JP4242711B2 - 低圧放電ランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低圧放電ランプ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
管状ガラスランプ容器の外表面に電極を備える、いわゆる誘電体バリア放電型低圧放電ランプ(EEFL)として、例えば実開昭61−126559号公報に記載されたものが知られていている。この従来の低圧放電ランプの構成は、図9に示すようなものである。
【0003】
図9において、19は低圧放電ランプ、10は両端が封止された管状ガラスランプ容器である。この管状ガラスランプ容器10の内部には、希ガスもしくは水銀と希ガスの混合ガス等のイオン化可能な充填剤60が封入されている。管状ガラスランプ容器10の内壁面には、必要に応じて蛍光体層70等が形成されている。管状ガラスランプ容器10の両端部外面には、外部電極22,27が配設されている。
【0004】
外部電極22,27は、例えばアルミ箔および導電性粘着剤から成る電流導体層としての金属テープ32,37、および低圧放電ランプ19ヘの給電金具として金属テープ32,37に接続されるコイル状リード線51,56から成る。なお、コイル状リード線51,56は自身のバネ性によって金属テープ32,37に当接している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の低圧放電ランプ19では、管状ガラスランプ容器10内に電極が配置されていないために電極の消耗が起こらず、寿命が長いという特徴がある。しかし、管状ガラスランプ容器10の直径は3mm程度であって非常に細く、これに金属テープ32,37を機械にて貼り付ける場合、精密な寸法精度で貼り付けるための複雑な機械が必要になり、量産には困難が伴った。
【0006】
本願発明者らは、この問題点を解決するために、一般的な素材であるスズと鉛を主成分とする半田メッキで外部電極22,27を形成することを試みた。そのため、管状ガラスランプ容器10の管端部をスズと鉛を主成分とする半田の溶融半田槽にディッピングすることで半田メッキ層を形成した。この方法で作成した低圧放電ランプ110を図10に示してある。
【0007】
図10の低圧放電ランプ110において、33,38は、管状ガラスランプ容器10の端部を溶融半田槽にディッピングして形成した半田ディッピング層を示している。この図10に示すように、溶融半田槽に管状ガラスランプ容器10をディッピングする方法では、容器の表面に半田ディッピング層を一様に形成することができず、管状ガラスランプ容器10の表面が露出してしまう部分が発生した。このような低圧放電ランプ110を長時間点灯すると、半田ディッピング層33,38の一部に電流が過度に集中し、管状ガラスランプ容器10の管端の一部が過熱して穴が空き、ランプ110が不点灯に到るという問題点が発生した。
【0008】
本発明は、このような技術的課題を解決すべく発明されたもので、管状ガラスランプ容器の両端部に外部電極として一様な半田ディッピング層を有し、その製造において低価格にして大量生産が可能な製造方法を採用できる低圧放電ランプを提供することを目的とする。
【0009】
本発明はまた、管状ガラスランプ容器の両端部に外部電極として一様な半田ディッピング層を形成でき、高性能な低圧放電ランプを低価格で大量生産できる低圧放電ランプの製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、そのランプ管両端部の外面それぞれに外面電極として電流導体層が形成された管状ガラスランプ容器を備えて成る低圧放電ランプであって、前記管状ガラスランプ容器のランプ両管端面それぞれは、外側に凸となる曲面形をしており、前記電流導体層は、半田ディッピングにより形成された半田ディッピング層であり、当該半田ディッピング層は、スズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田材であることを特徴とするものである。
【0024】
請求項の発明の低圧放電ランプでは、ガラス管に馴染みの良いスズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田ディッピング層を電流導体層として備えたことで、外面電極をなす電流導体層が管状ガラスランプ容器の表面に均一に良く密着し、高性能な低圧放電ランプとなる。しかも、電流導体層の形成に半田ディッピング法を採用することによって低圧放電ランプの大量生産化が可能で、低価格化が図れる。
【0025】
請求項の発明は、請求項の低圧放電ランプにおいて、前記半田ディッピング層は、アンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含むことを特徴とするものであり、管状ガラスランプ容器の表面と電流導体層との馴染みが良く、電流導体層が剥がれ難く、放電特性が安定し、また長寿命となる。
【0026】
請求項の発明は、請求項1又は2の低圧放電ランプにおいて、前記半田は鉛成分を含まないことを特徴とするものであり、低圧放電ランプの製造において環境への悪影響が避けられる。
【0027】
請求項の発明は、請求項1〜3の低圧放電ランプにおいて、前記管状ガラスランプ容器の前記電流導体層を形成すべき部位にブラスト処理面を形成し、当該ブラスト処理面に前記半田ディッピング層を形成して前記電流導体層としたものであり、電流導体層とガラス管との密着性をより強固にし、電流導体層をより剥がれ難くすることがきる。
【0028】
請求項5の発明の低圧放電ランプの製造方法は、スズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田材が溶融する溶融半田槽に、そのランプ管両端面それぞれが外側に凸となる曲面形をした管状ガラスランプ容器のランプ管両端部それぞれをディッピングし、外部電極をなす電流導体層を形成することを特徴とするものである。
【0029】
請求項の発明の低圧放電ランプの製造方法では、ガラス管に馴染みの良いスズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田材の溶融半田槽に管状ガラスランプ容器の端部をディッピングすることで、外面電極をなす電流導体層として管状ガラスランプ容器の表面に均一の密着性のよい半田ディッピング層を形成することができ、高性能な低圧放電ランプを製造することができ、しかも、電流導体層の形成に半田ディッピング法を採用することによって大量生産化が可能で、低圧放電ランプの低価格化が図れる。
【0030】
請求項の発明は、請求項の低圧放電ランプの製造方法において、前記管状ガラスランプ容器のランプ端部の外周面にブラスト処理を施した後、当該ランプ端部を前記溶融半田槽にディッピングすることを特徴とするものであり、電流導体層とガラス管との密着性をより強固にし、電流導体層がより剥がれ難くなった低圧放電ランプを製造することがきる。
【0031】
請求項の発明は、請求項5又は6の低圧放電ランプの製造方法において、前記半田はアンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含むことを特徴とするものであり、管状ガラスランプ容器の表面と電流導体層との馴染みを良くし、電流導体層を剥がれ難くし、放電特性が安定し、また長寿命な低圧放電ランプが製造できる。
【0032】
請求項の発明は、請求項5〜7の低圧放電ランプの製造方法において、前記半田は鉛成分を含まないことを特徴とするものであり、低圧放電ランプの製造において環境への悪影響が避けられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の第1の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ11の構成を示している。図1において、管状ガラスランプ容器10の両端部外表面には、超音波半田ディッピング層31,36が外部電極21,26それぞれの電流導体層として形成されている。
【0034】
この超音波半田ディッピング層31,36は、超音波半田槽に管状ガラスランプ容器10の管端部をディッピングする方法を用いることで形成したものである。このように、超音波半田槽に管端部をディッピングすることによって、管状ガラスランプ容器10の管端部に超音波半田ディッピング層31,36を、ランプ表面が露出することのない一様な厚みに形成することができる。
【0035】
超音波半田ディッピングは、溶融半田槽の内部に超音波振動子を設置し、溶融半田に超音波振動を付与しつつメッキを行う方法である。本実施の形態において、半田材料としてはスズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを用い、超音波振動子を20kHzで振動させた状態で管状ガラスランプ容器10の端部を約230℃の溶融半田槽内に約30秒間浸漬した。また超音波半田槽としては、黒田テクノ株式会社製のKDB−100を用いた。このようにして形成される超音波半田ディッピング層31,36を例示すれば、厚みは5μm、管軸方向の長さは20mmである。
【0036】
このように、管状ガラスランプ容器10の外部電極21,26の電流導体層として超音波半田ディッピング層31,36を形成する方法を採用することにより、低価格にして高性能な低圧放電ランプ11の大量生産が可能となる。
【0037】
なお、超音波半田ディッピング層31,36を形成する半田材料としては、主成分としてスズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを選択することにより、粘り強く強固な超音波半田ディッピング層を形成することができる。
【0038】
また、超音波半田ディッピング層31,36を形成する半田材料に、アンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加して用いることにより、管状ガラスランプ容器10の表面と超音波半田ディッピング層との馴染みを良くし、剥がれ難い超音波半田ディッピング層31,36を形成することができる。
【0039】
さらに、超音波半田ディッピング層31,36を形成する半田材料として、鉛を含まない材料を採用することにより、環境に配慮した誘電体バリア放電型低圧放電ランプを作製することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ12について、図2を用いて説明する。第2の実施の形態の低圧放電ランプ12は、図1に示した第1の実施の形態と同様に管状ガラスランプ容器10の両端部外表面に超音波半田ディッピング層31,36を外部電極21,26それぞれの電流導体層として形成し、なおかつ、管状ガラスランプ容器10の内部の蛍光体層70の上及び外部電極21,26の内側のガラス表面に酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛などの金属酸化物層71を形成したものである。
【0041】
このような構成の第2の実施の形態の低圧放電ランプ12では、第1の実施の形態の低圧放電ランプ11と同様、超音波半田ディッピング層31,36を形成する方法を採用することにより、低価格にして高性能な低圧放電ランプ11の大量生産が可能となることに加えて、容器10の内部の蛍光体層70への水銀吸着による水銀消耗を抑えると共に水銀のガラスへの浸入による水銀消耗を防止することができ、長寿命化が図れる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ13について、図3を用いて説明する。第3の実施の形態の低圧放電ランプ13は、図1に示した第1の実施の形態と同様に管状ガラスランプ容器10の両端部外表面に超音波半田ディッピング層31,36を外部電極21,26それぞれの電流導体層として形成し、なおかつ、管状ガラスランプ容器10の内周面と蛍光体層70との間及び外部電極21,26の内側のガラス表面に酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛などの金属酸化物層72を形成したものである。
【0043】
このような構成の第3の実施の形態の低圧放電ランプ13では、第1の実施の形態の低圧放電ランプ11と同様、超音波半田ディッピング層31,36を形成する方法を採用することにより、低価格にして高性能な低圧放電ランプ11の大量生産が可能となることに加えて、管状カラスランプ容器10のガラス面への水銀の浸入による水銀消耗を防止することができ、長寿命化が図れる。
【0044】
次に、本発明の第4の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ14についてい、図4を用いて説明する。図4に示す誘電体バリア放電型低圧放電ランプ14は、図1に示した放電ランプ11と一部を除いて同じ構成である。したがって、同一の部分には同一の符号付し、以下の説明においては第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。この実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ14では、管状ガラスランプ容器10の両端部外表面がブラスト処理されて粗面にされており、このブラスト処理面41,46に超音波半田ディッピング層31,36が形成されている。このブラスト処理は、例えば、管状ガラスランプ容器10をその管軸の周りに回転させ、アルミナ研磨剤を吹き付けることにより行う。このブラスト処理はフッ酸等による化学的なエッチングにより行うこともできる。このようにブラスト処理が施された管状ガラスランプ容器10の両端部は、第1の実施の形態と同様の条件で超音波半田槽にディッピングされ、超音波半田ディッピング層31,36が形成される。
【0045】
このようにガラス容器10の表面にブラスト処理面41,46を設けておくことで、超音波半田ディッピング層31,36と管状ガラスランプ容器10のガラス表面との接触面積が広くなり、外面電極をなす電流導体層としての超音波半田ディッピング層31,36がランプ容器10の表面とより強固に密着し、いっそう剥がれ難くなる。
【0046】
次に、本発明の第5の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ15について、図5を用いて説明する。第5の実施の形態の低圧放電ランプ15は、図4に示した第4の実施の形態と同様に管状ガラスランプ容器10の両端部外表面にブラスト処理を施し、そのブラスト処理面41,46に超音波半田ディッピング層31,36を外部電極21,26それぞれの電流導体層として形成し、なおかつ、図2に示した第2の実施の形態と同様に管状ガラスランプ容器10の内部の蛍光体層70の上及び外部電極21,26の内側のガラス表面に酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛などの金属酸化物層71を形成したものである。
【0047】
このような構成の第5の実施の形態の低圧放電ランプ15では、第2の実施の形態の低圧放電ランプ12の作用、効果と共に第4の実施の形態の低圧放電ランプ14の作用、効果を奏することができる。
【0048】
次に、本発明の第6の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ16について、図6を用いて説明する。第6の実施の形態の低圧放電ランプ16は、図4に示した第4の実施の形態と同様に管状ガラスランプ容器10の両端部外表面をブラスト処理し、そのブラスト処理面41,46に超音波半田ディッピング層31,36を外部電極21,26それぞれの電流導体層として形成し、なおかつ、図3に示した第3の実施の形態と同様にガラスランプ容器10の内周面と蛍光体層70との間、そして外部電極21,26の内側のガラス表面に酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛などの金属酸化物層72を形成したものである。
【0049】
このような構成の第6の実施の形態の低圧放電ランプ16では、第3の実施の形態の低圧放電ランプ13の作用、効果と第4の実施の形態の低圧放電ランプ15の作用、効果を共に奏することができる。
【0050】
次に、本発明の第7の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ17について、図7を用いて説明する。本実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ17では、管状ガラスランプ容器10はホウ珪酸ガラスで形成され、その寸法を例示すれば、外径2.6mm、内径2.0mm、全長350mmのものである。この管状ガラスランプ容器10内には、封入ガスとしてネオンとアルゴンの混合ガス(組成比:ネオン/アルゴン=90モル%/10モル%)が封入圧60Torrで封入されている。また、管状ガラスランプ容器10内には3mgの水銀も封入されている。
【0051】
管状ガラスランプ容器10の両端部外表面には、半田ディッピング層30,35がそれぞれ外部電極21,26の電流導体層として形成されている。管状ガラスランプ容器10の内周面には、外部電極21,26が設けられている部分を除く部分に三波長蛍光体から成る蛍光体層70が形成されている。この蛍光体層70の厚さを例示すれば、20μmである。
【0052】
半田ディッピング層30,35は、スズ+亜鉛+アルミニウム+アンチモンが溶融された約350℃の半田槽に管状ガラスランプ容器10の端部を約30秒間ディッピングすることにより形成されたものである。形成された半田ディッピング層30,35の寸法について例示すれば、厚さは5μm、配設部の長さは20mmである。半田ディッピング層30,35の形成された管状ガラスランプ容器10の両端部にはその弾性力によって半田ディッピング層30,35に接触するコイル状リード線51,56が設けられている。
【0053】
本願発明者らは、外部電極21,26をなす電流導体層として半田ディッピング層30,35を形成する半田材料として、種々のものを検討した結果、スズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを用いることにより、管状ガラスランプ容器10の表面に均一で密着性の良いメッキ層が形成できることを確認した。また、これらの半田材料に、アンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含むことにより、管状ガラスランプ容器10の表面と半田ディッピング層30,35との馴染みが良く、半田ディッピング層30,35が剥がれ難く、電流導体層として安定な放電特性を提供できることも確認した。
【0054】
すなわち、スズにアンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含む半田材は良好な密着性を示した。また、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のそれぞれに対して、アンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含む半田材料は、上記と同様に良好な密着性を示すと共に、半田材料の融点温度を下げることができるので半田ディッピングを容易にする。また、スズ+亜鉛+アンチモンにアルミニウムを加えると、表面酸化が進み難い半田電極を形成できるため、安定した導電性の電極を形成できる。
【0055】
本実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ17は、図9に示した従来の金属テープ32,37を用いた外部電極22,27を有する誘電体バリア放電型低圧放電ランプ19と比較して、電極部の電圧降下がほとんどないため、ランプ電圧を低くできる。例えば、ランプ電流4mA、点灯周波数45kHzにおけるランプ電圧は、従来のランプ17では1940Vrmsであったが、本実施の形態のランプ15では1790Vrmsであった。
【0056】
従来の技術の欄で図10の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ110と関連して述べたように、管状ガラスランプ容器10の端部外表面に半田ディッピング層を形成するのに、その半田材料として従来一般的に用いてられてきたスズと銅の合金を溶融した溶融半田槽にディッピングして半田メッキ層33,38を形成する方法では、管状ガラスランプ容器10の表面に均一、一様な半田ディッピング層を形成することができず、ガラス容器10の表面が露出する部分が発生することが判明した。なお、半田材料にスズと銅と銀の合金から成るものを用いても同様な結果であった。このような誘電体バリア放電型低圧放電ランプ110では、長時間点灯するとランプ容器10に穴があき、不点灯に到るという問題点が発生することがある。
【0057】
これに対して、本実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ17の場合、同じような半田ディッピングにより電流導体層を形成するのであるが、上述したように管状ガラスランプ容器10の表面に形成される半田ディッピング層30,35は一様な厚さで密着性も良いため下地のランプ容器10の表面が露出する問題が回避できるのである。
【0058】
次に、本発明の第8の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ18について、図8を用いて説明する。本実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ18は、図7に示した放電ランプ17と一部を除いて同じ構成である。したがって、同一の部分には同一の符号付し、以下の説明においては第7の実施の形態と異なる点を中心に説明する。この実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ18では、管状ガラスランプ容器10の両端部外表面がブラスト処理されて粗面にされており、このブラスト処理面41,46に半田ディッピング層30,35が形成されている。このブラスト処理は、例えば、管状ガラスランプ容器10をその管軸の周りに回転させ、アルミナ研磨剤を吹き付けることにより行う。このブラスト処理はフッ酸等による化学的なエッチングにより行うこともできる。このようにブラスト処理が施された管状ガラスランプ容器10の両端部は、第7の実施の形態と同様の条件で溶融半田槽にディッピングされ、半田ディッピング層30,35が形成される。
【0059】
このようにガラス容器10の表面にブラスト処理面41,46を設けておくことで、半田ディッピング層30,35と管状ガラスランプ容器10のガラス表面との接触面積が広くなり、外面電極21,26をなす電流導体層としての半田ディッピング層30,35がランプ容器10の表面とより強固に密着し、いっそう剥がれ難くなる。
【0060】
なお、上記第7の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ17のように、管状ガラスランプ容器10の端部外表面に所定の組成の半田材料を用いた半田ディッピング層30,35を外面電極21,26として形成する技術は、第1の実施の形態に対する第2、第3の実施の形態と同様に、管状ガラスランプ容器10の内周面に金属酸化物層71,72を形成したものに対しても同様に適用できる。
【0061】
また、第8の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプ18のように、ブラスト処理を管状ガラスランプ容器10の端部外表面に施しておいて、そのブラスト処理面41,46に半田ディッピング層30,35を形成する技術は、図第4の実施の形態に対する第5、第6の実施の形態と同様に、管状ガラスランプ容器10の内周面に金属酸化物層71,72を形成したものに対しても同様に適用できる。
【0062】
さらに、上記の各実施の形態では半田ディッピング層30,35あるいは超音波半田ディッピング層31,36が形成された管状ガラスランプ容器10の両端部にはコイル状リード線51,56を設けたが、これらについては半田ディッピング層に接触可能な導体であれば必ずしもコイル状リード線でなくてもよい。
【0063】
【実施例】
本発明の誘電体バリア放電型低圧放電ランプによる超音波半田ディッピング層の管状ガラスランプ容器表面との密着性あるいは剥がれ難さを検証するために、本発明者らは通常の半田材料を用いた半田ディッピング層を比較例として形成し、これらと上記第1及び第4の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプにおける超音波半田ディッピング層との比較実験を行った。
【0064】
[実施例1]
<管状ガラスランプ容器>
材質:ホウ珪酸ガラス。
【0065】
寸法:外径2.6mm、内径2.mm、全長350mm。
【0066】
ブラスト処理なし。
【0067】
<半田ディッピング方法>
超音波半田槽にディッピング。
【0068】
<超音波半田ディッピング層の材料>
スズ+インジウム+亜鉛+アルミニウム+アンチモン。
【0069】
厚み0.05mm、配設部の長さ20mm。
【0070】
<蛍光体層>
材質:三波長蛍光体。
【0071】
厚み:20μm。
【0072】
<封入物>
封入ガス:ネオンとアルゴンの混合ガス(組成比:ネオン/アルゴン=90モル%/10モル%)。封入圧:60Torr。
【0073】
水銀:封入量3mg。
【0074】
[実施例2]
実施例1とほぼ同様であるが、管状ガラスランプ容器の所定の部分にブラスト処理を施し、その部分に超音波半田ディッピング層を形成した。
【0075】
[比較例1]
実施例1と同じ管状ガラスランプ容器の端部を、半田材料としてスズと銅の合金を溶融させた溶融半田槽にディッピングして半田ディッピング層を形成した。管状ガラスランプ容器の端部にはブラスト処理はしていない。
【0076】
[比較例2]
比較例1と同様であるが、管状ガラスランプ容器の端部にはブラスト処理を施し、その部分に半田ディッピング層を形成した。
【0077】
上記実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の誘電体バリア放電型低圧放電ランプに対して、それらの半田ディッピング層に1mm間隔に格子状の傷を付け、ヒートサイクル試験を行い、その後、セロハンテープを用いて剥がれ試験を行った。この試験結果を、表1に示してある。なお、ヒートサイクルは、80℃の環境に0.5時間置き、次に30℃の環境に0.5時間置くことを1サイクルとした。
【0078】
【表1】
Figure 0004242711
このヒートサイクル試験の結果から、本発明の実施例による超音波半田ディッピング層の外部電極は、半田材料として従来一般的なスズと銅の合金あるいはスズと銅と銀の合金を用いた通常の半田ディッピングによる外部電極よりもヒートサイクル試験に強いことが確認できた。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、管状ガラスランプ容器の外部電極として一様にしてムラのない金属めっき層から成る電流導体層を形成することができる。また、ブラスト処理の施された管状ガラスランプ容器の端部を半田槽あるいは超音波半田槽にディッピングすることにより管状ガラスランプ容器から極めて剥がれ難い電流導体層を形成することができる。したがって、低消費電力で安定した放電特性を有する高性能な低圧放電ランプが得られる。加えて、半田ディッピングあるいは超音波半田ディッピングという比較的容易な技術で製造することができるので、高性能にして均質な品質の製品を大量生産することができ、低圧放電ランプの低価格化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図8】本発明の第8の実施の形態の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図9】従来例の誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【図10】本願発明者らが試験的に製造した一般的な組成の半田材料を用いた溶融半田ディッピング法により作製した誘電体バリア放電型低圧放電ランプの軸方向断面図。
【符号の説明】
10:管状ガラスランプ容器、
11〜18:低圧放電ランプ、
21,22,23,26,27,28:外部電極、
30,35:半田ディッピング層、
31,36:超音波半田ディッピング層、
41,46:ブラスト処理面
51,56:コイル状リード線、
60:充填材、
70:蛍光体層
71,72:金属酸化物層

Claims (8)

  1. そのランプ管両端部の外周それぞれに外部電極として電流導体層が形成された管状ガラスランプ容器を備えた低圧放電ランプであって、
    前記管状ガラスランプ容器のランプ管両端面それぞれは、外側に凸となる曲面形をしており、
    前記電流導体層は、半田ディッピングにより形成された半田ディッピング層であり、
    当該半田ディッピング層は、スズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田材であることを特徴とする低圧放電ランプ。
  2. 前記半田ディッピング層は、アンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含むことを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
  3. 前記半田ディッピング層は、鉛成分を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載の低圧放電ランプ。
  4. 前記管状ガラスランプ容器の前記電流導体層を形成すべき部位にブラスト処理面を形成し、当該ブラスト処理面に前記半田ディッピングにより前記電流導体層を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低圧放電ランプ。
  5. スズ、スズとインジウムとの合金、若しくはスズとビスマスとの合金のいずれかを主成分とする半田材が溶融する溶融半田槽に、そのランプ管両端面それぞれが外側に凸となる曲面形をした管状ガラスランプ容器のランプ管両端部それぞれをディッピングし、外部電極をなす電流導体層を形成することを特徴とする低圧放電ランプの製造方法。
  6. 前記管状ガラスランプ容器のランプ端部の外周面にブラスト処理を施した後、当該ランプ端部を前記溶融半田槽にディッピングすることを特徴とする請求項5に記載の低圧放電ランプの製造方法。
  7. 前記半田材はアンチモン、亜鉛、アルミニウムの少なくとも1種類を添加剤として含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の低圧放電ランプの製造方法。
  8. 前記半田材は鉛成分を含まないことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の低圧放電ランプの製造方法。
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