JP4247819B2 - 医療用シミュレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療実習や医療検定を行う際に用いられる医療用シミュレータに係り、更に詳しくは、実際の治療時に近い状態で医療実習や医療検定を行うことのできる医療用シミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
公知の医療用シミュレータとしては、歯科治療実習に用いられる医療実習装置がある(特許文献1参照)。この医療実習装置は、歯列模型を有するマネキン状の人体模型を備え、歯科医師用の切削工具(ハンドピース)で、前記歯列模型を切削する実習が行われると、当該実習者の手の軌跡が所定の画像処理によって求められるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−293097号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記医療実習装置にあっては、前記人体模型が、実際の患者のように動かないため、現場での治療と状況が大きく異なり、実習者にとっては、現実に即した実習を行えないという不都合がある。例えば、実際の歯科治療時においては、口の位置、大きさや舌の存在により治療を行うための視覚情報や作業方向に大きな制約がある上に、患者の頭部や舌部等が不定期的に動いたり、また、当該頭部や舌部等が歯の切削時に反射的に動くことがある。ところが、前記医療実習装置での実習は、それらの患者の動きが全くない中で行われ、当該動きへの対応や対処等の訓練をすることができない。実際、このような訓練を受けるには、ボランティア等による人体に対して実習するしかなく、このような人体を使った実習は、実習者が歯科医師免許を持たない学生の場合には困難である。また、前述したような人体模型を用いた実習のみで歯科医師免許を付与することに対し、改善の必要性が求められているところである。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、実際の治療時における患者の動作をも考慮して医療実習や医療検定を行うことができる医療用シミュレータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、生体の所定部位を模して形成された治療部を有するロボット本体と、このロボット本体の動作を制御する制御手段と、前記治療部に対する不適切な治療状態を検出する検出手段とを備え、
前記ロボット本体は、前記治療部を構成する人工歯が設けられた口腔部を備え、
前記検出手段は、歯科治療用の切削工具が接触したときに感知する接触センサにより構成され、この接触センサは、前記人工歯に埋設され、及び/又は、口内の頬部に設けられ、
前記制御手段は、前記治療部の模擬治療時に、前記検出手段で不適切な治療状態が検出されると、当該不適切な治療が実際に行われた場合の前記生体の動作に擬似して、前記ロボット本体を動作させる、という構成を採っている。このような構成によれば、模擬治療時に、実際の患者のようにロボット本体が動くため、当該ロボット本体を用いて医療実習を行う際に、実習者は、治療時の患者の動きに対する対応や対処を訓練することができる。また、ロボット本体を用いて医療検定を行う際には、検定者が、治療時の患者の動きに対する被検定者の対応や対処をも検定対象することができ、実践的な側面からより細かい評価が可能となる。特に、切削工具で人工歯を削り過ぎたとき、及び/又は、切削工具等が頬部に触れたときに、不適切な治療状態として検出することができ、ロボット本体の動作により、不適切な治療が行われたことが一目瞭然となる他、当該不適切な治療が行われた場合の対応や対処を訓練でき、また、これら対応や対処について評価可能となる。
【0007】
本発明における制御手段は、前記ロボット本体に対し、治療開始前、治療開始時、及び治療中で異なる動作をさせる、という構成を採ることが好ましい。これにより、実際の治療時における患者の動作により近づけることが可能となる。
【0010】
また、前記ロボット本体は、所定のタイミングで擬似唾液が供給される口腔部を備え、
前記口腔部には、歯科治療用の唾液吸引装置で吸引されずに残った擬似唾液を貯蔵する排水タンクが設けられ、
前記検出手段は、前記排水タンクの水位が所定量以上になったときに感知する水位センサにより構成されることが好ましい。これにより、唾液吸引装置で吸引されずに残った口内の擬似唾液が排水タンクに溜まり、当該排水タンクの水位が所定量以上になると水位センサが感知するため、当該水位センサにより、唾液吸引装置による擬似唾液の吸引不良という不適切な治療状態を検出することができる。
【0011】
更に、前記ロボット本体は、擬似血管が所定部位に配置された口腔部を備え、
前記擬似血管は、所定の擬似血液が貯蔵された血液タンクに連結され、
前記検出手段は、前記擬似血管の損傷によって前記血液タンク内の擬似血液がタンク外に流出したときに、それを感知する流量センサにより構成されることが好ましい。このような構成によれば、誤って切削工具等で擬似血管を損傷すると、当該損傷部分から血液タンク内の擬似血液が噴出し、当該血液タンクの水位が減少して流量センサが感知するため、当該流量センサにより、擬似血管の損傷という不適切な治療状態を検出することができる。また、多量の出血を模擬することで、実習者は臨場感の高い治療実習を行うことができ、技能の向上に有用である。
【0012】
また、前記口腔部の内側を撮像可能な口内撮像手段と、当該口内撮像手段で撮像された画像を表示可能な表示手段とを備える、という構成を採用することが好ましい。このように構成することで、歯科治療検定時において、実時間で詳細な治療状況を観察可能となる。これによって、検定者は、口内における被検定者の作業内容、例えば、センサ等で検出されない不適切な治療状態がなされていないか等につき、別室等で見ることができ、被検定者の傍で直視しなくても、当該被検定者の手捌き等の評価を正確に行うことができる。また、多数の検定者により、被検定者の検定を略同時に行うことも可能になる。
【0013】
更に、前記検出手段は、治療開始からの時間が所定時間以上になったことを検出するタイマーにより構成することが好ましい。このような構成によれば、タイマーにより、治療時間が多くかかり過ぎるという不適切な治療状態を検出することができる。
【0014】
また、前記ロボット本体は、所定方向に変位可能な擬似舌を備え、当該擬似舌は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として上下左右に変位する、という構成を採用することが好ましい。このような構成によれば、患者の舌の動きも考慮した歯科治療実習及び歯科治療検定を行うことができる。
【0015】
更に、前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部を備え、
前記頭部は、上顎部と、この上顎部の上方に載る眼球部及び瞼部と、上顎部に前端側が相対する下顎部とを備え、
前記眼球部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として左右方向に回転可能な擬似眼球を含み、
前記瞼部は、前記擬似眼球を部分的にカバーする擬似瞼を含み、当該擬似瞼は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記擬似眼球の正面部位をカバーする閉眼位置と前記正面部位を表出させる開眼位置との間を変位可能に設けられ、
前記下顎部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記上顎部に離間接近可能に設けられる、という構成を採用している。このような構成によれば、患者の目、瞼、顎の動きを考慮した歯科治療実習及び歯科治療検定を行うことができる。
【0016】
また、前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部と、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として前記頭部を所定方向に変位させる首部とを備え、
前記首部は、前記頭部を前後左右に傾ける上部構成体と、前記頭部を回転させる中間構成体と、これら頭部、上部構成体及び中間構成体を一体的に前後方向に傾ける下部構成体とを備える、という構成を採用することができる。このような構成によれば、上部構成体の動作により、頭部のみが傾く動作を実現することができ、また、中間構成体の動作により、頭部の回転動作を実現することができる。更に、下部構成体の動作により、頭部及び首部を同時に傾ける動作を実現することができる。
【0017】
更に、前記制御手段は、予め設定された動作プログラムに従って前記ロボット本体に対する動作指令を行うオート指令部と、所定の操作手段の操作に基づいて前記ロボット本体に対する動作指令を行うマニュアル指令部とを備える、という構成を採用することができる。このような構成によれば、医療検定中等に、被検定者の状況等に応じて検定者がロボット本体を任意に動かすことができ、当該動きに対する被検定者の対応や対処について任意且つ個別に検定することができる。
【0018】
また、前記ロボット本体及び治療者を撮像可能な全体撮像手段と、当該全体撮像手段で撮像された画像及び/又は前記ロボット本体の動作履歴を表示する表示手段とを備える、という構成を採用するとよい。このような構成によれば、医療検定時において、検定者は、被検定者の全体の動き、及び、不適切な治療行為があったとき等に起因するロボット本体の動作履歴を簡単に把握することができ、これら要素を検定時の評価材料とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1実施例]
図1には、第1実施例に係る医療用シミュレータとしての歯科治療実習装置のシステム構成図が示されている。この図において、歯科治療実習装置10は、実際の治療時における患者の動作をも考慮して歯科治療実習を行うことのできる装置である。この歯科治療実習装置10は、患者の動作に擬似した動作が可能なロボット本体12と、このロボット本体12の動作を制御する制御手段としての制御装置13と、所定の画像を表示可能な表示手段としての表示装置14とを備えて構成されている。
【0021】
前記ロボット本体12は、図2に示されるように、人体の首部分よりも上方部分に擬似した外形に設けられており、同図中上側に位置する頭部16と、この頭部16を支持する首部17とにより構成されている。これら頭部16及び首部17は、それらの表面が一部を除きゴム等の軟質材料からなる擬似皮膚19(図2中破線参照)で覆われている。なお、以下で説明する図においては、頭部16及び首部17の構成を明らかにするため、擬似皮膚19の図示を省略若しくは簡略にする。
【0022】
前記頭部16は、図3に示されるように、略平板状の上顎部21と、この上顎部21の上方に載る眼球部22及び瞼部23と、上顎部21の左右両側端に固定された一対のサイドプレート25,25と、これらサイドプレート25,25に取り付けられ、前端側が上顎部21に相対する下顎部25と、上顎部21と下顎部25との間に位置する口腔部26とを備えて構成されている。
【0023】
前記眼球部22は、略球状若しくは略円盤状をなす左右一対の擬似眼球28,28と、これら各擬似眼球28,28の上下両側に突出するとともに、当該各擬似眼球28,28に固定された回転軸30,30と、各回転軸30,30の上端側に連結されるリンク機構32と、このリンク機構32に連なるとともに、前記制御装置13(図1参照)によって駆動制御される眼球モータ33と、リンク機構32及び眼球モータ33を下方から支持するとともに、上顎部21に固定される支持プレート35とを備えている。
【0024】
前記各回転軸30は、その下端側が上顎部21に回転可能に取り付けられ、これによって、擬似眼球28,28の左右方向の回転が許容される。
【0025】
前記リンク機構32は、眼球モータ33の駆動で各擬似眼球28,28の回転を可能にするリンク構造が採用されており、具体的に、各回転軸30,30の上端側に回転可能に取り付けられて後方に延びる左右一対の前部バー37,37と、これら前部バー37,37の後端側に相対回転可能に連結された連結バー38と、この連結バー38と眼球モータ33の回転軸とを連結する後部バー39とにより構成されている。ここで、連結バー38の左右方向略中央には、上方に延びる突部41が設けられており、この突部41は、後部バー39の先端側で前後方向に延びるスロット穴42と係合している。従って、このようなリンク機構32により、眼球モータ33が回転すると、各擬似眼球28,28が左右方向に回転することになる。
【0026】
前記瞼部23は、上顎部21に取り付けられた支持体43と、この支持体43により前後方向に変位可能に支持された左右一対の擬似瞼44,45と、支持体43の後方に設けられるととともに、制御装置13(図1参照)によって駆動制御される左瞼シリンダ48及び右瞼シリンダ49とを備えて構成されている。
【0027】
前記支持体43は、上顎部21の上面における左右方向三箇所から起立するブロック状の固定部材52と、各固定部材52の相対面にそれぞれ回転可能に取り付けられる円盤部材53と、当該円盤部材53のうち左右両端側の円盤部材53から後方に延びるとともに、左右瞼シリンダ48,49のロッドにピン接合される連結部材54とを備えている。ここで、各円盤部材52,52,52の間には、各擬似眼球28,28が配置されているとともに、当該擬似眼球28,28と干渉しないように擬似瞼44,45が掛け渡されている。
【0028】
擬似瞼44,45は、それらの左右両端側が各円盤部材52に固定されており、各擬似眼球28,28を外側から部分的にカバー可能な形状及び大きさに設けられている。
【0029】
以上の構成により、前記瞼部23は、左右瞼シリンダ48,49の駆動により、各擬似瞼44,45が開眼位置と閉眼位置との間でそれぞれ独立して変位することとなる。ここで、前記開眼位置は、図3に示されるように、各擬似瞼44,45が擬似眼球28,28の上方に存在して擬似眼球28,28の正面部位を表出させる位置である一方、前記閉眼位置は、各擬似瞼44,45が擬似眼球28,28の正面部位をカバーする位置である(図示省略)。
すなわち、図3の開眼位置から各瞼シリンダ48,49のロッドが伸びると、連結部材54を介して円盤部材53が回転され、これに伴って、当該円盤部材53に一体的に取り付けられた各擬似瞼44,45が前方に回転して前記閉眼位置に変位する。逆に、当該閉眼位置から各瞼シリンダ48,49のロッドが縮むと、円盤部材53が前述と逆方向に回転され、擬似瞼44,45が前記開眼位置に戻る。
【0030】
前記下顎部25は、図3に示されるように、前記各サイドプレート25,25に回転可能に支持された擬似下顎56と、この擬似下顎56に連結されるとともに、制御装置13(図1参照)により駆動制御される顎シリンダ57とにより構成されている。
【0031】
前記擬似下顎56は、平面視で略U字状をなす前側の湾曲片部59と、この湾曲片部59の各後端側から後方に上向きに傾斜するとともに、各サイドプレート25,25にピン60で回転自在に取り付けられた傾斜片部61と、湾曲片部59の左右両内面間に掛け渡される棒状の底部62とを備えて構成されている。図3中右側に位置する傾斜片部61の端部には、顎シリンダ57のロッドがピン接合されており、当該顎シリンダ57の駆動によって、擬似下顎56が上下運動し、上顎部21に対して離間接近可能となる。すなわち、顎シリンダ57のロッドが伸びると、ピン60を支点として擬似下顎56が下方に回転し、前記口腔部26を開放させる一方、逆に、顎シリンダ57のロッドが縮むと、擬似下顎56が上方に回転し、前記口腔部26を閉塞させるようになっている。
【0032】
前記口腔部26には、図4及び図5に示されるように、前記上顎部21及び擬似下顎56に固定された上下の歯列模型64,64と、前記擬似皮膚(図2参照)によって形成されるとともに、上下の歯列模型64,64の間を左右両側から閉塞する頬部65と、歯列模型64,64及び頬部65の内側に形成される口内66に配置された舌部67と、上顎部21側から口内66を撮像可能な口内撮像手段68と、口内66に対して所定のタイミングで擬似唾液を供給する唾液供給手段70と、口内66に供給された擬似唾液を外部に排出する唾液排出手段71と、舌部67に擬似血液を供給する血液供給手段72(図4参照)とが設けられている。
【0033】
前記歯列模型64は、ゴム等の軟質材料により形成された歯茎部74と、この歯茎部74に支持されるとともに、人間の歯に近い材質からなる治療部としての人工歯75とにより構成されている。この人工歯75には、図6に示されるように、その内部に接触センサ77が埋設されている。当該接触センサ77は、歯科医師の切削工具であるハンドピース(図示省略)が接触したときに感知する構造のセンサであれば何でもよい。本実施例の接触センサ77は、導電性樹脂材料等により構成され、金属製の前記ハンドピースが表面に接触すると電気の導通により、接触センサ77に接続された前記制御装置13(図1参照)でハンドピースの接触状態が検出されるようになっている。つまり、人工歯75の表面と内部の接触センサ77とを絶縁して分けることで、人工歯75が必要以上に深く切削されると、その旨が接触センサ77の検知を通じて制御装置13で把握されるようになっている。また、図示省略されているが、接触センサ77は、前記頬部65や歯茎部74の表面部分にも設けられており、頬部65や歯茎部74に前記ハンドピースが接触したときも、その旨が制御装置13で把握されるようになっている。なお、これら接触センサ77は、人工歯75、頬部65、歯茎部74のうち何れか一の部材若しくは二の部材に設けるようにしてもよい。
【0034】
前記舌部67は、ゴム等の軟質材料からなる擬似舌78と、この擬似舌78を上下左右に変位させる舌動作手段79とからなる。
【0035】
前記擬似舌78は、少ない力で容易に変形する可撓性の湾曲板状をなし、その図5中左右両端側が前記擬似下顎56に固定されている。また、擬似舌78の内部には、血液供給手段72により擬似血液の供給が行われる複数本の擬似血管82が所定方向に沿って埋設されている。なお、図示省略しているが、擬似舌78の内部には、所定の金属物質や繊維物質等の動作規制部材が埋設されており、当該動作規制部材は、所定方向の擬似舌78の動きを規制することで、擬似舌78の動きを人間の舌に近づかせるようになっている。
【0036】
前記舌動作手段79は、擬似舌78の裏面前方に接続される第1及び第2の舌シリンダ84,85と、擬似舌78の裏面後方に接続される第3の舌シリンダ86とにより構成されている。ここで、第1及び第2の舌シリンダ84,85は、図5に示されるように、左右対称に配置されており、それらの一端側が擬似舌78の裏面における左右方向略中央に固定される一方、各他端側が擬似下顎56の左右両側に固定されている。従って、図5中左側に位置する第1の舌シリンダ84のロッドが伸びると、擬似舌78の先端側が同図中右方に変位する一方、同図中右側に位置する第2の舌シリンダ85のロッドが伸びると、擬似舌78の先端側が同図中左方に変位するようになっている。第3の舌シリンダ86は、擬似下顎56の底部62に固定されており、当該第3の舌シリンダ86のロッドの伸縮によって、擬似舌78の先端側を上下方向に変位させるようになっている。
【0037】
前記口内撮像手段68は、例えば、CCDカメラ等によって構成されており、当該CCDカメラ等によって撮像された口内66内の画像が、前記表示装置14(図1参照)でリアルタイムに表示され、若しくは、所定の記憶媒体に録画されるようになっている。なお、この口内撮像手段68は、第三者の監視等を必要としない場合には省略することもできる。
【0038】
前記唾液供給手段70は、擬似唾液として用いる水が貯蔵された給水タンク88と、この給水タンク88から擬似下顎56の下方から口内66に延びる給水路89と、所定のタイミングで給水タンク88の水を口内66に供給する給水ポンプ90とを備えて構成されている。この給水ポンプ90は、前記制御装置13によって駆動制御されている。
【0039】
前記唾液排出手段71は、口内66の奥側に設けられた排水口92から外部に延びる排水路93と、この排水路93に繋がる排水タンク94と、この排水タンク94内の水を外部に排水させる唾液排出弁装置95とを備えて構成されている。前記排水タンク94には、その水位が所定量以上となったときに感知してその旨を制御装置13に伝達する水位センサ96が設けられている。前記唾液排出弁装置95は、制御装置13により流路が開閉制御される公知の電磁弁等により構成され、水位センサ96が感知したときに開放して、排水タンク94内の水を外部に排出し、そのとき以外は閉塞するように設定されている。
【0040】
前記血液供給手段72は、前記擬似血管82に繋がる血管路98と、この血管路98に繋がるとともに、擬似血液としての赤色水が貯蔵された血液タンク99とにより構成されている。前記血管路98には、血液タンク99内の擬似血液がタンク外に流出したことを感知してその旨を制御装置13に伝達する流量センサ101が設けられている。すなわち、ここでの流量センサ101は、前記ハンドピースにより誤って擬似舌78の裏側の擬似血管82を損傷し、そこから赤色水が口内66に噴出したときに、その旨が制御装置13に伝達されるようになっている。また、血液タンク99内の擬似血液は、加圧ポンプ102(図4参照)によって人間の血圧に相当する圧力に保持されている。なお、血液供給手段72は、前記図示例に限らず、前記歯茎部74等にも併設することで、歯茎部74の出血状態を検出できるようにしてもよい。
【0041】
前記首部17は、図2及び図7に示されるように、前記頭部16が取り付けられる上部構成体103と、この上部構成体103の下方に位置して頭部16を回転させる中間構成体104と、これら上部構成体103及び中間構成体104を一体的に前後方向に傾ける下部構成体105とを備えている。
【0042】
前記上部構成体103は、頭部16を前後左右に傾斜可能に支持するジンバル機構が採用されている。すなわち、上部構成体103は、平面視で略方形状をなす枠部材107と、この枠部材107の左右両側面から外向きに突出する横軸部材108,108と、図7中右側の横軸部材108に連なるとともに、制御装置13(図1参照)に駆動制御される小首前後モータ110と、枠部材107の内側に位置するブロック状の中央部材111と、この中央部材111から枠部材107の内面に向かって延びる縦軸部材112と、この縦軸部材112の前方に連なるとともに、制御装置13に駆動制御される小首左右モータ113とを備えて構成されている。
【0043】
前記横軸部材108は小首前後モータ110の駆動によって回転されるようになっており、前記各サイドプレート25,25に対して回転不能に一体化される一方、枠部材107に対して回転可能に取り付けられている。このため、小首前後モータ110が駆動すると、枠部材107の姿勢をそのままにした状態で、各サイドプレート25,25が上下方向に揺動し、頭部16が前後方向に小さく傾くことになる。
【0044】
前記縦軸部材112は、枠部材107に固定される一方、中央部材111に対して回転可能に取り付けられている他、小首左右モータ113の回転軸に直結されている。これにより、小首左右モータ113が駆動すると、縦軸部材112が中央部材111に対して回転し、これに伴って、縦軸部材112に一体化された枠部材107が左右方向に揺動することとなる。このとき、サイドプレート25,25も左右方向に揺動し、頭部16が左右方向に小さく傾くことになる。
【0045】
前記中間構成体104は、中央部材111から下向きに延びる支持軸115と、制御装置13に駆動制御されるとともに、支持軸115を回転させる首回転モータ116とを備えて構成されている。この首回転モータ116が駆動すると、中央部材111が水平面に略沿って回転することになり、枠部材107とともに頭部16が回転することになる。
【0046】
前記下部構成体105は、所定のベース(図示省略)に固定されたブロック状の固定部材120と、この固定部材120の左右両側面にピン121を介して相対回転可能に取り付けられた一対のプレート材122,122と、これらプレート材122,122の上部前端間に回転不能に掛け渡された横棒123と、この横棒123に対して若干の姿勢変位を許容可能に連結されるとともに、制御装置13に駆動制御される首前後シリンダ124とを備えて構成されている。ここで、前記各プレート材122,122の相対面間には、前記首回転モータ116が固定配置されている。
【0047】
このような下部構成体105の構成により、首前後シリンダ124が駆動すると、人間がお辞儀したときのように頭部16が前後方向に大きく傾くことになる。つまり、首前後シリンダ124のロッドが伸びると、ピン121を中心として各プレート材122,122が後方に回転し、これに伴って、頭部16、上部構成体103及び下部構成体104が一体的に後方に傾くことになる。逆に、首前後シリンダ124のロッドが縮むと、頭部16、上部構成体103及び下部構成体104が一体的に前方に傾くことになる。
【0048】
以上により、図1に示されるように、眼球モータ33、左右瞼シリンダ48,49、顎シリンダ57、第1〜第3の舌シリンダ84〜86、給水ポンプ90、唾液排出弁装置95、小首前後モータ110、小首左右モータ113、首回転モータ116、及び首前後シリンダ124は、制御装置13により駆動制御されるアクチュエータAを構成することになる。当該アクチュエータAは、それらを動作させるためのアクチュエータ駆動制御装置125が付設されており、当該アクチュエータ駆動制御装置125を介して制御装置13で駆動制御されるようになっている。ここで、アクチュエータ駆動制御装置125は、特に限定されるものではないが、眼球モータ33に対する眼球モータドライバ125Aと、左右瞼シリンダ48,49に対する左右瞼電磁弁125B,125Cと、顎シリンダ57に対する顎電磁弁125Dと、第1〜第3の舌シリンダ84〜86に対する第1〜第3の舌電磁弁125F,125G,125Hと、給水ポンプ90に対する給水ポンプスイッチ125Jと、唾液排出弁装置95に対する唾液排出弁スイッチ125Kと、小首前後モータ110に対する小首前後モータドライバ125Lと、小首左右モータ113に対する小首左右モータドライバ125M、首回転モータ116に対する首回転モータドライバ125Nと、首前後シリンダ124に対する首前後電磁弁125Pとを備えて構成されている。
【0049】
前記制御装置13は、図1に示されるように、各アクチュエータAに所定の動作を実行させる動作プログラムが複数記憶された記憶部126と、この記憶部126から任意の動作プログラムを抽出し、当該動作プログラムに基づいて、該当するアクチュエータ駆動制御装置125に動作指令を行う指令部127と、所定の計時を行うタイマー128とを備えている。この制御装置13は、人工歯75(図2等参照)の模擬治療時に、患者の動作に擬似してロボット本体12を動作させ、治療開始前、治療開始時、治療中で異なる動作をさせるようになっている。
【0050】
制御装置13により指令される各アクチュエータAの動作手順につき、図1及び図8等を用いて以下に説明する。
【0051】
先ず、図示しないスイッチを投入すると、眼球モータ33及び左右瞼シリンダ48,49が、記憶部126に記憶された所定のサイクルで連続して駆動し、これによって、ロボット本体12は、眼球運動や瞬きが所定の間隔で繰り返し行われる(ステップ101)。
【0052】
そして、実習者の準備が整い、歯科治療実習を開始する際には、所定のスイッチ操作により、治療開始の合図が制御装置13に伝えられ、その有無が判断される(ステップ102)。なお、この動作は、スイッチ操作を用いずに、図示しないマイクに「治療を始めます」等の音声を吹き込むことで、治療開始の合図を認識可能な音声認識システム等を使って実行することもできる。
【0053】
次に、ロボット本体12は、治療開始時の動作がなされる(ステップ103)。すなわち、各瞼シリンダ48,49の駆動により、左右両側の擬似瞼44,45(図3参照)が擬似眼球28,28の前方側の前記閉眼位置に変位し、ロボット本体12は目を閉じた状態となる。また、顎シリンダ57の駆動により、擬似下顎56(図3参照)が上顎部21から離間する方向に回転し、ロボット本体12は開口状態となる。更に、給水ポンプ90が駆動し、口内66(図4等参照)に擬似唾液が供給される。その後、実習者は、歯科治療用の唾液吸引装置(図示省略)を口内66に挿入することで、口内66に供給された擬似唾液が吸引されて外部に排出されることになる。
【0054】
そして、前述したスイッチ操作から一定時間経過したことがタイマー128で検出されると、ロボット本体12は、記憶部126に予め記憶された動作パターンに従って、治療中における実際の患者の動作と略同等の動作が適宜行われる(ステップ104)。具体的には、予め決められた間隔で首部17に設けられたモータ110,113,116及びシリンダ124が一つ以上駆動し、頭部16が所定時間毎に種々の方向に小さく動く。また、予め決められた間隔で各舌シリンダ84〜86が駆動し、擬似舌78(図4参照)が所定時間毎に種々の方向に小さく動く。更に、予め決められた間隔で顎シリンダ57が駆動し、擬似下顎56(図3参照)が所定時間毎に上下に小さく動く。
【0055】
そして、実習が完了しているか否かが判断される(ステップ105)。ここで、実際に実習が完了した場合には、実習者による所定のスイッチ操作等によって、その旨が制御装置13に伝達される。この場合には、制御装置13で実習が完了したと判断され、ロボット本体12の動作が停止する。その一方、前記スイッチ操作が行われない場合には、実習が完了していないと判断され、ロボット本体12の動作が引き続き行われる。
【0056】
ところで、実習中に不適切な治療状態が検出されると(ステップ106)、ロボット本体12は、不適切な治療が実際に行われた場合の患者の動作に擬似した動作がなされる(ステップ107)。
【0057】
ここで、不適切な治療状態の検出は次のように行われる。前記ハンドピース(図示省略)で人工歯75を削り過ぎると、当該人工歯75の内部に設けられた接触センサ77(図6参照)に接触し、これによって、不適切な歯の切削が行われたことが検出される。また、前記ハンドピースが頬部65や歯茎部74に接触した場合にも、接触センサ77によって、同様に不適切な治療状態が検出される。また、前記擬似血管82(図4等参照)を誤って損傷すると、当該擬似血管82から擬似血液が流出したことが流量センサ101により検出され、これによって、擬似血管82を損傷する不適切な治療状態が検出される。更に、口内66の擬似唾液が前記唾液吸引装置(図示省略)で良好に吸引されない場合は、残った擬似唾液が排水口92(図5参照)から排出されて排水タンク94に溜まる。そして、当該排水タンク94内の水位が一定量を超えると、排水タンク94に設けられた流量センサ96が感知し、前記唾液吸引装置による唾液吸引不良という不適切な治療状態が検出される。また、タイマー128で、治療開始からの経過時間が計時されることで、治療内容に応じて予め設定された所定時間よりもオーバーしたときに、長時間の治療という不適切な治療状態が検出される。以上により、接触センサ77、流量センサ96,101、及びタイマー128は、不適切な治療状態を検出する検出手段を構成することになる。
【0058】
前記検出手段で不適切な治療状態が検出されると、ロボット本体12は、次の反射動作が選択的或いは複合的になされる。すなわち、各瞼シリンダ48,49が駆動して、左右両側の擬似瞼44,45(図3参照)が前記閉眼位置から前記開眼位置に変位し、ロボット本体12は目を開いた状態となる。また、顎シリンダ57が駆動して、擬似下顎56(図3参照)が上顎部21に接近する方向に変位し、ロボット本体12は閉口した状態となる。更に、首部17に設けられたモータ110,113,116及びシリンダ124が一つ以上駆動し、頭部16及び首部17が仰け反るように大きく動く。また、眼球モータ33や各舌シリンダ84〜86が駆動し、擬似眼球28,28や擬似舌78が所定方向に大きく動く。また、ロボット本体12にスピーカ(図示省略)を設け、当該スピーカから唸り声を発生させるようにしてもよい。なお、以上の反射動作は、一定時間後に自動停止してもよいし、前記不適切な治療状態が是正されない間継続してもよい。
【0059】
そして、以上の不適切な治療状態が是正されたか否かが判断され(ステップ108)、当該不適切な治療が是正された場合には、実習を続行可能とし、そうでない場合には、ロボット本体12の動作が全て停止されることで実習中止となる。なお、タイマー128によって計時された治療開始からの経過時間が、予め設定された所定時間よりもオーバーしたときにも、実習中止にすることができる。一方、これらの場合には、実習中止にせずに、表示若しくは音声によって所定の警告を発し、実習を続行可能としてもよい。
【0060】
以上の動作は、記憶部126に記憶された動作プログラムにより実行され、当該動作プログラムとしては、複数のモードを用意し、当該各モードから実習者等がスイッチ等で任意に選択できるようにしてもよい。例えば、成人患者の動作と、当該成人患者よりも動作が大きく且つ頻繁に設定された幼児患者の動作を用意し、それらを実習内容に応じて適宜選択するようにしてもよい。これら動作モードは、経験的データ等から設定され、データを経時的に書き換えることも可能である。
【0061】
従って、このような第1実施例によれば、歯科治療実習時に、治療対象となる本体ロボット12が実際の患者に近似した動きをするため、実際の患者に対して実習を行っているような感覚が得られ、実習者は、より実践的な訓練を受けることができるという効果を得る。
【0062】
次に、本発明の第2実施例について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施例と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
【0063】
[第2実施例]
第2実施例では、医療用シミュレータとして、歯科治療検定を行う際に用いられる歯科治療検定装置を適用したところに特徴を有する。
【0064】
図9に示されるように、歯科治療検定装置130は、第1実施例の歯科治療実習装置10の構成に対して他の構成を付加したものである。すなわち、歯科治療検定装置130は、前述した口内66を撮像する口内撮像手段68の他に、ロボット本体12及び当該ロボット本体12に向かって治療行為を行う被検定者(治療者)全体を撮像可能なITVカメラ等からなる全体撮像手段132を更に備えている。これら各撮像手段68,132からの画像は、検定場所から直接見えない別室に存在する前記表示装置14に表示され、当該別室にいる検定者の評価の参考とされる。
【0065】
また、前記制御装置13は、検定用に作成されたロボット本体12の動作プログラムが記憶されたプログラム記憶部133と、このプログラム記憶部133で記憶された動作プログラムに従って、前記第1実施例のように各アクチュエータAに対する動作指令を行うオート指令部134と、前記プログラムとは無関係に、所定の操作手段138の操作により、指定されたアクチュエータAに対する動作指令を行うマニュアル指令部135と、検定開始から終了までの各アクチュエータAの一連の動作を記憶する履歴記憶部136とを備えている。ここで、操作手段138は、検定者がいる前述の別室に置かれており、当該検定者は、各撮像手段68,132で被検定者の様子を見ながら操作手段138を操作することで、所定のアクチュエータAに所望の動作をさせることができる。すなわち、検定者は、被検定者のトラブル対処能力を評価する等の目的で、検定中にロボット本体12を人為的に動かすことが可能になる。
【0066】
この歯科治療検定装置130にあっても、図8に示される第1実施例の手順と殆ど同じ手順で検定が行われるようになっている。但し、以下の点が第1実施例の場合と相違する。先ず、ロボット本体12は、操作手段138を使った検定者の動作指令により、被検定者の検定状況に応じて任意のタイミングで任意の部位の動作がなされる。また、前述した不適切な治療の判断(ステップ106)の際には、前記各撮像手段68,132からの画像や前記履歴記憶部136に記憶されたアクチュエータAの動作データから、ロボット本体12の状態や被検定者の動作を検定者が確認し、当該検定者の人為的な判断を加味できるようになっている。更に、検定後には、前記履歴記憶部136に記憶されたロボット本体12の動作データが表示装置14に表示され及び/又は図示しないプリンタによってデータ内容が印字される。
【0067】
従って、このような第2実施例によっても、歯科治療検定時に、ロボット本体12が実際の患者に近似した動きをするため、検定者は、被検定者に対する治療検定を実際に即してより正確に行えるという効果を得る。
【0068】
なお、第2実施例に係る歯科治療検定装置130は、プログラム記憶部133に記憶されるデータを変えることで、第1実施例のような歯科治療実習装置として利用することも可能である。
【0069】
また、前記各実施例で図示説明した各アクチュエータAは、一例であり、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、それぞれについて、既説のアクチュエータと別のアクチュエータに置換することも可能である。
【0070】
また、前記各実施例では、医療用シミュレータとして、歯科治療の実習や検定に用いられる実習装置10、検定装置130を例示したが、本発明はこれに限らず、ロボット本体12の形状やアクチュエータAを適宜変え、他の医療実習や医療検定に用いることができるようにしてもよい。また、ロボット本体12が想定する患者としては、人間に限らず他の動物とすることもできる。
【0071】
更に、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、模擬治療の対象とされるロボット本体に対し、実際の治療時における患者の動作等が行われるから、実際の治療時に近い状態で医療実習や医療検定を行うことが可能となり、実習者は、より高い訓練を受けることができ、検定者は、より細かく被検定者の技量をチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る歯科治療実習装置のシステム構成図。
【図2】ロボット本体の構成を示す概略斜視図。
【図3】図2のうち頭部のみを示す概略斜視図。
【図4】口腔部を前後方向に断面した概略縦断面図。
【図5】図4におけるA−A線に沿う口腔部の断面図。
【図6】人工歯の概略縦断面図。
【図7】図2のうち首部のみを示す概略斜視図。
【図8】制御装置によるロボット本体の動作手順を示すフローチャート。
【図9】第2実施例に係る歯科治療検定装置のシステム構成図。
【符号の説明】
10 歯科治療実習装置(医療用シミュレータ)
12 ロボット本体
13 制御装置(制御手段)
14 表示装置(表示手段)
16 頭部
17 首部
21 上顎部
22 眼球部
23 瞼部
25 下顎部
26 口腔部
28 擬似眼球
33 眼球モータ(アクチュエータ)
44 擬似瞼
45 擬似瞼
48 左瞼シリンダ(アクチュエータ)
49 右瞼シリンダ(アクチュエータ)
56 擬似下顎
57 顎シリンダ(アクチュエータ)
65 頬部
66 口内
68 口内撮像手段
75 人工歯(治療部)
77 接触センサ(検出手段)
78 擬似舌
82 擬似血管
84 第1の舌シリンダ(アクチュエータ)
85 第2の舌シリンダ(アクチュエータ)
86 第3の舌シリンダ(アクチュエータ)
94 排水タンク
96 水位センサ(検出手段)
99 血液タンク
101 流量センサ(検出手段)
103 上部構成体
104 中間構成体
105 下部構成体
110 小首前後モータ(アクチュエータ)
113 小首左右モータ(アクチュエータ)
116 首回転モータ(アクチュエータ)
124 首前後モータ(アクチュエータ)
128 タイマー(検出手段)
130 歯科治療検定装置(医療用シミュレータ)
132 全体撮像手段
134 オート指令部
135 マニュアル指令部
138 操作手段
A アクチュエータ

Claims (13)

  1. 生体の所定部位を模して形成された治療部を有するロボット本体と、このロボット本体の動作を制御する制御手段と、前記治療部に対する不適切な治療状態を検出する検出手段とを備え、
    前記ロボット本体は、前記治療部を構成する人工歯が設けられた口腔部を備え、
    前記検出手段は、歯科治療用の切削工具が接触したときに感知する接触センサにより構成され、この接触センサは、前記人工歯に埋設され、及び/又は、口内の頬部に設けられ、
    前記制御手段は、前記治療部の模擬治療時に、前記検出手段で不適切な治療状態が検出されると、当該不適切な治療が実際に行われた場合の前記生体の動作に擬似して前記ロボット本体を動作させることを特徴とする医療用シミュレータ。
  2. 前記制御手段は、前記ロボット本体に対し、治療開始前、治療開始時、及び治療中で異なる動作をさせることを特徴とする請求項1記載の医療用シミュレータ。
  3. 前記ロボット本体は、所定のタイミングで擬似唾液が供給される口腔部を備え、
    前記口腔部には、歯科治療用の唾液吸引装置で吸引されずに残った擬似唾液を貯蔵する排水タンクが設けられ、
    前記検出手段は、前記排水タンクの水位が所定量以上になったときに感知する水位センサにより構成されていることを特徴とする請求項又は記載の医療用シミュレータ。
  4. 前記ロボット本体は、擬似血管が所定部位に配置された口腔部を備え、
    前記擬似血管は、所定の擬似血液が貯蔵された血液タンクに連結され、
    前記検出手段は、前記擬似血管の損傷によって前記血液タンク内の擬似血液がタンク外に流出したときに、それを感知する流量センサにより構成されていることを特徴とする請求項又は記載の医療用シミュレータ。
  5. 前記口腔部の内側を撮像可能な口内撮像手段と、当該口内撮像手段で撮像された画像を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  6. 前記検出手段は、治療開始からの時間が所定時間以上になったことを検出するタイマーにより構成されていることを特徴とする請求項の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  7. 前記ロボット本体は、所定方向に変位可能な擬似舌を備え、当該擬似舌は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として上下左右に変位することを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  8. 前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部を備え、
    前記頭部は、上顎部と、この上顎部の上方に載る眼球部及び瞼部と、上顎部に前端側が相対する下顎部とを備え、
    前記眼球部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として左右方向に回転可能な擬似眼球を含み、
    前記瞼部は、前記擬似眼球を部分的にカバーする擬似瞼を含み、当該擬似瞼は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記擬似眼球の正面部位をカバーする閉眼位置と前記正面部位を表出させる開眼位置との間を変位可能に設けられ、
    前記下顎部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記上顎部に離間接近可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  9. 前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部と、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として前記頭部を所定方向に変位させる首部とを備え、
    前記首部は、前記頭部を前後左右に傾ける上部構成体と、前記頭部を回転させる中間構成体と、これら頭部、上部構成体及び中間構成体を一体的に前後方向に傾ける下部構成体とを備えたことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  10. 前記制御手段は、予め設定された動作プログラムに従って前記ロボット本体に対する動作指令を行うオート指令部と、所定の操作手段の操作に基づいて前記ロボット本体に対する動作指令を行うマニュアル指令部とを備えたことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  11. 前記ロボット本体及び治療者を撮像可能な全体撮像手段と、当該全体撮像手段で撮像された画像及び/又は前記ロボット本体の動作履歴を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の医療用シミュレータ。
  12. 生体の所定部位を模して形成された治療部を有するロボット本体と、このロボット本体の動作を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部を備え、
    前記頭部は、上顎部と、この上顎部の上方に載る眼球部及び瞼部と、上顎部に前端側が相対する下顎部とを備え、
    前記眼球部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として左右方向に回転可能な擬似眼球を含み、
    前記瞼部は、前記擬似眼球を部分的にカバーする擬似瞼を含み、当該擬似瞼は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記擬似眼球の正面部位をカバーする閉眼位置と前記正面部位を表出させる開眼位置との間を変位可能に設けられ、
    前記下顎部は、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として、前記上顎部に離間接近可能に設けられ、
    前記制御手段は、前記治療部の模擬治療時に、前記生体の動作に擬似して前記ロボット本体を動作させることを特徴とする医療用シミュレータ。
  13. 生体の所定部位を模して形成された治療部を有するロボット本体と、このロボット本体の動作を制御する制御手段とを備え、
    前記ロボット本体は、前記治療部を含む頭部と、前記制御手段に駆動制御されるアクチュエータを動力として前記頭部を所定方向に変位させる首部とを備え、
    前記首部は、前記頭部を前後左右に傾ける上部構成体と、前記頭部を回転させる中間構成体と、これら頭部、上部構成体及び中間構成体を一体的に前後方向に傾ける下部構成体とを備え、
    前記制御手段は、前記治療部の模擬治療時に、前記生体の動作に擬似して前記ロボット本体を動作させることを特徴とする医療用シミュレータ。
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