JP4257893B2 - リン酸の存在下でのモノニトロトルエンの製造のための連続等温方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸及びリン酸の混合物を用いたモノニトロトルエンの製造のための連続等温方法に関する。結果として得られる廃酸は、工程に統合される(integrated)濃縮に供され、その後工程に再循環される。
【0002】
【従来の技術】
モノニトロトルエンは、蛍光増白剤、作物保護剤及び医薬品を製造するための重要な中間体である。それらは工業的な規模で、例えばトルエンの等温(isothermal)ニトロ化により製造することができる。この場合、トルエンは硫酸及び硝酸の混合物(混酸、ニトロ化酸)と反応する(Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology 第17巻、第4版、1996年 「ニトロ化」及び「ニトロベンゼン及びニトロトルエン」)。
【0003】
ニトロ化が純粋な硫酸で行なわれる場合には、通常は約1.65のo−ニトロトルエンのパラ−ニトロトルエンとの比が得られる(Albright&Hanson,Industrial and Laboratory Nitrations、1976年、300−312頁)。硫酸を純粋なリン酸で置き換えることは、この比をパラ異性体のより大きな画分へとシフトさせることをもたらす(Olahら、Methods and Mechanisms、1989年、15−18頁)。しかしながらリン酸の減少した酸強度のため、硫酸と比べるとそれが使用される場合には、通常反応のより大きな減速となる。従って、同等の反応速度を達成するためには、オルトリン酸へP2O5を加えることにより調製できる、高度に濃縮されたポリリン酸の使用が推奨される。
【0004】
DE 1643600Aは、この手順を、産業界で慣用の材料へのそれらの腐食性に関する、ポリリン酸の使用に関する問題が参照されるものである、と評している。
【0005】
DE 1643600Aは、リン酸中のトルエンのニトロ化のためのプロセスパラメーターに関して開示し、ここで100.8%濃度(strength)のリン酸を使用すると、0.90のo/p−ニトロトルエン比をもたらす。しかしながら、実施例で使用される混酸の高い過剰量及び与えられた長い反応時間は、当業者に対し低い空時収量を示し、それは提案された方法の経済的な利用性を疑わしいものと思わせる。
【0006】
DE 1643600Aで典型的には、約97%濃度のリン酸が反応器出口で得られる。この廃酸を再循環させるために必要な濃縮段階は、H2O−H3PO4システムの沸騰ダイヤグラム(boiling diagram)から得られるように、約180℃の温度、約20mbarの圧力で反応水を蒸発させることを必要とする。これらのパラメーターは、使用される材料及び装置の要求条件に関する両方のかなりの支出によってのみ達成し得るものであり、従って、混酸成分として純粋なリン酸を使用する経済的な利点が妨げられる。従って、例えばこれらの工程条件下でエナメル(enamel)の等腐食曲線(isocorrosion cureve)、この濃度のリン酸への抵抗は期待できないことを意味する。
【0007】
DE 1643600Aはさらに、使用されるリン酸の80%までの量で硫酸を混酸に加える、代わりの方法を開発している。純粋なリン酸での手順に比べて、硫酸の添加は、異性体比のオルト異性体への有意なシフトをもたらさない。それにもかかわらず、廃酸を濃縮するための猛烈なプロセス条件、慣用の材料への酸の増加した腐食性、及び低い空時収量が、経済的な利点を伴って使用されるプロセスの工業的な実行をさらに妨げるために、純粋なリン酸の使用で発生する問題の解決を当業者に示していない。
【0008】
混酸を用いたトルエンのモノニトロ化のための工業的な方法は、有機化合物、例えばジニトロトルエン又はニトロ化(nitrated)クレゾールのかなりの割合に汚染されており、そして工程−及び費用−集中的な(cost−intensive)方法で後処理されなければならない廃酸の製造に関連している。
【0009】
従って、例えば純粋な硫酸を使用してのニトロ化の場合には、水及び有機化合物から免れた(freed)濃縮された硫酸を伴って、硫酸を濃縮し、その後循環(circulation)プロセスにおけるニトロ化反応へ戻すように再循環され、従って廃酸の製造を避けることを含むプロセスが開発された。
【0010】
DE 19539205Aは、芳香族のモノニトロ化のためのプロセスパラメーターを開示し、それは約70%濃度の廃硫酸を産出するような方法でニトロ化される芳香族の性質と調和する(matched)混酸を伴う。さらに、85%から92%の間の硫酸濃度を有する部分的に濃縮された廃酸を使用することも開示されている。
【0011】
US 4,772,757は、産出された廃酸が75から92%に濃縮され、ニトロ化プロセスに戻すように再循環される、ニトロベンゼンの製造方法を開示する。メチル基のために、トルエンはベンゼンに比べて酸化に対して著しくより敏感であり(sensitive)、ニトロ化において副生物を生成する傾向があるので、ベンゼンをニトロ化するための反応条件をトルエンのニトロ化に適用する場合には、望まれない副生物の量の増加が予想される。
【0012】
有機化合物の無機酸中の溶解性のために有機副生物、例えばシュウ酸又は安息香酸は、濃縮された廃酸へ蓄積し、それはニトロ化反応へ再循環される(recirculated)。さらに、ニトリシル硫酸の濃縮(enrichment)が起こり得る。これらの副生物の分解及びこの一連で放出された分解の熱が、ニトロトルエンの反応生成物の望まれない分解をもたらし得る。
【0013】
さらに、有機副生物が酸化的分解反応で使用される硝酸と反応することができ、従って硝酸のいくらかはもはや実際のニトロ化に利用できないため、空時収量が減少する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、硫酸とリン酸の混合物を使用することによるパラニトロトルエンの増加した収率を有するモノニトロトルエンを製造する連続等温(isothermal)方法であって、その方法は廃酸を安価に濃縮でき、次いで循環プロセスの意味(meaning)内でのニトロ化反応へ、濃縮された酸中で有機副生物が蓄積することをせずに再循環させる方法の必要性が存在する。さらに、高度に濃縮された硝酸の使用と比較して著しく費用の削減をもたらすので、60−70重量%の希硝酸の使用が望まれる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トルエン、硝酸及び混酸成分を反応器へ供給し、そして等温反応条件下でトルエンを硝酸及び混酸成分と反応させることを含む、モノニトロトルエンの製造のための連続方法であって、ここで混酸成分が、約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水を含む、ものである方法に関する。本発明のこれらの及び他の特徴、観点(aspects)及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を参照することによりさらに良く理解されるであろう。
【0016】
詳細な説明
等温反応条件下でトルエンを硝酸、硫酸及びリン酸と反応させることによる、モノニトロトルエンの製造のための連続方法であって、硫酸及びリン酸の混合物が混酸成分として使用され、混合物が約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水を含むことを特徴とする、方法が見いだされた。
【0017】
本発明の方法の特に好適な態様は、硫酸及びリン酸の混合物が混酸成分として使用され、混合物が約64から約78%の硫酸、約10から約27%のリン酸及び約8から約13%の水を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の方法の特別な態様は、続いての段階で、混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給することを特徴とする。本発明の方法は、混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸を、硝酸に基づいて約2:1から約4:1の重量比で反応器へ導入し、そして混酸成分及びトルエンを、トルエンに基づいて約2:1から約4:1の重量比で反応器へ導入するすることを特徴とする。
【0019】
本発明の方法の特に好適な態様は、続いての段階で、混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給することを特徴とする。本発明の方法は、混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸を、硝酸に基づいて約2.4:1から約3.3:1の重量比で反応器へ導入し、そして混酸成分及びトルエンを、トルエンに基づいて約2.4:1から約3.2:1の重量比で反応器へ導入することを特徴とする。
【0020】
本発明の方法の特別な態様は、続いての段階で、粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離することを特徴とする。
【0021】
本発明の方法の特に好適な態様は、反応器出口での廃酸が、約42から約70%の硫酸、約6から約37%のリン酸及び約15から約28%の水を含むことを特徴とする。廃酸は、事実上(virtually)硝酸を含まず、さらに有機化合物、例えばジニトロトルエン又はニトロ化クレゾール、適当な場合には亜硝酸を含むことができる。
【0022】
本発明の方法の特に好適な態様は、反応器出口での廃酸が、約54から約67%の硫酸、約7から約22%のリン酸及び約18から約27%の水を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の方法の特別な態様は、続いての段階で、廃酸を、約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水の組成物まで一段(single−stage)濃縮に供すること特徴とする。
【0024】
本発明の方法の特に好適な態様は、廃酸を、約64から約78%の硫酸、約10から約27%のリン酸及び約8から約13%の水の組成物まで一段濃縮に供すること特徴とする。
【0025】
本発明の方法の特別な態様は、続いての段階で、濃縮された廃酸を、循環(circuit)中のニトロ化反応へ戻すように再循環することを特徴とする。
【0026】
本発明の方法の特別な態様は、
a)混酸成分として硫酸とリン酸の混合物を使用し、ここで混合物は約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水を含み、
b)混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給し、ここで混酸成分及び硝酸が、硝酸に基づいて約2:1から約4:1の重量比であり、そして混酸成分及びトルエンが、トルエンに基づいて約2:1から約4:1の重量比であり、
c)粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離し、
d)約42から約70%の硫酸、約6から約37%のリン酸及び約15から約28%の水を含む廃酸を、約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水の組成物まで一段濃縮で濃縮し、そして
e)濃縮された廃酸を、循環中のニトロ化反応へ戻すように再循環する、
ことを特徴とする。
【0027】
本発明の方法の特に好適な態様は、
a)混酸成分として硫酸とリン酸の混合物を使用し、ここで混合物は約64から約78%の硫酸、約10から約27%のリン酸及び約8から約13%の水を含み、
b)混酸成分及び約60から約70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給し、ここで混酸成分及び硝酸が、硝酸に基づいて約2.4:1から約3.3:1の重量比であり、そして混酸成分及びトルエンが、トルエンに基づいて約2.4:1から約3.2:1の重量比であり、
c)粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離し、
d)約54から約67%の硫酸、約7から約22%のリン酸及び約18から約27%の水を含む廃酸を、約64から約78%の硫酸、約10から約27%のリン酸及び約8から約13%の水の組成物まで一段濃縮で濃縮し、そして
e)濃縮された廃酸を、循環中のニトロ化反応へ戻すように再循環する、
ことを特徴とする。
【0028】
本発明の方法は、産業界において慣用である純粋な硫酸におけるニトロ化と比較すると、混酸成分としてのリン酸のすでに少ない含量においてもで驚くべきほど増加したパラ−ニトロトルエンの含量をもたらす。
【0029】
パラ−ニトロトルエンは、蛍光増白剤、薬学及び農業のための活性化合物及び染料及び香気を製造するための中間体として特に興味深い。
【0030】
本発明の方法において、有利には希硝酸が使用され、その結果として方法は特に安価に操作できる。希硝酸の使用による水の相対的に高い量にかかわらず、反応は高い反応速度で進む。反応速度は、本発明の方法においては使用される硫酸の濃度に本質的に依存する。従って、使用されるリン酸の量が、第一に異性体比を制御するように働く。
【0031】
本発明の方法において、好適には硝酸の1当量に基づいて約0.98から約1.1当量のトルエンが使用され、特に好適には、硝酸の1当量に基づいて約1.01から約1.05当量のトルエンが使用される。本発明の方法において、硝酸に基づいて過剰のトルエンが存在する場合であっても、驚くべきことに不純物の発生は増加しない。
【0032】
本発明の方法で使用される出発物質である硝酸、硫酸、リン酸及びトルエンは、好適には、産業界で公知の混合要素(elements)を使用して強力に混合される。使用できる混合要素は、例えばスタティック(static)ミキサー、ポンプ、ノズル、アジテーター又は該混合要素の組合せである。
【0033】
本発明の方法は、反応器中で等温条件下で連続して行なわれる。使用される反応器は、好適には市販の反応器、例えば管状(tubular)反応器、ループ反応器、撹拌タンク又は他にループ反応器及び撹拌タンクの組合せである。さらなる好適な態様においては、本発明の方法は、多段反応器カスケードで行なうことができる。
【0034】
本発明の方法は、等温条件下で行なわれ、反応温度は好適には約20から約80℃の範囲、特に好適には、約30から約70℃の範囲、非常に特に好適には、約40から約65℃の範囲である。
【0035】
粗ニトロトルエンは、好適には、静的(static)分離機又は遠心分離機を使用して廃酸から分離することができる。この場合、当業者に既知の静的又は動的相分離の方法、例えば遠心分離機又は内部品(internals)を備えるか又は備えない分離フラスコが使用できる。
【0036】
本発明の方法で行なわれる廃酸の濃縮によって、この廃酸は実質上水及び有機化合物を含まず、有機化合物は廃酸から取り除かれるか、又は揮発性化合物、例えばCO2が生成するように分解され、廃酸から排出される。
【0037】
一段濃縮は、好適には蒸発機で行なわれる。硫酸/リン酸混合物の本発明の組成物を得るために、蒸発機は、好適には約30から300mbar、特に好適には約60から200mbar、及び非常に特に好適には、約80から150mbarの圧力で操作される。蒸発機出口での廃酸の温度は、好適には約100から約200℃、特に好適には約150から約190℃、そして非常に特に好適には約155から約185℃である。濃縮された廃酸の流出液の熱は好適には、蒸発機へ流れる廃酸を加熱する熱交換器向流フローで使用される。この場合、蒸発機へ流れる廃酸は好適には、この廃酸が蒸発機圧で過熱され(superheated)、従って水のいくらか及び酸の少量が熱のさらなる供給なしで気化するという点まで、向流フローにより加熱される(フラッシュ蒸発)。
【0038】
本発明の方法での一段濃縮のためには、好適には市販のタンタル管束(bundle)を有する蒸発機で単一段階で蒸留し、蒸発機はその長さに沿ってカスケードされ、酸濃縮は入口から出発してそれぞれのカスケードで増加され、相対的に低い濃縮酸が第一のカスケードで存在する。第一のカスケードでの低い濃度の利点は、第一に沸点はまだ低く、従って熱伝達(より小さい蒸発機)のための高い駆動温度差があること及び第二に、低い酸濃度で廃酸中に存在するニトロシル硫酸が反応から容易に取り除くことができることである。従って、本発明の方法における、一段カスケード形蒸発機を用いることにより、二酸化硫黄を伴うブロー(blowing with)によりニトリシル硫酸の放出(expelling)及び従ってさらなる処理段階が避けられる。
【0039】
好適には、抜取り部(stripping section)が、特に良好な有機化合物の量及び/又はニトロシル硫酸の量の減少を達成するために使用される。蒸留内部品が備えられた蒸留カラム部は、抜取り部で終わり(termed)、それは液体であるか又は蒸発機の圧力でいくらか過熱された廃酸が上部から通され、蒸発機から昇る蒸機により底部から向流で操作される。引抜き部で使用できる蒸留内部品は、当業者に既知のカラム内部品(column internals)であり、例えばトレー(trays)、配列されたパッキング(arranged packings)及びランダムパッキングである。好適な態様においては、低圧落下蒸留内部品、例えば配列されたパッキング又はランダムパッキングが使用される。引抜き部での滞留時間は、蒸留内部品により物質移動が強められると共に、同時に低い酸濃度を伴い、有利には有機及び無機化合物の急速な分解及び分離をもたらす。
【0040】
本発明の方法で得られる粗ニトロトルエンは、一般にジニトロ化(dinitrated)化合物約0.5%未満及びジニトロクレゾール約0.8%未満を含む。
【0041】
本発明の方法において副流(substream)は、適当な場合には酸循環(circuit)中で副生物が濃縮することを避けるために取り除くことができる。
【0042】
本発明の方法において、低い含量のジニトロトルエン及びニトロ化クレゾールを含むトルエンを出発材料として使用する可能性もある。
【0043】
本発明の方法において、これに約2000ppmまでの水ガラスを加えることにより硫酸/リン酸を含む混酸成分により使用される材料への攻撃を妨げる可能性も存在する。
【0044】
本発明はさらに、以下の例示的な実施例によりさらに詳細に記載されるが、全ての部及びパーセントは示される以外は重量である。
【0045】
【実施例】
実施例1
ミニプラント(miniplant)において、毎時、H2SO4 75%、H3PO4 13%、及びH2O 12% 組成の酸 1.03kg、68%濃度の硝酸 0.33kg及びトルエン 0.33kgを撹拌タンクカスケードへ供給した。撹拌タンクの温度は約45℃であった。反応が完了した後、粗ニトロトルエンを静的(スタティック)分離機を用いて廃酸から分離した。廃酸は予熱器を介して蒸発機へ供給され、100mbar及び170℃でH2SO4 75%、H3PO4 13%、及びH2O 12%まで濃縮され、有機化合物は留去され又は分解された。濃縮された廃酸はニトロ化反応へ戻される。
【0046】
結果として得られる粗ニトロトルエンは以下の組成を有した:トルエン 2.23%、オルト−ニトロトルエン 55.88%、メタ−ニトロトルエン 4.39%、パラ−ニトロトルエン 37.16%、ジニトロトルエン 0.31%及びジニトロクレゾール 0.26%、
オルト−ニトロトルエン/パラ−ニトロトルエン=1.50。
【0047】
実施例2
ミニプラントにおいて、毎時、H2SO4 54%、H3PO4 38%、及びH2O 8% 組成の酸 1.03kg、68%濃度の硝酸 0.33kg及びトルエン0.33kgを撹拌タンクカスケードへ供給した。撹拌タンクの温度は約45℃であった。反応が完了した後、粗ニトロトルエンを静的分離機を用いて廃酸から分離した。廃酸は予熱器を介して蒸発機へ供給され、100mbar及び170℃でH2SO4 54%、H3PO4 38%、及びH2O 8%へ濃縮され、有機化合物は留去され又は分解された。濃縮された廃酸はニトロ化反応へ戻される。
【0048】
結果として得られる粗ニトロトルエンは以下の組成を有した:トルエン 2.44%、オルト−ニトロトルエン 54.99%、メタ−ニトロトルエン 4.42%、パラ−ニトロトルエン 37.67%、ジニトロトルエン 0.19%及びジニトロクレゾール 0.29%、
オルト−ニトロトルエン/パラ−ニトロトルエン=1.46。
【0049】
実施例3
ミニプラントにおいて、毎時、H2SO4 67%、H3PO4 22%、及びH2O 11% 組成の酸 1.03kg、68%濃度の硝酸 0.33kg及びトルエン 0.33kgを撹拌タンクカスケードへ供給した。撹拌タンクの温度は約45℃であった。反応が完了した後、粗ニトロトルエンを静的分離機を用いて廃酸から分離した。廃酸は予熱器を介して蒸発機へ供給され、100mbar及び168℃でH2SO4 67%、H3PO4 22%、及びH2O 11%へ濃縮され、有機化合物は留去され又は分解された。濃縮された廃酸はニトロ化反応へ戻される。
【0050】
結果として得られる粗ニトロトルエンは以下の組成を有した:トルエン 2.25%、オルト−ニトロトルエン 55.66%、メタ−ニトロトルエン 4.36%、パラ−ニトロトルエン 37.24%、ジニトロトルエン 0.23%及びジニトロクレゾール 0.26%、
オルト−ニトロトルエン/パラ−ニトロトルエン=1.49。
【0051】
比較実施例1
ミニプラントにおいて、毎時、87.7%濃度の硫酸 0.80kg、67%濃度の硝酸 0.31kg及びトルエン 0.32kgを撹拌タンクカスケードへ供給した。撹拌タンクの温度は約40℃であった。反応が完了した後、粗ニトロトルエンを静的分離機を用いて廃硫酸から分離された。廃硫酸は予熱器を介して蒸発機へ供給し、100mbar及び168℃で87.7%へ濃縮され、有機化合物は留去され又は分解された。廃硫酸はニトロ化反応へ戻すことができる。
【0052】
結果として得られる粗ニトロトルエンは以下の組成を有した:トルエン 3.27%、オルト−ニトロトルエン 57.58%、メタ−ニトロトルエン 4.13%、パラ−ニトロトルエン 34.68%、ジニトロトルエン 0.08%及びジニトロクレゾール 0.38%、
オルト−ニトロトルエン/パラ−ニトロトルエン=1.66。
【0053】
比較実施例2
複数のループ反応器の存在するカスケードへ、毎時、ニトロ化(nitrated)トルエン及びクレゾールの少量を含む約97%純度のトルエンの3000l、87%濃度の硫酸3700 l、及び67から68%の濃度の硝酸1800lを供給した。反応器は43から47℃の温度で操作された。反応が完了した後、粗ニトロトルエンを遠心分離機を用いて廃硫酸から分離した。廃硫酸を約170℃、100mbarで最初の値87%まで再濃縮し、ニトロ化反応へ再循環した。
【0054】
結果として得られる粗ニトロトルエンは以下の組成を有した:トルエン 4.13%、オルト−ニトロトルエン 57.12%、メタ−ニトロトルエン 4.18%、パラ−ニトロトルエン 34.17%、ジニトロトルエン 0.12%及びクレゾール 0.71%、
オルト−ニトロトルエン/パラ−ニトロトルエン=1.67。
【0055】
本発明の実施例を比較すると、一般の反応条件のために比較できる値において、より少量のパラ−ニトロトルエン、その他の点では同様な副生物のスペクトル(spectrum)が見いだされた。
【0056】
本発明は、それらのある種の好適な変法(versions)により詳細に記載されているけれども、他の変法も可能である。従って、添付された特許請求の範囲の精神及び範囲は、そこで含まれた変法の記載に制限されるものではない。
【0057】
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
1.トルエン、硝酸、及び混酸成分を反応器へ供給し、そして等温反応条件下で、トルエンと硝酸及び混酸成分とを反応させ、ここで
混酸成分は約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水を含む、
ことを含むモノニトロトルエンの製造のための連続方法。
2.反応器へ供給される硝酸及びトルエンが約60から約70%の濃度であることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.反応器が反応器出口を有し、粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から、液−液相分離により分離することを特徴とする上記1に記載の方法。
4.廃酸を一段濃縮に供し、約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水を含む濃縮された廃酸の組成物を生成することを特徴とする上記3に記載の方法。
5.濃縮された廃酸を循環中のニトロ化反応へ戻すように再循環することを特徴とする上記4に記載の方法。
6.i)約60から約70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給し、
ii)粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離し、
iii)廃酸を一段濃縮で、約45から約80%の硫酸、約9から約45%のリン酸及び約5から約15%の水の範囲の濃縮された廃酸組成物まで濃縮し、そして
iv)濃縮された廃酸を、ニトロ化反応が行なわれる、循環中の反応器へ戻すように再循環する、
ことを特徴とする上記1に記載の方法。
7.混酸成分が約64から約78%の硫酸、約10から約27%のリン酸及び約8から約13%の水を含むことを特徴とする上記1に記載の方法。
8.反応器へ供給される硝酸及びトルエンが約60から約70%の濃度であることを特徴とする上記1に記載の方法。
9.硝酸が約65から約68%の濃度を有することを特徴とする上記1に記載の方法。
10.トルエンが、硝酸1当量に基づいて、約0.98から約1.1当量の範囲の量で存在することを特徴とする上記1に記載の方法。
11.トルエンが、硝酸1当量に基づいて、約1.01から約1.05当量の範囲の量で使用されることを特徴とする上記1に記載の方法。
12.反応器が反応器出口を有し、反応器出口で廃酸が、約54から約67%の硫酸、約7から約22%のリン酸及び約18から約27%の水を含む組成物であることを特徴とする上記1に記載の方法。
13.i)粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離し、
ii)廃酸を一段濃縮で、濃縮された廃酸組成物まで濃縮し、ここで濃縮が、約30から約300mbarの範囲の圧力及び約100から約200℃の範囲の温度で蒸発機で行なわれる
ことを特徴とする上記1に記載の方法。
14.濃縮がカスケード形の蒸発機で行なわれることを特徴とする上記13に記載の方法。
15.蒸発機が引抜き部を備えて操作されることを特徴とする上記14に記載の方法。
16.反応温度が、約20から約80℃の範囲であることを特徴とする上記1に記載の方法。
17.水ガラス 2000ppmまでが反応器に加えられることを特徴とする上記1に記載の方法。
Claims (2)
- トルエン、硝酸、及び混酸成分を反応器へ供給し、そして等温反応条件下で、トルエンと硝酸及び混酸成分とを反応させ、ここで
混酸成分は45から80%の硫酸、9から45%のリン酸及び5から15%の水を含む、
ことを含むモノニトロトルエンの製造のための連続方法。 - i)60から70%濃度の硝酸及びトルエンを反応器に供給し、
ii)粗ニトロトルエンを反応器出口で廃酸から分離し、
iii)廃酸を一段濃縮で、45から80%の硫酸、9から45%のリン酸及び5から15%の水の範囲の濃縮された廃酸組成物まで濃縮し、そして
iv)濃縮された廃酸を、ニトロ化反応が行なわれる循環中の反応器へ戻すように再循環する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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