JP4266879B2 - ガス化炉及び複合リサイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス化対象物を加熱用バーナにて加熱する状態で、前記ガス化対象物の一部を燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスを供給するように構成されて、前記ガス化対象物を部分燃焼させて熱分解ガスを生成するガス化炉、及び、そのガス化炉を備えた複合リサイクル装置に関する。
かかるガス化炉は、例えば、プラスチック等の廃棄物をガス化対象物として、そのガス化対象物を部分燃焼させることで熱分解させて、熱分解ガスを生成するものである。
このようなガス化炉において、従来は、ガス化対象物を部分燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスとして、常温の空気を用いていた(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、燃焼用空気供給用の送風機を室内又は室外に設置して、その室内又は室外の常温の空気を燃焼用空気として加熱用バーナに供給するように構成していた。
特開2001−241632号公報
ところで、このようなガス化炉が設置される設備においては、その設備全体としてのエネルギー効率の向上が望まれる。
ちなみに、ガス化炉が設置される設備としては、例えば、製造過程で発生する不良品や不用品等がガス化対象物となり得るプラスチック製品等の製造設備や、ガス化対象物となり得るプラスチック製品等の廃棄物を処理する廃棄物処理設備がある。
つまり、前記製造設備では、その製造過程で発生するする不良品や不用品等をガス化対象物としてガス化炉にて処理して熱分解ガスを生成し、前記廃棄物処理設備では、廃棄物をガス化対象物としてガス化炉にて処理して熱分解ガスを生成するものである。
しかしながら、ガス化対象物を熱分解可能なように例えば600°C程度といった高温の熱分解温度に加熱する必要があるのに対して、従来では、ガス化対象物の部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとして、前記熱分解温度に対してかなり低温の常温の空気を供給することから、ガス化対象物を熱分解可能なように加熱するために、加熱用バーナにおける燃料の使用量が多くなる問題があった。
又、このようなガス化炉が設置される設備においては、電気及び熱を消費することになるが、従来では、電気は商用電力から得ており、熱は熱発生用として専用に設けたボイラ等の熱源装置から得ていたので、電気及び熱を得るためのエネルギー効率が低かった。
要するに、ガス化炉が設置される設備において、従来では、設備全体としてのエネルギー効率が低いという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、設備全体としてのエネルギー効率の向上を図り得るガス化炉、及び、そのガス化炉を備えることにより設備全体としてのエネルギー効率の向上を図り得る複合リサイクル装置を提供することにある。
〔ガス化炉について〕
本発明のガス化炉は、ガス化対象物を加熱用バーナにて加熱する状態で、前記ガス化対
象物の一部を燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスを供給するように構成されて、前記ガス化対象物を部分燃焼させて熱分解ガスを生成するものであって、
第1特徴構成は、前記燃焼用酸素含有ガスとして、燃焼式の原動機から酸素を含有する状態で排出される燃焼排ガスを供給するように構成され
通気可能な仕切り体により、燃料ガスを燃焼用空気にて燃焼させる前記加熱用バーナの燃焼室とその上方側のガス化対象物を収納する反応室とに上下方向に区画され、
前記燃焼用酸素含有ガスとしての前記燃焼排ガスを前記燃焼室に供給するように構成されている点を特徴とする。
即ち、燃焼式の原動機にて駆動されるコージェネレーションシステムから、電気及び熱が発生し、その燃焼式の原動機から酸素を含有する状態で排出される燃焼排ガスが、ガス化対象物を部分燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスとしてガス化炉に供給される。
つまり、コージェネレーションシステムは、燃焼式の原動機にて発電機を駆動して、その発電機から電気を発生すると共に、そのように発電機を駆動する際に燃焼式の原動機から発生する排熱を回収して熱を発生するものであり、そのようなコージェネレーションシステムを設けて電気及び熱を得るようにすると、電気及び熱を得るためのエネルギー効率を向上することが可能となる。
そして、燃焼式の原動機から排出される燃焼排ガスの温度は、例えば400°C程度というように、従来、前記燃焼用酸素含有ガスとして用いていた常温の空気に比べてかなり高温であるので、ガス化対象物を部分燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスとして、燃焼式の原動機の燃焼排ガスを用いることにより、ガス化対象物を熱分解温度に加熱するための加熱用バーナにおける燃料の使用量を低減することが可能となる。
又、燃焼式の原動機から排出される燃焼排ガス中には、空気中よりもCO2、H2Oがかなり多く含まれ、このCO2、H2OのC、HがCH4転換に寄与することになるので、ガス化対象物を部分燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスとして、燃焼式の原動機から排出される燃焼排ガスを用いると、前記燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いる場合に比べて、生成熱分解ガス中のCH4の含有率を多くすることが可能となるので、熱分解ガスの熱量を増大させることが可能となる。
そして、通常は、ガス化炉にて生成した熱分解ガスを燃焼させて、その燃焼ガスから保有熱を回収して熱を得ることになるが、上述のように、熱分解ガスの熱量を増大させることが可能となることにより、熱分解ガスを燃焼させてその燃焼排ガスから保有熱を回収するに当たって、熱回収効率を向上することが可能となる。
従って、電気及び熱を得るためのエネルギー効率を向上することが可能となること、加熱用バーナにおける燃料の使用量を低減することが可能となること、及び、熱分解ガスを燃焼させてその燃焼排ガスから保有熱を回収する際の熱回収効率を向上することが可能となることの相乗効果により、ガス化炉を設置する設備において、設備全体としてのエネルギー効率を向上することが可能となるのである。
要するに、設備全体としてのエネルギー効率の向上を図り得るガス化炉を提供することができるようになった。
又、第1特徴構成によれば、加熱用バーナにより燃焼室内にて燃料を燃焼させることにより、その加熱用バーナの燃焼排ガスが仕切り体を通過して、燃焼室の上方の反応室内に収納されているガス化対象物内を通流すると共に、加熱用バーナにより形成される火炎からの輻射熱が仕切り体を通過して反応室内のガス化対象物に放射されるので、反応室内のガス化対象物は、その内部を通過する加熱用バーナの燃焼排ガスからの対流熱、及び、加熱用バーナの火炎からの輻射熱により効率良く加熱される。
そして、反応室内のガス化対象物は、そのように効率良く加熱される状態で、燃焼室に供給されて仕切り体を通過してくる原動機の燃焼排ガスにより部分燃焼することから、反応室内のガス化対象物が効率良く熱分解して熱分解ガスが効率良く発生するので、熱分解ガスを燃焼させてその燃焼排ガスから保有熱を回収する際の熱回収効率を向上することが可能となり、設備全体としてのエネルギー効率を一段と向上することが可能となる。
又、仕切り体を通過して燃焼室に垂れ落ちたガス化対象物の溶融物は、加熱用バーナの火炎からの輻射熱により加熱される状態で、燃焼室に供給される原動機の燃焼排ガスにより部分燃焼するので、その溶融物をも熱分解させて熱分解ガスを生成するようにすることが可能となり、もって、ガス化対象物を処理残しをなくす状態又は処理残しを極力少なくする状態で、熱分解処理することが可能となる。
従って、ガス化対象物を熱分解させて熱分解ガスを生成する際のガス化対象物の処理残しを無くす又は処理残しを極力少なくしながら、設備全体としてのエネルギー効率を一段と向上することができるようになった。
〔複合リサイクル装置について〕
本発明の複合リサイクル装置は、上記第1特徴構成を備えたガス化炉を備えたものであって、
その第1特徴構成は、前記ガス化炉にて生成される熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼器と、
その熱分解ガス燃焼器の燃焼排ガスの保有熱を回収する排熱回収熱交換部とが設けられている点を特徴とする。
即ち、ガス化炉にて生成される熱分解ガスが熱分解ガス燃焼器にて燃焼され、その熱分解ガス燃焼器の燃焼排ガスの保有熱が排熱回収熱交換部において回収されて、その排熱回収熱交換部から蒸気、温水等の熱出力が得られる。
つまり、ガス化対象物をガス化炉にて熱分解させて熱分解ガスを生成し、その熱分解ガスを燃焼させて、その燃焼排ガスの保有熱を回収するように構成した複合リサイクル装置において、ガス化炉として、上記第1特徴構成を備えたガス化炉を用いることにより、以下に説明するように、設備全体としてのエネルギー効率を向上することが可能となるのである。
説明を加えると、燃焼式の原動機にて駆動されるコージェネレーションシステムを設けて電気及び熱を得るので、電気及び熱を得るためのエネルギー効率を向上することが可能となる。
又、燃焼式の原動機から排出される燃焼排ガスをガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとして用いることにより、その燃焼式の原動機の燃焼排ガスの温度は、例えば400°C程度というように、従来、前記燃焼用酸素含有ガスとして用いていた常温の空気に比べてかなり高温であるので、ガス化対象物を熱分解温度に加熱するための加熱用バーナにおける燃料の使用量を低減することが可能となる。
又、生成熱分解ガスの熱量が増大することから、その熱分解ガスを熱分解ガス燃焼器にて燃焼させて生成される燃焼排ガスにて保有される熱量が増大するので、排熱回収熱交換部における回収熱量を増大することが可能となり、又、熱分解ガス燃焼器において熱分解ガス以外に補助燃料を使用するにしても、その使用量を少なくすることが可能となって、補助燃料の単位使用量当たりの熱分解ガス生成量を多くすることが可能となり、もって、熱分解ガスを燃焼させてその燃焼排ガスから保有熱を回収するに当たって、熱回収効率を向上することが可能となる。
従って、電気及び熱を得るためのエネルギー効率を向上することが可能となること、加熱用バーナにおける燃料の使用量を低減することが可能となること、及び、熱分解ガスを燃焼させてその燃焼排ガスから保有熱を回収する際の熱回収効率を向上することが可能となることの相乗効果により、ガス化炉を備えた複合リサイクル装置を設置する設備において、設備全体としてのエネルギー効率を向上することが可能となるのである。
要するに、設備全体としてのエネルギー効率の向上を図り得る複合リサイクル装置を提供することができるようになった。
複合リサイクル装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記原動機から排出される前記燃焼排ガスの一部を前記排熱回収熱交換部の熱源用として分配供給するように構成されている点を特徴とする。
即ち、原動機から排出される燃焼排ガスの一部が排熱回収熱交換部にその熱源用として分配供給されて、排熱回収熱交換部において、その原動機の燃焼排ガスの保有熱が回収される。
つまり、ガス化対象物の部分燃焼用として使用される量よりも多い量の燃焼排ガスが原動機から排出される場合は、原動機から排出される燃焼排ガスの一部を排熱回収熱交換部にその熱源用として分配供給するようにすることにより、排熱回収熱交換部における回収熱量を一層増大することが可能となるのである。
従って、設備全体としてのエネルギー効率を一段と向上することができるようになった。
複合リサイクル装置の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成のいずれかに加えて、
前記熱分解ガス燃焼器への補助燃料の供給量を調節する補助燃料供給量調節手段と、
その補助燃料供給量調節手段を制御する制御手段とが設けられている点を特徴とする。
即ち、制御手段により補助燃料供給量調節手段が制御されて、熱分解ガス燃焼器への補助燃料の供給量が調節される。
つまり、通常は、ガス化炉によりガス化対象物をバッチ処理的に処理して熱分解ガスを生成するものであり、単位時間当たりの熱分解ガスの生成量は時間経過に伴って変動し易いものである。
そこで、単位時間当たりの熱分解ガスの生成量が時間経過に伴って変動する場合に、補助燃料供給量調節手段による熱分解ガス燃焼器への補助燃料の供給量の調節により、排熱回収熱交換部から熱消費先における熱消費量に応じた熱出力を出力するようにしたり、所定の設定熱出力を出力したりするようにすることが可能となる。
従って、熱分解ガスの生成量の変動に拘らず熱出力を所望通りに調節することができて、使い勝手性を向上するようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
複合リサイクル装置の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記加熱用バーナへの燃料の供給量を調節する加熱用燃料供給量調節手段と、
前記燃焼用酸素含有ガスとして供給する前記燃焼排ガスの供給量を調節する燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段と、
前記加熱用燃料供給量調節手段及び前記燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段を制御する制御手段とが設けられている点を特徴とする。
即ち、制御手段により、加熱用燃料供給量調節手段が調節されて、加熱用バーナへの燃料の供給量が調節され、又、制御手段により、燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段が制御されて、燃焼用酸素含有ガスとして供給される原動機の燃焼排ガスの供給量が調節される。
例えば、原動機から排出される燃焼排ガスの温度に基づいて、その燃焼排ガスの温度が高くなるほど、加熱用バーナへの燃料の供給量が少なくなるように加熱用燃料供給量調節手段を制御するようにすると、ガス化対象物を加熱する温度の変動を抑制することが可能となる。
又、例えば、原動機から排出される燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、その燃焼排ガスの酸素濃度が高くなるほど、ガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとしての燃焼排ガスの供給量が少なくなるように燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段を制御するようにすると、ガス化対象物を部分燃焼させるための酸素の過不足を抑制することが可能となる。
そして、ガス化対象物を加熱する温度の変動を抑制することができると共に、ガス化対象物を部分燃焼させるための酸素の過不足を抑制することができるので、ガス化対象物を適切に部分燃焼させて、熱分解ガスの生成を一層安定化させることが可能となる。
従って、熱分解ガスの生成を一層安定化させるようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図4に示すように、ガス化炉Aは、ガス化対象物を加熱する加熱用バーナ1、ガス化対象物の一部を燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスを供給する燃焼用酸素含有ガス供給部S等を備えて構成し、加熱用バーナ1にてガス化対象物を加熱する状態で、燃焼用酸素含有ガス供給部Sからガス化対象物を部分燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスを供給して、ガス化対象物を部分燃焼させて熱分解ガスを生成するようにしてある。
そして、本発明では、燃焼式の原動機としてのガスエンジン2にて駆動されるコージェネレーションシステムBを設けて、ガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとして、前記ガスエンジン2から酸素を含有する状態で排出される燃焼排ガスをガス化炉Aに供給するように構成してある。
前記コージェネレーションシステムBは周知であるので、詳細な説明を省略して、図1に基づいて簡単に説明すると、発電用燃料路3にて都市ガス等のガス燃料をガスエンジン2に供給し、そのガスエンジン2にて発電機4を駆動するように構成してあり、発電機4から電気出力を得ると共に、ガスエンジン2を冷却するエンジン冷却水から排熱を回収して温水等の熱出力を得るようになっている。
図1ないし図4に基づいて、ガス化炉Aについて説明を加える。
このガス化炉Aは、上部のガス化対象物投入用の開口部を蓋体5にて開閉自在な概ね円筒形箱状の炉体6の内部を、通気可能な仕切り体としての円板状の火格子7にて、加熱用バーナ1の燃焼室8とその上方側のガス化対象物を収納する反応室9とに上下方向に区画して構成してある。
炉体6の上端部には、熱分解ガスを外部に導出する熱分解ガス導出口10を設け、炉体6における火格子7の上方近く及び炉体6の下端部夫々には、ガス化対象物が灰化した灰化物を取り出す灰化物取り出し口11,12を蓋体(図示省略)にて開閉自在な状態で設けてある。
前記炉体6の下方側の部分は、下方側ほど小径となるように形成して、その下方側ほど小径となる椀状部分13に、前記火格子7を通過して垂れ落ちるガス化対象物の溶融物を集めて溜めるように構成してある。
前記加熱用バーナ1は、拡散燃焼型のバーナであり、火炎fを前記燃焼室8内においてその略中央部を通る横向きに形成するように、前記炉体6における前記燃焼室8に対応する側周壁部分に設けてある。
その加熱用バーナ1には、都市ガス等のガス燃料を供給する加熱用燃料路14、及び、送風機15からの燃焼用空気を導くガス化側燃焼用空気路16を夫々接続して、ガス燃料を燃焼室8内に横向きに噴出すると共に、その噴出ガス燃料を燃焼させるように燃焼用空気を燃焼室8内に横向きに吐出して、火炎fを横向きに形成するように構成してある。
前記燃焼用酸素含有ガス供給部Sは、前記加熱用バーナ1の火炎形成方向に直交する方向に振り分けて配設した横向きの2本の直管状の酸素含有ガス噴出管17にて構成してある。
各酸素含有ガス噴出管17は、その先端を閉塞して、燃焼室中央側を向く斜め下向きに酸素含有ガスを噴出する複数の噴出孔17hを長手方向に分散させて形成してある。
各酸素含有ガス噴出管17には、前記ガスエンジン2からの燃焼排ガスを導く熱分解用燃焼排ガス路18を接続してある。
つまり、燃焼用酸素含有ガス供給部Sは、燃焼用酸素含有ガスとしてのガスエンジン2の燃焼排ガスを燃焼室8に供給するように構成してある。
図中の34は、酸素含有ガス噴出管17の上方を覆うように配設した遮蔽体であり、この遮蔽体34により、ガス化対象物の溶融物が酸素含有ガス噴出管17に垂れ落ちないようにしている。
そして、火格子7の下方の燃焼室8にて加熱用バーナ1によりガス燃料を燃焼させて、その火炎の輻射熱及び燃焼排ガスからの対流熱により、反応室9内のガス化対象物を加熱するようにしてある。
その場合、加熱用バーナ1の燃焼により、燃焼室8内を反応室9内よりも高圧にすることにより、加熱用バーナ1の燃焼排ガスを、火格子7をその全域にわたって均等化して通過させて、反応室9内に収納されているガス化対象物の全体にわたって満遍なく通過させるようにして、ガス化対象物を効率良く加熱するようにしてある。
そのようにガス化対象物を加熱する状態で、各酸素含有ガス噴出管17から、ガス化対象物の一部を燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスとしてガスエンジン2の燃焼排ガスを燃焼室8内に供給して、その供給燃焼排ガスを火格子7を通過させて反応室9内に供給して、ガス化対象物を部分燃焼させ、その燃焼熱によってもガス化対象物を加熱する状態で、ガス化対象物を熱分解させて、熱分解ガスを生成するようにしてある。
又、火格子7を通過して垂れ落ちるガス化対象物の溶融物を前記椀状部分13に集めて溜めると共に、各酸素含有ガス噴出管17から燃焼排ガスを椀状部分13に向けて斜め下向きに噴出することにより、椀状部分13に溜まっているガス化対象物の溶融物を部分燃焼させて、その溶融物をも熱分解させて熱分解ガスを生成するようにしてある。
つまり、処理対象のガス化対象物を燃え残りをなくす状態又は燃え残りを極力少なくする状態で、熱分解処理することができるようにしてある。
次に、図1に基づいて、上述のように構成したガス化炉Aを備えた複合リサイクル装置について、説明する。
複合リサイクル装置は、前記ガス化炉Aと、そのガス化炉Aにて生成される熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼器19を備えた混焼炉Cと、その熱分解ガス燃焼器19の燃焼排ガスの保有熱を回収する排熱回収熱交換部としての排熱ボイラ20と、その排熱ボイラ20に供給する水を予熱するエコノマイザ21と、複合リサイクル装置の運転を制御する制御部22等を備えて構成してある。
前記混焼炉Cは、前記熱分解ガス燃焼器19と、その熱分解ガス燃焼器19にて熱分解ガスを燃焼させるための燃焼室23等を備えて構成してある。
熱分解ガス燃焼器19は、拡散燃焼型のバーナであり、その熱分解ガス燃焼器19には、前記ガス化炉Aの前記熱分解ガス導出口10から導出される熱分解ガスを導く熱分解ガス路24、及び、前記送風機15からの燃焼用空気を導く混焼側燃焼用空気路26を夫々接続して、供給される熱分解ガス及び燃焼用空気を燃焼室23内に噴出して熱分解ガスを燃焼させるようにしてある。更に、熱分解ガス燃焼器19には、都市ガス等の補助ガス燃料を供給する補助燃料路25を接続してあり、必要に応じて、補助ガス燃料も燃焼室23内に噴出して、熱分解ガスを補助ガス燃料の燃焼火炎にて保炎する状態で燃焼させることが可能なようにも構成してある。
前記熱分解ガス燃焼器19の燃焼排ガスを前記燃焼室23から排出する集合排ガス路27の終端には、その集合排ガス路27に対して吸引作用すると共に、吸引した燃焼排ガスを煙突28内に排出するように、誘引送風機29を設けてある。
前記排熱ボイラ20及びエコノマイザ21は、排熱ボイラ20を燃焼排ガスの通流方向上流側に位置させて、前記集合排ガス路27に設けてある。
給水路31を、水をエコノマイザ21を通過させた後、排熱ボイラ20に供給するように配管してある。
前記熱分解用燃焼排ガス路18から分岐させた分岐燃焼排ガス路30を、前記集合排ガス路27における前記排熱ボイラ20よりも上流側の箇所に接続して、前記ガスエンジン2から排出される燃焼排ガスの一部を前記熱分解ガス燃焼器19の燃焼排ガスと共に集合排ガス路27を通流させるようにして、前記ガスエンジン2から排出される燃焼排ガスの一部を前記排熱ボイラ20の熱源用として分配供給するように構成してある。
そして、エコノマイザ21にて予熱した水を排熱ボイラ20にて加熱して蒸発させて、その水蒸気を蒸気路32を通じて蒸気消費部(図示省略)に供給するようにしてある。
前記補助燃料路25には、前記熱分解ガス燃焼器19への補助ガス燃料の供給量を調節する補助燃料供給量調節手段としての補助燃料調節弁V1を設け、前記加熱用燃料路14には、前記加熱用バーナ1へのガス燃料の供給量を調節する加熱用燃料供給量調節手段としての加熱用燃料調節弁V2を設け、前記熱分解用燃焼排ガス路18には、前記燃焼用酸素含有ガス供給部Sに前記燃焼用酸素含有ガスとして供給する前記燃焼排ガスの供給量を調節する燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段としての燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を設けてある。
又、前記ガス化側燃焼用空気路16には、前記加熱用バーナ1への燃焼用空気の供給量を調節するガス化側空気調節弁V4を設け、前記混焼側燃焼用空気路26には、前記熱分解ガス燃焼器19への燃焼用空気の供給量を調節する混焼側空気調節弁V5を設けてある。
又、前記混焼炉Cの出口の燃焼排ガスの温度を検出する混焼炉燃焼排ガス温度センサSp、前記ガスエンジン2から排出される前記燃焼排ガスの温度を検出する原動機燃焼排ガス温度センサSt、及び、前記燃焼排ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサSoを設けてある。
更に、前記制御部22に各種制御情報を指令する操作盤33には、複合リサイクル装置の運転開始及び運転停止を指令する手動式の運転スイッチ(図示省略)を設けてある。
以下、前記制御部22の制御動作について説明する。
制御部22は、前記コージェネレーションシステムBを予め設定された設定運転時間帯の間運転させるように制御する。
そして、基本的には、操作盤33の運転スイッチを操作して、複合リサイクル装置をコージェネレーションシステムBの運転中に運転する。
制御部22は、操作盤33の運転スイッチにより運転開始が指令されると、前記送風機15及び前記誘引送風機29を作動させ、前記加熱用燃料調節弁V2及び前記ガス化側空気調節弁V4を開弁して、前記加熱用バーナ1を燃焼させ、並びに、前記燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を開弁する。
又、前記補助燃料調節弁V1及び前記混焼側空気調節弁V5を開弁して、前記熱分解ガス燃焼器19を燃焼させる。
つまり、反応室9に収納されているガス化対象物が、加熱用バーナ1の火炎の輻射熱及びその燃焼排ガスからの対流熱により加熱されると共に、前記酸素含有ガス供給部Sから供給される燃焼排ガスにてガス化対象物の一部が部分燃焼する熱により加熱されて、ガス化対象物が熱分解して、熱分解ガスが生成される。
そして、そのガス化炉Aにて生成された熱分解ガスの全量が熱分解ガス燃焼器19に供給されて、その熱分解ガスが熱分解ガス燃焼器19にて燃焼する。
そして、その熱分解ガス燃焼器19の燃焼排ガス、及び、前記ガスエンジン2の燃焼排ガスのうちの前記酸素含有ガス供給部Sに供給される分を上回る余剰分が、前記集合排ガス路27を通流して、前記排熱ボイラ20において集合排ガス路27を通流する燃焼排ガスから熱が回収されて、蒸気が生成されることになる。
又、制御部22は、操作盤33の運転スイッチにより運転停止が指令されると、前記加熱用燃料調節弁V2及び前記ガス化側空気調節弁V4を閉弁すると共に、前記送風機15を停止させて前記加熱用バーナ1を消火し、並びに、前記燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を閉弁する。
又、前記補助燃料調節弁V1及び前記混焼側空気調節弁V5を閉弁して、前記熱分解ガス燃焼器19を消火させる。
すると、前記酸素含有ガス供給部Sを通じての前記ガスエンジン2の燃焼排ガスの供給が停止されるので、ガスエンジン2の燃焼排ガスの全量が前記集合排ガス路27に供給されて集合排ガス路27を通流し、前記排熱ボイラ20において、その集合排ガス路27を通流する燃焼排ガスから熱が回収されて、蒸気が生成されることになる。
つまり、前記ガス化炉Aの運転が停止されているときは、前記ガスエンジン2の燃焼排ガスの全量を前記排熱ボイラ20の熱源用として供給するように構成してある。
前記制御部22の制御動作について説明を加えると、制御部22は、複合リサイクル装置の運転中は、前記混焼炉燃焼排ガス温度センサSpの検出情報に基づいて前記補助燃料調節弁V1を制御する混焼用燃焼量制御、前記原動機燃焼排ガス温度センサStの検出情報に基づいて前記加熱用燃料調節弁V2を制御する熱分解用燃焼量制御、及び、前記酸素濃度センサSoの検出情報に基づいて前記燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を制御する燃焼排ガス供給量制御を実行する。
前記混焼用燃焼量制御では、混焼炉燃焼排ガス温度センサSpの検出温度が設定温度になるように補助燃料調節弁V1を制御して、補助ガス燃料の供給量を調節する。
前記熱分解用燃焼量制御では、前記原動機燃焼排ガス温度センサStにて検出される燃焼排ガスの温度が高くなるほど、ガス燃料の供給量が少なくなるように前記加熱用燃料調節弁V2を制御すると共に、燃焼用空気の供給量が前記ガス燃料の供給量に応じた量になるように前記ガス化側空気調節弁V4を制御する。
具体的には、所定の設定燃焼排ガス温度に対応して設定ガス燃料供給量を設定し、ガス燃料供給量減少率を燃焼排ガスの温度が前記設定燃焼排ガス温度よりも高くなるほど大きくなるように設定し、又、ガス燃料供給量増加率を燃焼排ガスの温度が前記設定燃焼排ガス温度よりも低くなるほど大きくなるように設定してある。
そして、前記原動機燃焼排ガス温度センサStの検出温度に対応するガス燃料供給量減少率又はガス燃料供給量増加率を選択して、その選択したガス燃料供給量減少率又はガス燃料供給量増加率にて、前記設定ガス燃料供給量を補正して、その補正したガス燃料供給量になるように前記加熱用燃料調節弁V2を制御する。
従って、前記燃焼用酸素含有ガス供給部Sから前記燃焼室8内に供給される燃焼排ガスの温度が高くなるほど、前記加熱用バーナ1の燃焼量が少なくなるように調節されるので、ガス化対象物を加熱する温度の変動を抑制することが可能となる。
前記燃焼排ガス供給量制御では、前記酸素濃度センサSoにて検出される燃焼排ガスの酸素濃度が高くなるほど、燃焼排ガスの供給量が少なくなるように前記燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を制御する。
具体的には、所定の設定酸素濃度に対応して設定燃焼排ガス供給量を設定し、燃焼排ガス供給量減少率を燃焼排ガスの酸素濃度が前記設定酸素濃度よりも高くなるほど大きくなるように設定し、又、燃焼排ガス供給量増加率を燃焼排ガスの酸素濃度が前記設定酸素濃度よりも低くなるほど大きくなるように設定してある。
そして、前記酸素濃度センサSoの検出酸素濃度に対応する燃焼排ガス供給量減少率又は燃焼排ガス供給量増加率を選択して、その選択した燃焼排ガス供給量減少率又は燃焼排ガス供給量増加率にて、前記設定燃焼排ガス供給量を補正して、その補正した燃焼排ガス供給量になるように前記燃焼用酸素含有ガス調節弁V3を制御する。
従って、前記燃焼用酸素含有ガス供給部Sから前記燃焼室8内に供給される燃焼排ガスの酸素濃度が高くなるほど、その燃焼用酸素含有ガス供給部Sからの燃焼排ガスの供給量が少なくなるように調節されるので、ガス化対象物を部分燃焼させるための酸素の過不足を抑制して、ガス化対象物を適切に熱分解させて熱分解ガスを生成することが可能となる。
次に、図1に基づいて、上述のように構成した複合リサイクル装置を用いて、ガス化対象物をバッチ処理にて熱分解処理する場合の定常運転状態での運転条件について説明する。
尚、前記加熱用バーナ1、前記ガスエンジン2及び前記熱分解ガス燃焼器19の夫々に供給するガス燃料としては、13Aの都市ガスを用いる。
処理対象のガス化対象物の条件は以下の通りである。
ガス化対象物:フィルム系のプラスチック類
ガス化対象物の発熱量:41MJ/kg
1バッチ当たりの処理量:500kg/bat(バッチ)
コージェネレーションシステムBの運転条件は、以下の通りである。
ガスエンジン2へのガス燃料の供給量:67m3(標準状態)/h
ガスエンジン2からの燃焼排ガスの排出量:1326m3(標準状態)/h
ガスエンジン2からの燃焼排ガスの温度:402°C
ガスエンジン2からの燃焼排ガスの組成:N2:74.490%、O2:7.881%、H2O:11.460%、CO2:6.169%
そして、加熱用バーナ1にガス燃料、燃焼用空気を夫々6.4m3(標準状態)/h、68m3(標準状態)/hにて供給し、燃焼用酸素含有ガス供給部Sにガスエンジン2からの燃焼排ガスを292m3(標準状態)/h、380°Cにて供給すると、前記ガス化炉Aにより、457m3(標準状態)/hで熱分解ガスが生成される。
熱分解ガス燃焼器19に、補助ガス燃料を供給しない状態で、前記ガス化炉Aにて生成される熱分解ガスの全量を供給すると共に、燃焼用空気を1500m3(標準状態)/hにて供給して、熱分解ガスを燃焼させると、850°Cの燃焼排ガスが2010m3(標準状態)/hで生成される。
そして、熱分解ガス燃焼器19の燃焼排ガスが2010m3(標準状態)/h、850°Cにて、前記ガスエンジン2の燃焼排ガスのうちの余剰分が1034m3(標準状態)/h、380°Cにて、夫々、集合排ガス路27に供給されて混合され、集合排ガス路27を燃焼排ガスが3044m3(標準状態)/h、700°Cにて通流し、その燃焼排ガスにて前記排熱ボイラ20により、蒸気が1000kg/h、0.78Mpaにて生成される。
前記排熱ボイラ20及び前記エコノマイザ21を通過して夫々において排熱が回収された燃焼排ガスは、前記煙突28から3044m3(標準状態)/h、150°Cにて排出される。
次に、ガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとしてガスエンジン2の燃焼排ガスを用いることにより、生成される熱分解ガスの熱量を増大することができることを平衡計算により検証した結果を説明する。
この検証では、ガス化対象物として、廃プラスチックの代表的なものであるポリエチレンと分子式が同様のエチレンを用い、部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いる場合と空気を用いる場合とで、生成される熱分解ガスの熱量を比較した。平衡計算の条件として、エチレンの処理量を68kg/hとし、生成熱分解ガスの温度を500°Cとした。
検証の結果を図5にまとめる。
燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いる場合は、空気を129m3(標準状態)/h供給すると、熱分解ガスが211m3(標準状態)/h生成され、燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いる場合は、燃焼排ガスを139m3(標準状態)/h供給すると、熱分解ガスが221m3(標準状態)/h生成される計算結果を得た。この場合の燃焼排ガスの組成は、上述したものと同様である。
つまり、燃焼排ガス中の酸素濃度を7.881%とすると、空気中の酸素濃度は21%であるので、燃焼排ガスを燃焼用酸素含有ガスとして用いる場合、空気を燃焼用酸素含有ガスとして用いる場合と供給する酸素の量を同量とするには、空気を用いる場合に比べて約2.7倍の量を供給する必要があると考えられる。しかしながら、燃焼排ガス中には、CO2、H2Oとして酸素が存在して、その酸素がガス化対象物の部分燃焼用として寄与するので、燃焼排ガスの供給量を、空気を燃焼用酸素含有ガスとして用いる場合の空気の供給量の2.7倍よりも少なくすることができるのである。
又、上述のように、燃焼排ガス中には、空気中よりもCO2、H2Oがかなり多く含まれ、このCO2、H2OのC、HがCH4転換に寄与することになる。
従って、図5の平衡ガス組成に示されるように、燃焼排ガスを燃焼用酸素含有ガスとして用いる場合、空気を燃焼用酸素含有ガスとして用いる場合に比べて、熱分解ガス中のCH4の含有率を多くすることが可能となるので、生成される熱分解ガスの熱量を約11.1%程度増大することが可能となる。
次に、ガス化対象物の部分燃焼により生成した熱分解ガスをエネルギーとして蒸気を発生させる複合リサイクル装置において、ガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとしてガスエンジン2の燃焼排ガスを用いることにより、ガス燃料の使用量を低減して省エネルギー化を図ることができることを検証した結果を説明する。
この検証試験では、部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いる場合と空気を用いる場合とで、前記ガス化炉Aにおけるガス燃料の使用量と前記混焼炉Cにおける補助ガス燃料の使用量を合わせた総ガス燃料使用量を比較した。
先ず、検証試験の条件を説明するが、その検証試験の条件において、処理対象のガス化対象物の条件、コージェネレーションシステムBの運転条件、及び、排熱ボイラ20の蒸気生成条件は、先に複合リサイクル装置における定常運転状態での運転条件において説明したものと同様であるので、説明を省略する。
複合リサイクル装置の運転時間は、7.75時間である。
ガス化炉A、混焼炉C夫々の運転条件は以下の通りである。
〔ガス化炉Aの運転条件〕
加熱用バーナ1の定格燃焼量:418.6MJ/h
燃焼用酸素含有ガスの供給量、温度:
・燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いる場合 ;110m3(標準状態)/h、20°C
・燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いる場合;290m3(標準状態)/h、380°C
〔混焼炉Cの運転条件〕
熱分解ガス燃焼器19の定格燃焼量:
・燃焼用酸素含有ガスとして空気の場合 ;3348.8MJ/h
・燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いる場合;3139.5MJ/h
検証試験の結果を図6にまとめる。
図6に示すように、燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いた場合、ガス化炉Aの加熱用バーナ1のガス燃料使用量、混焼炉Cの熱分解ガス燃焼器19の補助ガス燃料使用量は、夫々、3245MJ/bat、9838MJ/batであり、総ガス燃料使用量は13083MJ/batとなる。尚、燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いた場合、前記加熱用バーナ1へのガス燃料の供給量、燃焼用空気の供給量は、夫々、10m3(標準状態)/h、110m3(標準状態)/hであり、ガス化炉Aでの熱分解ガスの生成量は、321m3(標準状態)/hであり、熱分解ガス燃焼器19への補助ガス燃料の供給量、燃焼用空気の供給量は、夫々、5.2m3(標準状態)/h、1500m3(標準状態)/hである。
又、燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いた場合、ガス化炉Aの加熱用バーナ1のガス燃料使用量、混焼炉Cの熱分解ガス燃焼器19の補助ガス燃料使用量は、夫々、2051MJ/bat、8635MJ/batであり、総ガス燃料使用量は10686MJ/batとなる。
つまり、燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いることにより、燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いる場合に比べて、総ガス燃料使用量を2397MJ/batを削減することができて、約18.3%の省エネルギーを図ることができた。
ちなみに、燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いた場合のガス化炉Aの加熱用バーナ1のガス燃料使用量は、以下のようにして求めた。
即ち、燃焼用酸素含有ガスとして燃焼排ガスを用いた場合のその燃焼排ガスにて持ち込まれる熱量と、燃焼用酸素含有ガスとして空気を用いた場合のその空気ガスにて持ち込まれる熱量との差が、加熱用バーナ1におけるガス燃料の使用量の削減に寄与すると仮定した。
空気による持込熱量=110m3(標準状態)/h×0.311kcal/m3(標準状態)・°C×20°C=684kcal/h
燃焼排ガスによる持込熱量=290m3(標準状態)/h×0.340kcal/m3(標準状態)・°C×380°C=37468kcal/h
持込熱量差=37468−684=36784kcal/h
加熱用バーナ1のガス燃料使用量=[(100000−36784)×7.75×4.18605]÷1000=2051MJ/bat
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 燃焼用酸素含有ガス供給部Sの具体構成は、上記の実施形態において例示した2本の酸素含有ガス噴出管17に限定されるものではない。
例えば、図7に示すように、中心側を向く斜め下向きに酸素含有ガスを噴出する複数の噴出孔35hを長手方向に分散させて形成した環状の酸素含有ガス噴出管35にて構成しても良い。この環状の酸素含有ガス噴出管35は、前記燃焼室8内に、炉体6と略同心状に配設する。
(ロ) 反応室9に収納されているガス化対象物を加熱するための構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、先端に燃焼ガス噴出口を備えたラジアントチューブを、前記燃焼室9内に、蛇行状に配設する等により、平面視にて略全域にわたるように配設して、前記加熱用バーナ1を、そのラジアントチューブの基端からその内部にガス燃料と燃焼用空気とを噴出して、ラジアントチューブ内にてガス燃料を燃焼させるように構成しても良い。
この場合、前記燃焼室9内に平面視にて略全域にわたるように配設されたラジアントチューブからの輻射熱、及び、ラジアントチューブの先端の燃焼ガス噴出口から噴出されてガス化対象物を通過する燃焼ガスからの対流熱により、ガス化対象物を効率良く且つ均等に加熱することができる。
(ハ) 前記加熱用バーナ1の燃焼量を制御するための熱分解用燃焼量制御の具体形態は、上記の実施形態において例示した形態に限定されるものではない。
例えば、前記燃焼室8の温度を検出する燃焼室温度センサを設けて、その燃焼室温度センサの検出温度が設定燃焼室温度となるように、前記加熱用燃料調節弁V2により、前記加熱用バーナ1へのガス燃料の供給量を調節する形態でも良い。
(ニ) 上記の実施形態では、前記酸素濃度センサSoにて検出される燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、燃焼排ガスの供給量を調節する場合について例示したが、燃焼式の原動機から排出される燃焼排ガス中の酸素濃度のバラツキは小さいので、予め設定した設定量にて燃焼排ガスを供給するようにしても良い。
(ホ) ガス化対象物部分燃焼用の燃焼用酸素含有ガスとしての燃焼排ガスを供給するための燃焼式の原動機は、上記の実施形態において例示したガスエンジン2に限定されるものではなく、例えば、ガスタービンを用いることが可能である。
実施形態にかかるガス化炉を備えた複合リサイクル装置のブロック図 実施形態にかかるガス化炉の縦断側面図 実施形態にかかるガス化炉の要部の縦断正面図 実施形態にかかるガス化炉の横断平面図 生成熱分解ガスの熱量増大の検証結果を説明する図 省エネルギーの検証結果を説明する図 別実施形態にかかるガス化炉の横断平面図
符号の説明
1 加熱用バーナ
2 燃焼式の原動機
7 仕切り体
8 燃焼室
9 反応室
19 熱分解ガス燃焼器
20 排熱回収熱交換器
22 制御手段
A ガス化炉
V1 補助燃料供給量調節手段
V2 加熱用燃料供給量調節手段
V3 燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段

Claims (5)

  1. ガス化対象物を加熱用バーナにて加熱する状態で、前記ガス化対象物の一部を燃焼させるための燃焼用酸素含有ガスを供給するように構成されて、前記ガス化対象物を部分燃焼させて熱分解ガスを生成するガス化炉であって、
    前記燃焼用酸素含有ガスとして、燃焼式の原動機から酸素を含有する状態で排出される燃焼排ガスを供給するように構成され
    通気可能な仕切り体により、燃料ガスを燃焼用空気にて燃焼させる前記加熱用バーナの燃焼室とその上方側のガス化対象物を収納する反応室とに上下方向に区画され、
    前記燃焼用酸素含有ガスとしての前記燃焼排ガスを前記燃焼室に供給するように構成されているガス化炉。
  2. 請求項1記載のガス化炉を備えた複合リサイクル装置であって、
    前記ガス化炉にて生成される熱分解ガスを燃焼させる熱分解ガス燃焼器と、
    その熱分解ガス燃焼器の燃焼排ガスの保有熱を回収する排熱回収熱交換部とが設けられている複合リサイクル装置。
  3. 前記原動機から排出される前記燃焼排ガスの一部を前記排熱回収熱交換部の熱源用として分配供給するように構成されている請求項2記載の複合リサイクル装置。
  4. 前記熱分解ガス燃焼器への補助燃料の供給量を調節する補助燃料供給量調節手段と、
    その補助燃料供給量調節手段を制御する制御手段とが設けられている請求項2又は3記載の複合リサイクル装置。
  5. 前記加熱用バーナへの燃料の供給量を調節する加熱用燃料供給量調節手段と、
    前記燃焼用酸素含有ガスとして供給する前記燃焼排ガスの供給量を調節する燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段と、
    前記加熱用燃料供給量調節手段及び前記燃焼用酸素含有ガス供給量調節手段を制御する制御手段とが設けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の複合リサイクル装置。
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