JP4255208B2 - 皮下目標組織塊物を切除する装置 - Google Patents

Description

『発明の属する技術分野』
本発明は変化した形状および寸法を有する皮下目標組織塊物を得るための外科装置および方法に関する。
【０００１】
『発明の属する技術分野』
本発明は変化した形状および寸法を有する皮下目標組織塊物を得るための外科装置に関する。
『発明の背景および従来技術の説明』
最近の医療診断法は人の身体内の異常状態を識別し、または、人の身体内の異常塊物を識別し、或いは、人の身体内の異常状態及び異常塊物を識別するのに、複雑な像形成技術に益々頼っている。磁気共鳴像形成法（ＭＲＩ）、超音波法、コンピュータ付き軸方向断層写真撮影法（ＣＡＴスキャン）、および、***Ｘ線撮影法等の技術は、医療人が潜在的に危険な異常の生物学的活性を示す身体内の領域を初めに識別するのを助けている。これらの技術の有利な面は、人の身体の内部の生物学的構造を像形成して、異常部分の早期診断、および、治療を容易にする際に有用な非侵攻性器具を提供することである。
【０００２】
一旦識別された検出皮下生物学的成長、塊物などは一般に完全な外科切除または少なくとも生理学的開放手法を必要とする。
【０００３】
胸部組織にできる石炭化のような小さい塊物は一般にその全体が除去される。塊物を切除する方法は診査外科手術中、或いは特別設計の外科装置を利用して行われる非侵攻方法である。取り出された検体を実質的に病理学的に分析してその生物学的特性、すなわち、良性か悪性かを判断する。
【０００４】
これらの像形成技術により目標とされた胸部組織における皮下塊物の一部を除去するのに使用される幾つかの種類の装置が知られている。しかしながら、これらの装置は一般に主塊物から小さい組織検体しか得られないか、或いは塊物を安全な切除縁をもって除去するのに必要な切除の大きさに因り顕著な表面傷跡を引き起こす。
【０００５】
或る種類の検体取出しは針吸引装置により行われる。これらの装置は端部穴を持つ針を有している。針は吸引により試料検体が得られる所望位置まで前進される。これらの装置により得られる検体の大きさおよび質はしばしば乏しいので、各々の所望歩目標組織塊物の多数回の採取を必要とする。しかも、所望位置まで経路に沿って出会う組織は不可避的に取り出される。患者から装置を抜取ると、中空の溝が生じ、それにより異常な細胞を持つ中空の溝取出し路の成長を許容してしまう。幾つかの針装置は針の拡大端穴を利用して組織の大きい部分を得る穴あけプローブを有している。これにより、検体があまりにも小さいが、必要とされる大きさの大きい切開により表面の傷跡量を増やす可能性を減らす。
【０００６】
多数の針溝または大きい針孔溝が使用される場合に必要とされる経皮切開によれと、しばしば、表面に著しく傷跡を残したり、窪みができたり、表面の形状が損じてしまう。
【０００７】
針側切取り装置は中空針軸の周囲に延びる刃を有している。軸および刃は皮膚入口部位のまわりに軸方向に回転されて大きい全体検体を切除する。目標の組織が薄く切取られ、螺旋刃経路により非連続な検体が得られる。これらの針側切取り装置は大きい試料検体を捕獲し易くするが、切開と切除すべき所望の検体との間の組織の比較的大きい心部の切除を必要とする。また、針側切取り装置によれば、検体の形状が不規則になり、且つ不規則な且つ／或いは出血性の縁を有する皮下空洞が生じてしまう。
【０００８】
従って、公知の装置は特に、表面組織の美容保全性を保持する重要性に起因して、ならびに公知の装置が一回の適用中にほとんどの塊物／石炭化物を除去することが出来ないことに起因して、女性の胸部から組織塊物を取り出すのにあまり適していない。
【０００９】
『発明の概要』
本発明は、切除のために識別された皮下組織の大きさ、および、形状が、経皮切開の寸法に最小限に依存する外科装置を提供する。本発明の装置は、胸部外科手術に特定の有用性を有している。
【００１０】
本発明は、その一面では、切除すべき組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する装置において、皮膚組織刺し手段を一端に有している軸方向に細長い部材と、該細長い部材に連結され且つ細長い部材に対して半径方向に拡張可能であり、切開を通しての切除のために目標組織塊物を周囲の組織から分離するために細長い部材の最大横寸法より大きく且つ目標組織塊物の最大の横方向の横断面寸法より大きい半径の周方向切り幅部を切り込む手段とを有していることを特徴とする皮下目標組織塊物を切除する装置を提供する。この装置は更に、皮膚組織刺し手段の侵入の結果生じる切開を通して細長い部材と共に軸方向に無菌取出しのために周方向切り幅部の切込みにより患者から分離された目標組織塊物を収集可能に収納するために、細長い部材と同心であり、且つ半径方向に拡張された形状にあるときに切取り手段上で軸方向に摺動で前進可能である拡張可能である無菌シールドを有している。
【００１１】
装置は更に、細長い部材と軸方向に摺動可能に同心であり、切込み手段の第１端部に連結されており、切込み手段を細長い部材に対する軸方向移動により概ね旋回の軸方向配向から湾曲したバスケット上配向へ拡張させるための外筒を有している。
【００１２】
本発明は更に他の面では、切除すべき組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する装置において、皮膚組織刺し手段が通って一端で出ている軸方向に細長い部材を有していることを特徴とする皮下目標組織塊物を切除する装置を提供する。この装置は更に、細長い部材に挿通可能であり、且つ細長い部材に対して半径方向に拡張可能であり、切開を通しての取出しのために目標組織塊物を周囲の組織から分離するために、細長い部材の最大横寸法より大きく且つ目標組織塊物の最大の横方向の横断面寸法より大きい基部半径を有する円錐形切り幅部を切り込むための手段を有している。本発明のこの実施例では、装置は更に好ましくは、細長い部材と皮膚組織刺し手段の侵入の結果生じる切開とを通して軸方向に無菌取出しのために円錐形切り幅部の切込みにより分離済み目標組織塊物を半径方向に拡張し且つ収集可能に収納するために、細長い部材に挿通可能であり、且つ切込み手段の経路にわたって前進可能である拡張可能な無菌シールド手段を有している。
【００１３】
本発明は、その一面では、好ましくは、経皮侵入切開を貫く刺しセグメントを有する上記装置を提供する。刺しセグメントの前縁部好ましくは切除すべき目標組織の経路における胸部組織を分離する。刺しセグメントは好ましくは切除すべき検体を通過して好ましくは円形の関連列状の非常に可撓性の切り刃を識別された内部の皮下胸部腫瘍に送り出す。
【００１４】
好ましくは可撓性の切り刃の円形列は好ましくは取付けられた作動軸の作用により半径方向に拡張される。刃は、定められた周囲のまわりに回転すると、半径方向に拡張して胸部組織を電気焼きによって切る。刃は好ましくは外方に拡張して目標組織検体を包囲し、且つ軸方向に回転して目標組織腫瘍を周囲の胸部組織から分離する。目標組織腫瘍は、円形刃経路の周囲の外側で周囲の胸部組織から切り取られ、且つ好ましくは可撓性切り刃の円形列にわたって設置されたシュリング膜により保護される。
【００１５】
このシュリング膜は好ましくはその口部を収縮させる一体の引き紐組立体を介して刃列を覆って締められる。膜で包まれた刃列は好ましくは切取り部位からの無菌取出しのために回収外筒に引き入れて圧縮される。
【００１６】
本発明に関連する方法の面では、本発明は皮下胸部腫瘍を除去する経皮表面切開は、外科装置を受け入れるために施される。適当な医療像形成技術を使用することにより、本装置の切込み装置を、好ましくは、固定皮下基準箇所を維持しながら、目標の皮下胸部腫瘍の領域まで案内する。次いで、刃の円形列を、好ましくは、半径方向に拡張して、好ましくは、目標の皮下胸部腫瘍より大きい寸法を有する、切るバスケットを構成する。電気焼き切り刃の半径方向拡張および回転により、目標とする腫瘍を周囲の組織から分離する。シュリング膜が刃列にわたって前進し、一体の引き紐組立体によりシュリング膜を締める。回収外筒が膜を圧縮して、皮下胸部空洞から抜き取られたままの目標腫瘍を包む。その結果、入口切開に対して大きい腫瘍が切り取られる。
【００１７】
本発明に関連する方法の他の面では、切除すべき目標組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する手順において、組織刺し手段を患者に向けて前進させて患者の皮膚に切開を生じ、半径方向に拡張し、且つ、目標組織塊物のまわりに切開より大きい周方向切り幅部を切込むための位置になるまで、切込み手段を切開を通して皮下組織の中へ摺動で前進させ、目標組織塊物のまわりに周方向切り幅部を切込み、それにより、目標組織塊物を周囲の組織から分離し、可撓性の無菌収容手段を目標組織塊物のまわりの囲い位置まで分離済み目標組織塊物を覆うように摺動で前進させ、目標組織塊物を無菌で収容した可撓性無菌収容手段を、切開を通して抜取ることを含むことを特徴とする皮下目標組織塊物を切除する手順を提供する。この方法は、更に、切り幅部を切り込んだ後に切込み手段を収縮させることを含む。
【００１８】
本発明に関連する方法の更に他の面では、切除すべき目標組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する手順において、組織刺し手段を患者に向けて前進させて患者の皮膚の切開を生じ、除々に半径方向に拡張し且つ目標組織塊物のまわりに切開より大きい円錐形切り幅部を切込むための位置になるまで切込み手段を、切開を通して皮下組織の中へ摺動で前進させ、それにより、目標組織塊物を周囲の組織から分離し、可撓性の無菌収容手段を、目標組織塊物のまわりの囲い位置まで、分離済み目標組織塊物を覆うように摺動で前進させ、目標組織塊物を無菌で収容した可撓性無菌収容手段を、切開を通して抜取ることを含むことを特徴とする皮下目標組織塊物を切除する手順を提供する。この面では、好ましくは、更に、円錐形切り幅部の切込み後に、好ましくは、ワイヤである切込み手段を半径方向内方に収縮させることを含み、更に、切込みワイヤの通過により上記円錐の基部に沿って組織を半径方向内方に切込み、その後、可撓性無菌収容手段を、円錐の周囲と収容された目標組織塊物とのまわりを覆って閉じることを含む。
【００１９】
『好適な実施例の詳細な説明』
本発明は、経皮胸部組織を切除する外科装置を提供する。この本発明の装置は、切除部位を占める最大の経皮目標検体より実質的に小さい切開を通過する能力を有している。
【００２０】
一実施例では、外科装置は好ましくは電気焼き切り用の円形列状の可撓性切り刃で目標組織を切って、好ましくは検体を拡張可能な刃経路の周囲内に集め、かくして、好ましくは単一の手順で完全な腫瘍を得る。組織は好ましくは完全な検体として、或いは変更例として、セグメント状態でシュリング膜内に戻される。好ましくは、刃列を収縮時に更に包囲し且つ圧縮するために、回収外筒が位置決めされる。
【００２１】
図１を参照して説明すると、外科装置１０の図示の実施例は回転可能な内側軸２０と、管状の回収外筒２５と、シュリング膜３０と、全体的に符号５０で示す半径方向に可撓性で、且つ、拡張可能な切り刃の円形列と、膜引き紐８０と、シュリング膜３０の口部分２７と、電源１５と、組織刺し部材６５とを有している。
【００２２】
シュリング膜３０は、好ましくは、軸２０と同軸に平行な内面３２と、外面３４とを有している。シュリング膜３０の内面３２は、好ましくは、軸２０の外面２２に接触する。シュリング膜３０は、軸２０の近位端部を通して、遠位方向に、または、近位方向に調節可能に位置決めされる。
【００２３】
管状回収外筒２５は、好ましくは、遠位のひだ付きの部分と、外面４５と、シュリング膜３０に対面的に同軸に接触する内面６０とを有している。内面６０がシュリング膜３０の外面に摺動可能に係合する。軸２０は回転軸線１２を構成している。
【００２４】
軸２０は矢印１２に示すように回転する。外科装置１０の回転可能な軸２０は好ましくは機械的手摘み部を介して手動で回転される。しかしながら、軸２０は電源１５により駆動し得る図示しない電気モータと作動可能に連接されている。
【００２５】
円形の切り刃列５０は、好ましくは刺し部材６５と軸２０の近位端部との間に固定された個々の可撓性刃５５を有している。刃５５は好ましくは電源１５により加熱される電気焼き切るものである。
【００２６】
外科装置１０を構成するのに利用される材料は好ましくは最近の医療像形成装置を使用して見えるように放射線不透過性である。
【００２７】
図２を参照すると、個々の可撓性刃５５は非拡張性組織挿入配向にある外科装置１０が示されている。この挿入配向では、刃は管状回収外筒２５と平行であり、且つ管状回収外筒２５よりわずかに小さい直径のものである。管状回収外筒２５は口部分２７を有するシュリング膜３０と、膜３０を一旦開放されてから閉じるための引き紐８０とを有している。引き紐８０は口部分２７の遠位縁部に沿って位置決めされている。
【００２８】
膜３０の口部分２７は切除部位に達すると、ポリビニルタブまたはリップコードの引張りに応じて外方に拡張する。ポリビニルタブまたはリップコードは好ましくは図面に示さない右側の軸２０の端部にある。ポリビニルタブまたはリップコードは図面では見えていない。
【００２９】
回収外筒２５は好ましくは切り刃の円形列５０にわたって前進され、且つ好ましくは引き紐を軸２０の近位端部に向けて引っ張ることによって切り刃および切取り検体のまわりに適所に固着される。
【００３０】
図３を参照すると、刺しセグメント６５は表面切開と腫瘍との間の毛糸にある皮下組織を分離するように形成されている。
【００３１】
図３および図４は図１および図２に示す外科装置１０の実施例の変更例を示している。図３および図４に示す変更例では、軸２０は、切り刃円形列５０の中心を通って前方に延びていて、刺し部材６５と連結している内部溝２１を有している。マーキング流体を皮下領域へ任意に送り出すために図示していない軸ステム部分が刺し部材６５のダイポート７０に繋がっている。ダイポート７０により、装置１０の操作者はマーキング物質を皮下切除部位へ送り出すことができる。変更例として、将来の医療像形成分析のために切除部位をマーキングするためにチタニウムクリップをクリップ止め面７５から出す。
【００３２】
図４に示すように、切り刃５５の円形列５０は刺し部材６５の方向における軸２０の相対モーメントで半径方向に拡張して切り配向を定める。可撓性切り刃５５は好ましくは、外方に拡張し、且つ半径方向拡張後に回転すると、電気焼き切るものである。可撓性切り刃５５が図４に矢印Ａで示す方向に回転すると、目標組織腫瘍は周囲の皮下胸部組織から分離され、円形刃経路の周囲内に留まる。
【００３３】
変形例として、可撓性切り刃の円形列５０は「調和メス」と称される半径方向に拡張可能な超音波切込み手段またはレーザ切込み手段を用いることができる。
【００３４】
皮下胸部目標組織腫瘍を切除する方法は図５に示されている。図５には、腫瘍が除去された外科手術部位の皮下縁が１００として示されており、腫瘍の除去は皮下空洞１０５を生じた。図示のように、皮下空洞１０５は切除距離９５だけ表面切開１２６から離れている。
【００３５】
皮下胸部組織腫瘍を除去するのに備えて、経皮組織を切り込んで切開１２６を生じる。外科装置１０の刺し部材６５を切開１２６に設置する。刺し部材６５を経皮切開１２６と識別された目標組織腫瘍との間で皮下胸部組織に押し通す。目標組織腫瘍は超音波または***撮影のような医療像形成装置を介して可視化される所望の切除部位である。刺しセグメントが切除すべき腫瘍を通過するまで外科装置１０の先端を前進させる。
【００３６】
医療像形成装置により図示のように装置１０を目標組織塊物に対して適切に位置決めすると、軸２０の近位端部は刺し部材６５に向けて押圧される。可撓性切り刃５５は半径方向に拡張して皮下縁１００を定める。次いで、可撓性切り刃列５０を矢印１２で示すように軸の軸線のまわりに回転させて目標組織腫瘍を縁１００に沿って分離する。
【００３７】
次いで、膜３０を円形切り刃列５０にわたって前進させ、一体の引き紐８０を軸２０の端部に向けて図５の右側へ引っ張ることによって膜３０を締める。引き紐８０は膜３０の遠位縁を締める。ポリビニルタブを軸２０の端部に向けて引っ張ると、外筒２５の口部２７はポリビニルタブにより拡張される。
【００３８】
膜により現在包まれている切り刃５５の円形列をシュリング外筒２５の口部に引き入れ皮下空洞１０５から取り出す。
【００３９】
図６に示す好適な実施例においては、全体的に符号２０６で示す、複数の支持部材（ガイドストラット）は、皮膚表面切開２２４を通して、且つ、支持導管２０２を構成する管状ハウジングを経て、目標組織機物２２８を通り越して前進される。図７および図８に示すように、支持部材２０６は表面切開２２４に挿通し、図１１に示すように、目標組織塊物２２８に対して円錐形の所望の切除縁を定める位置まで移動される。図８から図１０に示すように、表面切開２２４から目標組織塊物２２８を通り過ぎた支持部材２０６の延長部の形状により、円錐形境界領域２０８と称する、除々に拡張している皮下取出し経路を形成する。
【００４０】
図１１から図１３に示すように、組織切りワイヤループ（電気焼き切りシュリング）２１４を支持部材２０６に沿って前進させて円錐形の切除縁を生じる。
【００４１】
図１４を参照して説明すると、一体の引き紐２１８を皮膚の外側に向けて引っ張ることによって、組織切りワイヤループ２１４が引き閉じられるところまで、支持部材２０６の長さを越えて、組織切りワイヤループ２１４を前進させる。図１５から図１７に示すように、外筒２１６の口部２３１を構成された支持カテーテル２１２に沿って前進させ、そして、図示しないポリビニル引きタブを引っ張ることによって口部を拡張する。図１８から図２４に示すように、支持部材２０６を外筒２１６により包囲し、支持カテーテル２１２を通して、支持部材２０６を皮下空洞から取出し得る。
【００４２】
図６から図２７に示すような図示の装置を使用した本発明の好適な一実施例では、装置２００は、全体的に符号２０２で示す支持導管と、全体的に図６に示すように、支持導管２０２に挿通可能である切り刃２０５を有する、軸方向に細長い皮膚切込み手段２０４とを有している。皮膚、好ましくは、図２４に全体的に符号２４６で示す人の胸部に適当な切開を形成するのに、皮膚切込み手段２０４、特に、切り刃２０５を使用し、図６および図２４を含む図面では、皮膚を符号２２４で示している。切開は、好ましくは、Ｘ線***撮影技術を使用して危険であるので除去すべきであると予め識別された、図面に全体的に符号２２８で示す目標組織塊物に対する出入口をなすように形成される。
【００４３】
皮膚切込み手段２０４およびその切り刃２０５の適切な使用により図面に全体的に２４８で示す皮膚切開を形成したら、好ましくは、皮膚切込み手段２０４を図６の左側まで移動して支持導管２０２を通して軸方向に引き抜き、全体的に２０６で示す複数の支持部材を有する全体的に２０７で示す支持手段を図７に全体的に示すように支持導管２０２を通して胸部の皮下組織２２６の中へ軸方向に挿入する。支持手段２０７の移動方向は全体的に図７の矢印Ａで示してある。
【００４４】
支持手段２０７の支持部材２０６を皮下組織２２６に挿入すると、支持部材２０６は、支持手段２０７の一部を構成する図８に点線で示す弾性ばね手段２１０の影響により、目標組織塊物２２８を包囲する円錐形境界領域を構成するような位置まで半径方向に拡張する。円錐形境界領域２０８は目標組織塊物２２８および医療的に適切な量の周囲の健全な皮下組織２２６を取り出すための切開の平面を構成する。
【００４５】
支持部材２０６が弾性ばね手段２１０の影響により互いから半径方向に散開すると、支持部材２０６の遠位先端部２０９は円錐形境界領域２０８の基部を構成する円を構成する。支持部材２０６の残りの近位端部はばね手段２１０に応答して枢動回転可能に図面に番号付けしていない支持軸に枢動連結されている。
【００４６】
支持部材２０６を図８に示す位置へ展開すると、目標組織塊物は支持部材２０６により構成された円錐形境界領域２０８内に全部が入る。
【００４７】
一対の組織切りワイヤループ２１４を図９に全体的に示すように支持部材２０６の基部のまわりに位置決めし、図９に示す夫々の支持カテーテル２１２により支持し、これらのワイヤループ２１４は支持カテーテル２１２から出る。支持カテーテル２１２は十分に剛性であるので、図９に矢印Ｂ、Ｂ’で示すように力が支持カテーテル２１２に軸方向に加えられると、支持カテーテル２１２は図９の右側へ移動して図１０に全体的に示すように組織切りワイヤループ２１４を支持部材２０４の外周に沿って前進させる。
【００４８】
支持カテーテル２１２が図９および図１０の右側へ移動されると、組織切りワイヤループ２１４の追加の長さ分を支持カテーテル２１２を通して供給し、従って、図１０に示すように支持部材２０６により構成された円錐形境界領域の斜面のまわりに測定して円錐形境界領域の円周が増大するにつれて、図１０に示すように支持部材２０６の外面のまわりのループの形態である組織切りワイヤループ２１４は大きくなることができる。
【００４９】
組織切りワイヤループ２１４が支持部材２０６の遠位端部２０９を通り、円錐形境界領域２０８の形成する本質的に一致し且ついずれの場合にも同心である一対の円を構成するまで、支持カテーテル２１２を図１０の右側へ押圧する。
【００５０】
支持カテーテル２１２の移動により組織切りワイヤループ２１４がこの位置に達すると、ワイヤ形成組織切りワイヤループ２１４はそれぞれの支持カテーテル２１２を通して左側へ引かれる。これにより、ワイヤを図１１に矢印Ｃ、Ｃ’で全体的に示すように引き抜くと、夫々の組織切りワイヤループ２１４は互いに締まる。組織切りワイヤを夫々の支持カテーテル２１２を通して図１１の左側へ引くと、ワイヤループ２１４が互いに締まり、それにより皮下組織２２６を通して円形切開を切り込む。この作用は全体的に図１１に示されており、図１１では、それぞれ組織切りワイヤループ２１４が完全にではなく部分的に締められて示されている。２つのワイヤループ２１４は好ましくは力が対称的に付加されるようになっている。
【００５１】
組織切りワイヤループ２１４を完全に締め、且つ夫々の組織切りワイヤ２１４を図１２に矢印Ｄ、Ｄ’で示す方向に連続的に引くことによってワイヤを第１２図に示す位置へ抜き出すと、円錐形境界領域２０８は組織切りワイヤループ２１４の作用により生じられた切開の平面を構成し、これらの切開平面は図１２に点線で示されている。なお、２つの点線は、夫々の組織切りワイヤループ２１４の作用により２つの円形平面状切開が生じられたことを示すために、図１２の極端の右側に示されている。望ましくは、これらの２つの円形平面状切開は本質的に互いに一致している。
【００５２】
組織切りワイヤループ２１４が図１２に示す位置へ完全に抜き取られると、適当な組織収容袋構造体２１６を支持手段２０７、特に、支持部材２０６の外周のまわりに支持導管２０２の外方に前進させる。組織収容袋２１６は、好ましくは、一対の引き紐２１８を有しており、これらの引き紐２１８は金属、縫糸材料、適当なプラスチックのモノフィラメントなどであり、図１３に現れている垂直な右側縁部に近接して組織収容袋２１６に縫い込まれている。引き紐２１８は、図１３に示す末端部分２１９を有している。
【００５３】
組織収容袋２１６を、その縁部２１７が支持部材２０６の遠位先端２０９越えて円錐形境界領域２０８の基部に概ね対応する位置まで胸部に対して内方に移動するように前進させると、引き紐２１８の末端部２１９を図１３および図１４の右側へ引張り、それによりループ状引き紐２１８、２１８’により袋２１６の縁部２１７を閉じて縁部２１７を図１４に示すように円形に寄せ集める。
【００５４】
袋の縁部２１７が円形に寄せ集められ、それにより興味ある目標組織塊物２２８のまわりに袋２１６を効果的に閉じると、拡張可能な外筒２３０を組織収容袋２１６のまわりで支持導管２０２の内部を通して前進させ、この拡張可能な外筒２３０は図１５に矢印Ｆで示す方向に移動する。拡張可能な外筒２３０はひだ付きの拡張可能な部分２３１を有しており、この部分２３１は弾性を有しており、半径方向外方に拡張して内部応力を除去するようになっている。従って、拡張可能部分２３１が皮下組織２２６内にある支持導管２０２の終端に達すると、拡張可能部分２３１は半径方向に拡張して全体的に図１６に示す形状になる。外筒２３０の拡張可能部分２３１は好ましくは図１７に示すようにひだ付きである。
【００５５】
拡張可能な外筒２３０、特にその拡張可能部分２３１は、目標組織塊物２２８を包囲した袋２１６を図１９における矢印Ｇおよび図２０における矢印Ｈで全体的に示すように図１６、図１９および図２０の左側へ引っ張ると、組織収容袋２１６に作用する半径方向内方に向けられた力の形態の支持をなす。拡張可能な外筒２３０により組織収容袋２１６およびそこに収容された目標組織塊物２２８に与えられた半径方向内方の力は、組織収容袋２１６を図１９の左側へ引っ張られると、組織塊物２２８を圧縮してより小さい体積にし、且つ組織塊物２２８を本質的に押し潰して支持導管２０２を通過するための長さ方向に細長い形態にする。組織収容袋２１６を外筒２３０の漏斗状の拡張可能部分２３１を通して支持導管２０２の内部に引き入れると、組織塊物２２８に対する半径方向の力の付加により、組織塊物２２８の横方向横断面寸法を少なくとも支持導管２０２の直径まで減じさせる。
【００５６】
袋２１６およびそこに収容された組織塊物２２８が皮下組織から取り出されたら、拡張可能な外筒２３０を図２０に矢印Ｈで示す方向に引っ張ることにより取り出し得る。
【００５７】
任意な例として、拡張可能な外筒２３０が適所にあり、おそらく興味ある切除領域から部分的にのみ取出された位置にある間、図２１に示すように、薬剤袋２３２を支持導管２０２の内部と、拡張可能な外筒２３０とを通して切除領域に挿入してもよい。これは切除領域に放射線治療を施すために放射性ガスを供給する手段をもたらす。また、拡張外筒２３０が切除領域に留まる間、バルーンを使用して、或いは他の方法で、符号２３６として示された放射線マーカーを興味ある切除領域に植えつけてもよい。追加の任意な例として、拡張可能な外筒が適所にあり、皮下組織の切除領域に空所を維持している間、図２２に符号２３４として概略的に示す液状薬剤を切除領域に供給してもよい。この場合、切除組織を間隔を隔てた状態に維持している拡張可能な外筒は、切除体積のすべての部分に液状薬剤を供給し易くする。
【００５８】
以上に説明したように、本発明の装置を利用すると、胸部の皮膚に接近する小さいトンネル状の切開が生じ、そこから大きい切除塊物が取り出され、その結果生じた内部切開部分を図２４に符号２４４で示してある。
【００５９】
支持部材２０６は、図２３に符号２３０で示すように、放射線不透過特性をもたらすように金属先端を有してもよく、また、図２３に符号２４０として示す、金属、または、他の放射線不透過性マーカーバンドを有してもよい。支持部材２０６の中央部分２４２は、好ましくは、図２３における点描写により示すように、放射線透過性である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 切り刃が半径方向拡張状態にある本発明の種々の構成を明示する装置の一実施例の側面図である。
【図２】 切り刃が非拡張状態にある図１に示す外科装置の側面図である。
【図３】 切り刃が図２に示すように非拡張状態にある図１および図２に示す装置の変更例の前面図である。
【図４】 切り刃が全体的に図１に示すように半径方向拡張状態にある図１から図３に示す装置の変更例の前面図である。
【図５】 図１から図４に示す装置の無菌シールド部分内に包んだ状態で目標組織塊物を女性胸部から除去する、本発明に関連する方法において、上記装置を胸部内の適所に入れた状態の女性の胸部組織の破断概略部分断面図である。
【図６】 本発明に関連する方法を実施する過程で示される本発明の好適な一実施例による装置の一部の側面図である。
【図７】 本発明に関連する方法を実施する過程における本発明の装置の好適な一実施例の追加部分を示す図６に示す装置の一部の側面図である。
【図８】 展開された支持部材を示している図７に示す装置の側面図である。
【図９】 経皮腫瘍のまわりに展開している支持部材を示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１０】 支持部材の縁に沿った組織切りワイヤループの前進を示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１１】 切り刃が完全に展開された状態の図１０に示す装置の側面図である。
【図１２】 組織切りワイヤループの新たな引っ込みを示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１３】 収容構造の前進を示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１４】 組織収容が完了した状態の装置の好適な実施例の側面図である。
【図１５】 収容外筒の展開を示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１６】 正常に展開された収容外筒を示している装置の好適な実施例の側面図である。
【図１７】 図１６に示す装置の等角投影図である。
【図１８】 組織の引き紐を示している組織収容袋の破断図である。
【図１９】 完全に展開された収容外筒を示している他は、図１６と同様な側面図である。
【図２０】 引き抜かれている収容外筒を示している他は、図１９と同様な側面図である。
【図２１】 薬剤袋および放射線マーカーの任意の使用を示している図１９と同様な側面図である。
【図２２】 収容外筒により一部が支持された液体薬剤の任意の使用を示している図１９と同様な側面図である。
【図２３】 支持部材の立面図である。
【図２４】 女性の胸部を示し、且つ、本発明に関連する方法の実施の結果得られる切開を示す図である。
【図２５】 図８の右側から見た部分端部立面図である。
【図２６】 図１０の右側から見た部分端部立面図である。
【図２７】 図１６の右側から見た部分端部立面図である。

Claims (13)

1. 切除すべき組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する装置（１０）であって、
   （あ）軸を有する管状の回収外筒（２５）を備え、前記管状の回収外筒（２５）は、皮膚組織刺し手段（６５）と、遠位端部とを有しており、さらに、
   （い）前記管状の回収外筒（２５）に連結された組織切込み手段（５０）を備え、前記組織切込み手段（５０）は、電気焼き切りするようになっており、かつ、前記管状の回収外筒（２５）の最大横寸法より大きく、かつ、前記目標組織塊物の最大の横方向の横断面寸法より大きい半径の周方向の幅部を切断するために、前記管状の回収外筒（２５）に対して半径方向に拡張可能であり、それによって、前記目標組織塊物は、前記切開を通して前記目標組織塊物を切除するために周囲の組織から分離することができるようになっている装置において、
   前記装置は、さらに、
   （う）前記分離された目標組織塊物を覆うように、前記組織切込み手段の上に前記管状の回収外筒（２５）に対して摺動して前進され、前記分離された目標組織塊物のまわりを覆って閉じられ、次に、前記切開を通して抜取られるようになっているシュリング膜（３０）を備え、それによって、前記シュリング膜（３０）の中に無菌で収容された前記目標組織塊物を、前記切開を通して抜取ることができるようになっている、
   ことを特徴とする装置。
2. 切除すべき組織塊物の最大横寸法より小さい皮膚切開を通して皮下目標組織塊物を切除する装置（２００）であって、
   （あ）皮膚切込み手段（２０４）を有する支持導管（２０２）を備え、前記皮膚切込み手段（２０４）は、遠位端部から突出するように前記支持導管（２０２）に挿通可能であり、
   前記装置は、さらに、
   （い）前記支持導管（２０２）に連結された組織切込み手段（２１４）を備え、前記組織切込み手段（２１４）は、電気焼き切りするようになっており、かつ、前記支持導管（２０２）の最大横寸法より大きく、かつ、前記目標組織塊物の最大の横方向の横断面寸法より大きい半径の周方向の幅部を切断するために、前記支持導管（２０２）に対して半径方向に拡張可能であり、それによって、前記目標組織塊物は、前記切開を通して前記目標組織塊物を切除するために周囲の組織から分離することができるようになっている装置において、
   前記組織切込み手段（２１４）は、組織切りワイヤループ（２１４）で構成されており、
   前記装置は、さらに、
   （う）前記分離された目標組織塊物を覆うように、前記支持導管（２０２）から延びる支持手段の上に前進され、前記分離された目標組織塊物の上に前進され、前記分離された目標組織塊物のまわりを覆って閉じられ、次に、前記切開を通して抜取られるようになっている組織収容袋（２１６）を備え、それによって、前記組織収容袋（２１６）の中に無菌で収容された前記目標組織塊物を、前記切開を通して抜取ることができるようになっている、
   ことを特徴とする装置。
3. 拡張可能な外筒（２３０）を更に備え、前記拡張可能な外筒（２３０）は、前記支持導管（２０２）の内部を通して前進可能であり、かつ、半径方向に向けられた力を前記組織収容袋（２１６）に加えるように前進可能であることを特徴とする、請求項２に記載の装置。
4. 拡張可能な外筒（２３０）は、ひだ付きの拡張可能な部分（２３１）を有することを特徴とする、請求項３に記載の装置。
5. 前記支持導管（２０２）は、前記支持導管（２０２）の中に挿入可能であり、かつ、軸方向に細長い皮膚切込み手段（２０４）を有することを特徴とする、請求項２に記載の装置。
6. 前記組織切込み手段（５０、２１４）を加熱するための電源（１５）が設けられることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。
7. 前記組織切込み手段（２１４）は、一対の組織切りワイヤループで構成されることを特徴とする請求項２に記載の装置。
8. 前記組織切込み手段（５０）を回転させるための軸（２０）が設けられることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
9. 前記組織切込み手段（５０）は、円形列になるように拡張された後に、前記軸（２０）の軸線（１２）を中心として回転するようになっていることを特徴とする請求項８に記載の装置。
10. 前記組織切込み手段（５０）は、前記皮膚組織刺し手段（６５）と、前記回転可能な軸（２０）の端部との間に配置されることを特徴とする請求項８又は９に記載の装置。
11. 皮下の領域にマーキング流体を送り出すためのダイポート（７０）が前記皮膚組織刺し手段（６５）に設けられることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
12. 前記支持導管（２０２）を通して軸方向に挿入可能な複数の支持部材（２０６）を備え、前記組織切りワイヤループ（２１４）は、前記支持部材（２０６）の外面にそって移動することを特徴とする、請求項２に記載の装置。
13. 前記複数の支持部材（２０６）は、互いから半径方向に散開するようになっていることを特徴とする請求項１２に記載の装置。

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