JP4262710B2 - 流動食の製造方法 - Google Patents

流動食の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4262710B2
JP4262710B2 JP2005297400A JP2005297400A JP4262710B2 JP 4262710 B2 JP4262710 B2 JP 4262710B2 JP 2005297400 A JP2005297400 A JP 2005297400A JP 2005297400 A JP2005297400 A JP 2005297400A JP 4262710 B2 JP4262710 B2 JP 4262710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid food
vitamin
container
producing
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005297400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006136318A (ja
Inventor
啓一 河上
猛 松原
泰久 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2005297400A priority Critical patent/JP4262710B2/ja
Publication of JP2006136318A publication Critical patent/JP2006136318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4262710B2 publication Critical patent/JP4262710B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

本発明は、長期保存が可能な流動食の製造方法に関する。
流動食、特に濃厚流動食は、経腸的栄養補給法に使用される代表的な経口栄養組成物や経管栄養組成物である。近時、濃厚流動食は、食物の嚥下が困難な患者に投与されるほか、寝たきりの高齢者等に対しても必要な栄養を補給する手段として広く使用されている。
例えば、特許文献1には、必要量の亜鉛を高齢者等に供給することができ、しかも安全で性状や風味を損なうことがない濃厚流動食を得るために、亜鉛成分を含む各成分を水に加えて混合後、乳化し、所定量をパウチへ充填・密封し、高温殺菌を行って、濃厚流動食を得ている。このような濃厚流動食の製造方法は、従来からよく知られている一般的な方法である。
通常、食品として販売されている濃厚流動食は、室温での保存期間が紙パックで4〜6ヶ月、プラスチックバッグで6〜9ヶ月程度である。しかし、濃厚流動食の保存期間がより長くなると、販売管理が容易になり、消費者の利便性も高くなると考えられる。
特開2000−201648号公報(要約、[0030])
本発明は、長期にわたって風味劣化を抑制でき、保存期間の長い流動食の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、流動食の長期保存を可能にするためには流動食中の溶存酸素を低減させることが重要であるとの見地から種々検討を重ねた結果、下記(a)、(b)、(c)の要素を組み合わせることによって、ビタミンCの低減を防止でき、風味劣化を抑制して、長期保存が可能になるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
(a)抗酸化作用を有するビタミンCを乳化前に添加、
(b)充填工程における空気との接触を遮断、および
(c)ガスバリアー性の高い容器の使用
すなわち、本発明にかかる流動食の製造方法は、水に水溶性および脂溶性の各成分を混合し、ついで乳化および殺菌処理し、得られた流動食をガスバリアー性容器に充填するものであって、各成分を添加後、乳化前にビタミンCを300〜5000mg/kg添加し、かつ窒素雰囲気下で流動食を容器に充填すると共に、前記容器として酸素透過率が0.025mLO2/パック/日以下の容器を使用して、窒素置換された流動食中の酸素濃度が1mg/L以下であり、かつ容器内ヘッドスペースの酸素濃度を10体積%以下にすることを特徴とする。ここで、パックとは容器1個あたりという意味である。
ビタミンC乳化工程の直前に添加されるのがよい。また、前記容器紙、プラスチックおよびアルミニウムパウチから選ばれる。好ましくは、前記容器が、容器形に折り畳んだ紙包装材の重なり部分が容器内側からストリップテープで固定されている紙パック容器であり、前記ストリップテープは極性樹脂を中心層とし、この中心層の両面に少なくとも1層のポリオレフィン層を接着層を介して積層したテープである前記極性樹脂エチレン‐ビニルアルコール共重合体であるのがよく、好ましくは前記極性樹脂がエチレン‐ビニルアルコール共重合体であり、かつこの極性樹脂を中心層の両面に接着剤を介して低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンの順に積層したものである。
本発明に係る流動食の製造方法よれば、ビタミンCを乳化前に添加し、かつ充填工程を窒素雰囲気下で行なうと共に、前記容器として酸素透過率が低いガスバリアー性容器を使用するので、抗酸化作用を有するビタミンC含量の低下が低く抑えられ、その結果、酸化により流動食の風味が劣化するのを抑制して、長期保存が可能になるという効果がある。
本発明に係る流動食の製造方法は、水に水溶性および脂溶性の各成分を加えた後、攪拌混合し、ついで乳化し、得られた乳化液を窒素雰囲気下でガスバリアー性容器に充填するものである。水溶性成分としては、例えばたんぱく質、糖質、ミネラル類、水溶性ビタミン類、水溶性フレーバーなどを挙げることができる。
たんぱく質(窒素源)としては、例えば動物性たんぱく質(乳たんぱく等)、植物性たんぱく質(大豆たんぱく質等)が挙げられる。糖質としては、例えばデンプン、デキストリン、ショ糖、グルコース、ガラクトース、マルトースなどが挙げられる。
ミネラル類としては、Na、K、Ca、Mg、P、Cl、Fe、Zn、Cu、Mn、I、Se、Cr、Moなどの有機塩又は無機塩があげられ、具体的には、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウムなどが挙げられる。また、不溶性原料であるクエン酸カルシウム、ピロリン酸第二鉄なども使用可能である。微量元素は、各種酵母類、例えば亜鉛酵母、銅酵母、セレン酵母、クロム酵母、マンガン酵母などの形態で添加することができる。水溶性ビタミンとしては、ビタミンB1 、B2 、B6 、B12、C、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、葉酸などが挙げられる。
脂溶性の各成分としては、例えばシソ油、エゴマ油、アマニ油、キリ油、魚油、サフラワー油、コーン油、大豆油、ナタネ油、米油などの1種または2種以上の脂質、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、K、E等)、脂溶性フレーバーなどが挙げられる。また、脂質として、速やかに消化、吸収される中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)などを用いてもよい。
また、食物繊維および/またはオリゴ糖を含有してもよい。特にオリゴ糖はミネラルの吸収を促進する作用がある。食物繊維としては、例えばセルロース、リグニン、難消化性デキストリン、難消化性スターチ、ポリデキストロース、アラビアガム、グアガム分解物、水溶性ペクチン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、カラギーナン、アルギン酸、小麦フスマ、大豆ファイバー、キトサン、キチン、サイリウムなどが挙げられ、これらの一もしくは二以上の成分を配合することができる。オリゴ糖としては、例えばフラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース、イソマルトオリゴ糖、パノース、ゲンチオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノースなどが挙げられ、これらの一もしくは二以上の成分を配合することができる。オリゴ糖は100kcalあたり0.2〜1g程度含有されているのがよい。
これらの水溶性および脂溶性各成分の所定量をそれぞれ秤量し、混合する。すなわち、溶解タンクに所定量の水を仕込み、攪拌しながら各原料を配合する。このとき、配合の順序は、ビタミンCを最後に配合することを除けば、特に制限されないが、水溶性原料を配合し、さらに必要ならレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムなどの乳化剤や消泡剤を配合した後、脂溶性原料を配合するのが好ましい。
ちなみに、ビタミンCを除く主要な配合成分と配合量を例示すると、以下の通りである。
流動食1kg当たり、
ビタミンA 2000〜10000IU、
ビタミンE 20〜80mg、
ビタミンB1 1.0〜10mg、
ビタミンB2 1.0〜8mg、
ビタミンB6 1.0〜10mg、
ビタミンB12 2.0〜18μg、
パントテン酸 5〜30mg、
ナイアシン 10〜100mg、
ビタミンD 250〜2000IU、
葉酸 0.2〜2mg
ビタミンK2 30〜240μg、
カルシウム 150〜2000mg、
マグネシウム 150〜700mg、
鉄 5〜30mg、
ナトリウム 500〜4000mg、
カリウム 500〜4000mg、
亜鉛 5〜50mg、
銅 0.3〜3mg
セレン 25〜140μg、
クロム 15〜80μg、
マンガン 1500〜10000μg、
モリブデン 15〜100μg、
リン 300〜1500mg、
たんぱく質 25〜150g
脂質 10〜50g、
糖質 70〜300g、
乳化剤 1〜15g
食物繊維 1〜30g
上記の原料を配合後、さらに攪拌しながらビタミンCを投入する。ビタミンCの投入量は、ビタミンCの抗酸化作用により溶液内の溶存酸素を除去し、かつ栄養補給として必要な量のビタミンCが残存している量である。具体的には、ビタミンCの添加量が300〜5000mg/kg、好ましくは700〜3000mg/kgであるのが好ましい。ビタミンCの効果を高めるためには、ビタミンCを投入して、メスアップ後、5分〜10分静置するのが好ましい。
その後、溶液を高圧乳化機に投入し、高圧乳化を行なって均質化を行い、ついで高温短時間で殺菌処理を行って、流動食を得る。この流動食は無菌状態が保たれたアセプタンクに貯留される。上記と逆に、殺菌処理後、高圧乳化を行なって均質化処理を行って流動食を得、これをアセプタンクに貯留してもよい。アセプタンク内は、窒素置換されており、溶存酸素量が増えるのを防止している。
アセプタンクに貯留した流動食は、空気と接触しないように窒素ガスでガスバリアー性容器に圧送し、充填される。これによって充填工程で溶存酸素量が増えるのを防止している。このように充填工程を窒素雰囲気下で行なうことによって、流動食中の酸素が窒素と置換され、流動食中の溶存酸素濃度を低減することができる。
すなわち、窒素置換された流動食中の酸素濃度は1.0mg/L以下、好ましくは0.7mg/L以下であり、かつ容器内ヘッドスペースの酸素濃度は10体積%以下、好ましくは5体積%以下である。
前記ガスバリアー性容器としては、例えば、紙、プラスチックおよびアルミニウムパウチから選ばれる容器が使用可能である。ガスバリアー性容器は、酸素透過率が0.025mLO2/パック/日以下、好ましくは0.01mLO2/パック/日以下のガスバリアー性を有するのがよい。容器の酸素透過率はガスクロマトグラフィーにて測定することができる。
紙容器は、図1に示すように、直方体形などの容器形に折り畳んだ紙包装材2の重なり部分が容器内側からストリップテープ3で固定されている紙パック容器1であり、前記ストリップテープ3は極性樹脂を中心層とし、この中心層の両面に少なくとも1層のポリオレフィン層を接着層を介して積層したテープである。紙容器およびプラスチック容器は、いずれもアルミニウム箔を有する構成であるので、高いガスバリアー性を有する。
紙パック容器としては、例えば、外側から順にポリオレフィン(低密度ポリエチレンないし高密度ポリエチレンなど)、印刷インキ層、原紙、ポリオレフィン(低密度ポリエチレンなど)、アルミニウム箔、接着性樹脂、ポリオレフィン(直鎖状低密度ポリエチレンなど)を積層接着した紙パック容器が好適に使用可能である。アルミニウム箔に代えて、ポリエチレンを使用してもよい。
ストリップテープ3を構成する極性樹脂としては、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド等が挙げられるが、特にガスバリア性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用するのが好ましい。極性樹脂はフィルム状で用いられる。ポリオレフィンは、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の単独重合体または共重合体であり、具体的にはポリエチレン、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが使用可能である。
また、プラスチックバッグとしては、例えば、外側から順にポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、アルミニウム箔、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、<剥離部>、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET))および無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を積層した外部層と、外側から順にポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、アルミニウム箔、延伸ナイロン(ONY)および無延伸ポリプロピレン(CPP)を積層した内部層とを熱溶着にて接合した断面構造を有する。ここで、剥離部とは、投与時に残液を確認するために剥離する部位をいう。
前記ガスバリアー性容器への充填に際しては、紙パック容器の場合、過酸化水素水などにより予め殺菌処理するのが好ましい。また、プラスチック容器やアルミニウムパウチなどに充填する場合には、高圧乳化を実施し、均質化を行い、レトルト殺菌を実施する。レトルト殺菌条件は、約100〜150℃で2〜10分であるのがよい。
かくして、ガスバリアー性容器に充填された流動食中のビタミンCは、後述する実施例に記載のように、製造直後の流動食中の溶存酸素量が減少されており、かつ酸素透過率の低いガスバリアー性容器に充填されているので、保存中の酸化によるビタミンCの減少量が通常の流動食に比べて低減されており、従って長期にわたって品質を維持でき、風味劣化も抑制できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(濃厚流動食の調製)
調合溶解タンクに温度85℃の水700kgを仕込み、攪拌しながら、以下の順番で各成分を加えた。配合量は流動食1kg当りの量を示している。
1.炭酸水素ナトリウム 3.1g
2.カゼイン 43.1g
3.水酸化カリウム 1.75g
4.クエン酸 1.2g
5.リン酸水素第二カリウム 0.84g
6.分離大豆たんぱく質 10.7g
7. ホモゲン 7.4g
(三栄源エフエフアイ(株)製の乳化剤)
8.中鎖脂肪酸 4.17g
9.砂糖 14.1g
10.マルトデキストリン 122.8g
11.塩化ナトリウム 0.1g
12.昆布エキス 280mg
13.硫酸マグネシウム 3.65g
14.乳果オリゴ糖 5.6g
15.グアガム分解物 4.62g
16.ビタミンB1 5.2mg
17.ビタミンB12粉末 7.75mg
18.ビタミンK2粉末 60mg
19.ビタミンミックス 0.5g
(ビタミンE、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、ビタミンB6、ビタミンB2、葉酸の混合物)
20.微結晶セルロース 0.65g
21.リン酸カルシウム 1.31g
22.ピロリン酸第二鉄 50mg
23.亜鉛 395mg
24.銅 73mg
25.セレン 52.4mg
26.クロム 15mg
27.マンガン 91mg
(亜鉛、銅、セレン、クロムおよびマンガンはそれぞれの金属元素を含有した酵母の形態で配合した。)
28.フレーバー(水溶性) 1.5g
上記1〜6の配合成分はダマになりやすいので、これらの成分を先に投入し、溶解を確認した後、上記7以下の成分を順次投入した。
一方、40℃に加温した油脂タンクに流動食1kg当り菜種油0.51g、米油13.4g、シソ油2.45g、および脂溶性ビタミンであるAオイルおよびDオイルをそれぞれ10mgを投入し、10分間攪拌し混合した。得られた脂溶性成分の混合物は、上記1〜27の成分を混合した調合溶解タンクに投入し、高速ミキサーで10分間攪拌した。
しかる後、ビタミンCを1600mg/kg投入した。投入後の溶存酸素濃度は0.55mg/Lであった。
ついで、メスアップし攪拌した後、低圧乳化および高圧乳化を実施して、均質化処理を行った。次にバランスタンクに入れ、高温短時間での殺菌処理を実施した後、得られた流動食を、あらかじめ窒素置換したアセプタンクに投入しストックした。
次に、アセプタンクから窒素ガスで流動食を紙パック容器に圧送して200mLを充填し、密封した。使用した紙パック容器は、外側から順に低密度ポリエチレン、印刷インキ層、原紙、低密度ポリエチレン、アルミニウム箔、接着性樹脂、直鎖状低密度ポリエチレンを積層接着した紙包装材を容器形に折り畳んだものであり、酸素透過率が0.004mLO2/パック/日の容器である。
紙包装材の重なり部分を容器内側から固定するストリップテープは、エチレン−ビニルアルコール共重合体の両面に接着剤を介して低密度ポロエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンの順に積層したものである。
紙パック容器は、流動食充填前にあらかじめ過酸化水素水で無菌化処理してある。アセプタンクから紙パック容器への充填は、アセプタンク外からの空気の侵入を遮断した窒素雰囲気下で行なった。
流動食を充填した紙パック容器は、窒素置換された流動食中の酸素濃度は0.07mg/L〜0.33mg/Lであった。
[比較例1]
ビタミンCを高速ミキサーでの攪拌時に投入し、得られた流動食を窒素置換していないアセプタンクに投入してストックし、空気圧送下で紙パック容器に充填した他は、実施例1と同様にして、紙パック容器に充填された濃厚流動食を得た。使用した容器の酸素透過率は0.05mLO2/パック/日の容器であった。
紙パック容器に代えて、下記に示す層構成を有するプラスチックバッグを使用した他は、実施例1と同様にしてプラスチックバッグに充填された濃厚流動食を得た。使用した容器の酸素透過率は0.01mLO2/パック/日の容器であった。
(プラスチックバッグ)
剥離側:(外側)PET12/AL7/PET12<剥離部>PET12/CPP60(内側)
支持側:(外側)PET12/AL7/ONY15/CPP60(内側)
(数値は厚さ(単位:μm)を示す。)
[比較例2]
ビタミンC400mg/kgを高速ミキサーでの攪拌時に投入し、得られた流動食を窒素置換していないタンクに投入してストックし、さらに下記の層構成を有するプラスチックバッグを使用した他は、実施例1と同様にして、プラスチックバッグに充填された濃厚流動食を得た。使用した容器の酸素透過率は0.6mLO2/パック/日の容器であった。
(プラスチックバッグ)
(外側)透明セラミック蒸着PET12/ONY15/CPP70(内側)
(数値は厚さ(単位:μm)を示す。)
[比較例3]
ビタミンC1600mg/kgを高速ミキサー停止後に投入し、比較例2と同じプラスチックバッグを使用した他は、実施例1と同様にして、プラスチックバッグに充填された濃厚流動食を得た。
<評価試験>
(1)ビタミンC含量
実施例および比較例の各濃厚流動食について、容器に充填した直後のビタミンC含量(初期値)と、容器に充填した流動食を下記条件で保存した後のビタミンC含量とをそれぞれ測定し、ビタミンCの減少量を測定した。ビタミンC含量は高速液体クロマトグラフィーにて測定した。
実施例1および比較例1(紙パック容器):40℃で2月間保存
実施例2および比較例2、3(プラスチックバッグ):40℃で1月間保存
(2)官能評価
また、上記保存後の各濃厚流動食について、5名による官能試験を行なった。すなわち、製造後と保存後の風味の違いを下記の基準に基づいて評価し、その平均値を求めた。
(評価点)
1:風味は同じである。
2:やや異なるが問題ないレベルである。
3:問題あるレベルである。
4:明らかに異なり同じ製品とはいえないレベルである。
これらの試験結果を表1に示す。
Figure 0004262710

表1から、実施例1および2の流動食は、保存安定性が向上していることがわかる。
本発明における紙パック容器の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 紙パック容器
2 紙包装材
3 ストリップテープ

Claims (7)

  1. 水に水溶性および脂溶性の各成分を混合し、ついで乳化および殺菌処理し、得られた流動食をガスバリアー性容器に充填する流動食の製造方法であって、
    各成分を添加後、乳化前にビタミンCを300〜5000mg/kg添加し、かつ窒素雰囲気下で流動食を容器に充填すると共に、前記容器として酸素透過率が0.025mLO2/パック/日以下の容器を使用して、窒素置換された流動食中の酸素濃度が1mg/L以下であり、かつ容器内ヘッドスペースの酸素濃度を10体積%以下にすることを特徴とする流動食の製造方法。
  2. 流動食に含有される前記水溶性および脂溶性の各成分とそれらの流動食1kg当たりの配合量が以下の通りである請求項1記載の流動食の製造方法。
    ビタミンA 2000〜10000IU、
    ビタミンE 20〜80mg、
    ビタミンB1 1.0〜10mg、
    ビタミンB2 1.0〜8mg、
    ビタミンB6 1.0〜10mg、
    ビタミンB12 2.0〜18μg、
    パントテン酸 5〜30mg、
    ナイアシン 10〜100mg、
    ビタミンD 250〜2000IU、
    葉酸 0.2〜2mg
    ビタミンK2 30〜240μg、
    カルシウム 150〜2000mg、
    マグネシウム 150〜700mg、
    鉄 5〜30mg、
    ナトリウム 500〜4000mg、
    カリウム 500〜4000mg、
    亜鉛 5〜50mg、
    銅 0.3〜3mg
    セレン 25〜140μg、
    クロム 15〜80μg、
    マンガン 1500〜10000μg、
    モリブデン 15〜100μg、
    リン 300〜1500mg、
    たんぱく質 25〜150g
    脂質 10〜50g、
    糖質 70〜300g、
    乳化剤 1〜15g、および
    食物繊維 1〜30g
  3. ビタミンCが乳化工程の直前に添加される請求項1または2記載の流動食の製造方法。
  4. 前記容器が紙、プラスチックおよびアルミニウムパウチから選ばれる請求項1〜のいずれかに記載の流動食の製造方法。
  5. 前記容器が、容器形に折り畳んだ紙包装材の重なり部分が容器内側からストリップテープで固定されている紙パック容器であり、前記ストリップテープは極性樹脂を中心層とし、この中心層の両面に少なくとも1層のポリオレフィン層を接着層を介して積層したテープである請求項1〜のいずれかに記載の流動食の製造方法。
  6. 前記極性樹脂がエチレン‐ビニルアルコール共重合体である請求項記載の流動食の製造方法。」
  7. 前記極性樹脂がエチレン‐ビニルアルコール共重合体であり、かつこの極性樹脂を中心層の両面に接着剤を介して低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレンの順に積層したものである請求項5または6に記載の流動食の製造方法。
JP2005297400A 2004-10-15 2005-10-12 流動食の製造方法 Active JP4262710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005297400A JP4262710B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-12 流動食の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004301433 2004-10-15
JP2005297400A JP4262710B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-12 流動食の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006136318A JP2006136318A (ja) 2006-06-01
JP4262710B2 true JP4262710B2 (ja) 2009-05-13

Family

ID=36617512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005297400A Active JP4262710B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-12 流動食の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4262710B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4958217B2 (ja) * 2007-01-25 2012-06-20 奥野製薬工業株式会社 チアミンラウリル硫酸塩含有粉末製剤
JP5059947B2 (ja) 2008-11-06 2012-10-31 日清オイリオグループ株式会社 濃厚流動食
PE20121729A1 (es) 2010-01-29 2013-01-16 Abbott Lab Emulsiones nutricionales que comprenden beta-hidroxi-beta-metilbutirato (hmb) de calcio
US9693577B2 (en) 2010-01-29 2017-07-04 Abbott Laboratories Method of preparing a nutritional powder comprising spray dried HMB
US20110250322A1 (en) * 2010-01-29 2011-10-13 Paul Johns Plastic Packaged Nutritional Liquids Comprising HMB
TWI526161B (zh) 2010-06-10 2016-03-21 亞培公司 包含鈣hmb及可溶性蛋白質之實質上透明營養液
JP6266205B2 (ja) * 2012-11-28 2018-01-24 理研ビタミン株式会社 ミネラル類、ビタミンeおよび乳化剤を含有する飲食品の風味劣化抑制方法
KR20200005110A (ko) * 2018-07-05 2020-01-15 대화제약 주식회사 탁산-함유 약학 조성물을 함유하는 의약품의 안정성 개선방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006136318A (ja) 2006-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4262710B2 (ja) 流動食の製造方法
KR101384425B1 (ko) 겔형 경장 영양제
EP2575830B2 (en) Pre-thickened compact liquid nutritional composition for dysphagia patients
JP6076741B2 (ja) 無菌包装されているhmbを含む栄養液
EP0704199A1 (en) Transfusion container, transfusion preparation, and comprehensive vitamin-containing high-calorie transfusion preparation
JP3393946B2 (ja) 液状栄養食および高カロリー栄養剤
JP5779594B2 (ja) Hmbを含有するプラスチック包装栄養液剤
JP6242825B2 (ja) 改善された官能特性を有する高エネルギー液体栄養組成物
WO2011118810A1 (ja) 栄養組成物
WO2008050837A1 (en) Drug solution having reduced dissolved oxygen content, method of producing the same and drug solution containing unit having reduced dissolved oxygen content
EP2046143B1 (en) Stabiliser system for liquid nutritional compositions
EP2242383B1 (en) Induced viscosity nutritional emulsions comprising a carbohydrate-surfactant complex
JP6449648B2 (ja) 栄養組成物
US20090162517A1 (en) Chilled Nutritional Emulsions
US20090162494A1 (en) Method of Making Chilled Nutritional Emulsions
JP6012327B2 (ja) 乳化状栄養組成物
JP2003289830A (ja) 濃厚流動食及びその製造方法
JP4000426B2 (ja) 輸液製剤
JP2009084204A (ja) 乳清たんぱく栄養組成物
EP3085249A1 (en) A high protein nutritional composition
JP2006141258A (ja) 流動食及びこれを用いた嘔吐予防食品
JP3921643B2 (ja) 脂肪乳剤
WO2022163760A1 (ja) ゲル状栄養組成物
JP2021103991A (ja) 液状栄養組成物
WO2016104671A1 (ja) 食物繊維を含む補充液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090209

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4262710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150220

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250