JP4255755B2 - 二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法 - Google Patents

二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話基地局などの設備で使用される電子・電気機器のバックアップ用電源には鉛蓄電池が多く用いられていたが、最近はニッケル−金属水素化物電池の需要が高まっている。ニッケル−金属水素化物電池は鉛蓄電池に比べて高エネルギー密度で、軽量・小型化が可能であることがその要因である。
バックアップ用電源として使用されるニッケル−金属水素化物電池は、通常は負荷に電力を供給せず、間欠充電される。停電時に、負荷に電力を供給する(放電する。)。停電時にはユーザが、バックアップ用電源が放電可能な間に電力の復旧作業等の処置を行わなくてはならないため、バックアップ用電源の残存容量又は使用可能時間を、特に放電末期に正確に演算し表示する必要がある。以下、「残存容量」は、「その時点から放電可能な電気量」を表す。
【0003】
特許文献1(特開平9−178827号公報)に開示された電池容量の残量検出装置は、電池の放電中に所定時間内の電圧値変化量を測定し、所定時間値と電圧値変化量から、電池容量の残量(残存容量)に対応する残量時間を計算し、表示する。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−178827号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に二次電池をほぼ定電流で放電する場合、放電電気量(又は放電開始からの時間)に対して電池電圧は単調に減少する。放電末期には二次電池の放電電圧が急激に低下する。特許文献1に開示された二次電池の残存容量演算装置は、放電電圧が急激に低下することを検出して、放電末期に入ったこと(放電末期の残存容量)を表示した。しかし、メモリ効果を有する二次電池の場合、放電末期以外においても放電電圧が急激に低下することがある。それ故に、特許文献1に開示された二次電池の残存容量演算装置は、実際には残存容量が十分あるにも関わらず、小さな残存容量を表示する可能性があった。
【0006】
二次電池の残存容量が所定の範囲においては、二次電池の電圧はほとんど変化しない。放電電圧に基づいて残存容量を算出する二次電池の残存容量演算装置(特許文献1)は、二次電池の電圧がほとんど変化しない区間において、残存容量を正確に演算することは困難であった。
放電電流に基づいて放電電気量を積算し、残存容量から放電電気量を減算して、新たな残存容量を算出する二次電池の残存容量演算装置がある。しかし、この装置によれば、演算において考慮されない種々の要因により、演算された残存容量と実際の残存容量との間にわずかの誤差が生じる。放電末期においてはその誤差が累積する。放電末期において、残存容量演算装置が残存容量が未だあると表示しているにもかかわらず、実際には二次電池が完全放電状態に突然陥る恐れがあった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を提供することを目的とする。
本発明は、メモリ効果に起因して残存容量を誤って表示する恐れがなく、且つ放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を提供することを目的とする。
本発明は、二次電池の電圧がほとんど変化しない区間においても、放電末期においても、二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、二次電池の放電電圧を検出する電圧検出部と、前記二次電池の放電電流を検出する電流検出部と、前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値、二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量の最小値である最小放電終了時残存容量と、を記憶する記憶部と、前記電流検出部によって検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算部と、前記残存容量を表示する表示部と、を有し、前記残存容量演算部は放電中に、前記残存容量が前記記憶部に記憶された前記最小放電終了時残存容量より小さく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶部に記憶された第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、ことを特徴とする二次電池の残存容量演算装置である。
【0009】
請求項に記載の発明は、二次電池の放電電圧を検出する電圧検出ステップと、前記二次電池の放電電流を検出する電流検出ステップと、前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値と、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量の最小値である最小放電終了時残存容量と、を記憶する記憶ステップと、前記電流検出ステップにおいて検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算ステップと、前記残存容量を表示する表示ステップと、を有し、放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記残存容量が前記記憶ステップにおいて記憶した前記最小放電終了時残存容量より小さく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶ステップにおいて記憶した第2の所定値になった時、前記残存容量を所定残存容量に置き換える、ことを特徴とする二次電池の残存容量演算方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、二次電池の放電電圧を検出する電圧検出部と、前記二次電池の放電電流を検出する電流検出部と、前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量であって、少なくとも、それ以後の放電終了時残存容量よりも値が小さな放電終了時残存容量と、を記憶する記憶部と、前記電流検出部によって検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算部と、前記残存容量を表示する表示部と、を有し、前記残存容量演算部は放電中に、前記残存容量が前記記憶部に記憶された前記各放電終了時残存容量近傍の値でなく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶部に記憶された第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、ことを特徴とする二次電池の残存容量演算装置である。
【0011】
請求項に記載の発明は、二次電池の放電電圧を検出する電圧検出ステップと、前記二次電池の放電電流を検出する電流検出ステップと、前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値と、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量であって、少なくとも、それ以後の放電終了時残存容量よりも値が小さな放電終了時残存容量と、を記憶する記憶ステップと、前記電流検出ステップにおいて検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算ステップと、前記残存容量を表示する表示ステップと、を有し、放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記残存容量が前記記憶ステップにおいて記憶した前記各放電終了時残存容量近傍の値でなく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶ステップにおいて記憶した第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、ことを特徴とする二次電池の残存容量演算方法である。
【0012】
本発明は、放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を実現するという作用を有する。
本発明は、メモリ効果に起因して残存容量を誤って表示する恐れがなく且つ放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を実現するという作用を有する。
【0013】
「残存容量」は、その時点から電池電圧が放電終止電圧に達するまでに放電可能な電気量を表す。「放電電気量」は、放電開始から放電した電気量を表す。
「放電」は、負荷に電力を供給する放電及び負荷に電力を供給しない自己放電を含む。放電開始時の残存容量は任意である(満充電状態から放電を開始しなくても良い)。
例えば放電中、残存容量演算部は、所定の時間間隔で放電電流値をサンプリングし、その積算値(放電電気量)を放電開始時の残存容量から減じ、サンプリングの各タイミングでの残存容量を演算する。
二次電池が連続的に定電流放電する場合、放電曲線(放電開始からの時間に対する電池電圧のグラフ)は単調減少関数であり、放電末期において、急激な電圧降下が発生する。本発明の二次電池の残存容量演算装置及び残存容量演算方法は、放電末期に放電電圧の時間微分値が第2の所定値になったときに、残存容量を予め記憶部に記憶させた残存容量実測値に置き換え、正確な残存容量を表示する。
しかし、二次電池の放電電圧は、放電末期のみならず、メモリ効果の発生点においても、急激に降下する。本発明は、実際の残存容量が十分あるにも関わらず、メモリ効果に起因する放電電圧変動により誤って小さな残存容量を表示することを防止する。
【0014】
請求項2及び請求項の発明においては、二次電池が完全放電した後に、1又は複数回の充電及び不完全放電を行った場合に発生するメモリ効果の発生点のうち、メモリ効果を解消されていない点を少なくとも記憶する。即ち、完全放電後の放電終了時残存容量(放電深度)の中で、それ以前の放電深度よりも浅い放電深度の放電終了時残存容量を全て記憶する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記残存容量演算部は放電中に、前記の条件で且つ前記残存容量が前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が増大する放電初期における第1の所定値より小さい場合に、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二次電池の残存容量演算装置である。
【0016】
請求項に記載の発明は、放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記の条件で且つ前記残存容量が前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が増大する放電初期における第1の所定値より小さい場合に、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換えることを特徴とする請求項又は請求項に記載の二次電池の残存容量演算方法である。
二次電池の放電電圧は、放電末期のみならず、放電初期においても、急激に降下する。本発明の二次電池の残存容量演算装置及び残存容量演算方法は、更に放電初期(放電開始後の放電電気量が第1の所定値に達するまで)においても、放電電圧の時間微分値と第2の所定値との比較を行わない。これにより、実際の残存容量が十分あるにも関わらず、放電初期に誤って小さな残存容量を表示することを防止できる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記二次電池の温度を検出する温度検出部を更に有し、前記第2の所定値が、前記温度を変数とする値であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算装置である。
【0018】
請求項に記載の発明は、前記二次電池の温度を検出する温度検出ステップを更に有し、前記第2の所定値が、前記温度を変数とする値であることを特徴とする請求項から請求項のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算方法である。
第2の所定値は温度依存性を有する。本発明により、より正確に残存容量を推定する二次電池の残存容量演算装置及び残存容量演算方法を実現できる。
【0024】
請求項に記載の発明は、前記二次電池がニッケル−金属水素化物電池であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算装置である。
【0025】
請求項10に記載の発明は、前記二次電池がニッケル−金属水素化物電池であることを特徴とする請求項から請求項のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算方法である。
本発明は、特にメモリ効果を有する二次電池である、ニッケル−金属水素化物電池において、特に有用である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
【0027】
《実施の形態1》
図1〜図5を用いて、本発明の実施の形態1の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の残存容量演算装置を含むバックアップ電源用電池管理装置の構成図である。
【0028】
図1において、150は残存容量演算装置、101は二次電池、102は電源監視制御部、105は放電器、106は充電器、107は表示部、108は商用電源、109は整流器、110は負荷である。残存容量演算装置150は、残存容量演算部151、温度検出部152、電流検出部153、電圧検出部154及びタイマ部155を有する。
【0029】
通常、負荷110には商用電源108が供給されている。商用電源108からの交流電流は整流器109で直流電流に変換され、負荷110に供給される。二次電池101は、商用電源108が供給されている期間、充電器106によって間欠充電され、満充電状態が保持されている。充電器106は電源監視制御部102によって動作開始及び停止される。二次電池の残存容量がメモリ効果により減少することを防止するため、所定の期間毎に、電源監視制御部102は放電器105を動作させ、二次電池を完全放電させる。停電時に、電源監視制御部102は回路を切り替えて、二次電池101に放電させる。二次電池101は、負荷110へ電力を供給し(放電し)、バックアップ電源として機能する。実施の形態において、二次電池101の放電電流値はほぼ一定である。負荷110電流の急激な変動はないものとする。商用電源108が復旧した後、電源監視制御部102は二次電池101から負荷110への電力供給を中止し(放電を中止し)、商用電源108からの供給に切り替える。充電器106を動作させ、二次電池101を満充電する。なお、二次電池101の放電期間及び放電電気量は放電毎に様々である。
【0030】
二次電池101は、互いに直列及び/又は並列に接続されている複数の二次電池セル(図示しない。)、あるいは一つの二次電池セル(図示しない。)から構成されている。それぞれの二次電池セルは、メモリ効果を有する。実施の形態1において二次電池101はニッケル−金属水素化物電池である。
【0031】
温度検出部152は、二次電池101の内部温度、二次電池101の表面温度又は雰囲気温度のいずれかを検出し、残存容量演算部151の入出力部111に送信する。実施の形態において温度検出部152は二次電池101の表面温度(以下、「電池温度」と言う。)を検出する。電流検出部153は、二次電池101の放電電流、満充電電流を検出し、残存容量演算部151に送信する。電圧検出部154は二次電池101の電池電圧を検出し、残存容量演算部151に送信する。タイマ部155は時刻情報を残存容量演算部151に送信する。
【0032】
残存容量演算部151は、二次電池101の残存容量を推定し、電源監視制御部102に送信する。二次電池101の残存容量の情報は、表示部107に表示される。表示方法は、定量的な表示(例えばAhを単位とする値の表示)であっても良く、定性的な表示(例えば赤色発光ダイオードを点滅させて残存容量が小さいことを示す表示)でも良い。残存容量の情報の出力は、例えば直接ユーザが視覚的又は聴覚的に認識可能なように表示しても良く、ホスト装置等に残存容量の情報を送信しても良い。
【0033】
図2は、二次電池101の放電期間中の放電開始からの時間又は放電電気量に対する電池電圧、電池電圧の時間微分値、残存容量の一例を示すグラフである。図2(a)は、電池電圧と放電開始からの時間の関係を表すグラフ(以下、「放電曲線」と言う。)である。二次電池101の放電が、満充電状態から完全放電状態まで定電流で連続的に行われるときを想定する。完全放電状態とは、電池電圧が放電終止電圧Veまで降下した状態を言う。図2(b)は、電池電圧の時間微分値と放電開始からの時間の関係を表すグラフ、図2(c)は、残存容量と放電開始からの時間の関係を表すグラフである。放電電気量は放電開始からの時間に比例し、残存容量は放電開始からの時間をパラメータとし、比例係数が負の値である1次関数で表される。満充電状態での残存容量をSf、完全放電状態での残存容量を0とする。
【0034】
10は、二次電池101の電池電圧にメモリ効果の影響がない場合の放電曲線である。放電曲線10は単調減少関数であり、放電初期と放電末期は急激に電圧降下する。11は、二次電池101の電池電圧にメモリ効果の影響がない場合の放電曲線10の時間に関する1回微分(放電電圧の時間変化率)dV/dt(Vは電池電圧、tは時間)のグラフである。放電電圧の時間変化率dV/dtのグラフ11は、常に負の値をとる、上に凸の関数である。
【0035】
20は、二次電池101の電池電圧にメモリ効果の影響がある場合の放電曲線である。二次電池101を完全放電し、満充電した後、残存容量Smまで(放電開始からの時間Tmまで)不完全放電したときに放電を終了し、満充電し、更に完全放電した場合を想定する。放電曲線20は、時刻Tm付近で(残存容量がSmになる付近で)その前後より大きな傾きで電圧降下する屈曲部22を有する。このため、放電曲線20の1回微分dV/dtのグラフ21は、時刻Tm付近に凹部23を有する。凹部23はメモリ効果により発生する。時刻Tm以降は、放電曲線10とほぼ同様の形状(傾きがほぼ同じ)の曲線である。図2に示した例の場合、残存容量Smより下まで二次電池101を放電した後(例えば完全放電した後)、充電することにより、二次電池101へのメモリ効果の影響(残存容量Smの近傍で発生するグラフ21の凹部23)は消え、放電曲線20は放電曲線10に戻る。
【0036】
二次電池101を不完全放電し、残存容量がSmの時点から充電すると、次の放電時に、先の放電から充電への変化点で(残存容量がSmの時点で)、放電曲線20の1回微分dV/dtのグラフ21に凹部23が発生する。
二次電池101を残存容量がSmの時点まで放電すると、残存容量がSmよりも大きな時点Sp(Sp>Sm)においてそれまで発生していた二次電池101へのメモリ効果の影響(放電曲線20の1回微分dV/dtのグラフ21の凹部)が消される。残存容量がSmよりも小さな時点Sq(Sq<Sm)においてそれまで発生していた二次電池101へのメモリ効果の影響(放電曲線20の1回微分dV/dtのグラフ21の凹部)は消えない。二次電池101を完全放電し、その後充電すると、それまでに存在していた全ての二次電池101へのメモリ効果の影響(放電曲線20の1回微分dV/dtのグラフ21の凹部)が消される。
以下、二次電池101からメモリ効果の影響を取り除くため、完全放電し、その後満充電することを、「リフレッシュ充放電」と言う。電源監視制御部102は、所定のタイミングに放電器105を動作させて二次電池101をリフレッシュ充放電させる。
【0037】
本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法では、放電電流の積算値(放電電気量の積算値)に基づいて残存容量を推定する。放電電流を長時間積算し続けると電流検出誤差等の誤差が累積していく。そのため、残存容量をより正確に推定する必要がある放電末期ほど残存容量の推定精度が悪い。一方、放電末期には二次電池101の電圧は大きく変化する(図2(a)及び図2(b)参照)。放電末期に、二次電池101の電圧が大きく変化して完全放電状態(電池電圧が放電終止電圧Veまで降下した状態)になるまでの時間変化は、完全放電状態の時点から時間をさかのぼって見ると、メモリ効果の有無によらずほぼ一定である。そこで、残存容量が所定値Saのとき(放電可能時間がTaのとき)の電圧の時間変化率Gc(第2の所定値)を予め求め、残存容量演算装置に記憶しておき、放電末期に電圧の時間変化率が第2の所定値Gcになったときに残存容量をSaに置き換える。
【0038】
図3を用いて、本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法を具体的に説明する。図3は、本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法を示すフローチャートである。ステップ301で二次電池101は、放電を開始する。以下、残存容量演算部151は二次電池101の残存容量を連続的に推定し、電源監視制御部102に送信する。ステップ302で、リフレッシュ充放電後1回目の放電か否か判断する。該当しない場合は、ステップ304に進む。該当する場合はステップ303で最小放電終了時残存容量Sminを満充電状態での残存容量Sfに初期化する。最小放電終了時残存容量Sminは、リフレッシュ充放電後(二次電池が完全放電した後)における、二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したとき(放電終了時)の各放電終了時残存容量の最小値である。ステップ304に進む。
【0039】
ステップ304で残存容量演算部151は、電流検出部153から受信した放電電流値の積算値に基づき、現在の残存容量Sを計算する。典型的には、次の式による。
新しい残存容量S=古い残存容量S−放電電流値の積算値
ステップ305で残存容量Sが第1の所定値(Sf−ΔSi)より小さいか否か判断する。二次電池の放電電圧は、放電初期において急激に降下する。ΔSiは、放電初期の電池電圧が急激に低下する期間に二次電池101が放電する電気量である(図2(a)及び図2(c)参照。)。ステップ306で、残存容量Sが最小放電終了時残存容量Sminより小さいか否か判断する。S<(Sf−ΔSi)でなく(ステップ305)、又はS<Sminでない(ステップ306)場合、ステップ304に戻り、引き続き残存容量Sの計算を行う。S<(Sf−ΔSi)であって(ステップ305)且つS<Sminである(ステップ306)場合、ステップ307に進む。ステップ307で、最小放電終了時残存容量Sminを現在の残存容量Sに更新する。
【0040】
リフレッシュ充放電後(二次電池が完全放電した後)における、二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したとき(放電終了時)に、放電終了時残存容量と最小放電終了時残存容量Sminとを比較し、放電終了時残存容量の方が小さければ(最小値であれば)、放電終了時残存容量を新たな最小放電終了時残存容量Sminとして記憶しても良い。
【0041】
ステップ308で、残存容量演算部151は電圧検出部154から受信した電圧値及びタイマ部155から受信した時刻情報から、電圧の時間変化率dV/dtを計算する。ステップ309で、電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)以下か否か判断する。電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)より大きい場合ステップ310に進み、引き続き放電電流の積算値から、現在の残存容量Sを計算する(ステップ304と同じ)。ステップ307に戻る。ステップ309で、初めて電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)以下になった場合、ステップ311に進み、残存容量SをSaにリセットする。ステップ312で表示部107は、「バッテリーが残りわずか(Sa)です。バッテリーの残り時間はあとTaです」という警告メッセージを表示し、ブザーを鳴らす。処理を終了する。
【0042】
なお、二次電池101の放電が中断された場合、図3のフローチャートを直ちに終了する。二次電池101を満充電し、次の放電開始に備える。
ステップ312の後、完全放電するまで、図2(a)若しくは(b)並びに(c)のグラフに従い(典型的にはグラフを表又は関数の形式で記憶する。)、残存容量演算部151は、放電電圧又はその時間微分値をパラメータとして、残存容量Sを算出し、表示しても良い。
又は、ステップ312の後、完全放電するまで、残存容量Saを初期値として、放電電流の積算値から、現在の残存容量Sを計算しても良い(ステップ304と同じ)。
【0043】
放電開始時には電池電圧が急激に低下し、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回る(絶対値においては、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcより大きい。)。実施の形態1では、放電開始後電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを上回るまでの(絶対値において、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcより小さくなるまでの)期間の放電電気量ΔSiを予め求めておく。残存容量SがSi(=Sf−ΔSi)を下回るまでは、dV/dt≦Gcに初めてなったことに基づく残存容量Sのリセット(Saへの置き換え)(ステップ311)を行わない。
放電曲線にメモリ効果による電圧降下が見られる場合、電圧降下が起きる残存容量近傍で電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回る(図2(b)参照)。実施の形態1では、リフレッシュ充放電後に行った放電での放電終了時の残存容量の最小値(最小放電終了時残存容量Smin)を求め、放電時に残存容量が最小放電終了時残存容量Sminを下回るまでは、dV/dt≦Gcに初めてなったことに基づく残存容量Sのリセット(Saへの置き換え)(ステップ311)を行わない。
【0044】
次に、二次電池101の充放電サイクルの例を示し、実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法を更に説明する。放電中に、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行い(図3のステップ309)、残存容量SをSaにリセット(ステップ311)すべきか否か判定する期間に着目する。
【0045】
図4は、二次電池101の充放電サイクルの一例を示す図である。時刻と残存容量の関係を示す。1枚の図に全てを表示する都合上、図4において、満充電終了直後に放電を開始する(時刻T1、時刻T4及び時刻T9)ように表示している。二次電池101を時刻0から時刻T0にリフレッシュ充放電する。時刻T0から時刻T1に、満充電し(残存容量Sf)、期間C1(時刻T1から時刻T3)に放電する。時刻T3から時刻T4に、満充電し、期間C2(時刻T4から時刻T8)に放電する。時刻T8から時刻T9に、満充電し、期間C3(時刻T9から時刻T17)に放電する。放電期間C1、C2及びC3での放電終了時の残存容量(放電終了時残存容量)は、それぞれS1、S2及びS3(S1>S2>Sa>S3)である。
【0046】
放電期間C1での放電は、リフレッシュ充放電後1回目の放電であるため、放電曲線にはメモリ効果による電圧降下は生じない。放電期間C2での放電曲線には、放電期間C1での放電によるメモリ効果により、残存容量S1の時点で急激な電圧降下が生じる。放電期間C3での放電曲線には、放電期間C2での放電によるメモリ効果により、残存容量S2の時点で急激な電圧降下が生じる。放電期間C1での放電によるメモリ効果(残存容量S1の時点での急激な電圧降下)は、放電期間C2に消去される。
【0047】
放電期間C1では、放電初期の時刻T1から時刻T2には、電圧が急激に低下するため、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行わない。時刻T2から時刻T3、時刻T7から時刻T8及び時刻T14から時刻T16に電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行う。
【0048】
図5は、二次電池101の充放電サイクルの別の一例を示す図である。時刻と残存容量の関係を示す。1枚の図に全てを表示する都合上、図5において、満充電終了直後に放電を開始する(時刻T1、時刻T4及び時刻T7)ように表示している。二次電池101を時刻0から時刻T0にリフレッシュ充放電する。時刻T0から時刻T1に、満充電し(残存容量Sf)、期間C1(時刻T1から時刻T3)に放電する。時刻T3から時刻T4に、満充電し、期間C2(時刻T4から時刻T6)に放電する。時刻T6から時刻T7に、満充電し、期間C3(時刻T7から時刻T14)に放電する。放電期間C1、C2及びC3での放電終了時の残存容量(放電終了時残存容量)は、それぞれS1、S2及びS3(S2>S1>Sa>S3)である。
【0049】
放電期間C1での放電は、リフレッシュ充放電後1回目の放電であるため、放電曲線にはメモリ効果による電圧降下は生じない。放電期間C2終了時(時刻T6)の残存容量S2は、放電期間C1終了時(時刻T3)の残存容量S1に比べて十分大きく、放電曲線にはメモリ効果による電圧降下が生じない。放電期間C3での放電では、放電期間C1及び放電期間C2での放電によるメモリ効果が重畳し、放電曲線にはメモリ効果による急激な電圧降下が2回(残存容量S1の時点及びS2)生じる。
【0050】
放電期間C1では、放電初期の時刻T1から時刻T2には、電圧が急激に低下するため、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行わない。時刻T2から時刻T3及び時刻T12から時刻T13に電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行う。
【0051】
発明者は、放電末期に電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回った後、電圧が放電終止電圧に達するまでの時間(Ta)は、メモリ効果による電圧降下の有無に関わらず、ほぼ一定であることを見いだした(図2参照)。本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法によれば、放電時に電圧の時間変化率を連続的に測定し、放電末期に残存容量をリセットするので、放電末期の残存容量演算を正確に行うことができる。
なお、各電池温度毎に、二次電池101の残存容量がSaのときの電圧の時間変化率Gc(第2の所定値)を求めておけば、より正確に残存容量を推定できる。
【0052】
本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法のフローチャートは、図3に示したフローチャートに限られない。
なお、実施の形態1では放電は満充電状態(残存容量がSf)から始めるとして説明したが、満充電していない状態から放電を開始する構成としても良い。
実施の形態では、放電中には二次電池101から負荷110に電力を供給した。放電中に二次電池から負荷に電力を供給しない、自己放電の場合についても本発明の二次電池の残存容量演算方法によって、二次電池の残存容量を正確に推定できる。
【0053】
《実施の形態2》
図1、図2、図6〜図8を用いて、本発明の実施の形態2の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を説明する。図1は、本発明の実施の形態2の残存容量演算装置を含むバックアップ電源用電池管理装置の構成図であり、実施の形態1と同じであるので説明を省略する。図2は、既に説明したので説明を省略する。
【0054】
本発明の実施の形態2の二次電池の残存容量演算方法では、放電電流の積算値に基づいて残存容量を推定する。放電電流を長時間積算し続けると電流検出誤差が累積していく。そのため、残存容量をより正確に推定する必要がある放電末期ほど残存容量の推定精度が悪い。一方、放電末期には二次電池101の電圧は大きく変化する(図2(a)及び図2(b)参照)。そこで、残存容量がSaのとき(放電可能時間がTaのとき)の電圧の時間変化率Gc(第2の所定値)を予め求め、残存容量演算装置に記憶しておき、放電末期に電圧の時間変化率がGc(第2の所定値)になったときに残存容量をSaに置き換える。
【0055】
図6を用いて、本発明の実施の形態2の二次電池の残存容量演算方法を具体的に説明する。図6は、本発明の実施の形態2の二次電池の残存容量演算方法を示すフローチャートである。ステップ601で二次電池101は、放電を開始する。以下、残存容量演算部151は二次電池101の残存容量を連続的に推定し、電源監視制御部102に送信する。ステップ602で、nに1を加算する。nはリフレッシュ充放電後の放電の回数であり、リフレッシュ充放電終了時に0に初期化されている。ステップ603で残存容量演算部151は、電流検出部153から受信した放電電流の積算値に基づき、現在の残存容量Sを計算する(計算方法は実施の形態1と同じ)。ステップ604で、n回目の放電での残存容量SnにSを代入する。ステップ605で、残存容量Sが第1の所定値(Sf−ΔSi)より小さいか否か判断する。ΔSiは、放電初期の電池電圧が急激に低下する期間に二次電池101が放電する電気量である(図2(c)参照)。S<(Sf−ΔSi)でない場合(放電初期)、ステップ603に戻る。S<(Sf−ΔSi)である場合(放電初期を過ぎた場合)、ステップ606に進む。
【0056】
ステップ606からステップ609では、残存容量Sがリフレッシュ充放電後の各放電終了時の残存容量Sk(k=1〜n−1)近傍の値であるか否か判定する。ステップ606でkを0に初期化する。ステップ607でkに1を加算する。ステップ608でkがnより小さいか否か判断する。kがnより小さい場合ステップ609で、残存容量がk回目の放電終了時の残存容量Sk以上Sk+ΔSm以下か否か判断する。ΔSmは、メモリ効果によって電池電圧が急激に低下する期間に二次電池101が放電する電気量である(図2(c)参照)。以下、残存容量Sk以上Sk+ΔSm以下の範囲を、「k回目の放電による残存容量のマスク範囲」と言う。ステップ609で、残存容量Sがk回目の放電による残存容量のマスク範囲に含まれる場合は、ステップ603に戻る。含まれない場合はステップ607に戻る。ステップ608でkがn以上の場合、残存容量Sはリフレッシュ充放電後のn−1回の放電による残存容量のマスク範囲に含まれず、ステップ610に進む。
【0057】
ステップ610で、残存容量演算部151は電圧検出部154から入力した電圧値及びタイマ部155から入力した時刻情報から、電圧の時間変化率dV/dtを計算する。ステップ611で、電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)以下か否か判断する。電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)より大きい場合(絶対値において、dV/dtがGcより小さい場合)ステップ603に戻り、引き続き放電電流の積算値から、現在の残存容量Sを計算する。ステップ611で、初めて電圧の時間変化率dV/dtが閾値Gc(第2の所定値)以下になった場合(絶対値において、dV/dtがGc以上になった場合)、ステップ612に進み、残存容量SをSaにリセットする。ステップ613で表示部107は、「バッテリーが残りわずか(Sa)です。バッテリーの残り時間はあとTaです」という警告メッセージを表示し、ブザーを鳴らす。処理を終了する。
【0058】
なお、二次電池101の放電が中断された場合、図6のフローチャートを直ちに終了する。二次電池101を満充電し、次の放電開始に備える。
ステップ613の後、完全放電するまで、図2(a)若しくは(b)並びに(c)のグラフに従い(典型的にはグラフを表又は関数の形式で記憶する。)、残存容量演算部151は、放電電圧又はその時間微分値をパラメータとして、残存容量Sを算出し、表示しても良い。
又は、ステップ613の後、完全放電するまで、残存容量Saを初期値として、放電電流の積算値から、現在の残存容量Sを計算しても良い(ステップ603と同じ)。
【0059】
放電開始時には電池電圧が急激に低下し、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回る。実施の形態1では、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを上回るまでの放電電気量ΔSiを予め求めておき、残存容量がSi(=Sf−ΔSi)を下回るまでは、電圧の時間変化率dV/dtによる残存容量のリセット(ステップ612)を行わない。
放電曲線にメモリ効果による電圧降下が見られる場合、電圧降下が起きる残存容量近傍で電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回る。実施の形態2では、リフレッシュ充放電後に行った全ての放電終了時の残存容量近傍で、電圧の時間変化率dV/dtによる残存容量のリセット(ステップ612)を行わない。二次電池101の放電時に、メモリ効果によって、電圧の時間変化率dV/dtが第2の所定値Gcを下回っている間に放電する電気量ΔSmを予め求めておく(図2参照)。
【0060】
次に、二次電池101の充放電サイクルの例を示し、実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法を更に説明する。放電中に、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行い(図6のステップ611)、残存容量をSaにリセット(ステップ612)すべきか否か判定する期間に着目する。
【0061】
図7は、二次電池101の充放電サイクルの一例を示す図である。充放電サイクルでの充電量及び放電量は図4と同じであるので、説明を省略する。各放電サイクルで、放電初期(時刻T1〜時刻T2、時刻T4〜時刻T5及び時刻T9〜時刻T10)、及びメモリ効果により放電電圧の急激な低下が発生する期間(時刻T6〜時刻T7、時刻T11〜時刻T12、時刻T13〜時刻T14)は、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行わない。時刻T2〜時刻T3、時刻T5〜時刻T6、時刻T7〜時刻T8、時刻T10〜時刻T11、時刻T12〜時刻T13及び時刻T14〜時刻T16に電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行う。
【0062】
図8は、二次電池101の充放電サイクルの別の一例を示す図である。充放電サイクルでの充電量及び放電量は図5と同じであるので、説明を省略する。各放電サイクルで、放電初期(時刻T1〜時刻T2、時刻T4〜時刻T5及び時刻T7〜時刻T8)及びメモリ効果により放電電圧の急激な低下が発生する期間(時刻T9〜時刻T10、時刻T11〜時刻T12)は、電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行わない。時刻T2〜時刻T3、時刻T5〜時刻T6、時刻T8〜時刻T9、時刻T10〜時刻T11及び時刻T12〜時刻T13に電圧の時間変化率dV/dtと第2の所定値Gcとの比較を行う。
【0063】
実施の形態2の二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法は、実施の形態1のそれと同様の効果を奏する。
なお、各電池温度毎に、二次電池101の残存容量がSaのときの電圧の時間変化率Gc(第2の所定値)を求めておけば、より正確に残存容量を推定できる。
実施の形態では、放電中には二次電池101から負荷110に電力を供給した。放電中に二次電池から負荷に電力を供給しない、自己放電の場合についても本発明の二次電池の残存容量演算方法によって、二次電池の残存容量を正確に推定できる。
【0064】
なお、実施の形態1では放電は満充電状態(残存容量がSf)から始めるとして説明したが、満充電していない状態から放電を開始する構成としても良い。
本発明の実施の形態2の二次電池の残存容量演算方法のフローチャートは、図6に示したフローチャートに限られない。
実施の形態2において、残存容量演算部151(記憶部を含む。)は、二次電池が完全放電した後における、二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量を全て記憶し、全ての放電終了時残存容量についてステップ606〜609の処理を行った。これに代えて、残存容量演算部151(記憶部を含む。)が、二次電池が完全放電した後における、二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量のうち、それ以後の放電終了時残存容量よりも値が小さな放電終了時残存容量のみを記憶し、記憶した放電終了時残存容量についてステップ606〜609の処理を行っても良い。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、メモリ効果に起因して残存容量を誤って表示する恐れがなく、且つ放電末期の二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、二次電池の電圧がほとんど変化しない区間においても、放電末期においても、二次電池の残存容量を正確に演算する二次電池の残存容量演算装置及びその残存容量演算方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明の二次電池の残存容量演算装置は、携帯電話基地局のバックアップ電源用電池管理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1及び実施の形態2の残存容量演算装置を含むバックアップ電源用電池管理装置の構成図
【図2】二次電池の放電期間中の放電開始からの時間又は放電電気量に対する電池電圧、電池電圧の時間微分値(dV/dt)、残存容量の一例を示すグラフ。図2(a)は、電池電圧と放電開始からの時間の関係を表すグラフ、図2(b)は、電池電圧の時間微分値(dV/dt)と放電開始からの時間の関係を表すグラフ、図2(c)は、残存容量と放電開始からの時間の関係を表すグラフ
【図3】本発明の実施の形態1の二次電池の残存容量演算方法を示すフローチャート
【図4】二次電池の充放電サイクルの一例を示す図
【図5】二次電池の充放電サイクルの別の一例を示す図
【図6】本発明の実施の形態2の二次電池の残存容量演算方法を示すフローチャート
【図7】二次電池の充放電サイクルの一例を示す図
【図8】二次電池の充放電サイクルの別の一例を示す図
【符号の説明】
101 二次電池
102 電源監視制御部
105 放電器
106 充電器
107 表示部
108 商用電源
109 整流器
110 負荷
150 残存容量演算装置
151 残存容量演算部
152 温度検出部
153 電流検出部
154 電圧検出部
155 タイマ部

Claims (10)

  1. 二次電池の放電電圧を検出する電圧検出部と、
    前記二次電池の放電電流を検出する電流検出部と、
    前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値、二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量の最小値である最小放電終了時残存容量と、を記憶する記憶部と、
    前記電流検出部によって検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算部と、
    前記残存容量を表示する表示部と、を有し、
    前記残存容量演算部は放電中に、前記残存容量が前記記憶部に記憶された前記最小放電終了時残存容量より小さく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶部に記憶された第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、
    ことを特徴とする二次電池の残存容量演算装置。
  2. 二次電池の放電電圧を検出する電圧検出部と、
    前記二次電池の放電電流を検出する電流検出部と、
    前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量であって、少なくとも、それ以後の放電終了時残存容量よりも値が小さな放電終了時残存容量と、を記憶する記憶部と、
    前記電流検出部によって検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算部と、
    前記残存容量を表示する表示部と、を有し、
    前記残存容量演算部は放電中に、前記残存容量が前記記憶部に記憶された前記各放電終了時残存容量近傍の値でなく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶部に記憶された第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、
    ことを特徴とする二次電池の残存容量演算装置。
  3. 前記残存容量演算部は放電中に、前記の条件で且つ前記残存容量が前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が増大する放電初期における第1の所定値より小さい場合に、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  4. 前記二次電池の温度を検出する温度検出部を更に有し、前記第2の所定値が、前記温度を変数とする値であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算装置。
  5. 前記二次電池がニッケル−金属水素化物電池であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に二次電池の残存容量演算装置。
  6. 二次電池の放電電圧を検出する電圧検出ステップと、
    前記二次電池の放電電流を検出する電流検出ステップと、
    前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値と、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量の最小値である最小放電終了時残存容量と、を記憶する記憶ステップと、
    前記電流検出ステップにおいて検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算ステップと、
    前記残存容量を表示する表示ステップと、を有し、
    放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記残存容量が前記記憶ステップにおいて記憶した前記最小放電終了時残存容量より小さく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶ステップにおいて記憶した第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、
    ことを特徴とする二次電池の残存容量演算方法
  7. 二次電池の放電電圧を検出する電圧検出ステップと、
    前記二次電池の放電電流を検出する電流検出ステップと、
    前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が減少する放電末期における所定残存容量のときの前記放電電圧の時間微分値である第2の所定値と、前記二次電池が完全放電した後における、前記二次電池が不完全放電状態から充電状態に変化したときの各放電終了時残存容量であって、少なくとも、それ以後の放電終了時残存容量よりも値が小さな放電終了時残存容量と、を記憶する記憶ステップと、
    前記電流検出ステップにおいて検出された放電電流の積算値に基づき前記二次電池の残存容量を演算する残存容量演算ステップと、
    前記残存容量を表示する表示ステップと、を有し、
    放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記残存容量が前記記憶ステップにおいて記憶した前記各放電終了時残存容量近傍の値でなく、且つ前記放電電圧の時間微分値が前記記憶ステップにおいて記憶した第2の所定値になった時、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換える、
    ことを特徴とする二次電池の残存容量演算方法
  8. 放電中の前記残存容量演算ステップにおいて、前記の条件で且つ前記残存容量が前記二次電池の放電に伴って放電電圧の時間微分値が増大する放電初期における第1の所定値より小さい場合に、前記残存容量を前記所定残存容量に置き換えることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の二次電池の残存容量演算方法。
  9. 前記二次電池の温度を検出する温度検出ステップを更に有し、前記第2の所定値が、前記温度を変数とする値であることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算方法。
  10. 前記二次電池がニッケル−金属水素化物電池であることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかの請求項に記載の二次電池の残存容量演算方法
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