JP4260352B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、タングステン膜を利用したコンタクトホールやヴィアホールの埋め込みプロセスや、金属シリサイド形成時における金属堆積前のシリコン基板表面処理に有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体集積回路の配線材料としてはアルミニウムが使用されてきており、近年では半導体集積回路の微細化が進むなかで配線を多層化してきている。そのような半導体集積回路においては、配線と配線を接続するためにコンタクトホールあるいはヴィアホールを用いており、さらにタングステンを埋め込む手法が用いられている。このタングステンにより配線間を接続する。
【0003】
また、半導体集積回路のゲート電極のシリコン層や拡散層のシリコンと金属間のコンタクト抵抗を低減する目的でシリコン上に金属シリサイド化合物を形成する手法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体集積回路の素子パターンがより一層微細化する中で、タングステンによる配線間の接続が困難になりつつある。タングステンにより配線間の接続を行う場合、通常、まず下層配線層のコンタクト表面をArプラズマ処理によりプリクリーニングした後、Ti、TiNなどからなる密着層を形成し、それに続いてW膜を成長させ、最後に上層配線を形成する。しかし微細化が進み、アスペクト比の高いコンタクトホールやヴィアホールでは、その底部にある拡散層や下層配線の表面を十分にクリーニングすることが困難であり、拡散層や下層配線表面の自然酸化膜が除去されずに一部残ってしまうことがある。この結果、半導体集積回路のコンタクトホールや、ヴィアホールの抵抗上昇が起きたり、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションなどのような多層配線の信頼性が劣化したりする。
【0005】
一方、シリサイド形成時の金属堆積前のシリコン基板上のArプラズマ処理においても、微細化に伴いゲート電極の高さが減少しない割にはゲート電極間隔が狭くなるので、ゲート電極間の拡散層にArイオンを均一に照射することが困難となり、ゲート電極間の拡散層表面の自然酸化膜が除去されずに一部残ってしまうことがある。この結果、拡散層上のシリサイドの形成が不均一になり、シリサイド配線の抵抗上昇、ゲート・ソース間のリークが発生する。
【0006】
このようなことから、いずれの場合にも金属堆積前のArプラズマ処理を適切に行う必要があるが、従来の技術では以上説明したように困難であった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解決し、コンタクトホールやヴィアホールあるいは隣接するゲート電極の間の凹部のアスペクト比が高い場合でも、凹部底面の絶縁膜の除去を良好に行うことができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置の製造方法は、処理室内で、第1の高周波電力を印加してアルゴンプラズマを励起し、第2の高周波電力を半導体基板に印加して半導体基板上に形成された凹部底面のコンタクト領域または拡散層領域に対しアルゴンプラズマ処理を行うことにより、コンタクト領域または拡散層領域の表面に存在する絶縁膜を除去する工程を有する半導体装置の製造方法であって、アルゴンプラズマ処理は、第1の高周波電力の印加を第2の高周波電力の印加よりも早くし、かつ第2の高周波電力によって半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上にして行い、及び第1の高周波電力を印加する際のアルゴン圧力は1.33322×10 -1 Pa以上であることを特徴とする。ここで、凹部底面のコンタクト領域とは、例えば、コンタクトホール底面の拡散層あるいはヴィアホール底面の下層配線を指し、凹部底面の拡散層領域とは、例えば、隣接するゲート電極の間の拡散層を指す。
【0009】
この請求項1の製造方法によれば、半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上にすることで、アルゴンイオンの半導体基板方向への直進性が向上するため、凹部のアスペクト比が0.5以上の高アスペクト比の場合でも、その底面のコンタクト領域または拡散層領域の表面に存在する絶縁膜を効率よくかつ良好に除去することができる。
また、アルゴンプラズマを励起させる第1の高周波電力を、半導体基板へ印加する第2の高周波電力よりも早く印加することで、プラズマ発火時のセルフバイアス電圧のオーバーシュートを防止することができ、エッチング量の高精度な制御を行うことが可能となる。
さらに、スムーズなプラズマの発火が行われ、セルフバイアス電圧を早く安定させることができ、エッチング量のより高精度な制御を行うことが可能となる。
【0010】
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値は500V以下であることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項1または2記載の半導体装置の製造方法において、第1の高周波電力を印加する際のアルゴン圧力は1.33322Pa以下であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項1,2または3記載の半導体装置の製造方法において、アルゴンプラズマを励起するためのアルゴンを処理室に導入する前の処理室内の圧力が1.33322×10-4Pa以下であることを特徴とする。
【0015】
この請求項4の製造方法の特徴により、プラズマの発火のあとのエッチング処理時のセルフバイアス電圧を安定させることができ、エッチング量のより高精度な制御を行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置の製造方法を以下に図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を示す工程断面図であり、MOSトランジスタの横にコンタクトが形成された部分を示したものである。図1(A)はこの半導体装置の製造途中段階にある半導体基板の断面図を示しており、コンタクトホール底部にアルゴンプラズマ処理を行う半導体基板状態を示している。また図1(B)は配線形成後の半導体基板の断面図である。
【0017】
図1(A)において、シリコン単結晶からなるシリコン基板1上には、例えば、SiO2 からなる埋め込み素子分離膜2及びゲート電極4が形成されている。ゲート電極4の側壁には例えばSiO2 からなるサイドウォール絶縁膜5が形成されている。ゲート電極4を挟んでその両側のシリコン基板1には例えば、MOSトランジスタのソース及びドレインを構成する拡散層3,すなわち高濃度のn型またはp型の半導体領域が形成されており、MOSトランジスタ動作時のON抵抗を低減したり、コンタクトホール底部7における金属配線と拡散層3との接触抵抗(コンタクト抵抗)の低減を実現する。
【0018】
コンタクトホールの形成には、サイドウォール絶縁膜5形成後に、BPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)などのボロンを含ませた層間絶縁膜6を堆積した後、ホトレジスト(図示せず)をマスクとして用いて層間絶縁膜6の一部をエッチングし開口する。このコンタクトホールはアスペクト比が2以上ある。次に、コンタクトホール底部7、すなわち配線層としても作用する拡散層3の表面に成長する自然酸化膜をアルゴンプラズマ処理によりエッチング除去する。
【0019】
この後、図1(B)に示すように、コンタクトホール開口部にコリメーションスパッタ法やイオンメタルプラズマ法などの指向性スパッタを用いてTiN/TiあるいはWなどの密着層8を形成する。ここでイオンメタルプラズマ法は、通常のマグネトロン方式のスパッタリング機構に、チャンバーの周囲に設置した誘導結合コイルにより、アルゴンプラズマを発生させ、基板にセルフバイアス電圧を与える構成を追加した装置を用いる。この方法では、アルゴンイオンでスパッタされた金属粒子は一般に電気的に中性であるが、誘導結合コイルで発生したプラズマによりイオン化される。このイオン化された金属粒子がセルフバイアスにより加速され、基板に方向性を持って入射するというものである。したがってこれらの方法によれば、高アスペクト比のコンタクトホールの底面にも充分に密着層8を形成できる。
【0020】
この密着層8は続いて行うCVDタングステン膜9堆積の下地膜として必要なものであり、CVDタングステン膜9とシリコン基板1や層間絶縁膜6との密着性を向上させることや、CVDタングステン膜9堆積時に用いるWF6 ガスとシリコン基板1との反応を抑制するバリアメタルとして重要なものである。
【0021】
次にCVDタングステン膜(CVD法により形成したタングステン膜)9を全面に形成し、コンタクトホールへの埋め込みを行う。このCVDタングステン膜9をCMP法またはエッチバック法によりコンタクトホール以外の部分を除去し、コンタクトホールにWプラグを形成する。この上層にアルミニウム合金配線10を形成する。このアルミニウム合金配線10はコンタクトホールを介して拡散層3と電気的に接続される。
【0022】
本実施の形態における製造方法では、コンタクトホール底部7の表面のアルゴンプラズマ処理に特徴があり、これについて詳しい説明を行う。アルゴンイオンによるプラズマ処理においては、通常のようにウエハ上には高周波印加によるセルフバイアスが発生しており、アルゴンイオンはこのセルフバイアスによりウエハ方向へ加速される。このセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上になるように高周波電力などを設定することで、アルゴンイオンのウエハ方向への直進性が増加し、コンタクトホール底部7の自然酸化膜を効率よくかつ良好にスパッタエッチングすることができ、コンタクトホールでの抵抗の上昇を防止できる。以上の例はコンタクトホールでのアルゴンプラズマ処理について説明したが、ヴィアホールでの適用でも同様である。
【0023】
本発明の特徴とするアルゴンプラズマ処理は半導体装置の別の部分にも適用することができる。図2は、本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を示す工程断面図であり、図2(A)はアルゴンプラズマ処理を行う際の半導体基板断面図を示しており、図2(B)はシリサイド形成後の半導体基板断面図である。
【0024】
図2(A)において、シリコン単結晶からなるシリコン基板1上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介してポリシリコンからなるゲート電極4が形成されている。このゲート電極4の間隔とゲート電極4の高さに関するアスペクト比(b/a)は0.5以上である。ゲート電極4の側壁には例えばSiO2 からなるサイドウォール絶縁膜5が形成されている。ゲート電極4の両側のシリコン基板1には例えば、MOSトランジスタのソース及びドレインを構成する拡散層3,すなわち高濃度のn型またはp型の半導体領域が形成されており、MOSトランジスタ動作時のON抵抗を低減したり、拡散層3と拡散層3上に形成される金属との接触抵抗の低減を実現する。
【0025】
この後、シリコン基板1上へのアルゴンプラズマ処理により、ゲート電極4表面上及び、拡散層3上の自然酸化膜の除去を行う。このプラズマ処理は、図2(B)に示すように続いて行う金属膜堆積とシリコン基板1との、加熱による金属シリサイド(金属とシリコンの化合物)形成を行うために必要なものであり、シリコン上に均一な膜厚の金属シリサイドを形成すること目的としている。アルゴンプラズマ処理された面に金属膜を堆積し、金属とシリコンとが固相拡散反応する温度での加熱を行い、金属シリサイドを形成する。この際、拡散反応はシリコンと金属が接触している面でのみ行われる。
【0026】
次にアンモニア過酸化水素混合水等の金属のエッチングレートとシリサイドのエッチングレート比が大きいウェット処理により、サイドウォール絶縁膜5上に反応せずに残った金属除去を行う。このようにして、図2(B)に示すようにゲート電極4上と、シリコン拡散層3上にのみ金属シリサイド層11を形成する。
【0027】
次に以上の工程で使用されたアルゴンプラズマ処理について説明をする。アルゴンイオンによるプラズマ処理において、ウエハ上には高周波印加によるセルフバイアスが発生しており、アルゴンイオンはこのセルフバイアスによりウエハ方向へ加速される。このセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上に設定することで、アルゴンイオンのウエハ方向への直進性が増加し、図2(A)における、ゲート電極4間の拡散層3上のようなアスペクト比の大きい狭いスペース部分に成長した自然酸化膜でも効率よくかつ良好にスパッタエッチングすることが可能である。
【0028】
スパッタエッチングにより自然酸化膜の良好な除去が行われていない場合は、シリコンと金属の反応が均一に進まず、均一な膜厚のシリサイド形成ができないが、本実施の形態におけるアルゴンプラズマ処理では、アルゴンイオンが基板上まで加速されて効率よく到達し均一なエッチングが行われているため、均一な膜厚の金属シリサイド層11を形成することが可能となる。
【0029】
以上に説明した様に、アルゴンプラズマ処理において、半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上に保つことにより、アスペクト比が0.5以上の凹部(コンタクトホール,ヴィアホールや狭スペースのゲート電極間など)の底部の自然酸化膜を効率よくかつ良好にエッチングでき、高アスペクト比のコンタクトホールやヴィアホールにおいて安定した接触抵抗を得る事ができ、また、狭い間隔のゲート電極間の拡散層上にシリサイド層を形成する場合には均一なシリサイド層を形成する事ができ、安定した抵抗値を得ることができる。従来は、セルフバイアス電圧を−50〜−80Vとしており、このような場合、不均一なシリサイド層になってしまっていた。
【0030】
なお、上記では、アルゴンプラズマ処理におけるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上としたが、その上限値については、セルフバイアス電圧の絶対値が大きくなるほど半導体基板へのダメージが大きくなるため、そのダメージによって半導体装置の特性に悪影響を及ぼさない値がよい。また、図3のような、2周波電源の設備では、安定なプラズマを制御可能なセルフバイアス電圧の絶対値の上限値は現在のところ500Vであるので、その値をアルゴンプラズマ処理におけるセルフバイアス電圧の絶対値の上限値と考えることができる。
【0031】
このアルゴンプラズマ処理によるエッチング量を高精度に制御するためにはある一定の条件が存在するが、その条件について次に説明を行う。
【0032】
まず最初にアルゴンプラズマ処理装置例として誘導結合プラズマによるアルゴンプラズマ処理装置の概要と動作について図3を用いて説明する。図3において、真空チャンバー12と石英ドーム13により形成されたリアクター(処理室)は、真空配管16を介して真空ポンプ17により真空引きされる。リアクター内には半導体基板15を保持する為のステージ14が設置されており、このステージ14にはセルフバイアスを発生させる為のブロッキングコンデンサ26、高周波でのマッチングを行うためのマッチング回路25、バイアス高周波電力を供給する為のバイアス用高周波電源24が導電物21を介して接続されている。また、23は電気的接地点(アース)であり、27はセルフバイアスの電位を測定する為の電位計である。
【0033】
リアクター上部には高密度プラズマを発生させる為に半球状の石英ドーム13と誘導結合コイル20が設置されており、コイル20にはプラズマ誘起用高周波電源22が導電物21を介して接続されている。アルゴンガスはガス配管18を通してリアクター内に導入され、アルゴンガスの流量はマスフローコントローラ19により制御される。
【0034】
次にこのプラズマ処理装置の動作について説明する。リアクター内を真空ポンプ17により真空引きを行いながら、マスフローコントローラ19によりガス配管18を通してリアクター内にアルゴンガスを導入する。次にプラズマ誘起用高周波電源22、バイアス用高周波電源24に電圧を印加し、プラズマ発火を行う。次にアルゴン流量、各高周波パワーを所望のプロセス性能(エッチング特性)が得られる条件に設定し、半導体基板15のプラズマ処理を行う。
【0035】
このようなプラズマ処理時の、電位計27で測定したセルフバイアス電圧の時間変化を図4、図5、図6および図7に示す。各図において、28の区間はプラズマの発火ステップ(イグニッションステップ)を示し、29の区間は自然酸化膜などのプラズマエッチング処理ステップを示す。各図においては、プラズマの発火ステップの条件が異なるものである。図によってはセルフバイアス電圧のオーバーシュートがみられるが、これをできるだけ避け、安定化させることにより、実験的にはウエハ毎のエッチング量のばらつきを抑え、高精度に制御することができる。その理由は以下のように説明できる。
【0036】
セルフバイアス電圧の絶対値は、アルゴンイオン入射エネルギーに対応し、セルフバイアス電圧を時間で積分したものは概ね半導体基板に入射されたアルゴンイオンの総量、つまりエッチング量とみなすことができる。アルゴンイオンはセルフバイアス電圧によってエネルギーを得るが、プラズマ中で基板に衝突する直前のアルゴンの速度はエネルギーが大きいほど大きい。しかもプラズマ中のアルゴンイオン密度はほぼ一定であるから、単位時間に入射するアルゴンイオン量はエネルギーに概ね比例し、したがってその時間積分は入射イオン総量とみなすことができる。
【0037】
そこでセルフバイアス電圧のオーバーシュートがあると、オーバーシュート波形が処理する基板毎に異なるため、電圧の時間積分値すなわち、エッチング量も異なってくる。したがってオーバーシュートがある場合にはエッチング量が安定しないことになる。イグニッションステップの波形を安定化させる手法を次に説明する。
【0038】
図4はプラズマを励起させる高周波電源22への電圧印加をバイアス用高周波電源24への電圧印加より遅くした場合のセルフバイアス電圧波形を示しており、プラズマ発火時のセルフバイアスのオーバーシュート及び波形の乱れが発生する。それに対し、図5はプラズマを励起させる高周波電源22への電圧印加をバイアス用高周波電源24への電圧印加より早くした場合のセルフバイアス電圧波形を示しており、プラズマ発火時のセルフバイアスのオーバーシュートを防止することができるため、エッチング量の高精度な制御を行うことが可能であることがわかった。
【0039】
エッチング量の高精度な制御を行う別の方法を説明する。プラズマ発火時の圧力の違いによるセルフバイアス波形の違いについて図6、図4を用いて説明をする。図6は図4の場合とイグニッション時のアルゴン圧力が異なるだけで、他の条件は同じである。図4でのイグニッション時のアルゴン圧力は、1.33322×10-1Pa(以下「1mTorr」という)以上であり、図6でのアルゴン圧力は1mTorr未満である。図6に示すように1mTorr未満でのプラズマ発火ではプラズマ源となるアルゴン量が少ないため、スムーズな発火が行われず、セルフバイアスの波形が安定するまでの時間が長くなる。それに対し図4のように1mTorr以上の発火ではセルフバイアスの波形を早く安定させることができる。また、イグニッション時のアルゴン圧力は、高くしすぎると、イグニッション時のエッチング量が増加し、高精度のエッチング量制御に不適当であるため、1.33322Pa(10mTorr)以下が実使用上好ましい。
【0040】
また、プラズマ発火前に、リアクター内を真空ポンプ17により真空引きを行いながら、アルゴンガスを導入するが、このアルゴンガスを導入する前のリアクター内の真空度(圧力)によってもエッチング量の高精度な制御を行うことができる。図7は図4の場合とアルゴンガス導入前のリアクター内の真空度が異なるだけで、他の条件は同じである。図7はアルゴンガス導入前のリアクター内の圧力が1.33322×10-4Pa(以下「1×10-6Torr」という)を超えた悪い真空度の場合のバイアス波形であり、チャンバー内の水分等の残留ガスの影響で安定した放電をさせることができない。それに対し、図4はアルゴンガス導入前のリアクター内の圧力が1×10-6Torr以下の場合のバイアス波形であり、イグニッションステップ以降はバイアスが安定していることがわかる。したがって、アルゴンガス導入前のリアクター内の圧力を1×10-6Torr以下とすることにより、ウエハ毎のエッチング量のばらつきを抑えることが可能である。アルゴンガス導入前のリアクター内の圧力は1×10-6Torr以下であれば、低ければ低いほど好ましいが、使用設備の実現可能な低い圧力に設定することが望ましい。現在の設備では、1.33322×10-8Pa(1×10-10 Torr)程度まで可能である。
【0041】
以上、微細な半導体集積回路装置の製造において、自然酸化膜を除去するアルゴンプラズマ処理での、高精度エッチング条件を述べたが、この技術はそれぞれ最初に述べたセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上に設定する条件と組み合わせて用いることにより、前述のようにアスペクト比の高い凹部に成長した自然酸化膜を効率よくかつ良好にスパッタエッチングすることが可能である。
【0042】
なお、上記では、図3のように、2つの高周波電力(電源22,24)を用いた2周波電源のアルゴンプラズマ処理装置を用いて説明したが、1つの高周波電力(電源)を用いた1周波電源のアルゴンプラズマ処理装置を用いても同様である。この装置の概要を図8に示す。この図8の装置は、上部電極31を備えた一般に平行平板型と呼ばれるプラズマ処理装置であり、図3のプラズマ処理装置との主な違いは、プラズマ密度制御用の石英ドーム13、誘導結合コイル20およびプラズマ誘起用高周波電源22を持たないことである。この装置でのセルフバイアスはチャンバー圧力、バイアスパワーで制御可能である。なお、プラズマ密度の制御機構をもつ図3のような2周波電源形式の方がより高精度なプラズマ制御が可能であり、したがってより高精度なエッチング制御が可能であるため、アルゴンスパッタエッチチャンバーの主流は図3のような装置構成となっている。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上にすることで、アルゴンイオンの半導体基板方向への直進性が向上するため、凹部のアスペクト比が0.5以上の高アスペクト比の場合でも、その底部のコンタクト領域または拡散層領域の表面に存在する絶縁膜を効率よくかつ良好に除去することができる。
【0044】
さらに、アルゴンプラズマを励起させる高周波電力を、半導体基板へ印加する高周波電力よりも早く印加すること、アルゴンプラズマを励起させる高周波電力を印加する際のアルゴン圧力が1.33322×10-1Pa以上であること、アルゴンプラズマを励起するためのアルゴンを処理室に導入する前の処理室内の圧力が1.33322×10-4Pa以下であることにより、エッチング量の高精度な制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図2】本発明の実施の形態における半導体装置の製造方法を示す工程断面図。
【図3】本発明の実施の形態において用いる誘導結合コイルを用いたアルゴンプラズマ処理装置の概要図。
【図4】アルゴンプラズマ処理時のセルフバイアス電圧の時間変化図。
【図5】アルゴンプラズマ処理時のセルフバイアス電圧の時間変化図。
【図6】アルゴンプラズマ処理時のセルフバイアス電圧の時間変化図。
【図7】アルゴンプラズマ処理時のセルフバイアス電圧の時間変化図。
【図8】本発明の実施の形態において用いる他のアルゴンプラズマ処理装置の概要図。
【符号の説明】
1 シリコン基板(半導体基板)
2 素子分離膜
3 拡散層
4 ゲート電極
5 サイドウォール絶縁膜
6 層間絶縁膜
7 コンタクトホール底部
8 密着層
9 CVDタングステン膜
10 アルミニウム合金配線
11 金属シリサイド層
12 真空チャンバー
13 石英ドーム
14 ステージ
15 半導体基板
16 真空配管
17 真空ポンプ
18 ガス配管
19 マスフローコントローラ
20 誘導結合コイル
21 導電物
22 プラズマ誘起用高周波電源
23 電気的接地点(アース)
24 バイアス用高周波電源
25 マッチング回路
26 ブロッキングコンデンサ
27 セルフバイアス測定用電位計
28 プラズマ発火ステップ
29 プラズマエッチング処理ステップ
31 上部電極

Claims (4)

  1. 処理室内で、第1の高周波電力を印加してアルゴンプラズマを励起し、第2の高周波電力を半導体基板に印加して前記半導体基板上に形成された凹部底面のコンタクト領域または拡散層領域に対しアルゴンプラズマ処理を行うことにより、前記コンタクト領域または拡散層領域の表面に存在する絶縁膜を除去する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記アルゴンプラズマ処理は、前記第1の高周波電力の印加を前記第2の高周波電力の印加よりも早くし、かつ前記第2の高周波電力によって前記半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値を100V以上にして行い、及び前記第1の高周波電力を印加する際のアルゴン圧力は1.33322×10-1Pa以上であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記半導体基板に印加されるセルフバイアス電圧の絶対値は500V以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1の高周波電力を印加する際のアルゴン圧力は1.33322Pa以下であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
  4. アルゴンプラズマを励起するためのアルゴンを処理室に導入する前の前記処理室内の圧力が1.33322×10-4Pa以下であることを特徴とする請求項1,2または3記載の半導体装置の製造方法。
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