JP4257141B2 - 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置 - Google Patents

多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4257141B2
JP4257141B2 JP2003087067A JP2003087067A JP4257141B2 JP 4257141 B2 JP4257141 B2 JP 4257141B2 JP 2003087067 A JP2003087067 A JP 2003087067A JP 2003087067 A JP2003087067 A JP 2003087067A JP 4257141 B2 JP4257141 B2 JP 4257141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
porous film
forming
semiconductor device
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003087067A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004292642A (ja
Inventor
勤 荻原
不二夫 八木橋
秀夫 中川
勝 笹子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd, Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2003087067A priority Critical patent/JP4257141B2/ja
Publication of JP2004292642A publication Critical patent/JP2004292642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4257141B2 publication Critical patent/JP4257141B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電特性、密着性、塗膜の均一性、機械強度に優れ、吸湿性を低減化した多孔質膜を形成しうる膜形成用組成物、多孔質膜の形成方法及び形成された多孔質膜、並びに多孔質膜を内蔵する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の形成においては、その高集積化に伴い、金属配線間の寄生容量である配線間容量の増加に起因する配線遅延時間の増大が半導体回路の高性能化の妨げになっている。配線遅延時間は、金属配線の電気抵抗と配線間の静電容量の積に比例する所謂RC遅延と呼ばれるものである。この配線遅延時間を小さくするためには、金属配線の抵抗を小さくするか又は配線間の容量を小さくすることが必要である。
このようにして配線金属の抵抗及び配線間容量を小さくする事によって、半導体装置は高集積化しても配線遅延を引き起こさなくなるため、半導体装置サイズの縮小と高速化が可能になり、さらに消費電力も小さく抑えることが可能になる。
【0003】
金属配線の抵抗を小さくするために、最近では従来適用されてきたアルミニウムによる配線に対し、金属銅を配線として用いる半導体装置構造が採用されるようになってきた。しかしこれのみでは高性能化に限界があり、配線間容量の低減が半導体のさらなる高性能化にとって急務となってきている。
【0004】
配線間容量を小さくする方法としては、金属配線同士の間に形成される層間絶縁膜の比誘電率を低くすることが考えられる。このような低比誘電率の絶縁膜としては従来用いられてきたシリコン酸化膜に代えて多孔質膜の検討が行われており、特に比誘電率2.0以下の材料としては多孔質膜が唯一実用的な膜と言え、そこで種々の多孔質膜の形成方法が提案されている。
【0005】
第一の多孔質膜の形成方法としては、熱的に不安定な有機成分を含むシロキサンポリマーの前駆体溶液を合成した後、その前駆体溶液を基板上に塗布して塗布膜を形成し、その後熱処理を行って有機成分を分解、揮発させることによって、成分が揮発した後に多数の細孔を形成させるという方法がある。
【0006】
第二の多孔質膜の形成方法としては、シリカゾル溶液を基板上に塗布するかCVD法を行うことによってウェットゲルを形成した後、このウェットゲルから溶媒の蒸発速度を制御することにより、体積収縮を抑制しながらシリカゾルの縮合反応を行わせ、多孔質膜を形成する方法が知られている。
【0007】
第三の多孔質膜形成方法としては、シリカ微粒子の溶液を基板上に塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜を焼き固めることによって、シリカ微粒子同士の間に多数の細孔を形成する方法が知られている。
【0008】
さらに第四の方法として、特許文献1には、(A)(R')aSi(OR")4-a(R'とR"は一価の有機基で、aは0〜2の整数)で表される成分、(B)金属キレート化合物、及び(C)ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物を含有することを特徴とする多孔質膜形成用組成物に関する提案がなされている。
【0009】
しかしながら、これらの方法にはそれぞれ大きな欠点がある。即ち、第一の多孔質膜の形成方法は、シロキサンポリマーの前駆体溶液を合成する必要があるのでコストが高くなるという問題があると共に、前駆体溶液を塗布して塗布膜を形成するため、塗布膜中に残留するシラノール基の量が多くなるので、後に行われる熱処理工程において水分などが蒸発する脱ガス現象及び多孔質膜の吸湿に起因する膜質の劣化などの問題がある。
【0010】
また、第二の多孔質膜の形成方法は、ウェットゲルからの溶媒の蒸発速度を制御するために特殊な塗布装置が必要になるので、コストが高くなるという問題がある。さらに、細孔の表面に多数のシラノールが残留し、このままでは吸湿性が高く著しい膜質の劣化が生じるため、表面のシラノールをシリル化する必要があるので、工程が複雑になるという問題もある。なお、ウェットゲルをCVD法により形成する場合には、半導体プロセスで通常用いられているプラズマCVD装置とは異なる特殊なCVD装置が必要になるので、やはりコストが高くなるという問題がある。
【0011】
第三の多孔質膜形成方法は、シリカ微粒子同士の間に形成される細孔の径は、幾何学的に堆積されるシリカ微粒子の堆積構造により決定されるため、細孔の径が非常に大きくなってしまうため、多孔質膜の比誘電率を2以下にすることが困難であるという問題がある。
【0012】
第四の方法の場合、(A)、(B)、(C)の三成分中(B)の金属キレート化合物は、(A)、(C)の両成分の相溶性を向上させ、硬化後の塗膜の厚さを均一にするために必要な成分であり必須であるが、製造プロセスを複雑化し、コストも上昇させる要因となり好ましくない。即ちキレート成分なしで均一な溶液が形成でき、硬化後の塗膜も平坦であるような材料の開発が望まれている。
【0013】
このような従来用いられた多孔質膜の形成方法に対して、界面活性剤から形成されるミセルを鋳型にして、アルミノシリケートやシリカ等を縮合させ、構造を形成した後界面活性剤成分をか焼するか又は溶媒抽出することによって除去し、メソ孔(直径2〜50nmの細孔)サイズのチャンネル構造を有する多孔体を形成する方法が報告されている。例えば、稲垣らは界面活性剤を鋳型としてポリケイ酸塩を水中で反応させる方法を発表している(非特許文献1)。 また、特許文献2では、界面活性剤を鋳型にしてテトラアルコキシシランを水中において酸性条件下反応させて基板上に塗布することによって1〜2nmの細孔径を有するシリカ多孔体薄膜を形成させる方法が示されている。
【0014】
しかし、これらの方法においても、第一の方法では粉末状の多孔体の形成は容易に可能であるものの、半導体デバイス製造のために用いられる基板上に薄膜として多孔体膜を形成することは出来ないという問題点がある。第二の方法では薄膜状に多孔体が形成可能であるが細孔配列方向の制御が出来ず、しかも広い面積で均一な薄膜を形成する事ができないという問題がある。
【0015】
さらに、特許文献3には、シリコンアルコキシドの酸加水分解縮合物と界面活性剤の混合物をpH3以下に調製し安定化したものを用いてシリカメソ多孔体薄膜を形成する方法が開示されている。しかし、この場合においても、溶質濃度が規定されるために塗布膜厚を任意に制御することが困難であり実際の半導体製造プロセスに応用することは困難である。また、この溶液を水で希釈した場合には、塗布膜厚の制御は可能になるものの、シリカ成分の重縮合の速度が大きくなってしまい塗布液の安定性が失われるという問題がある。
【0016】
一方、特許文献4や特許文献5などでは、シラン化合物の加水分解縮合により誘電特性に優れた塗布液を得ている。しかしながら、実際の半導体製造プロセスで使用するためには、5GPa以上弾性率が必要とされているが、これらの発明においても十分な機械的強度があるとはいえない。
【0017】
以上のように、従来の材料では熱処理工程において膜質の劣化が生じたり、コストが高くなるという問題を有していた。また、多孔質膜を形成する際に塗布特性が悪いという問題を有していた。さらに、従来の多孔質膜を半導体装置の多層配線に絶縁膜として組み込む場合に、半導体装置製造に必要な機械強度が得られないと言う問題を有していた。
このように、半導体装置の多層配線に絶縁膜として使用する多孔質膜の比誘電率が大きいと半導体装置の多層配線におけるRC遅延の増大をもたらし、半導体装置の性能(高速、低消費電力)の向上が図れないという大きな問題があった。また、その多孔質膜の機械強度が弱いと半導体装置の信頼性が低下するという問題があった。
【0018】
【特許文献1】
特開2000−44875号公報
【特許文献2】
特開平9−194298号公報
【特許文献3】
特開2001−130911号公報
【特許文献4】
特開2001−110529号公報
【特許文献5】
特開2001−203197号公報
【非特許文献1】
J.Chem.Soc.Chem.Commun.,p680,1993
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題に鑑みて、本発明は、通常の半導体プロセスに用いられる方法によって、容易に、任意に制御された膜厚の薄膜が形成可能であり、機械的強度及び誘電特性に優れた多孔質膜形成用塗布液を提供することを目的とする。また、本発明は、この多孔質膜を内蔵する高性能かつ高信頼性を備えた半導体装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記多孔質膜形成用塗布液の開発を目指し鋭意検討を行った結果、特定の四級アンモニウムケイ酸塩化合物の存在下で加水分解縮合させることにより、半導体製造プロセスに適用可能な機械的強度及び誘電特性を有する多孔質膜形成用組成物及び多孔質膜の製造方法に到達し、本発明を完成した。
【0021】
これまで、低誘電率絶縁膜を製造する分野では、殆どの場合、アルコキシシラン化合物又はハロゲン化シラン化合物を原料として、酸又は塩基を触媒として加水分解縮合し低誘電率絶縁塗布膜を製造する方法を提供している。
【0022】
特にアルコキシシラン化合物を塩基性触媒の存在下で加水分解縮合して得た縮合物から塗布膜を得る方法が一般的である。しかしながら、この場合以下のような問題点がある。即ち、加水分解したモノマー(式1)は、モノマー同士の縮合(式2)だけでなく縮合物と反応して(式3)高分子量化していく。
Figure 0004257141
なお、上式中、−SiORと−SiOHは、それぞれモノマーを表し、≡SiORと≡SiOHは、それぞれ縮合物を表す。
塩基性反応条件下の反応初期の段階では、これらの反応が競争的に進行している。このとき、未加水分解モノマーと縮合物とが反応していくと縮合物の分子内にアルコキシ基が残存する場合があることが知られている。この反応が進行すると、大量のアルコキシ基が縮合物分子内に残存し、その部分でのシロキサン結合の3次元ネットワークに欠陥が生じ塗布膜の強度を低下させる可能性がある。
【0023】
そこで、本発明では、塗布膜中の構造欠陥の原因である残存アルコキシ基を最小限にするために、反応系内に四級アンモニウムケイ酸塩化合物を存在させると、良好な物性を有する低誘電率絶縁膜を得ることができることを見出して本発明を完成させた。
【0024】
即ち、反応初期の段階では、モノマーの加水分解速度とモノマー関連の縮合速度(式2)(式3)には、縮合物の分子量が低いため、あまり反応速度差がないため、モノマーの加水分解が完了する前に他のモノマーや縮合物と反応が進行してしまい、縮合物内にアルコキシ基が残存しやすい。
本発明では、反応系内に、後述の一般式(2)で表される四級アンモニウムケイ酸塩化合物が反応溶液に存在するため、
−SiOX+H2O → −SiOH+XOH ・・・(式5)
(式5)に示されるように四級アンモニウムケイ酸塩化合物由来のケイ酸が、反応の初期は大量に存在するため、副生してしまった縮合物中のアルコキシ基と素早く反応し、縮合物中のアルコキシ基をシロキサン結合に変換していくため、縮合物中の残存アルコキシ基の数を減らすことができる。そして、反応が進行していくと縮合物の分子量が大きくなり、縮合反応速度が低下してくると、モノマーが完全に加水分解するまでの反応時間を稼ぐことができるようになり、未反応モノマーと縮合物との縮合反応が殆ど発生することがなく、分子内に構造欠陥となるアルコキシ基が残留しないことを見出し、塗布膜全体の機械的強度を向上させる効果があることを見つけ出した。
【0025】
即ち、本発明で使用されるケイ酸化合物は、加水分解縮合の触媒としてだけでなく、これ自身が縮合反応に関与し、縮合物中のアルコキシ基を減らし機械的強度を向上させる効果を有するものであるところが、従来知られているアンモニア系、アミン系、四級窒素オニウム系触媒と異なるところである。
【0026】
本発明は、下記一般式(1)で表されるシラン化合物の一種以上を、一般式(2)で表されるケイ酸化合物の存在下で加水分解縮合して得られる縮合物及び有機溶媒を含有することを特徴とする多孔質膜形成用組成物を提供する。
1 nSi(OR2)4-n (1)
3 mSi(OH)k(OX)4-k-m (2)
(上式中、R1は炭素数1〜8の有機基を表し、R1が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、nは0〜3の整数である。R3は炭素数1〜8の有機基を表し、R3が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Xは四級アンモニウムを表し、kは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、m+k≦3を満足する。)
また、本発明は、この多孔質膜形成用組成物を塗布する塗布工程と、その後の乾燥工程と、乾燥された塗布膜硬化のための加熱工程とを含む多孔質膜の製造方法を提供する。さらに、この多孔質膜形成用組成物を用いて得られる多孔質膜を提供する。これらは、半導体製造プロセスに適用でき、優れた誘電特性及び機械的強度を有する層間絶縁膜を提供するものである。
【0027】
本発明の半導体装置は、下記一般式(1)
1 nSi(OR2)4-n (1)
(上式中、R1は炭素数1〜8の有機基を表し、R1が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、R2は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、nは0〜3の整数である。)
で表されるシラン化合物の一種以上を、一般式(2)で表されるケイ酸化合物
3 mSi(OH)k(OX)4-k-m (2)
(上式中、R3は炭素数1〜8の有機基を表し、R3が複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Xは四級アンモニウムを表し、kは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、m+k≦3を満足する。)
の存在下で加水分解縮合して得られる縮合物及び有機溶媒を含有する多孔質膜形成用組成物を用いて形成された多孔質膜を内部に備えている。具体的には、半導体装置の多層配線の絶縁膜として前記多孔質膜が使用されている。
このようにすると、半導体装置の機械強度を確保した上で多孔質膜の吸湿性が低減されるため低誘電率の絶縁膜を内蔵した半導体装置が実現される。絶縁膜の低誘電率化により、多層配線の周囲の寄生容量は低減され、半導体装置の高速動作及び低消費電力動作が達成される。
また、本発明の半導体装置において、多層配線の同一層の金属配線間絶縁膜、又は、上下金属配線層の層間絶縁膜に、多孔質膜が存在することが好ましい。このようにすると、高性能かつ高信頼性を備えた半導体装置が実現される。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる一般式(1)で示されるシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ブチルジメチルメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に用いられる一般式(1)で示されるシラン化合物として、好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシランである。
【0029】
本発明に用いられる一般式(2)で示されるケイ酸化合物は、1個以上の加水分解性基を有するシラン化合物、シリカ又はシロキサンポリマーと四級アンモニウム水酸化物とを加熱処理することで得ることができる。
【0030】
例えば、加水分解性基を1個有するシラン化合物としては、トリメチルフルオロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリエチルブトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、ブチルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシランなどを例示できる。
【0031】
また、加水分解性基を2個有するシラン化合物としては、ジメチルジフルオロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシランなどを例示できる。
【0032】
加水分解性基を3個有するシラン化合物としては、メチルトリフルオロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリフルオロシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリブロモシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリフルオロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリブロモシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリフルオロシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリブロモシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、アミルトリフルオロシラン、アミルトリクロロシラン、アミルトリブロモシラン、アミルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、アミルトリプロポキシシラン、アミルトリブトキシシラン、ヘキシルトリフルオロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリブロモシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリブトキシシラン、2−エチルヘキシルトリフルオロシラン、2−エチルヘキシルトリクロロシラン、2−エチルヘキシルトリブロモシラン、2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、2−エチルヘキシルトリエトキシシラン、2−エチルヘキシルトリプロポキシシラン、2−エチルヘキシルトリブトキシシラン、ビニルトリフルオロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、フェニルトリフルオロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリブロモシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシランなどを例示できる。
【0033】
加水分解性基を4個有するシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
1個以上の加水分解性基を有するシラン化合物としては、好ましくは、3個以上の加水分解基を有するシラン化合物であり、より好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシランである。
【0035】
シリカとしては、キャボジル(キャボット社製)などの容易に入手できる市販品を使用できる。
また、シロキサンポリマーとしては、シリコーンオイルなどの市販のシリコーン化合物を使用できる。
【0036】
また、四級アンモニウム水酸化物としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、コリン、水酸化トリエチルメチルアンモニウム、水酸化メチルトリプロピルアンモニウム、水酸化トリブチルメチルアンモニウムなどを例示できるがこれらに限定されるものではない。四級アンモニウム水酸化物としては、特に好ましくは、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン、水酸化テトラプロピルアンモニウムである。
【0037】
四級アンモニウムケイ酸塩は、上記のシラン化合物、シリカ又はシロキサンポリマーと四級アンモニウム水酸化物を水中で加熱処理することで容易に得ることができる。また、市販品でもケイ酸テトラメチルアンモニウム(アルドリッチ社製)は入手することができる。好ましくは、一般式(2)の四級アンモニウム(X)が、炭素数1〜20のアルキル基を有する化合物である。四級アンモニウムケイ酸塩としては、好ましくは、ケイ酸テトラメチルアンモニウム、ケイ酸2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、ケイ酸テトラプロピルアンモニウム、メチルケイ酸テトラメチルアンモニウム、メチルケイ酸2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、メチルケイ酸テトラプロピルアンモニウム、エチルケイ酸テトラメチルアンモニウム、エチルケイ酸2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、エチルケイ酸テトラプロピルアンモニウム等が挙げられる。
【0038】
本発明における製造手順を例示すると、四級アンモニウムケイ酸塩、水及び必要に応じて有機溶媒の混合溶液中に、一般式(1)で示されるシラン化合物を所定の温度及び時間で反応させることにより目的の縮合物を得ることが出来るが、この方法に限定されるわけではない。
【0039】
このとき添加される四級アンモニウムケイ酸塩の量は、シラン化合物のモル量の合計に対して、好ましくは0.001〜50倍モル、より好ましくは0.01〜20倍モルである。
【0040】
加水分解のための水は、好ましくは、シラン化合物を完全に加水分解するために必要なモル数の1〜1000倍量、より好ましくは1.5〜100倍量が用いられる。
【0041】
このとき使用される有機溶媒としては、シラン化合物のアルコキシ基に対応するアルコール等の溶媒を選ぶことができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン等が挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒の添加量は、シラン化合物の重量の合計に対して、好ましくは0.1〜500倍重量、より好ましくは1〜100倍重量である。
【0042】
この反応における反応温度としては通常0℃から加水分解縮合によって生成するアルコールの沸点の範囲であり、好ましくは室温から100℃である。反応時間は、特に限定されないが、通常10分から30時間であり、さらに好ましくは30分から10時間程度行われる。
このような縮合物の好ましい重量平均分量しては、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)を用いポリエチレン換算では、10,000〜1,000,000である。
【0043】
この縮合物を塗布液用途に置換する溶媒としては、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、n−アミルナフタレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチオンなどのケトン系溶媒、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジエチルカーボネート、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒などを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
溶剤の置換は方法としては、ロータリーエバポレーターなどや蒸発缶などの装置を用いて、大気圧以下の圧力で蒸留によって溶媒交換するのが好ましいが、これに限られるものではない。
【0045】
これらの組成物では溶質の濃度を制御しかつ適当な回転数を用いてスピン塗布することで、任意の膜厚の薄膜が形成可能になる。実際の膜厚としては、通常0.2〜1μm程度の膜厚の薄膜が形成されるがこれに限定されるものではなく、例えば複数回塗布することで更に大きな膜厚の薄膜形成も可能である。この際、希釈に用いる溶媒としては、上記、塗布液用に置換する溶媒と同じものを挙げることが出来る。これらは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
希釈の程度としては、粘度や目的とする膜厚等により異なるが、通常、溶媒が50〜99重量%、より好ましくは75〜95重量%となる量である。
【0046】
このようにして形成された薄膜は、乾燥工程(通常、半導体プロセスでプリベークと呼ばれる工程)で、好ましくは、50〜150℃に数分間加熱することで溶媒を除去する。乾燥工程の後に、塗布膜を硬化させるための加熱工程を設ける。塗布膜を硬化させるための加熱工程では、好ましくは150〜500℃、より好ましくは200〜400℃に加熱され、加熱時間は、好ましくは1〜300分、より好ましくは1〜100分である。
【0047】
得られた薄膜は、膜全体に対して機械的強度が大きく、ナノインデンテーションによる測定で硬度として通常1〜10GPa、弾性率として5〜50GPa程度のものが得られる。これは、通常シリコーンレジン中に熱分解型ポリマーを添加して、これを加熱によって除去し空孔を形成するタイプの多孔質材料では、硬度として0.05〜2GPa、弾性率として1.0〜4.0GPa程度しか得られないことに比較し、極めて機械的強度の大きな薄膜が得られていると言える。
【0048】
本発明の多孔質膜は、特に半導体集積回路における配線の層間絶縁膜として好ましい。半導体装置は、高集積化しても配線遅延を引き起こさなくするために、配線間容量を小さくすることが必要となる。これを達成するための種々の手段が考えられているが、金属配線同士の間に形成される層間絶縁膜の比誘電率を低くすることもその一つである。本発明の多孔質形成用組成物を用いて層間絶縁膜を製造すると、半導体装置サイズの縮小と高速化が可能になり、さらに消費電力も小さく抑えることが可能になる。
【0049】
従来は低誘電率化するために膜に空孔を導入し多孔質とした場合、膜を構成する材料の密度が低下するため、膜の機械的な強度が低下してしまうという問題がある。機械的な強度の低下は、半導体装置の強度自体に影響を及ぼすのみならず、製造プロセスにおいて通常用いられる化学的機械研磨のプロセスにおいて充分な強度を有しないために剥離を引き起こすという問題がある。特に、本発明にかかる多孔質膜を半導体の層間絶縁膜として用いる場合には、多孔質膜でありながら大きな機械的強度及び低い比誘電率を有するためにこのような剥離を引き起こさず、高信頼性で高速、しかもサイズの小さな半導体装置を製造することが可能になる。
【0050】
本発明の多孔質膜は、特に半導体装置における配線の層間絶縁膜として好ましい。半導体装置は、高集積化しても配線遅延を引き起こさなくするには配線容量を小さくすることが必要となる。これを達成するための種々の手段が考えられているが、金属配線同士の間に形成される層間絶縁膜の比誘電率を低くすることもその一つである。
本発明の多孔質膜形成用組成物を用いて層間絶縁膜を製造すると、半導体装置の微細化と高速化が可能になり、さらに消費電力も小さく抑えることができる。
【0051】
なお、低誘電率化するために膜に空孔を導入し多孔質とした場合、膜を構成する材料の密度が低下するため、膜の機械的な強度が低下してしまうという問題がある。機械的な強度の低下は、半導体装置の強度自体に影響を及ぼすのみならず、製造プロセスにおいて通常用いられる化学的機械研磨のプロセスにおいて充分な強度を有しないために剥離を引き起こすという問題がある。特に、本発明に係る多孔質膜を半導体装置の多層配線における層間絶縁膜として用いる場合には、多孔質膜でありながら大きな機械的強度を有するためにこのような剥離を引き起こさず、製造された半導体装置の信頼性が大幅に改善される。
【0052】
本発明の半導体装置の実施形態について説明する。図1は、本発明の半導体装置の一例の概略断面図を示す。
図1において、1は基板を示しており、Si基板、SOI(Si・オン・インシュレータ)基板等のSi半導体基板であるが、SiGeやGaAs等々の化合物半導体基板であってもよい。2はコンタクト層の層間絶縁膜である。3、5、7、9、11、13、15及び17は、配線層の層間絶縁膜である。最下層の配線層の層間絶縁膜3から最上層の配線層の層間絶縁膜17までの配線層を順に略称でM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7及びM8と呼ぶ。4、6、8、10、12、14及び16はビア層の層間絶縁膜であり、最下層のビア層の層間絶縁膜4から順に上層に向かって、略称でV1、V2、V3、V4、V5、V6及びV7と呼ぶ。18と21〜24は金属配線を示している。同様に同じ模様の部分は金属配線を示している。19は、ビアプラグであり、金属により構成される。通常銅配線の場合には銅が用いられる。図中、番号が省略されていてもこれと同じ模様の部分はビアプラグを示している。20はコンタクトプラグであり、基板1の最上面に形成されたトランジスタ(図示外)のゲートあるいは基板へ接続される。このように、配線層とビア層は交互に積み重なった構成となっており、一般に、多層配線とはM1から上層部分のことを指す。通常、M1〜M3をローカル配線、M4とM5を中間配線あるいはセミグローバル配線、M6〜M8をグローバル配線と呼ぶことが多い。
【0053】
本発明の半導体装置は、配線層の層間絶縁膜3、5、7、9、11、13、15、17、もしくは、ビア層の層間絶縁膜4、6、8、10、12、14、16の少なくとも1以上の層に、本発明の多孔質膜を用いたものである。
例えば、配線層(M1)の層間絶縁膜3に本発明の多孔質膜を用いている場合、金属配線21と金属配線22の間の配線間容量が大きく低減できる。また、ビア層(V1)の層間絶縁膜4に本発明の多孔質膜を用いている場合、金属配線23と金属配線24の間の配線間容量を大きく低減することができる。このように、配線層に本発明の低比誘電率を有する多孔質膜を用いると、同一層の金属配線間容量を大きく低減できる。また、ビア層に本発明の低比誘電率を有する多孔質膜を用いると、上下金属配線の層間容量を大きく低減できる。
したがって、すべての配線層及びビア層に本発明の多孔質膜を用いることにより、配線の寄生容量を大きく低減できる。本発明の多孔質膜を配線の絶縁膜として使用することにより、従来問題となっていた多孔質膜を積層形成して多層配線を形成する際の多孔質膜の吸湿による誘電率の増大も発生しない。その結果、半導体装置の高速動作及び低消費電力動作が実現される。また、本発明の多孔質膜は機械強度が強いため、半導体装置の機械強度が向上し、その結果半導体装置の製造上の歩留まりや半導体装置の信頼性を大きく向上させることができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されるものではない。
実施例1
エタノール500g、超純水200g、15重量%ケイ酸テトラメチルアンモニウム(アルドリッチ社製)66.5gを均一に混合した。この溶液を55℃に昇温させた後、この温度でメチルトリメトキシシラン45g及びテトラエトキシシラン49gの混合物を約20分間で滴下した。滴下終了後、そのまま55℃で2時間撹拌した後、氷酢酸6g及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル450gを加え、ロータリーエバポレーターで溶液重量が450gになるまで濃縮した。この溶液に、酢酸エチル500g及び超純水500gを加えて攪拌、静置、分液し、有機層を再び濃縮し、溶液重量が350gになるまで濃縮し、目的の塗布液を得た。これを、スピンコーターを用いて、1,500rpmで1分間回転塗布して8インチウェーハー上に成膜した。これを、ホットプレートを用い120℃2分間加熱したときの膜厚は8,000Åであった。これを250℃で3分間加熱後、クリーンオーブンを用い窒素雰囲気下450℃で1時間加熱した。このときの膜厚は7,200Åであった。このようにして形成された塗布膜の比誘電率は、2.2、弾性率は5.5GPaであった。
【0055】
なお、物性測定方法として、比誘電率は、自動水銀CV測定装置495−CVシステム(日本SSM社製)を使って、自動水銀プローブを用いたCV法で測定し、弾性率は、ナノインデンター(ナノインスツルメンツ社製)を使って測定した。
【0056】
実施例2
メチルトリメトキシシラン2.5gを25重量%テトラメチルアンモニウム水溶液18gに加え、60℃、3時間撹拌した。得られた水溶液に、エタノール500g、超純水200gを加え均一に混合した。この溶液を55℃に昇温させた後、この温度でメチルトリメトキシシラン43g及びテトラエトキシシラン65gの混合物を約20分間で滴下した。滴下終了後、そのまま55℃で2時間撹拌した後、氷酢酸6g及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル450gを加え、ロータリーエバポレーターで溶液重量が450gになるまで濃縮した。この溶液に、酢酸エチル500g及び超純水500gを加えて攪拌、静置、分液し、有機層を再び濃縮し、溶液重量が350gになるまで濃縮し、目的の塗布液を得た。これを、実施例1と同様の方法で成膜した。このときの膜厚は6,800Åであった。このようにして形成された塗布膜の比誘電率は、2.2、弾性率は5.2GPaであった。
【0057】
比較例1
テトラエトキシシラン60g及びメチルトリメトキシシラン30g混合溶液を40%メチルアミン水溶液10g、超純水640g及びエタノール1200gの混合溶液に加え、75℃で4時間攪拌した。この溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル300gを25℃で加え、そのまま1時間攪拌したのち、反応混合物を40℃で減圧濃縮し塗布液を300g得た。これを、実施例1と同様の方法で成膜し、物性を測定したところ、比誘電率が、2.4、弾性率が3.0GPaの塗布膜を得ることが出来た。
【0058】
実施例1〜2と比較例1の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004257141
【0060】
【発明の効果】
本発明の多孔質膜形成用組成物を用いると、容易に、任意に制御された膜厚で、多孔質膜を製造できる。この多孔質膜は、低い誘電率を有し、密着性、膜の均一性、機械的強度に優れる。また、本発明の組成物から形成される多孔質膜を多層配線の絶縁膜として使用することにより、高性能かつ高信頼性を有する半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 コンタクト層の層間絶縁膜
3 配線層(M1)の層間絶縁膜
4 ビア層(V1)の層間絶縁膜
5 配線層(M2)の層間絶縁膜
6 ビア層(V2)の層間絶縁膜
7 配線層(M3)の層間絶縁膜
8 ビア層(V3)の層間絶縁膜
9 配線層(M4)の層間絶縁膜
10 ビア層(V4)の層間絶縁膜
11 配線層(M5)の層間絶縁膜
12 ビア層(V5)の層間絶縁膜
13 配線層(M6)の層間絶縁膜
14 ビア層(V6)の層間絶縁膜
15 配線層(M7)の層間絶縁膜
16 ビア層(V7)の層間絶縁膜
17 配線層(M8)の層間絶縁膜
18 金属配線
19 ビアプラグ
20 コンタクトプラグ
21 金属配線
22 金属配線
23 金属配線
24 金属配線

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)
    Si(OR4−n (1)
    (上式中、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、nは0〜3の整数である。)
    で表されるシラン化合物の一種以上を、一般式(2)で表されるケイ酸化合物
    Si(OH)(OX)4−k−m (2)
    (上式中、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Xは四級アンモニウムを表し、kは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、m+k≦3を満足する。)
    の存在下で加水分解縮合して得られる縮合物及び有機溶媒を含有することを特徴とする多孔質膜形成用組成物。
  2. 上記四級アンモニウムが、炭素数1〜20のアルキル基を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質膜形成用組成物。
  3. 上記第四級アンモニウムが、テトラメチルアンモニウムと2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムとテトラプロピルアンモニウムとからなる一群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の多孔質膜形成用組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多項質膜形成用組成物を塗布する塗布工程と、その後の乾燥工程と、乾燥された塗布膜硬化のための加熱工程を含むことを特徴とする多孔質膜の製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多孔質膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とする多孔質膜。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多孔質膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とする層間絶縁膜。
  7. 下記一般式(1)
    Si(OR4−n (1)
    (上式中、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、nは0〜3の整数である。)
    で表されるシラン化合物の一種以上を、一般式(2)で表されるケイ酸化合物
    Si(OH)(OX)4−k−m(2)
    (上式中、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Rが複数含まれる場合には、各々独立して互いに同じでも異なってもよく、Xは四級アンモニウムを表し、kは0〜3の整数、mは0〜3の整数であり、m+k≦3を満足する。)
    の存在下で加水分解縮合して得られる縮合物及び有機溶媒を含有する多孔質膜形成用組成物を用いて形成された多孔質膜を内部に有することを特徴とする半導体装置。
  8. 上記四級アンモニウムが、炭素数1〜20のアルキル基を有する化合物であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 上記第四級アンモニウムが、テトラメチルアンモニウムと2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムとテトラプロピルアンモニウムとからなる一群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  10. 上記多孔質膜が、多層配線の同一層の金属配線間絶縁膜、又は、上下金属配線層の層間絶縁膜に存在することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の半導体装置。
JP2003087067A 2003-03-27 2003-03-27 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置 Expired - Fee Related JP4257141B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003087067A JP4257141B2 (ja) 2003-03-27 2003-03-27 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003087067A JP4257141B2 (ja) 2003-03-27 2003-03-27 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004292642A JP2004292642A (ja) 2004-10-21
JP4257141B2 true JP4257141B2 (ja) 2009-04-22

Family

ID=33401518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003087067A Expired - Fee Related JP4257141B2 (ja) 2003-03-27 2003-03-27 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4257141B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201833A (ja) 2007-02-16 2008-09-04 Shin Etsu Chem Co Ltd 膜形成用組成物、低誘電率絶縁膜、低誘電率絶縁膜の形成方法及び半導体装置
JP2009173760A (ja) * 2008-01-23 2009-08-06 Kaneka Corp 液状多面体構造ポリシロキサン系化合物および該化合物を用いた組成物と硬化物。
JP5251437B2 (ja) * 2008-11-07 2013-07-31 信越化学工業株式会社 親水性・帯電防止性付与コート剤組成物及びそれを塗工した物品
JP2012251119A (ja) * 2011-06-07 2012-12-20 Ulvac Japan Ltd ポーラスシリカ前駆体組成物及びその作製方法、ポーラスシリカ膜及びその作製方法、並びに半導体素子
CN105830771A (zh) * 2016-03-30 2016-08-10 刘厚良 一种具有收集功能的一体式花架
CN105794522A (zh) * 2016-03-30 2016-07-27 刘厚良 一种花盆花架一体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004292642A (ja) 2004-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6104785B2 (ja) ペルヒドロポリシラザン、およびそれを含む組成物、ならびにそれを用いたシリカ質膜の形成方法
JP5710308B2 (ja) 二酸化ケイ素膜の製造方法
EP1559761B1 (en) Porous-film-forming composition, preparation method of the composition, porous film and semiconductor device
JP4170735B2 (ja) ゼオライトゾルとその製造方法、多孔質膜形成用組成物、多孔質膜とその製造方法、層間絶縁膜及び半導体装置
JP2008205008A (ja) 半導体層間絶縁膜形成用組成物とその製造方法、膜形成方法と半導体装置
EP1564269A1 (en) Composition for porous film formation, porous film, process for producing the same, interlayer insulation film and semiconductor device
US20080118737A1 (en) Composition for forming porous film, porous film and method for forming the same, interlevel insulator film, and semiconductor device
JP2008201833A (ja) 膜形成用組成物、低誘電率絶縁膜、低誘電率絶縁膜の形成方法及び半導体装置
JP4180417B2 (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
JP2004307694A (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜及び半導体装置。
JP2004292636A (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
US20070087124A1 (en) Composition for forming porous film, porous film and method for forming the same, interlevel insulator film, and semiconductor device
JP2004161875A (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜とその製造方法、層間絶縁間膜及び半導体装置
US7332446B2 (en) Composition for forming porous film, porous film and method for forming the same, interlevel insulator film and semiconductor device
JP4139710B2 (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
JP4257141B2 (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
KR20160122056A (ko) 광전자 용도를 위한 폴리실록산 제제 및 코팅
JP2004307693A (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
TWI358427B (ja)
JP2004292639A (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置
JP4139711B2 (ja) 多孔質膜形成用組成物、多孔質膜の製造方法、多孔質膜、層間絶縁膜、及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees