JP4264516B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、生命工学分野の研究における細胞単体に対する個別操作や微小物体のハンドリング等に使用可能なアクチュエータに関する。
機械が運動し、仕事をするためにはアクチュエータが必要であり、ナノメートルレベルの位置決め精度、位置決め分解能を必要とする精密位置決め装置ではアクチュエータとして圧電素子が用いられることが多い。
この様な圧電素子を用いたアクチュエータとして、駆動軸上に可動子を摩擦結合させ、駆動軸を圧電素子により軸方向に駆動させて摩擦力と慣性力との差を利用して
可動子を軸方向に移動させるものが知られている(非特許文献1、非特許文献2)。
また、リング状圧電素子を多層に積み重ねて捩じれを発生する筒体を形成し、筒体の先端にロータを摩擦結合させて、ロータを筒体の軸の周りに回転させるものが知られている(非特許文献3)。
そして近年では、クローン動物の実現、DNA解析技術の向上による遺伝子解析、卵細胞室内***注入法などに代表される生命工学分野の研究というように細胞単体に対する個別操作の高まりや、マイクログリッパによる微小物体の分離などに代表される微小粒子を直接扱いたいという要求の高まりなどから、それらの動きを実現するアクチュエータに対して高精度化、高分解能化のみならずマイクロ化、多自由度化、長ストローク化といった流れが存在する。
特に微小物体のハンドリング技術においては、微小物体に接近する直進方向とその直進方向を軸として微小物体を回転させる回転方向の動きが最も重要であるという認識があり、一般的に駆動範囲も数mm程度が必要となる。現状、この様に回転、直動の二方向併進駆動は実用化に伴って要求される重要な機能の一つであるとの認識のもとそれらを実現するためのさまざまな研究が行われている。
圧電素子を利用した回転、直動の二方向併進駆動のアクチュエータとしては、従来超音波モータを2軸に配置して回転と直動を実現するものが知られており、商用化されている回転・直動アクチュエータとしては円筒型リニア誘導機に回転用の巻き線を設けたものがある。しかし、この様な従来のアクチュエータは、駆動機構が複雑で各要素が絡み合うので、ナノメートルレベルの位置決め精度、位置決め分解能に対応することが難しいという問題があった。
精密工学会誌 Vol.65/No.1.1999、pp.111-115 精密工学会誌 Vol.68/No.4.2002、pp.536-541 IEEE TRANSACTIONS ON ULTRASONICS,FERROELECTRICS,AND FREQUENCY CONTROL Vol.46,No.6,NOVEMBER 1999、pp.1439-1445
本発明は、このような問題点を解決し、単純な機構を採用することにより位置決めの高精度化と高分解能化が可能な回転、直動の二方向併進駆動アクチュエータ、並びに高精度化、高分解能化が可能な回転型アクチュエータを提供することを目的としている。
本発明によれば、ロータと、該ロータと同軸に設けられ、該ロータの遠心方向の運動を規制するガイドと、前記ロータの接線方向の駆動力を発生する第1圧電素子と、前記ロータの回転軸方向の駆動力を発生する第2圧電素子と、前記第1圧電素子の駆動力を前記ロータに伝える第1伝達手段と、前記第2圧電素子の駆動力を前記ロータに伝える第2伝達手段とを備え、前記第1伝達手段および第2伝達手段が摩擦結合部材あるいは電磁結合部材の少なくともいずれかを有することを特徴とするアクチュエータが得られる。
また、前記ロータが磁性体あるいは磁石よりなるロータであり、前記第1伝達手段および前記第2伝達手段が各々前記ロータと電磁結合を形成する磁石あるいは磁性体を有することを特徴とするアクチュエータを提供する。
さらに、前記第1圧電素子が前記ガイドに前記ロータの接線方向と平行に取付けられ、前記第2圧電素子が前記ガイドに前記ロータの軸方向と平行に連結され、前記第1圧電素子および前記第2圧電素子の駆動力が各々前記ガイドと前記ロータとの摩擦結合あるいは電磁結合の少なくともいずれかによりロータに伝えられるようにしたこと特徴とするアクチュエータを提供する。
また本発明によれば、磁性体あるいは磁石からなるロータと、該ロータと同軸に設けられ、該ロータの遠心方向の運動を規制するガイドと、前記ロータの接線方向の駆動力を発生する圧電素子と、該圧電素子の駆動力を前記ロータ伝える伝達手段であって、前記ロータと電磁結合を形成する磁石あるいは磁性体を有する伝達手段とを備えたことを特徴とするアクチュエータが得られる。
さらに本発明によれば、ロータと、該ロータと同軸に設けられ、該ロータの遠心方向の運動を規制するガイドと、該ガイドに前記ロータの接線方向と平行に取付けられた圧電素子とを備え、該圧電素子の駆動力が前記ガイドと前記ロータとの電磁結合あるいは摩擦結合の少なくともいずれかにより前記ロータに伝えられるようにしたことを特徴とするアクチュエータが得られる。
本発明によれば、第1圧電素子にロータの接線方向の駆動力を緩やかに発生させ、また第2圧電素子にロータの回転軸方向の駆動力を緩やかに発生させて、これら駆動力を各々第1伝達手段および第2伝達手段の摩擦結合部材あるいは電磁結合部材により、摩擦結合あるいは電磁結合を保った状態でロータに伝えると、ロータはガイドに規制されて接線方向に回転するとともに回転軸方向に移動する。
続いて、第1圧電素子および第2圧電素子に急速に反対方向の駆動力を発生させて、ロータに摩擦結合あるいは電磁結合を上回る慣性力を与えると、ロータは回転方向および回転軸方向に滑りを発生する。このように、第1圧電素子および第2圧電素子に緩やかな駆動力と急速な反対方向の駆動力を発生させると、ロータはその滑りに対応して変位する。従って、この動作を繰り返すことによりロータを回転、直動の二方向に所望の量だけ併進駆動させることができる。
しかも、第1伝達手段および第2伝達手段は、摩擦結合部材あるいは電磁結合部材の少なくともいずれかからなり、単純な構成であるので、第1圧電素子および第2圧電素子の駆動特性を損なうことがない。従って、適切な圧電素子を選択し、それらの駆動電圧を適宜設定することで、数nmから数10μmステップの駆動が可能である。第1伝達手段および第2伝達手段は、摩擦結合部材と電磁結合部材を合わせ持つものであってもよい。
ロータは、中空にしてリング状とするほうが、軽量化でき、小さな駆動力で変位を発生する。従って、圧電素子の周波数帯域を広く設計でき、超音波領域での駆動が可能であり、高精度化、高分解能化、高速駆動への対応が可能である。ガイドは、軸状にしてロータの内部に設けるほうが、小型化・軽量化の点で望ましい。
また、第1圧電素子および第2圧電素子の駆動力を、磁性体あるいは磁石よりなるロータと電磁結合を形成する第1伝達手段および第2伝達手段によりロータに伝えるものでは、機械的接触が抑えられるので、磨耗劣化が少なく、結合が安定化し、長寿命、かつ特性の安定なアクチュエータが得られる。磁石あるいは磁性体を用いるものは、第1伝達手段および第2伝達手段の小型化・軽量化が容易である。しかも1個の磁石あるいは磁性体を第1伝達手段および第2伝達手段に共用すれば、第1伝達手段および第2伝達手段の質量を全体として軽減できるとともに、構成を簡素化できる。
さらに、第1圧電素子と第2圧電素子をガイドに取付け、第1圧電素子および第2圧電素子の駆動力が各々ガイドとロータとの摩擦結合あるいは電磁結合の少なくともいずれかによりロータに伝えられるようにしたものは、ガイドが第1伝達手段および第2伝達手段と兼用されるので、単純な構成のアクチュエータが得られる。第1圧電素子および第2圧電素子の駆動力を各々ロータに伝えるものは、ガイドとロータとの摩擦結合あるいは電磁結合の少なくともともどちらか一方があればよいが、それら両方を合わせ持つものであってもよい。
第1圧電素子および第2圧電素子の駆動力をともにガイドとロータとの摩擦結合によりロータに伝えるものでは、ガイドとロータの材料の選択自由度が高い。従って、セラミック、カーボン、金属等多様な材料の中から適切なものを選択し、ガイドとロータの形状、質量あるいは摩擦係数等を自由に設定することができる。
また、圧電素子の駆動力を、磁性体あるいは磁石からなるロータと電磁結合を形成する磁石あるいは磁性体を有する伝達手段によりロータに伝えるものでは、機械的接触が抑えられるので、磨耗劣化が少なく、結合が安定化し、長寿命、かつ特性の安定な回転型アクチュエータが得られる。
しかも、伝達手段の磁石あるいは磁性体は、小型化・軽量化が容易であり、小さな駆動力で変位を発生する。従って、超音波領域での駆動が可能であり、高精度化、高分解能化、高速駆動への対応が可能である。
さらに、ガイドに圧電素子を取付け、圧電素子の駆動力がガイドとロータとの摩擦結合あるいは電磁結合によりロータに伝えられるものは、ガイドが伝達手段と兼用されるので、単純な構成のアクチュエータが得られる。圧電素子の駆動力をロータに伝えるものは、ガイドとロータとの摩擦結合あるいは電磁結合の少なくともともどちらか一方があれば良いが、それら両方を合わせ持つものであってもよい。
圧電素子の駆動力をガイドとロータとの摩擦結合によりロータに伝えるものでは、ガイドとロータの材料の選択自由度が高い。従って、セラミック、カーボン、金属等多様な材料の中から適切なものを選択し、ガイドとロータの形状、質量あるいは摩擦係数等を自由に設定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のアクチュエータの構成を示す要部平面図であり、直行する矢印Xおよび矢印Yが作る平面をZ方向から見たものである。図2は、図1に係わるアクチュエータをX-Z面で切断した要部断面図である。図1および図2において、1は固定部材であり、固定部材1にはアルミナより形成された円柱状のシャフト2が取り付けられ、シャフト2には強磁性体である鉄を材料とする筒状のロータ3が、シャフト2と同軸にかつ微少な隙間を保って貫通し、回転自在にまたシャフト2の軸方向に移動自在に設けられている。
ロータ3の上方にはL字型の保持部材7に一端が取り付けられた柱状の圧電素子5がロータ3の軸方向に平行に配置されているとともに、保持部材7に一端が取り付けられた柱状の圧電素子6がロータ3の接線方向に平行に配置されている。圧電素子5は、駆動電圧を印加することによりロータ3の軸方向に伸縮するものであり、圧電素子6は、駆動電圧を印加することによりロータ3の接線方向に伸縮するものである。
圧電素子5と圧電素子6の交点方向の先端面には直方体の永久磁石4の対向する面が取付けられており、永久磁石4とロータ3は、それらの電磁結合により互いに結合している。尚、保持部材7は、図示を省略しているが、固定部材1と一体になっている。また、シャフト2は、ガイドであり、ロータ3が接線方向の力を受けた際に離間するのを規制して、回転運動に変えるためのものである。
次に、本発明の第1の実施の形態のアクチュエータの動作を図3および図4を用いて説明する。まず、圧電素子5に緩やかに立ち上がる駆動電圧を印加すると、図3(a)に示す初期状態から圧電素子5がロータ3の軸方向にΔxだけ伸張し、永久磁石4は、ロータ3の軸方向にΔxだけ変位する。このとき、圧電素子5が駆動電圧に従って緩やかに伸張するので、ロータ3は、永久磁石4と電磁結合を保った状態で永久磁石4に連動し、ロータ3の軸方向にΔxだけ変位し、図3(b)に示す状態が実現する。
続いて、圧電素子5の印加電圧を急速に減少させると、圧電素子5は急速に縮小し、永久磁石4とともに図3(a)に示した位置に戻る。しかし、圧電素子5が急速に縮小するので、ロータ3と永久磁石4との電磁結合を上回る慣性力がロータ3に加えられる。そのため、ロータ3は回転軸方向に滑りを生じ、ほぼその位置に留まり、図3(c)に示すように、初期状態からΔxだけ変位した状態が実現する。
同様に、圧電素子6に緩やかに立ち上がる駆動電圧を印加して圧電素子6を伸張させると、図4(a)に示す初期状態から圧電素子6がロータ3の接線方向にΔyだけ伸張し、永久磁石4がロータ3の接線方向にΔyだけ変位する。このときロータ3は、永久磁石4と電磁結合を保った状態で永久磁石4に連動するとともにシャフト2に規制され、ロータ3の円周方向にΔθだけ変位し、図4(b)に示す状態が実現する。続いて圧電素子6の印加電圧を急速に減少させて圧電素子6を急速に縮小すると、ロータ3は円周方向に滑りを生じ、図4(c)に示すように初期状態からΔθだけ回転した状態が実現する。
圧電素子5および圧電素子6に印加する駆動電圧、すなわち緩やかに立ち上がるとともに急速に減少する駆動電圧は、いわゆるのこぎり波状の駆動電圧であり、容易に発生させることができる。従って、圧電素子5および圧電素子6にのこぎり波状の駆動電圧を所定の回数だけ印加することにより、ロータ3は回転軸方向および円周方向に所望の量だけ、こぎり波状に変位する。
本発明の第1の実施の形態のアクチュエータでは、伝達手段を強磁性体のロータ5と永久磁石4とによる電磁結合により構成したが、ロータ5を磁石で形成し、圧電素子5および圧電素子6の先端面に磁性体を取り付ける構成とすることもできる。
また、本発明の第1の実施の形態のアクチュエータでは、圧電素子5および圧電素子6の駆動力をロータ5に伝える伝達手段が、永久磁石4とロータ5が構成する電磁結合部材を有するものであった。電磁結合部材はこれに限られるものではなく、ロータとガイドで構成することもできる。
図5は、このような本発明の第2の実施の形態のアクチュエータの構成を示す要部側面図であり、直行する矢印Xおよび矢印Zが作る平面をY方向から見たものである。図6は、図5に係わるアクチュエータをY-Z面で切断した要部断面図である。図5および図6において、11は固定部材であり、固定部材11には円柱状の圧電素子15と磁性体より形成された円柱状のシャフト12が同軸に連結されている。シャフト12の中央部付近には永久磁石からなる筒状のロータ13が、シャフト12と同軸に貫通し、回転自在にまたシャフト12の軸方向に移動自在に設けられている。シャフト12とロータ13間の接触圧は電磁結合により一定に保たれている。
シャフト12の圧電素子15が連結された側の一部は、中心軸を通り互いに直行する面Aおよび面Bで扇形に切り取られている。その一方の切り取り面Aには、保持部材17に一端が取り付けられた柱状の圧電素子16がシャフト12の接線方向に平行に取り付けられている。圧電素子15は、駆動電圧を印加することによりシャフト12の軸方向に伸縮するものであり、圧電素子16は、駆動電圧を印加することによりシャフト12の接線方向に伸縮するものである。尚、保持部材17は、図示を省略しているが固定部材11と一体になっている。
本発明の第2の実施の形態のアクチュエータの動作は、まず、圧電素子15に緩やかに立ち上がる駆動電圧を印加すると、圧電素子15がシャフト12の軸方向にΔxだけ伸張し、シャフト12は、ロータ13の軸方向にΔxだけ変位する。このとき、圧電素子15が駆動電圧に従って緩やかに伸張するので、ロータ13は、シャフト12と電磁結合を保った状態でシャフト12に連動し、軸方向にΔxだけ変位する。
続いて、圧電素子15の印加電圧を急速に減少させると、圧電素子15は急速に縮小し、シャフト12とともに最初の位置に戻る。しかし、圧電素子15が急速に縮小するので、ロータ13とシャフト12との電磁結合を上回る慣性力がロータ13に加えられる。そのため、ロータ13は回転軸方向に滑りを生じ、ほぼその位置に留まり、初期状態に比べてΔxだけ変位した状態が実現する。
同様に、圧電素子16に緩やかに立ち上がる駆動電圧を印加して圧電素子16を伸張させると、圧電素子16がシャフト12の接線方向にΔyだけ伸張し、圧電素子15が固定部11との連結部付近から捩じれ、シャフト12は軸を中心にΔθだけ回転する。このときロータ13は、シャフト12と電磁結合を保った状態でシャフト12に連動し、ロータ13の円周方向にΔθだけ変位する。続いて圧電素子16の印加電圧を急速に減少させて圧電素子16を急速に縮小すると、シャフト12は初期状態に戻るが、ロータ13は円周方向に滑りを生じ、初期状態に比べてΔθだけ回転した状態が実現する。
従って、圧電素子15および圧電素子16にのこぎり波状の駆動電圧を所定の回数だけ印加することにより、ロータ13は回転軸方向および円周方向に所望の量だけ、こぎり波状に変位する。
尚、シャフト12を磁石にて形成し、ロータ13を磁性体にて形成することも可能である。
本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態のアクチュエータでは、圧電素子の駆動力をロータに伝える伝達手段が、永久磁石と磁性体による電磁結合部材を有するものであった。伝達手段は、電磁結合部材に限られるものではなく、摩擦結合部材を有するものであっても良い。
このようなアクチュエータは、第2の実施の形態のアクチュエータにおけるシャフトあるいはロータの少なくともいずれか一方を非磁性体の材料で構成し、シャフトとロータとに微少な摩擦結合が生じるように、それら部材の表面および寸法を設定することにより実現できる。
図1に示した本発明の第1の実施の形態のアクチュエータの実施例について説明する。この実施例において、シャフト2は、材料がアルミであり、直径が19.9mm、長さが
50mmのものである。ロータ3は、材料が鉄であり、内径が20mm、外径が21.36mm、長さが35mm、重さが7.4gのものである。また、圧電素子5および圧電素子6は、ともに断面が2mm*3 mm、素子長が3 mm、可動範囲(伸縮量)が3μmのものである。
図7は、このようなアクチュエータの圧電素子5に、周波数が2000Hz、電圧が4.5V(P-P)、デユーテイ比が2%ののこぎり波状の駆動電圧を印加したときの測定結果を示すグラフであり、曲線イがロータ3の変位量を示している。図7において横軸は時間(1msec/div)を、縦軸はロータ3の変位量(50nmsec/div)を各々示している。圧電素子5をのこぎり波状の駆動電圧で微小振動させることにより、ロータ3が軸方向に微小振動し、約50nmのステップで変位する様子が分かる。直動変位測定にはMTI Instrument Inc.社のFotonic sensor(型番:MTI-2100)を用いている。
また図8は、同じアクチュエータの圧電素子6に、周波数が18KHz、デユーテイ比が10%ののこぎり波状の駆動電圧を印加したときの測定結果を示すグラフである。曲線ロはP-P値が30Vの駆動電圧を印加したときのロータ3の回転角を、曲線ハはP-P値が45Vの駆動電圧を印加したときのロータ3の回転角を、曲線ニはP-P値が60Vの駆動電圧を印加したときのロータ13の回転角を各々示している。尚、図8において横軸は時間(sec)を、縦軸はロータ3の回転角(度/div)示している。円周方向に配置された圧電素子6を微小振動させることにより、ロータ3が回転し、ほぼ線形な回転駆動特性が得られていることが分かる。回転変位測定には回転リニアエンコーダ(自製)を用いた。
次に、図5に示した本発明の第2の実施の形態のアクチュエータの実施例について説明する。この実施例において、シャフト12は、材料がアルミナであり、径が8.5mm、長さが20mmのものである。ロータ13は、材料がアルミであり、内径が8.5mm、外径が20mm、長さが10mm、重さが6gのものである。また、圧電素子15は、素子長が13.5mm、可動範囲(伸縮量)が10μmのものであり、圧電素子16は、素子長が10mm、可動範囲(伸縮量)が9.1μmのものである。
図9は、このようなアクチュエータの圧電素子15にのこぎり波状の駆動電圧を印加したときの測定結果を示すグラフであり、曲線ホが圧電素子15の変位量を、曲線ヘがロータ13の変位量を示している。尚、図9において横軸は時間(1msec/div)を、左側の縦軸は圧電素子15の伸縮量(100nmsec/div)を、右側の縦軸はロータ13の変位量(400nmsec/div)を各々示している。圧電素子15を、約1200nmの振幅で微小振動させることによりシャフト12が軸方向に微小振動し、ロータ13が変位する様子が分かる。
また図10は、同じアクチュエータの圧電素子15に印加するのこぎり波状の駆動電圧をより微小な振幅としたときの測定結果を示すグラフであり、曲線トが圧電素子15の変位量を、曲線チがロータ13の変位量を示している。尚、図10において横軸は時間(1msec/div)を、左側の縦軸は圧電素子15の伸縮量(10nmsec/div)を、右側の縦軸はロータ13の変位量(40nmsec/div)を各々示している。圧電素子15を約120nmの振幅で微小振動させることにより、ロータ13が70nm程度のステップ駆動していることが分かる。直動変位測定には日本エー・ディー・イー社のマイクロセンス(型番:3890J)を用いている。
さらに図11は、同じアクチュエータの圧電素子16に駆動周波数1.6kHzで微小振動を与えたときの測定結果を示すグラフである。直線リが圧電素子16にP-P値が30Vの駆動電圧を印加したときのロータ13の回転角を、直線ヌが圧電素子16にP-P値が60Vの駆動電圧を印加したときのロータ13の回転角を、直線ルが圧電素子16にP-P値が90Vの駆動電圧を印加したときのロータ13の回転角を各々示している。尚、図11において横軸は時間(sec)を、縦軸はロータ13の回転角(度/div)示している。円周方向に配置された圧電素子16を微小振動させることにより、ロータ13が回転し、線形な回転駆動特性が得られていることが分かる。
回転変位測定にはキャノンのロータリーエンコーダ(型番:SR-050M/8)を用いた。ロータリーエンコーダのエンコーダスケールは5000P/Rであるため、その回転変位測定分解能はそのA相,B相出力を4逓倍することにより0.018°となる。
本発明に係る回転・直動アクチュエータは、回転、直動の二方向併進駆動させることができ、また高精度化、高分解能化が可能であり、細胞単体に対する個別操作や微小物体の分離など、微小物体のハンドリングを可能とするので、生命工学分野の研究において大きく貢献できる。
本発明の第1の実施の形態のアクチュエータの構成を示す要部平面図である。 図1に係わるアクチュエータをX-Z面で切断した要部断面図である。 図1に係わるアクチュエータの動作を説明するための説明図である。(a)は、初期状態を示す図。(b)は、圧電素子5がロータ3の軸方向にΔxだけ伸張し、永久磁石4とロータ3が軸方向にΔxだけ変位した図。(c)は、圧電素子5が急速に縮小し、ロータ3に滑りが生じた図。 図1に係わるアクチュエータの他の動作を説明するための説明図である。(a)は、初期状態を示す図。(b)は、圧電素子6がロータ3の接線方向にΔyだけ伸張し、ロータ3が円周方向にΔθだけ変位した図。(c)は、圧電素子6が急速に縮小し、ロータ3に滑りが生じた図。 本発明の第2の実施の形態のアクチュエータの構成を示す要部側面図である。 図5に係わるアクチュエータをY-Z面で切断した要部断面図である。 図1に係わるアクチュエータの実施例の動作を説明する説明図である。 図1に係わるアクチュエータの実施例の他の動作を説明する説明図である。 図5に係わるアクチュエータの実施例の動作を説明する説明図である。 図5に係わるアクチュエータの実施例の他の動作を説明する説明図である。 図5に係わるアクチュエータの実施例のさらに他の動作を説明する説明図である。
符号の説明
1、11 固定部材
2、12 シャフト
3、13 ロータ
4 永久磁石
5、6、15、16 圧電素子
7、17 保持部材







Claims (3)

  1. ロータと、該ロータと同軸に設けられ、該ロータの遠心方向の運動を規制するガイドと、前記ロータの接線方向に伸縮することにより、前記ロータを回転駆動させる第1圧電素子と、前記ロータの回転軸方向に伸縮することにより、前記ロータを直動駆動させる第2圧電素子と、前記第1圧電素子の駆動力を前記ロータに伝える第1伝達手段と、前記第2圧電素子の駆動力を前記ロータに伝える第2伝達手段とを備え、前記第1伝達手段および第2伝達手段が共用の摩擦結合部材あるいは電磁結合部材の少なくともいずれかを有することを特徴とする回転、直動の二方向並進駆動アクチュエータ。
  2. 前記ロータが磁性体あるいは磁石よりなるロータであり、前記第1伝達手段および前記第2伝達手段が各々前記ロータと電磁結合を形成する磁石あるいは磁性体を有することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 前記第1圧電素子が前記ガイドに前記ロータの接線方向と平行に取付けられ、前記第2圧電素子が前記ガイドに前記ロータの軸方向と平行に連結され、前記第1圧電素子および前記第2圧電素子の駆動力が各々前記ガイドと前記ロータとの摩擦結合あるいは電磁結合の少なくともいずれかにより前記ロータに伝えられるようにしたこと特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
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