JP4267109B2 - 電力ケーブル用遮水テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力ケーブル用の多層構造の遮水テープに関し、その遮水性,層間接着性を高めたものである。
【0002】
【従来の技術】
電力ケーブルの遮水構造の1種に、ケーブルコア上に遮水テープを巻回し、この遮水テープの上にポリエチレン,ポリ塩化ビニルなどからなるシースを押出被覆したものがある。
図1は、このような遮水構造に用いられる遮水テープの例を示すもので、図中符号1は半導電樹脂層である。この半導電樹脂層1は、カーボンブラックを添加したポリ塩化ビニルなどの半導電性樹脂組成物からなる厚みが60〜100μm程度の層である。
【0003】
この半導電樹脂層1の一方の表面には、金属箔層2が半導電性接着剤によって接着され、積層されている。この金属箔層2は、厚み40〜60μm程度の鉛箔,アルミニウム箔などの金属箔からなるものである。
また、この金属箔層2上にはプラスチックテープ層3が接着剤によって接着,積層されている。このプラスチックテープ層3は、厚み30〜70μm程度のポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)などのプラスチックフィルムからなるものである。
さらに、プラスチックテープ層3上には、厚み30〜50μm程度のポリエステル系接着剤などからなる接着剤層4が積層されており、4層構造となっている。
【0004】
図2は、このような遮水テープをケーブルコアに適用した状態を示すもので、ケーブルコア5を包み込むように遮水テープ6をその半導電樹脂層1がケーブルコア5に接するように縦添えし、かつ遮水テープ6がラップ幅Lで重なり合うようにしは、シース7が押出被覆される際の熱により、接着剤層が4が溶融され、シース7と接着一体化される。
ところで、このような構造の遮水テープにあっては、金属箔層2とプラスチックテープ層3との接着力が十分ではなく、特に金属箔層2が鉛箔からなり、プラスチックテープ層3がポリエチレンテレフタレートフイルムからなる場合には接着力が低くなる傾向にある。
このため、この種の遮水テープを巻回してなる電力ケーブルが、ヒートサイクルなどによって伸縮し、遮水テープが応力を受けたり、あるいはケーブルの重量が大きくなって、遮水テープが応力を受けたりすると、遮水テープの金属箔層2とプラスチックテープ層3との間の接着力がさらに低下し、部分的に剥離することがある。
【0005】
このような状態で電力ケーブルのシースに外傷を受けたり、外力を受けて遮水テープの接着剤層が剥がれたりすると、雨水や水蒸気等がシースの外傷部分から侵入し、遮水テープを通ってケーブルコアに達し、水トリーの発生をもたらすなどの絶縁性に問題を引き起こすことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
よって、発明における課題は、この種の積層構造の遮水テープの金属箔層とプラスチックテープ層との接着力を高めて、外力等が作用しても剥離しないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、プラスチックテープ層の一部もしくは全部を無水マレイン酸またはアクリル酸で変性したポリエチレンまたはポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートである接着性樹脂で構成することによって解決できる。また、プラスチックテープ層を接着性樹脂で構成することによって、接着剤層を不要とすることもできる。さらに、この接着性樹脂にカーボンブラック等を配合して半導電性を付与し、この組成物で半導電樹脂層を構成してもよい。 金属箔層には鉛からなる箔が用いられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の遮水テープは、例えば図1に示した4層構造の遮水テープのプラスチックテープ層3の一部もしくは全部が接着性樹脂からなるものである。ここでの接着性樹脂とは、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタートを変性して分子内にカルボキシル基、アセトキシ基などの活性基を導入したもので、例えば無水マレイン酸、メタアクリル酸、アクリル酸等の変性モノマーをこれらポリマーに対してグラフト共重合する方法や、これら変性モノマーを共存させて共重合する方法などで得られるものであり、具体的には「アドマー」(商品名、三井化学(株)製)、「日石レクスパール」(商品名、日本石油化学(株)製)などが用いられる。
また、金属箔層2には鉛箔が用いられている。
【0009】
また、上記接着性樹脂の変性モノマーの量(変性量)は、0.05ないし5重量%、好ましくは0.1ないし1重量%の範囲がよく、変性量が過大になると接着性は向上するものの透湿量が大きくなり不都合となる。これは、上記プラスチック層3を接着性樹脂で構成したので、図2に示した巻き付け形態では、重ね合わせ部分がこの接着性樹脂で構成されることになり、この重ね合わせ部分での透湿量が大きな意味をもつことになるためである。
このため、接着性樹脂には、その透湿係数の低いもの、例えば7g/m2・24hr・atm/0.1mm以下のもの、具体的には表1に示す種類の樹脂が好ましい。
【0010】
【表1】
【0011】
本発明では、プラスチックテープ層3をなすプラスチックフィルムの全体をこの種の接着性樹脂で構成してもよいが、その一部、例えばプラスチックフィルムを2層構造等の多層構造とし、金属箔層2側に位置する最外層を接着性樹脂で構成することもできる。また、接着性樹脂を配合したブレンドポリマーを用いてプラスチックテープ層3を構成してもよい。
【0012】
図3は、本発明の遮水テープの他の例を示すもので、金属箔層2と接着性樹脂からなるプラスチックテープ層3とを接着剤を用いずに、直接熱融着、押出ラミネートなどの手段で接合し、かつ接着剤層4を省略したものである。
この例のものでも、プラスチックテープ層3を多層構造とし、その金属箔層2側に位置する最外層を接着性樹脂から構成したものや、接着性樹脂を配合したのブレンドポリマーからなるものを用いてもよい。
【0013】
この構造の遮水テープではプラスチックテープ層3が良好な熱溶着性をも有することになるので、遮水テープをケーブルコアに巻回後、シースを押出被覆する際のシースの熱によって、プラスチックテープ層3自体がシースと融着,一体化することになる。このため、接着剤層4が不要となる。
【0014】
図4は、この発明の遮水テープの他の例を示すものである。このものは、図3に示した例の遮水テープにおいて、半導電樹脂層1として上述の接着性樹脂にカーボンブラック等の導電性粉末を配合して半導電性を付与した組成物を用いたもので、この半導電樹脂層1は、金属箔層2と直接熱溶融,押出ラミネートなどによって接着,一体化されている。
上記カーボンブラック等の導電性粉末の配合量は、接着性樹脂100重量部に対して25〜70重量部の範囲とされ、半導電樹脂層1に要求される導電性によって定められられる。
【0015】
この例の遮水テープにおいても、先の例を同様にプラスチックテープ層3自体が熱溶着性を有しているので、巻回後のシースの押出被覆時にシースと融着,一体化する。
これらの遮水テープは、図2に示すような巻き付け形態で使用されるが、その重ね合わせ部分の幅(ラップ幅)は、プラスチックテープ層3の厚みが200μmの場合には約20〜50mm程度とされる。
【0016】
これらの例の遮水テープにあっては、いずれもそのプラスチックテープ層3が接着性樹脂から構成されているので、プラスチックテープ層3と金属箔2との接着力が良好であり、特に金属箔層2が元来接着性に劣る鉛箔であっても高温下で高い接着力を発揮し、巻回後の遮水テープに応力等が作用しても、金属箔層2とプラスチックテープ層3とが剥離することがなくなり、遮水性が低下することがないものとなる。
また、図3および図4に示した例の遮水テープでは、構造が単純で製造が容易となり、コストも低減可能となる。
【0017】
したがって、このような遮水テープをケーブルコア上に巻回し、この上にポリエチレン,ポリ塩化ビニルなどからなるシースを押出被覆してなる電力ケーブルでは、たとえシースに外傷が入って、雨水等の水がここから侵入しても、水分透過性の低い材料を用いた遮水テープの巻回層によって遮断され、ケーブルコア内の水蒸気圧が上昇しにくい。また、ケーブルの使用前、使用中に乾燥空気、乾燥窒素ガスを吹き流し、水蒸気圧を下げることもできる。
【0018】
以下、具体例を示す。
図3に示す構造の遮水テープを製造した。半導電樹脂層1には、カーボンブラック配合ポリ塩化ビニル組成物からなる厚み100μm、導電率103Ωcmの押出フィルムを用い、金属箔層2には厚み50μmの鉛箔を用い、プラスチックテープ層3には「アドマー」からなる厚み50μmの押出フィルムを用いた。半導電樹脂層1と金属箔層2との接着にはポリエステル系半導電性接着剤を用い、金属箔層2とプラスチックテープ層3とは熱融着により接合した。
【0019】
この遮水テープの金属箔層2とプラスチックテープ層3との接着力を180度剥離実験によって測定した。
測定条件は25℃と80℃とで行い、さらに常温水に2日間浸漬した後の試験片についても同様に測定した。
【0020】
比較として、プラスチックテープ層3として厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、金属箔層2とプラスチックテープ層3とはポリエステル系接着剤を用いて接着した遮水テープを作製し、同様の試験を行った。
これらの結果を表2に示す。表2において、接着力の単位は、すべて「g/15mm幅」である。
【0021】
【表2】
【0022】
表2の結果より、本発明の遮水テープでは、高温下でも、また浸水テスト後においても、金属箔層とプラスチックテープ層とが良好に接着していることがわかる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の遮水テープにあっては、金属箔層とプラスチック層とが強固に接着し、高温下でも高い接着力を示し、外力等が作用しても層間剥離を生じることがない。
このため、この遮水テープを用いた電力ケーブルでは、熱履歴によって遮水テープに伸縮力等が作用した後でも、遮水テープの遮水性の低下がなく、シースの外傷から水が浸水してもケーブルコアにまで達することがなく、高い遮水性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る遮水テープの例を示す概略断面図である。
【図2】 遮水テープの巻き付け状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の遮水テープの他の例を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の遮水テープの他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…半導電性樹脂層、2…金属箔層、3…プラスチックテープ層、4…接着剤層
Claims (4)
- 鉛箔層の一面に半導電樹脂層を、他面にプラスチックテープ層を設け、このプラスチックテープ層上に接着テープ層を設けてなり、
上記プラスチックテープ層の一部または全部が接着性樹脂からなり、
上記接着性樹脂が、無水マレイン酸またはアクリル酸で変性したポリエチレンまたはポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートであることを特徴とすることを特徴とする電力ケーブル用遮水テープ。 - 鉛箔層の一面に半導電樹脂層を、他面にプラスチックテープ層を設けてなり、
上記プラスチックテープ層の一部または全部が接着性樹脂からなり、
上記接着性樹脂が、無水マレイン酸またはアクリル酸で変性したポリエチレンまたはポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする電力ケーブル用遮水テープ。 - 鉛箔層の一面に半導電樹脂層を、他面にプラスチックテープ層を設けてなり、上記半導電樹脂層が接着性樹脂からなり、
プラスチックテープ層の一部または全部が接着性樹脂からなり、
上記接着性樹脂が、無水マレイン酸またはアクリル酸で変性したポリエチレンまたはポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする電力ケーブル用遮水テープ。 - 上記接着性樹脂の透湿係数が、7g/m 2 ・24hr・atm/0.1mm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電力ケーブル用遮水テープ。
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