に形成され、
    前記貫通孔の基板表面と平行な断面の面積が、前記半導体基板の表面から裏面に向かうにつれて次第に増加すると共に、前記半導体基板の表面と裏面の中間において増加から減少に転じていることを特徴とするマイクロフォン
JP2008117041A 2008-04-28 2008-04-28 マイクロフォン Expired - Fee Related JP4273438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008117041A JP4273438B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 マイクロフォン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008117041A JP4273438B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 マイクロフォン

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006280648A Division JP4144640B2 (ja) 2006-10-13 2006-10-13 振動センサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008271568A JP2008271568A (ja) 2008-11-06
JP4273438B2 true JP4273438B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=40050397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008117041A Expired - Fee Related JP4273438B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 マイクロフォン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4273438B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013031811A1 (ja) 2011-08-30 2013-03-07 オムロン株式会社 音響センサ及びその製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5206726B2 (ja) 2010-04-12 2013-06-12 株式会社デンソー 力学量検出装置およびその製造方法
JP5187705B2 (ja) * 2011-01-07 2013-04-24 独立行政法人科学技術振興機構 異方性エッチング方法、三次元構造体、及び、デバイス
KR101605476B1 (ko) 2015-01-08 2016-03-22 한국기술교육대학교 산학협력단 음성 측정용 마이크로폰
JP7147335B2 (ja) * 2018-07-31 2022-10-05 Tdk株式会社 Memsマイクロフォン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013031811A1 (ja) 2011-08-30 2013-03-07 オムロン株式会社 音響センサ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008271568A (ja) 2008-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4144640B2 (ja) 振動センサの製造方法
JP4742972B2 (ja) マイクロフォンの製造方法
KR101910867B1 (ko) 차동 콤 드라이브 mems를 위한 시스템 및 방법
TWI545969B (zh) 整合cmos/mems麥克風晶片
JP5676511B2 (ja) テーパー面を備えた膜支持部を有する微小機械音響トランスデューサ
JP5083369B2 (ja) 音響センサ及びその製造方法
WO2013121640A1 (ja) 静電容量型センサ及びその製造方法
US20060237806A1 (en) Micromachined microphone and multisensor and method for producing same
US8415717B2 (en) Acoustic sensor
JP4273438B2 (ja) マイクロフォン
KR101764314B1 (ko) 음향 센서 및 그 제조 방법
JP6390423B2 (ja) 音響センサおよび音響センサの製造方法
JP2009524368A (ja) コンデンサマイクロホン振動板の支持装置
CN108600928A (zh) Mems器件及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090205

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4273438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140313

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees