JP4248090B2 - 泥漿処理装置及び泥漿処理装置に用いられる処理搬送ポンプ - Google Patents

泥漿処理装置及び泥漿処理装置に用いられる処理搬送ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物である泥漿の分解や発酵などの工程において、泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置及び泥漿処理装置に用いられる処理搬送ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭や業務用設備から排出される生ゴミや、醸造所における発酵用原材料等のように、固形物が液体中に分散している泥漿(スラリー)を処理するための装置が各種提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−24830号に係る処理装置では、生ごみ中の固形物を粉砕機内で細かく砕いた後に反応槽へ送り込み、攪拌羽根によって攪拌しバクテリアによる分解を促進する構成となっている。その外にも、特開平9ー192624号、特開平8ー299939号、特開平7ー237703号で開示された処理装置においても同様な構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の処理装置は、いずれも被処理物である生ゴミ中の固形物をあらかじめ別場所で粉砕機によって粉砕した後に反応槽へ送り込むようになっているので、粉砕機から反応槽へ送り出される被処理物の粘度が高くスクリュウ等で搬送する必要があるが、バルブ部分で詰まって搬送不能となり、また分解が遅く悪臭の原因となる。
【0005】
また、反応槽では空気を供給して分解を促進しているが、供給された空気は反応槽の下部から単に上方へ浮上するのみであり、攪拌羽根による攪拌作用のみでは空気が被処理物との接触時間を長く維持することができず、バクテリアによる分解促進に長時間を要する。
【0006】
さらに反応槽内では攪拌羽根を回転させるが、この攪拌羽根の回転速度は内部の被処理物が過大な渦流を生じないように、低速で回転させる必要があるので、これによっても十分な分解促進が得られない。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、固体粒子による搬送路内での目詰まりがない泥漿処理装置を得ることが目的である。
【0008】
また本発明は、高効率な曝気状態を維持して被処理物を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本出願の請求項1に係る発明は、被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿 処理装置であって、処理槽本体と、前記処理槽本体の外側に設置される外枠と、前記外枠に支持され、前記処理槽本体内部へ挿入された回転軸と、前記回転軸の下端に取り付けられ、被処理物を攪拌して分解を促進する回転羽根と、前記外枠に支持され、前記処理槽本体と前記回転羽根との間に配置され、泥漿が移動可能な緩衝部材と、を有することを特徴とする。
【0010】
本出願の請求項2に係る発明は、請求項1の発明であって、前記緩衝部材は、前記回転羽根の回りに配置された複数の棒状部材であることを特徴とする。
【0011】
本出願の請求項3の発明は、被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置であって、処理槽本体と、この処理槽本体の内側に配置され、処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に、内側処理部へ収容される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能な開口を備える区画部材と、前記区画部材の下方から曝気用気体を処理槽本体内へ放出する曝気排出部と、この内側処理部内に設けられ、内側処理部内の被処理物を攪拌して分解を促進すると共に、被処理物及び曝気用気体を下方へ押し下げて曝気用エアの被処理物内滞在時間を長くする回転羽根と、を有することを特徴とする。
【0012】
本出願の請求項4に係る発明は、請求項3の発明であって、前記区画部材は、内側処理部へ投入される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能とする網目状部材であることを特徴とする。
【0013】
本出願の請求項5に係る発明は、請求項3の発明であって、区画部材は、処理槽本体上部から吊り下げられ、前記回転羽根を囲む状態で回転羽根の周囲に配置される複数の棒材を備えることを特徴とする。
【0014】
本出願の請求項6に係る発明は、請求項3の発明であって、回転羽根は、処理槽本体上部から吊り下げられる回転軸の下端に取り付けられることを特徴とする。
【0015】
本出願の請求項7に係る発明は、請求項3から6のいずれか1項の発明であって、処理槽本体の底部には、前記回転羽根によって押し下げされる被処理物を次工程へ案内する開口が形成されることを特徴とする。
【0016】
本出願の請求項8に係る発明は、被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置であって、処理槽本体と、この処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に上下部で内側処理部と外側処理部とを連通する保持部材と、この保持部材内へ曝気用気体を送る気体供給口と、前記保持部材内に設けられ、被処理物を攪拌して分解を促進すると共に被処理物を保持部材の下方へと押し下げる回転羽根と、を有することを特徴とする。
【0017】
本出願の請求項9に係る発明は、泥漿処理装置に用いられる処理搬送ポンプであって、筒状とされ、長手方向に離れて被処理物入口部及び出口部が設けられたケーシングと、このケーシング内で長手方向に配置され回転する回転軸と、この回転軸へ取り付けられて回転軸と共に回転し、被処理物を入口部から出口部まで送る搬送手段と、前記回転軸へ取り付けられて回転軸と共に回転し、被処理物を裁断する裁断手段と、前記ケーシングに設けられ、搬送される被処理物へ曝気用気体を送る気体供給口と、を有することを特徴とする
【0018】
請求項1に係る発明では、生ゴミや醸造用原材料は処理槽本体内へ収容され、処理槽本体内のバクテリア等の微生物がこの被処理物を処理する。処理槽本体内部では、回転羽根が回転して被処理物内の固形物を切断して細粒子化して固形物の表面積を広くし微生物が処理し易くする。また回転羽根は被処理物を微生物と共に攪拌し、微生物と被処理物との接触を良くし、反応を促進させる。被処理物が生ゴミの場合には、バクテリアとの反応により、水と炭酸ガスとに分解される。また被処理物が醸造用原料である場合には、酵母菌との反応により発酵が促進される。
【0019】
回転羽根の回転により、処理槽本体内での被処理物は回転力が生じて渦流を生じる。この渦流が過大になると、被処理物が処理槽本体から溢れたり、処理槽本体が振動を生じて設置状態が不安定になる。本件発明では処理槽本体内に緩衝部材が設けられており、回転羽根によって生じた渦流等の運動エネルギー弱められる。このため、処理槽本体へと作用する渦流による回転力等は減衰され、回転羽根が高速で回転した場合であっても被処理物が処理槽本体から溢れたり、処理槽本体が振動により悪影響を受けることはない。この回転羽根の高速回転により内側処理部では被処理物内固形物が回転羽根により細かく切断されて細分化される。細分化された被処理物は微生物との接触面積が多くなり反応が促進される。このような回転羽根の切断作用により、生ゴミ処理において従来行われていた前処理である粉砕機での裁断が必須でなくなり、特別大きな塊のみを予め裁断するのみで適用可能となる。
【0020】
なお、緩衝部材としては、請求項2に記載のように複数の棒状部材のほかに、板状、網状、枠状などの各種形状が適用でき、これらを被処理物の中であって回転羽根の近くや、回転羽根の周囲を取り囲むなどの状態で配置することにより、被処理物の運動エネルギーの妨げになるような状態で設けるものであれば全て適用でき、この意味では緩衝部材は、減衰部材と同意味である。これらの緩衝部材の大きさや形状、構造は、適用する処理槽本体に応じて任意に変更可能である。
【0021】
本出願を通じて、「微生物」とは、細菌類(バクテリア)や酵母などの真菌類を含む意味であり、好気性のみでなく、嫌気性微生物であってもよい。また本出の生命活動に伴う代謝により被処理物を分解したり、被処理物を発酵などにより有用物を生成する働きを包括するものとする。
【0022】
請求項2に係る発明では、緩衝部材は、前記回転羽根の回りに配置された複数の棒状部材を備えるので、簡単な構成で回転羽根の全周に渡って効果的に被処理物の運動エネルギーを緩衝できる。
【0023】
請求項3に係る発明では、生ゴミや醸造用原材料は処理槽本体の内側処理部内へ収容され、処理槽本体内のバクテリア等の微生物がこの被処理物を処理する。内側処理部では、回転羽根が回転して被処理物内の固形物を切断して細粒子化して固形物の表面積を広くし微生物が処理し易くする。また回転羽根は被処理物を微生物と共に攪拌し、微生物と被処理物との接触を良くし、反応を促進させる。曝気排出部から処理槽本体内へ排出される曝気用の空気、酸素等の気体は処理槽本体内を浮力で上昇し、回転羽根によって気泡が微細化し酸素溶け込み量を上げることにより、好気性バクテリア等の微生物の活動が活発になり、被処理物の処理が促進される。被処理物が生ゴミの場合には、バクテリアとの反応により、水と炭酸ガスとに分解される。また被処理物が醸造用原料である場合には、酵母菌との反応により発酵が促進される。
【0024】
回転羽根の回転により、処理槽本体内での被処理物は回転力が生じて渦流を生じる。この渦流が過大になると、被処理物が処理槽本体から溢れたり、処理槽本体が振動を生じて設置状態が不安定になる。本件発明では内側処理物と外側処理部との間に区画部材が設けられており、内側処理部内で回転羽根によって生じた渦流が区画部材内の開口を通して外側処理部へ至るので、渦流の回転力が弱められる。このため、外側処理部を通じて処理槽本体へと作用する渦流による回転力は減衰され、回転羽根が高速で回転した場合であっても被処理物が処理槽本体から溢れたり、処理槽本体が振動により悪影響を受けることはない。この回転羽根の高速回転により内側処理部では被処理物内固形物が回転羽根により細かく切断されて細分化される。細分化された被処理物は微生物との接触面積が多くなり反応が促進される。このような回転羽根の切断作用により、生ゴミ処理において従来行われていた前処理である粉砕機での裁断が必須でなくなり、特別大きな塊のみを予め裁断するのみで適用可能となる。
【0025】
また本件発明の回転羽根は被処理物及び曝気用エアを下方へ押し下げるので、曝気排出部から排出されて浮上する曝気用エアは単に浮力で上昇するのみでなく、回転羽根によって下方へ押し下げられことにより、処理槽本体内での滞在時間が長くなり、微生物と曝気用エアとの長時間の混合接触が維持されるので、被処理物の反応が促進される。なお、区画部材の開口の大きさは、区画部材を構成する棒材等の間隔を調整することによって容易に変更できる。開口径よりも小さな被処理物は開口を通して外側処理部へと至り、微生物と反応するが、開口を通して再び内側処理部へと入ることもできる。開口の大きさを変更することにより、開口を通過する被処理物の大きさを選択でき、回転羽根により被処理物を細かく裁断しようとすれば開口径を小さくすればよい。
【0026】
本出願において、区画部材はこの処理槽本体の内側に配置され、処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に、内側処理部へ収容される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能で通過する被処理物の外径の大きさを制限する開口を備えるものであり、回転羽根により内側処理部での液体に生じた渦流や振動などの液体の運動エネルギーを減衰させることができるものであれば全て適用可能であり、このためには区画手段は被処理物の運動エネルギーを減衰する減衰部材や、運動エネルギーを緩衝する緩衝部材の役目を有する。
【0027】
請求項4に係る発明は、区画部材が網目状部材により構成され、内側処理部へ投入される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能とするので、内側処理部で回転力により生じる渦流が網目によって内側処理部の周囲全域で効果的に減衰されると共に、網目開口の大きさを通過することができるだけの粒径に裁断された固形物のみが通過して外側処理部へと至るので、外側処理部では所定粒径以下の固形物となり、微生物の処理が促進される。この網目が格子状、円形状、亀甲状、スリット状、多角形状であったりする形状や大きさは必要に応じて任意のものとすることができる。
【0028】
請求項5に係る発明では、区画部材は、処理槽本体上部から吊り下げられ、前記回転羽根を囲む状態で回転羽根の周囲に配置される複数の棒材を備えるので、区画部材は処理槽本体上部から処理槽本体内へと挿入でき、処理槽本体を貫通して処理槽本体へと取り付けられる構成ではなく、区画部材の取り付けやメンテナンスが容易である。また、区画部材は複数の棒材を備えるので、製作が容易であり、高強度な構造とすることができる。棒材が形成する開口の形状は、格子状、スリット状、多角形状などの各種が適用できる。
【0029】
請求項6に係る発明は、回転羽根が、処理槽本体上部から吊り下げられる回転軸の下端に取り付けられるので、回転羽根は処理槽本体上部から処理槽本体内へと挿入でき、処理槽本体を貫通して処理槽本体へと取り付けられる構成ではなく、回転軸の軸受け部やシールを処理槽本体へと設ける必要がないので、回転軸の取り付けやメンテナンスが容易である。
【0030】
請求項7に係る発明は、処理槽本体の底部には、前記回転羽根によって押し下げされる被処理物を次工程へ案内する開口が形成されるので、処理槽本体内の被処理物は回転羽根によって押し下げられ、押し下げ力によって、この開口を通して次工程へと搬送されることになり、処理槽本体からの搬送手段をも兼用することができる。
【0031】
請求項8に係る発明は、この処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に上下部で内側処理部と外側処理部とを連通する保持部材を設け、この保持部材内で回転羽根を回転させるので、曝気用気体が回転羽根の回転力によっても保持部材内に保持されるので、気泡保持と被処理物の細粒化が促進されて効果的な処理が行われる。
【0032】
請求項9に係る発明は、ケーシング内の回転軸の回転により、回転羽根などの回転手段は、被処理物を入口部から出口部にかけて搬送する。この被処理物は搬送手段と共に回転する裁断手段によって、細かく裁断され細かく切断されて細分化される。細分化された被処理物は曝気用気体との接触面積が多くなり反応が促進される。この発明では被処理物の搬送に併せて曝気がなされるので、曝気効率がよく、請求項1の処理槽と共に用いるほかに、単独での使用時にも効果がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が生ゴミ処理用として用いられた泥漿処理装置の第1実施形態を図1、2によって説明する。
【0034】
図1には、本発明の第1実施形態に係る泥漿処理装置10が示されている。この泥漿処理装置10は、床12上に処理槽の主要部を構成する処理槽本体14が設置されている。この処理槽本体14は、図2にも示される如く内部に区画部材である内側枠16が設置されている。この内側枠16は、処理槽本体14の外側に設置される外枠18の梁部材18Aから下方へ向けて設置された複数本の垂直棒材16Aによって構成されている。この実施形態においては、垂直棒材16Aは、互いの間隔が寸法Wであり、平行状態で垂直に12本設けられている。これらの垂直棒材16Aの下端部は、連結棒材16Bで互いに連結されて格子状となっている。
【0035】
内側枠16の内側には垂直軸20が設けられている。この垂直軸20は中間部が梁部材18Aへ軸受22によって支持されており、下端部には回転羽根24が固着されている。この垂直軸20の上端部は無端ベルト26を介して、梁部材18A上のモータ28の出力軸へと連結され、モータ28の回転力で垂直軸回りに回転される。
【0036】
内側枠16は、その内部を内側処理部30Aとし、内側枠16の外側であって処理槽本体14の内側部分の外側処理部30Bから区画している。これらの内側処理部30Aと外側処理部30Bとは、垂直棒材16Aの間及び連結棒材16Bの間の開口を通して被処理物が通過可能である。回転羽根24は周囲が先鋭とされており、内側処理部30A内の被処理物の固体粒子を切断するようになっている。またこの回転羽根24は、その回転時に被処理物を下方へと押し下げる羽根角度を有している。これによって内側処理部30A内の被処理物は固体粒子が切断されるとともに遠心力で垂直棒材16A間の開口を通して、外側処理部30Bへと至るとともに、内側処理部30Aの底部である連結棒材16Bの間の開口を通して下方へと押し下げられる。
【0037】
処理槽本体14の頂部に設ける取り外し可能な蓋板32にはホッパ34が設けられて、生ゴミなどの被処理物の投入用となっている。処理槽本体14の底部付近には多孔管36が配置されており、連結管38を介して図示しない圧縮空気供給源へと連結されている。この多孔管36は曝気排出部を構成し、図示しない空気供給源からの圧縮空気を外側処理部30B内であって、内側処理部30Aの底面開口を通して内側処理部30A内へと浮上させることができる。
【0038】
処理槽本体14にはこの他に、上部からPH調整液を供給するためのPH調整液供給管42が設けられて途中に調整バルブ44が配置されている。また必要に応じて水供給管46が配置され、途中に調整バルブ48が取り付けられている。さらに処理槽本体14の上部から内部で発生したガスを排出するためのガス排出管50が設けられ、途中に脱臭剤52が配置されている。このガス排出管50の途中に調整バルブを設けてもよい。処理槽本体14の下部には処理槽内の被処理物の温度を調節するためのヒータ54が設けられている。また、このヒータは処理槽内の被処理物を加熱のみでなく冷却もすることによって温度制御を行う手段、例えば熱交換器としてもよく、ヒータと熱交換器などの温度制御手段の両方を設けても良い。
【0039】
処理槽本体14の底部付近からは排出管58が連通されて、塩分を除去する装置である塩分除去槽60へと連通されている。排出管58の中間部には、分岐管58Aが設けられて下水や浄化槽へ排出液を分岐させることができる。分岐管58A及び排出管58には調整バルブ62、63が取り付けられて、排出量を制限する。
【0040】
塩分除去槽60には、フィルター64が設けられて塩分を除去し、塩分除去後の処理液のみを排出管66を介して下水処理場や他の浄化槽へと送り出す。排出管66の中間部からは、ポンプ68を有する分岐管69が連続され、必要に応じて処理槽本体14へと処理液を戻し、再処理を行う。排出管66、分岐管69には調整バルブ70A、70B、70Cが設けられている。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
ホッパ34から被処理物である生ゴミが処理槽本体14内へと投入される。通常の家庭用及び業務用の食品製造施設から排出される生ゴミはそのままホッパ34へ投入できる。ビニールや他の大きな人工物を取り除く網目状等のストレーナをホッパの前に設けてもよい。処理槽本体14内にはあらかじめ所定量の水及びバクテリアが充填されており、投入された被処理物はこのバクテリアと反応して水と炭酸ガスに分解する。モータ28の駆動力により、回転羽根24が回転すると共に、多孔管36から曝気用空気が送られると、空気が処理槽本体14内を浮上して被処理物と接触し、バクテリアにより生ゴミが分解される。回転羽根24は被処理物内の固形物を切断して、細粒化させるとともに攪拌作用によって、空気と被処理物との接触面積を多くしバクテリアによる分解を促進する。これと同時に回転羽根24は、被処理物及び曝気空気を押し下げるので、曝気空気は処理槽内で滞在する時間が長くなり、曝気空気とバクテリアとの接触時間は長くなり、好気性バクテリアを活性化する。なお、被処理物は内側枠16へ当たることによっても細粒化される。内側枠16の開口よりも小さくなった被処理物は外側処理部30Bへと至るが、内側枠16の開口を通って再び内側処理部30A内へと入ることもでき、さらに細粒化される。
【0043】
回転羽根24によって回転された内側処理部30A内の被処理物は遠心力等によって内側枠16の開口を通って外側処理部30Bへと至るが、垂直棒材16Aによって渦流の運動エネルギーが吸収されるので、外側処理部30Bでは大きな渦流を生ずることはない。従って処理槽本体14が渦流によって大きな振動を生ずることはなく、処理槽本体14を特別の強固な固定装置によって固定する必要はない。内側枠16の各棒材には、網部材を取り付けて内側処理部30Aと外側処理部30Bとの区画用とすれば、網目開口の大きさによって通過できる固形物の外径を制限することができる。棒材を取り付けることなく、網部材のみによって十分な強度を有する場合には内側枠16を省略して網部材を実質的な内側枠としてもよい。本実施形態の処理槽では、従来のように生ゴミを別場所で粉砕機により粉砕せず、直ちに処理槽でバクテリアにより分解するので、従来のように粉砕機で発生する悪臭がない。
【0044】
処理槽本体14でのバクテリア分解中は蓋板32により処理槽を閉めておくのが好ましい。この場合にホッパ34の開口をも含めて全ての処理槽上部の開口を閉めるようにしてもよい。バクテリアにより被処理物は分解されて、水と炭酸ガスとなり、炭酸ガスは蒸発して被処理物全体の容積が減少する。所定時間の経過により、バクテリアによる分解が充分に進んだ状態でバルブ63を開いて、被処理物(殆どが水になっている)を塩分除去槽60へと送る。
【0045】
本実施形態における内側枠16や回転羽根24、垂直軸20は処理槽本体14の上部開口から処理槽内へと挿入されているので、軸受22などを処理槽本体14を貫通させる必要がなく、高密度シールが不要で耐蝕性に優れた構成となる。またメンテナンス時においても、処理槽本体14や内側枠16、回転羽根24の補修や清掃が簡単である。
【0046】
上記に説明した各部品の大きさや形状は必要に応じて任意に変更可能である。例えば回転羽根24は上記実施形態では上下2段の各4枚羽根としたが、これに限らず、また羽根の形状、材質は用途により変形でき、垂直軸20の材質、外径、長さ、処理槽本体14の大きさ、形状も任意に変更可能である。多孔管36による曝気用の空気も垂直軸20を中空にしてその内部を通したり、内側枠16のアングル材や網部分に設けても網部材の目詰まりを除去するようにしてもよい。
【0047】
次に図3には本発明の第2実施形態が示されている。この実施形態は基本的に前記実施形態の処理槽本体14を3個の処理槽本体14A、14B、14Cとして排出管71、72により直列接続した構成である。排出管71、72の上流側端部は各処理槽本体14A、14Bの底部中央へ開口し、下流側端部は各処理槽本体14B、14Cの上部へ開口して、上流側からの処理後の被処理物を投入可能としている。バルブ74の開閉や水供給管46からの補給水で処理槽本体14B、14Cの被処理物水位を調整する。この排出管71、72の下流側端部を各々処理槽本体14B、14Cの上部開口へ位置させて前工程からの被処理物を処理槽本体14B、14C内の被処理物の上方から投入させてもよい。
【0048】
排出管71、72にはポンプ73及び調整バルブ74がそれぞれ設けられて下流の処理槽への搬送量を調整する。また各処理槽本体14Aから14Cの底部を連通する連通管76が設けられ処理槽本体14Aから直接処理槽本体14Cへ、処理槽本体14Bから処理槽本体14Cへと各処理槽の底部間での搬送が可能となっている。この連通管76と各処理槽の底部との開閉を行う調整バルブ77がそれぞれ設けられている。連通管76には被処理物搬送用のポンプ78Aや搬送用エア吹出管78Bを設けてもよい。
【0049】
これらの排出管71、72及び連通管76による被処理物の搬送は、各処理槽内における回転羽根24が処理槽内の被処理物を下方に押し下げるので、この押し下げ力によって被処理物を次工程へと搬送可能としている。このため各排出管71、72及び連通管76内のポンプ73は省略することもできる。処理槽本体14Aには内側枠16と共に区画部材を構成する網部材79が内側枠16の外側に取りつけられている。この網部材79を処理槽本体14B、14Cへも設けてもよい。
【0050】
この第2実施形態での各処理槽のバクテリアによる分解作用は前記実施形態とほぼ同じであるが、この実施形態では最上流側の処理槽本体14Aへ生ゴミを時間的に不規則に投入する場合であっても対応可能である。すなわち処理槽本体14A〜14Cにかけて生ゴミの分解度合が高くなるように排出管71、72により搬送量を調整する。例えば処理槽本体14Aでは40%、処理槽本体14Bでは70%、処理槽本体14Cでは100%の分解度合となるように各処理槽での運転状態、時間等を調整すればよい。
【0051】
最も下流側にある処理槽本体14Cには塩分除去槽60が前記第1実施形態と同様に設けられている。
【0052】
この第2実施形態では、回転羽根24の押し下げ力で被処理物を次の処理槽へと送り込む例を示したが、この押し下げ力で貯留槽や他の施設である次工程へと送り込むようにすることもできる。この場合に、次工程から再び被処理物をこの処理槽へと別の配管により戻して循環することもでき、この循環のための搬送力として回転羽根の押し下げ力を利用可能である。
【0053】
なお、上記各説明において調整バルブは流量や圧力を変更するもののほか、流れを開閉する機能を有するものであってもよい。上記実施形態は生ゴミを処理する場合について説明したが、本発明はその他に醸造所における発酵用原材料としての泥漿の反応を促進するための等の泥漿の処理装置として広く適用できる。また、上記実施形態の回転羽根24、垂直軸20、内側枠16を処理槽本体の上部から挿入した状態で取りつけたが、本発明では必ずしもこの構成に限らず垂直軸20を処理槽本体を貫通させたり、槽内部の液体中にモーターなどの回転体を置き、羽根を回転させたり、内側枠16を処理槽へ固定する等の他の構成であってもよい。
【0054】
また、処理槽本体の形状も上記実施形態に限らず、各種の変形が可能であり、例えば、処理槽本体の内周に細かな凹凸や溝を設けて被処理物との接触摩擦を大きくしてもよい。また微細化された被処理物は外気の流入を制限することにより好気菌以外での醗酵に利用され、醗酵処理時間の短縮と醗酵材料の処理効率を高め有効利用がもたらされる。
【0055】
次に図4は本発明の第3実施形態が示されている。この実施形態では、図1に示される第1実施形態における処理槽14の側方に、処理搬送ポンプ100が設けられた構造である。
【0056】
図5に示される如く、この処理搬送ポンプ100は基台102へモータ104、軸受室106が固着されている。軸受室106の軸受108によって軸支される回転軸110は、一端がカップリング102を介してモータ104の出力軸へ連結されている。またこの軸受108の他の一端は軸受室106へ固着されるケーシング114の内部へ片持ち状態で挿入されている。
【0057】
ケーシング114は軸受室106との間に介在されるシール材116によって軸受室106とはシールされており、軸受室106に近い部分及び回転軸110の軸線延長部分にそれぞれフランジ管118、120が連通されている。これらのフランジ管118、120にはそれぞれ配管122、124が接続され、これらの配管の先端部は図4に示される如く処理槽14の上部及び下部へと連通されている。これによって処理槽14内の被処理物はこの処理搬送ポンプ100を介して循環されるようになっている。
【0058】
回転軸110には複数個の回転羽根126が固着されている。これらの回転羽根126はケーシング114内の被処理物へ回転軸110の軸方向に推進力を与える推進手段としての役目を有している。このため回転羽根126は、回転軸110の軸心から反対方向に2枚の回転羽根本体が突出し、回転軸110の軸方向に間隔を隔てて5ヶ所に設けられている。しかしこれらの回転羽根は、被処理物へ適切な推進力を与えることが出来るものであれば、羽根形状、枚数、取り付け位置等の仕様は任意に変更可能である。
【0059】
回転軸110には、軸方向に見て回転羽根126の取り付け位置の間に裁断用羽根128が固着されている。これらの裁断用羽根128は、ケーシング114内の被処理物を細かく裁断するための裁断手段としての目的を有しており、このため回転軸110の放射方向に4個の薄肉板状本体が突出しており、且つ回転軸110の軸方向に隔てて4ヶ所設けられている。この本体の板形状の端部は、テーパー状に先鋭として被処理物の裁断を促進できるようにしてある。しかしこれらの裁断用羽根128は被処理物を細かく裁断するための目的を有しているので、被処理物が裁断できるものであれば、その形状、数、取り付け位置等の仕様は任意に変更可能である。
【0060】
ケーシング114には、ケーシング114の長手方向に隔てて一対の空気管130、132が連通されている。これらの空気管130、132は中間部に開閉弁130A、132Aが設けられており、先端部は大気に開放されている。これによってこれらの空気管130、132は開閉弁の開放時にケーシング114内へ曝気用エアーを送り込むことが出来るようになっている。これらの空気管130、132は図示しないコンプレッサーなどの圧力空気供給源へ接続して強制的に曝気用エアーをケーシング114内へ送り込むことも出来るが、被処理物がケーシング114内で回転軸の軸方向に駆動されるため、ケーシング114内に負圧が生じ単に大気開放をするのみで、被処理物へとエアーが自然に巻き込まれる。なおフランジ管118、120には開閉弁134、136をそれぞれ設けて被処理物の流量コントロールをすることが出来る。
【0061】
この開閉弁134,136を閉止すれば、空気管130,132からの吸い込み空気量を多くすることができるので、吸い込み空気量の調整も出来る。このためには、開閉弁134,136は、その開閉量を調節できる構造とすることが好ましい。又、開閉弁の閉止時間を数秒などの短時間とし、この閉止状態を所定期間の間に繰り返すなどの制御も有効である。
【0062】
微生物を用いた有機性廃棄物処理において、用いる微生物が、処理の対象となる有機性廃棄物の全ての成分(例えば生ゴミの場合、糖質、蛋白質、脂質等)を分解できる酵素を持っており、処理の条件下でそれらが全て効果的に働くなら良いが、そうでない場合は分解できない、又は分解が遅い成分は蓄積されていく。また、処理の効率を考えると、微生物だけで分解処理させるより被処理物を分解できる酵素を外部から添加して分解を促進する方が有利と考えられる。
【0063】
微生物を用いない処理方法においても、酵素を添加して被処理物の分解を促進すれば、より効率的な処理が可能になる。利用方法としては、以下が考えられる。
1.微生物を含む処理系に直接添加する。
【0064】
この場合、処理系の環境(温度、PH等)が酵素の働く条件と合致することが必要となる。
【0065】
酵素の添加方法は次のいづれかをとる。(酵素添加装置)
(1)被処理物の投入機構と連動させておき、被処理物が投入されるたびに一定量の酵素を添加する。
(2)タイマーと連動させておき、一定時間ごとに一定量の酵素を添加する。
(3)一定量の酵素を連続的に添加する。
2.微生物を含む処理系の前段に系を作り、そこで必要に応じて水を加えた被処理物に酵素を添加してから微生物を含む処理系に投入する。前段の系において、酵素と共に微生物で前処理を行う場合もある。
3.微生物を含む処理系より微生物及び微生物だけで処理しきれなかった残渣物を一部または全部取り出し、後段に設けた系に移す。ここで酵素を添加して残渣物を分解した後に、元の処理系に戻す、あるいは排出する。
【0066】
この実施例では図4に示される如く、処理槽14には酵素供給管144の一端が開放されており、この酵素供給管144は酵素供給源146へと接続されている。
【0067】
次にこの第3の実施形態の作用を説明する。処理槽14内での被処理物の処理は前記第1実施形態と同様である。この処理槽14での被処理物の処理に加えて、この図4の第3の実施形態では処理搬送ポンプ100の酵素供給源146などの酵素添加装置を併せ用いる。
【0068】
処理搬送ポンプ100はモータ104を駆動することにより、回転軸110が回転するので、回転羽根126の羽根角度によって生ずる推進力は被処理物を処理槽14の下部から吸入して、ケーシング114内へと導く。ケーシング114内では裁断用羽根128によって被処理物が細かく裁断されると共に、空気管130から大気が負圧によって巻き込まれ、自然曝気がなされる。この場合、空気管132は開閉弁132Aを閉止しておくことが好ましい。曝気及び裁断がなされた被処理物はフランジ管118、配管122を通って再び処理槽14へと戻される。空気管130からの吸気を大量に行う必要がある場合には、開閉弁134、136の調節によって流量を少なくすれば良い。被処理物を逆に配管122から取り出して、配管124から処理槽14へ戻す場合には、モータ104及び回転羽根126を逆回転させる。この場合、大気は空気管132からケーシング114内へと取り込み、空気管130は閉じておく。このように処理搬送ポンプ100は処理槽14による処理物の処理を助ける役目を有して、処理槽14と共に大量の被処理物を処理することが出来る。
【0069】
特にこの処理搬送ポンプ100は被処理物の裁断及び曝気を行うと共に被処理物を搬送することが出来るので、処理槽14を用いることなく、被処理物をこの処理搬送ポンプ100のみの単独で処理することも可能である。特に被処理物の容量が大きくなると、処理槽14は大型にする必要があり大型の回転羽根が必要になるので、小型の回転羽根24と同じ周速であっても、被処理物と回転羽根とが当る割合が少なくなる。これに対して処理搬送ポンプ100ではケーシング内を長手方向に被処理物が移動して回転羽根126によって送られるので、回転羽根126と裁断用羽根128の個数や取り付け位置を増やすことによって大量の被処理物の処理が可能となる。更にこの処理搬送ポンプ100では、処理槽14に比べて、曝気用エアーの負圧による自然巻き込みが可能であるので、前記第1実施形態の様な多孔管36へのコンプレッサーによる圧力空気供給が不要である。また、この処理搬送ポンプ100を処理槽14と併せ用いる場合には、処理槽14の曝気用多孔管36は省略することも出来る。
【0070】
この様にこの第3実施形態においては、酸素の溶け込み効率が高いので、水質浄化だけでなく、魚の水槽や、魚の養殖などにも広く利用できる用途がある。また、この処理搬送ポンプ100は図3の第2実施形態におけるポンプ73,78Aとして用いることも可能である。
【0071】
次に図6には本発明の第4実施形態が示されている。
【0072】
この実施形態では、回転軸110がケーシング114の長手方向両端に取り付けられた軸受ホルダー152の軸受152Aへそれぞれ軸支されており、ケーシング114はパッキン154を介して基台102へ固着されている。ケーシング114の端部は、蓋板155で閉止されており、この蓋板155にはシール155Aが設けられている。蓋板155と軸受ホルダー152との間には隙間Sが設けられている。この隙間Sは、ケーシング114の内圧で蓋板155から被処理物が漏れ出た場合に、この被処理物がこの隙間Sを通して落下することにより軸受ホルダー155の軸受152Aへ至らず、これによって軸受152Aを保護するようになっている。落下した被処理物は回収して再処理する。ケーシング114の長手方向両端部付近にフランジ管118、120が取り付けられている点は前記実施形態と同様である。この実施形態のケーシング114は形状が比較的簡単であるため前記実施形態に比べて製作が容易である。
【0073】
なお、回転羽根126の回転により、被処理物には遠心力が生ずるので、被処理物が流入する側のフランジ118,120の開口対応部分には、この遠心力によって被処理物が押し戻されないように、邪魔板158などの介在物を設けたり、フランジ118,120の開口部への対応部分には羽根126を設けないようにすることが出来る。この構造は前記実施形態においても、同様とすることが出来る。
【0074】
なお、本件発明にかかる処理搬送ポンプ100は、これを図4のように縦配置としても、図6のように配置としてもよく、必要に応じて任意の配置にすることが出来る。
【0075】
次に、図7、8には本発明の第5実施形態が示されている。
【0076】
この実施形態では、処理槽14内の内側枠16へ気泡保持筒200が固定されて内部を内側処理部30Aとしている。この気泡保持筒16は垂直軸20と同軸的に配置された縦型であり、この実施形態では円筒形状とされているが、多角形状などの他の断面形状であってもよく、また実質的に曝気用気体を通過させない微***を有する気泡保持筒体であっても良い。
【0077】
この実施形態においては、回転羽根24Aが回転軸20の軸方向へほぼ一定間隔で複数段(この実施形態では4段)に渡って取り付けられており、これらは気泡保持筒200の内部に配置されて、前記第1実施形態と同様に被処理物を裁断すると共に押し下げる作用を有している。また、気泡保持筒200には、連結管38の先端に基部が接続された複数(この実施形態では3本)の分岐管38Aが貫通しており、これらの先端開放部がそれぞれ気泡保持筒200内で開口しており、図示しない圧縮空気供給源からの空気を上下3段に渡って気泡保持筒200内へ放出するようになっている。
【0078】
このため、気泡保持筒200内へ放出された気泡は、気泡保持筒200内を浮上して被処理物と接触し、第1実施形態と同様にバクテリアにより生ゴミが分解される。回転羽根24Aは被処理物内の固形物を切断して、細粒化させると共に攪拌作用によって、空気と被処理物との接触面積を大きくしてバクテリアによる分解を促進する。これと同時に回転羽根24Aは、被処理物及び曝気空気を押し下げるので、曝気空気は気泡保持筒200内で滞在する時間が長くなり、曝気空気とバクテリアとの接触時間は長くなり、好気性バクテリアを活性化する。また、この実施形態では特に気泡保持筒200が配置されているので、気泡がこの気泡保持筒200の水平方向へ飛ばされて外側処理部30Bへ直接的に至ることがなく、効果的な細粒化が可能である。さらに、この実施形態の分岐管38Aの開口部は大きな開口径とすることができるので、被処理物の粘度が大きくなっても、目詰まりすることがない。
【0079】
回転軸20は、気泡保持筒200の下端から突出しており、下端部には上部の4段の回転羽根24Aよりも外径の大きな回転羽根24Bが固定されている。従ってこの回転羽根24Bは、気泡保持筒200の下方に配置されて気泡保持筒200の内径よりも大きな最大直径を有しており、気泡保持筒200から押し下げられた被処理物を下方へとさらに押し下げると共に遠心力で周囲へと押し出して再び処理槽上部から内側処理部30A内へと送り込むようになっている。
【0080】
気泡保持筒200の上部に位置する回転軸20には、回転羽根24Cを固定することができる。この羽根24Cは気泡保持筒200の上端開口部の上方に位置し、外側処理部30Bの被処理物を内側処理部30Aである気泡保持筒200内へ送り込む。特にこの回転羽根24Cは、気泡保持筒200と回転軸20との間の間隔よりも大きな被処理物内の固形物(例えば食物残滓内の野菜や果物などの大径固形物)を切り刻んで気泡保持筒200内へ入りやすくする。
【0081】
また、この実施形態において、気泡保持筒200の下方に前記図1の第1実施形態と同様に、多孔管36をも配置して圧縮空気供給源からの曝気を排出浮上しても良い。
【0082】
このように、この実施形態では、気泡保持筒200内で回転羽根24Aが回転するので、図4〜6の処理搬送ポンプ100を処理槽14内へ配置した構造と同様の作用をなすことができ、簡単な構造で小型化が可能となる。
【0083】
なお、気泡保持筒200は、気泡を内部に実質的に保持し、上下部で内外処理部36A,36Bを連通させする保持部材であればよく、このためには筒状以外にも各種の形状が適用できる。
【0084】
【実施例】
350Lのバクテリア含有溶液を図4に示す処理層本体14に注入し、処理搬送ポンプ100の回転軸110を回転数2400rpmで回転させバクテリア含有液を攪拌のみした場合、バクテリア含有液中の溶存酸素量(DO)は0.2mg/Lであった。続いて空気管130から自然吸気により処理搬送ポンプ100に空気を導入させると、20分後のバクテリア含有液のDOは4.2mg/Lとなり、以降DO値の変化はなかった。次に多孔管36にブロワーを介して空気の強制注入を行った。
【0085】
空気の強制注入は下記の3通りの方法で行い、そのときのバクテリア含有液のDO値を測定した。
【0086】
(1)空気量約20L/min :5.0mg/L
(2)空気量約15L/min :5.6mg/L
(3)空気量約10L/min弱 :7.8mg/L
空気量が多過ぎると、配管122に空気が滞留し、バクテリア含有液の流量が減少して処理効率が低下することが判明した。また、空気量は約10L/min弱程度でもDO値が高く、このことから、処理搬送ポンプ100においては、多孔管36からの空気注入量が約10L/min以下の少ない空気量で運転する場合、多孔管36から気泡を処理搬送ポンプ100の回転翼で効果的に細粒化することによってDO値を上げることができ、処理効率が高いことが分かる。
【0087】
因みに、多孔管36にブロワーを介して空気を注入して曝気量を20L/minとし、処理搬送ポンプ100を運転しない場合、バクテリア含有液中のDO値は、0.25mg/Lであった。
【0088】
【発明の効果】
本発明は上記の構成としたので、搬送路内における被処理物の目詰まりがなく、微生物が処理する働きを促進することもできる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る処理装置を示す縦断面図である。
【図2】 図1の2ー2線断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態を示す第1図に相当する縦断面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態を示す第1図に相当する縦断面図である。
【図5】 第3実施形態の一部を示す拡大図である。
【図6】 本発明の第4実施形態を示す第5図に相当する縦断面図である。
【図7】 本発明の第5実施形態を示す第1図に相当する縦断面図である。
【図8】 本発明の第5実施形態の一部を示す拡大図である。
【符号の説明】
10 泥漿処理装置
14 処理槽
14A、14B、14C 処理槽
16 内側枠
16A 垂直棒材(緩衝部材、区画部材)
16B 連結棒材(緩衝部材、区画部材)
24 回転羽根
24A 回転羽根
30A 内側処理部
30B 外側処理部
36 多孔管(曝気排出部)
38A 分岐管(曝気排出部)
79 網部材(緩衝部材、区画部材)
100 処理搬送ポンプ
110 回転軸
126 回転羽根(搬送手段)
128 裁断用羽根(裁断手段)
130、132 空気管(気体供給口)
200 気泡保持筒(保持部材)

Claims (9)

  1. 被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿 処理装置であって、
    処理槽本体と、
    前記処理槽本体の外側に設置される外枠と、
    前記外枠に支持され、前記処理槽本体内部へ挿入された回転軸と、
    前記回転軸の下端に取り付けられ、被処理物を攪拌して分解を促進する回転羽根と、
    前記外枠に支持され、前記処理槽本体と前記回転羽根との間に配置され、泥漿が移動可能な緩衝部材と、
    を有することを特徴とする泥漿処理装置。
  2. 前記緩衝部材は、前記回転羽根の回りに配置された複数の棒状部材である請求項1記載の泥漿処理装置。
  3. 被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置であって、
    処理槽本体と、
    この処理槽本体の内側に配置され、処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に、内側処理部へ収容される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能な開口を備える区画部材と、
    前記区画部材の下方から曝気用気体を処理槽本体内へ放出する曝気排出部と、 前記内側処理部内に設けられ、内側処理部内の被処理物を攪拌して分解を促進すると共に、被処理物及び曝気用気体を下方へ押し下げて曝気用エアの被処理物内滞在時間を長くする回転羽根と、
    を有することを特徴とする泥漿処理装置。
  4. 前記区画部材は、内側処理部へ投入される泥漿を内側処理部から外側処理部へ移動可能とする網目状部材である請求項3に記載の泥漿処理装 置。
  5. 前記区画部材は、処理槽本体上部から吊り下げられ、前記回転羽根を囲む状態で回転羽根の周囲に配置される複数の棒材を備えることを特徴とする請求項3に記載の泥漿処理装置。
  6. 前記回転羽根は、処理槽本体上部から吊り下げられる回転軸の下端に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の泥漿処理装置。
  7. 前記処理槽本体の底部には、前記回転羽根によって押し下げされる被処理物を次工程へ案内する開口が形成されることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の泥漿処理装置。
  8. 被処理物である泥漿を微生物が処理する働きを促進する泥漿処理装置であって、
    処理槽本体と、
    この処理槽本体内を内側処理部と外側処理部とに区画すると共に上下部で内側処理部と外側処理部とを連通する保持部材と、
    この保持部材内へ曝気用気体を送る気体供給口と、
    前記保持部材内に設けられ、被処理物を攪拌して分解を促進すると共に被処理物を保持部材の下方へと押し下げる回転羽根と、
    を有することを特徴とする泥漿処理装置。
  9. 筒状とされ、長手方向に離れて被処理物入口部及び出口部が設けられたケーシングと、
    このケーシング内で長手方向に配置され回転する回転軸と、
    この回転軸へ取り付けられて回転軸と共に回転し、被処理物を入口部から出口部まで送る搬送手段と、
    前記回転軸へ取り付けられて回転軸と共に回転し、被処理物を裁断する裁断手段と、
    前記ケーシングに設けられ、搬送される被処理物へ曝気用気体を送る気体供給口と、
    を有することを特徴とする泥漿処理装置に用いられる処理搬送ポンプ。
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