JP4255149B2 - 給湯施設用の圧力逃し弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯施設のボイラーの缶体などに組付ける圧力逃し弁についての改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の給湯施設のボイラーの缶体などに組付ける圧力逃し弁Aは、通常、図1に示している如く、弁箱1の上面側に、ボイラーの缶体などの2次側に接続するよう該弁箱1に設けた接続管10と連通する2次室wを形成して、そこに、その2次室w内の水圧を感知して上下に作動するダイヤフラム2を組付け、そのダイヤフラム2の下面側に、そのダイヤフラム2と共に上下に動く弁体3を、そのダイヤフラムの素材によりそれと一体に連続させて成形して装設するか、別体に形成してダイヤフラム2に一体的に組付けて装設し、その弁体3の下面側に弾性資材よりなるシート30を設け、弁箱1の前記弁体3の下方に、弁箱1に設けた排水管11と通ずる筒状部12を設け、この筒状部12の内側に筒状に形成した弁座金具4を上下に摺動自在に嵌装して、これを弱いバネaにより上方に押し上げ、その上昇作動を、弁座金具4の外周に設けた拡径部4aと筒状部12に設けた突起部13との衝合により規制し、かつ、この弁座金具4の上端側に前述の弁体3に設けた環状のシート30に対向する環状の弁座40を形成し、それの内側に上下に透通する逃し口bを形成し、弁箱1の上面側の前記ダイヤフラム2の外面側には、バネケース5を組付けて、これにダイヤフラム2に装設した弁体3を弁座40に向けて押し下げる圧力設定用のバネ50を組付け、さらにそのバネ50のバネ圧を調節する調節ネジ51を組付けることで構成してある。
【0003】
そして、これにより、2次室w側に異常な圧力が生じたときには、ダイヤフラム2が上昇することで弁座金具4に設けた弁座40から弁体3が上方に離れて逃し口bが開放して圧力を外部に逃すようになり、常態時には、バネ50により押し下げられた弁体3の周縁部分の下面が筒状部12の上面に設けたストッパーSに突き当たることで弁体3の下降作動が規制され、この弁体3の環状のシート30に弱いバネaのバネ圧で押し上げられる弁座40が衝合する状態となって、弾性資材よりなるシート30の損傷を防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従前手段は、上下可動に弁箱1内に組込む筒状の弁座金具4の上昇作動を所定の位置に規制するのに、弁座金具4のボディに形成した拡径部4aが、弁箱1の筒状部12の内周面の上端側に設けた突起部13に衝合することで行なうようにすることから、弁箱1に対しこの筒状の弁座金具4を組付けるのに、弁箱1の下方から挿し込むようにしなければならず、この弁座金具4の他の弁体3・ダイヤフラム2等の他の部品を弁箱1の上面側から組付けるようにすることから組付ける時間と手間がかかる問題がある。
【0005】
また、設定圧力の調整を、力の弱いバネ50のバネ圧を強弱に調整して行なうことから、その調整に力が必要なことと、微調整がしにくい問題がある。
【0006】
本発明は、従来手段に生じている上述の問題を解消せしめるためになされたものであって、弁座を、弁箱に上下可動に組付けて弱いバネにより上昇側に付勢する筒状の弁座金具の上端側に形設して、この弁座が、弁箱の上面側に2次圧により作動するダイヤフラムと共に上下に動くよう組付ける弁体の下面の弾性資材よりなるシートに衝合していくようにしながら、この弁座を形設する弁座金具の組付けが、弁体等の他の部品と共に弁箱の上面側からも行なえるようにして組付けを容易にし、かつ、設定圧力の調整が、圧力設定用の強い力のバネの制約を受けずに、僅かな力で行なえるようにして、微調整が適確に行なえるようにする新たな手段を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明においては、上述の目的を達成するための手段として、ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管10と圧力を外部に逃す排水管11とを具備する弁箱1の上面側には、前記接続管10と連通する2次室wを形成し、その2次室の外面側に該2次室w内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム2を組付け、そのダイヤフラム2の下面側に弁体3を該ダイヤフラム2と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体3の下面側に、弾性資材よりなるシート30を装設し、ダイヤフラム2の外面側に配位して弁箱1に組付けるバネケース5内には、前記弁体3をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ50を配設し、この弁体3の下方位置における弁箱1の上面側に、上端側が開放口により前記2次室wに連通し下端側が底壁に設けた連通口10aを介して排水管11に連通する上下方向の筒状部12を装設し、その筒状部12の上方の開放口の周縁部に、前記弁体3の下降作動時にその弁体3の周縁部に当接してその弁体3の下降作動を所定位置において規制するストッパーSを装設し、この筒状部12内には、内筒状に形成した弁座金具4を、この筒状部12の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、その弁座金具4の上端縁に前記弁体3の下面の弾性資材よりなるシート30に対向する弁座40を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口bを形成し、筒状部12の底壁120又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具4の支持金具42との間に、弁座金具4を上昇側に付勢する弱いバネaを介装し、この弁座金具4の上昇作動のエンドを規制する調節棒6を、前記バネケース5または筒状部12または弁箱1内に設ける取付金具に、上下の調節自在に組付け、この調節棒の上下調節により弁座金具4の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁を提起する。
【0008】
また、これに併せて、ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管10と圧力を外部に逃す排水管11とを具備する弁箱1の上面側には、前記接続管10と連通する2次室wを形成し、その2次室wの外面側に2次室w内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム2を組付け、そのダイヤフラム2の下面側に弁体3を該ダイヤフラム2と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体3の下面側に弾性資材よりなるシート30を装設し、ダイヤフラム2の外面側に配位して弁箱1に組付けるバネケース5内には、前記弁体3をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ50を配設し、この弁体3の下方位置における弁箱1の上面側に、上端側が開放口により前記2次室wに連通し下端側が底壁に設けた連通口を介して排水管11に連通する上下方向の筒状部12を装設し、その筒状部12の上方の開放口の周縁部に、前記弁体3の下降作動時にその弁体3の周縁部に当接してその弁体3の下降作動を所定位置において規制するストッパーSを装設し、この筒状部12内には、内筒状に形成した弁座金具4を、この筒状部12の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、この弁座金具4の上端縁に前記弁体3の下面の弾性資材よりなるシート30に対向する弁座40を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口bを形成し、筒状部12の底壁120又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具4の支持金具42との間に、弁座金具4を上昇側に付勢する弱いバネaを介装し、バネケース5には、そのバネケース5を上下に貫通する調節棒6を、バネケース5に対して上下の調節自在に組付け、その調節棒6の下端側を、ダイヤフラム2に組付けた弁体3の中心部位に開設せる透孔に水密を保持せしめて摺動自在に嵌挿し、その調節棒6の下端が上昇してくる弁座金具4に当接してそれの上昇作動のエンドを規制するようにして、この調節棒の上下調節により弁座金具4の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁を提起する。
【0009】
さらに、ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管10と圧力を外部に逃す排水管11とを具備する弁箱1の上面側には、前記接続管10と連通する2次室wを形成し、その2次室wの外面側に2次室w内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム2を組付け、そのダイヤフラム2の下面側に弁体3を該ダイヤフラム2と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体3の下面側に弾性資材よりなるシート30を装設し、ダイヤフラム2の外面側に配位して弁箱1に組付けるバネケース5内には、前記弁体3をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ50を配設し、この弁体3の下方位置における弁箱1の上面側に、上端側が開放口により前記2次室wに連通し下端側が底壁120に設けた連通口12aを介して排水管11に連通する上下方向の筒状部12を装設し、その筒状部12の上方の開放口の周縁部に、前記弁体3の下降作動時にその弁体3の周縁部に当接してその弁体3の下降作動を所定位置において規制するストッパーSを装設し、この筒状部12内には、内筒状に形成した弁座金具4を、この筒状部12の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、この弁座金具4の上端縁に前記弁体の下面の弾性資材よりなるシート30に対向する弁座40を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口bを形成し、筒状部12の底壁120又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具4の支持金具42との間に、弁座金具4を上昇側に付勢する弱いバネaを介装し、この弁座金具4の上昇作動のエンドを規制する調節棒6を、弁座金具4内に配して、それの上端側を弁座金具4の支持金具42に開設した透孔に上下の摺動自在に嵌挿し、その透孔から上方に突出する上端部に前記支持金具42に対し衝合する規制部材60を設け、下端側を、前記筒状部12の底壁120または筒状部12の下方における弁箱1内に設ける取付金具に上下の調節自在に組付け、この調節棒の上下調節により弁座金具4の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁を提起するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、弁箱に、ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管と圧力を外部に逃すための排水管とを具備せしめ、その弁箱の上面側に、前記接続管と連通する2次室wを形成し、その2次室の外面側に、その2次室内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラムを組付け、それの下面側に、それの動きに伴い一緒に上下に動くよう弁体を組付け、それの下面に弾性資材よりなるシートを設け、ダイヤフラムの外面側に配位して弁箱に組付けるバネケース内に設ける圧力設定用のバネによりこの弁体を下方に向けて押し下げる。
【0011】
弁箱内の、この弁体の下方位置には、上端側の開放口が前述の2次室に連通し下端側が底壁に設けた連通口を介して前述の排水管に連通する上下方向の筒状部を装設し、これの内部に、筒状の弁座金具を水密状態に挿入し、この弁座金具を筒状部の底壁との間に介装した弱いバネにより上方に押し上げ、該弁座金具の上端縁に形成した環状の弁座が、前述の弁体の下面に装設した弾性資材よりなるシートに衝合していくようにし、その環状の弁座の内側を開閉する逃し口に形成する。
【0012】
筒状部の上方の開放口の周縁部には、前述の圧力設定用のバネにより押し下げられる弁体の周縁部に当接してその弁体の下降作動を所定位置に規制するストッパーを装設しておき、これにより、圧力設定用のバネにより押し下げられた弁体がストッパーに当接して下降作動が規制されたところに、弱いバネで押し上げられる弁座がその弱いバネのバネ圧で衝合していくようにする。
【0013】
そして、弁箱内または、バネケース内には、筒状の弁座金具の上昇作動のエンドを規制する調節棒を装設し、かつ、この調節棒の弁座金具に対する衝合位置が上下に調節自在となるようにして、この調節棒の上下の調節作動により設定圧力の調整を行うようにする。
【0014】
この調節棒は、筒状の弁座金具の内部に装設する場合にあっては、弁座金具のバネ受座の中心部位に開設しておく透孔に摺動自在に嵌挿して、下端側に形設しておくねじ部を、筒状部の底壁の中心部位に形設しておくねじ穴または、筒状部の下方における弁箱内に装設しておく取付金具に装設するねじ穴に螺合して弁箱に対し組付け、前記バネ受座から上方に突出する上端側に、バネ受座の上面に衝合する止め輪を嵌装しておいて、排水管内に突出する下端を、下方から排水管内に差し込むなどの工具によりこの調節棒を回転させることで上下に動かし、止め輪の高さ位置に変更することで弁座金具の上昇作動のエンド位置の変更を行なわすようにする。
【0015】
また、この調節棒を弁箱の上面側に組付けるバネケース側に設ける場合にあっては、バネケースの上部又はバネケースに一体的な金具に上端側を螺合して、下端側を、ダイヤフラムに組付けた弁体の中心部位に開設しておく透孔に、水密を保持せしめて摺動自在に嵌挿して、バネケースの上方に突出する上端部を回転操作することで、下端が弁体の下面側に出没するようにする。
【0016】
この場合、バネケースの上部には、調節ねじ筒を螺合して、それの内腔に調節棒を摺動自在に嵌挿し、下端側を弁体に設けておく透孔に水密を保持せしめて摺動自在に嵌挿し、かつ、この調節棒の周面に規制部材を嵌装し、この規制部材が前記調節ねじ筒に突き当たるようバネで上昇側に付勢し、調節棒を強制的に押し込むことにより弁体を強制的に開弁させる開弁操作部材を兼ねるようになる。
【0017】
弁体を強制的に開弁するための開弁操作部材は、前述したように、調節棒を筒状の弁座金具の内腔に配設する場合にあっては、バネケースの上面側に操作レバーを設け、それの操作により昇降作動する作動杆を弁体に連繋しておいて、操作レバーの操作により弁体が強制的に吊り上げられて開弁するようにしてよい。
【0018】
【実施例】
次に実施例を図面に従い詳述する。なお、図面符号は、従前手段のものと同効の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0019】
図2は、本発明を実施せる給湯施設用の圧力逃し弁の平面図、図3は同上の縦断側面図で、同図において、1は弁箱、10はその弁箱1をボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管、11は圧力を外部に逃すよう弁箱1に設けた排水管で、接続管10にあっては弁箱1の側面に設けられ、排水管11にあっては弁箱1の底面側に設けてある。
【0020】
wは弁箱1の上面側に設けた2次室で、前記接続管10に対して連通口10aを介して連通させてある。
【0021】
2は上記2次室wの外面側に2次室w内の水圧を感知して上下に作動するよう弁箱1に組付けたダイヤフラムで、それの周縁部2aを、弁箱1の上面側に組付けるバネケース5の周縁の鍔部5aを組付座板として、弁箱1の上面の周縁の組付座に締着することで弁箱1に組付けてある。
【0022】
3はこのダイヤフラム2の下面側に組込んだ弁体で、ダイヤフラム2を形成する素材によりダイヤフラム2に一体に成形してあり、それの下面側には、ゴム等の弾性資材よりなるシート30が、下面視において環状に装設してある。
【0023】
50はこの弁体3を2次室w内の水圧に対向させて下方に押し下げるよう前記バネケース5内に組込んだ圧力設定用のバネで、ダイヤフラム2の外面側に設けたバネ受座31とバネケース5の天井部の内面との間に張設してある。
【0024】
12は前記弁体3の下方に配位して弁箱1内に設けた上下方向の筒状部で、底部側には排水管11に対して連通する連通口12aを設けた底壁120が設けてある。そして、この筒状部12の上方の開放口の周縁部位には、弁体3の、圧力設定用のバネ50による下降作動を一定の位置においてストップさせるよう規制するストッパーSが形成してある。
【0025】
弁体3には、それが前述の如く圧力設定用のバネ50により下降していくとき、所定位置において上述のストッパーSに当接する衝合部が、下面側の周縁部に設けられる。この衝合部には、ストッパーSと当接した状態時において、筒状部12の上方の開放口の周縁部位を弁体3の外に連通させる切欠溝32が形成されている。
【0026】
4は上述の筒状部12の内腔に嵌挿した弁座金具で、円筒状に形成してあって、上端縁に前述の弁体3の下面の弾性資材よりなるシート30に対向する環状の弁座40が形設してあり、その環状の弁座40の内側に逃し口bに形成している。
【0027】
そして、この弁座金具4は、筒状部12に水密状態で筒状部12内に上下に摺動自在に嵌挿され、それの外周面と筒状部12の内周壁との間には、Oリング41が介装されて、この間の水密が保持されている。
【0028】
aは上述の弁座金具4を上方に押し上げる弱いバネで、弁座金具4の内腔に設けた支持金具42と筒状部12の底壁120との間に張設してある。
【0029】
6はこのバネaによる弁座金具4の上昇作動を所望位置において規制して設定圧力を調整する調節棒で、弁座金具4の中心部位に配位して、下端部を、筒状部12の底壁120に設けたねじ穴121に螺合して、回転により昇降するよう弁箱1に組付け、上端側を、弁座金具4の支持金具42の中心部位に開設した透孔に上下の摺動自在に嵌挿して、その透孔から上方に突出する上端側に、その透孔より大径のEリング等の規制部材60を嵌装して、バネaにより押し上げられる弁座金具4を、それの支持金具42の上面がこの規制部材60に当接したところでストップさせるようにしてある。そして、このストップさせる位置が、排水管11からドライバー等の工具を差し込んで、調節棒6の下端部を回転させて調節棒6を昇降させることで変更調節できるようにしてある。
【0030】
7は手動操作により弁体3を強制的に開弁作動させる操作部材で、バネケース5の上面に、上下可動に設けた支点軸70中心に起伏回動するよう設けてあり、その支点軸70には、作動杆71の上端側が軸着連結し、その作動杆71の下端側が、バネケース5内に貫入して、下端部を弁体3に連結していて、操作部材7を図3にあるように起立させることで、弁体3を吊り上げて開弁させるように作動する。
【0031】
この実施例装置は、常態においては、衝合部がストッパーSに当接することで下降作動がストップしている弁体3の下面のシート30に、バネaにより押し上げられる弁座金具4の上端縁の弁座40が突き当たることで、図3にあるように逃し口bを閉塞した常態を保持する。
【0032】
この状態において、2次室w内の水圧が上昇してダイヤフラム2が押し上げられると、それにより上昇する弁体3に追従して弁座金具4が上昇することで、引き続き逃し口bを閉塞した状態を保持する。
【0033】
この弁座金具4の追従上昇は、支持金具42の上面が調節棒6の規制部材60に衝合して、その位置よりの上昇が規制するまで行なわれる。そして、図5にあるように支持金具42の上面が規制部材60に衝合した状態において、2次室w内の水圧がさらに上昇してダイヤフラム2と共に弁体3が上昇することで、弁座40から弁体3が離れて開弁して逃し口bを開放するようになる。
【0034】
即ち、弁座金具4の上昇作動が調節棒6により規制される状態位置における2次室w内の水圧が開弁する設定圧力に対応するようになり、この設定圧力が調節棒6を昇降させることで調整されるようになる。
【0035】
また、この実施例装置は、操作部材7を操作して作動杆71を引き上げることで、図4にあるように強制的に開弁する。
【0036】
次に図6乃至図9は別の実施例を示す。この実施例は、調節棒6を、弁箱1の上面側に組付けるバネケース5の側に設けた例であり、この点を除いた構成は前述の図2乃至図5に示している実施例と変わりがない。
【0037】
即ち、弁箱1には、側面に接続管10を設け、底面に排水管11を設け、上面側には接続管10と連通口10aを介して連通する2次室wを形成し、この2次室wの外面側に、ダイヤフラム2を組付けて、それの下面側に弁体3を装設し、その弁体3を弁箱1の上面側に組付けるバネケース5内に装設した圧力設定用のバネ50により下方に押し下げる。
【0038】
そして、弁箱1の胴部には、前記弁体3の下方に位置する部位に、上下方向に透通する筒状部12を、連通口12aのある底壁120を具備する形態に形成して、それの上方の開放口の周縁部に弁体3の周縁部に形設する衝合部と当接するストッパーSを形成し、この筒状部12内には、上方の開放口から筒状に形成した弁座金具4を装入して、弱いバネaにより上方に押し上げ、これの上端縁に、弁体3の下面に弾性資材により装設するシート30と対向する環状の弁座40を形設することについては、前述の実施例と同様に構成してある。
【0039】
しかし、バネケース5の頂部には、筒状に形成した調節ネジ8が、それの外周面に設けたネジ部80により螺合してあって、これの内腔に調節棒6が上下に摺動自在に嵌挿してある。
【0040】
そして、この調節棒6の下端側は、バネケース5内の中心部位を貫通して、弁体3の中心部位に装設しておくスリーブ81内に水密保持部材82を介して嵌入し、下端がこのスリーブ81の下方の開放口から、その下方に位置する弁座金具4に対して出没するようにしてある。
【0041】
そしてまた、この調節棒6は、それの胴部の中間部位に、前述の調節ネジ8の下面に衝合する規制部材60が嵌装してあって、これとダイヤフラム2の上面に設けたバネ受座31との間にバネcを張設して、常態において、この規制部材60が調節ネジ8の下面に突き当たった位置に保定されるようにしてあり、かつ、調節ネジ8から上方に突出する上端には、押込み操作用の操作部材7が取付けてある。
【0042】
この実施例は、常態においては、弁体3および弁座金具4が図7に示す状態位置に保持されて、弁座金具4の上端縁の弁座40の内側に形成されている逃し口bを閉塞状態に保持する。
【0043】
この状態から、2次室w内の水圧の上昇でダイヤフラム2と共に弁体3が上昇すると、これにより調節棒6の下端がスリーブ81の下方の開放口から次第に下方に突出してきて、弁体3に追従して上昇してくる弁座金具4の支持金具42の上面に衝合するようになる。
【0044】
この衝合が行なわれた状態からさらに水圧の上昇で弁体3が上昇することで、図8に示しているように弁体3下面の環状のシート30が弁座40から離れて逃し口bを開放する開弁状態となる。そして、この開弁状態となるときの2次室w内の水圧が設定圧力となるが、その設定圧力は、調節ネジ8を回して調節棒6を昇降調節することで調整されるようになる。
【0045】
また、図7にある状態時において、操作部材7をバネcのバネ圧に抗して下方に押し込めば、弁座金具4と共に弁座40が図9にあるように下方に動いて強制開弁が行なわれる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による給湯施設用の圧力逃し弁は、弁箱1の上面側に2次室w内の圧力とその圧力に対向するバネ50により上下に作動するよう組付けるダイヤフラム2、およびそれと共に上下に動くよう組付ける弁体3、およびその弁体3に対し上下可動に対向させる筒状の弁座金具4、ならびにその弁座金具4の上端縁に形成した弁座40を弁体3下面の弾性資材よりなるシート30に当接させるための弱いバネa等が、弁箱1に対し上方から組付けられるので、これら部品の組付けが容易になる。そして、設定圧力の調整が、ダイヤフラム2を2次室w内の圧力に対向させて下方に押し下げるバネ5の影響を受けない調節棒6を上下に動かすことで行なえるので、僅かな力で設定圧力の微調整が適確に行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従前の給湯施設用の圧力逃し弁の縦断正面図である。
【図2】本発明を実施せる給湯施設用の圧力逃し弁の平面図である。
【図3】同上圧力逃し弁の縦断正面図である。
【図4】同上圧力逃し弁の強制開弁した状態時の縦断正面図である。
【図5】同上圧力逃し弁の作用の説明図である。
【図6】同上圧力逃し弁の別の実施例の平面図である。
【図7】同上実施例の縦断正面図である。
【図8】同上実施例の作用の説明図である。
【図9】同上実施例の強制開弁した状態の説明図である。
【符号の説明】
A…圧力逃し弁、S…ストッパー、a…弱いバネ、b…逃し口、c…強いバネ、w…2次室、1…弁箱、10…接続管、10a…連通口、11…排水管、12…筒状部、12a…連通口、120…底壁、121…ねじ穴、13…突起部、2…ダイヤフナム、2a…周縁部、3…弁体、30…シート、31…バネ受座、32…切欠溝、4…弁座金具、4a…拡径部、40…弁座、41…Oリング、42…支持金具、5…バネケース、5a…鍔部、50…バネ、51…調節ネジ、6…調節棒、60…規制部材、7…操作部材、70…支点軸、71…作動杆、8…調節ネジ、80…ネジ部、81…スリーブ、82…水密保持部材。
Claims (3)
- ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管(10)と圧力を外部に逃す排水管(11)とを具備する弁箱(1)の上面側には、前記接続管(10)と連通する2次室(w)を形成し、その2次室の外面側に該2次室(w)内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム(2)を組付け、そのダイヤフラム(2)の下面側に弁体(3)を該ダイヤフラム(2)と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体(3)の下面側に、弾性資材よりなるシート(30)を装設し、ダイヤフラム(2)の外面側に配位して弁箱(1)に組付けるバネケース(5)内には、前記弁体(3)をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ(50)を配設し、この弁体(3)の下方位置における弁箱(1)の上面側に、上端側が開放口により前記2次室(w)に連通し下端側が底壁に設けた連通口(10a)を介して排水管(11)に連通する上下方向の筒状部(12)を装設し、その筒状部(12)の上方の開放口の周縁部に、前記弁体(3)の下降作動時にその弁体(3)の周縁部に当接してその弁体(3)の下降作動を所定位置において規制するストッパー(S)を装設し、この筒状部(12)内には、内筒状に形成した弁座金具(4)を、この筒状部(12)の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、その弁座金具(4)の上端縁に前記弁体(3)の下面の弾性資材よりなるシート(30)に対向する弁座(40)を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口(b)を形成し、筒状部(12)の底壁(120)又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具(4)の支持金具(42)との間に、弁座金具(4)を上昇側に付勢する弱いバネ(a)を介装し、この弁座金具(4)の上昇作動のエンドを規制する調節棒(6)を、前記バネケース(5)または筒状部(12)または弁箱(1)内に設ける取付金具に、上下の調節自在に組付け、この調節棒の上下調節により弁座金具(4)の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁。
- ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管(10)と圧力を外部に逃す排水管(11)とを具備する弁箱(1)の上面側には、前記接続管(10)と連通する2次室(w)を形成し、その2次室(w)の外面側に2次室(w)内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム(2)を組付け、そのダイヤフラム(2)の下面側に弁体(3)を該ダイヤフラム(2)と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体(3)の下面側に弾性資材よりなるシート(30)を装設し、ダイヤフラム(2)の外面側に配位して弁箱(1)に組付けるバネケース(5)内には、前記弁体(3)をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ(50)を配設し、この弁体(3)の下方位置における弁箱(1)の上面側に、上端側が開放口により前記2次室(w)に連通し下端側が底壁に設けた連通口を介して排水管(11)に連通する上下方向の筒状部(12)を装設し、その筒状部(12)の上方の開放口の周縁部に、前記弁体(3)の下降作動時にその弁体(3)の周縁部に当接してその弁体(3)の下降作動を所定位置において規制するストッパー(S)を装設し、この筒状部(12)内には、内筒状に形成した弁座金具(4)を、この筒状部(12)の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、この弁座金具(4)の上端縁に前記弁体(3)の下面の弾性資材よりなるシート(30)に対向する弁座(40)を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口(b)を形成し、筒状部(12)の底壁(120)又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具(4)の支持金具(42)との間に、弁座金具(4)を上昇側に付勢する弱いバネ(a)を介装し、バネケース(5)には、そのバネケース(5)を上下に貫通する調節棒(6)を、バネケース(5)に対して上下の調節自在に組付け、その調節棒(6)の下端側を、ダイヤフラム(2)に組付けた弁体(3)の中心部位に開設せる透孔に水密を保持せしめて摺動自在に嵌挿し、その調節棒(6)の下端が上昇してくる弁座金具(4)に当接してそれの上昇作動のエンドを規制するようにして、この調節棒の上下調節により弁座金具(4)の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁。
- ボイラーの缶体などの2次側に接続する接続管(10)と圧力を外部に逃す排水管(11)とを具備する弁箱(1)の上面側には、前記接続管(10)と連通する2次室(w)を形成し、その2次室(w)の外面側に2次室(w)内の圧力を感知して上下に作動するダイヤフラム(2)を組付け、そのダイヤフラム(2)の下面側に弁体(3)を該ダイヤフラム(2)と共に上下に動くよう一体または一体的に設け、その弁体(3)の下面側に弾性資材よりなるシート(30)を装設し、ダイヤフラム(2)の外面側に配位して弁箱(1)に組付けるバネケース(5)内には、前記弁体(3)をバネ圧により下方に押し下げる圧力設定用のバネ(50)を配設し、この弁体(3)の下方位置における弁箱(1)の上面側に、上端側が開放口により前記2次室(w)に連通し下端側が底壁(120)に設けた連通口(12a)を介して排水管(11)に連通する上下方向の筒状部(12)を装設し、その筒状部(12)の上方の開放口の周縁部に、前記弁体(3)の下降作動時にその弁体(3)の周縁部に当接してその弁体(3)の下降作動を所定位置において規制するストッパー(S)を装設し、この筒状部(12)内には、内筒状に形成した弁座金具(4)を、この筒状部(12)の前記上方の開放口から挿入して上下に摺動自在に嵌装し、この弁座金具(4)の上端縁に前記弁体の下面の弾性資材よりなるシート(30)に対向する弁座(40)を環状に形成するとともにそれの内側に逃し口(b)を形成し、筒状部(12)の底壁(120)又は底壁に一体的に形成した取付金具と該弁座金具(4)の支持金具(42)との間に、弁座金具(4)を上昇側に付勢する弱いバネ(a)を介装し、この弁座金具(4)の上昇作動のエンドを規制する調節棒(6)を、弁座金具(4)内に配して、それの上端側を弁座金具(4)の支持金具(42)に開設した透孔に上下の摺動自在に嵌挿し、その透孔から上方に突出する上端部に前記支持金具(42)に対し衝合する規制部材(60)を設け、下端側を、前記筒状部(12)の底壁(120)または筒状部(12)の下方における弁箱(1)内に設ける取付金具に上下の調節自在に組付け、この調節棒の上下調節により弁座金具(4)の上昇作動のエンド位置の変更を行わせて設定圧力の調整を行うことを特徴とする給湯施設用の圧力逃し弁。
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