JP4259148B2 - 液晶表示パネル用シール材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネル用のシール材料、特に光硬化型のシール材料または光硬化と熱硬化とを併用するシール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶表示パネルは、次の2つに大別される。1つは、ストライプ状透明電極を形成した一対の基板を一定の間隙を保つように貼り合わせ、これらの基板間に液晶組成物を保持させた単純マトリックス型液晶パネルである。もう1つは、少なくとも一方の基板にTFT、MIM、ダイオード等の液晶制御素子を備えた一対の基板を一定の間隙を保つように貼り合わせ、これらの基板間に液晶組成物を保持させたアクティブマトリックス型液晶表示パネルである。特にアクティブマトリックス型液晶表示パネルは、コントラストや中間調の制御性能に優れているため、カラー画像表示用、または投射型ディスプレイ用として使用されている。
【0003】
アクティブマトリックス型液晶表示パネルは、TFTやダイオード等の素子およびバスライン電極等を組み入れた基板(アクティブマトリックス基板)と、TFTやダイオード等の素子を強い光から遮光する工夫をした基板(対向電極基板)とを貼り合わせて形成される。この際、高い精度で位置合わせをしながら貼り合わせる必要がある。位置合わせの精度が低いと、隣接画素間での混色、コントラストの低下、素子特性(TFTやダイオード等の素子の特性)の低下等の問題が発生する。
【0004】
従来、これら一対の基板を一定の間隙を保つようにして貼り合わせるシール材料として、熱硬化型エポキシ樹脂が用いられていた。しかしながら、熱硬化型エポキシ樹脂を用いる場合には、基板を貼り合わせてシール材料を硬化するときに長時間を要するので、大量連続生産に適さないという問題点があった。また、一対の基板の材質が互いに異なる場合には、加熱工程において、各基板の熱膨張係数の違いにより位置合わせが不正確になり易い。更には、セルの厚さも不均一になり易い。これらの不都合により、得られた液晶表示パネルの表示品位が低下するという欠点があった。
【0005】
最近、紫外線硬化型樹脂をシール材料として使用した液晶パネルが、特許文献1、特許文献2、特許文献3などに報告されている。しかしながら、これらの公報に記載の紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、水分の浸透性やイオン性不純物の液晶層への漏洩などの問題点が認められる。
【特許文献1】
特開平6−160872号公報
【特許文献2】
特開平7−168193号公報
【特許文献3】
特開平10−330717号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶表示パネル用のシール材料に関する前記の問題点を解消するため、硬化時間が短かく、基板に対する接着強度が優れ、水分等の浸透性が極めて低いシール部分を形成できるシール材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の重合性ポリシルセスキオキサン誘導体を含有する光硬化型の液晶表示パネル用シール材料によって、これらの課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに到った。即ち、本発明は次の構成を有する。
【0008】
[1]少なくとも1つのアクリロイルオキシを有するポリシルセスキオキサン誘導体、少なくとも1つのメタクリロイルオキシを有するポリシルセスキオキサン誘導体、および少なくとも1つのエポキシ基を有するポリシルセスキオキサン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの重合性ポリシルセスキオキサン誘導体を含有する液晶表示パネル用シール材料。
【0009】
[2]重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(1)、式(2)および式(3)のいずれかで表される化合物である、[1]項に記載のシール材料。
Figure 0004259148
Figure 0004259148
Figure 0004259148
式(1)〜式(3)において、Rは、炭素数1〜10の脂肪族アルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数4〜6のシクロアルキル、フェニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたフェニルである;Rはアクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシおよびエポキシ基から選択される基を少なくとも1つ有する基である;Rの少なくとも1つはRであり、Rの残りはRである;Rの少なくとも1つはRであり、Rの残りはRである;nは1、2または3である。
【0010】
[3]重合性ポリシルセスキオキサン誘導体に加えて、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、チオキサントン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ケタール類、ジベンゾイル類、オニウム塩およびこれらの核置換体からなる群から選ばれる少なくとも1つの重合開始剤を更に含有する、[2]項に記載のシール材料。
【0011】
[4]シール材料の全重量を基準として、重合性ポリシルセスキオキサン誘導体の割合が0.1〜99重量%であり、重合開始剤の割合が0.01〜10重量%である、[3]項に記載のシール材料。
【0012】
[5]重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(4)、式(5)および式(6)のいづれかで表される化合物である、[4]項に記載のシール材料。
Figure 0004259148
Figure 0004259148
Figure 0004259148
式(4)〜式(6)において、Rは2−メチルプロピルであり、Rはフェニルである。
【0013】
[6]重合性ポリシルセスキオキサン誘導体および重合開始剤に加えて、ポリシルセスキオキサン誘導体ではないアクリル酸エステル、ポリシルセスキオキサン誘導体ではないメタクリル酸エステル、およびポリシルセスキオキサン誘導体ではないエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1つの重合性化合物を更に含有する、[3]項に記載の液晶表示パネル用シール材料。
【0014】
[7]シール材料の全重量を基準として、重合性ポリシルセスキオキサン誘導体の割合が0.1〜99重量%であり、重合性化合物の割合が0.1〜99重量%であり、そして重合開始剤の割合が0.01〜10重量%である、[6]項に記載のシール材料。
【0015】
[8]重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(4)、式(5)および式(6)のいづれかで表される化合物である、[7]項に記載のシール材料。
Figure 0004259148
Figure 0004259148
Figure 0004259148
式(4)〜式(6)において、Rは2−メチルプロピルであり、Rはフェニルである。
【0016】
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載のシール材料を用いる、液晶表示パネルのシール方法。
【0017】
[10]式(4)で表される化合物。
Figure 0004259148
式(4)において、Rは2−メチルプロピルである。
【0018】
[11]式(5)で表される化合物。
Figure 0004259148
式(5)において、Rは2−メチルプロピルである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下の説明においては、ポリシルセスキオキサン誘導体を記号PSQで表記することがある。式(1)で表される化合物を化合物(1)と表記することがある。他の式で表される化合物も、同様の簡略化法により表記することがある。PSQは、骨格部分にSiO3/2結合を有するポリシロキサン誘導体の総称であり、一般的には3官能のケイ素化合物を加水分解・縮合させることによって得られる。本発明で用いる重合性PSQは、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている一般的な有機化学的手法を適宜組み合わせることにより容易に製造できる。
【0020】
本発明で用いる重合性PSQは、アクリロイルオキシを有するPSQ、メタクリロイルオキシを有するPSQ、およびエポキシ基を有するPSQからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である。アクリロイルオキシを有するPSQの少なくとも1つを選択してもよいし、メタクリロイルオキシを有するPSQの少なくとも1つを選択してもよいし、エポキシ基を有するPSQの少なくとも1つを選択してもよい。アクリロイルオキシを有するPSQ、メタクリロイルオキシを有するPSQおよびエポキシ基を有するPSQのうちの2種以上から、それぞれ1つ以上の化合物を選択してもよい。
【0021】
重合性PSQの好ましい例は、式(1)、式(2)および式(3)のそれぞれで表される化合物である。
Figure 0004259148
【0022】
Figure 0004259148
【0023】
Figure 0004259148
【0024】
式(1)中のRは、炭素数1〜10の脂肪族アルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数4〜6のシクロアルキル、フェニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたフェニルである。Rの好ましい例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2−メチルプロピル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、および下記に示される置換フェニルである。
Figure 0004259148
【0025】
式(1)中のRは、少なくとも1つの重合性官能基を有する基であり、この重合性官能基はアクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、またはエポキシ基である。重合性官能基がアクリロイルオキシである場合のRの例として、下記の基を挙げることができる。
Figure 0004259148
これらの式において、s、tおよびuはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、S1は1〜10の整数である。
【0026】
重合性官能基がエポキシ基である場合のRの例として、下記の基を挙げることができる。
Figure 0004259148
これらの式において、s1、sおよびtは前記と同じ意味を有する。
【0027】
エポキシ基と(メタ)アクリル酸を反応させると、β−(メタ)アクリロイルオキシアルコール類が得られる。このβ−(メタ)アクリロイルオキシアルコール類も、本発明のシール材料に使用することができる。
【0028】
重合性官能基がメタクリロイルオキシである場合のRの例として、下記の基を挙げることができる。
Figure 0004259148
これらの式において、s1、s、tおよびuは前記と同じ意味を有する。
【0029】
式(2)におけるRは独立してRまたはRであり、Rの少なくとも1つはRである。式(2)中のRの個数は、1、2または8が好ましい。Rの2個がRである化合物の好ましい例は、1,7位置換体である。この化合物においては、互いに最も離れた位置にある2個のSiにRが結合している。式(3)におけるRは独立してRまたはRであり、Rの少なくとも1つはRである。
【0030】
重合性PSQの好ましい例は、1−(3−グリシジルオキシプロピル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチル−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(3−グリシジルオキシプロピル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(3−グリシジルオキシプロピル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチル−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチル−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(3−メタクリロイルオキシプロピル)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタエチル−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1,3,5,7,9,11,13,15−オクタ(3−メタクリロイルオキシプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−[3−(2,3−ジアクリロイルオキシプロピルオキシ)プロピル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−[2−(3,4−ジアクリロイルオキシシクロヘキシル)エチル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、18,21−ビス(3−アクリロイルオキシプロピル)−18,21−ジメチル−1,3,5,7,9,11,13,15−デカフェニル−ペンタシクロ[10.5.1.25,13.17,11.19,15]デカシロキサンなどである。
【0031】
本発明で用いる重合性化合物は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはエポキシ化合物であって、PSQではない化合物である。アクリル酸エステルのみから1つ以上を選んでもよく、メタクリル酸エステルのみから1つ以上を選んでもよく、エポキシ化合物のみから1つ以上を選んでもよい。アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびエポキシ化合物のうちの2つ以上からそれぞれ1つ以上を選んでもよい。以下の説明においては、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとを示す総称として、(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アクリレートを用いることがある。
【0032】
PSQではない(メタ)アクリル酸エステルの好ましい例は、芳香族(メタ)アクリレート化合物、および脂肪族(メタ)アクリレート化合物である。芳香族(メタ)アクリレート化合物の好ましい例は、ビスフェノールA型(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型(メタ)アクリレート、フェノール・ノボラック型(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型(メタ)アクリレート、トリスフェノールメタン型(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型(メタ)アクリレート、ビスフェノール型(メタ)アクリレートなどである。脂肪族(メタ)アクリレート化合物の好ましい例は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレートなどである。
【0033】
PSQではないエポキシ化合物の好ましい例は、芳香族エポキサイド化合物、グリシジルエーテル化合物、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビニルシクロヘキセンオキサイドなどである。芳香族エポキサイド化合物の好ましい例は、ビスフェノールA型エポキサイド、ビスフェノールF型エポキサイド、フェノール・ノボラック型エポキサイド、クレゾールノボラック型エポキサイド、トリスフェノールメタン型エポキサイド、ビスフェノールS型エポキサイド、ビスフェノール型エポキサイドなどである。そして、グリシジルエーテル化合物の好ましい例は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテルなどである。
【0034】
更に、下記に示すような脂環族エポキシ化合物やオキセタン化合物を挙げることができる。
Figure 0004259148
これらの式において、mは1以上の整数であり、n、p、qおよびrはそれぞれ独立して0以上の整数である。
【0035】
本発明の液晶表示パネル用シール材料は、重合性PSQを含有する組成物である。シール材料の全重量を基準とする重合性PSQの割合は、0.1〜99重量%である。この割合の好ましい範囲は1〜99重量%であり、より好ましい範囲は10〜99重量%である。重合性PSQを添加する効果が十分得られるためには、この割合が0.1重量%以上であることが好ましい。得られたシール部分の機械的応力が低下しないためには、この割合が99重量%以下であることが好ましい。
【0036】
本発明のシール材料は、光重合によって硬化させることが好ましく、光重合を短時間で終了させるため重合開始剤を含むことができる。このとき、シール材料の全重量を基準とする重合開始剤の割合は、0.01〜10重量%である。この割合の好ましい範囲は0.1〜5重量%であり、より好ましい範囲は0.1〜2重量%である。好ましい重合開始剤は、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、チオキサントン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ケタール類、ジベンゾイル類、オニウム塩、およびこれらの核置換体などであり、これらの化合物から少なくとも1つを選択して用いることができる。好ましい重合開始剤の具体例は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、α,α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、および2,4−ジエチルキサントンとp−ジメチルアミノ安息香酸メチルとの混合物である。
【0037】
本発明のシール材料は、PSQではない重合性化合物を更に含有することができる。この重合性化合物の例は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびエポキシ化合物であり、これらからなる群から少なくとも1つの化合物を選択することができる。シール材料の全重量を基準とするこの重合性化合物の割合は、0.1〜99重量%である。この割合の好ましい範囲は、0.1〜90重量%であり、より好ましい範囲は0.1〜80重量%である。
【0038】
本発明の組成物は、前記の成分に加えて、粘度を調整するための有機溶剤、接着強度およびスクリーン印刷性を向上させるための無機充填剤、接着強度を向上させるためのカップリング剤などを必要に応じて含有してもよい。更に、アミン化合物などを添加することもできる。
【0039】
【実施例】
実施例により本発明を更に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下に示す化学式において、Phはフェニルであり、Meはメチルである。
実施例1
<化合物(4):1−[2−(3,4−ジアクリロイルオキシシクロヘキシル)エチル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン(以下、記号AH−PSQで表記する。)の合成>
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 1997,35(3),407に記載の方法に準じて、1−[2−(3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)エチル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサンを合成した。300mlの三口フラスコに、この化合物(10.0g)、塩化メチレン(80ml)、アクリル酸(1.65g)および4−ジメチルアミノピリジン(2.80g)を入れて、1時間室温にて撹拌した。そこにN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.73g)の塩化メチレン(40ml)溶液を加え、室温にて72時間撹拌した。ジエチルエーテルを加えて、析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、飽和食塩水を加えて1時間撹拌した。分液して得られた有機層を、3N−塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で溜去し、無色結晶のAH−PSQ(10.6g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ: 6.44-6.40(m, 2H), 6.12(q, 2H), 5.86(d, 2H), 5.07(q, 1H), 4.17(q, 1H), 2.08-2.03(m, 4H), 1.92-1.81(m, 7H), 1.80-1.09(m, 5H), 0.96-0.94(m, 42H), 0.61-0.59(m, 16H).
【0040】
実施例2
<化合物(5):1−[3−(2,3−ジアクリロイルオキシプロピルオキシ)プロピル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン(以下、記号APP−PSQで表記する。)の合成>
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 1997,35(3),407に記載の方法に準じて、1−[3−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)プロピル]−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタ(2−メチルプロピル)−ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサンを合成した。300mlの三口フラスコに、この化合物(10.0g)、塩化メチレン(80ml)、アクリル酸(1.67g)および4−ジメチルアミノピリジン(2.82g)を入れ、1時間室温にて撹拌した。そこにN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.77g)の塩化メチレン(40ml)溶液を加え、室温にて72時間撹拌した。ジエチルエーテルを加えてジシクロヘキシル尿素を濾別し、飽和食塩水を加えて1時間撹拌した。分液して得られた有機層を、3N−塩酸および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、無色結晶のAPP−PSQ(9.95g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ: 6.46(q, 2H), 6.16(q, 2H), 5.88(q, 2H), 5.23-5.19(m, 1H), 3.80-3.69(m, 2H), 3.66-3.62(m, 2H), 3.48-3.41(m, 2H), 1.90-1.80(m, 7H), 1.69-1.63(m, 2H), 0.95(d, 42H), 0.60(q, 16H).
【0041】
実施例3
<式(6)で表される化合物(以下、記号DD−PSQで表記する。)の合成>
Figure 0004259148
滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた内容積300ミリリットルの3つ口フラスコに、特願2002−257738明細書に記載の方法を用いて得られた式(A)で表される化合物(粉末状固体、8.1g:7.04mmol)、トリエチルアミン(1.78g:17.6mmol)、テトラヒドロフラン150ml、および3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン(4g:17.6mmol)を仕込み、乾燥窒素ガスでシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温下で滴下漏斗からシアノエチルメチルジクロロシラン(5.0g:30mmol)を滴下した。引き続き室温で1時間撹拌を継続して反応終了とした。ついで純水50g投入し、生成した塩化ナトリウムを溶解すると同時に、未反応のシアノエチルメチルジクロロシランを加水分解・縮合した。このようにして得られた反応混合物を有機層と水層を分離し、有機層を1Nの塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、その後イオン交換水で3回水洗を繰り返して中性とした。このようにして得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレターで減圧濃縮して、無色結晶のDD−PSQ(2.2g)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ(ppm);0.31(s, 6H), 0.74-0.78(t, 4H), 1.74-1.78(m, 4H), 4.00-4.02(t, 4H), 5.70(d, 2H), 5.98(q, 2H), 6.26-6.29(d, 2H), 7.17-7.53(m, 40H).
29Si-NMR(CDCl3):δ(ppm);-18.0(d, 2Si), -78.6(s, 4Si), -79.5(t, 4Si).
【0042】
実施例4
<式(7)で表される化合物の合成>
Figure 0004259148
【0043】
化合物(7)は、下記の経路により合成した。
Figure 0004259148
【0044】
(B)および(B−1)は、それぞれ下記の式で表される化合物である。
Figure 0004259148
Figure 0004259148
【0045】
第1段:アリル−p−ニトロフェニルエーテルの合成
窒素雰囲気下で、p−ニトロフェノール(25g:0.18mol)のDMF(250ml)溶液に炭酸カリウム(49.7g、0.36mol)を加えて懸濁させ、3−ブロモプロペン(21.7g:0.18mol)を滴下した。滴下終了してから5時間、室温下で撹拌した後、水を加えてジエチルエーテルで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶媒を留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)で精製した。減圧下でトルエンを溜去して得られた残渣をエタノールから再結晶して、淡黄色結晶のアリル−p−ニトロフェノール(25.7g)を得た。
【0046】
第2段:化合物(B)の合成
滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた内容積300ミリリットルの3つ口フラスコに、実施例3に記載の化合物(A)(11.6g:10mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)、およびトリエチルアミン(3.0g:30mmol)を仕込み、乾燥窒素でシールした。マグネチックスターラーで撹拌しながら、室温でメチルジクロロシラン(3.4g:30mmol)を滴下した。引き続き室温で1時間撹拌を継続して反応終了とした。ついで純水50g投入して、生成した塩化ナトリウムを溶解させ、同時に未反応のメチルジクロロシランを加水分解・縮合させた。この混合物から分離した有機層を、1N−塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、更にイオン交換水で3回水洗を繰り返して中性にした。このようにして得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレターで減圧濃縮した。得られた白色固体をメタノールで洗浄し、乾燥して化合物(B)(粉末状白色固体、6.9g)を得た。
1H-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);0.37(s, 6H), 4.99(s, 2H), 7.15-7.56(m, 40H).29Si-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm);-32.78(s, 2Si), -77.91(s, 4Si), -79.39(t, 4Si).
【0047】
第3段:化合物(B−1)の合成
窒素雰囲気下で、化合物(B)(50g:43.3mmol)にトルエン(500ml)を加えて懸濁させ、白金−ジビニルシロキサン錯体(3wt%トルエン溶液、25μl)を加えて90℃に加熱した。これに、アリル−p−ニトロフェニルエーテル(16.3g:91mmol)を5分かけて滴下し、還流状態で2時間加熱した。放冷後、トルエン(100ml)を加えて抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層から減圧下でトルエンを溜去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)で精製した。減圧下でトルエンを溜去して得られた残渣を、エタノール/酢酸エチルから再結晶して、化合物(B−1)(無色結晶、18.7g)を得た。
1H-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm); 0.34(s, 6H), 0.85-0.88(t, 4H), 1.92-1.95(m, 4H), 3.85-3.88(t, 4H), 6.60-6.63(d, 4H), 7.15-7.52(m, 40H), 7.94-7.97(d, 4H).
29Si-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm); -17.8(d, 2Si), -78.5(s, 4Si), -79.4(t, 4Si).
【0048】
第4段:化合物(7)の合成
化合物(B−1)(70g:46.3mmol)、Pd/C(7g)、およびTHF(700ml)の混合物を、水素雰囲気下、室温で120時間攪拌した。Pd/Cをろ別後、減圧下でTHFを溜去した。得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製した。減圧下で溶媒を留去して、化合物(7)(淡茶色固体、53g)を得た。以下では、化合物(7)をAM−PSQとする。
1H-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm); 0.31(s, 6H), 0.83-0.87(t, 4H), 1.82-1.87(m, 4H), 3.71-3.74(t, 4H), 6.51-6.57(d, 8H), 7.14-7.95(m, 40H).
29Si-NMR(溶媒:CDCl3):δ(ppm); -17.5(d, 2Si), -78.6(s, 4Si), -79.6(t, 4Si).
【0049】
実施例5
ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート(ビスコート#540:大阪有機化学(株)製、5.00g)、および実施例1で得られたAH−PSQ(0.05g)からなる組成のシール材料を用いて、液晶表示パネルを製造した。強度7mW/cmの紫外線を、パネル面に垂直な方向から120秒間照射した。得られたパネルの液晶配向性や消費電流などの初期特性は良好であった。このパネルを、120℃、100%RH、0.2MPaの条件下に8時間保持して耐久試験を行ったところ、シール部周辺の液晶配向に変化はなく、消費電流は約25%増加した。常温、常圧、常湿度の条件下で480時間保持したところ、シール部周辺での配向乱れは無く、消費電流は約18%増加した。そして、パネル内への気泡の浸入は認められなかった。
【0050】
実施例6
ビス(2,3−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(5.00g)、および実施例2で得られたAPP−PSQ(0.50g)からなる組成のシール材料を用いて液晶表示パネルを製造した。強度7mW/cmの紫外線を、パネル表面に垂直な方向から120秒間照射した。このパネルにおける液晶配向性や消費電流などの初期特性は良好であった。
【0051】
実施例7
前記のビスコート#540(5.00g)、APP−PSQ(0.50g)、および光重合開始剤(イルガキュア651:チバガイギー社製、0.0275g)からなる組成のシール材料を用いて液晶表示パネルを製造した。強度7mW/cmの紫外線をパネル表面に垂直な方向から120秒間照射した。このパネルにおける液晶配向性や消費電流などの初期特性は良好であった。
【0052】
実施例8
ビスコート#540(5.00g)、APP−PSQ(0.50g)、イルガキュア651(0.0275g)、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(0.0275g)からなる組成のシール材料を用いて液晶表示パネルを製造した。強度7mW/cmの紫外線をパネル表面に垂直な方向から120秒間照射した。このパネルにおける液晶配向性や消費電流などの初期特性は良好であった。
【0053】
実施例9
ビスコート#540(5.00g)、APP−PSQ(0.50g)、イルガキュア651(0.0275g)、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(0.0275g)からなる組成のシール材料を調製した。このシール材料に対し5重量%のセルスペーサーを混合して、液晶表示パネル用シール材料組成物を得た。
【0054】
カラーフィルターを有する基板の周縁に、液晶組成物の注入口を残すように上記の液晶表示パネル用シール材料組成物をスクリーン印刷した後、液晶制御素子を有する基板を重ね合わせた。液晶表示パネル用シール材料組成物をスクリーン印刷した部分に対し、パネル表面に垂直な方向から、強度7mW/cmの紫外線を120秒間照射して、シール材料組成物を硬化させ、液晶セルを得た。次に、この液晶セルの注入口から、フッ素系液晶組成物LIXON−5054XX(チッソ株式会社製)をセル内に充填した後、注入口を上記のシール材料組成物で封止し、さらに封止部分のシール材料組成物を上記と同様に硬化させて、液晶表示パネルを得た。得られた液晶表示パネルについて評価した結果、水分の浸透性、液晶の電気抵抗・保持率、接着強度等において良好な結果を得た。
【0055】
実施例10〜15
AH−PSQ、APP−PSQ、DD−PSQおよびAM−PSQを、熱硬化成分(エピクロン850S:大日本インキ化学工業株式会社製、EP0435:Hybrid・Plastics社製)、紫外線硬化成分(エピクロン850Sの部分メタクリル化物:大日本インキ化学工業株式会社製)、光重合開始剤(イルガキュア907:日本チバガイギー株式会社製)、熱硬化剤(アミキュアVDH:味の素株式会社製)、シランカップリング剤(KBM403:信越化学工業株式会社製)、および無機充填剤(SS15:大阪化成株式会社製)と、表1に示すように組み合わせて特性の評価を行った。粘度の測定は、回転粘度計で行った。接着強度は、2枚のガラス板をシール剤で張り合わせることによって被検体を作製し、オートグラフ法によって算出した。比抵抗値の測定は、サンプルを液体セルに封入し10V印加することによって算出した。なお、比抵抗値は、LIXON−5054XX(2g)に対して、同量のUV硬化型シール剤を硬化前(液体)と硬化後(固体)の状態でそれぞれ添加し100℃で1時間放置後、測定を行った。ネマチック・等方相相転移温度(NI点)は、DSCで測定を行った。測定は、比抵抗値の測定と同条件下にてサンプルを準備し、LIXON−5054XXのみのNI点に対する変化量の評価を行った。配向不良テストでは、ディスペンサーで配向膜を備えた基板にシール剤を塗布後、LIXON−5054XXを滴下し、セルを貼り合わせた後、2000mJ/cmの紫外線照射と120℃30分の熱硬化過程を経てセルを作製し、シール剤周辺に配向ムラが生じていないかどうか偏光顕微鏡を用いてチェックを行った。また、耐湿試験は、120℃、100%RH、0.2MPaの条件下で500時間後の配向チェックの評価を行い、実用レベルであるかどうかの検討を行った。上記の物性はいづれも、従来から知られている方法により、市販の測定装置を用いて測定した。これらの試験の結果を表1に示す。
【0056】
<表1>
Figure 0004259148
【0057】
表1における記号の意味は下記の通りである。
850S:エピクロン850S
850S−M:エピクロン850Sの部分メタクリル化物
AC−VDH:アミキュアVDH
IC−907:イルガキュア907
比抵抗値1:液体状態での比抵抗値(単位:1013Ω・cm)
比抵抗値2:固体状態での比抵抗値(単位:1013Ω・cm)
NI点変化量1:液体状態でのNI点変化量(単位:℃)
NI点変化量2:固体状態でのNI点変化量(単位:℃)
配向状態:○は、配向不良が認められなかったことを示す。
耐湿試験結果:○は、耐湿試験で問題がなかったことを示す。
なお、粘度の単位はPa・secであり、接着強度の単位はMPaである。また、LIXON−5054XXのみの比抵抗値は、2.1×1014Ω・cmである。
実施例10〜15のいずれにおいても所期の目的を達成していることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の液晶表示パネル用シール材料は、基材を貼り合わせるときに紫外線照射だけによって硬化させることができる。紫外線照射と熱処理とを併用することによっても硬化させることができる。このシール材料を用いることによって、液晶表示パネル封止の大量連続処理が可能になり、大幅なコスト低減に役立つ。液晶への影響がほとんど無いため、配向不良、電気抵抗の低下等が生じることが無く、生産効率を向上させることができる。

Claims (11)

  1. 少なくとも1つのアクリロイルオキシを有するポリシルセスキオキサン誘導体、少なくとも1つのメタクリロイルオキシを有するポリシルセスキオキサン誘導体、および少なくとも1つのエポキシ基を有するポリシルセスキオキサン誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの重合性ポリシルセスキオキサン誘導体を含有する液晶表示パネル用シール材料。
  2. 重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(1)、式(2)および式(3)のいずれかで表される化合物である、請求項1に記載のシール材料。
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    式(1)〜式(3)において、Rは、炭素数1〜10の脂肪族アルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、炭素数4〜6のシクロアルキル、フェニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたフェニルである;Rはアクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシおよびエポキシ基から選択される基を少なくとも1つ有する基である;Rの少なくとも1つはRであり、Rの残りはRである;Rの少なくとも1つはRであり、Rの残りはRである;nは1、2または3である。
  3. 重合性ポリシルセスキオキサン誘導体に加えて、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、チオキサントン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ケタール類、ジベンゾイル類、オニウム塩およびこれらの核置換体からなる群から選ばれる少なくとも1つの重合開始剤を更に含有する、請求項2に記載のシール材料。
  4. シール材料の全重量を基準として、重合性ポリシルセスキオキサン誘導体の割合が0.1〜99重量%であり、重合開始剤の割合が0.01〜10重量%である、請求項3に記載のシール材料。
  5. 重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(4)、式(5)および式(6)のいずれかで表される化合物である、請求項4に記載のシール材料。
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    式(4)〜式(6)において、Rは2−メチルプロピルであり、Rはフェニルである。
  6. 重合性ポリシルセスキオキサン誘導体および重合開始剤に加えて、ポリシルセスキオキサン誘導体ではないアクリル酸エステル、ポリシルセスキオキサン誘導体ではないメタクリル酸エステル、およびポリシルセスキオキサン誘導体ではないエポキシ化合物からなる群から選択される少なくとも1つの重合性化合物を更に含有する、請求項3に記載の液晶表示パネル用シール材料。
  7. シール材料の全重量を基準として、重合性ポリシルセスキオキサン誘導体の割合が0.1〜99重量%であり、重合性化合物の割合が0.1〜99重量%であり、そして重合開始剤の割合が0.01〜10重量%である、請求項6に記載のシール材料。
  8. 重合性ポリシルセスキオキサン誘導体が、式(4)、式(5)および式(6)のいづれかで表される化合物である、請求項7に記載のシール材料。
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    Figure 0004259148
    式(4)〜式(6)において、Rは2−メチルプロピルであり、Rはフェニルである。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のシール材料を用いる、液晶表示パネルのシール方法。
  10. 式(4)で表される化合物。
    Figure 0004259148
    式(4)において、Rは2−メチルプロピルである。
  11. 式(5)で表される化合物。
    Figure 0004259148
    式(5)において、Rは2−メチルプロピルである。
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