JP4268559B2 - 伸びフランジ性に優れた高強度鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、建材、家電製品、自動車などに適する、伸びフランジ性に優れた高強度鋼板に関する。本発明における高強度鋼板とは、通常の冷延鋼板のほか、亜鉛めっき鋼板や、Alめっき鋼板を代表とする各種めっきを施したものも含む。亜鉛めっき鋼板については、通常の溶融亜鉛めっきのみならず、合金化溶融亜鉛めっきも含む。めっき層には、純亜鉛の他、Fe、Al、Mg、Cr、Mnなどを含有するものも含む。
近年、特に、自動車車体における燃費向上や耐久性向上を目的とした加工性の良い高強度鋼板の需要が高まっている。加えて、衝突安全性やキャビンスペースの拡大のニーズから、引張強さにして780MPa級以上の鋼板が、一部レインフォースなどの部材に使用されつつある。
このような高強度材を用いて部材を組み上げる時には、延性、曲げ性、伸びフランジ性などが重要となるが、引張強さで780MPa程度までの高強度鋼板において、これらへの対策が講じられている。
例えば、穴広げ性については、非特許文献1にあるように、主相をベイナイトとして穴広げ性を向上させ、さらには、張り出し成形性についても、第2相に残留オーステナイトを生成させることで、現行の残留オーステナイト鋼並の張り出し性を示すことが開示されている。
また、高強度材の高延性化を図るために、複合組織を積極的に活用することが、一般的である。しかし、第2相にマルテンサイトや残留オーステナイトを活用した場合、穴広げ性が著しく低下してしまうという問題がある(例えば、非特許文献2)。また、本文献中には、主相をフェライト、第2相をマルテンサイトとし、両者の硬度差を減少させることで穴広げ率が向上することが開示されている。
また、溶融亜鉛めっきを施したものとして、いくつかの開示例がある。例えば、特許文献1〜4がその代表例である。
特許第2607906号公報 特許第2862187号公報 特開2001−355043号公報 特許第3037767号公報 CAMP−ISIJ vol.13 (2000) p.395 CAMP−ISIJ vol.13 (2000) p.391
上述したように、穴広げ性によって代表される伸びフランジ性に優れた鋼板は、多数開発されている。しかしながら、引張強さ780MPa以上の高強度鋼板では、Cあるいは多量の合金元素を含有するため、製品の組織が温度や冷却速度などの製造条件によって変化しやすく、必ずしも良好な伸びフランジ性が得られていない。
本発明者らの研究によれば、この原因が、温度や冷却速度などの製造条件のばらつきにより生成した第2相(主相より面積率の小さい相)と主相(面積率最大の相)との境界部に存在する介在物にあることが分かった。
すなわち、第2相は、主相と硬さが異なり、両相の境界は、亀裂が進展し易い環境にあるため、両相の境界に割れ発生の起点となり易い粗大なクラスター状の介在物が存在すると、穴広げ加工時に、粗大なクラスター状の介在物を起点に割れが発生し、その亀裂が、両相の粒界を伝播し、表層まで一挙に拡大することが判明した。
したがって、鋼中の介在物をできるだけ微細球状化し、製造条件のばらつきにより第2相が生成しても、その粒界の介在物が割れ発生の起点にならないようにすれば、穴広げ性が改善されることを見いだした。
一般には、鋼の脱酸はAlを用いて行われるが、Al脱酸により生成したアルミナ系介在物はクラスター化し易く、粗大な介在物として鋼中に残留する。これが、上記のように、伸びフランジ性(穴広げ値)を低下させていると考えられるが、介在物微細球状化制御の視点にたって伸びフランジ性に優れる高強度鋼板を提案した例は見られない。
このような状況を鑑み、本発明者らは、Cあるいは多量の合金元素を含有する高強度鋼板の溶鋼成分において、(i)粗大化し易いアルミナ系介在物を生成させないために、殆どAl脱酸することなく、(ii)介在物がクラスター化して粗大にならず、且つ、(iii)割れ発生の起点になり難い球状介在物へと改質する脱酸方法について鋭意研究を進め、更に、化学成分や製造方法にも検討を加えて、本発明を完成させた。
その要旨は、以下の通りである。
(1)C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、平均の介在物組成で、Ce酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計が10〜90質量%、SiO2が5〜60質量%、Al23が50質量%以下の範囲の介在物を含むことを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
(2)C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満(ただし、0.005質量%以上を除く)、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、介在物の個数割合で、50%以上が球状と紡錘状の介在物からなることを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
(3)C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満(ただし、0.005質量%以上を除く)、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、0.5μm以上10μm以下の介在物が1000個/cm以上、100000個/cm以下存在することを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
本発明により、高強度で、製造条件のばらつきに影響され難く、安定して伸びフランジ性に優れた高強度鋼板を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明における鋼板の成分範囲の限定理由について述べる。
Cは、鋼板の強度を確保するために必須の元素であり、780MPa以上の高強度鋼板を得るためには、少なくとも0.03質量%が必要である。しかし、Cが0.3質量%を超えると、伸びフランジ性が著しく劣化するので、0.3質量%を上限とする。
Siは、本発明のようにAlやTiを極力添加しない溶鋼において、主要な脱酸元素となるため、本発明おいて極めて重要である。溶鋼中の溶存酸素濃度を低下させ、鋳造時にCO気泡が発生しないためには、Siを0.1質量%以上添加する必要がある。
また、Si、伸びフランジ性を低下させることなく強度を確保するのに有効な元素であり、少なくとも0.05質量%が必要であるが、脱酸条件も合わせて考慮すると、Siは0.1質量%を下限とする。過剰に添加すると溶接性や延性に悪影響を及ぼすので、2.0質量%を上限とする。
Mnは、C、Siとともに鋼板の高強度化に有効な元素であり、1.0質量%以上は含有させる必要があるが、3.5質量%を超えて含有させると、延性が劣化するとともに、MnSが多く析出し、伸びフランジ性を低下させるので、上限を3.5質量%とする。
Pは、固溶強化元素として有効であるが、偏析による加工性の劣化が懸念されるので、0.05質量%以下にする必要がある。Pの下限値は0質量%を含む。
Sは、MnSなどの介在物を形成して伸びフランジ性を劣化させる。したがって、できるだけ抑制すべきであるが、0.01質量%以下であれば許容される。Sの下限値は0質量%を含む。
Nは、機械的強度を高めたり、BH性(焼付き硬化性)を付与したりするのには有効であるが、添加し過ぎると、微量Alや微量Tiであっても粗大な析出物を生成し、伸びフランジ性を劣化させるので、0.01質量%を上限とする。一方、Nを0.0005質量%未満とすることは、現状プロセスでは大変負荷が大きく、コストが高くなるため、下限は0.0005質量%とする。
酸可溶Alは、その酸化物がクラスター化して粗大になり易いため、極力抑制することが望ましい。しかしながら、予備的な脱酸材として0.01質量%までは用いることが許容される。これは、酸可溶Al濃度が0.01質量%超になると、介在物中のAl23含有率が50質量%を超え、CeやLaを添加しても、介在物のクラスター化を防止することができないため、穴広げ性が低下するからである。
クラスター化防止の観点から、酸可溶Al濃度は低い方がよく、下限値は0質量%を含む。また、酸可溶Al濃度とは、酸に溶解したAl量を測定したもので、溶存Alは、酸に溶解し、Al23は酸に溶解しないことを利用した分析方法で分析した値である。
酸可溶Tiも、その酸化物がクラスター化して粗大になり易いこと、鋼中のNと結びついて粗大なTiNの介在物を生成し易いことから、0.008質量%未満とし、下限値は0質量%を含む。また、酸可溶Ti濃度とは、酸に溶解したTi量を測定したもので、溶存Tiは酸に溶解し、Ti酸化物は酸に溶解しないことを利用した分析方法で分析した値である。
Ce、Laは、予備Al脱酸とSi脱酸により生成したAl23−SiO2介在物を、微細球状のCe酸化物(例えば、Ce23、CeO2)−Al23−SiO2複合介在物、La酸化物(例えば、La23、LaO2)−Al23−SiO2複合介在物、もしくは、Ce酸化物−La酸化物−Al23−SiO2複合介在物に改質し、伸びフランジ性を向上させる最も重要な成分である。
このような介在物改質効果を得るためには、CeおよびLaの合計濃度を0.0005質量%以上0.04質量%以下にする必要がある。
CeおよびLaの合計濃度が0.0005質量%未満では、Al23−SiO2介在物を微細球状に改質できず、0.04質量%超では、介在物中のSiO2分は還元され、殆どCe酸化物−Al23介在物やLa酸化物−Al23介在物となり、介在物がクラスター化し、伸びフランジ性が低下する。
次に、鋼板中における介在物の存在条件について述べる。
伸びフランジ性に優れた鋼板を得るためは、鋼板中の介在物は、割れ発生の起点となり難いように、球状で微細に分散していることが重要である。本発明の鋼板における介在物の平均組成、形態および粒径分布を調査した。介在物の平均組成は、ランダムに選んだ複数個(例えば、20個程度)の介在物を組成分析し、平均濃度を算出することにより求めることができる。
その結果、介在物の平均組成でCe酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計が10〜90質量%以上、SiO2が5〜60質量%、Al23が50質量%以下の範囲となるように組成制御された鋼板では、伸びフランジ性が向上することが判明した。
平均組成で、Ce酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計が10質量%未満では、CeやLa添加による介在物改質効果が小さく、反対に、Ce酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計が90質量%超では、過改質となり、何れの場合も、介在物は微細球状化しないので、平均組成で、Ce酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計の下限は10質量%とし、上限は90質量%とした。
また、平均組成で、SiO2が60質量%超では、圧延時に非常に長い延伸介在物となり、これが多く鋼板中に存在して伸びフランジ性が低下し、反対に、SiO2が5質量%未満では、介在物が微細球状に分散しないため、平均組成で、SiO2の上限を60質量%、下限を5質量%とした。
さらに、介在物中にはAl23を含有しないことが、微細球状化の点から好ましいが、Al予備脱酸や耐火物溶損の影響により、介在物中のAl23含有率が高くなることがある。この場合、平均組成で、介在物中には50質量%以下に限ってAl23が混入してもよく、下限は0質量%を含む。
これは、介在物中のAl23含有率が50質量%を超えると、CeやLaによる改質効果が損なわれ、介在物のクラスター化が進行してしまうためである。なお、本発明において、上記組成の酸化物以外に、スラグや耐火物などから混入する不可避的不純物酸化物は許容される。
次に、鋼板中の介在物の形態について述べる。介在物の形態は、ランダムに選んだ複数個の介在物を光学顕微鏡で観察することができる。例えば、ランダムに選んだ100個の介在物を、光学顕微鏡の100倍と1000倍で観察し、球状、紡錘状、クラスター状と、その他に分類し、球状と紡錘状の介在物の個数割合を求めることが推奨される。
その結果、球状と紡錘状の介在物の個数割合が50%以上の鋼板では、伸びフランジ性が向上することが判明した。球状と紡錘状の介在物の個数割合が50%未満では、クラスター状の介在物が相対的に増え、伸びフランジ性が低下するので、その下限を50%とした。上限は100%である。
さらに、鋼板中の介在物の粒径分布について述べる。介在物の粒径分布は、光学顕微鏡(例えば、100倍と1000倍)で介在物を観察して、その粒径を測定することができる。ここで、粒径とは、円相当直径を意味している。
また、介在物の粒径については、伸びフランジ性に有害な10μmを超える大型介在物が減少すると、0.5μm以上10μm以下の介在物個数が増加し、このサイズの介在物個数が伸びフランジ性と良く対応するため、0.5μm以上10μm以下に着目した。
その結果、0.5μm以上10μm以下の介在物が1000個/cm2以上、100000個/cm2以下存在する鋼板では、伸びフランジ性が向上することが判明した。
0.5μm以上10μm以下の介在物が1000個/cm2未満では、10μmを超える伸びフランジ性に有害な大型介在物が、鋼板中に観察され、割れ発生の起点となるので、その個数密度の下限は、1000個/cm2とした。
また、0.5μm以上10μm以下の介在物が100000個/cm2超存在する場合には、介在物の個数が多過ぎて、伸びフランジ性が低下するので、その上限は100000個/cm2とした。
本発明は、TS(引張強度)が780MPa未満の強度クラスの鋼にも当然適用できるが、組織制御だけで伸びフランジ性の課題はほぼ解決されているため、好ましい適用強度は、780MPa以上である。
次に、鋼板の組織について説明する。
本発明では、伸びフランジ性を介在物制御により向上させるものであり、鋼板のミクロ組織は特に限定するものではないが、優れた伸びフランジ性を得るためには、できるだけ単相組織とすることが適しており、主相の面積率は80%以上とすることが好ましい。
最後に、本発明の高強度鋼板を製造するための条件について述べる。
本発明で設定する成分組成に調整された溶鋼を連続鋳造してスラブを製造し、これを熱間圧延することにより熱延鋼板とする。熱間圧延法は特に限定するものではないが、通常の熱間圧延を施した後、650℃以下で巻き取ることが好ましい。
巻取り温度が650℃超では、粗大な炭化物を初めとする化合物が出現し易く、伸びフランジ性が劣化する。より好ましくは、600℃以下である。巻取り温度の下限は特に定めないが、室温以下とするのは困難であるため、これを下限とすることが好ましい。
このようにして製造した熱延鋼板に、必要に応じて、酸洗、スキンパスを施してもよい。スキンパスの圧下率は特に限定しないが、形状矯正、耐常温時効性の改善、強度調整などのため、40%程度までがよい。0.1%未満では効果が小さく、制御も困難なので、0.1%を下限にすることが好ましい。
熱延鋼板を冷間圧延した後、最高到達温度を600〜1100℃とする熱処理をし、その後、室温まで連続的に冷却するか、さらに、100〜550℃の温度で30秒以上保持してもよい。最高到達温度が600℃未満ではα−γ変態が起こりにくく、再結晶もしないことがあり、加工性が低下し易いので、600℃を下限とすることが好ましい。
一方、最高到達温度を1100℃超とするには、コストアップが著しく、また、板破断などの操業トラブルを誘発するので、1100℃を上限とすることが好ましい。より好ましくは700〜950℃の範囲である。
この温度域での熱処理時間は、特に規定しないが、鋼板の温度均一化のために、1秒以上が好ましい。しかし、10分超では、粒界酸化相生成が促進される上、コストの上昇を招く。熱処理後、各種めっきを施しても構わない。また、スキンパスの実施も可能である。
以下、本発明の実施例を、比較例とともに説明する。
表1に化学成分を示す鋼のスラブを連続鋳造法により製造した。このスラブを、1200℃に加熱し、Ar3変態温度以上である880℃〜910℃で熱延を完了し、580℃で巻き取った。この巻き取った厚さ2.3mmの鋼帯を、酸洗の後、冷延により、板厚を1.2mmとした。
引き続き、熱処理を、最高到達温度870℃にて90秒間保持して、740℃まで5℃/秒で冷却して施した。その後、冷却速度80℃/秒で温度350℃まで冷却し、その温度で約300秒間、付加的熱処理を施した。スキンパスは0.5%とした。
このようにして得られた鋼板の強度、延性、伸びフランジ性および介在物の粒径分布、形態、平均組成を調べた。その結果を表2に示す。
強度と延性は、圧延方向に対して垂直方向に採取したJIS5号試験片の引張試験により求めた。伸びフランジ性は、150mm×150mmの鋼板の中央に開けた直径10mmの打ち抜き穴を、60°の円錐パンチで押し広げ、板厚貫通亀裂が生じた時点での穴径D(mm)を測定し、穴広げ値λ=(D−10)/10で求めたλで評価した。
介在物は光学顕微鏡による100倍と1000倍の観察を行い、ランダムに選んだ100個の介在物について粒径と形態を測定した。さらに、走査型電子顕微鏡の定量分析機能を用いて、ランダムに選んだ20個の介在物について組成分析を実施した。
表2から明らかなように、本発明の要件を満たす本発明鋼は、同強度の比較鋼と比べて穴広げ値が大きくなっており、伸びフランジ性と強度とのバランスに優れていることが分かる。
Figure 0004268559
Figure 0004268559
前述したように、本発明は、延びフランジ性に優れた高強度鋼板を提供できるので、鋼産業上、利用可能性の高いものである。

Claims (3)

  1. C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、平均の介在物組成で、Ce酸化物およびLa酸化物の1種または2種の合計が10〜90質量%、SiOが5〜60質量%、Alが50質量%以下の範囲の介在物を含むことを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
  2. C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満(ただし、0.005質量%以上を除く)、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、介在物の個数割合で、50%以上が球状と紡錘状の介在物からなることを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
  3. C:0.03〜0.3質量%、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:1.0〜3.5質量%、P:0.05質量%以下、S:0.01質量%以下、N:0.0005〜0.01質量%、酸可溶Al:0.01質量%以下、酸可溶Ti:0.008質量%未満(ただし、0.005質量%以上を除く)、CeおよびLaの1種または2種の合計:0.0005〜0.04質量%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、その鋼中には、0.5μm以上10μm以下の介在物が1000個/cm以上、100000個/cm以下存在することを特徴とする伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
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