JP4241957B2 - 二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法及び装置 - Google Patents

二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法及び装置に係り、より詳しくは、例えばイソシアネート化合物とポリオールとを噴射混合して得た二液型発泡性ウレタン組成物を、車体の閉断面部(すなわち、車体の閉空間部)などに効率的に充填するための充填方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、自動車の衝突安全の向上が益々望まれている。乗員を衝突から保護するためには、衝突エネルギーを吸収するために車体の前後にクラッシャブル・ゾーンを設けなければならないと共に、乗員の生存空間を確保するために乗員が居るキャビンには強固なセーフティセルを構築しなければならない。
【0003】
しかしながら、キャビンの強度を高めるために、各ピラーやシャシーフレーム等の肉厚をより厚くすると、車体の重量が増し燃費が悪くなるという問題が生じる。
【0004】
そこで、本願出願人は、ピラーやシャシーフレームなどの車体の一部の閉断面部内に二液型発泡性ウレタン組成物を充填して車体の強度を高める構造や方法を出願している(特願平9−79759、特願平9−188226など)。
【0005】
また、一般に、自動車の生産工程は、分業とベルトコンベヤーの採用による移動組立法により大量生産を行っているので、このような大量生産に適するように、生産ライン上を流れる車体の閉断面部をマニピュレータにより自動的に発泡材料で充填する方法及び装置を出願している(特願平9−292127号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二液型発泡性ウレタン組成物を車体の閉断面部内等に充填する方法及び装置は、吐出する発泡材料の定量性に難点があるという課題があった。そこで、この充填装置を移動可能な設備である現場発泡型のスプレー装置として構成した場合、定量性を確保するためには工場で規程量をきっちり充填しなければならない。しかし、この方法では、設備の耐久性やメンテナンス頻度の点で不適当である。
【0007】
また、生産ライン上を流れる車体の閉断面部にマニピュレータにより自動的に充填する装置では、大量生産に適した大型の設備となるため、機動性に欠けるという問題点があった。このため、車体の閉断面部の充填部位にマニュピレータが入り込めないような狭い場所への充填が困難であり、自動化に課題がある。
【0008】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、小型で定量性があり機動性、信頼性の高い、二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置及びその充填方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出する気体送出手段と、前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第1の定流量手段と、前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第2の定流量手段と、前記第1及び第2の定流量手段により各々吐出された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段と、油圧駆動手段と、を備え、前記混合吐出手段が、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となる、手動操作可能な装置単体として構成され、前記第1及び第2の定流量手段は、ピストンがシリンダー内を往復移動することに応じて、前記第1及び第2のタンクの流出口から吐出された前記第1及び第2の原料を、一定量、各々吸入する吸入工程と、シリンダー内に吸入された前記第1及び第2の原料を各々すべて吐出する吐出工程とを繰り返し行うシリンダーポンプからそれぞれ構成され、前記油圧駆動手段は、前記混合吐出手段による二液型発泡性ウレタン組成物の噴射混合及び混合吐出を油圧により駆動制御すると共に前記シリンダーポンプのピストンの往復移動を油圧により駆動制御することを特徴とする。
【0010】
ここで、二液型発泡性ウレタン組成物とは、常温下で発泡硬化しうるものであれば特にその種類に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的には、ポリオール主剤[多価アルコール、ビスフェノール類、各種アミンなどの活性水素含有化合物に、アルキレンオキシドを付加反応させて得られるポリエーテルポリオールが好ましい]と、ポリイソシアネート硬化剤[芳香族ポリイソシアネート、脂肪族または脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの各種変性物、ポリオール類と過剰量のポリイソシアネート化合物との反応で得られる末端NCO基含有ウレタンプレポリマーなど]の二液型から成り、かつ該主剤側に発泡剤として水を配合し、さらに必要に応じて反応触媒、整泡剤、着色剤、可塑剤、充填剤、難燃剤、老化防止剤、抗酸化剤などを加えた系で構成されるものが例示される。特に発泡硬化物が硬質となるように設計することが好ましい。
【0011】
請求項1の発明では、気体送出手段により送出された気体の圧力により、第1及び第2のタンクに各々貯留されている第1及び第2の原料を圧送するので、装置を簡素化、小型化することができる。さらに、圧送された第1及び第2の原料を、それぞれ第1及び第2の定流量手段で一定流量の流れに変換し、混合吐出手段に供給するので、一定流量の二液型発泡性ウレタン組成物が吐出される。これにより、定量性、信頼性、機動性の高い充填装置を提供することができる。また、装置に定量性をもたせることにより、混合物を規定量を入れるのが容易となる。
【0012】
さらに請求項1の発明によれば、1つの油圧駆動手段を用いて、混合吐出手段の噴射混合及び混合吐出と、シリンダーポンプのピストンの往復運動と、を駆動させるようにしたので、さらに装置を小型化することができる。また、混合吐出手段が、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となる、手動操作可能な装置単体として構成されているため、機動性を向上させることができる。また、混合吐出手段の寸法を、上記のように小型に設定したため、所定サイズの注入口を有する車体閉断面部への二液型発泡性ウレタン組成物の充填を、きわめて容易に行うことができる。
【0013】
ここで、噴射混合とは、第1及び第2の原料をそれぞれ噴射させて混合させる動作をいい、混合吐出とは、そのように混合された混合物を吐出する動作をいう。
【0014】
請求項2の発明は、二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出する気体送出手段と、前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第1の定流量手段と、前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第2の定流量手段と、前記第1及び第2の定流量手段により各々吐出された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段と、油圧駆動手段と、を備え、前記混合吐出手段が、手動操作可能な装置単体として構成され、前記第1及び第2の定流量手段は、ピストンがシリンダー内を往復移動することに応じて、前記第1及び第2のタンクの流出口から吐出された前記第1及び第2の原料を、一定量、各々吸入する吸入工程と、シリンダー内に吸入された前記第1及び第2の原料を各々すべて吐出する吐出工程とを繰り返し行うシリンダーポンプからそれぞれ構成され、前記油圧駆動手段は、前記混合吐出手段による二液型発泡性ウレタン組成物の噴射混合及び混合吐出を油圧により駆動制御すると共に前記シリンダーポンプのピストンの往復移動を油圧により駆動制御し、
前記気体送出手段は、少なくとも膜透過速度の速い水分子及び酸素分子を膜外部へ排出し、膜透過速度の遅い窒素分子を透過させる膜モジュールを有し、前記膜モジュールに圧縮 空気が供給されたときに該膜モジュールを透過した窒素ガスを送出する窒素発生装置であることを特徴とする
【0015】
請求項2の発明では、窒素発生装置を用いて水分子が除去された窒素ガスを第1及び第2のタンクに送出することにより、貯留されている第1及び第2の原料を圧送するので、第1及び第2の原料に、水分子が混入することがなくなり、タンク内及び配管中での原料の硬化ないし固化が起こることがなく、更に発泡倍率の変化を抑制し、信頼性の高い二液型発泡性ウレタン組成物を混合形成することができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1の前記気体送出手段が、少なくとも膜透過速度の速い水分子及び酸素分子を膜外部へ排出し、膜透過速度の遅い窒素分子を透過させる膜モジュールを有し、前記膜モジュールに圧縮空気が供給されたときに該膜モジュールを透過した窒素ガスを送出する窒素発生装置であることを特徴とする。
【0017】
好ましい態様の前記油圧駆動手段は、オイルを貯蔵するオイルタンクと、油圧駆動される装置に油圧を提供するために前記オイルタンクから延設された油圧配管と、前記油圧配管内のオイルを循環させる油圧ポンプと、前記油圧ポンプの流量を制御するポンプ制御手段と、前記油圧駆動される装置に供給される油圧配管内の油圧が一定圧力以上のときに、該油圧配管内の一部のオイルが前記オイルタンクに戻るように全開するリリーフ弁と、を有する。
【0018】
ここで、油圧駆動される装置として、前記混合吐出手段や前記シリンダーポンプがある。なお、シリンダーポンプを油圧駆動する場合、他の油圧シリンダーを油圧駆動することにより、該シリンダーの駆動力を前記シリンダーポンプに伝達するようにしてもよい。
【0019】
上記好ましい態様では、油圧ポンプが、オイルタンクに貯蔵されたオイルを油圧配管を通して、ポンプ制御手段により制御される流量で循環させることにより、前記混合吐出手段や前記シリンダーポンプなどの装置に油圧を供給して駆動させる。油圧駆動中に、前記油圧駆動される装置に供給される油圧配管内の油圧が一定圧力以上となったとき、リリーフ弁は、該油圧配管内の一部のオイルがオイルタンクに戻るように全開する。これにより、油圧駆動される装置の圧力が一定以上に増加しないように保持することができる。
【0020】
従来では、圧力損失の大きいところで、バネ式のリリーフ弁を開けてオイルをリリーフしていたため、圧力損失が生じ、発熱が大きかった。その上さらに、従来では、油圧ポンプにより供給する油圧をこのリリーフ弁を調整することにより制御していたため、大半のオイルがリリーフ弁を通してリリーフされ、さらに発熱が大きくなるという問題があった。しかし、上記好ましい態様では、油圧配管内の油圧が一定圧力以上となったときにリリーフ弁が全開するため、従来より圧力損失が少なく、従って発熱も小さい。また、油圧ポンプの流量制御をリリーフ弁ではなくポンプ制御手段によって行い、基本的にリリーフのない状態でオイルを循環させるようにしたので、従来より大幅に発熱を抑えることができる。
【0021】
上記好ましい態様において、前記油圧駆動手段が、前記リリーフ弁を通過したオイルを冷却する冷却手段を、さらに有することが好ましい。これによって、冷却手段が、全開したリリーフ弁を通過したオイルを冷却するので、さらに、発熱を抑えることができる。なお、この冷却手段として、例えば、油圧配管に冷風を送るファンクーラなどを用いることができる。
【0022】
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の前記混合吐出手段が、所望の位置に移動可能なマニピュレータに脱着自在に取り付けられており、車体閉断面部の注入口を通して該車体閉断面部に二液型発泡性ウレタン組成物を供給可能な位置に前記混合吐出手段の吐出先端が位置決めされるように前記マニピュレータの位置を制御する制御手段と、をさらに有することを特徴とする。
【0023】
請求項の発明では、マニピュレータに取り付けられた混合吐出手段が自動的に車体閉断面部に二液型発泡性ウレタン組成物を充填するので、大量生産に適した充填システムを構築することができる。また、本発明は、上述のように充填装置の小型化を図り、機動性、信頼性を高めているので、大型化していた従来の大量生産の充填システムよりも、生産をより効率化することができる。
【0024】
請求項の発明は、生産ライン上を流れる車体への充填を順次行いながら、作業者が臨機応変に二液型発泡性ウレタン組成物を車体閉断面部に充填することを可能としたものである。例えばマニピュレータに取り付けられている状態では入り込めないような狭い場所においても、作業者が混合吐出手段をマニピュレータから脱着し、ハンドで操作することにより充填が可能となる。すなわち、大量生産と機動性とを両立できる。
【0025】
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の充填装置が、移動自在のユニットとして構成されていることを特徴とする。
上述のように本発明の充填装置は、小型化と定流量性とを兼ね備えているので、請求項の発明のように移動自在のユニットとして構成した場合、きわめて機動性、信頼性の高い現場発泡型の充填装置を提供することができる。
【0026】
以下の請求項乃至請求項10の発明は、二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法に係る発明であり、その作用効果は、上記充填装置の発明と同様である。
請求項6の発明は、充填装置により被充填部へ二液型発泡性ウレタン組成物を充填する充填方法であって、前記充填装置は、二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、供給された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段であって、該混合吐出手段が、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となる、手動操作可能な装置単体として構成される、前記混合吐出手段と、油圧駆動手段と、を備え、前記充填方法は、前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出し、送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、一定流量の流れに変換された前記第1及び第2の原料を前記油圧駆動手段により油圧制御された前記混合吐出手段に供給することにより、二液型発泡性ウレタン組成物を噴射混合し、前記油圧駆動手段による油圧制御によって前記混合吐出手段から吐出された二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する、各工程を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項7の発明は、充填装置により被充填部へ二液型発泡性ウレタン組成物を充填する充填方法であって、前記充填装置は、二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、供給された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段であって、該混合吐出手段が手動操作可能な装置単体として構成される、前記混合吐出手段と、油圧駆動手段と、を備え、前記充填方法は、供給された圧縮空気から水分子及び酸素分子を除去することにより窒素ガスを発生し、該窒素ガスを前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へそれぞれ送出し、送 出された窒素ガスの圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、送出された窒素ガスの圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、一定流量の流れに変換された前記第1及び第2の原料を前記油圧駆動手段により油圧制御された前記混合吐出手段に供給することにより、二液型発泡性ウレタン組成物を噴射混合し、前記油圧駆動手段による油圧制御によって前記混合吐出手段から吐出された二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する、各工程を備えることを特徴とする
【0028】
請求項8の発明は、請求項6の前記気体を送出する工程は、供給された圧縮空気から水分子及び酸素分子を除去することにより、窒素ガスを発生する工程を備えることを特徴とする。
【0029】
請求項9の発明は、請求項6乃至8のいずれか1項の前記混合吐出手段は、所望の位置に移動可能なマニピュレータに脱着自在に取り付けられており、二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する前記工程は、被充填部の注入口を通して該被充填部に二液型発泡性ウレタン組成物を供給可能な位置に前記混合吐出手段の吐出先端が位置決めされるように前記マニピュレータの位置を制御する工程を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項10の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか1項の前記充填装置が移動自在のユニットから構成されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る充填装置の構成ブロックを図1に示す。同図に示すように、本実施形態の充填装置は、所望の位置に移動可能なマニピュレータとしてのロボット10と、該ロボットに取り付けられた混合吐出手段としてのミキシングヘッド50と、該ミキシングヘッドに二液型発泡性ウレタン組成物としての二液型発泡性ウレタン組成物を供給する供給装置56と、I/Oポート42を介して各装置とデータを送受信することによって装置全体を制御・管理するコントローラ40と、作業者からコントローラ40へ情報を入力するための入力手段としての入力部41と、充填装置を制御するために必要となる各種の制御情報を記憶する記憶部62と、を備えている。
【0032】
このうちマニピュレータとして構成されたロボット10は、工場の床面18に固定されたベース部20と、該ベース部に縦軸22を中心に枢動可能に取り付けられたボディ部24と、該ボディ部に横軸26を中心に枢動可能に取り付けられた第1のアーム部28と、該第1のアーム部の末端に横軸線30を中心として枢動可能に取り付けられた第2のアーム部32と、該第2のアーム部の末端に横軸34を中心に枢動可能に取り付けられていると共に回転軸36を中心に回転自在に取り付けられているハンド部38と、を備えている。
【0033】
このロボット10は、自動車製造ライン12に沿って設けられた作業位置14に設置されており、ロボット10の近傍には、車体(例えば、ホワイトボディ)100が作業位置14に入ったことを検知する検知装置16が、設けられている。この検知装置16は、I/Oポート42と接続されており、検出信号を該I/Oポート42を介してコントローラ40へ伝達する。
【0034】
また、ミキシングヘッド50は、ハンド部38の先端側、すなわち末端側に固定されており、製造ライン12側に向けて突出する吐出充填ノズル52を備えている。ミキシングヘッド50の詳細n構成は後述する。
【0035】
ミキシングヘッド50は、複数の手元ホース54a、54b、54c、54d(図2参照)からなるホース束54を通して供給装置56に連結されている。なお、供給装置56の詳細な構成は後述する。
【0036】
記憶部62には、ロボットを制御するための制御プログラムの他、例えば、吐出充填ノズル52がBピラー部104の注入口104bに嵌合するときの第1の基準位置の空間座標、吐出充填ノズル52がAピラー部102の注入口102bに嵌合するときの第3の基準位置の空間座標、及び吐出充填ノズル52がロッカー部110の注入口110bに嵌合するときの第4の基準位置の空間座標等が記憶されている。
【0037】
コントローラ40は、記憶部62と接続されており、該記憶部62に記憶されている上記情報を読み込み、車体閉断面部の注入口にミキシングヘッド50の吐出充填ノズル52が整合するようにロボットの位置を制御すると共に、車体閉断面部内の容積に合わせて設定した量だけ前記二液型発泡性ウレタン組成物を充填するように供給装置56を制御する。
【0038】
次に、供給装置56の詳細な構成を図2を用いて説明する。
図2に示すように、供給装置56は、主剤(例えば、ポリオール主剤)が蓄えられた第1タンク31aと、硬化剤(例えば、ポリイソシアネート硬化剤)が蓄えられた第2タンク31bと、を備えている。
【0039】
二液型発泡性ウレタン組成物の主剤を蓄えた第1タンク31aの流入口及び硬化剤を蓄えた第2タンク31bの流入口は、バルブ、圧力計を介して、所定圧力(例えば、1〜7Kg/cm2)の気体を供給する気体源57に、それぞれ接続されている。すなわち、気体源57の下流側の配管が分岐しており、一方が第2タンク31bの流入口へ、他方が第1タンク31aの流入口へ接続される。気体源57から所定圧力の気体が第1及び第2タンク31a、31bに供給されると、各タンクに貯留されている液体は、該圧力によってその液面が押圧される。
【0040】
また、第1タンク31a及び第2タンク31bには、それらの側面に、貯留されている液体量を計測するための液面計55a、55bが各々取り付けられている。さらに、第1タンク31a及び第2タンク31bには、ミキシングヘッド50から流出された主剤及び硬化剤をこれらのタンク側面から流入するための流入配管51a、51bがそれぞれ設けられている。これらの流入配管は、ミキシングヘッド50の各流出口に、手元ホース54a、54dを介して接続される。
【0041】
一方、二液型発泡性ウレタン組成物の主剤を蓄えた第1タンク31aの流出口及び硬化剤を蓄えた第2タンク31bの流出口は、各々、バルブ58a、58bと、ストレーナー37a、37bと、ホース35a、35bとを介して、シリンダーポンプ33a、33bの底部に設けられた流入口にそれぞれ接続されている。なお、ストレーナー37a、37bには材料に混入した異物等を除去するメッシュ等が含まれている。
【0042】
これらのシリンダーポンプ33a、33bは、ピストン29a、29bを有しており、これらは各々のシリンダー内における上死点及び下死点の範囲を往復運動する。シリンダーポンプ33a、33bは、その底部の流入口近傍に逆止弁86a、86bを各々備え、また、ピストン29a、29bにも逆止弁87a、87bを各々備えている。また、シリンダーポンプ33a、33bのシリンダー上部から、該シリンダーポンプの吐出物を流出させるための流出配管45a、45bがそれぞれ延設されている。
【0043】
ピストン29a、29bが下死点の状態から上死点に向かって引き上げられると、逆止弁86a、86bが開き、逆止弁87a、87bが閉じてシリンダー33a、33bに各々の材料が充満される。このとき同時にピストン29a、29bの上にあった材料は、流出配管45a、45bに押し出されるように流出される(吐出工程)。
【0044】
一方、ピストン29a、29bが上死点から下死点に向かって引き下げられると、逆止弁86a、86bが閉じ、逆止弁87a、87bが開くので、シリンダー33a、33b内のピストン29a、29bの下の室に有った材料が上の室に入る(吸入工程)。このときシリンダーの断面積は、上側と下側とで丁度1:2の大きさになっているため、下側の材料の1/2がミキシングヘッドの方に行き、残りの1/2がピストン29a、29bの上側に充満される。
【0045】
また、シリンダーポンプ33a、33bの流出口から延設された流出配管45a、45bには、材料の流れに畜圧を供給するアキュムレータ39a、39bが設けられている。このアキュムレータの作用によって、シリンダーポンプの上死点と下死点との間での材料の供給デッドポイントの流量が確保される。すなわち、シリンダーポンプの定量性がさらに向上する。
【0046】
さらに、流出配管45a、45bには、材料を所定温度(例えば40℃)に維持するためのプライマリーヒーター43a、43bと、材料の圧力を検知し該圧力が設定圧力から外れた場合に供給装置56の動作を停止させる停止装置47a、47bと、流量計48a、48bと、吐出圧力計49a、49bとが各々設けられており、ヒーターホース53a、53b及び手元ホース54b、54cを介してミキシングヘッド50に接続されている。
【0047】
シリンダーポンプ33a、33bの各ピストンロッドは、1枚のプレート63を介して1つの油圧シリンダー61のピストンロッドに接続されている。この油圧シリンダー61には、それのピストンの上側のシリンダー容積部分にオイルを供給するために油圧ユニット60から延設された油圧配管69と、該ピストンの下側のシリンダー容積部分にオイルを供給するために油圧ユニット60から延設された油圧配管70と、が接続されている。油圧ユニット60の後述する油圧切り替え制御によって、油圧シリンダー61のピストンが往復運動し、これに伴って、シリンダーポンプ33a、33bが同時に往復運動する。
【0048】
油圧ユニット60は、オイルを貯蔵するオイルタンク64、該オイルタンク64に連結された油圧供給用のポンプ65、該ポンプ65の回転数を制御することによりオイル流量を制御するインバータ74及び油圧配管69、70との間の流れの開閉切り替えを制御する油圧電磁弁66を備えている。
【0049】
また、油圧配管67には、ポンプ65の吐出圧力又は流入圧力を計測するための圧力計59が設けられており、さらに、ポンプ65から油圧電磁弁66へと至る配管途中には、過度の圧力になったときに自動的にオイルを解放するリリーフ弁71が設けられている。このリリーフ弁71の流出口は、オイルタンク64に接続されており、このリリーフ弁71により解放されたオイルは、オイルタンク64に再び戻る。
【0050】
そして、リリーフ弁71とオイルタンク64との間の配管には、過度の圧力により温度が上昇したオイルを冷却するためのファンクーラ72が設けられており、該ファンクーラ72には、一度冷却したオイルをさらにファンクーラ72により冷却するために、その一部分を戻すリターンフィルタ73が設けられている。
【0051】
また、油圧ユニット60には、油圧シリンダー61への上記油圧供給系のみならず、ミキシングヘッド50へ油圧を供給するためのミキシングヘッド油圧供給系が備えられている。この油圧供給系は、油圧ユニット60からミキシングヘッド50へ延設された外部の油圧配管84、85を通る流れの開閉切り替えを制御する電磁弁79を備えている。この油圧供給系は、油圧ユニット60からミキシングヘッド50へ注入用の切替電磁弁79を介して延設されたヘッド開閉用の油圧配管84、85に接続されている。油圧配管78は、オイルタンクへオイルを戻すためのものである。アキュムレータ81は、ミキシングヘッド50を一気に開閉するための畜圧のために設けられている。また、圧力計80の検出圧力が一定値に達したときに自動的に全開してオイルを解放するためのアンロードリリーフ弁77が設けられている。このアンロードリリーフ弁77の流出口は、前述したアンロードリリーフ弁71に接続されており、アンロードリリーフ弁77により解放されたオイルは、前述したファンクーラ72により冷却されて、再びオイルタンク64に戻る。
【0052】
ストップバルブ83は、通常の場合、常時閉となっているが、アキュムレータ81に畜圧された油圧を油圧配管76を介してリークするときに開放される。
なお、油圧電磁弁66、注入用電磁弁79、エアー源57、各種制御バルブなどは、図1のI/Oポート42を介して、コントローラ40と接続されており、該コントローラ40の指令により、所定の手順で動作する。これにより、主剤及び硬化剤が、ミキシングヘッド50に圧送され、衝突混合され、吐出噴射ノズル52から前記材料が吐出される。
【0053】
ここで、ミキシングヘッド50の詳細な構成を図3及び図13を参照して説明する。なお、本実施形態では、いわゆるストレートタイプのミキシングヘッドを一例とし、図3には、このミキシングヘッドの上面図、側面図、前面図、後面図、先端部の内部図が示されている。
【0054】
図3に示すように、ミキシングヘッド50は、本体部分95と、吐出充填ノズル52を備えた先端部96と、ミキシングヘッド50を操作するため作業者が手で握ることができるグリップ部97と、から構成される。
【0055】
このうち本体部分95には、図13に示すように、シリンダー101と、供給されたオイルの油圧によって該シリンダー内を摺動可能なピストン99と、が設けられている。このシリンダー101の上死点及び下死点の近傍には、それぞれ油圧供給ポート90a、90bが設けられており、これらのポートは油圧ユニット60からの油圧配管84、85と接続されている。
【0056】
また、ピストン99には、軸方向に沿ってヘッド先端方向に延びるピストンロッド93が取り付けられ、このロッドは、先端部96において軸方向に穿設された細長い円柱状のシリンダー102内に、摺動可能に収まっている。
【0057】
吐出充填ノズル52の近傍には、シリンダー102に向かって、各々、相対するように配置された、ポリオール主剤を噴射するための噴射ノズル91aとイソシアナート硬化剤を噴射するための噴射ノズル91bとが設けられている。
【0058】
噴射ノズル91a、91bは、図3の先端部96の上部に設けられた、ポリ供給ポート88a、イソ供給ポート88bにそれぞれ連通しており、これらの供給ポートには図2の手元ホース54b、54cがそれぞれ接続されている。すなわち、噴射ノズル91a、91bには、所定の高圧力でポリオール主剤及びイソシアナート硬化剤が供給される。
【0059】
また、噴射ノズルよりも本体部分95側に近い先端部分96には、シリンダー102内のポリオール主剤を排出するための排出通路92aとイソシアナート硬化剤を排出するための排出通路92bとが、シリンダー93に向かって、各々、相対するように配置されている。
【0060】
排出通路92a、92bは、図3の先端部96の側部に設けられた、ポリ排出ポート89a及びイソ排出ポート89bにそれぞれ連通しており、これらの排出ポートには、図2の手元ホース54a、54dがそれぞれ接続されている。すなわち、排出ポートから排出された各原料は、再び各原料タンクに戻る。
【0061】
吐出充填ノズル52から混合物を吐出しない通常の場合(図13の上図)、油圧供給ポート90aから油圧が供給されており、ピストンロッド93が閉の状態を保っている。すなわち、図13のピストン99が、油圧供給ポート90aからの油圧によって下死点に達し、ピストンロッド93の先端が吐出充填ノズル52まで押される。このとき、噴射ノズル91a、91bから噴射された各原料は、ピストンロッド93の溝を通って、それぞれ排出通路92a、92bから各原料タンクに戻る経路を循環する。
【0062】
混合物を吐出する場合(図13の下図)、油圧ポート90aからの油圧供給が停止され油圧ポート90bから油圧を供給されるので、ピストンロッド93が開の状態となる。すなわち、図13のピストン99が、油圧供給ポート90bからの油圧によって上死点に達し、ピストンロッド93の先端は、噴射ノズル91a,91bの噴射口の位置よりも本体側の方に引かれる。これにより、上記の循環経路は遮断されるので、噴射ノズル91a、91bの小さい開口から高圧で(例えば1mmφ程度のノズル開口から50Kgf/cm2の高圧)対向噴射された各原料は、その勢いで衝突し、混合されて吐出充填ノズル52から吐出される。
【0063】
このようにミキシングヘッド50では、吐出の指令信号に応じたピストンロッド93の摺動運動によって吐出充填ノズル52の開閉動作が制御される。すなわち、このロッド93を引くタイミングを制御することによって、二液型発泡性ウレタン組成物の吐出を開始するタイミングをより正確に制御できる。また、二液型発泡性ウレタン組成物の吐出後、このロッド93を押すタイミングを制御することにより、後だれを防止できる。
【0064】
なお、本体部分95の後端部には、近接スイッチ98が設けられている。吐出の指令信号により油圧供給ポート90aの圧力が開放され油圧供給ポート90bを加圧しても、吐出が実際に開始されるまでタイムラグがあるため、例えば3秒吐出するように命令しても実際は2.5秒の吐出時間となる。これを厳密に3秒で吐出させるため、近接スイッチ98は、吐出の指令信号により、ピストンロッド93が引かれた時から時間を計測できるようにしたものである。
【0065】
また、ミキシングヘッド50は、コントローラからの指令信号に応じて吐出を行うが、グリップ部97に吐出スイッチ94が設けられており、これを押下することによっても、吐出充填ノズル52から二液混合物が吐出される上記ステップが実行される。
【0066】
また、グリップ部97は、図1のマニピュレータのハンド部38に容易に装着、脱着することができるように構成されている。
なお、ミキシングヘッド50の各寸法は、吐出充填ノズル52の吐出口の内径すなわち吐出口径が4〜8mm、吐出口の外径が18mm、吐出充填ノズル52の軸方向の長さが20mm、吐出充填ノズル52の後方部分の高さが40mm、該後方部分の幅が55mmである。なお、この後方部分の高さと幅の和は、40+55=95mmである。これは、狭い車体空間においても車体閉断面部の注入口に容易に嵌合可能なサイズである。
【0067】
図2の供給装置56の気体源57は、図4に示す窒素供給装置141によって実現することができる。
同図に示すように、窒素供給装置141は、圧縮空気が供給される入力ポート140と、供給された圧縮空気の流量を圧力計144により計測された圧力値に基づいて調節するための電磁弁142と、フィルタ148と、該フィルタを透過した窒素ガスの圧力を計測する圧力計146と、膜透過速度の速いH2O、O2等を膜外部へ排出し膜透過速度の遅いN2を通過させる膜モジュール150と、圧力計152により計測された圧力値に基づいて透過した窒素ガスの圧力値を減圧するための151減圧弁と、膜モジュール150を透過したガスから酸素O2を検出するO2センサー153と、窒素ガスの流量を計測する流量計154と、分離された窒素ガスの吐出を制御するニードル弁155と、窒素ガスが吐出される吐出ポート156と、を含んで構成される。すなわち、この窒素供給装置141は、膜分離式の非常にシンプルな構成であり、圧縮空気を供給することにより簡単に窒素ガスを発生させることができる。
【0068】
ところで、自動車製造ライン12上には、所定の間隔をあけて図1及び図5に示す車体100が順次、前向きに流れていく。本実施形態においては、例えば、車体100のAピラー部102、Bピラー部104の上側に設けられたルーフ部106の一部をも構成しているBピラー上部108、及びロッカー部110がそれぞれ車体の閉断面部(換言すれば、車体の閉空間部)を構成している。勿論、本発明は、これらの部分に限定されるものではなく、サイドメンバー130、ドアに設けられるサイドインパクトバー132、クロスメンバー134、サイドメンバー136、及びバンパーリンフォースメント138などにより、それぞれ車体の閉断面部を構成することもできる。
【0069】
図1に示したロボット10は、図1で見て右側の(または図5に示された側の)Aピラー部102、Bピラー部104、Bピラー上部108、及びロッカー部110の閉断面部内に二液型発泡性ウレタン組成物を吐出充填する。また、図1で見て左側のAピラー部102、Bピラー部104、Bピラー上部108、及びロッカー部110の閉断面部内に二液型発泡性ウレタン組成物を吐出充填するため、図示しない別のロボットが図1に示したロボット10の反対側に設けられる。もっとも天井から垂下するマニュピレータを設ければ、車体の両サイドに容易に移動できるので、1つのロボットで二液型発泡性ウレタン組成物の充填を行うことも可能である。
【0070】
Aピラー部102の車内側の側壁102aには、車内側に向いて開口した注入口102bが形成されている(図6参照)。また、Aピラー部102の内部下方には、仕切壁102cが取り付けられており、これにより、Aピラー部102内部に、車体閉断面部102d(換言すれば、車体閉空間部)が画成されている。この仕切壁102cは、充填される二液型発泡性ウレタン組成物の他箇所への漏洩を防止する。また、注入口102bは、車体閉断面部102dに連通している。
【0071】
同様に、Bピラー部104の車内側の側壁104aには、車内側に向いて開口した注入口104bが形成されている(図7参照)。また、Bピラー部104の内部下方には、仕切板104cが取り付けられており、これにより、Bピラー部104内部に、車体閉断面部104d(換言すれば、車体閉空間部)が画成されている。そして、注入口104bは、車体閉断面部104dに連通している。
【0072】
同様に、Bピラー上部108の車内側の側壁108aには、車内側に向いて開口した注入口108bが形成されている(図8参照)。また、Bピラー上部108の内部両側には、仕切板108cが取り付けられており、これにより、Bピラー上部108内部に、車体閉断面部108d(換言すれば、車体閉空間部)が画成されている。そして、注入口108bは、車体閉断面部108dに連通している。
【0073】
ロッカー部110の車内側の側壁110aには、車内側に向いて開口した注入口110bが形成されている(図9参照)。また、ロッカー部110の内部下方には、仕切板110cが取り付けられており、これにより、ロッカー部110内部に、車体閉断面部110d(換言すれば、車体閉空間部)が画成されている。そして、注入口110bは、車体閉断面部110dに連通している。
【0074】
本実施形態においては、車体閉断面部の注入口を通して該車体断面部に二液型発泡性ウレタン組成物を充填できる位置として、吐出充填ノズル52がそれぞれの注入口に嵌合できる位置が選択されている。これによれば、注入口と吐出充填ノズルとの間からの二液型発泡性ウレタン組成物の漏れを完全に防止することができる。しかしながら、二液型発泡性ウレタン組成物の漏れのおそれがないならば、単に、注入口に吐出充填ノズルを整合させたり、注入口内に吐出充填ノズル52の先端だけを挿入してもよい。
【0075】
製造ライン12上を流れる車体100の閉断面部に吐出充填ノズル52を嵌合する場合、車体100が、作業位置14まで達すると、検知装置16により車体100が検出され、I/Oポート42を介してコントローラ40に検出信号を伝達する。該検出信号を受信したコントローラ40は、I/Oポート42を介してロボット10に指令信号を送信する。ロボット10は、該指令信号に基づいて、ボディ部24をベース部20に対して枢動させ、第1のアーム部28をボディ部24に対して枢動させ、第2のアーム部32を第1のアーム部28に対して枢動させ、ハンド部38を第2のアーム部32に対して枢動又は回転させることにより、ハンド部38を所望の位置に移動させ、これにより注入口へ吐出充填ノズルを適正に嵌合することができる。
【0076】
なお、自動車製造ライン12上には、所定の間隔毎に図1及び図5に示す車体100が、順次、前向きに流れていく。本実施形態においては、例えば車体100のAピラー部102、Bピラー部104、ルーフ部106を含むBピラー上部108、及びロッカー部110がそれぞれ車体の閉断面部(換言すれば、車体の閉空間部)を構成している。もっとも、本発明は、これらに限定されるものではなく、サイドメンバー130、ドアに設けられるサイドインパクトバー132、クロスメンバー134,サイドメンバー136、バンパーリンフォースメント138などにより、それぞれ車体の閉断面部を構成するようにしてもよい。
【0077】
次に、本実施形態の作用を図10のフローチャートに基づいて説明する。
まず、コントローラ40が検知装置16の検知信号により車体100が作業位置14に入ったか否かを判断する(ステップ200)。車体100が作業位置に入っていない場合(ステップ200否定判定)、車体100を検知するまで待機する。
【0078】
車体100が作業位置に入った場合(ステップ200肯定判定)、ロボット10を駆動し、吐出充填ノズル52を第1の基準位置の空間座標に移動させて、吐出充填ノズル52をBピラー部104の注入口104bに嵌合させる(ステップ202)。その後、Bピラー部104の閉断面部104d内の容積に合わせて設定した量だけ二液型発泡性ウレタン組成物が充填されるように供給装置56を駆動する(ステップ204)。規定量の充填が完了した後、吐出を停止し各原料を供給装置とミキシングヘッドとの間で循環させる(ステップ205)。
【0079】
Bピラー上部、Aピラー部及びロッカー部についても、全く同様に、コントローラ40がロボット10を駆動制御することにより、充填ノズル52を移動、嵌合し、設定量の二液型発泡性ウレタン組成物の充填、停止を行う(ステップ206乃至ステップ217)。
【0080】
なお、本実施例では、Bピラー部104、Bピラー上部108、Aピラー部102及びロッカー部110の順序で二液型発泡性ウレタン組成物を充填するようにしたが、本発明は、この順序に限定されず、任意の順序で充填するようにしてもよい。しかし、上記の順序或いはその逆の順序で充填した場合、ロボット10のハンド部38などの移動範囲が少なくなり、迅速に充填作業を行うことができる。
【0081】
各ピラー部への自動充填が完了した後、ロボット10をホームポジションに戻す(ステップ218)。このとき、各閉断面部への充填度合いをチェックし、充填が不完全な閉断面部があるか否かを判断する。
【0082】
チェックの結果、閉断面部のいずれも充填が完全であり、かつ、マニピュレータの駆動によっては充填不可能な閉断面部が存在していない場合(ステップ220否定判定)、ステップ200に戻って、次の車体が作業位置に入るのを待機する。このとき、コントローラ40に対しステップ200の動作に移行する。
【0083】
なお、マニピュレータの駆動によっては充填不可能な閉断面部として、ロボット10の第1及び第2のアーム28、32及びハンド部38が届く範囲外にある閉断面部、或いは、アーム等が侵入できない狭い隙間などに注入口が存在する閉断面部などが該当する。勿論、ステップ200乃至216におけるロボット10による自動充填作業では、このような閉断面部が除外されてプログラム制御されている。作業者は、このように自動充填不可能な閉断面部を予め把握しておくことになる。
【0084】
一方、チェックの結果、閉断面部の少なくともいずれかが充填が不完全であるか、又は、マニピュレータの駆動によっては充填不可能な閉断面部が存在している場合(ステップ220肯定判定)、ミキシングヘッド50をヘッド部38から取り外し(ステップ222)、ミキシングヘッド50の吐出充填ノズル52を、ハンド(手作業)で、不完全に充填された閉断面部又は自動充填不可能な閉断面部の注入口に嵌合させる(ステップ224)。
【0085】
そして、ノズルスイッチをオンにし(ステップ226)、上記閉断面部への二液型発泡性ウレタン組成物の充填を開始する。上記閉断面部が充分に充填されるまでノズルスイッチをオンにしたまま充填を継続し(ステップ228否定判定)、充分に充填された場合(ステップ228肯定判定)、ノズルスイッチをオフにして(ステップ230)充填を完了し、ステップ220に戻る。なお、閉断面部が完全に充填されたか否かの判定は、作業者の目視等に基づいて行うようにしてもよい。また、閉断面内部の容積に見合った充填容量の適正を確認するため、該車体部材の側面に対し外部から非接触で温度測定を行い、充填部位と未充填部位の温度差(例えば10℃以上)によって充填容量の適正を確認するようにしてもよい。なお、温度測定に赤外線熱画像装置または赤外放射温度計を用いることができる。
【0086】
ステップ220では、再び、上記ステップで充填の対象となった閉断面部以外に充填が不完全な閉断面部又は自動充填が不可能な閉断面部が有るか否かを判定し、かかる閉断面部が存在する場合には(ステップ220肯定判定)、再び上記ステップ222乃至230を繰り返す。このようにして車体100のすべての閉断面部が完全に充填した場合(ステップ220否定判定)、再びステップ200に戻り、次に送られてきた車体100について同様の処理を繰り返す。このとき、作業者によって、ミキシングヘッド50が再びヘッド部38に取り付けられることはいうまでもない。
【0087】
以上のように本実施形態によれば、マニピュレータとしてのロボット10の駆動による車体閉断面部への自動充填を効率的に行うと共に、ミキシングヘッド50をマニピュレータから脱着自在に構成したので、ロボット10による自動充填では、たまたま充填が不十分であった閉断面部や充填不可能な箇所にある閉断面部への発泡材料の完全な充填を可能とし、柔軟かつ信頼性の高い充填システムを構築することができる。
【0088】
また、ミキシングヘッド50を、小型化し、具体的には図3に示すサイズとしたので、図6乃至図9に示す各閉断面部の注入口周辺の形状には影響されずに、吐出充填ノズルを注入口に適正に嵌合することができる。また、供給装置56全体も窒素発生装置による原料の圧送手段を設けることなどにより小型化したので、本充填システムの機動性をさらに向上することができる。
【0089】
また、供給装置56には、一定流量のシリンダポンプを設けたので、吐出噴射ノズルから吐出される発泡材料が一定流量となり、自動充填及び手作業による充填がきわめて容易となる。
【0090】
さらに、本実施形態では、油圧ユニット60において、ポンプ59が、オイルタンク64に貯蔵されたオイルを、インバータ74により駆動されるポンプ65、電磁弁66を介して、油圧配管67、68、70、69を通し、油圧シリンダー61に油圧を供給してピストンを往復運動させると共に、シリンダーポンプ33a、33bのピストンを往復運動させる。そして、これと同時に、ポンプ59が、オイルタンク64に貯蔵されたオイルを、油圧配管75、78、84、85を通して、インバータ74により制御される流量で循環させることにより、ミキシングヘッド50の主剤と硬化剤の噴射ノズル91a、91bを駆動させる。
【0091】
このようにシリンダーポンプ33a、33b及びミキシングヘッド50の駆動を1台のポンプ65により行うことによって、装置全体を小型化することができる。
【0092】
また、油圧駆動中に、油圧シリンダー61及びミキシングヘッド50に供給される油圧配管67,75の油圧がそれぞれ一定圧力以上となったとき、リリーフ弁71、アンロードリリーフ弁77は、各々独立に、油圧配管67,75の一部のオイルがオイルタンク64に戻るように開口する。これにより、油圧駆動される装置の圧力が一定以上に増加しないように保持することができる。
【0093】
従来では、ミキシングヘッド50の駆動を例えば150kgf/cm2で行う時、これ以上の圧力にならないようにバネ式のようなものでリリーフ弁を開けて調整され、かつ、圧損の大きいところでリリーフしていたため、発熱量が大きかった。しかし、本実施形態では、ミキシングヘッド50が停止して一定圧力(例えば150kgf/cm2 )を保持しているときは、弁を全開して圧損無くオイルを解放するため、発熱量を小さく抑えることができる。
【0094】
さらに、本実施形態では、インバータ74によって流量制御を行い、基本的にリリーフのない状態でオイルを循環させるようにしたので、従来より大幅に発熱を抑えることができる。
【0095】
さらに、本実施形態では、リリーフ弁71、アンロードリリーフ弁77によりオイルタンク64に解放されたオイルを、オイルタンクに流入する前に、ファンクーラ71により冷却するようにしたので、さらに発熱を抑えることができる。
【0096】
このように本実施形態では、従来よりもリリーフ時の発熱を抑えることが可能になったため、オイル量が少量で済むようになり、この点からも、さらに装置を小型化することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、異常時の場合に備えて高い圧力時には、ポンプ65の自動停止や、ポンプ65のリーク弁が働くようにしてもよい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置のシステム構成例を図11に示す。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
図11に示すように、第2の実施形態に係る充填装置160は、キャスター162付きの台車161の上に設置された供給装置56と、該供給装置56の筐体側面から延設された取付台座164と、該取付台座164にグリップ部97を介して脱着自在に取り付けられたミキシングヘッド50と、ミキシングヘッド50と供給装置56とを接続するホース束54と、から構成される。
【0099】
第2の実施形態の充填装置160では、上述したように小型化と定流量性とを兼ね備えた図2の供給装置56を用いているので、図11に示すように移動自在のユニットとして構成することができる。
【0100】
作業者は、被充填部を充填するのに適した現場まで、台車161を押して即座に移動し、取付台座164から小型のミキシングヘッド50を取り外し、被充填部の注入口にノズル52を嵌合し、吐出スイッチ94を押下することにより、簡単自在に、二液型発泡性ウレタン組成物を該被充填部に充填することができる。
【0101】
以上が本発明の各実施形態であるが、本発明は上記例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で任意好適に変更可能である。
例えば、第1実施形態では、車体のうちBピラー部104、Bピラー上部108、Aピラー部102及びロッカー部110のそれぞれの閉断面部内に二液型発泡性ウレタン組成物を充填するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、Cピラー部、ピラー部とルーフ部との結合部、サイドシル、車体下部のシャーシ部、サイドメンバー、サイドインパクトバー、クロスメンバー、バンパーリンフォースメントなど他の部分に閉断面部を構成して二液型発泡性ウレタン組成物を充填することもできる。図12は、結合部の1例として、Aピラー部118と、フロントルーフレール部120と、フロントサイドルーフレール部122との結合部が示されている。Aピラー部102、フロントルーフレール部120、及びフロントサイドルーフレール部122には、それぞれ仕切壁118c、120c、及び122cが設けられており、これにより、閉断面部が画定されている。注入口122aはフロントサイドルーフレール部122に形成されており、かかる注入口122aを通して閉断面部内に二液型発泡性ウレタン組成物が充填されるようになっている。この例の場合、フロントサイドルーフレール部122に注入口を形成したが、Aピラー部118あるいはフロントルーフレール部120に注入口を形成するようにしてもよい。
【0102】
また、被充填対象として車体閉断面部に限定されず、二液型発泡性ウレタン組成物を充填することが可能な部分であれば、任意好適に選択できる。
また、ミキシングヘッド50を図3に示すサイズとしたが、所定空間内で所定サイズの注入口を有する車体閉断面部へ二液型発泡性ウレタン組成物を容易に充填できる範囲内であれば、他のサイズとしてもよく、例えば、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となるように設定してもよい。
【0103】
さらに、図2の供給装置56では、窒素ガスにより圧送された原料を一定流量の流れに変換する手段として、シリンダーポンプ33a、33bを用いたが、この代わりにいわゆるアキシャルピストンポンプを用いてもよい。このアキシャルピストンポンプは、ドライブシャフトに回転駆動力を与えることにより、設定された流量で高粘度液体を吐出可能なポンプである(「可変容量形ピストンポンプ A2VK」;内田油圧機器工業株式会社)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置のシステム構成例を示すブロック図である。
【図2】 図1の充填装置における供給装置の詳細な構成を示す図である。
【図3】 図1の充填装置におけるミキシングヘッド50の上面図、側面図、前面図、後面図、及び先端部の内部図を示す図である。
【図4】 図2の供給装置の気体源となる窒素供給装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 製造ラインを流れる車体の側面図である。
【図6】 Aピラー部の概略的な斜視図である。
【図7】 Bピラー部の概略的な斜視図である。
【図8】 Bピラー上部の概略的な斜視図である。
【図9】 ロッカー部の概略的な斜視図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態に係る二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置を制御する際の流れを示すフローチャートである。
【図11】 本発明の第2の実施形態に係る二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置のシステム構成例を示す概略図である。
【図12】 Aピラー部と、フロントルーフレール部と、フロントサイドルーフレール部との結合部分の斜視図である。
【図13】 ミキシングヘッド50における循環時及び吐出時の場合の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
10 ロボット
40 コントローラ
50 ミキシングヘッド
52 吐出充填ノズル
54 ホース束
56 供給装置
31a 第1タンク(ポリ系タンク)
31b 第2タンク(イソ系タンク)
33a シリンダーポンプ
33b シリンダーポンプ
57 気体源
60 油圧ユニット
64 オイルタンク
65 ポンプ
67,68、69、70 油圧配管
75、78、84、85 油圧配管
71 リリーフ弁
72 ファンクーラ
77 アンロードリリーフ弁
74 インバータ
100 車体
141 窒素発生装置
150 膜モジュール
160 充填装置
161 台車

Claims (10)

  1. 二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、
    前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出する気体送出手段と、
    前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第1の定流量手段と、
    前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第2の定流量手段と、
    前記第1及び第2の定流量手段により各々吐出された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段と、
    油圧駆動手段と、
    を備え、
    前記混合吐出手段が、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となる、手動操作可能な装置単体として構成され、
    前記第1及び第2の定流量手段は、ピストンがシリンダー内を往復移動することに応じて、前記第1及び第2のタンクの流出口から吐出された前記第1及び第2の原料を、一定量、各々吸入する吸入工程と、シリンダー内に吸入された前記第1及び第2の原料を各々すべて吐出する吐出工程とを繰り返し行うシリンダーポンプからそれぞれ構成され、
    前記油圧駆動手段は、前記混合吐出手段による二液型発泡性ウレタン組成物の噴射混合及び混合吐出を油圧により駆動制御すると共に前記シリンダーポンプのピストンの往復移動を油圧により駆動制御することを特徴とする、二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置。
  2. 二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、
    前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出する気体送出手段と、
    前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第1の定流量手段と、
    前記気体送出手段により送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、一定流量の流れに変換して吐出する第2の定流量手段と、
    前記第1及び第2の定流量手段により各々吐出された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段と、
    油圧駆動手段と、
    を備え、
    前記混合吐出手段が、手動操作可能な装置単体として構成され、
    前記第1及び第2の定流量手段は、ピストンがシリンダー内を往復移動することに応じて、前記第1及び第2のタンクの流出口から吐出された前記第1及び第2の原料を、一定量、各々吸入する吸入工程と、シリンダー内に吸入された前記第1及び第2の原料を各々すべて吐出する吐出工程とを繰り返し行うシリンダーポンプからそれぞれ構成され、
    前記油圧駆動手段は、前記混合吐出手段による二液型発泡性ウレタン組成物の噴射混合及び混合吐出を油圧により駆動制御すると共に前記シリンダーポンプのピストンの往復移動を油圧により駆動制御し、
    前記気体送出手段は、
    少なくとも膜透過速度の速い水分子及び酸素分子を膜外部へ排出し、膜透過速度の遅い窒素分子を透過させる膜モジュールを有し、
    前記膜モジュールに圧縮空気が供給されたときに該膜モジュールを透過した窒素ガスを送出する窒素発生装置であることを特徴とする、二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置。
  3. 前記気体送出手段は、
    少なくとも膜透過速度の速い水分子及び酸素分子を膜外部へ排出し、膜透過速度の遅い窒素分子を透過させる膜モジュールを有し、
    前記膜モジュールに圧縮空気が供給されたときに該膜モジュールを透過した窒素ガスを送出する窒素発生装置であることを特徴とする、請求項1に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置。
  4. 前記混合吐出手段は、所望の位置に移動可能なマニピュレータに脱着自在に取り付けられており、
    車体閉断面部の注入口を通して該車体閉断面部に二液型発泡性ウレタン組成物を供給可能な位置に前記混合吐出手段の吐出先端が位置決めされるように前記マニピュレータの位置を制御する制御手段と、
    をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置。
  5. 移動自在のユニットとして構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填装置。
  6. 充填装置により被充填部へ二液型発泡性ウレタン組成物を充填する充填方法であって、
    前記充填装置は、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、
    供給された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段であって、該混合吐出手段が、吐出口の内径が4mm〜8mm、吐出口の外径が20mm以下、吐出口の長さが5mm以上であり、吐出口後方の形状が高さと幅の和が120mm以下となる、手動操作可能な装置単体として構成される、前記混合吐出手段と、
    油圧駆動手段と、
    を備え、
    前記充填方法は、
    前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へ気体をそれぞれ送出し、
    送出された気体の圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、
    送出された気体の圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、
    一定流量の流れに変換された前記第1及び第2の原料を前記油圧駆動手段により油圧制御された前記混合吐出手段に供給することにより、二液型発泡性ウレタン組成物を噴射混合し、
    前記油圧駆動手段による油圧制御によって前記混合吐出手段から吐出された二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する、各工程を備えることを特徴とする、二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法。
  7. 充填装置により被充填部へ二液型発泡性ウレタン組成物を充填する充填方法であって、
    前記充填装置は、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第1の原料を貯留する第1のタンクと、
    二液型発泡性ウレタン組成物の第2の原料を貯留する第2のタンクと、
    供給された前記第1及び第2の原料を噴射混合し、混合されて形成された二液型発泡性ウレタン組成物を吐出する混合吐出手段であって、該混合吐出手段が手動操作可能な装置単体として構成される、前記混合吐出手段と、
    油圧駆動手段と、
    を備え、
    前記充填方法は、
    供給された圧縮空気から水分子及び酸素分子を除去することにより窒素ガスを発生し、該窒素ガスを前記第1及び第2のタンクに設けられた各々の流入口へそれぞれ送出し、
    送出された窒素ガスの圧力により前記第1のタンクに設けられた流出口から圧送された第1の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、
    送出された窒素ガスの圧力により前記第2のタンクに設けられた流出口から圧送された第2の原料を、前記油圧駆動手段により油圧制御されたシリンダーポンプにより一定流量の流れに変換し、
    一定流量の流れに変換された前記第1及び第2の原料を前記油圧駆動手段により油圧制御された前記混合吐出手段に供給することにより、二液型発泡性ウレタン組成物を噴射混合し、
    前記油圧駆動手段による油圧制御によって前記混合吐出手段から吐出された二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する、各工程を備えることを特徴とする、二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法。
  8. 前記気体を送出する工程は、供給された圧縮空気から水分子及び酸素分子を除去することにより、窒素ガスを発生する工程を備えることを特徴とする、請求項に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法。
  9. 前記混合吐出手段は、所望の位置に移動可能なマニピュレータに脱着自在に取り付けられており、
    二液型発泡性ウレタン組成物を被充填部へ充填する前記工程は、被充填部の注入口を通して該被充填部に二液型発泡性ウレタン組成物を供給可能な位置に前記混合吐出手段の吐出先端が位置決めされるように前記マニピュレータの位置を制御する工程を備えることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法。
  10. 前記充填装置が移動自在のユニットから構成されていることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の二液型発泡性ウレタン組成物の充填方法。
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