JP4247767B2 - 薄型平面表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電を利用したプラズマディスプレイパネルやプラズマアドレッシング液晶表示パネルなどの薄型平面表示装置に関する。
【0002】
プラズマディスプレイパネルやプラズマアドレッシング液晶表示パネルなどからなる薄型平面表示装置は、民生用壁掛けテレビ、コンピュータモニタ、駅や空港、証券取引所、工場、学校などの情報表示用大型ディスプレイとして利用されている。このような薄型平面表示装置としては、更に高精細で、コントラストの良い鮮明な高表示品質の画面の実現と製造の容易化が要望されている。
【0003】
【従来の技術】
従来の薄型平面表示装置として、例えばAC駆動型のプラズマディスプレイパネル(PDP)の基本的な構造は図3の要部断面斜視図で示すように、放電空間30を挟む基板対のうちの前面側のガラス基板11の内面には、画面の水平方向のセル列であるラインL毎に一対ずつサステイン電極(表示電極)X,Yが配列されている。
【0004】
そのサステイン電極(表示電極)X,Yは、それぞれが透明導電膜12と抵抗値を低減するための金属膜13とを積層した構成からなり、その各対のサステイン電極(表示電極)X,Y上は、壁電荷を利用してガス放電を維持するAC駆動のための、例えば低融点ガラス等からなる誘電体層14により放電空間30に対して絶縁状態に被覆され,該誘電体層14の表面には更に7000Å程度の厚さのMgO膜からなる保護膜15が被着されている。
【0005】
一方、背面側のガラス基板21の内面には、下地層22を介して単位発光領域(サブピクセル)を選択的に発光させるための複数のアドレス電極Aが、前記サステイン電極(表示電極)X,Yと交叉する方向に一定のピッチで配列され、その各アドレス電極Aの間には絶縁層23を介してストライプ状の隔壁24が設けられ、この隔壁24によって放電空間30がライン方向に単位発光領域(サブピクセル)毎に区画され、かつ放電空間30の間隙寸法が一定(150μm程度)に規定されている。
【0006】
また、前記隔壁24の間には、前記隔壁24の側面をも含めてカラー表示のための3色(R,G,B)の蛍光体層25R,25G,25Bが設けられている。そして前記放電空間30には、ネオン(Ne)に微量のキセノン(Xe)を混合した放電ガスが充填され、前記蛍光体層25R,25G,25Bはガス放電で生じた紫外線により局部的に励起されて所定色の可視光を放出してカラー表示を行っている。
【0007】
更に、上記したPDP1の前面側のガラス基板11上には、図4(a) の要部平面図及びそのA−A切断線に沿った図4(b) の断面図に示すように、前記前面側のガラス基板11上に配列されている複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対の間の非放電部(非表示ライン)に、対向する背面側のガラス基板21に配設された前記蛍光体層25R,25G,25Bでの外部からの入射光の反射によりコントラストが低下する不都合を防止するために遮光性膜からなるブラックベルト16が配設されている。このブラックベルト16と前記隔壁24の頂面にブラックベルト(図示省略)を設けることでブラックマトリクスを構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4(a) と(b) に示すように、例えば前記前面側のガラス基板11に配列されている複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対の間の非放電部(非表示ライン)に対してブラックベルト16を形成する場合、前記複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対が配列された前面側のガラス基板11上に、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン等の金属酸化物からなる無機の黒色顔料を混合した感光性のレジストをスピンコータ法等により塗布し、そのレジスト膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして黒色レジストパターンを形成するか、又は前記前面側のガラス基板11上の非放電部(非表示ライン)に対して、前記金属酸化物からなる無機の黒色顔料とフリットガラスとを有機樹脂等のバインダーと混合したペーストを印刷法等により塗布して黒色塗布膜パターンを形成し、これらを熱処理することによってブラックベルト16を形成している。
【0009】
また、前記複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対及びブラックベルト16を被覆する誘電体層(図示省略)の形成においても、フリットガラス(低融点ガラス粉末)をビヒクルと有機溶剤に分散・混合させたペーストをスロットコーター法等により塗布し、該塗布膜を熱処理して形成していた。
【0010】
このようなブラックベルト16や誘電体層を形成する熱処理では、レジスト成分やバインダー成分を焼失させるために、少なくとも450℃以上の焼成温度が必要であり、実際には550℃程度の焼成温度で熱処理を行っていた。
【0011】
ところが、最近では前記誘電体層の形成方法として、低温焼成化(400℃以下)、低誘電率化を目的としたプラズマCVD法が新たに提案されている。
また、焼成温度が450℃以上になると熱処理炉が大型化する傾向にあり、表示パネルの大型化に伴って熱処理された大型基板内に歪みが生じ易くなるという問題があった。
【0012】
そこで、前記前面側のガラス基板11及び背面側のガラス基板21上に対して個別に所定の構成要素を設ける熱処理温度としては、少なくとも400℃以下の従来よりも低温で行うことが要望されている。
【0013】
従って、400℃以下の焼成温度で形成されたブラックベルトの上に、プラズマCVD法を用いて、例えば350℃の加熱状態でSiO2 膜からなる低誘電率の誘電体層を形成した場合、前記ブラックベルトにはレジスト成分やバインダー成分が焼失しきれずに残存しているため、その後のパネル製造工程での熱処理、例えばそれぞれ個別に所定の構成要素を設けた前面側のガラス基板と背面側のガラス基板とを対向配置してその間隙の周囲を400℃程度で気密に封止する熱処理等において前記ブラックベルトから熱分解ガスが発生したり、それに起因してブラックベルトの体積収縮等により前記誘電体層にクラックを発生させてしまうといった欠点が生じる。
【0014】
本発明は上記した従来の問題点に鑑み、ブラックベルトを少なくとも400℃以下の低温の熱処理で形成しても、その後のパネルの気密封止温度によりブラックベルトからの熱分解ガスの発生やそれに起因する体積収縮等が無く、該ブラックベルト上にプラズマCVD法を用いて形成された低誘電率の誘電体層のクラックの発生を防止した薄型平面表示装置の構成とその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ブラックベルトの形成材料として、400℃以下の低温焼成、または紫外線照射により架橋反応を起こさせて硬化させることにより、パネルの気密封止温度(400℃程度)で加熱しても、その硬化物からの熱分解ガスの発生やそれに起因する体積収縮等が生じることがない架橋型無機ポリマーに着目し、この架橋型無機ポリマーと黒色無機顔料を主体とした材料を使用して、ブラックベルトを形成することによって目的とするブラックベルトと、該ブラックベルト上にプラズマCVD法を用いて形成された低誘電率の誘電体層にクラックが発生しないことが判明した。
【0016】
従って、本発明の構成としては、対向する一対の基板間に放電空間を形成し、少なくとも一方の基板の内面に複数の表示ラインを形成する複数の表示電極を配列してなる薄型平面表示装置であって、前記表示ライン間の非表示領域となる表示電極間に、黒色無機顔料を含む架橋型無機ポリマーを加熱または紫外線による架橋反応により固化したブラックベルトを設けた構成とする。
【0017】
また、本発明の薄型平面表示装置の製造方法としては、基板上に複数の表示ラインを形成する複数の表示電極を形成した後、前記表示ライン間の非表示領域となる表示電極間に、印刷法、またはフォトリソグラフィ法により黒色無機顔料を含む架橋型無機ポリマーからなる黒色塗布膜のパターンを形成する工程と、該黒色塗布膜のパターンを400℃以下の温度で加熱、または紫外線照射により架橋反応させてブラックベルトを形成する工程と、前記ブラックベルトが形成された基板上に、プラズマCVD法により誘電体層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
そして本発明では、対向する一対の基板の内の、複数の表示ラインを形成する複数の表示電極が形成された一方の基板の内面の複数の表示ライン間の非表示領域である表示電極間に、ブラックベルトの形成材料として架橋型無機ポリマー、例えば酸化珪素を含むポリフェニルシルセスキオキサンや、酸化チタンを含むジエトキシチタン〔Ti(OC2 H5)2 の加水分解重合物〕、或いは酸化アルミニウムを含むトリエトキシジアルミニウム〔Al2(OC2 H5 )3 の加水分解重合物〕等、本発明の実施例では特に酸化珪素を含むポリフェニルシルセスキオキサンと、酸化鉄、酸化銅および酸化マンガンからなる黒色無機顔料を主体にした材料を使用し、この材料によりパターン形成された黒色材料膜を400℃以下の低温焼成、または紫外線照射により架橋反応を起こさせて固化したブラックベルトを形成する。
【0019】
そのブラックベルト上に、プラズマCVD法を用いて、例えば350℃の加熱状態でSiO2 膜からなる低誘電率の誘電体層を形成した場合、その後の製造工程におけるパネルの気密封止の熱処理工程(400℃程度)等において前記ブラックベルトより熱分解ガスの発生や体積収縮等が解消され、製造プロセスに対する十分な耐熱性を持たせることができるので、従来の如きブラックベルトの熱反応に起因する誘電体層のクラック発生等を防止することが可能となる。
【0020】
なお、本発明のブラックベルトの形成用材料は、少なくとも1種または2種以上の架橋型無機ポリマーと黒色無機顔料とを混合したものであり、加熱、または紫外線照射により架橋反応が促進されて硬化した金属酸化物が形成される。前記金属酸化物としては酸化珪素、酸化チタン、アルミナ等が挙げられ、中でも酸化珪素が特に望ましい。
【0021】
また、ブラックベルトの形成プロセスとしては、フォトリソグラフィ法、または印刷法によりパターン形成した後、350℃以下の加熱、または800mJ程度の紫外線の照射、或いは該紫外線を照射しながら加熱することにより、架橋反応が十分に完了して固化されることから、450℃以下の温度領域において熱分解ガスや体積収縮等が発生しなくなることが判明した。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係る実施例をプラズマディスプレイパネル(PDP)に適用した場合について詳細に説明する。
【0023】
図1(a) 〜 (c)は本発明の薄型平面表示装置とその製造方法の第1実施例をPDPとその製造方法に適用して工程順に説明する要部断面図であり、図4と同等機能の部分には同一符号を付している。
【0024】
本実施例では、図1(a) に示すようにPDPを構成する前面側のガラス基板11上には、ネサ膜やITO(Indium Tin 0xide) 膜等のストライプ状の透明導電膜12とそれに重ねて低抵抗化を図るための銀(Ag)膜などからなる金属膜13を積層状に形成した複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対が列設されている。
【0025】
その前面側のガラス基板11に配列されている複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対の間の各非放電部(非表示ライン)に対して、架橋型無機ポリマー、例えば粉末状の重量分子量が10000の酸化珪素を含むポリフェニルシルセスキオキサンと、酸化鉄、酸化銅および酸化マンガンからなる黒色無機顔料と、250℃程度で熱分解して焼失するタイプのアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、BR105)をブチルカルビトールアセテートに5wt%溶解させたビヒクルとをそれぞれ30:10:60のwt%の割合になるように調整して混合した黒色ペーストを印刷法によって選択的に塗布する。
【0026】
次に図1(b) に示すように、前記各非放電部に塗布された各黒色塗布膜41を150℃で30分間程度の乾燥工程により溶剤を蒸発させて乾燥させた後、350℃で10分間程度空気中で焼成することにより、前記黒色塗布膜41内のアクリル樹脂分は250℃で焼失すると共に、架橋反応により確実に硬化して形成された図1(c)に示すような2μmの膜厚のブラックベルト42を成膜した。この成膜された各ブラックベルト42を光学的に観察した結果、いずれにもクラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0027】
次に、前記各ブラックベルト42とその周囲の複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対を含む前記前面側のガラス基板11上に、図1(c)に示すようにプラズマCVD法により、例えば350℃の加熱状態でSiO2 膜からなる低誘電率の誘電体層14を10μmの厚さに成膜した。この成膜された誘電体層14を光学的に観察した結果、クラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0028】
更に、引き続きその誘電体層14上にMgO膜からなる保護膜15を成膜した後、かかる構成の前面側のガラス基板11と、別途に従来例で説明したと同様なアドレス電極および該アドレス電極上に設けた複数の隔壁、またその各隔壁間に蛍光体層を設けた構成の背面側のガラス基板とを放電空間を介して重ね合わせると共に、その対向間隙の周囲を400℃程度の加熱温度で気密封止し、内部の排気と放電ガスの封入を行ってパネルを作成し完成させた後、パネルを分解して前記前面側のガラス基板11上の誘電体層14を保護膜15を通して光学的に観察した結果においても、クラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0029】
図2(a) 〜 (d)は本発明の薄型平面表示装置の製造方法の第2実施例をPDPの製造方法に適用して工程順に説明する要部断面図であり、図1と同等機能の部分には同一符号を付している。
【0030】
本実施例では、図2(a) に示すようにPDPを構成する前面側のガラス基板11上には、図1(a) で示すと同様にネサ膜やITO(Indium Tin 0xide) 膜等のストライプ状の透明導電膜12とそれに重ねて低抵抗化を図るための銀(Ag)膜などからなる金属膜13を積層状に形成した複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対が列設されている。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、前記複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対が配列されている前面側のガラス基板11上の全面に対して、架橋型無機ポリマー、例えば粉末状の重量分子量が10000の酸化珪素を含むポリフェニルシルセスキオキサンと、酸化鉄、酸化銅および酸化マンガンからなる黒色無機顔料と、溶媒であるメチルイソブチルケトンとをそれぞれ30:10:60のwt%の割合となるように調整して混合した黒色塗布溶液をスロットコーターにより直接的に塗布する。
【0032】
次に、その塗布した黒色塗布膜44を100℃で3分間程度の乾燥工程により溶剤を蒸発させて乾燥させた後、該黒色塗布膜44をブラックベルトのパターン形成用のフォトマスク43を通して定圧水銀ランプ(図示省略)で、例えば800mJの紫外線を矢印で示すように照射し、この黒色塗布膜44を例えば0.3wt%の炭酸ナトリウム現像液で現像することにより、図2(c)に示すように前記前面側のガラス基板11上の複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対の間の各非放電部(非表示ライン)に対して、パターニングされたブラックベルト45を形成する。
【0033】
このブラックベルト45は、前記紫外線の照射により架橋反応を起こして硬化されているが、更に350℃で10分間程度空気中で焼成することにより、図2(d)に示すように架橋反応によってより確実に硬化して形成された2μmの膜厚のブラックベルト45を成膜することができる。この成膜された各ブラックベルト45を光学的に観察した結果、いずれにもクラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0034】
次に、前記各ブラックベルト45とその周囲の複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対を含む前記前面側のガラス基板11上に、図2(d)に示すようにプラズマCVD法により例えば350℃の加熱状態でSiO2 からなる誘電体層14を10μmの厚さに成膜する。そしてこの成膜された誘電体層14を光学的に観察した結果、第1実施例の結果と同様にクラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0035】
引き続きその誘電体層14上にMgO膜からなる保護膜15を成膜した後、かかる構成の前面側のガラス基板11と、別途に従来例で説明したと同様なアドレス電極および該アドレス電極上に設けた複数の隔壁、またその各隔壁間に蛍光体層を設けた構成の背面側のガラス基板とを放電空間を介して重ね合わせると共に、その対向間隙の周囲を400℃程度の加熱温度で気密封止し、内部の排気と放電ガスの封入を行ってパネルを作成し完成させた後、該パネルを分解して前記前面側のガラス基板11上の誘電体層14を保護膜15を通して光学的に観察した結果においても、クラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0036】
一方、これらの実施例に対する比較例として、前記複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対が配列されている前面側のガラス基板上の全面に対して、例えば一般的なアクリル系のフォトレジストと、酸化鉄、酸化銅および酸化マンガンからなる黒色無機顔料とを塗布液状に混合し調製した黒色塗布溶液をスロットコーターにより直接的に塗布する。
【0037】
その塗布した黒色塗布膜を100℃で3分間程度の乾燥工程により溶剤を蒸発させて乾燥させた後、該黒色塗布膜をブラックベルトのパターン形成用のフォトマスクを介して定圧水銀ランプ(図示省略)で例えば200mJの紫外線を照射し、この黒色塗布膜を例えば0.3wt%の炭酸ナトリウム現像液で現像してパターニングする。
【0038】
そのパターニングされた黒色塗布膜を、更に350℃で10分間程度空気中で焼成して前記前面側のガラス基板上の複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対の間の各非放電部(非表示ライン)に対して、熱硬化反応により形成された3μmの膜厚のブラックベルトを成膜し、この成膜された各ブラックベルトを光学的に観察した結果、何れにもクラックおよび剥離現象は見られなかった。
【0039】
しかしその後、上記各ブラックベルトとその周囲の複数のサステイン電極(表示電極)X,Y対を含む前記前面側のガラス基板上に、プラズマCVD法により例えば350℃の加熱状態でSiO2 からなる誘電体層を10μmの厚さに成膜し、この成膜された誘電体層を光学的に観察したところ、該誘電体層にクラックおよび剥離現象が生じており、前記第1実施例および第2実施例におけるブラックベルトの形成法の有効性と優位性が顕著であることが判明した。
【0040】
なお、以上の実施例では、薄型平面表示装置とその製造方法としてカラー表示用面放電型のプラズマディスプレイパネルを対象として説明しているが、本発明はこの例に限定されるものではなく、例えばモノクロ表示用のプラズマディスプレイパネル、各種ガス放電表示パネルやプラズマアドレッシング液晶表示装置等の薄型平面表示装置にも適用することができることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る薄膜平面表示装置によれば、対向する一対の基板の内の、複数の表示ラインを形成する複数の表示電極が形成された一方の基板の内面の複数の表示ライン間の非表示領域となる表示電極間に、ブラックベルトの形成材料として架橋型無機ポリマーと黒色無機顔料とを主体とした材料を使用し、この材料によりパターン形成された黒色材料膜は400℃以下の低温焼成、または紫外線照射と該低温焼成により架橋反応を起こさせて確実に固化したブラックベルトを容易に形成することができる。
【0042】
また、該ブラックベルト上にプラズマCVD法を用いて例えば350℃の加熱温度で誘電体層を形成しても、その後の製造工程におけるパネルの気密封止の熱処理工程(400℃程度)等において前記ブラックベルトより熱分解ガスの発生や体積収縮等が解消され、製造プロセスに対する十分な耐熱性を持たせることができるので、従来の如き誘電体層のクラック等も防止することが可能となる。
【0043】
従って、プラズマディスプレイパネルやプラズマアドレッシング液晶表示装置等の薄型平面表示装置の大型化に伴う製造プロセスに於ける熱処理の低温化に寄与することが可能となり、実用上優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄型平面表示装置とその製造方法の第1実施例をPDPとその製造方法に適用して工程順に説明する要部断面図である。
【図2】 本発明の薄型平面表示装置の製造方法の第2実施例をPDPの製造方法に適用して工程順に説明する要部断面図である。
【図3】 薄型平面表示装置としてPDPの一例を示す要部断面斜視図である。
【図4】 従来の薄型平面表示装置としてPDPの表示電極まわりの構造を説明する要部平面図とそのA−A切断線に沿った断面図である。
【符号の説明】
11,21 ガラス基板
12 透明導電膜
13 金属膜
14 誘電体層
15 保護膜
X,Y サステイン電極
41,44 黒色塗布膜
42,45 ブラックベルト
43 フォトマスク
Claims (2)
- 対向する一対の基板間に放電空間を形成し、少なくとも一方の基板の内面に複数の表示ラインを形成する複数の表示電極を配列してなる薄型平面表示装置であって、
前記表示ライン間の非表示領域となる表示電極間に、黒色無機顔料を含む硬化した架橋型無機ポリマーからなるブラックベルトを設けたことを特徴とする薄型平面表示装置。 - 前記架橋型無機ポリマーは、酸化珪素を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の薄型平面表示装置。
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