JP4258067B2 - 連続鋳造鋳片の冷却方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造鋳片の冷却方法に係わり、特に、溶鋼の連続鋳造機において、鋳型から抜け出た表面が凝固し、内部がまだ溶融状態にある鋼鋳片を円滑、且つ良好に2次冷却するための技術である。
【0002】
【従来の技術】
鋼鋳片(スラブ、ブルーム等)を製造する連続鋳造方法は、図1及び2に示すように、溶鋼1を取鍋2、タンディッシュ3を介して水冷鋳型4に注入し、表面は凝固しているが、内部はまだ溶融状態にある半凝固体5を、その後複数のサポートロール6で支えて後流側へ搬送する途上で水7をかけて冷却(二次冷却といい)し、全体を完全に凝固させ、さらに凝固後に鋳片9の形状を矯正機8で矯正するものである。なお、かかる連続鋳造を行なう鋳造機10には、鋳型4から抜けた鋳片9を垂直に移動させる垂直型、湾曲させつつ移動する湾曲型(図1参照)、垂直に移動させた後、途中から方向を曲げる垂直曲げ型(図2参照)等が存在する。また、この二次冷却に使用する装置は、図3に示すように、鋳片9に水を直接スプレーするノズルと、鋳片9を支えるサポートロール6の表面に水をスプレーするノズルとで構成され、このようなノズルを複数組で1つゾーンとし、いくつかのゾーン(図2では、No.1及びNo.2ゾーン)を鋳片幅方向の両端側に、且つ走行方向に沿って設けたものである。
【0003】
この水スプレーによる二次冷却は、鋳片9の凝固組織のコントロールや割れ防止の観点から極めて重要であり、ハード及びソフトの両面で従来より種々の技術が研究、開発されている。
【0004】
ところで、現在の二次冷却方法は、鋳造する鋳片の鋼種やサイズに対応して、予め各ゾーンでそれぞれスプレーする一定の冷却水量を定め、水量に関するパターンを数種類準備し、鋳造時に該当鋳片に適切なパターンを選択することで行なわれている。この方法は、比較的簡単な操作で冷却を実施できるという利点がある。しかしながら、昨今の厳しい鋳片品質の要求には対応できない場合も生じている。つまり、鋳片の冷却をもっと厳密に行ないたくとも、設置しているノズルの能力(水量、スプレーパターン等)が限られているので、冷却を緩くしたり、あるいは強くしたりを希望通りにできない場合が生じている。特に、新開発の鋼種を鋳造する場合には、近似する鋼種のパターンを採用し、試行錯誤で適切な二次冷却を模索するが、満足できる結果を得るにはかなりの時間を要している。さらに、二次冷却が適切に行なわれず、鋳片が部分的に過冷却になった部分を生じると、後流側で該鋳片9の形状を矯正する際に、鋳片9の表面割れが生じるという問題も依然として残っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、連続鋳造鋳片の二次冷却を水スプレーで行なうに際して、各ゾーンでの冷却水量を、既設ノズルを変更せずに、従来より広い範囲で調整可能な連続鋳造鋳片の冷却方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、連続鋳造機の水冷鋳型から抜け出た鋳片を、サポートロールで支えて複数のゾーンに分けたノズル群からなる二次冷却帯を通過させ、冷却水を吹き付けて冷却するに際して、前記冷却水の吹き付け及び吹き付け停止を1〜10秒間毎に繰り返すことを特徴とする連続鋳造鋳片の冷却方法である。
【0008】
また、本発明は、前記繰り返しを、前記各ゾーンで個別に行なうことを特徴とする連続鋳造鋳片の冷却方法である。
【0009】
さらに、本発明は、前記連続鋳造機を湾曲型あるいは垂直曲げ型とし、アール内側でのみ前記繰り返しを行なうことを特徴とする連続鋳造鋳片の冷却方法でもある。
【0010】
本発明によれば、鋳片にかける冷却水量(冷却停止時間)を広い範囲で調整できるようになるので、ノズルの能力(仕様)を変更せずに、鋳片の位置によって緩冷却あるいは強冷却が自在になる。その結果、鋳片の品質(偏析、表面割れ等)が従来より安定するようになる。また、連続鋳造機のアール内側のみで、本発明を実施すれば、鋳片の形状矯正時の表面割れが防止できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
まず、本発明は、図1及び2に示したように、鋳片9の幅方向に沿って多数配置されたノズル11からの冷却水7を、鋳片へ一定時間の間隔で吹き付けたり、あるいは吹き付けを停止するようにしたものである。つまり、冷却水7の吹付けをOn、停止をOffとし、On−Offするのである(図4(a)参照)。これにより、鋳片9にかかる水量が減るので、一定時間の間隔を種々の値とすれば、鋳片9へスプレーかける水量を幅広く変更できるようになる。その際に重要なことは、鋳片を支えるサポートロール6が破損しない程度に一定時間の間隔を設定することである。この一定時間は、鋳片9のサイズ、鋼種、走行速度等、影響因子が多く、鋳造機10によって一概に定め難い。そのため、発明者は、この一定時間を種々変更した試験を行ない、1〜10秒の範囲で行なうのが好ましいことを見出した。10秒を超えると、ロールの冷却が不十分となり、破損の恐れが生じた。1秒未満では、冷却の停止効果が小さく、また冷却水切替えバルブの破損を生じるからである。
【0013】
また、この冷却水量のOn−Offは、例えば、図4の(b)に示すように、二次冷却帯の各ゾーン毎に行なうのが好ましい。その方が冷却パターンの種類が増え、冷却する鋳片の鋼種やサイズの変更に適切な処置がとれるからである。
【0014】
さらに、本発明では、連続鋳造機が図1及び図2のような湾曲型あるいは垂直曲げ型の場合、On−Offを行なうノズル群を、該連続鋳造機のアール内側に配置されたものに限定するのが良い。それによって、鋳片9のアール側に生じる過冷却部分が減り、亀裂の発生が抑えられて、形状矯正時の表面割れを防止できるようになるからである。
【0015】
【実施例】
鋳型断面のサイズが400×560mmの湾曲型連続鋳造機(図1参照)を用いて、溶鋼1を鋳造し、連続的に鋼鋳片9を製造した。その際、溶鋼の鋳込み速度は、0.5m/minとした。鋳造する溶鋼1には、鋼材となると表面感受性が高い種類で、Cを0.10重量%,Alを0.025重量%,Nbを0.030重量%含むものを選んだ。冷却水をスプレーするノズル11は、鋳片9の走行ラインの両側にそれぞれ10本を1ゾーンとして、2ゾーンに配置した。また該ノズルは、それぞれが鋳片9の厚み方向に水7を均一にスプレーいできる多孔のものである。鋳片9に吹き付る水の量は、通常、鋳片9の両側に配置したノズル11の1本あたり、No.1ゾーンが5リットル/分、No.2ゾーンが5リットル/分とした。
【0016】
このような冷却状況で得た結果を表1に示す。なお、表1には、本発明の効果を確認するため、比較例として従来の冷却方法(On−Offを行なわない)での結果も示してある。表1より、本発明の実施では、鋳片の表面割れがまったく発生しないことが明らかである。また、鋳片の断面を調査したところ、従来のものに比べて、偏析が著しく低減していた。なお、偏析は、予め種々の偏析状態を呈する標準試料のマクロ断面の写真で5段階の判定基準(偏析大を4、偏析なしを0として)を作成し、本発明の実施で得た鋳片のマクロ断面をその写真に対比して評価した。さらに、鋳造機10のアール側でのみOn−Offをした場合には、鋳片9のアール側温度が反対側より高く維持された。その結果、鋳片の形状矯正時に生じる割れが、まったく発生しなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、鋳片にかける冷却水量(冷却停止時間)を広い範囲で調整できるようになり、既設ノズルの能力(仕様)を変更せずに、鋳片の位置によって緩冷却あるいは強冷却が自在になった。その結果、鋳片の品質(偏析、表面割れ等)が従来より安定するようになる。また、連続鋳造機のアール内側のみで、本発明を実施した場合には、鋳片の形状矯正時の表面割れが完全に防止できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な湾曲型連続鋳造機を示す側面図である。
【図2】一般的な垂直曲げ型連続鋳造機を示す側面図である。
【図3】連続鋳造機のノズル配置を説明する図である。
【図4】冷却水のOn−Off状況を説明する図であり、(a)はNo.1及びNo.2ゾーンで一定時間の値が同じ、(b)は互いに異なる場合の例である。
【符号の説明】
1 溶鋼
2 取鍋
3 タンティッシュ
4 水冷鋳型(鋳型)
5 半凝固体
6 サポートロール(ロール)
7 冷却水(水)
8 矯正機
9 鋳片
10 連続鋳造機
Claims (3)
- 連続鋳造機の水冷鋳型から抜け出た鋳片を、サポートロールで支えて複数のゾーンに分けたノズル群からなる二次冷却帯を通過させ、冷却水を吹き付けて冷却するに際して、
前記冷却水の吹き付け及び吹き付け停止を1〜10秒間毎に繰り返すことを特徴とする連続鋳造鋳片の冷却方法。 - 前記繰り返しを、前記各ゾーンで個別に行なうことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造鋳片の冷却方法。
- 前記連続鋳造機を湾曲型あるいは垂直曲げ型とし、アール内側でのみ前記繰り返しを行なうことを特徴とする請求項1又は2記載の連続鋳造鋳片の冷却方法。
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