JP4255391B2 - 炭素繊維複合材料及びその製造方法、炭素繊維複合成形品及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス材料及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス成形品及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維複合材料及びその製造方法、炭素繊維複合成形品及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス材料及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭素繊維複合材料及びその製造方法、炭素繊維複合成形品及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス材料及びその製造方法、炭素繊維複合ガラス成形品及びその製造方法に関する。
近年、カーボンナノファイバーを用いた複合材料が注目されている。このような複合材料は、カーボンナノファイバーを含むことで、機械的強度などの向上が期待されている。
また、ガラス繊維を強化繊維として用いた繊維強化複合ガラス材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、カーボンナノファイバーは相互に強い凝集性を有するため、複合材料の基材にカーボンナノファイバーを均一に分散させることが非常に困難とされている。そのため、現状では、所望の特性を有するカーボンナノファイバーの複合材料を得ることが難しく、また、高価なカーボンナノファイバーを効率よく利用することができない。
また、ガラスは、紫外線や赤外線を吸収する機能も要求されている。特に赤外線を吸収させた場合、ガラス自体の温度が上昇してしまうという不具合があった。
特開平5−9041号公報
そこで、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合成形品及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合ガラス材料及びその製造方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合ガラス成形品及びその製造方法を提供することにある。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散された、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、
前記ガラス粒子は、前記カーボンナノファイバーの平均直径よりも大きな平均粒径を有する。
本発明にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散された、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、
前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する。
本発明の炭素繊維複合材料においては、後述する理由によって基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーがさらに均一に分散されたものとなる。特に分散されにくいとされていた直径が約30nm以下のカーボンナノファイバーや、湾曲繊維状のカーボンナノファイバーであっても、エラストマー中に均一に分散されたものとなる。
本発明におけるエラストマーは、ゴム系エラストマーあるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。また、ゴム系エラストマーの場合、エラストマーは架橋体あるいは未架橋体のいずれであってもよい。原料エラストマーとしては、ゴム系エラストマーの場合、未架橋体が用いられる。熱可塑性エラストマーの内、特にエチレンプロピレンゴム(EPDM)は、カーボンナノファイバーが分散されにくいが、本発明においては、ガラス粒子によるカーボンナノファイバーの分散効果によって均一に分散させることができる。
また、本発明にかかる炭素繊維複合材料を架橋して得られた炭素繊維複合成形品及び架橋しないで得られた炭素繊維複合成形品は、炭素繊維複合材料と同様に、ガラス粒子によってカーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる
本発明にかかる炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形した炭素繊維複合ガラス材料は、カーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる。
また、本発明にかかる炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を溶融ガラスに混入して鋳造した炭素繊維複合ガラス材料は、炭素繊維複合材料と同様に、ガラス粒子によってカーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる。
さらに、本発明にかかる炭素繊維複合成形品に溶融ガラスを浸透させ、エラストマーをガラスと置換した炭素繊維複合ガラス成形品は、炭素繊維複合材料と同様に、ガラス粒子によってカーボンナノファイバーが均一に分散されたものとなる。特に、溶融ガラスに接触した炭素繊維複合成形品は、溶融ガラスによってエラストマーが熱分解させながら浸透するため、カーボンナノファイバーが均一に分散した状態のまま溶融ガラスが凝固したガラスに置換され、鋳造することができる。炭素繊維複合成形品において、エラストマー100重量部に対してガラス粒子10〜3000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。ガラス粒子が10重量部以下であると、毛細管現象が小さく、溶融ガラスの浸透速度が遅いので、生産性及びコスト面で採用が難しい。また、ガラス粒子が3000重量部以上であると、炭素繊維複合材料を製造する際に、エラストマーへ含浸させにくくなる。
このようにカーボンナノファイバーが分散したガラスをマトリクスとする炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品は、強度の向上、軽量化、耐熱性や耐摩耗性の向上などが得られる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、
前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、
を含み、
前記エラストマーに前記カーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて0ないし50℃で行われる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、
前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、
を含み、
前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する。
本発明の製造方法によれば、エラストマーが、カーボンナノファイバーの活性な部分、特にカーボンナノファイバーの末端のラジカルと結合することにより、カーボンナノファイバーの凝集力を弱め、その分散性を高めることができる。さらに、ガラス粒子を含むエラストマーを用いることで、カーボンナノファイバーを剪断力で分散させる際に、ガラス粒子のまわりにエラストマーの乱流状態の流動が発生する。この流動によって、本発明の炭素繊維複合材料は、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーがさらに均一に分散されたものとなる。特に分散されにくいとされていた直径が約30nm以下のカーボンナノファイバーや、湾曲繊維状のカーボンナノファイバーであっても、エラストマー中に均一に分散されたものとなる。
また、本発明にかかる炭素繊維複合材料を、架橋する工程をさらに有する炭素繊維複合成形品の製造方法は、前述したようにカーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合材料を架橋することによって、ガラス粒子によってカーボンナノファイバーを均一に分散させることができた炭素繊維複合成形品を得ることができる。なお、前記架橋する工程を所望の成形金型内で成形するとともに行うことで、カーボンナノファイバーを均一に分散させた所望の形状を有する炭素繊維複合成形品を得ることができる。また、本発明にかかる炭素繊維複合材料を、架橋せずに所望の形状に成形する工程をさらに有する炭素繊維複合成形品の製造方法は、カーボンナノファイバーを均一に分散させることができた炭素繊維複合成形品を得ることができる。
本発明にかかる炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形する、炭素繊維複合ガラス材料の製造方法は、カーボンナノファイバーが均一に分散した炭素繊維複合ガラス材料を得ることができる。
また、本発明にかかる炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を、溶融ガラスに混入して所望の形状を有する鋳型内で鋳造する工程をさらに有する炭素繊維複合ガラス材料の製造方法は、カーボンナノファイバーが均一に分散した炭素繊維複合ガラス材料を得ることができる。
さらに、本発明にかかる炭素繊維複合成形品の上方にガラス塊を配置する工程と、前記ガラス塊を加熱し溶融させることで溶融ガラスとするとともに、前記炭素繊維複合成形品中の前記エラストマーを気化させ、前記溶融ガラスと置換する工程と、をさらに有する、炭素繊維複合ガラス成形品の製造方法は、カーボンナノファイバーが均一に分散された炭素繊維複合ガラス成形品を得ることができる。特に炭素繊維複合成形品において、エラストマー100重量部に対してガラス粒子10〜3000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。ガラス粒子が10重量部以下であると、毛細管現象が小さく、溶融ガラスの浸透速度が遅いので、生産性及びコスト面で採用が難しい。また、ガラス粒子が3000重量部以上であると、炭素繊維複合材料を製造する際に、エラストマーへ含浸させにくくなる。また、炭素繊維複合成形品は、未架橋のままで成形されていると、エラストマーの分解が容易であって溶融ガラスの浸透が早いので、好ましい。
また、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品は、材料中に分散したカーボンナノファイバーによって赤外線などの光を吸収することができる。さらに、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品は、カーボンナノファイバーによってガラス単体における低熱伝導率を改善し、このような光の吸収によって発生した熱を外部へ逃がすことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散さ
れた、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、前記ガラス粒子は、前記カーボンナノファイバーの平均直径よりも大きな平均粒径を有する。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマーに分散された、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する。
また、本発明にかかる炭素繊維複合成形品は、前記炭素繊維複合材料を架橋してもしくは未架橋で成形することで得られる。
本発明にかかる本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料は、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形することで得られる。
また、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料は、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を溶融ガラスに混入して鋳造することで得られる。
さらに、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス成形品は、前記炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品に溶融ガラスを浸透させ、エラストマーをガラスと置換することで得られる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、を含み、前記エラストマーに前記カーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて0ないし50℃で行われる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料の製造方法は、エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、を含み、前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する。
また、本発明にかかる炭素繊維複合成形品の製造方法は、前記炭素繊維複合材料を、所望の形状に成形する工程をさらに有する。また、本発明にかかる炭素繊維複合成形品の製造方法は、前記炭素繊維複合材料を、架橋するとともに成形する工程をさらに有する。
本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料の製造方法は、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形する工程をさらに有する。
また、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス材料の製造方法は、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品と溶融ガラスを鋳型内で鋳造する工程をさらに有する。
さらに、本発明にかかる炭素繊維複合ガラス成形品の製造方法は、前記炭素繊維複合成形品の上方にガラス塊を配置する工程と、前記ガラス塊を加熱し溶融させることで溶融ガラスとするとともに、前記炭素繊維複合成形品中の前記エラストマーを気化させ、前記溶融ガラスと置換する工程と、をさらに有する。
エラストマーは、例えば、カーボンナノファイバーと親和性が高いことの他に、分子長がある程度の長さを有すること、柔軟性を有すること、などの特徴を有することが望ましい。また、エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、できるだけ高い剪断力で混練されることが望ましい。
(a)まず、エラストマーについて説明する。
エラストマーは、分子量が好ましくは5000ないし500万、さらに好ましくは2万ないし300万である。エラストマーの分子量がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは、凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、したがってカーボンナノファイバー同士を分離する効果が大きい。エラストマーの分子量が5000より小さいと、エラストマー分子が相互に充分に絡み合うことができず、後の工程で剪断力をかけてもカーボンナノファイバーを分散させる効果が小さくなる。また、エラストマーの分子量が500万より大きいと、エラストマーが固くなりすぎて加工が困難となる。
エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、30℃で測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100ないし3000μ秒、より好ましくは200ないし1000μ秒である。上記範囲のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)を有することにより、エラストマーは、柔軟で充分に高い分子運動性を有することができる。このことにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合したときに、エラストマーは高い分子運動によりカーボンナノファイバー相互の隙間に容易に侵入することができる。スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が100μ秒より短いと、エラストマーが充分な分子運動性を有することができない。また、スピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が3000μ秒より長いと、エラストマーが液体のように流れやすくなり、カーボンナノファイバーを分散させることが困難となる。
また、エラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって30℃で測定した、架橋体における、ネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n)が100ないし2000μ秒であることが好ましい。その理由は、上述した未架橋体と同様である。すなわち、上記の条件を有する未架橋体を本発明の製造方法によって架橋化すると、得られる架橋体のT2nはおおよそ上記範囲に含まれる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
パルス法NMRにおける測定法としては、ハーンエコー法でなくてもソリッドエコー法、CPMG法(カー・パーセル・メイブーム・ギル法)あるいは90゜パルス法でも適用できる。ただし、本発明にかかる炭素繊維複合材料は中程度のスピン−スピン緩和時間(T2)を有するので、ハーンエコー法が最も適している。一般的に、ソリッドエコー法および90゜パルス法は、短いT2の測定に適し、ハーンエコー法は、中程度のT2の測定に適し、CPMG法は、長いT2の測定に適している。
エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバー、特にその末端のラジカルに対して親和性を有する不飽和結合または基を有するか、もしくは、このようなラジカルまたは基を生成しやすい性質を有する。かかる不飽和結合または基としては、二重結合、三重結合、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ニトリル基、ケトン基、アミド基、エポキシ基、エステル基、ビニル基、ハロゲン基、ウレタン基、ビューレット基、アロファネート基および尿素基などの官能基から選択される少なくともひとつであることができる。
カーボンナノファイバーは、通常、側面は炭素原子の6員環で構成され、先端は5員環が導入されて閉じた構造となっているが、構造的に無理があるため、実際上は欠陥を生じやすく、その部分にラジカルや官能基を生成しやすくなっている。本実施の形態では、エラストマーの主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。
エラストマーとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。本発明者の研究によって、特にエチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)においてカーボンナノファイバーを分散させにくいことが判っている。
(b)次に、ガラス粒子について説明する。
ガラス粒子は、エラストマー中に混合し、分散させておいて、カーボンナノファイバーを混合させるときにカーボンナノファイバーをさらに良好に分散させるものである。ガラス粒子としては、市販されているガラス粒子を適宜用いることができるが、例えばSiO2/B2O3系、SiO2/ZnO/B2O3系、SiO2/PbO/B2O3系、SiO2/PbO/Al2O3/B2O3系、SiO2/PbO/ZnO/B2O3系、SiO2/BaO/B2O3系、SiO2/BaO/Al2O3系、SiO2/BaO/Li2O3系、SiO2/MgO/Al2O3系、SiO2/BaO/B2O3系、SiO2/ZnO/Li2O3系、SiO2/ZnO/SnO/P2O5系、SiO2/R2O/B2O3系、SiO2/RO系などのガラス粒子や、Na、Kc、Caなどのアルカリガラス、Ti、Fe、Ni、Coなどの成分を含むガラスを用いることができる。ガラス粒子は、使用するカーボンナノファイバーの平均直径よりも大きい平均粒径である。また、ガラス粒子の平均粒径は500μm以下、好ましくは1〜300μmである。鋳造工程で浸透法を用いる場合には、ガラス粒子の量は、エラストマー100重量部に対して、10〜3000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。ガラス粒子が10重量部以下であると、毛細管現象が小さく、溶融ガラスの浸透速度が遅いので、生産性及びコスト面で採用が難しい。また、ガラス粒子が3000重量部以上であると、炭素繊維複合材料を製造する際に、エラストマーへ含浸させにくくなる。また、ガラス粒子の形状は、球形粒状に限らず、混合時にガラス粒子のまわりに乱流状の流動が発生する形状であれば平板状、りん片状であってもよい。
(c)次に、カーボンナノファイバーについて説明する。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることが好ましく、炭素繊維複合材料の強度を向上させるためには0.5ないし30nmであることがさらに好ましい。さらに、カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状であっても、湾曲繊維状であってもよい。
カーボンナノファイバーの配合量は、特に限定されず、用途に応じて設定できる。本実施の形態の炭素繊維複合材料は、架橋体エラストマー、未架橋体エラストマーあるいは熱可塑性ポリマーをそのままエラストマー系材料として用いることができ、あるいはガラスの複合材料の原料として用いることができる。本実施の形態の炭素繊維複合材料をガラスの複合材料の原料として用いるときは、カーボンナノファイバーを0.01〜50重量%の割合で含むことができる。かかるガラスの複合材料の原料は、ガラスにカーボンナノファイバーを混合する際に、カーボンナノファイバーの供給源としてのいわゆるマスターバッチとして用いることができる。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブといった名称で称されることもある。
単層カーボンナノチューブもしくは多層カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造される。
アーク放電法は、大気圧よりもやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下で、炭素棒でできた電極材料の間にアーク放電を行うことで、陰極に堆積した多層カーボンナノチューブを得る方法である。また、単層カーボンナノチューブは、前記炭素棒中にニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜてアーク放電を行い、処理容器の内側面に付着するすすから得られる。
レーザーアブレーション法は、希ガス(例えばアルゴン)中で、ターゲットであるニッケル/コバルトなどの触媒を混ぜた炭素表面に、YAGレーザーの強いパルスレーザー光を照射することによって炭素表面を溶融・蒸発させて、単層カーボンナノチューブを得る方法である。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、カーボンナノチューブを合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法などが例示できる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
(d)次に、エラストマーにガラス粒子とカーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程について説明する。
本実施の形態では、エラストマーにガラス粒子とカーボンナノファイバーを混合させる工程として、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いた例について述べる。
図1は、2本のロールを用いたオープンロール法を模式的に示す図である。図1において、符号10は第1のロールを示し、符号20は第2のロールを示す。第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.1ないし0.5mmの間隔で配置されている。第1および第2のロールは、正転あるいは逆転で回転する。図示の例では、第1のロール10および第2のロール20は、矢印で示す方向に回転している。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05ないし1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。まず、第1,第2のロール10,20が回転した状態で、第2のロール20に、エラストマー30を巻き付けると、ロール10,20間にエラストマーがたまった、いわゆるバンク32が形成される。このバンク32内にガラス粒子50を加えて、さらに第1,第2のロール10,20を回転させることにより、エラストマー30と、ガラス粒子50と、を混合する工程が行われる。ついで、このエラストマー30とガラス粒子50とが混合されたバンク32内にカーボンナノファイバー40を加えて、第1、第2のロール10,20を回転させる。さらに、第1,第2ロール10,20の間隔を狭めて前述した間隔dとし、この状態で第1,第2ロール10,20を所定の表面速度比で回転させる。これにより、エラストマー30に高い剪断力が作用し、この剪断力によって凝集していたカーボンナノファイバーが1本づつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30に分散される。さらに、ロールによる剪断力はエラストマー内に分散されたガラス粒子のまわりに乱流状の流動を発生させる。この複雑な流動によってカーボンナノファイバーはさらにエラストマー30に分散される。なお、ガラス粒子50の混合前に、エラストマー30とカーボンナノファイバー40とを先に混合すると、カーボンナノファイバー40にエラストマー30の動きが拘束されてしまうため、ガラス粒子50を混合することが難しくなる。したがって、エラストマー30にカーボンナノファイバー40を加える前にガラス粒子50を混合する工程を行うことが好ましい。
また、この工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合は、好ましくは0ないし50℃、より好ましくは5ないし30℃の比較的低い温度で行われる。オープンロール法を用いた場合には、ロールの温度を上記の温度に設定することが望ましい。第1,第2ロール10,20の間隔dは、もっとも狭めた状態においてもガラス粒子50の平均粒径よりも広く設定することで、エラストマー30中のカーボンナノファイバー40の分散を良好に行うことができる。
このとき、本実施の形態のエラストマーは、上述した特徴、すなわち、エラストマーの分子形態(分子長)、分子運動、カーボンナノファイバーとの化学的相互作用などの特徴を有することによってカーボンナノファイバーの分散を容易にするので、分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を得ることができる。より具体的には、エラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、分子長が適度に長く、分子運動性の高いエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。この状態で、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
また、エラストマー中に所定量のガラス粒子が含まれていることで、ガラス粒子のまわりに発生するエラストマーの乱流のような幾通りもの複雑な流動によって、個々のカーボンナノファイバー同士を引き離す方向にも剪断力が働くことになる。したがって、直径が約30nm以下のカーボンナノファイバーや湾曲繊維状のカーボンナノファイバーであっても、個々に化学的相互作用によって結合したエラストマー分子のそれぞれの流動方向へ移動するため、エラストマー中に均一に分散されることになる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、上記オープンロール法に限定されず、既に述べた密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力をエラストマーに与えることができればよい。
上述したエラストマーにガラス粒子とカーボンナノファイバーとを分散させて両者を混合させる工程(混合・分散工程)によって得られた炭素繊維複合材料は、架橋剤によって架橋させて成形するか、もしくは架橋させずに成形することができる。このときの成形方法は、例えば圧縮成形工程や押出成形工程などを行って炭素繊維複合成形品を得ることができる。圧縮成形工程は、例えばガラス粒子とカーボンナノファイバーとが分散した炭素繊維複合材料を、所定温度(例えば175℃)に設定された所望形状を有する成形金型内で所定時間(例えば20分)加圧状態で成形する工程を有する。
エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合・分散工程において、あるいは続いて、通常、ゴムなどのエラストマーの加工で用いられる配合剤を加えることができる。配合剤としては公知のものを用いることができる。配合剤としては、例えば、架橋剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、補強剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などを挙げることができる。
(e)次に、上記方法によって得られた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品について述べる。
本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、基材であるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されている。このことは、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなる。特に、ガラス粒子を含むエラストマーにカーボンナノファイバーを混合した場合には、カーボンナノファイバーを含むエラストマーの場合より、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)が短くなる。なお、架橋体(炭素繊維複合成形品)におけるスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーの混合量に比例して変化する。
また、エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。特に、ガラス粒子を含むエラストマーにカーボンナノファイバーを混合した場合には、カーボンナノファイバーを含むエラストマーの場合より、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は小さくなる。
以上のことから、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。
すなわち、未架橋体(炭素繊維複合材料)において、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないかあるいは1000ないし10000μ秒であり、さらに第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.2未満であることが好ましい。
また、架橋体(炭素繊維複合成形品)において、150℃で測定した、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100ないし2000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)は存在しないかあるいは1000ないし4000μ秒であり、前記第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0.08未満であることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られる測定値が以下の範囲にあることが望ましい。すなわち、カーボンナノファイバー1体積%あたりの架橋体(炭素繊維複合成形品)の150℃で測定したスピン−格子緩和時間(T1)変化量(ΔT1)が、エラストマー単体の場合より1msec以上低下することが好ましく、さらに好ましくは2〜15msec低下することが好ましい。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法により測定されたスピン−格子緩和時間(T1)は、スピン−スピン緩和時間(T2)とともに物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、エラストマーのスピン−格子緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえ、そしてスピン−格子緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
本実施の形態にかかる炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、動的粘弾性の温度依存性測定における流動温度が、原料エラストマー単体の流動温度より20℃以上高温であることが好ましい。本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、エラストマーにガラス粒子とカーボンナノファイバーとが良好に分散されている。このことは、上述したように、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、エラストマーは、カーボンナノファイバーを含まない場合に比べて、その分子運動が小さくなり、その結果、流動性が低下する。このような流動温度特性を有することにより、本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、動的粘弾性の温度依存性が小さくなり、その結果、優れた耐熱性を有する。
本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品は、既述したように、エラストマー系材料として用いることができ、複合ガラス材料の原料として用いることができる。カーボンナノファイバーは、通常、相互に絡み合って媒体に分散しにくい性質を有する。しかし、本実施の形態の炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を複合ガラス材料の原料として用いると、カーボンナノファイバーがエラストマーに既に分散した状態で存在するので、この原料とガラスなどの媒体とを混合することでカーボンナノファイバーを媒体に容易に分散することができる。
(f)次に、炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品を得る工程について説明する。
炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品を得る工程は、上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を用いて、例えば、以下のような各種の成形方法を採用することができる。
炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を粉末成形する工程によって実施することができる。具体的には、例えば上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品をそのまま、もしくは冷凍粉砕して炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品の粒子を、型内で圧縮し、焼結温度例えば700℃で焼成して炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品を得ることができる。したがって、本実施の形態における粉末成形は、金属の成形加工における粉末成形と同様であり、いわゆる粉末冶金を含み、また粉末原料を用いた場合のみならず複合エラストマーのような場合、あらかじめ予備圧縮成形を施してブロック状とした原料をも含む。
また、炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品と、複合ガラス材料のマトリクスとなる他のガラスの粒子とを湿式混合した後、同様にして焼結して炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品を得ることもできる。この場合、溶剤中の他のガラス粒子に炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品を混ぜる(湿式混合)ことが望ましい。
さらに、冷凍粉砕して炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合成形品の粒子と、他のガラスの粒子と、を混合、例えばドライブレンドした後、型内で圧縮成形された後、焼結法によって炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品を得ることができる。
このような粉末成形によって製造された炭素繊維複合ガラス材料及び炭素繊維複合ガラス成形品は、カーボンナノファイバーをガラス中に分散させることができる。この工程で用いられる他のガラスの粒子は、炭素繊維複合材料を得るために用いられたガラスの粒子と同じ材質が好ましいが、粒子の大きさは粉末成形によって得られる複合ガラスの用途などによって適宜選択することができる。
炭素繊維複合ガラス材料の鋳造工程は、上記実施の形態で得られた炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を、例えば溶融ガラスに混入して所望の形状を有する鋳型内で鋳造する工程によって実施することができる。このような鋳造法においては、溶融ガラスの中に炭素繊維複合成形品を混合させたまま鋳型内で凝固させ、炭素繊維複合ガラス材料もしくは炭素繊維複合ガラス成形品を成形する。なお、この鋳造工程において、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品のエラストマーは、溶融ガラスの熱によって分解され、除去される。
溶融ガラスは、炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品にあらかじめ混合されたガラス粒子と同一のガラスを含むことで、ガラス粒子との濡れ性を向上させ、製品である炭素繊維複合ガラス材料もしくは炭素繊維複合ガラス成形品における強度を向上させることができる。
上述したような粉末成形や鋳造における炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品の分解されたエラストマーは、ガストラップ装置などによりトラップして、除去される。
本実施の形態では、炭素繊維複合成形品に溶湯を浸透させるいわゆる非加圧浸透法を用いて鋳造する工程について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
図2及び図3は、非加圧浸透法によって炭素繊維複合ガラス成形品を製造する装置の概略構成図である。上記実施の形態で得られた炭素繊維複合成形品は、例えば最終製品の形状を有する成形金型内で加熱・圧縮成形された炭素繊維複合成形品4を使用することができる。炭素繊維複合成形品4は、架橋されていないことが好ましい。架橋されていないことで、溶融ガラスの浸透速度が速くなるためである。図2において、密閉された容器1内には、あらかじめ成形された炭素繊維複合成形品4(例えば架橋されていないエラストマー30にガラス粒子50及びカーボンナノファイバー40を混入)が入れられる。その炭素繊維複合成形品4の上方にガラス塊5を配置される。次に、容器1に内蔵された図示せぬ加熱手段によって、容器1内に配置された炭素繊維複合成形品4及びガラス塊5をガラスの融点以上に加熱する。加熱されたガラス塊5は、溶融してガラスの溶湯となる。また、ガラスの溶湯に接触した炭素繊維複合成形品4中のエラストマー30は、分解されて気化し、エラストマー30が分解されてできた空所にガラスの溶湯が浸透する。エラストマーが分解された際に発生したガスは、ガストラップ装置2によってトラップして除去する。
本実施の態様の炭素繊維複合成形品4としては、エラストマー30が分解されてできた空所が毛細管現象によってガラスの溶湯をより早く全体に浸透させることができる。ガラスの溶湯は、ガラス粒子50間に毛細管現象によって浸透し炭素繊維複合成形品の内部まで完全にガラスの溶湯が満たされる。そして、容器1の加熱手段による加熱を停止させ、混合材料4中に浸透した溶融ガラスを冷却・凝固させ、図3に示すようなカーボンナノファイバー40が均一に分散された炭素繊維複合ガラス成形品6を製造することができる。鋳造工程に用いられる炭素繊維複合成形品4は、あらかじめ鋳造工程で使用される溶融ガラスと同じ種類のガラス粒子を用いて成形されていることが好ましい。このようにすることで、溶融ガラスとガラス粒子とが混ざりやすく均質なガラスを得られる。
また、ガラスの溶湯の浸透による流動がカーボンナノファイバーをガラス粒子内まで侵入させることになる。さらに、分解されたエラストマー分子のラジカルによってカーボンナノファイバーの表面が活性化して、ガラスの溶湯との濡れ性が向上する。このようにして得られた炭素繊維複合ガラス成形品は、ガラスのマトリクス内に均一に分散したカーボンナノファイバーを有する。
また、上記実施の形態においては非加圧浸透法について説明したが、浸透法であればこれに限らず例えば不活性ガスなどの雰囲気の圧によって加圧する加圧浸透法を用いることもできる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1、2)
(1)サンプルの作製
(a)未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)の作製
第1の工程:ロール径が6インチのオープンロール(ロール温度10〜20℃)に、表1に示す所定量(100g)のエラストマー(100重量部(phr))を投入して、ロールに巻き付かせた。エラストマーは、分子量300万の天然ゴム(NR)を用いた。
第2の工程:エラストマーに対して、表1に示す量(重量部)のガラス粒子をエラストマーに投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
第3の工程:次に、ガラス粒子を含むエラストマーに対して、表1に示す量(重量部)のカーボンナノファイバー(表1では「CNT」と記載する)をエラストマーに投入した。このとき、ロール間隙を1.5mmとした。
第4の工程:カーボンナノファイバーを投入し終わったら、エラストマーとカーボンナノファイバーとの混合物をロールから取り出した。
第5の工程:ロール間隙を1.5mmから0.3mmと狭くして、混合物を投入して薄通しをした。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。薄通しは繰り返し10回行った。
第6の工程:ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、分出しした。
このようにして、実施例1〜3の未架橋サンプルを得た。また、第2〜第4の工程を省いて、比較例1の未架橋サンプルを得た。
なお、実施例1〜3のガラス粒子としては、ガラス粒子は、平均粒径30μmのSiO/PbO/Bを用いた。カーボンナノファイバーは、直径(繊維径)が約10〜20nmのものを用いた。
(b)架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)の作製
第1〜第5の工程は、未架橋サンプルと同様に行った。
第6の工程:ロールを所定の間隙(1.1mm)にセットして、薄通しした混合物を投入し、さらに所定量の架橋剤(2重量部)を混合物に投入した。その後、この混合物を分出しした。
第7の工程:金型サイズに切り取ったサンプルを金型にセットし、100℃、100MPaにて、20分間プレス架橋を行った。
このようにして、実施例1〜3の架橋サンプルを得た。
(c)炭素繊維複合ガラス材料の作製
前述の(a)実施例1〜3で得られた未架橋サンプル(炭素繊維複合材料)を型に入れ、100℃、100MPaにて予備成形し、ブロック状の未架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)を作成した。さらに、未架橋サンプル(炭素繊維複合成形品)を容器(炉)内に配置させ、その未架橋サンプルの上にガラス板を置き、大気中でガラスの融点(600℃)で1時間保持した。ガラス板は溶融し、ガラスの溶湯となり、未架橋サンプルのエラストマーと置換するように溶融ガラスが浸透した。溶融ガラスを浸透させた後、これを自然放冷して凝固させ、カーボンブラック複合材料(ガラス基)を得た。熱によって分解されたエラストマーのガスは、ガストラップ装置でトラップして除去された。
また、比較例1として、カーボンナノファイバー99vol%とガラス粒子1vol%をドライブレンドして型に詰めて予備成形し、さらにガラス板を載せて大気中600℃、1時間保持してガラスを浸透させ、比較例2のサンプルを得た。
さらに、比較例2として、ガラス単体のガラス板を用いた。
(2)E’(動的粘弾性率)、TB(引張強度)およびEB(切断伸び)の測定
複合材料の架橋サンプルについて、E’、TBおよびEBをJIS K 6521−1993によって測定した。これらの結果を表1に示す。
(3)電子顕微鏡(SEM)による観察
実施例1〜3の架橋サンプル及び実施例1〜3、比較例1,2の炭素繊維複合ガラス材料について、電子顕微鏡(SEM)を用いてマトリクス中におけるカーボンナノファイバーの分散状態を観察した。これらの結果を表1に、カーボンナノファイバーの凝集塊(黒点)がほとんど無いものには○印、カーボンナノファイバーの凝集塊(黒点)が多いものには×印で記入した。
(4)曲げ強さの測定
実施例1〜3、比較例1,2の炭素繊維複合ガラス材料について、曲げ強さをJIS K 7171によって測定した。より詳細には、曲げ強さの測定は、試料形状が幅10×長さ80×厚さ4mm、支持台が試料の両端から10mmの位置になるように試料を配置し、曲げ速度1mm/minで3点曲げ試験を行い、最大応力を曲げ強さとした。
Figure 0004255391
表1から、本発明の実施例1〜3によれば、以下のことが確認された。すなわち、架橋サンプルを用いたE’、TBおよびEBの結果から、カーボンナノファイバーの配合量を増やすことにより、切断伸びを維持しながら動的粘弾性率および引張強度が向上し、カーボンナノファイバーにより補強効果が得られることが確認された。
表1の結果から、比較例1はサンプルごとに曲げ強さのばらつきがあることがわかり、実施例1〜3は曲げ強さのばらつきが少ないことがわかった。
また、実施例1〜3の架橋体サンプル及び炭素繊維複合ガラス材料を電子顕微鏡(SEM)観察した結果、カーボンナノファイバーの凝集はほとんど観察されず良好(表1の丸印)であった。比較例1の複合ガラス材料は、ガラス成形状態の観察では黒点が多く確認(表1の×印)された。
以上のことから、本発明によれば、一般に基材への分散が非常に難しいカーボンナノファイバーがマトリクス材料(エラストマー及びガラス)中に均一に分散されることが明かとなった。また、ガラス粒子をエラストマーに混合させることで、カーボンナノファイバー特に30nm以下の細いカーボンナノファイバーや湾曲して絡みやすいカーボンナノファイバーにおいても、十分に分散させることができることが明らかとなった。
本実施の形態で用いたオープンロール法によるエラストマーとカーボンナノファイバーとの混練法を模式的に示す図である。 非加圧浸透法によって炭素繊維複合ガラス材料を製造する装置の概略構成図である。 非加圧浸透法によって炭素繊維複合ガラス材料を製造する装置の概略構成図である。
符号の説明
1 容器
2 ガストラップ装置
4 炭素繊維複合成形品
5 ガラス塊
6 炭素繊維複合ガラス成形品
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
40 カーボンナノファイバー
50 ガラス粒子

Claims (30)

  1. エラストマーと、該エラストマーに分散された、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、
    前記ガラス粒子は、前記カーボンナノファイバーの平均直径よりも大きな平均粒径を有する、炭素繊維複合材料。
  2. エラストマーと、該エラストマーに分散された、ガラス粒子とカーボンナノファイバーと、を含み、
    前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する、炭素繊維複合材料。
  3. 請求項2において、
    前記エラストマーは、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、ウレタンゴム(U)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド系(TPEA)熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBS)から選択される、炭素繊維複合材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記ガラス粒子は、前記エラストマー100重量部に対して、10〜3000重量部である、炭素繊維複合材料。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記ガラス粒子の平均粒径は500μm以下である、炭素繊維複合材料。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記エラストマーは、分子量が5000ないし500万である、炭素繊維複合材料。
  7. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、炭素繊維複合材料。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の炭素繊維複合材料を所定の形状に成形した炭素繊維複合成形品。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の炭素繊維複合材料を架橋した炭素繊維複合成形品。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の炭素繊維複合材料を架橋するとともに所望の形状に成形した炭素繊維複合成形品。
  11. 請求項9または10において、
    前記炭素繊維複合成形品は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃で測定した、混合されたカーボンナノファイバー1体積%あたりに換算した、スピン−格子緩和時間(T1)が、前記エラストマー単体の場合より1msec以上低下する、炭素繊維複合成形品。
  12. 請求項1ないし11のいずれかの炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形した炭素繊維複合ガラス材料。
  13. 請求項1ないし11のいずれかの炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を、溶融ガラスに混入して鋳造した炭素繊維複合ガラス材料。
  14. 請求項ないし11のいずれかの炭素繊維複合成形品に溶融ガラスを浸透させ、前記エラストマーを前記ガラスと置換した炭素繊維複合ガラス成形品。
  15. エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、
    前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、
    を含み、
    前記エラストマーに前記カーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロール法を用いて0ないし50℃で行われる、炭素繊維複合材料の製造方法。
  16. エラストマーと、ガラス粒子と、を混合する工程と、
    前記ガラス粒子を含む前記エラストマーに、カーボンナノファイバーを混合させ、かつ剪断力によって分散させる工程と、
    を含み、
    前記エラストマーは、主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、不飽和二重結合を有する、炭素繊維複合材料の製造方法。
  17. 請求項1において、
    前記エラストマーは、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、ウレタンゴム(U)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド系(TPEA)熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBS)から選択される、炭素繊維複合材料の製造方法。
  18. 請求項15ないし17にずれかにおいて、
    前記ガラス粒子は、前記エラストマー100重量部に対して、10〜3000重量部である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  19. 請求項15ないし18のいずれかにおいて、
    前記ガラス粒子は、前記カーボンナノファイバーの平均直径よりも大きな平均粒径を有する、炭素繊維複合材料の製造方法。
  20. 請求項15ないし19のいずれかにおいて、
    前記ガラス粒子の平均直径は500μm以下である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  21. 請求項15ないし20のいずれかにおいて、
    前記エラストマーは、分子量が5000ないし500万である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  22. 請求項15ないし21のいずれかにおいて、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、炭素繊維複合材料の製造方法。
  23. 請求項15において、
    前記オープンロール法は、2本のロールの表面速度比が1.05ないし3.00である、炭素繊維複合材料の製造方法。
  24. 請求項15ないし23のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料を、所望の形状に成形する工程をさらに有する、炭素繊維複合成形品の製造方法。
  25. 請求項15ないし23のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料を、架橋する工程をさらに有する、炭素繊維複合成形品の製造方法。
  26. 請求項15ないし23のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料を、所望の形状を有する成形金型内で架橋するとともに成形する工程をさらに有する、炭素繊維複合成形品の製造方法。
  27. 請求項15ないし26のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を粉末成形する、炭素繊維複合ガラス材料の製造方法。
  28. 請求項15ないし26のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合材料または炭素繊維複合成形品を、溶融ガラスに混入して所望の形状を有する鋳型内で鋳造する工程をさらに有する、炭素繊維複合ガラス材料の製造方法。
  29. 請求項24ないし26のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合成形品に、溶融ガラスを浸透させて前記エラストマーを前記溶融ガラスと置換する工程をさらに有する、炭素繊維複合ガラス成形品の製造方法。
  30. 請求項24ないし26のいずれかに記載の製造方法によって得られた炭素繊維複合成形品の上方にガラス塊を配置する工程と、
    前記ガラス塊を加熱し溶融させることで溶融ガラスとするとともに、前記炭素繊維複合成形品中の前記エラストマーを気化させ、前記溶融ガラスを浸透させて該エラストマーと置換する工程と、
    をさらに有する、炭素繊維複合ガラス成形品の製造方法。
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