JP4270806B2 - ゾルゲル法による反射防止物品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話機の液晶表示部等の各種用途に用い得る、光の表面反射を防止した反射防止物品の製造方法に関する。特に、ゾルゲル法によって反射防止機能を付与した反射防止物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光反射防止が施された物品或いは光反射防止が望まれる物品は、様々な用途で見受けられる。例えば、各種機器の情報表示部の窓材である。一例を挙げれば、携帯電話機、デジタルカメラ等では、液晶表示ディスプレイ(LCD)等を利用した情報表示部を、水、塵、外力等から保護するために、LCD等による表示パネルをそのまま機器外部に露出させずに、外側に透明プラスチック板等による窓材を設けて、表示パネルを保護する事が多い(特開平7−66859号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、表示パネルの前方に窓材等を配置すると、窓材の表裏両面で外光が反射し、表示の視認性が低下するという問題があった。また、表示パネルの低消費電力化が重要な要素である携帯電話機等の携帯機器では、外光反射の問題点として表示の視認性低下の他に更に、窓材での光反射によって、表示パネルからの光の一部が表示パネル側に戻される為に、表示パネルの光の利用効率が低下し、その分、無駄な電力が消費されているという問題もあった。
上記窓材は反射防止物品の一例であったが、この他にも、光反射防止が望まれる或いは必要な物品としては、例えば、各種光学部品、或いは、透明タッチパネル、或いは、広告ディスプレスの前面保護板等と各種ある。
【0004】
そして、従来の反射防止処理の手法としては、例えば、蒸着、スパッタリング、或いは塗工等の手法によって、低屈折率層単層膜或いは低屈折率層と高屈折率層との多層膜からなる反射防止層を設ける(特開2001−127852号公報等参照)等の技術が一般的である。しかし、蒸着、スパッタリング等による反射防止層は、1回又は多数回のバッチ処理により、屈折率と厚みを制御した薄膜を形成する必要があるので、製品の安定性、良品率等に問題がある上、バッチ式生産となるので、生産性が低く、この為、コストも高くなるという問題があった。
或いはまた、別の反射防止処理として、表面を梨地処理化し、その拡散(乱)反射によって鏡面反射光を低減する技術も挙げられるが、この方法では光を拡散させる点で、光の利用効率を上げることはできない上に透過して見る画像の解像度も低下するという問題があった。それは、特に例えば、前記情報表示部の窓材に於ける、表示パネルの表示光の利用効率である。
【0005】
そこで、本出願人は、これら従来の反射防止処理技術に於ける問題点を解決すべく、特開昭50−70040号公報に開示された、繰返周期が光の波長以下の極めて微細な微細凹凸を表面に設けることによって表面反射率を減少させる技術を、応用することを試みた。同号公報に開示された技術をここで説明すれば、表面反射を減らすべきレンズ等の光学部品に対して、その表面にフォトレジスト等を塗布し、露光し、現像する等して、レジストパターンを作製し、該パターンによりガラス基材を腐蝕することで、光学部品の表面に一品毎に直接、微細凹凸を造形する方法である。
しかしながら、一品毎の製造では、作業能率が悪く、工業製品に必要な生産性(量産性)は得られないという問題があった。
【0006】
この様な観点から、本発明者らは、特願2001−352674号(本発明出願時未公開)として、複製型を用いると共に、いわゆる2P法(Photo−polymerization法)によって、基材上に微細凹凸層を賦形する方法を提案した。この方法によれば生産性は向上するが、2P法を利用する限り、得られる反射防止物品の表面に形成された微細凹凸層は、光硬化性樹脂という有機材料からなるので、ガラス等の無機材料の場合に比べれば耐熱性、耐候性等に限界があることは否めなかった。
【0007】
すなわち、本発明の課題は、光の無駄な反射を減らし、表示の視認性を向上させると共に表示光の光の利用効率も上げられる様な微細凹凸を表面に設けた反射防止物品を、生産性良く製造する方法を提供することである。しかも、耐熱性や耐候性等も良好となる製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明による反射防止物品の製造方法は、表面に反射防止用の微細凹凸を有する微細凹凸層が基材上に形成されて成る反射防止物品を製造する方法であって、上記微細凹凸は、可視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長をλMIN、該微細凹凸の最凸部に於ける周期をPMAXとしたときに、
PMAX≦λMIN
なる関係を有し、
且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける基材の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の最凸部から最凹部に行くに従って連続的に漸次増加して行く様な凹凸であり、
上記反射防止物品を製造する際に工程として順次、(A)先ず、微細凹凸形状を造形した原型を用意し、(B)次いで、賦形型として上記原型を用いるか、或いは、上記原型の表面の微細凹凸形状を1又は2回以上の型取・反転による複製を経て複製型を作製して該複製型を用いて、基材上に塗布形成した有機金属化合物を含むゾルゲル液の塗布膜に対して、前記賦形型を押圧後、離型して、該塗布膜の表面に微細凹凸を賦形して微細凹凸層とする、各工程を行う構成として、ゾルゲル法によって反射防止物品を製造する様にした。
【0009】
この様な製造方法とすることで、反射防止物品の表面の微細凹凸はフォトレジスト塗布・露光・現像等によって、一品毎に直接造形する場合に比べて、一旦賦形型を作製した後、この賦形型からの賦形によって形成できるので、先ず、生産性が良くなる。つまり、微細凹凸形状を最初に造形する原型の作製に長時間を要しても、一旦原型を作製すれば、それをそのまま賦形型として用いる場合でも、賦形型は繰返し使用ができるからである。なお、前記原型は賦形型として用いずに、前記原型からその微細凹凸形状を型取・反転して複製した複製型を賦形型として用いれば、より生産性は良くなる。それは、複製型であれば、同じものを多数用意して同時平行的にも製造できる上、たとえ複製型が傷付いたとしても原型から造り直す必要がないからである。これらの生産性向上効果が得られるのは、原型をフォトリソグラフィー法等によって作製する工程が一番難度が高く、且つ時間、労力、製造原価も大きいからである。
【0010】
しかも、本発明の製造方法では、反射防止物品の表面に形成する微細凹凸層は、有機金属化合物を出発物質とするゾルゲル法によって形成する為に、無機質系の層が得られ、例えば2P法等による樹脂層として形成する場合に比べて、耐熱性、耐候性等を優れたものとできる。また、微細凹凸の硬度も得られ、耐洗浄性も良くなる。
なお、本発明の製造方法では、微細凹凸層は焼成しても良いが、焼成しなくても良い。また、焼成しない場合には、反射防止物品の基材としてはガラス等の無機材料以外に、樹脂等の耐熱性に乏しい有機材料も可能である上、時間がかかる焼成工程が無い点で生産性が良く、例えば樹脂シート等の連続帯状の基材に対して、連続処理により更に生産性を良くする事も可能となる。
【0011】
なお、上記微細凹凸によって光反射が防止されるのは、簡単に言えば、物質表面に、反射防止すべき光の波長以下のサイズの微細凹凸を設けると、該表面と空気間の屈折率変化を、実質的に穏やかで連続的なものにできるので、急激で不連続な屈折率変化の場合に生じる現象である光反射を防げるからである。
【0012】
しかも、この様な微細凹凸を設けた本反射防止物品が備える反射防止機能は、梨地処理等の様な乱反射による鏡面反射光を低減する光拡散性の反射防止では無く、物品表面と空気との界面の急激な屈折率変化を緩和する事によって実現している為に、非光拡散性であり、光反射率が低減した分、光透過率が向上する。従って、ディスプレイ等の情報表示部の窓材等に使用時に、表示の視認性を向上させると共に、表示光の光の利用効率も上げられる物品となる。
【0013】
また、本発明の反射防止物品の製造方法は、上記製造方法に於いて更に、基材が無機質基材であり、賦形型を離型した後、表面に微細凹凸が賦形された微細凹凸層を焼成する製造方法とした。
【0014】
本製造方法は、更に基材を無機質基材として、製造工程として焼成工程を含む形態に限定したものであり、この様な製造方法とすることによって、微細凹凸層が有機質成分を含む場合であっても、有機質成分を燃焼、消失させて無機質層とすることができ、耐熱性、耐候性、硬度、耐洗浄性等はより確実に優れたものとできる。従って、例えば、微細凹凸の上に更にITO膜等の透明導電膜を物理的手法により形成する場合等の耐熱性が要求される後処理も容易にできる様になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
〔概要〕
図1は、本発明によるゾルゲル法による反射防止物品の製造方法を、その一形態で概念的に説明する説明図(断面図)である。なお、ここで説明する形態では、原型をそのまま賦形型としては用いずに、原型から一旦複製型を複製し、この複製型を賦形型として使用する形態である。
【0019】
先ず、図面上方右側の図1(A)の如く、微細凹凸賦形用の賦形型41は、その賦形面に反射防止物品に付与すべき微細凹凸2とは逆凹凸形状の微細凹凸2Aを有する。この賦形型41として、生産性の点でより好ましくは、図面上方左側の図1(B)の如く、露光法等により微細凹凸形状を造形(微細凹凸形状を最初に形作ること。)した原型40は使わずに、図1(C)の如く、該原型40から微細凹凸形状を型取・反転により複製した複製型を賦形型41として用いるのが良い。なお、もちろんだが、生産性等の点で問題なければ、上記原型40をそのまま賦形型41として用いても良い。
【0020】
そして、図1(A)の如く、基材1上には、有機金属化合物を含むゾルゲル液を塗布して塗布膜3Aを形成しておく。そして、図1(D)の如く、賦形型41で該塗布膜3Aを押圧した後、賦形型41を離型すれば、図1(E)の如く、前記塗布膜3Aは、その表面に微細凹凸2が賦形された微細凹凸層3となり、該微細凹凸層3が基材1上に積層された構成の反射防止物品10が得られる。
【0021】
なお、このままでも、上記反射防止物品10の表面には所望の凹凸形状の微細凹凸2が賦形されているので反射防止効果が得られるが、微細凹凸2を表面に有する微細凹凸層3の強度、耐久性等をより良くする為には、更に焼成工程を経て、微細凹凸層3中の有機質成分を燃焼させてしまうのが好ましい。なお、焼成する場合には、もちろん基材はその焼成温度に耐え得る材料となり、基材がガラス等の無機質材料の場合に好適である。
【0022】
なお、本発明特有の上記微細凹凸2は、光波長以上の大きさの凹凸によるマット面(艶消し)を利用して光を散乱(拡散反射)させる方式の従来公知の反射防止処理乃至は防眩処理とは異なり、可視光線の波長以下の大きさの本発明特有の形状の凹凸である。この様な微細な凹凸によって、光反射防止効果が得られるのである。
【0023】
なお、図1は概念的であるので、反射防止物品10の形状は平板状であるが、該形状は平板状に限定されるものではない。また、微細凹凸2は反射防止物品の2以上の複数の面に形成することもできる。
【0024】
また、反射防止物品と賦形型とでは、その微細凹凸は逆凹凸関係となるが、本発明の説明では、それらの微細凹凸を特に明示的に区別する場合は、反射防止物品上のものは微細凹凸2、賦形型上ののものは微細凹凸2Aとして、符号の違いで使い分ける。但し、複製型による賦形型では、それを得る為の型取・反転による複製操作の数によって、賦形型と原型との微細凹凸は、逆凹凸関係となる場合とそうで無い場合とがある。複製操作が1回又は奇数回の場合は、賦形型と原型とは逆凹凸関係だが、2回又は偶数回の場合はそれらは同じ凹凸関係となる。
【0025】
〔微細凹凸〕
微細凹凸2が、反射防止効果を有するのは、次の様な理由による。
すなわち、該微細凹凸2によって、反射防止物品の表面を構成する微細凹凸層3と、外界(空気)との間の急激で不連続な屈折率変化を、連続的で漸次変化する屈折率変化に変えることが可能となるからである。それは、光の反射は、物質界面の不連続な急激な屈折率変化によって生じる現象であるから、物品表面に於ける屈折率変化を、空間的に連続的に変化する様にすることによって、該物品表面に於ける光反射が減るのである。
なお、微細凹凸層3は、通常は透明で光は透過する物となるが、不透明の物であっても、その表面反射を低下する反射防止効果は得られる。
【0026】
以下、微細凹凸層3表面に形成された微細凹凸2によって、反射防止効果が得られる理由について、微細凹凸層3(及び基材1)が透明である場合を前提として詳述する。
【0027】
図2〜図4は、微細凹凸層3の表面に賦形された微細凹凸2によって得られる屈折率分布を、概念的に説明する概念図である。先ず、図2は、反射防止物品として、基材1(不図示)上に積層され表面に微細凹凸2が付与された微細凹凸層3について、該微細凹凸層3が、Z≦0の部分の空間を占め、該微細凹凸層の表面、すなわちZ=0に於けるXY平面上に、Z軸方向を凹凸方向とする多数の微細凹凸2が配置された状態を示す。
【0028】
そして、本発明では、微細凹凸2を、図2の如く、その最凸部2tに於ける周期をPMAXとしたときに、このPMAXが、可視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長をλMIN以下としてある為、微細凹凸形成面への到達光に対しては、媒質(微細凹凸層、及び空気)の屈折率に空間的な分布があっても、それは注目する波長以下の大きさの分布である為に、その分布がそのまま直接に光に作用せず、それが平均化されたものとして作用する。従って、平均化された後の屈折率(有効屈折率)が光が進行するに従って連続的に変化する様な分布にしておけば、光の反射を防げるのである。
【0029】
なお、本発明に於いて、最凸部2tに於ける周期PMAXとは、隣接する微細凹凸2の最凸部2t間の距離のうち最大の距離であって、個々の微細凹凸が規則的に配置され周期性を有する(隣接する微細凹凸同士間の距離が同一)構成でも良いが、周期性が無い(隣接する微細凹凸同士間の距離が不揃い)構成でも良い。
【0030】
そして、図2では、直交座標系として、微細凹凸層3の表面の包絡面に立てた法線方向にZ軸を、また、それと直交する平面内にX軸、Y軸をとる。そして、今、光が微細凹凸層外部から微細凹凸層内に入光して、該微細凹凸層内部を進み、該微細凹凸層の表面近傍をZ軸の負方向に向かって進行しつつあり、丁度、Z軸座標がzのところに存在するとする。
【0031】
すると、ここのZ=zに居る光にとっては、媒体の屈折率は微細凹凸層3表面が特定の微細凹凸2をなす為、厳密には、Z=zに於いてZ軸と直交するXY平面(横断面:水平断面)内に於いて、分布f(x,y,z)を持つ様に見える。すなわち、XY平面内に於いて、微細凹凸層3の断面部分は屈折率nb(1.5程度)、其の他の部分、具体的には空気aの部分は屈折率na(=1.0程度)となる(図3参照)。
ところが実際には、光にとっては、その波長(反射防止の対象とする光の波長が分布を有する場合は、その波長帯域の最小波長λMINを考えれば良い。)よりも小さな空間的スケールの屈折率分布は、平均化されたものとして作用する結果、平均化された結果の有効屈折率は、前記XY平面内に於いて、屈折率分布f(x,y,z)をXY平面内に於いて積分したもの、
【0032】
【数1】
【0033】
となる。その結果、有効屈折率(nef)の分布はzのみの関数nef(z)となる(図4参照)。
【0034】
よって、もしも、微細凹凸2に於ける微細凹凸層3の凸部の断面積が、凹部に向かって連続的に増大する様な形状であれば(XY平面内に於ける)微細凹凸層部分と空気部分との面積比がZ軸方向に向かって連続的に変化する為、有効屈折率nef(z)はzに付いての連続関数になる。
【0035】
一方、一般に屈折率n0の媒質から、屈折率n1の媒質に光が入射する場合を考える。今、簡単の為に、入射角θ=0°(垂直入射)を考える。但し、入射角は入射面の法線に対する角度とする。
この場合、媒質界面での反射率Rは、偏光、及び入射角には依存せず、下記の〔式2〕となる。
【0036】
【数2】
【0037】
従って、(有効)屈折率のZ方向への変化が連続関数であるということは、Z方向(光の進行方向)に微小距離Δz隔てた2点、Z=zに於ける屈折率nef(z)をn0、Z=z+Δzに於ける屈折率nef(z+Δz)をn1、としたときに、
【0038】
Δz→0 ならば、 n1→n0
【0039】
となり(連続関数の定義より)、よって、〔式2〕より、
【0040】
R→0
【0041】
となる。
【0042】
なお、ここで、より厳密に言うと、物体中での光の波長は、真空中の波長をλ、物体の屈折率をnとしたときに、λ/nとなり、λよりは一般に或る程度小となる。但し、物体が空気の場合の屈折率はn≒1の為、λ/n≒λと考えて良い。但し、微細凹凸層に使われる材料は、通常1.5前後の屈折率である為、屈折率nbの基材中の波長(λ/nb)は、0.7λ程度となる。この点を考慮すると、微細凹凸2の部分に於いて、空気の側の部分(微細凹凸2の凹部)について見れば、
【0043】
PMAX≦λMIN
【0044】
の条件を満たすとき、屈折率平均化による反射率低減効果が期待出来る。但し、
【0045】
λMIN/nb≦PMAX≦λMIN
【0046】
である場合は、微細凹凸層の部分(微細凹凸2の凸部)の寄与について見れば、屈折率平均化による反射率低減効果は、少なくとも完全には期待出来ないことになる。
しかし、それでも、空気部分に於ける寄与の為、全体としては反射防止効果を有する。
そして、
【0047】
PMAX≦λMIN/nb
【0048】
の条件までも満たす場合は、空気部分、微細凹凸層部分とも、周期PMAXが、最短波長よりも小さいと言う条件が完全に満たされる為、屈折率平均化による反射防止効果は、より完全となる。
具体的には、λMINを可視光波長帯域の下限380nm、nbを仮に1.5とすれば、λMIN/nbは250nm、つまりPMAXは250nm以下とすれば良い。
【0049】
次に、微細凹凸2の形状は、微細凹凸をその凹凸方向と直交する面(XY平面)で切断したと仮定したときの断面(水平断面)内に於ける微細凹凸層の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の最凸部(頂上)から最凹部(谷底)に行くに従って連続的に漸次増加して行く形状とする。この為には、微細凹凸の山は少なくともその一部の側面が斜めの斜面を有するものとすれば良いが、下記する図5(C)の様に斜面と共に垂直側面がある形状の微細凹凸でも良い。特に、好ましくは、最凸部に於いて完全に0に収束し、且つ最凹部に於いて完全に1に収束する形状とする。具体的には例えば、図5(B)、図5(C)の如き形状が挙げられる。但し、図5(D)、或いは図5(E)の如く、最凸部に於いては、ほぼ0に漸近した形状、或いは、最凹部に於いてほぼ1に漸近する様な形状であれば、或る程度の効果は得られる。微細凹凸の形状は、この様な条件を満たせば、どんな形状でも良い。
【0050】
例えば、個々の微細凹凸2の垂直断面形状は、図5(A)の如き正弦波等の曲線のみによる波状の形状〔図2も参照〕、図5(B)及び図5(C)の如き三角形等の直線のみによる形状、或いは、図5(D)の如き三角形の最凸部が平坦面を成す形状である台形の形状、図5(E)の如き隣接する三角形間の最凹部が平坦面を成す形状等である。但し、図5(D)や図5(E)の如く、最凸部或いは最凹部に平坦面を有する形状では、最凸部或いは最凹部の平坦面の部分で、その平坦面の占める面積割合が大きい程、有効屈折率の変化がより大きく不連続となる。その点で性能的には劣るものとなる。しかし、この場合でも、微細凹凸の最凸部から最凹部に行くに従って有効屈折率を連続的に変化させることは出来る。従って、反射防止性能の点では、最凸部或いは最凹部の平坦面の面積割合は少ない程好ましい。
【0051】
また、有効屈折率nef(z)を空気中から微細凹凸層中に向かうZ方向の関数として、naからnbに連続的に変化する様にする為には、微細凹凸の最凸部に於いて、微細凹凸層の断面積占有率が0に収束する図5(B)或いは図5(C)の如き形状(すなわち、尖った形状)で且つ最凹部に於いて該断面積占有率が連続的に1に収束する形状が最も好ましい。
【0052】
次に、個々の微細凹凸の水平断面形状は、円形(例えば図2)、楕円形、三角形、四角形、長方形、六角形、其の他多角形等任意である。なお、水平断面形状は、微細凹凸の最凸部から最凹部の全てにわたって同じである必要は無い。従って、微細凹凸の立体形状は、例えば、水平断面形状が円形で垂直断面形状が正三角形の場合の微細凹凸の立体形状は円錐に、水平断面形状が円形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸の立体形状は斜円錐に、水平断面形状が三角形で垂直断面形状が正三角形の場合の微細凹凸の立体形状は三角錐に、水平断面形状が四角形で垂直断面形状が三角形の場合の微細凹凸の立体形状は四角錐になる。
【0053】
また、微細凹凸の、水平面内に於ける配置は、図2で例示した如く二次元的配置の他に、図6(A)の斜視図で例示の直線溝状の微細凹凸2の如く、一次元的配置でも良く、どちらも効果は得られる。但し、一次元的配置の場合は、光の波の振幅方向との関係で、反射防止効果が得られる方向と得られない方向とが出る、異方性が発生する。従って、図2の斜視図や図6(B)及び(C)の平面図で例示の様な二次元的配置の方が、方向性が全く無い点で好ましい。
【0054】
なお、個々の微細凹凸の立体形状は全て同一でも良いが、全て同一で無くても良い。また、個々の微細凹凸2を二次元配置する場合に、周期は、個々の微細凹凸に於いて全て同一でも良いが、全て同一で無くても良い。
【0055】
また、微細凹凸の高さHは、希望する反射率の低減効果と微細凹凸層表面に入射する可視光帯域の最大波長に応じて決定する。例えば、特開昭50−70040号公報(特にその第3図)記載の反射率、微細凹凸の高さ、及び光波長との関係を基に設計する場合、例えば、可視光帯域での反射率を、2%(未処理の硝子の場合の半分)以下に低減させることを目標とするならば、その最小高さHMINが0.2λMAX以上、すなわち、
【0056】
HMIN≧0.2λMAX
【0057】
また、可視光帯域での反射率を0.5%以下にまで低減させることを目標とするならば、
【0058】
HMIN≧0.4λMAX
【0059】
とするのが好ましい。なお、ここで、λMAXは、可視光波長帯域の真空中に於ける最大波長である。微細凹凸の高さHは、ゼロから高くなるに従って反射率が低下して行くが、上記不等号条件を満足させる高さまで達すると、有為な効果が得られる様になる。具体的には、例えば、発光スペクトルの最大波長が、λMAX=640nmの蛍光灯を用いたとすれば、HMIN≧0.2λMAX=128nmとかなる。すなわち、HMINは128nm以上とすれば良い。また、スペクトルの最大波長がλMAX=780nmの太陽光線を考えるならば、HMIN≧0.2λMAX=156nm、すなわち、HMINは156nm以上とすれば良い。また、最小高さHMINと周期PMAXとの関係では、最小高さHMIN/周期PMAXの比を、1/2〜4/1程度とする。
【0060】
ここで、微細凹凸の具体的形状及び大きさを例示すれば、形状は垂直断面が正弦波状で水平断面が円形の円錐状の形状のものを多数、二次元的に規則的配置した集合体であり、周期期PMAXが50〜250nm、最小高さHMINを前記周期PMAXの1.5倍としたもの等がある。
【0061】
〔賦形型の作製〕
ゾルゲル法による塗布膜を賦形する為に使用する賦形型として、微細凹凸形状を最初に造形した原型を用いても良いが、生産性等の点で、より好ましくは、該原型から1回、或いは2回以上の型取・反転による複製工程を経て作製した複製型を用いるのが良い。つまり、最初に一旦、原型(これを原版、或いはマザー版とも呼ぶ)を作製した後、この原型から複製型を作製する複製操作を1回又は2回以上の多数回行い、その結果、得られた複製型(これを本版、或いはマスター版とも呼ぶ)をゾルゲル法による塗布膜に対して使用する賦形型として採用するのである。この様な方法とすることで、工業的生産性、コスト等に優れた方法となる。
【0062】
賦形型の元となる原型としては、必要な微細凹凸が形成されているのものであれば、その作製方法には基本的には特に限定は無く、生産性、コスト等を考慮して適宜なものを使用すれば良い。原型の作製は、微細凹凸2を賦形する為の凹凸形状を最初に造形する工程であり、半導体分野等に於ける微細加工技術、すなわち、光(含む電子ビーム)をパターン形成に利用する所謂露光法を利用できる。但し、半導体の場合は、凹凸形状はその側面が通常垂直面で良く、本発明の如く斜面にする必要は特に無いため、本発明では、斜面が形成できる様にして微細加工する。
【0063】
上記の如き微細加工技術としては、電子線描画法を利用できる。この方法では、先ず、ガラス基板の上にレジスト層を形成した後、電子線描画法により該レジスト層を露光し現像してパターニングしてレジストパターン層とする。この後、腐蝕マスクに該レジストパターン層を利用してガラス基板をドライエッチング法等により腐蝕することで、ガラス基板に微細凹凸形状が形成される。この際、エッチング時にサイドエッチングさせて、斜面を形成する。また、ガラス基板腐蝕時の腐蝕マスクとしてはレジストパターン層自体を直接用いても良いが、斜面を有する深い凹凸形状を形成するには、好ましくは、ガラス基板上にクロム等による金属層を設けた後、レジスト膜を形成してレジストパターン層を得、前記金属層をこのレジストパターン層を利用して金属パターン層としてたものを、腐蝕マスクとして用いるのが良い。
【0064】
また、レジスト膜へのパターン形成に際しては、電子線描画法の他に、レーザー描画法も利用できる。レーザ描画法では、ホログラム、回折格子等の作製等に利用されているレーザ干渉法が利用できる。回折格子の場合は、一次元的配置であるが、角度を変えて多重露光すれば、二次元配置も可能となる。但し、レーザ干渉法では、得られる微細凹凸は、通常規則的配置となるが、電子線描画法では、予め所定の描画パターン情報を記憶装置にデジタルデータとして記憶しておき、該描画パターン情報により、走査する電子線のON、OFF、乃至は強弱を変調する。その為、規則配置の他にも、不規則配置も可能である。また、レーザー描画法及び電子線描画法には各々長所、短所が有る為、設計諸元、目的、生産性等を考慮の上、適宜な手法及び条件を選択する。
【0065】
次に、上記原型から賦形型として使用する複製型を作製する方法としては、公知の方法、例えば、原型にニッケル等の金属めっきを行って、めっき層を剥がせば金属製の複製型を作製できる(電鋳法)。或いは、この複製型にもう一度めっきして、再度複製した型を賦形型とするなど、2以上の多数回の複製操作を経て賦形型を作製しても良い。なお、ゾルゲル法で形成した塗布膜に対する賦形型の形態としては、板状、シート状、ブロック状等があり得、反射防止物品の形状、用途等に応じて適宜選択すれば良い。なお、賦形型は、上記ニッケルの如き金属製でも良いが、シリコーン樹脂等の樹脂製のものを使用しても良い。例えば、樹脂からなるシート状で連続帯状も可能な賦形型である。
【0066】
〔ゾルゲル法〕
ところで、ゾルゲル法は、アルコキシシラン等の有機金属化合物を金属酸化物の前駆体として含むゾルゲル液を基材上に塗布した塗布膜から、金属酸化物からなる無機質系塗膜を形成する方法として知られている。また、最近では、有機無機複合膜を形成する方法としても知られている。これらのゾルゲル法にて、基材が樹脂シート等の場合には、塗布膜を高温で熱処理して有機質成分を燃焼・消失させる焼成工程は含めないが、基材がガラス等の無機質材料の場合には、基材が高熱に耐え得る為に、更に塗布膜を焼成して完全な無機質膜とすることもできる。
【0067】
この様なゾルゲル法による塗布膜に対して、更にその表面に凹凸形状を形成方法としては、例えば、特開昭62−225273号公報、特開平6−94907号公報、或いは、「ゾル−ゲル法によるマイクロパターニング」(セラミックス,vol37,No.3,p161−164,2002)等として提案されている。これらの文献によれば、金属アルコキシドを含むゾルゲル液の溶液を塗布して形成した可塑性状態の塗布膜に対して、賦形型を押圧してその表面に、回折格子、光ディスク基板の溝等の微細な凹凸形状を賦形する方法が提案されている。
【0068】
ゾルゲル液としては、樹脂シートやガラス等の各種基材に対するゾルゲル液として適用されている公知のものを使用できるが、本発明では少なくとも賦形型を押圧するときは可塑性を呈する事が好ましい。もしも、塗布膜の塗布から硬化までの間で可塑性を呈する時間が少なく、賦形の作業性が悪い様ならば、可塑性を増大する為に、例えば、溶液の粘度を上昇させる樹脂や低分子化合物等を適宜添加するのも好ましい。
【0069】
ゾルゲル液として使用される有機金属化合物としては、重縮合反応や架橋反応等によって、その粘度が上昇する様な化合物を使用することができる。有機金属化合物としては、例えば、一般式RnM(OR’)mで表される金属アルコキシド化合物や、その加水分解物等が挙げられる。なお、上記式中、Mは、Si、Ti、Zr、Al、Ca、Na、Pb、B、Sn、Ge等の金属を表し、R及びR’はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を表し、n及びmは、n+mが金属Mの原子価となる整数を表す。従って、例えば金属Mがケイ素Siの場合には、上記一般式は、RnSi(OR’)n-4となる。
【0070】
更に、上記の如き金属アルコキシ化合物の具体例を挙げれば、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4等のケイ素系アルコキシド化合物、Ti(OC3H7)4、Ti(OC4H9)4等のチタン系アルコキシド化合物、Zr(OC3H7)4、Zr(OC4H9)4等のジルコニウム系アルコキシド化合物、Al(OC3H7)4、Al(OC4H9)4等のアルミニウム系アルコキシド化合物、NaOC2H5等のナトリウム系アルコキシド化合物等が挙げられる。
更に、ケイ素系アルコキシド化合物の具体例を挙げれば、メチルトリエトキシシラン〔(CH3)Si(OC2H5)3〕、メチルトリプロポキシシラン〔(CH3)Si(OC3H7)3〕、ジメチルジエトキシシラン〔(CH3)2Si(OC2H5)2〕等が挙げられる。
【0071】
また、有機金属化合物としては、一般式XnM(OR’)mで表される金属アルコキシド化合物〔但し、上記式中Xは、アミノ基、カルボキシル基、グリシジル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の反応性官能基〕、例えば金属がケイ素の場合では所謂シランカップリング剤と称される化合物等も使用することができる。
【0072】
また、賦形時の可塑性の向上の為に添加する樹脂や低分子化合物としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル化合物等の低分子有機化合物を使用することができる。
また、ゾルゲル液には、水、或いは、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル等の溶剤を適宜使用する。また、ゾルゲル液には、塩酸等の酸やアルカリを、有機金属化合物やその加水分解物等の加水分解反応を促進する触媒として適宜使用する。
【0073】
〔賦形型による賦形〕
そして、ゾルゲル液を塗布して形成した塗布膜に対して、前述の如き賦形型を押圧し離型すれば、塗布膜表面には所望の微細凹凸が賦形され、微細凹凸層が得られる。また、賦形時は塗布膜は可塑性状態とするが、賦形後に更に反応を進めて塗膜を完全に固化させて微細凹凸層とする。なお、賦形時は適宜加熱しても良い。
【0074】
〔焼成〕
賦形型を離型した後、基材がガラス等の無機質基材で焼成温度に耐え得る材料のものであれば、更に賦形後に得られた微細凹凸層を焼成して、有機質成分が残存する場合はそれを焼いて無機質層としても良い。焼成することにより、微細凹凸を表面に有する微細凹凸層は、耐熱性、耐候性、硬度、耐洗浄性等がより優れたものとなる。従って、例えば、微細凹凸の上に更にITO膜等の透明導電膜を物理的手法により形成する場合等の耐熱性が要求される後処理も適用できる反射防止物品が得られる。なお、焼成温度は、通常200℃以上、例えば450℃等である。また、焼成工程を経る事によって、賦形型で賦形し易い様に樹脂や低分子有機化合物をゾルゲル液に添加してある場合でも、これらの有機質成分を燃焼させて、有機質成分が残らない無機質層として微細凹凸層を形成することができる。従って、これら有機質成分の残存による、耐熱性、耐候性、硬度、耐洗浄性等の性能低下を防げる。
【0075】
なお、基材がガラス等の無機質基材の場合であっても、上記の如き耐熱性、耐候性、硬度、耐洗浄性等の性能が過剰性能となるのであれば、焼成工程は省略することもできる。焼成工程を省略すれば、それにかかる処理時間が短縮されるので、生産性が向上する。また、基材が有機質材料で樹脂シート等の連続帯状の基材の場合では、焼成工程は実施できないが、連続処理も可能で生産性が優れた製造方法となる。
【0076】
〔基材〕
基材1としては、特に限定されないが。ガラス(含むセラミックス)等の無機質材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂を用いることができる。なお、塗布膜を焼成する場合は、焼成時の耐熱性の点で基材としては無機質材料が好ましい。基材の材料には、反射防止物品の用途に応じた材料を使用すれば良い。また、基材には、通常、透明なものを使用する。
【0077】
なお、無機質材料の基材としては、ソーダガラス、石英ガラス等のガラス、セラミックス等が挙げられる。
また、有機質材料の基材としては、熱可塑性樹脂が代表的であり、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル樹脂〔但し、(メタ)アクリルとはアクリル、或いはメタクリルを意味する。〕、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的にはノルボルネン系樹脂等があるが、例えば、日本ゼオン株式会社製の製品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の「アートン」等がある)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、セルロース系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0078】
〔反射防止物品の用途〕
なお、本発明による反射防止物品としては、形状は、三次元形状、板、シート等任意であり、用途も特に限定れるものでは無い。但し、その反射防止表面の微細凹凸は、極めて微細であるが故に、汚れや傷に対して注意するに越したことは無いので、微細凹凸は好ましくは外面には露出させず、内面に設けられる用途、或いは、装置内部に設けられる用途等が好適である。なお、本発明が適用し得る用途は、これから例示される用途に限定されるものではない。
【0079】
例えば、携帯電話、デシタルカメラ等の各種機器に於ける情報表示部の窓材である。これら表示部では、LCD等の表示パネルの前面に、板や成形品等となった樹脂製或いはガラス製の窓材が配置される。窓材としての反射防止物品は、外側は露出する為に傷や汚れへの耐性の点で本発明特有の微細凹凸は設けず、内側の裏面の側に該微細凹凸を設けたものとするのが好ましい。なお、情報表示部は、LCD等の表示パネル以外に、時計に代表される機械式アナログメータ等の様な機械的手段で表示するものでもよく、これらの窓材でも良い。
なお、窓材は、平板状もあるが、組み付けやデザイン上の観点から周囲に突起等有するものもある。
【0080】
なお、上記の様な窓付き情報表示部を有する機器としては、携帯電話、時計の外にも、パーソナルコンピュータ、電子手帳等のPDA乃至は携帯情報端末、電卓、或いは、CDプレーヤー、DVDプレーヤ、MDプレーヤ、半導体メモリ方式音楽プレーヤ等の各種携帯型音楽プレーヤ、或いは、ビデオテープレコーダ、ICレコーダ、ビデオカメラ、デシタルカメラ、ラベルプリンタ等の電子機器、或いは、電気炊飯器、電子ポット、洗濯機等の電気製品等がある。
【0081】
また、板状やシート状の反射防止物品に於いては、透明タッチパネル等に使用する透明板等の透明基材が挙げられる。透明タッチパネルは、表示部に入力機能を付加するものであるが、該製品組立上、LCD、CRT等の表示パネルと別部品として組み付けるので、表示パネルと透明タッチパネル間に空隙が残り、光反射が生じる。そこで、透明タッチパネルの裏面側を成す透明基材を、その裏面を本発明特有の微細凹凸を設けた反射防止物品とすれば、光反射が防げる。
【0082】
なお、透明タッチパネルは、例えば、電子手帳等のPDA乃至は携帯情報端末(機器)、或いは、カーナビゲーションシステム、POS(販売時点情報管理)端末、携帯型オーダー入力端末、ATM(現金自動預金支払兼用機)、ファクシミリ、固定電話端末、携帯電話機、デシタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、パソコン用ディスプレイ、テレビジョン受像機、テレビ用モニターディスプレイ、券売機、計測機器、電卓、電子楽器等の電子機器、複写機、ECR(金銭登録機)等の事務器、或いは、洗濯機、電子レンジ等の電気製品に使用される。
また、本発明の反射防止物品は、各種光学部品としての用途も挙げられる。例えば、写真機のレンズ、写真機のファインダの窓材、眼鏡のレンズ、オーバーヘッドプロジェクタのフレネルレンズ、レーザ装置の出力取出窓、光センサの光入力窓、望遠鏡のレンズ等が挙げられる。
【0083】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳述する。
【0084】
〔実施例1〕
次の様にして、賦形型、ゾルゲル液を用意して、図1(E)の如き表面に微細凹凸2を有する微細凹凸層3が、基材1上に積層された構成の透明な反射防止物品10を作製した。
【0085】
(1)賦形型の作製:石英ガラス基板の片面に金属クロム膜を形成した後、その上にポジ型レジストをスピンコートしてレジスト膜を形成した。次いで、このレジス膜に、縦横周期300nmのメッシュ状描画データを電子線描画装置にて描画後、現像液で現像し、前記メッシュ開口領域が開口したレジストパターン層を形成した。次いで、該レジストパターン層の開口部から露出している金属クロム膜を塩素系ガスでドライエッチングした。そして、レジストパターン層と金属クロム膜を耐エッチング層として、ガラス基板をフッ素系ガスでドライエッチングして、所望の微細凹凸形状が造形された原型(マザー版)を作製した。次に、この原型から、電気めっき法によって、厚さ80μmのニッケルめっきプレートからなる複製型(ニッケルスタンパ)を賦形型として作製した。
【0086】
(2)ゾルゲル液の作製:ゾルゲル液としては、高分子量SiO2ゾル溶液と、低分子量SiO2ゾル溶液とを各々調整し、これらを混合して作製した。
【0087】
(2−1)高分子量SiO2ゾル溶液の調整:撹拌機、窒素導入管、排出管を装備した四つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)22.7g(0.17mol)とメタノール14mlを加えて混合し、0℃に冷却した。これと水と塩酸とを、各々、H2O/MTMOS=1.30、HCl/MTMOS=0.105となる様に添加して、室温で10分間撹拌した後、乾燥窒素を導入しながら70℃で3時間、150rpmの速度で撹拌した後、減圧下で溶媒を留去して、高粘性の重合物からなる高分子量体を得た。
この高分子量体がMeSiO1.5(但し、Meはメチル基)に加水分解及び縮合したと仮定したときの固形分濃度が1.5質量%になる様に、該高分子量体をメチルエチルケトンに溶解し、高分子量SiO2ゾル液を得た。
この高分子量体の分子量は、ポリスチレンを標準試料として、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)により測定したところ、重量平均分子量で42000であった。
【0088】
(2−2)低分子量SiO2ゾル溶液の調整:メチルトリエトキシシラン(MTEOS)が理想的にSiO2又はMeSiO1.5に加水分解及び縮合したと仮定したときの固形分濃度が3重量%となる様に、MTEOSを溶媒であるメチルエチルケトンに溶解し、液温が25℃に安定するまで30分撹拌した。次に、触媒として濃度0.005Nの塩酸をMTEOSのアルコキシ基と等モル量を添加して、25℃で3時間、加水分解反応を行った。次に、硬化剤として酢酸ナトリウムと酢酸を混合したものを添加して、25℃で1時間撹拌して、低分子量SiO2ゾル溶液を得た。
【0089】
(3)ゾルゲル液の調整:上記低分子量SiO2ゾル溶液に、前記高分子量SiO2ゾル溶液を30質量%添加して、塗布用のゾルゲル液とした。
【0090】
(4)塗布膜の形成及び賦型:厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートシートからなる基材の表面に上記ゾルゲル液を、溶剤除去後の膜厚が、10ミクロンとなる様に塗布し、60℃で5分間乾燥して塗布膜とした。次いで、前記(1)の賦形型を用いて、熱プレス法にて該塗布膜の表面に所望の微細凹凸を賦型した。すなわち、SiO2層を塗布形成した基材に賦形型を〔120℃、1Pa(10kgf/cm2)〕の熱圧条件で押圧した。その結果、賦形型を剥離して得られた基材上の塗布膜表面には、賦形型の逆凹凸パターンが形成され、所望の微細凹凸を表面に有する微細凹凸層となり、該微細凹凸層が基材上に積層された構成の透明な反射防止物品が得られた。
【0091】
上記微細凹凸層を基材表面に有する反射防止物品について、反射率を測定したところ、視感反射率は0.3%と反射防止効果が認められた。
【0092】
〔実施例2〕
次の様にして、賦形型、ゾルゲル液を用意して、図1(E)の如き表面に微細凹凸2を有する微細凹凸層3が、基材1上に積層された構成の透明な反射防止物品10を作製した。
【0093】
(1)賦形型の作製:石英ガラス基板の片面に金属クロム膜を形成した後、その上にポジ型レジストをスピンコートしてレジスト膜を形成した。次いで、このレジス膜に、縦横周期300nmのメッシュ状描画データを電子線描画装置にて描画後、現像液で現像し、前記メッシュ開口領域が開口したレジストパターン層を形成した。次いで、該レジストパターン層の開口部から露出している金属クロム膜を塩素系ガスでドライエッチングした。そして、レジストパターン層と金属クロム膜を耐エッチング層として、ガラス基板をフッ素系ガスでドライエッチングして、所望の微細凹凸形状が造形された原型(マザー版)を作製した。次に、この原型から、電気めっき法によって、厚さ80μmのニッケルめっきプレートからなる複製型(ニッケルスタンパ)を賦形型として作製した。
【0094】
(2)ゾルゲル液の作製:ゾルゲル液としては、高分子量SiO2ゾル溶液と、低分子量SiO2ゾル溶液とを各々調整し、これらを混合して作製した。
【0095】
(2−1)高分子量SiO2ゾル溶液の調整:撹拌機、窒素導入管、排出管液を装備した四つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)22.7g(0.17mol)とメタノール14mlを加えて混合し、0℃に冷却した。これと水と塩酸とを、各々、H2O/MTMOS=1.30、HCl/MTMOS=0.105となる様に添加して、室温で10分間撹拌した後、乾燥窒素を導入しながら70℃で3時間、150rpmの速度で撹拌した後、減圧下で溶媒を留去して、高粘性の重合物からなる高分子量体を得た。
この高分子量体がMeSiO1.5に加水分解及び縮合したと仮定したときの固形分濃度が1.5質量%になる様に、該高分子量体をメチルエチルケトンに溶解し、高分子量SiO2ゾル液を得た。
この高分子量体の分子量は、ポリスチレンを標準試料として、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)により測定したところ、重量平均分子量で42000であった。
【0096】
(2−2)低分子量SiO2ゾル溶液の調整:メチルトリエトキシシラン(MTEOS)が理想的にSiO2又はMeSiO1.5(但し、Meはメチル基)に加水分解及び縮合したと仮定したときの固形分濃度が3重量%となる様に、MTEOSを溶媒であるメチルエチルケトンに溶解し、液温が25℃に安定するまで30分撹拌した。次に、触媒として濃度0.005Nの塩酸をMTEOSのアルコキシ基と等モル量添加して、25℃で3時間、加水分解反応を行った。次に、硬化剤として酢酸ナトリウムと酢酸を混合したものを添加して、25℃で1時間撹拌して、低分子量SiO2ゾル溶液を得た。
【0097】
(3)ゾルゲル液の調整:上記低分子量SiO2ゾル溶液に、前記高分子量SiO2ゾル溶液を30質量%添加し、さらにこの添加後の溶液に対して、ポリエチレングリコールを5質量%添加したものを、塗布用のゾルゲル液とした。
【0098】
(4)塗布膜の形成及び賦型:厚さ2mmのガラス製の基材の表面に上記ゾルゲル液を、溶剤除去後の膜厚が、10ミクロンとなる様に塗布し、60℃で5分間乾燥して塗布膜とした。次いで、前記(1)の賦形型を用いて、熱プレス法にて該塗布膜の表面に所望の微細凹凸を賦型した。すなわち、SiO2層を塗布形成した基材に賦形型を〔120℃、1Pa(10kgf/cm2)〕の熱圧条件で押圧した。その結果、賦形型を剥離して得られた基材上の塗布膜表面には、賦形型の逆凹凸パターンが形成され、所望の微細凹凸を表面に有する微細凹凸層となったた。更に、賦形型を剥離した後、該微細凹凸層を450℃で30分焼成して、最終的な微細凹凸層として、所望の反射防止物品を得た。
【0099】
上記微細凹凸層を基材表面に有する反射防止物品について、反射率を測定したところ、視感反射率は0.5%と反射防止効果が認められた。
【0100】
【発明の効果】
(1)本発明の反射防止物品の製造方法によれば、反射防止物品の表面の微細凹凸はフォトレジスト塗布・露光・現像等によって、一品毎に直接造形する場合に比べて、一旦賦形型を作製した後、この賦形型からの賦形によって形成できるので、生産性が良い。しかも、表面に形成する微細凹凸層は、ゾルゲル法によって形成する為に、無機質系の層が得られ、例えば2P法等による樹脂層として形成する場合に比べて、耐熱性、耐候性等を優れたものとできる。また、微細凹凸の硬度も得られ、耐洗浄性等も良くなる。また、賦形後の微細凹凸層の焼成を行わない場合には、基材にはガラス等の無機材料以外に樹脂等の耐熱性に乏しい有機材料も可能となる。しかも、時間がかかる焼成工程が無い点で生産性が良く、例えば樹脂シート等の連続帯状の基材に対して、連続処理により更に生産性を良くする事も可能となる。
また、本発明の製造方法で反射防止物品に付与される反射防止機能は、梨地処理等の様な鏡面乱反射によって光反射を低減するものでは無く、物品表面と空気との界面の急激な屈折率変化を緩和する事によって実現している為に、光反射率が低減した分、光透過率が向上する。従って、ディスプレイ等の情報表示部の窓材等に使用時に、表示の視認性を向上させると共に、表示光の光の利用効率も上げられる反射防止物品が得られる。
【0101】
(2)また、基材を無機質基材とし、微細凹凸層を焼成する様にすれば、微細凹凸層が有機質成分を含む場合であっても、有機質成分を燃焼、消失させて無機質層とすることができ、耐熱性、耐候性、硬度、耐洗浄性等はより確実に優れたものとできる。従って、例えば、微細凹凸の上に更にITO膜等の透明導電膜を物理的手法により形成する場合等の耐熱性が要求される後処理も容易にできる様になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止物品の製造方法をその一形態で概念的に説明する説明図。
【図2】微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図(その1)。
【図3】微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図(その2)。
【図4】微細凹凸で得られる有効屈折率の分布を概念的に説明する為の図(その3)。
【図5】微細凹凸の(垂直)断面形状の幾つかを例示する断面図。
【図6】微細凹凸の水平面内での配置の幾つかを例示する断面図。
【符号の説明】
1 基材
2 微細凹凸
2A (賦形型上の)微細凹凸
2t (微細凹凸2の)最凸部
3A (賦形前の)塗布膜
3 微細凹凸層
10 反射防止物品
40 原型
41 賦形型(複製型)
n 屈折率
na 屈折率(空気)
nb 屈折率(基材)
n0 屈折率
n1 屈折率
nef(Z) 有効屈折率
HMIN (微細凹凸の)最小高さ
PMAX 周期
R 反射率
λMIN 最小波長
λMAX 最大波長
Claims (2)
- 表面に反射防止用の微細凹凸を有する微細凹凸層が基材上に形成されて成る反射防止物品を製造する方法であって、
上記微細凹凸は、可視光の波長帯域の真空中に於ける最小波長をλMIN、該微細凹凸の最凸部に於ける周期をPMAXとしたときに、
PMAX≦λMIN
なる関係を有し、
且つ該微細凹凸をその凹凸方向と直交する面で切断したと仮定したときの断面内に於ける基材の材料部分の断面積占有率が、該微細凹凸の最凸部から最凹部に行くに従って連続的に漸次増加して行く様な凹凸であり、
上記反射防止物品を製造する際に工程として順次、
(A)先ず、微細凹凸形状を造形した原型を用意し、
(B)次いで、賦形型として上記原型を用いるか、或いは、上記原型の表面の微細凹凸形状を1又は2回以上の型取・反転による複製を経て複製型を作製して該複製型を用いて、基材上に塗布形成した有機金属化合物を含むゾルゲル液の塗布膜に対して、前記賦形型を押圧後、離型して、該塗布膜の表面に微細凹凸を賦形して微細凹凸層とする、各工程を行う、ゾルゲル法による反射防止物品の製造方法。 - 基材が無機質基材であり、賦形型を離型した後、表面に微細凹凸が賦形された微細凹凸層を焼成する、請求項1記載のゾルゲル法による反射防止物品の製造方法。
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