JP4243940B2 - 締結治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨間のナットやボルト等の締結が確実に施工されたことを簡単に目視確認出来る締め付け確認用の締結部品を締結する締結治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄骨建築物の鉄骨間の締結には、通常、数千本以上のボルトが使用されている。これ等のボルトが確実に締め付けられていないと、地震の時等に倒壊等の重大な事故や災害に至る虞があるため、ボルトに対するナット等の締結部品の締め付けが確実に施工されていることを確認する工程が重要である。
【0003】
従来、この確認工程には締め付け作業後に1つずつ再締め付けを行ない、確認した旨をマーキングする方法やハンマーリングにより締結確認する等の方法が採用されている。
【0004】
しかしながら、これ等の方法では、確実に確認出来るものの多大な労力と時間を費やしてしまい、工期が長くなるという問題があった。また、確認漏れやマーキングミス等の人為的不備を完全に防止することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明者等は掻き取り可能な塗料が付着されている締結部品を、締結治具で所定トルク以上に締め付けると、その締結治具に備えられている掻取刃が締結部品の塗料を掻き取って締め付け確認を表示する方法を提案している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−120163号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、特許文献1の図1に示されたように、回転駆動力を伝達する伝導軸に接続された回転部の下側に掻取刃が剛接合で連結された構造であったため締結治具が傾いたまま締結部品を締め付けようとした際に掻取刃が締結部品の塗装面に片当たりして塗膜を一部しか掻き取れず、きれいに塗膜を掻き取れないために締め付け確認の判別が困難になる場合があるという問題があった。
【0008】
また、掻取刃が設けられた下部クラッチと、締結部品の被回転面を嵌入させる略筒状のソケットとを連結/遮断するクラッチ部が、該クラッチのトルクを設定するトルク設定バネよりも締結部品側に配置された構成であったため締結部品がナットである場合に、該ナットに螺合して突出するボルト軸の突出長さが長い場合に適用するためには締結治具が軸方向に大型化してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、締結部品の締め付け作業において、締結治具が傾いたまま締結部品を締め付けようとした場合でも締結部品の締結が確実に施工されたことを簡単に且つ確実に目視確認出来、施工後の締結確認作業を省略することが出来、締め付けトルクの管理も可能で且つコンパクトな締結治具を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る締結治具は、所定トルク以上に締め付けると掻き取り可能な塗料が付着された締結部品を締結する締結治具であって、回転駆動力が伝達される回転伝達部材と、前記締結部品の塗料付着面に接触し、該締結部品に所定の締め付けトルクが作用すると、該締結部品に付着された塗料を掻き取る掻取刃と、前記回転伝達部材と前記掻取刃とを揺動自在に連結すると共に、該回転伝達部材の回転を前記掻取刃に伝達する揺動連結手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上述の如く構成したので、回転伝達部材の回転を掻取刃に伝達する揺動連結手段により回転伝達部材と掻取刃とが揺動自在に連結されたことで、締結部品の締め付け作業において、締結治具が傾いたまま締結部品を締め付けようとした場合でも揺動連結手段により掻取刃が揺動して締結部品の塗料付着面の全面に安定して確実に接触し、該締結部品に付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。これにより、締め付け確認の判別が容易に且つ確実に出来る。
【0012】
また、前記締結部品がナットであり、前記揺動連結手段は、該ナットが螺合して突出するボルト軸の外周に嵌装可能で、且つ前記ナット表面側の端部に前記掻取刃が設けられ、他端部が前記回転伝達部材に固定されたコイルバネを有して構成された場合には、ナットに螺合されて突出したボルト軸の外周にコイルバネが嵌装され、該コイルバネにより該コイルバネのナット表面側の端部に設けた掻取刃が揺動してナットの塗料付着面に安定して確実に接触し、該締結部品に付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。
【0013】
また、前記締結部品の外周に嵌合して係合し、該締結部品を所定トルクで締結し得るソケット部材と、前記回転伝達部材と前記ソケット部材との間に配置され、前記回転伝達部材に伝達された回転駆動力が所定トルクより小さい時は該回転伝達部材から前記ソケット部材に回転駆動力を伝達し、所定トルク以上になると前記ソケット部材への回転駆動力を遮断するクラッチ手段とを有し、前記クラッチ手段は、前記回転伝達部材と前記ソケット部材とを連結/遮断するクラッチ部が、該クラッチ手段のトルクを設定するトルク設定バネよりも前記回転伝達部材側に配置された場合には、トルク設定バネの中空内部スペースを有効利用することが出来、例えば、締結部品がナットである場合に、該ナットに螺合して突出するボルト軸の突出長さが長い場合でもトルク設定バネの中空内部スペース内に突出するボルト軸を収容する構造とすることが容易に出来、これにより締結治具の小型化を実現出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る締結治具の一例としてナットを締結するトルクレンチに適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る締結治具の第1実施形態の構成を示す正面断面説明図、図2は本発明に係る締結治具の第1実施形態の構成を示す平面説明図、図3はコイルバネの先端に設けられた掻取刃の構成を示す斜視説明図である。
【0015】
先ず、図1〜図3を用いて、本発明に係る締結治具の第1実施形態の構成について説明する。図1〜図3において、Aは本発明に係る締結治具となるトルクレンチであり、Bは締結部品となるナットである。ナットBの表面には、トルクレンチAによって所定トルク以上に締め付けられると、該トルクレンチAに設けられた掻取刃1により掻き取り可能な塗料が付着されている。
【0016】
本実施形態では、図1に示すように、揺動連結手段となるコイルバネ3自体がナットBが螺合して突出するボルト軸12の外周に嵌装可能な内径を有して構成され、該コイルバネ3のナットBの表面側の端部に掻取刃1が溶接等により固定され、該コイルバネ3の他端部が回転伝達部材となる下部クラッチ7の下面に溶接等により固定されている。
【0017】
掻取刃1は、例えば、図3に示すように、表面が波形ヤスリ状の凹凸を有する平面刃で構成されており、図1に示すように、ナットBが螺合して突出するボルト軸12の外周に嵌装可能な内径を有するコイルバネ3のナットB表面側先端部に溶接等により固定されている。
【0018】
ナットBは、その素地の色彩とコンストラストを呈する色の塗料が予め工場の製造工程等でその上面等の視認し易い位置に付着されており、掻取刃1によりその塗料が掻き取られた際に素地の色彩を容易に視認して締結完了が判別出来るようになっている。
【0019】
トルクレンチAによりナットBを所定の締め付けトルク以上に締め付けると、ナットBの塗料付着面に接触した掻取刃1によりナットBの被掻取面に付着された塗料を掻き取ることが出来る一方で、その下層の防錆用表面処理膜等を傷つけることがなく、ナットBの防錆性能等を維持することが出来るようになっている。
【0020】
図1及び図2に示すように、トルクレンチAには、該トルクレンチAによりナットBを回転させて締め付ける回転伝達軸4の回転駆動力が所定トルクより小さい場合には、その回転駆動力をナットBの被回転面へ伝達し、所定トルク以上の場合には、その回転駆動力の伝達を遮断するクラッチ手段が回転伝達部材となる下部クラッチ7とソケット部材6との間に配置して設けられている。
【0021】
トルクレンチAは回転駆動力を伝達する回転伝達軸4に接続される軸接続部5にネジ部14により回転伝達部材となる下部クラッチ7が固定されており、該下部クラッチ7の下面には揺動連結手段となるコイルバネ3の一端部が溶接等により固定されている。また、コイルバネ3の他端部には掻取刃1が溶接等により固定されている。
【0022】
揺動連結手段となるコイルバネ3は、回転伝達部材となる下部クラッチ7と、掻取刃1とを揺動自在に連結すると共に、該下部クラッチ7の回転を掻取刃1に伝達することが出来る弾性と剛性とを備えて構成されている。
【0023】
そして、回転伝達軸4が軸接続部5に接続されて回転駆動力が伝達されると、回転伝達軸4、軸接続部5、下部クラッチ7、コイルバネ3及び掻取刃1が一体的に回転するようになっている。
【0024】
軸接続部5と下部クラッチ7との接続部でくびれた部分には、クラッチ手段のトルクを設定するトルク設定バネとなる圧縮バネ9と、リング状の球おさえ板10と、外装体17に固定され、且つクラッチ用鋼球8を遊動自在に保持するリング状のリテーナ2とが嵌挿されており、軸接続部5と下部クラッチ7とのくびれ部に圧縮バネ9、球おさえ板10及びリテーナ2を挿通した後、ネジ部14により軸接続部5と下部クラッチ7とを螺合締着して固定することで、圧縮バネ9、球おさえ板10及びリテーナ2は、一体的に回転する軸接続部5と下部クラッチ7に対して回転自在に取り付けられている。尚、本実施形態の圧縮バネ9は皿バネを複数枚重ね合わせて構成されている。
【0025】
軸接続部5の外周にはネジ部15を介してトルク調整ネジ11が螺合自在に取り付けられており、該トルク調整ネジ11は、その径方向に設けられた固定ネジ16により所定のトルクに設定した位置で軸接続部5に対して固定出来るようになっている。
【0026】
下部クラッチ7の外周に設けられたフランジ部7aの上面には、クラッチ用鋼球8を出没自在に収容する複数の穴7bが該フランジ部7aの円周に沿って配設されており、下部クラッチ7に嵌入されたリング状の球おさえ板10が該下部クラッチ7のフランジ部7aに対向すると共に圧縮バネ9の付勢力により該下部クラッチ7の穴7bに収容されたクラッチ用鋼球8の上部に所定の押圧力で当接されている。
【0027】
下部クラッチ7の外周にはベアリング部材13を介して該下部クラッチ7に対して回転自在に取り付けられた略筒状の外装体17が嵌合されており、下部クラッチ7にコイルバネ3を介して固定された掻取刃1は該外装体17の先端内部に固定されたソケット部材6の内側でナットBの被掻取面に対向する位置に配置される。
【0028】
トルク調整ネジ11を回転して螺合位置を調整すると、該トルク調整ネジ11の下端部に当接する圧縮バネ9が球おさえ板10を付勢する付勢力を調整することが出来、圧縮バネ9により付勢された球おさえ板10はクラッチ用鋼球8を下部クラッチ7のフランジ部7a側に押圧してクラッチ用鋼球8を穴7bに没入させ、該球おさえ板10がリテーナ2の上端部に圧接する。
【0029】
下部クラッチ7、リテーナ2、外装体17及びソケット部材6は、クラッチ用鋼球8が穴7bに没入している時は圧縮バネ9の付勢力により球おさえ板10がリテーナ2に圧接されて該クラッチ用鋼球8とリテーナ2とを介して回転駆動力を伝達することが出来、クラッチ用鋼球8が穴7bから突出すると、下部クラッチ7と、リテーナ2及び外装体17、ソケット部材6とのクラッチ接合が離れて回転駆動力の伝達が遮断される。
【0030】
クラッチ用鋼球8が穴7bから突出するタイミングはトルク調整ネジ11の軸接続部5に対する螺合位置を調整することで圧縮バネ9の球おさえ板10に対する付勢力を調整してナットBの締め付けトルクを設定する。
【0031】
ソケット部材6はナットBの外周に設けられた被回転面に嵌合して係合し、該ナットBを所定トルクで締結するものであり、該ソケット部材6にナットBの被回転面を嵌入し、回転伝達軸4、軸接続部5を経て下部クラッチ7に伝達された回転駆動力が圧縮バネ9の作用によりクラッチ用鋼球8、リテーナ2及び外装体17を介してソケット部材6に伝達され、該ソケット部材6が回転することでナットBをボルト軸12に締結出来るようになっている。
【0032】
トルク調整ネジ11により設定されたトルクよりも小さな値で回転伝達軸4が回転するとき、下部クラッチ7とソケット部材6とが一体的に回転するため、下部クラッチ7にコイルバネ3を介して固定された掻取刃1はナットBと一体的に回転し、この状態ではナットBに付着された塗料は掻き取られない。
【0033】
そして、ナットBがボルト軸12に十分締め付けられ、締め付け力がトルク調整ネジ11により設定されたトルク以上に増大すると、ソケット部材6と下部クラッチ7との間で回転滑りが生じ、クラッチ用鋼球8が穴7bから脱離して突出し、下部クラッチ7と、リテーナ2及び外装体17とが離れてクラッチ接合が解除される。これによりソケット部材6への回転駆動力が遮断されてナットBの回転が停止する。
【0034】
このとき、ソケット部材6は停止したまま下部クラッチ7が回転するため所定のトルクで締結されて固定されたナットBの被掻取面である塗料付着面に掻取刃1が接触しつつ回転し、ナットBの塗料付着面の塗料が掻き取られる。
【0035】
ナットBの被掻取面である塗料付着面に付着された塗料は、下部クラッチ7の回転に伴って該ナットBの塗料付着面に接触して塗料を掻き取る掻取刃1で掻き取り可能な特性を備えている。
【0036】
こうして所定のトルクで十分に締め付けられたナットBは、その上面の塗料が掻き取られているので容易に視認出来、その締結確認を前述した従来例のように別途の作業として行なう必要がないため作業性が向上し、工期の短縮が図れる。
【0037】
特に、回転伝達部材となる下部クラッチ7の回転を掻取刃1に伝達する揺動連結手段となるコイルバネ3により下部クラッチ7と掻取刃1とが揺動自在に連結されたことで、図5に示して後述すると同様に、ナットBの締め付け作業において、トルクレンチAが傾いたままナットBを締め付けようとした場合でもコイルバネ3により掻取刃1が揺動してナットBの塗料付着面に安定して確実に接触し、該ナットBに付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。これにより、締め付け確認の判別が容易に且つ確実に出来る。
【0038】
次に図4及び図5を用いて、本発明に係る締結治具の第2実施形態の構成について説明する。図4は本発明に係る締結治具の第2実施形態の構成を示す正面断面説明図、図5は第2実施形態においてトルクレンチが傾いたままナットを締め付けようとした場合でもコイルバネにより掻取刃が揺動してナットの塗料付着面に安定して接触する様子を示す図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
前記実施形態では、回転伝達部材となる下部クラッチ7と、ソケット部材6とを連結/遮断するクラッチ部を構成する球おさえ板10及びクラッチ用鋼球8を遊動自在に保持するリテーナ2等がトルク設定バネとなる圧縮バネ9よりもナットB側(図1の下側)に配置された構造であるため、ナットBに螺合して突出するボルト軸12の突出長さが長い場合に適用するためにはソケット部材6或いは外装体17の軸方向の長さと、コイルバネ3の軸方向の長さを長く構成しなければならず、トルクレンチA全体が軸方向に大型化してしまうという問題があった。
【0040】
そこで、本実施形態では、図4に示すように、回転伝達部材となる上部クラッチ21と、ソケット部材22とを連結/遮断するクラッチ部を構成する球おさえ板23及びクラッチ用鋼球8を遊動自在に保持するリテーナ2等をトルク設定バネとなる圧縮バネ9よりも回転伝達部材となる上部クラッチ21側(図4の上側)に配置した構造とすることで、トルク設定バネとなる圧縮バネ9の中空内部スペースを有効利用することが出来、図4に示すように、ナットBに螺合して突出するボルト軸12の突出長さが長い場合でも圧縮バネ9の中空内部スペース内に突出するボルト軸12を収容する構造とすることが出来、これによりトルクレンチAの小型化を実現出来る。
【0041】
図4において、締結部品となるナットBの外周に嵌合して係合し、該ナットBを所定トルクで締結し得るソケット部材22の外周部には、ネジ部24により螺合締着して固定された略円筒状の外装体25が設けられており、該外装体25の上端部に設けられたフランジ部25aの内面にベアリング部材26を介して上部クラッチ21が回転自在に設けられている。
【0042】
上部クラッチ21の外周に設けられたフランジ部21aの下面には、クラッチ用鋼球8を出没自在に収容する複数の穴21bが該フランジ部21aの円周に沿って配設されており、外装体25の内部に嵌装されたリング状の球おさえ板23が該上部クラッチ21のフランジ部21aに対向すると共に、同じく外装体25の内部に嵌装されたトルク設定バネとなる圧縮バネ9の付勢力により該上部クラッチ21の穴21bに収容されたクラッチ用鋼球8の下部に所定の押圧力で当接されている。
【0043】
クラッチ用鋼球8を遊動自在に保持するリテーナ2は外装体17に固定されており、回転伝達軸4から上部クラッチ21に伝達された回転駆動力をクラッチ用鋼球8を介してリテーナ2から外装体25に伝達し、該外装体25に固定されたソケット部材22に伝達してナットBを締結することが出来る。
【0044】
クラッチ用鋼球8が穴21bに没入している時は圧縮バネ9の付勢力によりクラッチ用鋼球8を介して上部クラッチ21とリテーナ2とが接合して外装体17からソケット部材22に回転駆動力を伝達することが出来、クラッチ用鋼球8が穴7bから突出すると、上部クラッチ21とリテーナ2とのクラッチ接合が切れて回転駆動力の伝達が遮断される。
【0045】
本実施形態では、図1に示す第1実施形態と同様に、揺動連結手段となるコイルバネ3自体がナットBが螺合して突出するボルト軸12の外周に嵌装可能な内径を有して構成され、該コイルバネ3のナットBの表面側の端部に掻取刃1が溶接等により固定され、該コイルバネ3の他端部が回転伝達部材となる上部クラッチ21の下面に溶接等により固定されている。
【0046】
本実施形態の構成によれば、ナットBに螺合されて突出したボルト軸12の外周に揺動連結手段となるコイルバネ3が嵌装され、該コイルバネ3により該コイルバネ3のナットB表面側の端部に設けた掻取刃1が揺動してナットBの塗料付着面に安定して確実に接触し、該ナットBに付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。
【0047】
また、前述したように、トルク設定バネとなる圧縮バネ9の中空内部スペースを有効利用することが出来、図4に示すように、ナットBに螺合して突出するボルト軸12の突出長さが長い場合でも圧縮バネ9の中空内部スペース内に突出するボルト軸12を収容する構造とすることが出来、これによりトルクレンチAの小型化を実現出来る。
【0048】
図5は第2実施形態において、トルクレンチAの軸方向がボルト軸12の軸方向から角度θだけ傾いたままナットBを締め付けようとした場合の様子を示す図であり、このような状況においても、揺動連結手段となるコイルバネ3により掻取刃1が揺動してナットBの塗料付着面に安定して接触し、該ナットBに付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。これにより、締め付け確認の判別が容易に且つ確実に出来る。
【0049】
他の構成は前記実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。
【0050】
尚、前記各実施形態では締結部品としてナットBに適用した場合の一例について説明したが、他の締結部品としてはボルト等についても適用可能である。
【0051】
また、掻取刃1としては、樹脂製、セラミック製のヤスリや金属製の刃、或いは砥石等の種々の掻取刃1を適用することが可能である。
【0052】
また、前記各実施形態では、揺動連結手段の一例としてコイルバネ3を適用した場合について説明したが、ゴム等の弾性体を揺動連結手段として採用することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、回転伝達部材の回転を掻取刃に伝達する揺動連結手段により回転伝達部材と掻取刃とが揺動自在に連結されたことで、締結部品の締め付け作業において、締結治具が傾いたまま締結部品を締め付けようとした場合でも揺動連結手段により掻取刃が揺動して締結部品の塗料付着面に安定して確実に接触し、該締結部品に付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。これにより、締め付け確認の判別が容易に且つ確実に出来る。
【0054】
また、締結部品がナットであり、揺動連結手段は、該ナットが螺合して突出するボルト軸の外周に嵌装可能で、且つナット表面側の端部に掻取刃が設けられ、他端部が回転伝達部材に固定されたコイルバネを有して構成された場合には、ナットに螺合されて突出したボルト軸の外周にコイルバネが嵌装され、該コイルバネにより該コイルバネのナット表面側の端部に設けた掻取刃が揺動してナットの塗料付着面に安定して確実に接触し、該締結部品に付着された塗料を確実に掻き取ることが出来る。
【0055】
また、締結部品の外周に嵌合して係合し、該締結部品を所定トルクで締結し得るソケット部材と、回転伝達部材とソケット部材との間に配置され、回転伝達部材に伝達された回転駆動力が所定トルクより小さい時は該回転伝達部材からソケット部材に回転駆動力を伝達し、所定トルク以上になるとソケット部材への回転駆動力を遮断するクラッチ手段とを有し、クラッチ手段は、回転伝達部材とソケット部材とを連結/遮断するクラッチ部が、該クラッチ手段のトルクを設定するトルク設定バネよりも回転伝達部材側に配置された場合には、トルク設定バネの中空内部スペースを有効利用することが出来、例えば、締結部品がナットである場合に、該ナットに螺合して突出するボルト軸の突出長さが長い場合でもトルク設定バネの中空内部スペース内に突出するボルト軸を収容する構造とすることが容易に出来、これにより締結治具の小型化を実現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る締結治具の第1実施形態の構成を示す正面断面説明図である。
【図2】本発明に係る締結治具の第1実施形態の構成を示す平面説明図である。
【図3】コイルバネの先端に設けられた掻取刃の構成を示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る締結治具の第2実施形態の構成を示す正面断面説明図である。
【図5】第2実施形態においてトルクレンチが傾いたままナットを締め付けようとした場合でもコイルバネにより掻取刃が揺動してナットの塗料付着面に安定して接触する様子を示す図である。
【符号の説明】
A…トルクレンチ
B…ナット
1…掻取刃
2…リテーナ
3…コイルバネ
4…回転伝達軸
5…軸接続部
6…ソケット部材
7…下部クラッチ
7a…フランジ部
7b…穴
8…クラッチ用鋼球
9…圧縮バネ
10…球おさえ板
11…トルク調整ネジ
12…ボルト軸
13…ベアリング部材
14,15…ネジ部
16…固定ネジ
17…外装体
21…上部クラッチ
21a…フランジ部
21b…穴
22…ソケット部材
23…球おさえ板
24…ネジ部
25…外装体
25a…フランジ部
26…ベアリング部材

Claims (3)

  1. 所定トルク以上に締め付けると掻き取り可能な塗料が付着された締結部品を締結する締結治具であって、
    回転駆動力が伝達される回転伝達部材と、
    前記締結部品の塗料付着面に接触し、該締結部品に所定の締め付けトルクが作用すると、該締結部品に付着された塗料を掻き取る掻取刃と、
    前記回転伝達部材と前記掻取刃とを揺動自在に連結すると共に、該回転伝達部材の回転を前記掻取刃に伝達する揺動連結手段と、
    を有することを特徴とする締結治具。
  2. 前記締結部品がナットであり、
    前記揺動連結手段は、該ナットが螺合して突出するボルト軸の外周に嵌装可能で、且つ前記ナット表面側の端部に前記掻取刃が設けられ、他端部が前記回転伝達部材に固定されたコイルバネを有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の締結治具。
  3. 前記締結部品の外周に嵌合して係合し、該締結部品を所定トルクで締結し得るソケット部材と、
    前記回転伝達部材と前記ソケット部材との間に配置され、前記回転伝達部材に伝達された回転駆動力が所定トルクより小さい時は該回転伝達部材から前記ソケット部材に回転駆動力を伝達し、所定トルク以上になると前記ソケット部材への回転駆動力を遮断するクラッチ手段と、
    を有し、
    前記クラッチ手段は、前記回転伝達部材と前記ソケット部材とを連結/遮断するクラッチ部が、該クラッチ手段のトルクを設定するトルク設定バネよりも前記回転伝達部材側に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の締結治具。
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