JP4246845B2 - 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置 - Google Patents

有機el素子の駆動装置および有機el表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4246845B2
JP4246845B2 JP11509099A JP11509099A JP4246845B2 JP 4246845 B2 JP4246845 B2 JP 4246845B2 JP 11509099 A JP11509099 A JP 11509099A JP 11509099 A JP11509099 A JP 11509099A JP 4246845 B2 JP4246845 B2 JP 4246845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
layer
electrode
film
preferable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11509099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000306680A (ja
Inventor
一郎 高山
三千男 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP11509099A priority Critical patent/JP4246845B2/ja
Publication of JP2000306680A publication Critical patent/JP2000306680A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4246845B2 publication Critical patent/JP4246845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • H10K59/131Interconnections, e.g. wiring lines or terminals

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL素子の駆動装置に関し、特に非単結晶半導体薄膜を基体とする薄膜トランジスタを用いた有機EL素子の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機EL表示装置(ディスプレイ)において、X−Yマトリックス回路で単純駆動をさせ画像表示を行う技術が知られている(特開平2−37385号公報,特開平3−233891号公報など)。しかし、このような単純駆動では、線順次駆動を行うので、走査数が数百本と多い場合には、要求される瞬間輝度が観察される輝度の数百倍となるため、下記のような問題があった。
【0003】
(1)駆動電圧が高くなる。電圧は直流定常電圧下の場合の通常2〜3倍以上となるため効率が低下する。従って消費電力が大きくなる。
(2)瞬間的に流れる電流量が数百倍となるため、有機発光層が劣化しやすくなる。
(3)(2)と同様に通電電流が非常に大きいため、電極配線の電圧降下が問題となる。
【0004】
上記の(1)〜(3)を解決する手法として、下記のアクティブマトリックス駆動が提案されている。すなわち、蛍光体として無機物であるZnSを用い、さらにアクティブマトリックス駆動を行うディスプレイが開示されている(米国特許第4143297号)。しかし、この技術においては、無機蛍光体を用いるため駆動電圧が100V以上と高く問題となっていた。同様な技術は、IEEETransElectronDevices,802(1971)にも記載されている。一方、有機蛍光体を用いアクティブマトリックス駆動を行うディスプレイも最近、多数開発されている(特開平7−122360号公報,特開平7−122361号公報,特開平7−153576号公報,特開平8−54836号公報,特開平7−111341号公報,特開平7−312290号公報,特開平8−109370号公報,特開平8−129359号公報,特開平8−241047号公報および特開平8−227276号公報など)。上記の技術は、有機蛍光体を用いることにより駆動電圧が10V以下と大幅に低電圧化し、高効率な有機蛍光体を用いる場合には効率は3lm/w〜15lm/wの範囲で極めて高効率であること、また、単純駆動に比べて高精細ディスプレイの駆動電圧が1/2〜1/3となり、消費電力が低減できること等の優れた特徴があったが、下記の点が問題となっていた。
【0005】
有機EL素子をTFTで駆動する場合、1画素あたりに流れる電流は1μA 程度である。ところが、この程度の電流をTFTで制御しようとすると、ちょうど図11に示すように、VGS −IDS特性の変化点近傍で制御することとなり、同一電圧V1で駆動しても、素子特性の変動により、被制御電流IDSが例えばI1,I2と大きく変動してしまい、素子特性のバラツキによる影響を受けやすい。このため、画素間で発光輝度のバラツキを生じてしまい、発光ムラ等といった表示品質の低下を招く要因の一つとなっていた。
【0006】
表示装置の性能を律する要因の1つに階調制御の問題がある。通常、高精細ディスプレイを得るためには8階調以上の階調が必要であるとされている。ところが、従来のTFTを用いた表示装置の多くはS/N比が20dBに満たないものが多く、8階調以上の制御が困難となり、高精細ディスプレイを得るための大きな障害となっていた。そして、有機EL表示装置のS/N比を律する大きな要因として、TFTのIonのバラツキがあり、このIonのバラツキを低減することが重要な課題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、誤発光や、コントラストの低下を防止し、画素間や製品間で発光輝度のバラツキを生じることなく、しかも動作速度が速い有機EL素子の駆動装置、およびこれを用いた高品質な有機EL表示装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
スイッチング素子の他の特性として、ゲート電極の長さLと、幅Wとの比であるL/W値がある。通常、TFT等のスイッチング素子では、L/W値が小さいほど好ましいとされている。これは、L/W値が小さくなると、少ない電圧変化でスイッチング動作(大きな被制御電流の変化)を行えるためで、通常、TFTでは1/3〜1/1程度が好ましいとされている。しかし、電流発光素子である有機EL素子を駆動する場合、L/W値が小さくなるとスイッチング素子のバラツキがそのまま発光輝度の変化として生じやすくなり、画素間、製品間で発光輝度のバラツキを生じてしまう。
【0009】
そこで、L/W値を有る値よりも大きくすることで、例えば図11に示したVGS −IDS特性曲線が、図12に示すように緩やかなものとなり、必要な電流を得るのに変化点より離れた電圧V1で駆動することにより、素子特性が変動しても、被制御電流IDSの変動I1,I2の差が少なく、素子特性の変動の影響を受けにくくなる。
【0010】
すなわち、上記目的は以下の構成により達成される。
(1) 制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、このスイッチング素子により駆動され、少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、前記スイッチング素子は、制御電極のチャネル長(L)とチャネル幅(W)との比を表すL/W値が1を超えるものである有機EL素子の駆動装置。
(2) 上記(1)の有機EL素子の駆動装置がマトリクス状に配置されている有機EL表示装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子の駆動装置は、制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、このスイッチング素子により駆動され、少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、前記スイッチング素子は、制御電極のチャネル長(L)とチャネル幅(W)との比を表すL/W値が1を超えるものである。
【0012】
このスイッチング素子のL/W値は、例えば図1に示すように、制御電極であるゲート電極1の長さLと幅Wとの比L/Wである。なお、図1は図2に示すTFT1のようなTFT素子の概略部分拡大図であり、シリコン基体2(2)上にゲート電極1が形成されている様子を示したものである。このL/W比は、チャネル長とチャネル幅との比とも考えることができる。
【0013】
スイッチング素子のL/W値は、1を超え、好ましくは2〜100、より好ましくは2〜10である。
【0014】
このように、スイッチング素子のL/W値を所定の値より大きいものとすることにより、素子間の特性のバラツキによる発光輝度の変動を抑制することができる。
【0015】
本発明のスイッチング素子は、制御電極と一組の被制御電極とがシリコン基体に形成され、有機EL素子を直接駆動する半導体であれば特に規制されるものではないが、表示装置として機能させるにはTFT(Thin Film Transistor)タイプのものが好ましい。
【0016】
本発明のスイッチング素子について、図2を参照しつさらに具体的に説明する。図2は、有機EL素子を駆動するTFTアレイの一例を示した平面図である。
【0017】
図において、ソースバス11にはソース電極13が接続され、コンタクトホール13aを介してシリコン基体21上に形成されているソース部位と接続している。このシリコン基体21上には図示しない他の画素のTFT素子と共通に接続されているゲートバス12が形成されていてこのゲートバス12がシリコン基体21と交わる部分にゲート電極が形成される。
【0018】
ソース部位とゲート電極を挟んでシリコン基体上に形成されているドレイン部位にはコンタクトホール14aを介してドレイン配線14が接続されている。このドレイン配線14はコンタクトホール14bを介してゲートライン15と接続され、このゲートライン15はTFTを構成するシリコン基体22上に形成されるとともに、キャパシタ18の一方の電極と接続されている。キャパシタ18の他方の電極はアースバス23と接続されるとともに、ソース電極17と接続され、このソース電極17はコンタクトホール17aを介してTFT1のソース部位と接続されている。ゲートライン15がシリコン体22と交わる部位に、ゲート電極が形成されることとなる。
【0019】
ソース部位とゲート電極15を挟んでシリコン基体上に形成されているドレイン部位にはコンタクトホール16aを介してドレイン配線16が接続され、このドレイン配線16は画素となる有機EL素子の一方の電極を構成するか、それと接続されている。
【0020】
この有機EL素子を直接駆動するTFT1が本発明におけるスイッチング素子となり、このTFT1のゲート部分を簡略化して表したものが図1である。
【0021】
本発明に用いられる基板は、絶縁性であり、石英、サファイア、ガラスのような透明材料であることが好ましい。ここで、透明とは、有機EL表示装置における実際的な使用に対して充分な光を透過する性質を有することを意味する。例えば、所望の発光波長帯域で50%以上の光を透過するものは透明と考えられる。また、低歪点ガラスとは、約700℃以上の温度で歪むガラスをいう。
【0022】
本発明において、薄膜トランジスター(TFT)は有機EL素子の駆動のために用いられる。
【0023】
このスイッチング素子の活性層は、例えば、n+ /i/n+ 領域が形成された部分であり、n+ はN型にドーピングされた部位,iはドーピングされていない部位を示す。この活性層のドーピングがされた部位はP型にドーピングされたP+であっても良い。この活性層は、好ましくはポリシリコンで形成される。ポリシリコンは、アモルファスSiに比べ通電に対し十分な安定性を示す。
【0024】
ポリシリコンの前駆体としてのα−Si層は、各種CVD法により積層しうるが、好ましくはプラズマCVD法により積層する。その後、KrF(248nm)レーザーなどのエキシマーレーザーによりアニールし、結晶化する。具体的な方法としては、SID´96,DigestoftechnicalpapersP17〜28に示されているような方法を用いるとよい。
【0025】
エキシマレーザーのアニーリングとしては、基板温度100〜300℃に維持するのが好ましく、100〜300mJ/cm2 のエネルギー量をもつレーザー光でアニール化するのが好ましい。
【0026】
このほかに、通常用いられている熱アニール法を用いて結晶化してもよい。また、熱アニール法とレーザーアニール法を併用することにより、さらに好ましい結果を得ることができる。
【0027】
活性処理されたポリシリコンには、900℃前後の加熱処理を経て形成されるシリコン薄膜(いわゆる高温ポリシリコン膜)や600℃以下の比較的低温で形成されるシリコン薄膜(いわゆる低温ポリシリコン膜)がある。本発明の活性層は、高温ポリシリコン、低温ポリシリコンのいずれであってもよい。
【0028】
活性層、すなわちα−Siの膜厚は100〜800Å、好ましくは300〜500Åである。
【0029】
活性層(ポリシリコン層)は、フォトリソグラフィにより、スイッチング素子として必要な構成となるようアイランドにパターン化される。
【0030】
用いられる基板は、絶縁性を有する石英、セラミック、サファイア、ガラス等を用いることができるが、好ましくは低歪点ガラスのような高価でない材料である。ガラス基板が用いられるときにはTFT−ELの製造全体がガラスの溶融または歪みを回避し、能動領域内にドーパントの外側拡散(out−diffusion)を回避するため、アニーリングは低プロセス温度で実施される。このようにしてガラス基板に対して全ての製造段階は800℃以下、好ましくは600℃以下でなされなければならない。
【0031】
また、制御電極を構成するため、好ましくは絶縁ゲート材料がポリシリコンアイランド上および絶縁基板の表面にわたり積層される。絶縁材料は好ましくはプラズマCVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)のような化学蒸着(CVD)により積層される二酸化シリコン(SiO2 )である。ゲート酸化物絶縁層の厚さは好ましくは約50〜200nmである。基板温度としては250〜400℃が好ましくさらに高品質の絶縁ゲート材料を得るためにはアニールを300〜600℃で1〜3時間程度施すのが好ましい。
【0032】
さらに、制御電極として、例えばゲート電極を蒸着またはスパッタリング等により形成し、ゲート電極をパターンニングする。ゲート電極の好ましい膜厚は100〜500nmである。
【0033】
好ましいゲート形成方法としてはゲートとしてポリシリコンを用いる次の技術がある。
【0034】
<n型Pドープポリシリコン>
ゲート電極は、プラズマCVD法でPドープのα−Siを形成し、これを600℃アニールにより多結晶化させ、n型の多結晶Siとし、ホトリソグラフィーの手法を用いてパターニングする。
【0035】
必要により、信号電極線および走査電極線を形成してもよい。Al合金,Al,Cr,W,Moなどの金属線をフォトリソグラフィにより形成する。
【0036】
また、Alゲートを使用するときは、絶縁するために陽極酸化を2回にわたり行うのが好ましい。陽極酸化に関しては特公平8−15120号公報に詳細に開示されている。
【0037】
さらに、イオンドーピングによりn+ またはp+ の部位を形成する。
【0038】
被制御電極としてのドレイン,ソースなどのコンタクトは、上記絶縁膜を開口した箇所で行う。上記絶縁膜の内、SiO2 は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)をガスとして基板温度250〜400℃の間に設定しPECVDにより得ることができる。またECR−CVDで基板温度を100〜300℃としても得ることができる。
【0039】
層間絶縁膜は、例えば、下記の方法で形成することができる。
プラズマエッチングによるエッチバック法各種CVD法,プラズマCVD,PECVD(プラズマインハンスドCVD),LPCVD(減圧CVD)法などによりSiO2 シリカを好ましくは0.2μm〜3μm成膜する。
【0040】
この方法により平坦化された層間絶縁膜(SiO2 )を得ることができる。この方法には、シリカの他,PSG,BSG(リンシリカガラス,ボロンシリカガラス)を用いることもできるし、Si34 などチッ化シリコン系化合物を用いることがもできる。
以上のようにして、スイッチング素子が形成される。
【0041】
スイッチング素子の電界移動度は、好ましくは60(cm2 /V・sec)以下、特に30〜50(cm2 /V・sec)である。
【0042】
次に、本発明のスイッチング素子のより具体的な構成、およびその製造工程について図を参照しつつ説明する。
【0043】
先ず、図3に示すように、基板101上にスパッタ法、各種CVD法、好ましくはプラズマCVD法等により、α−Si層102を積層する。
【0044】
その後、図4に示すように、エキシマーレーザー115等によりアニール、結晶化を行い、活性層102aを形成する。その際、熱アニールを併用してもよい。
【0045】
さらに、図5に示すように、結晶化された活性層(ポリシリコン層)102aをフォトリソグラフィによりアイランドにパターン化する。
【0046】
次に、図6に示すように、絶縁ゲート103をポリシリコンアイランド102a上および絶縁基板101の表面にわたり積層する。基板温度としては250〜400℃が好ましくさらに高品質の絶縁ゲート材料を得るためにはアニールを300〜600℃で1〜3時間程度施すのが好ましい。
【0047】
次に、図7に示すように、ゲート電極104を蒸着またはスパッタリングで成膜する。
【0048】
次いで、図8に示すように、ゲート電極104をパターニングし、パターニングされたゲート電極104上からイオンドーピング116を行い、n+ またはp+ の部位を形成し、さらに、信号電極線および走査電極線をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0049】
次いで、ドレイン,ソースなどのコンタクトを形成する。コンタクトは、絶縁膜111を開口した箇所で行う。先ず、常圧CVD法により、層間絶縁層としてSiO2 膜を成膜する。次いで、層間絶縁層をエッチングしてコンタクトホールを形成し、ドレイン、ソース接続部を開口する。
【0050】
開口したドレイン、ソース接続部に、それぞれドレイン配線電極112、ソース配線電極113を成膜して、ドレイン、ソース電極と接続する。この場合、ドレイン、ソース電極のいずれか一方が、有機EL素子の第1の電極、または第2の電極として機能するか、これと接続される。図示例ではホール注入電極であるITO(115)と接続される。さらに、ドレイン配線電極112上に絶縁膜114を形成し、同時に画素部分以外を覆うエッジカバーを形成して図9に示すようなスイッチング素子を得る。
【0051】
なお、ホール注入電極等、有機EL素子の電極との接続には、例えば図10に示すように配線電極113と、ホール注入電極115との間に両者の接続性を向上させるために、TiN等の接続金属層116を形成するとよい。
【0052】
次に、本発明における有機EL素子の構成について説明する。有機EL素子は、第1の電極と、第2の電極との間に、少なくとも発光機能に関与する有機物質を含有する有機層を有する。そして、第1の電極と、第2の電極とから与えられる電子・ホールが、有機層中で再結合することにより発光する。
【0053】
第1の電極、および第2の電極は、いずれをホール注入電極、電子注入電極としてもよいが、通常、基板側の第1の電極がホール注入電極となり、第2の電極は電子注入電極となる。
【0054】
電子注入電極としては、低仕事関数の物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法でも形成することが可能である。
【0055】
電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0056】
蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれば100〜1400℃、有機材料であれば100〜500℃程度が好ましい。
【0057】
ホール注入電極は、発光した光を取り出すため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0058】
ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0059】
このホール注入電極層は蒸着法等によっても形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスDCスパッタ法により形成することが好ましい。
【0060】
有機EL構造体の有機層は、次のような構成とすることができる。
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0061】
ホール注入輸送層は、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0062】
発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0063】
ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じである。
【0064】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0065】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての使用が好ましい。このような場合の発光層における化合物の含有量は0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% であることが好ましい。特にルブレン系では、0.01〜20体積%であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0066】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0067】
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
【0068】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0069】
発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0070】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが好ましい。このような混合層における化合物の含有量は、0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% とすることが好ましい。
【0071】
混合層では、キャリアのホッピング伝導パスができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるため、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命がのびるという利点がある。また、前述のドーパントをこのような混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行させることができるとともに、発光強度を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0072】
混合層に用いられるホール注入輸送性化合物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0073】
電子注入輸送性の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0074】
ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0075】
この場合の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0076】
また、混合層の厚さは、分子層一層に相当する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好ましく、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好ましい。
【0077】
また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもできる。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましいが、場合によっては、化合物が島状に存在するものであってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させてコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに形成する。
【0078】
ホール注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1等に記載されている各種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
【0079】
ホール注入輸送層をホール注入層とホール輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層することが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化する場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も均一かつピンホールフリーとすることができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することにより形成することができる。
【0080】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0081】
電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
【0082】
ホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく低下する。
【0083】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0084】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0085】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0086】
色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すればよい。
【0087】
また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向上する。
【0088】
また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0089】
蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行うものであるが、組成としては、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成される。
【0090】
蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いことが望ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・クマリン系化合物等を用いればよい。
【0091】
バインダーは、基本的に蛍光を消光しないような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷等で微細なパターニングが出来るようなものが好ましい。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成される場合、ホール注入電極(ITO、IZO)の成膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0092】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料を選べば良い。
【0093】
本発明における有機EL素子は、通常、直流駆動型、パルス駆動型のEL素子として用いられる。印加電圧は、通常、2〜30V 程度とされる。
【0094】
【実施例】
コーニング製1737耐熱性無アルカリガラス基板の上にアモルファス・シリコン層を約600Åの厚さで減圧CVD(LPCVD)法により成膜した。この成膜条件は、下記の通りである。
Si26 ガス:100SCCM、圧力:0.3Torr、温度:480℃。
【0095】
それからこのアモルファス・シリコン層を固相成長させて活性層(ポリシリコン層)とした。この固相成長は、熱アニールとレーザーアニールを併用した。その条件は下記の通りである。
【0096】
<熱アニール>
2 :1SLM、温度:600℃、処理時間:24時間
<レーザーアニール>
KrF:254nm、エネルギー密度:200mJ/cm2 、ショット数:200
【0097】
次いで、このポリシリコン層をパターニングして活性シリコン層:500Åを得た。
【0098】
この活性シリコン層の上にゲート酸化膜となるSiO2 層を、例えばプラズマCVD法により、約800Å成膜した。成膜条件は例えば下記の通りである。
【0099】
投入パワー:50W、TEOS(テトラエトキシシラン)ガス:50SCCM、O2 :500SCCM、圧力:0.1〜0.5Torr、温度:350℃。
【0100】
このSiO2 層の上に、ゲート電極となるMo−Si2 層を、スパッタ法により、約1000Å成膜した。それからこのMo−Si2 層および上記で形成したSiO2 層を、例えばドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極およびゲード酸化膜を得た。
【0101】
このとき、ゲート電極の長さ(L)は15μm 、幅(W)5μm であり、L/W値は3であった。
【0102】
次いで、このゲート電極をマスクとしてシリコン活性層のソース・ドレイン領域となるべき部分にイオンドーピング法により、N型の不純物:Pをドーピングした。
【0103】
次に、これを窒素雰囲気中で約550℃で10時間加熱して、ドーパントの活性化を行った。さらに、水素雰囲気中で約400℃で30分加熱処理して水素化を行い、半導体の欠陥準位密度を減少させた。
【0104】
そして、この基板全体に層間絶縁層となるSiO2 層を、厚さ約8000Å成形した。この層間絶縁層となるSiO2 の成膜条件は、以下の通りである。
2/N2 :10SLM
5%SiH4/N2 :1SLM
1%PH3/N2 :500SCCM
2 :10SLM
温度:410℃
圧力:大気圧
【0105】
この層間絶縁層となるSiO2 膜をエッチングし、コンタクト用のホールを形成した。次いで、ドレイン、ソース配線電極としてAlを蒸着した。
【0106】
また、ゲート電極の長さ(L)を5μm 、幅(W)15μm として、L/W値を1/3とした以外は上記と同様にして比較サンプルを作製した。
【0107】
得られたTFTアレイの各素子における特定のゲート電圧(5V )に対するドレイン電流を測定し、ドレイン電流の変動率を求めたところ、本発明サンプルは±8%以内、であったのに対し、比較サンプルは±12%以上となっていた。
【0108】
次に、有機EL素子の形成領域にホール注入電極となるITOを成膜し、前記配線電極と接続した。そして、発光領域(画素部分)のみ発光させるように、上記と同様にして層間絶縁膜SiO2 を4000Å成膜し、発光領域となる部分を開口した。
【0109】
以上のように作製された、本発明サンプルTFT薄膜パターンの画素領域(ITO上)に発光層を含む有機層を真空蒸着法により成膜した。成膜した材料は以下の通りである。ここでは一例のみを挙げるが、本発明はその概念から明らかなように、蒸着法で形成可能であれば成膜材料によらずに適用できる。
【0110】
ホール注入層およびホール輸送層として、N,N´−ビス(m−メチルフェニル)−N,N´−ジフェニル−1,1´−ビフェニル−4,4´−ジアミン(N,N´-bis(m-methyl phenyl)-N,N´-diphenyl-1,1´-biphenyl-4,4´-diamine以下TPDと略す)を、発光層兼電子輸送層としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(tris (8-hydroxyquinoline)aluminium以下Alq3 と略す)を、さらに真空を破らずに第2の電極12として陰極を、引き続き成膜した。
【0111】
成膜方法としては、ホール注入層およびホール輸送層は真空蒸着法を、第2の電極はDCスパッタ法を選択した。第2の電極としてはAl/Li合金(Li濃度:7at%)をガス圧1Pa、パワー1W/cm2 で膜厚5nmだけ成膜し、さらに、配線電極としてAlを0.3Pa、パワー1W/cm2 で膜厚200nm積層した。
【0112】
得られた、有機EL表示装置の各画素を10mA/cm2 の定電流駆動したところ、TFTの動作に従って、オン−オフ動作(発光)が確認された。また、定電流駆動時の各素子の発光輝度を測定したところ、本発明サンプルでは発光輝度のバラツキが±8%以内であったのに対し、比較サンプルでは±12%以上となっていた。
【0113】
また、本発明の表示装置のS/N比を求めたところ20dB以上であり、8階調以上の階調制御が可能であることがわかった。
【0114】
本発明はその趣旨から明らかなようにこの実施例で用いた有機EL素子構成膜及びその積層順序に限るものではなく、ホール注入層、発光層、第2の電極、配線電極に他の材料を用いてもよく、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層などをさらに形成し多層構造としても良い。言い換えると成膜される材料の種類、構造によらず適用できる。
【0115】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、誤発光や、コントラストの低下を防止し、画素間や製品間で発光輝度のバラツキを生じることなく、しかも動作速度が速い有機EL素子の駆動装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の駆動装置のゲート部分の概略拡大図である。
【図2】本発明の有機EL素子の駆動装置の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図4】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図5】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図6】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図7】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図8】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図9】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図10】本発明の有機EL素子の駆動装置の製造工程を示す一部断面図である。
【図11】L/W値が小さい場合のVGS−IDS特性曲線を示したグラフである。
【図12】L/W値が大きい場合のVGS−IDS特性曲線を示したグラフである。
【符号の説明】
1 ゲート
2 シリコン基体
11 ソースバス
12 ゲートバス
13 ソース電極
14 ドレイン電極
15 ゲートライン
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 キャパシタ
21、22 シリコン基体
101 基板
102 アモルファスシリコン層
102a 活性層
103 ゲート酸化膜
104 ゲート電極
105 絶縁膜
106 レジスト

Claims (2)

  1. 制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、このスイッチング素子により駆動され、少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、前記スイッチング素子は、制御電極のチャネル長(L)とチャネル幅(W)との比を表すL/W値が1を超えるものである有機EL素子の駆動装置。
  2. 請求項1の有機EL素子の駆動装置がマトリクス状に配置されている有機EL表示装置。
JP11509099A 1999-04-22 1999-04-22 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置 Expired - Lifetime JP4246845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11509099A JP4246845B2 (ja) 1999-04-22 1999-04-22 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11509099A JP4246845B2 (ja) 1999-04-22 1999-04-22 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000306680A JP2000306680A (ja) 2000-11-02
JP4246845B2 true JP4246845B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=14653962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11509099A Expired - Lifetime JP4246845B2 (ja) 1999-04-22 1999-04-22 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4246845B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101009322B (zh) * 2001-11-09 2012-06-27 株式会社半导体能源研究所 发光器件
JP4149168B2 (ja) 2001-11-09 2008-09-10 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置
US6930328B2 (en) 2002-04-11 2005-08-16 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method of manufacturing the same
WO2004086343A1 (ja) 2003-03-26 2004-10-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. 素子基板及び発光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000306680A (ja) 2000-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4423701B2 (ja) 有機el表示装置
CN100407454C (zh) 发光器件及制造发光器件的方法
US5981092A (en) Organic El device
JP2001195014A (ja) 有機el素子の駆動装置
JP2001134217A (ja) 有機el素子の駆動装置
US20120181522A1 (en) Light emitting device
US20090146930A1 (en) Organic electro-luminescent display apparatus
JPH10189252A (ja) 有機アクティブel発光装置
KR100647599B1 (ko) 유기 전계 발광 표시장치 및 그 제조 방법
US7592635B2 (en) Organic electroluminescent device
JP2002184575A (ja) 有機elディスプレイ装置
JP2000294375A (ja) 有機el素子
JP2005129519A (ja) 発光装置
KR20010051823A (ko) 유기전계발광표시장치
JP2001166737A (ja) カラー画像表示装置
KR20180047421A (ko) 유기발광다이오드 표시장치
KR20010062484A (ko) 화상표시장치 및 박막표시소자의 구동방법
US20010010374A1 (en) Thin-film display system
JP4246845B2 (ja) 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置
JP2001060691A (ja) 半導体装置
JP2000340359A (ja) 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置
JP2000340358A (ja) 有機el素子の駆動装置および有機el表示装置
JP2001196173A (ja) 有機el表示装置
KR100563060B1 (ko) 박막 트랜지스터를 구비한 평판표시장치
EP1089291A2 (en) Shift register and image display apparatus using the same

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080924

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130116

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term