JP4272311B2 - 屋上断熱防水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期間に亘って断熱性能が低下しない屋上断熱防水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート建物の屋上の断熱防水構造は、図4に示すような、屋根コンクリートスラブ上に防水材を敷設して、その上に断熱材を施工し、更にその上にコンクリートを打設し、屋根コンクリートスラブ層/防水層/断熱層/押さえコンクリート層からなる積層構造からなる屋上断熱防水構造とすることにより、屋上を雨水より防水したり、太陽光線の熱より防いでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この様な屋上の断熱防水構造は、施工した当初においては問題が生じないが、年月を経るとコンクリートを浸透したり、目地とコンクリートの間から漏れた雨水がその下層側の断熱材層に吸水されて断熱性能を著しく低下させてしまうといつた現象が起こることが判明した。
【0004】
一般に発泡ポリスチレン製断熱材は、撥水性であることから雨水を透過させず、断熱材中に水分が蓄積されることはないと考えられ、本来ならば、断熱材中に水が蓄積されて断熱性能が低下するとは考えられないことであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の現象が生じることに鑑み、鋭意研究を重ねた結果、この様な断熱性能の低下現象は、コンクリート層を浸透したり、コンクリートと目地との隙間から進入して来た雨水が、断熱材の継ぎ目を通って防水層の上に溜まった状態となり、そして、この様な状態の時に、室内側の温度が高くなり、室外側の温度が低い冬季になると、液状の水では透過することができなかったが、室内側より温められた防水層の上の水分が水蒸気になると断熱材の中を透過することが可能となり、そして、外気中に出ようとするが、断熱材の上部表面付近は外気温に近い低い温度になっているために、ここで水蒸気が冷やされて、結果として断熱材中で凝縮水となり、断熱材中に水分が蓄積されたものとの知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明の屋上断熱防水構造は、屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱層と、該断熱層上に敷設した押さえコンクリート層とからなる積層体構造にて形成される屋上断熱防水構造において、前記断熱層と押さえコンクリート層との間に、雨水、或いは凝縮水を屋上排水路に導くための透水性材料層を形成し、前記透水性材料層が、発泡樹脂粒子同士の表面を接着剤又は加熱による融着により結合させた微細な細孔を有する粒子結合体を含む透水性断熱性材料であることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] 屋上断熱防水構造
(1) 積層構造体
本発明の屋上断熱防水構造1は、図1に示すように、屋根コンクリートスラブ層2上に敷設した防水層3と、該防水層3上に形成した断熱層4と、該断熱層4上に敷設した透水性材料層5と、該透水性材料層5上に形成した押さえコンクリート層6とから基本的に構成される積層構造体7にて形成されたものである。
【0008】
(2) 構成層
(a) 屋根コンクリートスラブ層
本発明の屋上断熱防水構造1を構成する屋根コンクリートスラブ層2としては、一般に、コンクリート建物に使用されている屋根コンクリートスラブ2からなる層であり、この屋根コンクリートスラブ層2は、通常、工事現場で型枠を組み、その上に配筋した上で、コンクリートを打設する。
【0009】
(b) 防水層
本発明の屋上断熱防水構造1を構成する防水層3としては、一般に建築物の屋根で雨水の浸透を防止する、アスファルト防水、シート防水、改質アスファルト防水、塗膜防水、モルタル防水等を挙げることができる。
【0010】
具体的には、防水材3として、例えば、羊毛及び綿繊維を主体とし、これに紙繊維その他を混合して作った原紙をアスファルトで処理した防水紙を数層アスファルトで張り付けたもので、原紙にアスファルトを浸透したアスファルトフェルト、このアスファルトフェルトに更にアスファルトを被覆したルーフィング等を挙げることができる。
これら防水層は補強用として綿布、麻布、石綿布、金属製網等を用いることもできる。
防水層3は上記防水材3から基本的になるものであるが、厚さが一般に3〜10mm、好ましくは4〜6mmのアスファルト層からなるものである。
【0011】
(c) 断熱層
本発明の屋上断熱防水構造を構成する断熱層4としては、合成樹脂発泡体であり、具体的には、スチレン樹脂発泡体、エチレン・スチレン共重合樹脂発泡体等のスチレン系樹脂発泡体、エチレン系樹脂発泡体、プロピレン系樹脂発泡体等のオレフィン系樹脂発泡体、或いは、スチレン改質オレフィン系樹脂発泡体、硬質ウレタン系樹脂発泡体等の合成樹脂発泡体を挙げることができる。
【0012】
該合成樹脂発泡体は、一般に合成樹脂を発泡倍率が25〜80倍、好ましくは25〜40倍に発泡させたもので、通常、密度が0.0125〜0.05g/cm3、好ましくは0.025〜0.04g/cm3の、独立気泡率の高い発泡体を用いることが好ましい。
該断熱層4の形状は、図1に示すように、基本的には平板状のものであるが、上記防水層3上に敷設する際に隙間ができて断熱効率が低下しないように、重ね合わせ部分となる段部4aを形成することができる。
上記防水層3の上に、敷設される発泡プラスチック製の断熱材4は厚さが一般に20〜100mm、好ましくは25〜80mmのものが使用される。
【0013】
導水路
また、上記防水層3と断熱層4との間に溜まった雨水8を排水するために、断熱層4の下側に高さが一般に3〜30mm、好ましくは7〜15mmの脚部4bを付けることにより雨水8が流れる導水路9を形成した脚付き断熱材4’を用いるか、或いは、断熱層4の下に後記透水性材料4を敷設したり、断熱層4と防水層3との間に空隙部を形成するための支承部材4cを配置した導水路9を形成することが好ましい。
【0014】
(d) 透水性材料層
本発明の屋上断熱防水構造を構成する透水性材料層5は、本発明において最も重要な素材であって、押さえコンクリート層6を浸透してきた雨水8や押さえコンクリート層6と目地10の隙間より漏れてきた雨水8を屋上排水路11の排水口12に導くと共に、室内側13の温度が高く、室外側14の温度が低い冬季において生じる、防水層3の上の雨水が蒸発して水蒸気となり、この水蒸気が断熱材4の中を透過して、透水性材料層5の外気に近いところまで来ると、外気温により水蒸気が冷やされて凝縮水となり、この凝縮水となった雨水を排水溝11に導くための導水路9としての役割を果たすものである。
【0015】
この様な役割を果たすことができる透水性材料層5の素材としては、基本的には、各種形状の樹脂粒子同士の表面を、接着剤の存在下に、又は、加熱による融着によって、部分的に接合させたり、織布、不織布のような繊維を束ねたりすることにより、微細な細孔5cが連通する状態とした多孔質体等を挙げることができる。
【0016】
このような透水性材料層5の具体例としては、球形状、或いは、小枝状や鞍型等の異形状の発泡樹脂粒子5a同士の表面を接着剤5bにより部分的に接合させた粒子結合体や、球形状、或いは、小枝状や鞍型等の異形状の発泡樹脂粒子5a同士の表面を加熱による融着によって部分的に接合させた粒子結合体や、織布、不織布、砂利を接着剤で固めたもの、軟質発泡ポリウレタン等を挙げることが出来る。
【0017】
これらの中でも、本発明においては透水性材料層の構成素材として、発泡樹脂粒子5a同士の表面を接着剤5bの存在下又は加熱による融着により部分的に接合させた粒子結合体を用いることを必須の構成要件とするものである。従って、上記透水性材料層5には微細な細孔5cを有すると共に断熱性を備えているものである。また、上記透水性材料層5は湿気を外部に排出するために通気性を備えたものであることが好ましい。
【0018】
上記発泡樹脂粒子5aとしては、合成樹脂粒子を発泡させた合成樹脂発泡体であり、具体的には、スチレン樹脂発泡体、エチレン・スチレン共重合樹脂発泡体等のスチレン系樹脂発泡体、エチレン系樹脂発泡体、プロピレン系樹脂発泡体等のオレフィン系樹脂発泡体、或いは、スチレン改質オレフィン系樹脂発泡体、硬質ウレタン系樹脂発泡体等を挙げることができる。
【0019】
該合成樹脂発泡体は、一般に合成樹脂を発泡倍率が25〜80倍、好ましくは40〜60倍に発泡させたもので、通常、密度が0.0125〜0.04g/cm3、好ましくは0.017〜0.025g/cm3の、独立気泡率の高い発泡体を用いることが好ましい。
【0020】
また、接着剤5bとしては、発泡樹脂粒子5aを接着することができる公知の接着剤を使用することができ、例えば、水溶性又は水分散型の接着剤及び溶剤型の接着剤を用いることができる。具体的には、ウレタン樹脂系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤、アスファルト系接着剤、セメント系接着剤等を挙げることができる。
上記発泡樹脂性粒子5aと接着剤5bとからなる透水性材料層5の場合は、一般に発泡樹脂性粒子5aを1重量部に対して接着剤5bを1〜3重量部、好ましくは1.5〜2.5重量部の割合で混合したものが使用される。
【0021】
上記織布、不織布としては、具体的には、綿、毛等の天然繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の合成繊維等の繊維を織製した織布、又は、上記繊維を織製せずに圧縮した不織布等を挙げることができる。
これら透水性材料層5の厚みは、一般に0.5〜5cm、好ましくは2〜4cmとするのが普通である。
【0022】
(e) 押さえコンクリート層
本発明の屋上断熱防水構造1を構成する押さえコンクリート層6としては、工事現場で透水性材料層5の上に一般に3m間隔で目地材を設置した後、その目地材の間にコンクリートを打設することにより形成することができる。
該押さえコンクリート層6を形成するコンクリート板6の厚みは一般に20〜100mm、好ましくは40〜80mmのものが通常用いられる。
【0023】
(3) 屋上排水路
(a) 排水口
本発明の屋上断熱防水構造1は、上記積層構造体7より成るものであるが、押さえコンクリート層6上に降った雨水8の大部分は、図2に示すような、屋上表面の一定面積毎に設けられた屋上排水路11の排水口12の上に配設された上蓋12a上を通って屋上排水路11に流れる。
しかしながら、上記押さえコンクリート層6を徐々に浸透して進入してきたり、コンクリート層6と目地10との隙間から進入して来た雨水8は、屋上に形成された緩やかな傾斜に沿って上記透水性材料層5に形成されている細孔5cを通って下方側に自然に流れ、最終的には屋上排水路11の排水口12に設けられた中蓋12b上を通って屋上排水路11を経て下水に流れる。
【0024】
一方、透水性材料層5と断熱材層4の隙間を透過して浸入し、防水層3と脚付き断熱材層4’の脚部4bとの間に溜まった雨水8は、屋上に形成された緩やかな傾斜に沿って防水層3と脚付き断熱材層4’の脚部4bとの間に形成された導水路9を通って下方側に自然に流れる。その後、上記透水性材料層5を通過してきた雨水8と合流して屋上排水路11の排水口12に設けられた中蓋12b上を通って屋上排水路11を経て下水に流れる。
屋上排水路11の排水口12には、漏水防止のために、上記中蓋12bの下側に屋上排水路11と接続する受け皿11aが形成されていることが好ましい。
【0025】
(b) 構 造
従って、屋上排水路11の排水口12は、下水に通じる縦型の屋上排水路11と、該縦型の屋上排水路11と接続する円形状の受け皿11aと、排水口12上に設けられた縦型の溝部15aを有する半円状のキャップ15と、中心部にキャップに挿入する穴が開けられた中蓋12bと、該中蓋12b上に配置され、中心部にキャップ15に挿入する穴が開けられた上蓋12aとから構成されている。
【0026】
[II] 屋上断熱防水構造の施工方法(屋上断熱防水工法)
(1) 防水層の敷設
屋根コンクリートスラブ層上に建築物の屋根で雨水の浸透を防止する際に用いられる上記防水材3を敷設することにより防水層3を形成することができる。
これら防水層3は、一般に以下に示す方法で防水材3を敷設することにより形成されるのが普通である。
先ず、アスファルトプライマーを0.3リットル/m2の塗布量で塗布した後、その上からアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、更にその上にアスファルトルーフィング1500を敷設する。
更にその上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、その上にストレッチルーフィング1000を敷設する。
そして、その上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布した後、その上から再びストレッチルーフィング1000を敷設する。
更にその上から再びアスファルトを2.0kg/m2の塗布量で塗布することにより8層構造からなる防水層3を形成することが出来る。
【0027】
(2) 断熱層の敷設
次いで、上記防水層3の上に、上記発泡プラスチック製の断熱材4を敷設することにより断熱層を形成することができる。
【0028】
(3)透水性材料層の形成上記断熱材4を敷設したその上に、発泡樹脂性粒子5a同士の表面を接合させた粒子結合体を用いることにより透水性材料層5を形成することが出来る。
【0029】
(4) 押さえコンクリート層の敷設
上記透水性材料層5上に、約3mの間隔で設置した目地材10の間にコンクリートを打設することにより押さえコンクリート層6を形成することができる。
【0030】
[III] 用 途
この様に形成した本発明の屋上断熱防水構造は、コンクリート建物の屋上の断熱防水構造として用いることができる。
本発明の屋上断熱防水構造をコンクリート建物の屋上の断熱防水構造として用いると、屋上の断熱層に水が溜まることが無く、断熱性能が低下することがないので、断熱材としての役割を長期間に亘って果たすことができる。それ故、コンクリート建物の屋上の断熱防水構造として最適である。
【0031】
【実施例】
以下に示す実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
(1) 防水層の敷設
屋根コンクリートスラブ上に、先ず、アスファルトプライマーを0.3リットル/m2の塗布量で塗布した後、その上からアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、更にその上にアスファルトルーフィング1500を敷設する。更にその上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布し、その上にストレッチルーフィング1000を敷設する。
そして、その上から再びアスファルトを1.0kg/m2の塗布量で塗布した後、その上から再びストレッチルーフィング1000を敷設する。
更にその上から再びアスファルトを2.0kg/m2の塗布量で塗布することにより8層構造からなる防水層を形成した。
【0032】
(2) 断熱層の敷設
次いで、該防水層の上に、厚さ3cmの発泡ポリスチレン製のボードに高さが10mmの脚部が形成されている脚付き断熱材(油化三昌(株)製のYBボードL−30)を敷設して断熱層を形成した。
【0033】
(3) 透水性材料層の形成
上記断熱層の上に、三菱化学フォームプラスティック(株)製のポリスチレンの発泡樹脂粒子1重量部と、日本瀝青(株)製のアスファルトエマルジョンCPE3の接着剤1重量部と、BASFディスパージョン(株)製のアクロナール295DN1重量部とを混合して、発泡樹脂性粒子の表面に接着剤を塗布し乾燥、固化させたもの(三菱化学フォームプラスティック(株)製「スチロドレン」)を3cmの厚さに形成して、断熱層の上に敷設した透水性材料層を形成した。
【0034】
(4) 押さえコンクリート層敷設
上記透水性材料層上に、約3mの間隔で設置した目地材の間にコンクリートを打設することにより押さえコンクリート層を形成し、屋上断熱防水構造を形成した。
【0035】
(5) 評価結果
この屋上断熱防水構造とした屋上の断熱性能を2年経過後に評価した結果、断熱性能の低下は無かった。
屋上の一部を剥がして、断熱材層を調査したが、雨水が溜まっておらず、何らの変化もなかった。
一方、この屋上断熱防水構造として用いた断熱層(発泡倍率30倍品)と透水性材料層との積層体(15mm脱気パイプ付き)の断熱性能を短期間で評価するために、住宅・都市整備公団工事共通仕様書の建築編、8章「防水工事」、2節「屋根外断熱工法に用いる断熱材」の規定により定められた「屋根外断熱工法用断熱材の測定方法」の「水分蓄積の測定法」に準拠した。促進方法として前述の測定方法の環境条件を恒温恒湿20℃±1℃、湿度65±5%RHを5〜30℃にてサイクル変化をさせる方法で評価を行った。
【0036】
[水分蓄積の測定法]
試験装置
測定に用いた試験装置としては、図5に示す様な形状及び寸法の試験片を3個図6に示す様にして取り付けることができるタバイエスペックラボスター社製、Thermo Regulator LT−140型恒温恒湿水槽を内部に配置した、佐竹化学機械工業社製サタケKHZII−20P型恒温恒湿槽、及び、カールツァイス社製ザルトリュース1334MP型質量測定器を用いた。
【0037】
試験方法
(1)試験片の取付
試験片を所定の寸法に切断し、48時間以上標準状態に靜置させた後、質量(ω0)を測定し、更に試験片の各片の長さを0.1mmまで測定し、それぞれの体積(V)を求めた。
次に、試験片3個を恒温恒湿水槽(温度55〜60℃、湿度100%RH)に取り付ける。
更に、試験片の恒温恒湿槽側の表面部分をJIS Z 1707[食品包装用プラスチックスフィルム(ポリ塩化ビニリデン)]の厚さ約0.014mmのフィルムで包む。その際、図5(a)及び(b)に示すように、恒温恒湿水槽側面の周辺約5mmまで、フイルムを折り返し、JIS Z 1512[布ガムテープ(包装用)]に規定するテープで止め付ける。
【0038】
(2)質量の測定
試験は、内部に恒温恒湿水槽を設置する恒温恒湿槽の温度(恒温水槽環境温度)を、図7に示す様に、30℃温度、湿度65±5%RHの状態で1時間保持させた後、該温度を一定速度で1時間かけて降温させて5℃の温度にまで低下させる。そして、この5℃の温度のままで1時間保持した後、該温度を一定速度で1時間かけて再び30℃の温度にまで昇温する。
この様に、30℃1時間保持/降温1時間/5℃1時間保持/昇温1時間を1サイクル(4時間)として、これを54サイクル(9日)、102サイクル(17日)、204サイクル(34日)、312サイクル(52日)、402サイクル(67日)の間保持した後、試験片を取り出し、フィルムを除去して表面をティシュペーパーで軽く拭いた後、手早く質量(ω)を測定することにより、水分蓄積量の経時変化を測定した。
上記水分蓄積量の経時変化の測定結果を図8として示す。
【0039】
(3)結果の算出
含水率は、次式により算出する。
含水率(体積%)=W+1.64δn−1
ここにW:次式より求めた試験片3個の水分蓄積率(W8 、W17、W34、W52、又は、W34)の平均値。
【0040】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0041】
ω9 :試験日数9日の試験片重量
ω17:試験日数17日の試験片重量
ω34:試験日数34日の試験片重量
ω52:試験日数52日の試験片重量
ω67:試験日数67日の試験片重量
δn−1:標準偏差
【0042】
比較例1
建築後15年を経過したコンクリート建物の断熱効果が悪いので、屋上の一部を剥がして、屋上断熱防水構造を調査した結果、図4に示すような、押さえコンクリート層/断熱層(厚さ3cmの発泡倍率30倍の発泡ポリスチレン製の断熱材)/防水層/屋根コンクリートスラブ層から構成されており、断熱層中には40体積%の雨水が溜まっていた。
一方、この屋上断熱防水構造として用いた厚さ3cmの発泡ポリスチレン製の断熱層(発泡倍率30倍品)の水分蓄積率を、上記実施例1の断熱層(発泡倍率30倍品)と透水性材料層との積層体(15mm脱気パイプ付き)の「水分蓄積の測定法」と同様にして測定した。
その結果を図8に示す。
【0043】
【発明の効果】
このような本発明の屋上断熱防水構造は、断熱層上に透水性材料層が形成されているために、冬季において室内側の温度が高く、室外側の温度が低くなり、防水層の上の雨水が蒸発して水蒸気となって、断熱材の中を透過し、この水蒸気が透水性材料層の外気に近いところで外気温により冷やされて凝縮水となっても、透水性材料層が排水溝に導くための導水路としての役割も果たすことができるので、断熱層に雨水が蓄積されて、断熱材としての役割を果たすことができなくなることはなく、長期間に亘って断熱性能が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明実施例の屋上断熱防水構造の断面図である。
【図2】図2は、図1の屋上断熱防水構造の屋上排水路の排水口の縦型流路との接続部分の断面図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施例の屋上断熱防水構造の断面図である。
【図4】図4は、公知の屋上断熱防水構造の断面図である。
【図5】図5は、水分蓄積の測定法に用いる試験片の形状を表す。
【図6】図6は、水分蓄積の測定法に用いる試験片を恒温恒湿水槽に取り付け方法に関する説明図である。
【図7】図7は、試験片の測定サイクルを表す説明図である。
【図8】図8は、水分蓄積量の経時変化の測定結果を表す図である。
【符号の説明】
1 屋上断熱防水構造
2 屋根コンクリートスラブ
2a 均しコンクリート
3 防水層
4 断熱層
4' 脚付き断熱材層
4a 段部
4b 脚部
4c 支承部材
5 透水性材料層
6 押さえコンクリート層
7 積層構造体
8 雨水
9 導水路
10 目地
11 屋上排水路
11a 受け皿
12 排水口
12a 上蓋
12b 中蓋
13 室内側
14 室外側
15 キャップ
15a 溝部
Claims (4)
- 屋根コンクリートスラブ上に敷設した防水層と、該防水層上に形成した断熱層と、該断熱層上に敷設した押さえコンクリート層とからなる積層体構造にて形成される屋上断熱防水構造において、前記断熱層と押さえコンクリート層との間に、雨水、或いは凝縮水を屋上排水路に導くための透水性材料層を形成し、前記透水性材料層が、発泡樹脂粒子同士の表面を接着剤又は加熱による融着により結合させた微細な細孔を有する粒子結合体を含む透水性断熱性材料であることを特徴とする屋上断熱防水構造。
- 断熱層と防水層の間に導水路を形成した、請求項1に記載の屋上断熱防水構造。
- 断熱層が脚付き断熱材で形成され、脚部が導水路となっている、請求項1又は2に記載の屋上断熱防水構造。
- 透水性材料層に溜まった雨水を屋上排水路に排水するための排水口に中蓋を設けた、請求項1〜3のいずれかに記載の屋上断熱防水構造。
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