JP4244428B2 - 多層プラスチックシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は軟質ポリ塩化ビニル(PVC)シートに代替し得るオレフィン系共重合体を用いた多層プラスチックシートに関し、特に高周波ウエルド加工性に優れた多層プラスチックシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、軟質PVCシートのオレフィン化が環境保全等を目的として、開発されてきている。
例えば、本出願人は先にオレフィン系樹脂からなる防曇持続性の優れた農業用多層フィルムを提案した(特開平9−18393号公報)。
【0003】
また、農業用に限らず、例えば、食品等の包装用多層フィルムのオレフィン化についても種々提案されてきている。例えば、特開平3−133756号公報にはヒートシール層と耐熱層とからなる包装用フィルムを開示し、特開平2−283445号公報は収縮力と融点を特定した、コア層と2つの外側層とからなる収縮フィルムを開示している。
【0004】
ところで、上記包装用フィルム等は主として肉厚が薄いものを主眼とするものであり、特に肉厚が厚いシート状の用途のものを作成する上で該オレフィン化として問題となってくるのは柔軟性、透明性、接着性などの不足である。このようなオレフィン化では、単層でシート成形した場合、柔軟性・透明性は低融点のオレフィン原料の使用やシート成形方法の改良により軟質PVCシートに迫るものが成形可能になってきた。
【0005】
しかし、単層では出来上がったシート表面の耐受傷性等に問題が生じている。そこで、上述の公報のように多層化することが提案されているが、特に表層に柔軟性・透明性を損なわず耐受傷性と接着性を合わせ持つポリマーを用い、芯層には柔軟性・表層との接着性を有する多層シートにすることが望まれているが、特に高周波ウエルド加工等の利便性に優れた接着法に好適な条件を満足するプラスチックシートが見出せないでいた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は電気的特性である誘電正接(tanδ)が大きく、高周波ウエルド加工性に優れるとともに、透明性、柔軟性、耐受傷性のバランスに優れたオレフィン系多層プラスチックシ−トを提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)/(B)/(A)の3層構造からなる多層プラスチックシートであって、(A)層は、プロピレン含有量が90〜99重量%で、結晶融点が160℃以下である結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体(以下、「結晶性P」と記す)と、α−オレフィン含有量が10〜55重量%であるプロピレン−α−オレフィン共重合体(以下、「共重合体R」と記す)とからなり、
[η]RC=6.5dl/g以下;
[η]RC/[η]PP=0.6〜1.2;かつ
([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.5
の範囲にあるポリプロピレン系組成物からなり、
([η]RC:共重合体Rの極限粘度、[η]PP:結晶性Pの極限粘度、WPP:ポリプロピレン系組成物に対する結晶性Pの重量%、WRC:ポリプロピレン系組成物に対する共重合体Rの重量%)
(B)層は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/cm3 、メルトフローレートが1.0〜15.0g/10min、結晶融点が50〜120℃、ビカット軟化点が100℃以下、かつ誘電正接のピーク値が5.0×10-3(100kHz)以上であるエチレン系共重合体からなることを特徴とする多層プラスチックシートに関するものである。
【0008】
本発明の多層プラスチックシートは特定の物性を有するエチレン系共重合体からなる(B)層を芯層とし、その芯層を挟んで特定組成の結晶性Pと共重合体Rからなる上記特定物性を示すポリプロピレン系組成物からなる(A)層を外層とした3層構造である。
【0009】
本発明の多層プラスチックシートは、上記のように(A)層のポリプロピレン系組成物の組成及び物性を特定すると共に(B)層のエチレン系共重合体の物性を特定したことにより誘電正接(tanδ)が大きく、高周波ウエルド加工性に優れるとともに、透明性、柔軟性、耐受傷性のバランスに優れた多層プラスチックシートを提供することができる。
結晶性Pは、ポリプロピレン90〜99重量%と、プロピレン以外のα−オレフィン1〜10重量%とからなる結晶性共重合体であり、共重合体Rはプロピレン以外のα−オレフィン10〜55重量%とプロピレン45〜90重量%とからなる共重合体である。
【0010】
本発明の(A)層に用いるポリプロピレン系組成物は、結晶性Pと共重合体Rからなり、[η]RCは6.5dl/g以下、好ましくは、1.7〜2.8dl/g、[η]RC/[η]PPは0.6〜1.2、好ましくは、0.7〜1.0、かつ([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)は0.2〜4.5、好ましくは、1.0〜3.0の範囲にある。
【0011】
結晶性Pのプロピレン含有量が99重量%より大きくなると高周波ウエルド加工性が低下し、同含有量が90重量%未満であると耐受傷性が低下する。また、結晶性Pの結晶融点が160℃を超えると透明性、柔軟性が低下する。
また、共重合体Rの[η]RCが大きすぎるとポリプロピレン系組成物の製膜性が悪化し、生産性の点で問題となる。[η]RC/[η]PPが0.6未満では柔軟性(耐衝撃性)が劣り、[η]RC/[η]PPが大きすぎると高周波ウエルド加工性及び透明性が劣るようになる。また、([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)が0.2未満では柔軟性が低下し、4.5を超えると透明性、耐受傷性、高周波ウエルド加工性が低下する。
【0012】
(A)層は、上記範囲を満足するポリプロピレン系組成物から構成されるならば、上記組成および/または物性の範囲で任意に選択される2種以上の組成物から構成されていてもよい。
【0013】
[η]RC及び[η]PPは、溶媒としてテトラリン(テトラクロロナフタレン)を用い135℃の温度条件下、測定される値である。
尚、結晶性P及び共重合体Rを連続的に製造してポリプロピレン系組成物を得た場合、[η]RCは直接測定できないので、直接測定可能な結晶性Pの[η]PPおよびポリプロピレン系組成物全体の極限粘度([η] whole )ならびにWRCから、下記式により求められる。
[η]RC={[η] whole −(1−WRC/100)[η]PP}/(WRC/100)
【0014】
結晶性Pや共重合体Rの製造に用いられるα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができるが、エチレン、1−ブテンが好ましい。
【0015】
(B)層に使用されるエチレン系共重合体は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/cm3 、好ましくは、60〜75cal/cm3 であり、メルトフローレイト(MFR)が1.0〜15.0g/10min、好ましくは、1.0〜5.0g/minであり、結晶融点が50〜120℃、好ましくは、50〜100℃であり、ビカット軟化点が100℃以下、好ましくは、40〜70℃であり、かつ誘電正接のピーク値が5.0×10-3(100kHz)以上、好ましくは、10×10-3(100kHz)以上の各々の特性値を有する。
【0016】
上記凝集エネルギー密度は、Smallの式で得られる溶解性パラメーターを2乗することにより得られ、MFRはJIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nで規定のダイを通して、溶融押出しし、単位時間に流れ出る重量を求める。誘電正接のピーク値は、tanδとも記され、JIS K6911に準拠して求める。
【0017】
上記各々の物性が上記範囲を外れると本発明の多層プラスチックシートの柔軟性、透明性及び高周波ウエルド加工性の全てを満足することができない。例えば、凝集エネルギー密度が上記範囲を外れると透明性及び高周波ウエルド加工性が低下し、MFRが上記範囲を外れると透明性や柔軟性が低下し、エチレン系共重合体の結晶融点が上記範囲を外れると柔軟性・透明性・高周波ウエルド加工性が低下し、ビカット軟化点が100℃を超えると柔軟性・透明性・高周波ウエルド加工性が低下し、誘電正接のピーク値が5.0×10-3未満であると高周波ウエルド加工性が低下する。
【0018】
上記エチレン系共重合体としては、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体であれば、特に制限されるべきものではないが、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体から選択されることが好ましい。
【0019】
本発明に使用されるポリプロピレン系組成物は、上記の諸特性を満足すればいかなる方法で製造してもよく、勿論、別々に製造された本発明に用いる結晶性Pと共重合体Rを溶融混練装置等の混合装置を用いて混合して製造してもよく、また、結晶性Pを製造し、引き続き該結晶性Pの存在下にプロピレンとα−オレフィンを共重合させて共重合体Rを製造し、ポリプロピレン系組成物を多段重合法により連続的に製造してもよい。
【0020】
本発明に使用するポリプロピレン系組成物は、より好適には、下記に示す製造方法により製造することができる。
ポリプロピレン系組成物の製造工程は、大粒径のチタン含有固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物とからなる立体規則性触媒の存在下、気相中において第一段階で結晶性Pを製造する工程(第1重合工程)、ついで第二段階で共重合体Rを連続的に製造する工程(第2重合工程)からなる。
【0021】
該製造方法において、チタン含有固体触媒成分はマグネシウム化合物、シリカ化合物およびアルミナ等の無機担体やポリスチレン等の有機担体にチタン化合物を担持したもの、またかかる担持体に必要に応じてエーテル類、エステル類の電子供与性化合物を反応せしめたものなら公知のどの様なものでも使用できる。
【0022】
たとえば、マグネシウム化合物−アルコール溶液をスプレーしてマグネシウム化合物のアルコール付加物からなる固体成分とし、該固体成分を部分乾燥し、しかる後該乾燥固体成分をハロゲン化チタンおよび電子供与性化合物で処理して成るチタン含有固体触媒成分(特開平3-119003公報)、マグネシウム化合物をテトラヒドロフラン/アルコール/電子供与体に溶解させ、TiCl4単独または電子供与体の組み合わせで析出させたマグネシウム担体をハロゲン化チタンおよび電子供与性化合物で処理して成るチタン含有固体触媒成分(特開平4-103604公報)などが挙げられる。
【0023】
チタン含有固体触媒成分は、通常、平均粒径が25〜300μm、好ましくは30〜150μmのものが用いられる。チタン含有固体触媒成分の平均粒径が25μm以下ではポリプロピレン系組成物の粉体流動性が著しく損なわれ、重合器の器壁や攪拌翼等への付着による重合系内の汚染や重合器から排出された粉体の搬送が困難になる等、安定運転の大きな妨げとなる。
また、チタン含有固体触媒成分は、正規分布における均一度は2.0以下のものが好ましい。均一度が2.0を越えるとポリプロピレン系組成物のパウダー流動性が悪化して連続での安定運転が困難となる。
【0024】
有機アルミニウム化合物としては、一般式がR1 mAlX3-m (式中R1 は、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基もしくはアルコキシ基である同種若しくは異種を、Xはハロゲン原子を表し、mは3≧m≧1.5の正数である)で表される有機アルミニウム化合物を好適に使用することができる。
【0025】
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリーnープロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリーiーブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキメチルアルミニウムセスキクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド,ジエチルアルミニウムアイオダイド、エトキシジエチルアルミニウム等を挙げることができ、好ましくはトリエチルアルミニウムを使用する。
これら有機アルミニウム化合物は1種単独もしくは2種以上の混合物として使用することができる。
【0026】
有機ケイ素化合物としては、一般式R2 X R3 YSi(OR4 )z(式中R2 およびR4 は炭化水素基,R3 は炭化水素基あるいはヘテロ原子を含む炭化水素基を表し、0≦X≦2、1≦Y≦3、1≦Z≦3かつX+Y+Z=4である)で表される有機ケイ素化合物が使用される。
【0027】
具体的にはメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等を挙げることができる。
【0028】
好ましくは、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランが使用される。
【0029】
これらの有機ケイ素化合物は1種単独もしくは2種以上の混合物として使用することができる。
【0030】
前記チタン含有固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および必要に応じて有機ケイ素化合物を組み合わせた立体規則性触媒を、第1重合工程のプロピレン重合に用いるが、該チタン含有固体触媒成分は、α−オレフィンを予め反応させて予備活性化処理した触媒を用いることが好ましい。
【0031】
チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理においては、有機アルミニウム化合物の使用量は特に限定されるものではないが、通常、チタン含有固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜40モル、好ましくは0.3〜20モルの範囲で用い、後述のα−オレフィンを通常、10〜80℃で10分〜48時間かけてチタン含有固体触媒成分1グラム当たり0.1〜100グラム、好ましくは0.5〜50グラムを反応させる。
【0032】
予備活性化処理においては、予め有機ケイ素化合物を有機アルミニウム化合物1モルに対して通常、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルの範囲で用いてもよい。
上記の予備活性化処理に用いられる有機アルミニウム化合物としては、本重合に用いられる前記例示した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。この有機アルミニウム化合物として、本重合時に使用される有機アルミニウム化合物と同種のものでも、または異なる種類のものも使用できるが、好ましくはトリエチルアルミニウムである。
【0033】
また、予備活性化処理に、必要に応じて用いられる有機ケイ素化合物としては、前記例示した有機ケイ素化合物と同種のものを挙げることができる。この有機ケイ素化合物としても、本重合に使用される有機ケイ素化合物と同種のものでも、また異なるものを使用でき、好ましくは、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびジフェニルジメトキシシランを用いる。
【0034】
チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理に用いられるα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。
【0035】
これらのα−オレフィンは、単独のみならず、他のα−オレフィンの2種以上の混合物を用いてもよい。また、その重合に際してポリマーの分子量を調節するために水素等の分子量調節剤を併用することもできる。
【0036】
チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理に用いられる不活性溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイル等重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶剤である。これらの不活性溶剤は1種の単独溶剤または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの不活性溶剤の使用に際しては重合に悪影響を及ぼす水分、イオウ化合物等の不純物は取り除いた後で使用することが好ましい。
【0037】
上記予備活性化処理されたチタン含有固体触媒成分の存在下に、気相中においてプロピレン及び少量のα−オレフィンを重合する第1重合工程、次いでプロピレンとα−オレフィンの共重合を行う第2重合工程を連続実施する。第1重合工程は気相重合法には限定されずスラリー重合法や塊状重合法を採用してもよいが、それに連続する第2重合工程が気相重合法であることが好ましいことから、第1重合工程も気相重合法を採用することが好ましい。第2重合工程として、スラリー重合法や塊状重合法を採用した場合、得られる共重合体が溶液中に溶出し,安定運転の継続が困難となる場合がある。
【0038】
第1重合工程の重合条件は重合形式によっても異なるが、気相重合法の場合,一定量のプロピレン重合体粉体を分散剤として重合器中で混合撹拌しながら、予備活性化処理されたチタン含有固体触媒成分,有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなる立体規則性触媒の存在下、重合温度は通常、20〜120℃、好ましくは40〜100℃,重合圧力は通常、大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaの条件下にプロピレン及び少量のα−オレフィンを供給して、結晶性Pを重合する。
【0039】
有機アルミニウム化合物とチタン含有固体触媒成分の使用比率はAl/Ti=1〜500(モル比)、好ましくは10〜300である。この場合、チタン含有固体触媒成分のモル数とは実質的にチタン含有固体触媒成分中のTiグラム原子数をいう。
【0040】
有機ケイ素化合物(C)と有機アルミニウム化合物(B)の使用比率はB/C=1〜10(モル比)、好ましくは1.5〜8である。
該B/Cのモル比が過大な場合、結晶性Pの結晶性が低下し、組成物の剛性が不十分となる。また、B/Cモル比が過小な場合には重合活性が著しく低下し、生産性が低下する。
【0041】
結晶性Pの[η]PPは、重合時に水素のような分子量調節剤の使用により、分子量を調節することにより調整することが好ましい。結晶性Pを重合後,生成した粉体重合体の一部を抜き出し,極限粘度、メルトフローレート、触媒単位重量当たりの重合体収量の測定に供することができる。
【0042】
第1重合工程のプロピレンの重合に引き続いて、重合温度は通常、20〜120℃、好ましくは40〜100℃、重合圧力は通常、大気圧〜9.9MPa、好ましくは0.59〜5.0MPaの条件下でプロピレンとα−オレフィンの混合モノマーを共重合して共重合体Rを生成させる第2重合工程を実施する。
共重合体R中のエチレン含有量はコモノマーガス中のα−オレフィンモノマーとプロピレンモノマーのガスのモル比を制御して、得られる共重合体R中のα−オレフィン含有量が10〜55重量%になるように調節する。
【0043】
一方、ポリプロピレン系組成物は、重合時間の調節や一酸化炭素や硫化水素等の触媒の重合活性調節剤を使用して、(WPP/WRC)が([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.5から誘導される所定の範囲(約0.17〜7.5、好ましくは、1.0〜4.0)になるよう調節される。さらに、共重合体Rは[η]RC=6.5dl/g以下の要件を満たすように水素のような分子量調節剤を共重合時に加えて調節されることが好ましい。
【0044】
上記重合方式は、回分式、半連続式もしくは連続式のいずれでも採用できるが、工業的には連続式が好ましい。
【0045】
第2重合工程の終了後に重合系からモノマーを除去して粒状のポリプロピレン系組成物を得ることができる。得られた該組成物の一部は極限粘度の測定およびエチレン含有量の測定ならびに触媒単位重量当たりの重合体収量の測定に供される。
【0046】
本発明で(A)層に用いるポリプロピレン系組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリオレフィンに使用する公知の酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、透明化造核剤などの添加剤を配合することができる。
【0047】
該酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防止剤などが例示でき、該中和剤としてはステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類が例示でき、該光安定剤及び紫外線吸収剤としてはヒンダードアミン類,ニッケル錯化合物,ベンゾトリアゾール類,ベンゾフェノン類などが例示でき、該無機充填剤及びブロッキング防止剤としては炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどが例示でき、該滑剤としてはステアリン酸アマイドなどの高級脂肪酸アマイド類が例示でき、該帯電防止剤としてはグリセリン脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸部分エステル類が例示でき、金属不活性剤としてはトリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類などが例示でき、透明化造核剤としてはアルキル置換ベンジリデンソルビトールなどのソルビトール類やロジン類や石油樹脂類などが例示できる。
【0048】
ポリプロピレン系組成物と上記添加剤を配合する方法は、ヘンシェルミキサー(商品名)やプロペラミキサーなどの攪拌機付き混合機及びリボンブレンダーやタンブラーミキサーなどの通常の配合装置により配合する方法(ドライブレンド)が例示でき、更に前記方法により得られた配合物を通常の単軸押出機または二軸押出機などを用いてペレット化する方法が例示できる。
【0049】
本発明の多層プラスチックシートは、典型的には(A)/(B)/(A)の3層構造からなり、該多層プラスチックシートの層構成としては、(A)層を構成するポリプロピレン系組成物が同種である2種3層構造又は(A)層を構成するポリプロピレン系組成物が異なる3種3層構造である。上記3層のみからなる構造に制限されず、例えば、(A)/(B)/(A)/(B)/(A)や(A)/(B)/(A)/(B)/(A)/(B)/(A)等に構成することもできる。
【0050】
本発明の多層プラスチックシートの肉厚は特に限定するものではないが、シートの成形性の点で0.07〜5.0mmが好ましく、更に好ましくは0.2〜3.0mmである。また、該多層プラスチックシートの各層の厚みは、特に限定するものではないが、シートの成形性、高周波ウエルド加工性、光学的物性の点で(B)層がシートの総肉厚のうち30〜98%を占めることが好ましく、更に好ましくは70〜90%である。
【0051】
該多層プラスチックシートの製造方法としては、通常、ポリオレフィンシートに用いられる公知公用の成形方法(押出成形法、押出ラミネート法、圧縮成形法、注型成形法)により製造する方法が例示できる。公知公用の成形方法の中でも生産性が良好な理由により、押出成形法が好ましい。特に好ましくは、押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、ガイドロール、引き取りロール、アニールロール、トリミングカッター、マスキング、定尺切断カッター、スタッカーなどの装置を備えているTダイシート成形機を用いる押出Tダイ法による製造方法である。
無論、本発明で得られる多層プラスチックシートは、印刷性、塗装性、金属蒸着特性などを付与する目的で、通常、工業的に採用されている方法によってコロナ放電処理、あるいは火炎処理、プラズマ処理などの表面処理が可能であることは言うまでもない。
【0052】
上記公知公用の方法で該多層プラスチックシートを成形する場合、(A)層を構成するポリプロピレン系組成物のMFRは特に限定されるものではないが、シート成形性および出来上がりのシート外観の点で、(A)層のポリプロピレン系組成物と(B)層のエチレン系共重合体のMFR比(MFRA/MFRB)が0.03〜20であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2.0である。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが本発明はこれらになんら限定されるものではない。
下記に実施例と比較例で用いるポリプロピレン系組成物及びエチレン系共重合体等を詳細に説明する。
以下に(A)層に用いるポリプロピレン系組成物の物性測定法を示す。尚、ポリプロピレン系組成物の結晶性P及び共重合体Rに用いたα−オレフィンは各々エチレンである。
【0054】
a)極限粘度(単位;dl/g):溶媒としてテトラリン(テトラクロロナフタレン)を用い135℃の温度条件下、自動粘度測定装置(AVS2型、三井化学(株)製)を使用して測定した。
b)チタン含有固体触媒成分(I)の粒度(単位;μm)および均一度:マスターサイザー(MALVEREN社製)を用いて測定した粒度分布から算出した平均粒径を粒度とし、また60%篩下の粒径を10%篩下の粒径で割った値を均一度とした。
c)結晶性Pのプロピレン含有率及び共重合体Rのエチレン含有率(単位;重量%):赤外線吸収スペクトル法により測定した。
d)触媒単位重量当たりの重合体収量:試料中のMg分を高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP法)により測定し、得られたMg分から算出した。
WPPは、{(触媒単位重量当たりの結晶性P収量)/(触媒単位重量当たりのポリプロピレン系組成物収量)}×100より求めた。
WRCは、100−WPPより求めた。
ここで、(触媒単位重量当たりの結晶性P収量)は、第1重合工程で製造した結晶性PのMg分をICP法により測定することから求めた。
また、(触媒単位重量当たりのポリプロピレン系組成物収量)は、第1重合工程及び第2重合工程で製造して得られたポリプロピレン系組成物のMg分をICP法により測定することから求めた。
e)MFRA は、ペレット化したポリプロピレン系組成物をJIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nで規定のダイを通して、溶融押出しし、単位時間に流れ出る重量を求めた。
【0055】
以下に実施例、比較例で用いるポリプロピレン系組成物をしめす。ポリプロピレン系組成物A−1〜5は、下記の製造方法によって得た。
1)チタン含有固体触媒成分の調製
a)チタン含有固体触媒成分:
窒素置換したSUS製オートクレーブに、無水MgCl2 を95.3g、乾燥EtOH(エタノール)352mlを入れ、この混合物を攪拌下に105℃に加熱し溶解させた。1時間攪拌後、この溶液を105℃に加熱した加圧窒素(1.1MPa)で二流体スプレーノズルに送入した。窒素ガスの流量は38リットル/分であった。スプレー塔中には冷却用として液体窒素を導入し、塔内温度を−15℃に保持した。生成物は塔内底部に導入した冷却ヘキサン中に集められ、256gを得た。生成物の分析結果から、この担体の組成は出発溶液と同じMgCl2 ・6EtOHであった。
【0056】
担体に用いるため、篩い分けを行い45〜212μmの粒径で球形な担体205gを得た。得られた担体を室温で、181時間、3リットル/分の流量の窒素を用いて通気乾燥して組成がMgCl2 ・1.7EtOHの乾燥担体を得た。
【0057】
ガラスフラスコ中において、乾燥担体20g,四塩化チタン160ml、精製1,2-ジクロルエタン240mlを混合し、攪拌下に100℃に加熱した後、ジイソブチルフタレート6.8ml加え、さらに100℃で2時間加熱した後、デカンテーションにより液相部を除き、再び四塩化チタン160ml、精製1,2-ジクロルエタン320mlを加えた。100℃で1時間加熱保持した後、デカンテーションにより液相部を除き、精製ヘキサンで洗浄した後、乾燥してチタン含有固体触媒成分:I−1を得た。得られたチタン含有固体触媒成分(I)の平均粒径は115μmであり、その分析値は、Mg 19.5重量%,Ti 1.6重量%,Cl 59.0重量%,ジイソブチルフタレート4.5重量%であった。
【0058】
2)チタン含有固体触媒成分の予備活性化処理
内容積15リットルの傾斜羽根付きSUS製反応器を窒素ガスで置換した後、40℃での動粘度が7.3センチストークスである飽和炭化水素溶剤(CRYSTOL-52、エッソ石油(株)製)8.3リットル、トリエチルアルミニウム525mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン80mmol、前項で調製したチタン含有固体触媒成分700gを室温で加えた後、40℃まで加温し、プロピレン分圧0.15MPaで7時間反応させ、予備活性化処理を行った。分析の結果、チタン含有固体触媒成分1g当りプロピレン3.0gが反応していた。
【0059】
3)第1重合工程
添付の図1に示すフローシートにおいて、攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器1(長さ/直径=L/D=6,内容積100リットル)に上記予備活性化処理したチタン含有固体触媒成分を0.5g/hr、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウムおよび有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシランを連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力2.5MPa、攪拌速度40rpmの条件を維持するように液状プロピレンを原料プロピレン配管3より、また必要量のエチレンガスを循環配管2よりそれぞれ連続供給し、さらに結晶性Pの分子量を調節するために水素ガスを循環配管2より連続的に供給し、反応器の気相中の水素濃度にて生成ポリマーの極限粘度を制御した。
【0060】
反応熱を原料プロピレン配管3から供給される原料液状プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは未反応ガス配管4を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本重合器1に還流した。
【0061】
本重合器で得られた結晶性Pは、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となる様に配管5を通して重合器1から連続的に抜き出し、第2重合工程の重合器10に供給した。この時、重合体抜き出し配管5から結晶性Pの一部を間欠的に抜き出して、極限粘度、プロピレン含有量の測定に、また、触媒単位重量当りの結晶性P収量を求めるためのICP法の測定に供した。
【0062】
4)第2重合工程
攪拌羽根を有する攪拌機Mを備えた横型重合器10(L/D=6,内容積100リットル)に第1重合工程からの結晶性Pおよびエチレンガスを活性抑制剤導入配管7より、また液状プロピレンを原料プロピレン配管6よりそれぞれ連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速度40rpm、温度60℃、圧力2.1MPa,気相のエチレン/プロピレンのモル比により、共重合体R中のエチレン含有量を調節した。共重合体Rの重合量を調節するために、重合活性抑制剤として一酸化炭素、また、共重合体Rの分子量を調節するため水素ガスを活性抑制剤導入配管7よりそれぞれ供給した。
反応熱は原料プロピレン配管6から供給される原料液状プロピレンの気化熱で除去した。
【0063】
重合器から排出される未反応ガスは、未反応ガス配管8を通して反応器系外で冷却、凝縮させて本共重合工程に還流させた。共重合工程で生成されたポリプロピレン系組成物は、重合体の保有レベルが反応容積の50容積%となるように重合体抜き出し配管9で重合器10から抜き出した。
【0064】
得られるポリプロピレン系組成物の生産速度は8〜12kg/hrであった。
抜き出されたポリプロピレン系組成物はモノマーを除去し、一部は極限粘度、赤外線吸収スペクトル法による共重合体R中のエチレン含有量の測定に、また、触媒単位重量当たりのポリプロピレン系組成物収量を求めるためのICP法の測定に供した。
【0065】
表1に示すポリプロピレン系組成物99.49重量%、テトラキス[メチレン(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.03重量%、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト0.08重量%、ステアリン酸カルシウム0.1重量%、シルカ(ブロッキング防止剤)0.2重量%及びオレイン酸アマイド(滑剤)0.1重量%配合し、ヘンシェルミキサー(商品名)で混合後、単軸押出機(口径65mmφ)を用いて230℃で溶融混練し、ペレット化し、ペレット化したポリプロピレン系組成物の一部をMFRA の測定に供した。このペレット化したポリプロピレン系組成物を表1に示すようにA−1〜A−5と略称する。
【0066】
【表1】
【0067】
表2に示すように、実施例,比較例で用いる(B)層のエチレン系共重合体のペレットを下記のように略称する。
B−1:凝集エネルギー密度が68.7cal/cm3 、MFRが1.5g/10min、結晶融点が90℃、ビカット軟化点が67℃、誘電正接のピーク値が1.6×10-2を示す東ソー(株)製エチレン・酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン630 酢酸ビニル(VA)含有率15重量%)を用いる。
B−2:凝集エネルギー密度が70.7cal/cm3 、MFRが4.0g/10min、結晶融点が76℃、ビカット軟化点が46℃、誘電正接のピーク値が2.8×10-2を示す東ソー(株)製エチレン・酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン634 VA含有率26重量%)を用いる。
【0068】
【表2】
【0069】
次に、実施例及び比較例で用いる多層プラスチックシートの評価方法を説明する。
tanδ(誘電正接):JIS K6911に準じ、相互誘電ブリッジ法によって、多層プラスチックシートのtanδを求める。tanδの値が大きいほど、高周波電場内で誘電加熱し易いことを示す。
剥離強度(単位;g/cm):高周波ウエルド加工した多層プラスチックシートのシール部両端を、インストロン型試験機で引張試験を行う。剥離強度の値が大きいほど、強固に接着している。
ヘイズ(透明性)(単位;%):ASTM D1003に準じ、多層プラスチックシートのヘイズを測定して透明性の基準とした。値が小さいほど透明性が良好である。
ヤング率(柔軟性)(単位;MPa ):ASTM D882に準じ、多層プラスチックシートの引張弾性率であるヤング率を測定して柔軟性の基準とした。値が小さいほど、柔軟である。
鉛筆硬度(耐受傷性):JIS K5400に準じ、多層プラスチックシートの鉛筆引っ掻き試験を測定して耐受傷性の基準とした。鉛筆の芯の硬さで示した値が、硬いほど多層プラスチックシート表面が硬く、耐受傷性が良好である。
【0070】
(実施例−1〜6及び比較例−1〜4)
Tダイを備え、コンバイニングアダプター法の3種5層押出機(口径65mmφの中間層用単軸押出機×1、口径40mmφの表層用単軸押出機×2)を用い、表2に示したB−1またはB−2を中間層用単軸押出機に、表1に示したA−1、A−2、A−3、A−4またはA−5を表層用単軸押出機に供給し、230℃で溶融させ、2種3層多層共押出を行い、エアーナイフ及び表面温度50℃の冷却ロールで冷却固化して厚み200μm(厚み構成比=1:8:1)からなる2種3層の多層プラスチックシートを得た。
得られた多層プラスチックシートを評価し、その結果を後述の表3および表4に示した。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
上表から、本発明の実施例は大方、比較例に比べてtanδ及び剥離強度が高く、ヘイズ及びヤング率が低く透明性及び柔軟性に優れることが分かる。また、実施例は鉛筆硬度も確保されている。
【0074】
【発明の効果】
本発明の多層プラスチックシートは、電気的特性として誘電正接(tanδ)が大きく高周波ウエルド特性に優れ、その他に透明性、柔軟性、耐受傷性のバランスが優れるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた連続重合装置のフローシートを示す。
【符号の説明】
1, 10 重合器
2 循環配管
3,6 原料プロピレン配管
4, 8 未反応ガス配管
5, 9 重合体抜き出し配管
7 活性抑制剤導入配管
M 攪拌機
Claims (2)
- (A)/(B)/(A)の3層構造からなる多層プラスチックシートであって、
(A)層は、プロピレン含有量が90〜99重量%で、結晶融点が160℃以下である結晶性プロピレン−α−オレフィン共重合体(以下、「結晶性P」と記す)と、α−オレフィン含有量が10〜55重量%であるプロピレン−α−オレフィン共重合体(以下、「共重合体R」と記す)とからなり、
[η]RC=6.5dl/g以下;
[η]RC/[η]PP=0.6〜1.2;かつ
([η]RC/[η]PP)×(WPP/WRC)=0.2〜4.5の範囲にあるポリプロピレン系組成物からなり、
([η]RC:共重合体Rの極限粘度、[η]PP:結晶性Pの極限粘度、WPP:ポリプロピレン系組成物に対する結晶性Pの重量%、WRC:ポリプロピレン系組成物に対する共重合体Rの重量%)
(B)層は、凝集エネルギー密度が60〜90cal/cm3、メルトフローレートが1.0〜15.0g/10min、結晶融点が50〜120℃、ビカット軟化点が100℃以下、かつ誘電正接のピーク値が5.0×10−3(100kHz)以上であるエチレン系共重合体からなることを特徴とする高周波ウエルド加工用多層プラスチックシート。 - エチレン系共重合体は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体及びエチレン・エチルアクリレート・無水マレイン酸共重合体から選択されることを特徴とする請求項1記載の高周波ウエルド加工用多層プラスチックシート。
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