JP4243654B2 - 電子機器部品の液体冷却板、液体冷却板の製造方法 - Google Patents
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Description
この液冷方式の冷却装置であれば、冷却ファンに比べて小型化が容易であり、電子機器における電子部品の実装密度の高密度化の障害になったり、電子機器自体の小型化、軽量化にも影響するといった不都合が生じにくい。また、騒音の問題も解消できる。
本発明では、複数のアルミニウム板材が大気中無フラックス重ねろう付けされた金属板積層体であって、この金属板積層体内には、該金属板積層体内層の少なくとも一枚の前記アルミニウム板材の片面に形成された凹溝又は板厚方向に貫通された貫通穴によって前記アルミニウム板材の板面方向に蛇行延設された冷却液体流通路が形成されており、前記冷却液体流通路の一端及び他端は、それぞれ、金属板積層体の片面側のアルミニウム板材に穿設された貫通孔の該アルミニウム板材の外面側における開口部である冷却液体導入用開口部及び冷却液体排出用開口部に接続され、金属板積層体の片面側のアルミニウム板材には、アルミニウムあるいはその基合金からなる管である冷却液体導入口及び冷却液体排出口が、その断面角形の継ぎ口に穿設されている穴を、該アルミニウム板材の前記貫通孔と合致させて、それぞれ、前記継ぎ口を大気中無フラックス重ねろう付けによりろう付けして接合されており、前記アルミニウム板材同士の大気中無フラックス重ねろう付けが、前記金属板積層体を構成する複数のアルミニウム板材の重ね合わせ界面に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付け、冷却液体導入口及び冷却液体排出口のアルミニウム板材に対する大気中無フラックス重ねろう付けが、冷却液体導入口及び冷却液体排出口の前記継ぎ口と金属板積層体の片面側のアルミニウム板材との間に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けであって、前記アルミニウム薄合わせ板材が、融点600℃以下のろう材からなる芯材と、前記芯材より融点の高いアルミニウム合金からなる皮材とによって構成され、かつ前記芯材及び皮材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる3層構造のもの、あるいは、芯材と、その両側の皮材との間に、融点が600℃以下のろう材からなる中間材が設けられており、芯材と両皮材とは、中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、しかも、芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる5層構造のものであり、冷却液体導入口及び冷却液体排出口、重ね合わせ板材全体を加圧密着した状態で、大気中にて、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない温度範囲に加熱して一括して重ねろう付けしてなるものであることを特徴とする電子機器部品の液体冷却板を提供する。
また、本発明では、アルミニウム又はその基合金からなるアルミニウム板材を大気中無フラックス重ねろう付けにより複数接合することで、前記アルミニウム板材の内の一つに形成されている凹溝又は前記アルミニウム板材の板厚方向に貫通されている貫通穴によって構成される冷却液体流通路を内蔵する金属板積層体を組み立てるとともに、金属板積層体の片面側のアルミニウム板材に、アルミニウムあるいはその基合金からなる管である冷却液体導入口及び冷却液体排出口を、その断面角形の継ぎ口に穿設されている穴を、前記金属板積層体の片面側のアルミニウム板材に穿設された貫通孔の該アルミニウム板材の外面側における開口部である冷却液体導入用開口部及び冷却液体排出用開口部と合致させて、それぞれ、前記継ぎ口を大気中無フラックス重ねろう付けによりろう付けして接合して、液体冷却板を組み立てる液体冷却板の製造方法であり、前記アルミニウム板材同士の大気中無フラックス重ねろう付けが、前記金属板積層体を構成する複数のアルミニウム板材の重ね合わせ界面に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付け、冷却液体導入口及び冷却液体排出口のアルミニウム板材に対する大気中無フラックス重ねろう付けが、冷却液体導入口及び冷却液体排出口の前記継ぎ口と金属板積層体の片面側のアルミニウム板材との間に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けであって、前記アルミニウム薄合わせ板材が、融点600℃以下のろう材からなる芯材と、前記芯材より融点の高いアルミニウム合金からなる皮材とによって構成され、かつ前記芯材及び皮材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる3層構造のもの、あるいは、芯材と、その両側の皮材との間に、融点が600℃以下のろう材からなる中間材が設けられており、芯材と両皮材とは、中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、しかも、芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる5層構造のものであり、冷却液体導入口及び冷却液体排出口、重ね合わせ板材全体を加圧密着した状態で、大気中にて、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない温度範囲に加熱して一括して重ねろう付けすることを特徴とする液体冷却板の製造方法を提供する。
なお、本明細書で「ろう付け」とは大気中無フラックス高温ろう付けを指す総称である。
封止用金属板は、平板に限定されず、例えば、凹溝付き金属板と同様の凹溝が形成されているものを採用して、冷却液体流通路の断面積を稼ぐようにすることも可能である。
なお、前述の「凹溝」とは、金属板(流路加工板)の一部を削除したような形状に形成された溝条の溝のことであり、例えば、プレス加工等によって金属板を曲げ加工して形成されるもの(曲げ加工の谷を凹溝とするもの)は含まない。また、貫通穴付き金属板の貫通穴は、ここでは、金属板(流路加工板)の板面方向に蛇行延設された長穴を指す。凹溝や貫通穴の形成手法としては、金属板の切削等の加工の他、金属板自体の成形時に形成することでも良い。
本発明者等は、種々の接続構造を試み、図1乃至図3に示す構造の継手が、製造容易、水密性良好であることを認めた。すなわち、図において、板厚方向の貫通穴8の下方にろう付け(図3中、符号12はろう付け用のアルミニウム薄合わせ板材)されるアルミニウム板材5に穿設された孔51、51と、その下方にろう付けされる断面角形のアルミニウム合金製継ぎ口6’、7’(冷却液体導入口6の継ぎ口6’、冷却液体排出口7の継ぎ口7’)に穿設されている穴6a、7aとを合致させ、孔51、51、穴6a、7aを介して、冷却液体導入口及び冷却液体排出口を積層体内の冷却液体流通路と連通させた構造である。
さらに、前述したように、前記ろう付けとして、複数のアルミニウム板材の重ね合わせ界面に予め3層構造あるいは5層構造のアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けを、重ね合わせ板材全体を加圧密着した状態で、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して行う大気中無フラックス重ねろう付けを採用すると、真空炉とか気密性の雰囲気炉といった高価な設備を用いることなく、また、フラックスとか不活性ガスを使用することなく、冷却液体流通路内を流れる冷却液体の漏れの原因となるピンホール等の欠陥の無い優れたろう付けを簡単に低コストで実現できる。また、無フラックスろう付けであるため、作業環境汚染を防止するための換気設備や、浄化設備(ハロゲン系ガス等が排出されないように排気を浄化処理するための設備)の設置等が不要であるといった利点もある。このろう付けであれば、真空炉とか雰囲気炉といった設備を用いる場合に比べて、工程が単純であり、また、短時間でろう付けを行えるため、低コストで高生産性を実現できるといった利点もある。さらに、前述の大気中無フラックス重ねろう付けは、大気中高温ろう付けのため、アルミニウム表面に緻密な酸化膜(厚さ数μm)が形成されるため、耐食性に優れたアルミニウム積層体が得られるといった利点もある。ろう付け工程にて、冷却液体流通路内面の耐食性を向上できるため、別途、耐食処理を行う必要が無い、といった利点がある。
図1〜図4において、符号3は貫通穴付き金属板(流路加工板)、4,5は封止用金属板、6は冷却液体導入口、7は冷却液体排出口である。
貫通穴付き金属板3及び封止用金属板4,5は、アルミニウム又はその基合金からなるアルミニウム板材であり、貫通穴付き金属板3と封止用金属板4との間及び貫通穴付き金属板3と封止用金属板5との間は、ろう付けによって被着されている。ここで、アルミニウム板材(アルミニウム母材)の合金としては、組み合わせるろう材の融点より高い融点の合金でさえあれば良く、JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N04、5005、5N01、6061、6063、6N01、等の板および鋳物材のAC1A、AC1B,AC2A、AC2B,AC3A、AC4A、AC4B,AC4C,AC5A、AC8A、AC8B,AC8C等が好ましく使用できる。但し、液体冷却板1の表裏両側の封止用金属板4,5の内の一方(ここでは符号4の封止用金属板)は、電子機器2に搭載されている発熱部品としての電子部品21(ここではCPU。以下、発熱部品をCPUと称して説明する場合がある)に当接される当接用板材であり、この封止用金属板4としては、特に熱伝導率が高いものを採用することが好ましい。
封止用金属板4,5は、平板である。図では、封止用金属板4,5は、貫通穴付き金属板3と一致するサイズの長方形板であるが、封止用金属板4,5の外形サイズとしては、貫通穴付き金属板3に重ね合わせることで、蛇行貫通穴31を塞ぐことができる大きさであれば良く、必ずしも、貫通穴付き金属板3と一致する大きさである必要は無い。
CPU21に対する当接用板材(封止用金属板4)とは逆側の封止用金属板5(他方の封止用金属板)には、丁度、冷却液体流通路8の両端の位置で該封止用金属板5を貫通して冷却液体流通路8と連通する貫通孔51が穿設されている。2つの貫通孔51の、封止用金属板5の外面側(貫通穴付き金属板3に接合される面に対して逆側)における開口部の内、一方の貫通孔51の開口部が冷却液体導入用開口部、他方の貫通孔51の開口部が冷却液体排出用開口部として機能する。
前記冷却液体導入口6及び冷却液体排出口7は、ここでは短い管を採用している。この管は、具体的には、アルミニウムあるいはその基合金からなるものであり、封止用金属板5に対してろう付けによって取り付けられて、前記貫通孔51に対して通液可能に連通させて接続されている。
冷却液体は、放熱側ヒートシンクユニット9に内蔵の循環ポンプ(図示略)によって、液循環ループ回路11を循環されるようになっており、液体冷却板1にて、CPU21から封止用金属板4等を介して伝達される熱を放熱側ヒートシンクユニット9に搬送し、放熱側ヒートシンクユニット9での熱交換によって冷却された後、再度、液体冷却板1内の冷却液体流通路8に送り込まれて、液体冷却板1を介してCPU21を冷却する。
図10中、符号91はヒートシンクであり、台板91aに多数のフィン91bを突設した構造であり、このヒートシンク91の内、少なくとも台板91aはアルミニウム製である。図10に示す放熱側ヒートシンクユニット9は、ヒートシンク91の台板91aと、アルミニウム板材92(アルミニウム母材)とを、台板91aとアルミニウム板材92との間にアルミニウム薄合わせ板材13を挿入してろう付けして一体化し、前記アルミニウム薄合わせ板材13(後述。図7参照)の厚みによって、台板91aとアルミニウム板材92との間に冷却液体流通路93を確保した構成である。台板91aとアルミニウム板材92との間隔は、アルミニウム薄合わせ板材13の芯材13aの厚さ等によって調整できる。冷却液体流通路93は、台板91aとアルミニウム板材92との間に配置されたアルミニウム薄合わせ板材13によって、蛇行した形状に形成される。この放熱側ヒートシンクユニット9によれば、アルミニウム薄合わせ板材13を用いた大気中無フラックス重ねろう付けにより、水密性の確保、低コスト化、製造容易等の、液体冷却板1の効果の他、ヒートシンクを構成する部材に直接、冷却液体流通路93が形成されていることにより放熱効率の向上、小型を実現できるといった利点もある。
なお、図10では、ヒートシンク91の台板91aに直接、アルミニウム板材92をろう付けした構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、液体冷却板1と同様に複数のアルミニウム板材をろう付けして組み立てた液体流通路ユニットをヒートシンク91の台板91aに接合した構成等も採用できることは言うまでも無い。
なお、重ね合わせ部材全体を加圧密着する程度は通常0.001MPa以上の圧力が必要である。
5層構造の薄合わせ板材13は、芯材13aと、その両側の皮材13b、13cとの間に、中間材13d,13eが設けられている構造である。中間材13d、13eは、融点が600℃以下のろう材からなり、芯材13aと両皮材13b、13cとは、中間材13d、13eより融点の高いアルミニウム合金からなり、しかも、芯材13aと皮材13b、13cと中間材13d、13eのいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加してある。
アルミニウム薄合わせ板材12、13のろう材(アルミニウム薄合わせ板材12の芯材12a、アルミニウム薄合わせ板材13の中間材13d、13e)のクラッド率は全板厚の10〜80%が良い。これら全板厚とクラッド率の下限未満では製造が難しくなったり、ろう材が不足でろう付け性が低下する。又全板厚とクラッド率の上限を超えると、不必要な厚さで経済的でなかったり、異種の低融点金属を挿入させるので異合金化の悪影響が大きくなるので好ましくない。
上記ろう材の液相線温度は通常380〜590℃になる。このろう接合した部材の凝固は温度を下げて行うとか、そのろう接温度で長時間そのまま保持をして液相拡散凝固させて行っても良い。この際、保持時間は特に制約はないが通常1〜10時間程度が好ましい。1時間未満だと拡散が十分でなく10時間以上では拡散が十分でありそれ以上の加熱は無意味である。
但し、冷却液体導入口6並びに冷却液体排出口7の封止用金属板4に対する接合は、前述のろう付けに限定されず、例えば溶接等も採用できる。
図8、図9に示す液体冷却板14は、流路加工板15として、一方の面に凹溝15aが形成されている凹溝付き金属板を採用した例である。この液体冷却板14は、流路加工板15と、封止用金属板16と、冷却液体導入口6と、冷却液体排出口7とを一体化したものであり、流路加工板15及び封止用金属板16からなる金属板積層体に、冷却液体導入口6及び冷却液体排出口7が一体化された構造になっている。なお、ここで、「凹溝」とは、前述したように、金属板(流路加工板)の一部を削除したような形状に形成された溝条のことである。
封止用金属板16は、流路加工板15の前記凹溝15aが形成されている面15bに被着されており、前記凹溝15aが冷却液体流通路を形成している。流路加工板15及び封止用金属板16の材質は、前述した液体冷却板1の流路加工板3及び封止用金属板3、4と同様であり、また、流路加工板15と封止用金属板16との間は、流路加工板3と封止用金属板3、4との間と同様のろう付けによって接合されている。図9に示すように、流路加工板15と封止用金属板16との間のろう付け部位には、アルミニウム薄合わせ板材12が、流路加工板15と封止用金属板16との間に挟み込まれるようにして配置されている。
例えば、液体冷却板を構成するアルミニウム板材の形状は、長方形板状に限定されず、様々な形状を採用できる。また、アルミニウム板材は、外面側の凹凸によって表面積を増大して、放熱性を高めたもの等も採用可能である。
図2、図8では、蛇行貫通穴及び凹溝を、いずれもU字状に形成した例を示したが、蛇行貫通穴や凹溝の形状は、これに限定されず、適宜変更可能であることは言うまでも無い。前記凹溝並びに前記蛇行貫通穴の全体が、前記流路加工板の外周面よりも内側に形成されている構成であれば、凹溝又は蛇行貫通穴の周囲で、液体冷却板を構成するアルミニウム板材同士がろう付けされて封止されることで、冷却液流路の水密性を容易かつ確実に確保できる点で有利である。
Claims (2)
- 複数のアルミニウム板材が大気中無フラックス重ねろう付けされた金属板積層体であって、この金属板積層体内には、該金属板積層体内層の少なくとも一枚の前記アルミニウム板材の片面に形成された凹溝又は板厚方向に貫通された貫通穴によって前記アルミニウム板材の板面方向に蛇行延設された冷却液体流通路が形成されており、
前記冷却液体流通路の一端及び他端は、それぞれ、金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)に穿設された貫通孔(51)の該アルミニウム板材の外面側における開口部である冷却液体導入用開口部及び冷却液体排出用開口部に接続され、
金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)には、アルミニウムあるいはその基合金からなる管である冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)が、その断面角形の継ぎ口(6’、7’)に穿設されている穴(6a、7a)を、該アルミニウム板材(5)の前記貫通孔(51、51)と合致させて、それぞれ、前記継ぎ口を大気中無フラックス重ねろう付けによりろう付けして接合されており、
前記アルミニウム板材同士の大気中無フラックス重ねろう付けが、前記金属板積層体を構成する複数のアルミニウム板材の重ね合わせ界面に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付け、冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)のアルミニウム板材に対する大気中無フラックス重ねろう付けが、冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)の前記継ぎ口と金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)との間に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けであって、
前記アルミニウム薄合わせ板材が、融点600℃以下のろう材からなる芯材と、前記芯材より融点の高いアルミニウム合金からなる皮材とによって構成され、かつ前記芯材及び皮材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる3層構造のもの、あるいは、芯材と、その両側の皮材との間に、融点が600℃以下のろう材からなる中間材が設けられており、芯材と両皮材とは、中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、しかも、芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる5層構造のものであり、
冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)、重ね合わせ板材全体を加圧密着した状態で、大気中にて、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない温度範囲に加熱して一括して重ねろう付けしてなるものである
ことを特徴とする電子機器部品の液体冷却板。 - アルミニウム又はその基合金からなるアルミニウム板材を大気中無フラックス重ねろう付けにより複数接合することで、前記アルミニウム板材の内の一つに形成されている凹溝又は前記アルミニウム板材の板厚方向に貫通されている貫通穴によって構成される冷却液体流通路を内蔵する金属板積層体を組み立てるとともに、
金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)に、アルミニウムあるいはその基合金からなる管である冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)を、その断面角形の継ぎ口(6’、7’)に穿設されている穴(6a、7a)を、前記金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)に穿設された貫通孔(51)の該アルミニウム板材の外面側における開口部である冷却液体導入用開口部及び冷却液体排出用開口部と合致させて、それぞれ、前記継ぎ口を大気中無フラックス重ねろう付けによりろう付けして接合して、液体冷却板を組み立てる液体冷却板の製造方法であり、
前記アルミニウム板材同士の大気中無フラックス重ねろう付けが、前記金属板積層体を構成する複数のアルミニウム板材の重ね合わせ界面に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付け、冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)のアルミニウム板材に対する大気中無フラックス重ねろう付けが、冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)の前記継ぎ口と金属板積層体の片面側のアルミニウム板材(5)との間に、予めアルミニウム薄合わせ板材を挿入して行うアルミニウムの重ねろう付けであって、
前記アルミニウム薄合わせ板材が、融点600℃以下のろう材からなる芯材と、前記芯材より融点の高いアルミニウム合金からなる皮材とによって構成され、かつ前記芯材及び皮材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる3層構造のもの、あるいは、芯材と、その両側の皮材との間に、融点が600℃以下のろう材からなる中間材が設けられており、芯材と両皮材とは、中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、しかも、芯材と皮材と中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加してなる5層構造のものであり、
冷却液体導入口(6)及び冷却液体排出口(7)、重ね合わせ板材全体を加圧密着した状態で、大気中にて、ろう材の液相線温度以上でかつろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない温度範囲に加熱して一括して重ねろう付けする
ことを特徴とする液体冷却板の製造方法。
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