JP4269154B2 - 無線アクセス通信端末及びそのための計測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は周波数分割二重無線アクセス通信端末に関し、特に送信ギャップ内での周波数チャンネルの受信信号強度の計測に関する。
【0002】
【従来の技術】
ユニバーサル移動通信標準(UMTS)エアインターフェイスにおいては、基地局がユーザ装置(UE)と継続的に通信を行う。それ故、広域移動通信システム(GSM)とは異なり、他の周波数チャンネルの強度を測定するためにUEに許容された分散タイムスロットは無い。しかしながら、UMTSスタンダードは、UE内の送信機と受信機がパワーダウンされる継続的な送信において規定された時間を有している。これらのギャップは、圧縮モードとして定義付けられ、UEが他の周波数チャンネル上で受信した信号強度を計測する機会を持つようにされている。他の周波数チャンネル上における受信信号強度がより強い場合、UEは、ネットワークの無線リソース管理(RRM)、つまり無線リンクの制御によって指示されてチャンネルを切り替える。これは、UEに対するサービス品質を改善する。加えて、UEに対してブロードキャストセル間のローミングを許容する。
【0003】
圧縮モードの間、UEからの信号の送信は、計測されるべき受信チャンネル上の干渉を低減するために休止され得る。
【0004】
双方向モードのUEでは、UMTS標準とGSM標準の双方が維持される。これは、圧縮モードの間、UMTS標準による受信信号及びGSM標準による受信信号の両方の計測が行われ得ることを意味する。
【0005】
従って、圧縮モードの間、GSM計測受信機は、他の周波数チャンネルの計測開始をオンにする。しかしながら、これは、UEがGSM計測受信機を早くオンにし過ぎる、つまりUMTS送信機がパワーダウンされる前にオンにすると、GSM受信機は、送信されるべきUMTS信号上で内部干渉を起こす可能性があり、その結果、データ送信を繰り返し要求される可能性がある。従って、これは消費電力の増加をもたらす。
【0006】
加えて、GSM計測受信機による計測が圧縮モードギャップのスタートで行われ、UMTS送信機が十分にパワーダウンされていないと、GSM計測信号上で干渉が起こり、その結果、GSM信号の計測を繰り返し要求される可能性がある。これもまた、UEにおける消費電力の増加をもたらす(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
国際公開WO 01/41492 A1
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明の目的は、ダウンリンク信号の干渉量を低減できるようにして無線通信端末における消費電力の低減化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、計測されたダウンリンク信号の干渉量を低減することにより、双方向ユーザ装置(UE)端末における消費電力を低減するものである。干渉の低減により、ダウンリンクチャンネルの再計測回数及びデータの再送信回数が低減され、結果として、UEで消費される電力もまた低減され、それ故、バッテリーの寿命を長くすることができる。
【0010】
干渉を低減するために、本発明では、送信機が低減された電力レベルにある間に、第2のタイプの信号のダウンリンクチャンネルの信号強度の計測開始を決定する。
【0011】
特に、本発明の第1の態様によれば、ピーク電力レベルと周期的に低減された電力レベルとを持つ第1のタイプの信号を送信し、前記第1のタイプの信号とは異なる第2のタイプの信号を受信するための周波数分割二重無線アクセス通信端末において、第1の周波数で前記第1のタイプの送信信号を送信する送信機であって、送信信号がピーク電力レベルで送信されるピーク電力モードと低減された電力モードとを切り替えるように配置されている送信機と、前記送信信号の第1の周波数とは異なる第2の周波数で前記第2のタイプの受信信号を受信する受信機と、前記受信信号の信号強度を計測するための検出器と、前記受信機、送信機、検出器と接続され、前記送信機が前記低減された電力モードで動作している間であって該送信機が前記ピーク電力モードへの切り替え開始ポイントより前の所定時刻に前記検出器に対して前記受信信号の信号強度を計測させるように配置されているコントローラとを含むことを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末が提供される。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、移動通信端末における受信無線信号の強度を計測するための方法において、ピーク電力レベルと周期的に低減された電力レベルとを持つ第1のタイプの送信信号を第1の周波数で送信するステップと、前記送信信号をピーク電力レベルのピーク電力モードと低減された電力モードとの間で切り替えるステップと、前記第1のタイプの信号とは異なる第2のタイプの受信信号を、前記送信信号の前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で受信するステップと、前記送信信号が前記低減された電力モードにある間であって前記送信信号が前記ピーク電力モードへの切り替えが開始されるポイントより前の所定時刻に前記受信信号の信号強度を計測するステップとを含むことを特徴とする計測方法が提供される。
【0013】
なお、計測されるべき第2のタイプのダウンリンク信号における干渉量は、ダウンリンク信号が計測されるシーケンスを順序付ける、つまりこれらの計測がUE送信機のピーク電力レベルから最も離れている、UE送信機の低減された電力モードの間の時点で起こるように最も干渉の高い信号が順序付けられることで低減される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、4つの通信セル105の概略を示している。各通信セル105は、第1〜第4の基地局110、115、120、125により形成される。通信セル105は、ユーザ装置(UE)が基地局110、115、120、125のうちの適切な1つと通信できるエリアを規定する。図1において、UE130は第4の基地局125と通信状態にある。第4の基地局125と通信している1つのUE130のみが示されているが、実際には、第4の基地局125は複数のUE130と通信状態にあっても良いことは明らかである。UE130は、第4の基地局125に送信されて受信されるアップリンク信号140を発生する。第4の基地局125は、UE130で受信、処理されるダウンリンク信号135を発生することによりUE130と通信を行う。
【0017】
本実施の形態においては、移動局は2つの通信標準のうちの1つに従ってアップリンク信号を発生することができる。一方の標準は広域移動通信システム(GSM)であり、他方はユニバーサル移動通信標準(UMTS)であることが望ましい。しかしながら、本発明はGSMやUMTS標準に制約されず、CDMA−2000やEGSMのような他の通信標準等に適用されても良い。
【0018】
なお、アップリンク信号とダウンリンク信号の周波数は異なる周波数とされる。
【0019】
周知のように、UE130は異なる通信セルの間でローミングしても良く、それ故、第1、第2、第3の基地局110、115、120のいずれとも通信可能である。UE130は現在のセルの周辺を移動したり、あるいは他のセルへ入るので、第1〜第4の通信セル110〜125のいずれから発生されたダウンリンク信号135、145もUE130で受信される。これらのダウンリンク信号は異なった周波数で送信されるので、UE130は、基地局との通信を継続するために最も適切な通信チャンネルはどれであるかを決定すべく他の周波数チャンネルをスキャンする必要がある。UE130は、これを受信信号の強度で決定する。これは、UE130は、現在受信している周波数とは異なる周波数で他のダウンリンク信号をスキャンしなければならないことを意味する。このスキャニング手法は周知である。しかしながら、本発明ではこの周波数スキャニングをUMTS標準の圧縮モードの間に行う。
【0020】
図2は、アップリンク信号205とダウンリンク信号210とによる代表的なUMTS周期的信号パターンを示している。前述した通り、アップリンク信号205とダウンリンク信号210は異なる周波数で送信される。UMTS信号パターンの各区間は、ピーク電力送信225が行われている時間長とアップリンク信号とダウンリンク信号の送信電力が最小である220の時間長とからなる。この最小送信区間が圧縮モード215と呼ばれる。UTRAN WCDMA圧縮モードにおける時間ギャップは、1つあるいは2つの10msecを越える3〜14タイムスロットの間で変えることができる。高次のパラメータがネットワークにより送信され、それはFDDフレーム構造における圧縮モードの時間と位置を示す。
【0021】
圧縮モードはUMTS標準における周知の形態である。圧縮モードの間、UEにおける基地局(ノードB)に対するUMTS送信機からの出力はオフにされ、特定のUEに対する送信信号はオフにされる(他のUEに作用しているRF送信機ではない)。WCDMAシステムは、同時及び非同時アップリンク及びダウンリンク圧縮モードを許容する。
【0022】
これは、シングルモードUMTS UEにおいては、UMTS計測受信機がダウンリンク信号を異なる周波数で計測することを許容する。このような計測から、UE130は、通信チャンネルを切り替えるかどうかを決定する。UE130は、通信状態にある基地局から圧縮モードパターンのシーケンスの詳細を受信する。言い換えれば、UE130が最初にスイッチオンあるいは使用チャンネルが切り替えられると、UE130は、通信を行おうとするアップリンク信号及びダウンリンク信号のための新しい圧縮モードの詳細が必要となる。このシーケンス情報は、基地局によりUE130に対して送信される。
【0023】
GSM標準は時間的に双方向の(time duplexed)信号であるので、GSM送信機の動作しない所定時間が存在し、それ故、GSM計測受信機は他のGSMダウンリンクチャンネルを計測することができる。特に、GSMにおいては、GSMアップリンク及びダウンリンクフレームの各々において8タイムスロットがある。UEは、アップリンクフレームにおけるそのアップリンクのために8スロットの1つが割り当てられると共に、ダウンリンクフレームにおけるそのダウンリンクのために1スロットが割り当てられる。これらの2つのスロットは、各UEが割り当てられたダウンリンクタイムスロットから何らかの情報を受信した後に、各UEが3スロットのアップリンクタイムスロットを割り当てられるように割り当てされる。それ故、UEは、ダウンリンクからコマンドを受信する時点から2つの空きタイムスロット、あるいはネットワークに対する計測のためのアップリンクの送信後に4つの空きタイムスロットを持つ。GSMにおいては、これらの空きタイムスロットは、UTRANにおける圧縮モードにより生成されるものと同様のシステム計測のために使用され得る。
【0024】
図3は、圧縮モード送信ギャップ215の詳細なタイミングダイアグラム300を示す。図から明らかなように、225で示される時間の間、UMTS送信機(図示せず)がオンにされている。しかしながら、ランプダウンポイント305でUE130は圧縮モードに入り始める。理想的には、UMTS送信機の電力は破線311に従って低下する。しかしながら、UMTS送信機の寄生特性、特に寄生容量により、UE130は第2のポイント306で圧縮モードに入り、第2のポイント306はランプダウンポイント305から線309で規定されるランプダウン時間後である。同様に、UE130はランプアップポイント307でパワーオンにされ圧縮モードから抜け始める。理想的には、送信機は破線325に従ってフルパワーに回復する。しかしながら、送信機の寄生特性により、ポイント335に至るまで送信機はフルパワーにならない(それ故、UE130は圧縮モードから抜け切れていない)。これは、線308で示すランプアップ時間後である。UMTS送信機の寄生特性の性質は、ランプアップ及びランプダウン時間を決定するが、この時間は代表的には上昇のために0.5msec、下降のために0.5msecである。それ故、これは、UE130が圧縮モードで動作している時には、送信機がランプアップ及びランプダウンする間、ポイント306と307の間に1msec程度の時間ギャップが存在することを意味する。FDDWCDMAにおける15タイムスロットが10msecである。
【0025】
図4は、無線アクセス通信端末400の受信部の構成を示すブロック図である。アンテナ405が受信機ブロック410に接続されている。アンテナ405は、GSM標準及びUMTS標準の両方を用いる信号を受信するために配置されている。受信機ブロック410は、UMTS受信機415とGSM受信機420とから成る。UMTS受信機415とGSM受信機420は共に適切な標準に従って信号を受信するために配置されている。UMTS受信機415とGSM受信機420は、ダウンコンバータブロック425に取り付けられている。ダウンコンバータブロック425は、GSMダウンコンバータ435とUMTSダウンコンバータ430とから成る。ダウンコンバータブロック425への入力は第1、第2の周波数シンセサイザ440、445である。第1の周波数シンセサイザ440はGSMダウンコンバータ435に接続され、第2の周波数シンセサイザ445はUMTSダウンコンバータ430に接続されている。第1、第2の周波数シンセサイザ440、445は分離して示されているが、これらは1つの周波数シンセサイザにまとめられていても良いことは自明である。
【0026】
第1、第2の周波数シンセサイザ440、445で発生される信号周波数は、GSMダウンコンバータ435とUMTSダウンコンバータ430の出力が一定の中間周波数となるようにする。言い換えれば、選択されたダウンリンクチャンネルの周波数が変化すると、第1、第2の周波数シンセサイザ440、445で発生される信号周波数は、GSMダウンコンバータ435とUMTSダウンコンバータ430の出力が一定の中間周波数450、455となるように変化する。ベースバンドプロセッサブロック460は、GSMベースバンドプロセッサ465とUMTSベースバンドプロセッサ470とから成る。GSM中間周波数450はGSMベースバンドプロセッサ465に供給され、UMTS中間周波数455はUMTSベースバンドプロセッサ470に供給される。GSMベースバンドプロセッサ465、UMTSベースバンドプロセッサ470は、中間周波数信号をベースバンド信号に逓減変換すると共に、逓減変換された信号をプロセッサによる処理のためにディジタル化する。プロセッサについては、図6に関連して後で説明される。
【0027】
本発明の実施の形態におけるUE130の受信部の機能について図3をも参照して説明する。
【0028】
前述したように、UMTS送信機がピーク電力225で送信している時、GSM計測受信機420は他のダウンリンク周波数チャンネルの信号強度を計測しない。これは、UMTS内部回路がGSM受信機回路に干渉を生じ、スプリアス信号計測を生ずるおそれがあるかもしれないからである。このような場合、ユーザ装置のバッテリー寿命を低減させる再計測あるいは再データ送信が要求される。従って、UMTS及びGSMダウンリンクチャンネルの計測は、図3に示されているポイント306と307との間に規定された時間内に行われる。
【0029】
プロセッサ605は、図6に示されるように、UMTS送信機(図示せず)、UMTS受信機415、GSM受信機420及び第1、第2の周波数シンセサイザ440、445の各々に接続されている。従って、プロセッサ605は、UE130における少なくとも上記構成要素の動作を制御する。
【0030】
プロセッサ605は、コントローラ610、論理層1プロトコルスタック615、及び記憶部620を有する。論理層1プロトコルスタック615は、プログラミング機能であり、それは、当業者にとっては周知の通り、コントローラ610に対してシーケンスを指令したり、タイミングを通知したり、計測シーケンスの順序を管理したりする。
【0031】
論理層1プロトコルスタック615はコントローラ610に接続されている。コントローラ610は、送信のためのディジタル信号を発生すると共に、受信ディジタル信号を処理するために配置されている。記憶部620はコントローラ610に接続され、GSM受信機420による計測時間に関する詳細を記憶するために配置されている。GSM計測受信機420が異なるダウンリンクチャンネルを計測するために採用する時間長の評価について以下に説明する。
【0032】
GSM受信機420は、他の周波数GSMダウンリンクチャンネルの信号強度計測をさせるために必要な時間を評価するために配置されている。これが達成される方法は数多くある。一例をあげれば、製造時のテストの際に、GSM受信機420は、特定のGSMダウンリンク周波数チャンネルの強度を計測することを要求されても良い。この間、GSM受信機は、クロック、例えばプロセッサクロックにより供給されるクロックパルスの数をカウントしても良く、これはGSM受信機420が特定の周波数チャンネルの信号強度を計測することを可能にするために要求されるものである。要求されるクロックパルスの数は、プロセッサに内蔵されるかプロセッサからアクセス可能であるかのいずれでも良い記憶部620に格納される。加えて、プロセッサ605は、必要であれば、格納された値を周期的にチェックあるいは更新するように配置されても良い。この周期的な更新は、各要素が時間の経過と共に劣化するので、GSM受信機420による信号強度の計測を正確に行わせることができるというメリットを持つ。
【0033】
プロセッサ605は、GSM受信機420が他のダウンリンク周波数チャンネルのスキャンを開始すべき時刻を決定する。GSM計測受信機420は、UE130が圧縮モードから解放されはじめる(ランプアップポイント307で)と計測をやめることを確実にし、そして干渉の問題を軽減するために、GSM受信機420はランプアップポイント307で計測をやめることが望ましい。それ故、プロセッサ605は、GSM受信機が計測を開始できる最新の時刻、つまり最も遅いタイミングを定義付ける。この時刻は、以下のように定義される。
【0034】
計測のための最新時刻=UE130が圧縮モードから解放され始める時刻(ランプアップポイント307)−GSM受信機の計測時間(1)
プロセッサ605はUE130が圧縮モードを脱しはじめると制御を行うので、ランプアップポイント307に関連して異なる周波数のダウンリンクチャンネルの計測を開始するためにGSM計測受信機420のための最新時刻を決定することが望ましい。それ故、このランプアップポイント307はプロセッサ605により正確に定義付けされる。しかしながら、最小電力点306がうまく定義付けされていれば、例えばランプダウン時間309が製造時に計測されて記憶部620に保存されていれば、GSM計測受信機420が計測を開始するための最新時刻は最小電力点306あるいはランプダウンポイント305のどちらかに関連して決定され得ることは明らかである。
【0035】
前述したように、GSM受信機420は、UMTS送信機がアップリンク信号を送信しているかあるいはUMTS受信機がダウンリンク信号を受信している間は不動作状態にあり、待機モードに入っている。それ故、GSM受信機420が信号強度の計測を開始する準備のための遅延時間が存在する。これは、受信機ウォームアップ時間として図3に311で示されている。従って、プロセッサは、GSM受信機が準備時間を持つための最新の動作時刻を計算する必要がある。この最新の動作時刻は以下のように定義付けられる。
【0036】
最新の動作時刻(図3の315)=UE130が圧縮モードから脱し始める時刻(図3のランプアップポイント307)−受信機計測時間(図3の340)−受信機準備時間(図3の311)
GSM受信機420が準備するのに要する時間は、受信機計測時間(図3の340)に関連して上述されたのと同じ方法で評価される。準備時間の値もまた、プロセッサがこの情報をアクセスできるように記憶部に保存される。
【0037】
本実施例はGSM受信機に関して説明されているが、UMTS地上無線アクセス(UTRA)、エンハンスドGSM(EGSM)、パーソナル通信システム (PCS)、符号分割多重アクセス−2000(CDMA−2000)、その他においても、上述したのと同様の方法で圧縮モードの間の計測を導入しても良い。
【0038】
更に、特定の周波数チャンネルのための計測が、1つ以上の圧縮モード時間を越えて導入されても良い。例えば、GSM受信信号の計測のために必要な時間がネットワークによりセットされるような圧縮モードにより提供される最大時間よりも長い場合、UE130はいくつかの圧縮モードギャップにわたって実行すべき計測のために設計される。
【0039】
本発明の他の形態によりチャンネルがスキャンされる順序について、他の例により、また図5を参照して説明する。前述したように、UMTS受信機415、GSM受信機420は、UE130が基地局と通信状態にあるダウンリンクチャンネルとは異なる他のダウンリンク周波数チャンネルを通してスキャンする。GSM受信機420は圧縮モードの間にダウンリンクチャンネルをスキャンすることで計測される信号の干渉量を低減すべく配置されているが、干渉のレベルは、UE130により送信されたアップリンク信号の周波数及び計測されるダウンリンク信号の周波数により大きな範囲に決定される。例えば、計測されるダウンリンクチャンネルに周波数の近いアップリンクチャンネルは、クローズにあるような動作周波数を持つアップリンクチャンネルに比べて高いレベルの干渉を生ずる。加えて、計測されるダウンリンクチャンネルの高調波である動作周波数を持つアップリンク周波数チャンネルもまた高いレベルの干渉を生ずる。プロセッサ605は、圧縮モード状態の間に特定の順序でダウンリンクチャンネルの信号強度を計測することにより干渉のレベルを低減するようにされる。その順序は、周波数チャンネルをスキャンするために適した順序を決定するために、プロセッサ605を使用し、図5に従ってプロセッサ605により行われる。
【0040】
プロセッサ605はコントローラ610、論理層1プロトコルスタック615、及び記憶部620を含む。論理層1プロトコルスタック615は、周知のように、コントローラ610に対してコマンドを出力するプログラミング機能であり、タイミングを与えると共に計測シーケンスの順序を管理する。論理層1プロトコルスタック615は、コントローラ610に接続されている。コントローラ610は、受信したディジタル信号を処理すると共に送信のためのディジタル信号を生成する。記憶部620はコントローラ610に接続され、GSM受信機420と共働して計測時間に関する詳細を保存する。
【0041】
GSM受信機420がダウンリンクチャンネルを計測する順序の一例として、圧縮モード時間の間にスキャンされるべき周波数f1 、f2 、f3 、f4 の4つのダウンリンクチャンネルがあるものとすると、論理層1プロトコルスタック615は、コントローラ610からGSM受信機420が4つのチャンネルの信号強度の計測を開始することの通知を受ける。この通知は、図3に示される315で定義付けられる時刻に生ずる。論理層1プロトコルスタック615は、スキャンされるべき4つのチャンネルのリストを有している。このリストは、ユーザ装置が通信セルに入り特定の基地局と通信をし始める毎に与えられる。実際には、論理層1プロトコルスタック615は、このリストを周知の一連のナンバーでアブソリュート無線周波数チャンネルナンバー(ARFCN)として格納する。これらのナンバーのそれぞれは結合された(associated)特性、例えばチャンネルのキャリア周波数を持つ。論理層1プロトコルスタック615は、コントローラ610に対してGSM受信機420によりスキャンされるべき周波数チャンネルに関する順序や詳細を提供する。
【0042】
他のチャンネル上での他の特定のチャンネルによる干渉量は、製造の間に決定され、論理層1プロトコルスタック615にプログラムされる。
【0043】
本例においては、アップリンクチャンネルには900MHz、f1 には2500MHz、f2 には1800MHz、f3 には2100MHz、f4 には800MHzを使用する。
【0044】
従って、論理層1プロトコルスタック615は、チャンネルf1 、f2 、f3 、f4 を連続して評価する。
【0045】
好ましくは、論理層1プロトコルスタック615は、スキャンしたチャンネル(fi )の周波数をアップリンクチャンネル(ft )の周波数と比較することによりチャンネルのランク付けを行う(ステップS1)。ランク付けは、アップリンクチャンネルに対して最も干渉すると思われるスキャンチャンネルが最も高くランク付けされ、ランプアップポイント307に最も近いところで計測が行われるようにされる。従って、各チャンネルが属するランクは、本形態においてはf1 =1、f2 =3、f3 =2、f4 =4である。それ故、f4 がアップリンクチャンネルに最も近い周波数で動作するので、それがランプアップポイント307の最も近くでスキャンされるようにナンバー4としてランク付けされる。また、f1 は1にランク付けされ(それ故、最も干渉の小さいチャンネル)るので、それはランプダウンポイント306の最も近くでスキャンされる(ステップS2)。
【0046】
しかしながら、アップリンクチャンネルの高調波である動作周波数を持つチャンネルは干渉が増加するので、論理層1プロトコルスタック615は、ランク付けに重み係数を組み入れても良い。本例では、第1高調波のための重み係数は2の乗数である。それ故、f2 が前もってナンバー3としてランク付けされても、重み係数が乗算されると、f2 はナンバー6にランク付けされる(ステップS5、S6)。スキャンすることのできるチャンネルは4つのみであるので、f2 はランプアップポイント307の最も近くでスキャンされる。
【0047】
勿論、他の重み係数が組み入れられても良い。例えば、アップリンクチャンネルの第2高調波である動作周波数を持つチャンネルは、干渉が増加する(干渉は第1高調波の場合ほど問題にはならないが)。それ故、本例では1.5の重み係数がランキングに乗算されても良い(ステップS7、S8)。加えて、もし、第1のランクが最も干渉性の高い信号に属するものであるというようにランキングが逆にされる場合には、重み係数は除数にされる。
【0048】
最も干渉性の高いチャンネルをUMTS送信機のランプダウン遷移エッジから最も離れた点で計測することにより、GSM受信機とUMTS送信機との間の干渉が更に低減されることは、当業者にとって明らかである。
【0049】
本発明をデュアルモードUEに関して説明してきたが、異なる周波数のアップリンク及びダウンリンクチャンネルを用い、UTRA−FDDのような圧縮モード動作を導入している通信標準と同様に異なる通信標準を用いて通信を行う、いかなるシングルモードUEにも本発明を適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、計測されたダウンリンク信号の干渉量を低減できるようにしたことにより、ユーザ装置端末における消費電力を低減することができ、バッテリーの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ユーザ装置(UE)が基地局と通信を行う4つのブロードキャストセルの概略図を示す。
【図2】アップリンクチャンネル及びダウンリンクチャンネルで送信される典型的なユニバーサル移動通信標準(UMTS)の周期的信号パターンを示す。
【図3】本発明の態様を示す、圧縮モード送信フレームのより詳細なタイミングチャートを示す。
【図4】図3のタイミングチャート上での計測を実現するのに適した、本発明による無線アクセス通信端末の受信部のブロック構成図である。
【図5】本発明の第2の態様により、広域移動通信システム(GSM)の周波数チャンネルがスキャンされる好ましい順序を決定するためのフローチャート図である。
【図6】図3〜図5の実施の形態を実現するためのプロセッサを示した図である。
【符号の説明】
105 通信セル
110、115、120、125 第1〜第4の基地局
130 UE
400 無線アクセス通信端末
415 UMTS受信機
420 GSM受信機
425 GSMダウンコンバータ
430 UMTSダウンコンバータ
465 GSMベースバンドプロセッサ
470 UMTSベースバンドプロセッサ
Claims (14)
- ピーク電力レベルと周期的に低減された電力レベルとを持つ第1のタイプの信号を送信し、前記第1のタイプの信号とは異なる第2のタイプの信号を受信するための周波数分割二重無線アクセス通信端末において、
第1の周波数で前記第1のタイプの送信信号を送信する送信機であって、送信信号がピーク電力レベルで送信されるピーク電力モードと低減された電力モードとを切り替えるように配置されている送信機と、
前記送信信号の第1の周波数とは異なる第2の周波数で前記第2のタイプの受信信号を受信する受信機と、
前記受信信号の信号強度を計測するための検出器と、
前記受信機、送信機、検出器と接続され、前記送信機が前記低減された電力モードで動作している間であって該送信機が前記ピーク電力モードへの切り替え開始ポイントより前の所定時刻に前記検出器に対して前記受信信号の信号強度を計測させるように配置されているコントローラとを含むことを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末。 - 請求項1に記載の通信端末において、前記送信機は、周期的に前記ピーク電力モードから前記低減された電力モードに切り替えるように配置され、前記コントローラは、前記送信機が前記低減された電力モードの連続時間で動作している間に前記検出器に対して前記受信信号の強度を計測させるように配置されていることを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末。
- 請求項1又は2に記載の通信端末において、前記所定時刻は、前記受信信号の信号強度を計測するために、前記検出器により得られた時間に基づいていることを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信端末において、前記送信機は、前記低減された電力モードの間は低減された電力レベルで送信するように配置されていることを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信端末において、前記コントローラに接続された記憶手段を更に含み、該記憶手段は前記所定時刻に関連する時刻情報を記憶するようにされていることを特徴とする周波数分割二重無線アクセス通信端末。
- 移動通信端末における受信無線信号の強度を計測するための方法において、
ピーク電力レベルと周期的に低減された電力レベルとを持つ第1のタイプの送信信号を第1の周波数で送信するステップと、
前記送信信号をピーク電力レベルのピーク電力モードと低減された電力モードとの間で切り替えるステップと、
前記第1のタイプの信号とは異なる第2のタイプの受信信号を、前記送信信号の前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で受信するステップと、
前記送信信号が前記低減された電力モードにある間であって前記送信信号が前記ピーク電力モードへの切り替えが開始されるポイントより前の所定時刻に前記受信信号の信号強度を計測するステップとを含むことを特徴とする計測方法。 - 請求項6に記載の計測方法において、前記切り替えステップは、周期的に前記ピーク電力モードから前記低減された電力モードに切り替えるステップを含み、該計測方法は更に、前記低減された電力モードの連続時間の間に、前記受信信号の強度を計測するステップを含むことを特徴とする計測方法。
- 請求項6または7に記載の計測方法において、前記所定時刻は、前記受信信号の信号強度を計測するために得られた時間に基づいて選択されることを特徴とする計測方法。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の計測方法において、前記送信信号を送信するステップは更に、前記低減された電力モードの間は低減された電力レベルで送信するステップを含むことを特徴とする計測方法。
- 請求項6〜9のいずれか1項に記載の計測方法において、該計測方法は更に、前記所定時刻に関連する時刻情報を記憶するステップを含むことを特徴とする計測方法。
- 請求項10に記載の計測方法において、更に、記憶された時刻情報を更新するステップを含むことを特徴とする計測方法。
- 実行時に、プロセッサに対して請求項6〜11のいずれか1項に記載の計測方法によるステップを実行させるプログラムを有するコンピュータプログラム。
- 請求項12に記載のコンピュータプログラムを記憶するように配置された記録媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信端末と、
基地局送信機と基地局受信機とを備える基地局であって、前記基地局送信機は前記第1のタイプの信号を用いて前記通信端末と通信するように配置され、前記基地局受信機は前記第2のタイプの信号に基づいて前記通信端末から信号を受信するように配置されている基地局とを含むことを特徴とする通信システム。
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