ICCプロファイルを作成する際、スキャナ、ディスプレイ、プリンタといった出力装置や入力装置の標準チャートとしてIT8が広く利用されている。IT8に準拠したカラーチャート内には、色相、明度(輝度)の異なる複数のカラーパッチが配列されており、そのカラーパッチの配列順も定められており、印刷時における印刷方向も定められている。
図17は、カラーチャートを概念的に示した図である。図17に示すように、IT8に準拠したカラーチャート96上には、複数のカラーパッチが規則的に配列された領域94を含む。なお、この領域94をカラーパッチ群と呼ぶことにする。カラーパッチ群94は、同系の色相のカラーパッチが異なる明度で一列に配列された部分95も含む。
ところで、印刷機には、図16に示すように、印刷機の胴91上に複数のインキ壺92が配列されており、このインキ壺92からインキを供給して印刷を行う機種がある。カラー印刷の場合、一般的に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック(YMCK)のインキが使用され、それら各色のインキがインキ壺92から供給される。このインキ壺92から各色のインキを均一に供給することは一般的に困難である。そのため、印刷物の左右で供給されるインキ量が異なり同一色でも左右の色彩が異なることがあるとともに、印刷状態が印刷紙面で微妙に異なってくるという実情がある。
このような印刷機におけるインキ壺92からのインキの供給を安定させることの困難性から、印刷したカラーチャート上のカラーパッチは色彩や明度に関し誤差を含む。さらに、前述のようにIT8に準拠したカラーチャート上には同一色相の明度の異なる複数のカラーパッチが印刷方向と同一方向に一例に並んでいる部分95を含んでいることから、この部分95全てが、インキ壺92によるインキの供給状況によっては、大きな誤差を含んでしまう恐れがある。この場合、作成されたICCプロファイルの精度を低下させる原因となる。特に、同系の色相のカラーパッチが異なる明度で一列に配列された部分95を印刷するために必要となるインキを供給するインキ壺92に不具合があった場合、一般にこのインキ壺の不具合を発見・調整することが困難であるとともに、印刷されたカラーチャートに基づき作成されたICCプロファイルは、カラーマネージメントのために利用できないほど誤差を含んだものとなってしまうこともある。
特許文献1に示すカラーチャート作成方法では、標準色空間においてカラーパッチが均一に分布するようにカラーパッチを選択することを開示するのみで、印刷機におけるインキ壺からのインキ供給を均一に行うことが困難なことに対応することを何ら考慮していない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、印刷機におけるインキの供給量が均一に行えなくとも、このような状況下でも、より精度の高いデバイスプロファイルを作成することが可能となる印刷用のカラーチャートデータの作成装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、異なる入出力装置の色表現を一致させるために印刷機の色特性を記述したデバイスプロファイルを作成する際に必要となるカラーパッチデータであって、色材の組み合せを示す複数のカラーパッチデータを記憶するパッチデータ記憶手段と、カラーパッチの配置順がランダムとなるように配置順を決定し、決定した配置順に従って前記パッチデータ記憶手段よりカラーパッチデータを読み出し配置することによりカラーパッチのランダム配置を行い、印刷機用のカラーチャートデータを作成するパッチ位置決定手段とを備えるカラーチャート作成装置である。
これにより、印刷機におけるインキの供給量を均一にすることが困難な状況下であっても、同一系列の色彩のカラーパッチが一列に並ぶことなくチャート内にランダムに配置され、同一系列の色彩のカラーパッチ印刷全てに不具合が生じることがなくなる。すなわち、同一系列の色彩のカラーパッチに対するインキ供給量の過不足に基づく色ずれの影響を軽減でき、結果としてより変換精度の高いデバイスプロファイルを作成することが可能となる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、対象とする印刷機のデバイスプロファイルが既に存在する場合、該デバイスプロファイルを利用して、装置に依存しない標準色空間における無彩色が概均等に配列されるような複数の無彩色カラーパッチを求め、該無彩色カラーパッチをパッチデータ記憶手段に加える無彩色パッチ付加手段をさらに備え、前記パッチ位置決定手段は、前記無彩色カラーパッチも含めて、カラーパッチのランダム配置を行い、前記対象とする印刷機用のカラーチャートデータを作成することを特徴とする。
標準色空間で、無彩色近傍において誤差が生じると色相が大きく異なってしまう。また、人間の視覚特性より無彩色における輝度変化に敏感である。よって、上記の処理により、標準色空間においてほぼ均等に配置されるような無彩色のカラーパッチを加え、それらも含むカラーチャートデータとすることで、人間の視覚特性において変化に敏感な無彩色に対するデバイス空間と標準色空間での変換の精度を高めることができる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、前記パッチ位置決定手段は、対象とする印刷機において、前記複数のカラーパッチを1枚のカラーチャートに印刷できない場合、該印刷機の印刷紙面の大きさに応じた枚数のカラーチャート内で、全てのカラーパッチが印刷されるように該カラーパッチをランダム配置するチャート分割手段を含むことを特徴とする。
IT8に準拠したカラーチャートでは、一枚のカラーチャートに必要とする全てのカラーパッチが収められることを前提としている。また、分光光度計でカラーパッチを測定するために、各カラーパッチは、所定の面積が必要である。しかし、デバイスプロファイルの作成対象となる印刷機によっては、印刷できる紙面の大きさの制限から、1枚のカラーチャート内に必要とする全てのカラーパッチを収めることができない場合がある。この場合、上記の処理により、印刷機の印刷紙面の大きさに応じた枚数のカラーチャート内で、全てのカラーパッチが印刷されるようにカラーパッチのランダム配置が行われる。よって、印刷機の印刷紙面の大きさに制限されることなくデバイスプロファイルの作成ができるようになる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、配列されたカラーパッチ群の周辺の少なくとも一部に、前記デバイスプロファイルを作成する際に利用しなくてもよいカラーパッチであるダミーパッチを、カラーチャートデータに対し付加するダミーパッチ付加手段をさらに備えたことを特徴とする。
測定を必要とするカラーパッチ群の周辺部は、通常、印刷されるデザインがない、もしくは、ある程度の距離をおいてで他のデザインが配置される。そのため、カラーパッチ群の周辺部において、インキの供給量が不足がちとなり、色ずれの原因となることがある。そこで、上記の処理により、測定対象となるカラーパッチ群の周囲部にダミーパッチを設けることに、カラーパッチ群の周辺部の各カラーパッチにも必要量のインキが供給されやすくなり、カラーパッチの色ずれを少なくすることができる。結果として、精度のよいデバイスプロファイルを作成するためのカラーチャートデータとすることができる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、ダミーパッチ付加手段は、対象とする印刷機でカラーチャートを印刷する際の印刷方向と同方向の前記カラーパッチ群の一列であって、前記カラーパッチ群の最端部のカラーパッチ列と同じパッチ列を該最端部のカラーパッチ列の外側に並列に配置することにより、配列されたカラーパッチ群の周辺に前記ダミーパッチを付加することを特徴とする。
これにより、印刷機の印刷方向と同方向のカラーパッチ列で、カラーパッチ群の最端部に位置するカラーパッチ列と同色のダミーパッチ列が付加される。その結果、カラーパッチ列に対し必要量のインキが効率よく供給できるようになり、印刷機の印刷方向と同方向のカラーパッチ列で、カラーパッチ群の最端部に位置するカラーパッチ列の印刷時の色ずれを防止することができるようになる。結果として、精度のよいデバイスプロファイルを作成するためのカラーチャートデータとすることができる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、ダミーパッチ付加手段は、対象とする印刷機でカラーチャートを印刷する際の印刷方向と直交する方向であって、前記カラーパッチ群の最端部に、概無彩色のカラーパッチ列を配置することにより、配列されたカラーパッチ群の周辺に前記ダミーパッチを付加することを特徴とする。
これにより、印刷機の印刷方向に対して直交する方向のカラーパッチ列で、カラーパッチ群の最端部に位置するカラーパッチ列の周辺にほぼ無彩色のダミーパッチ列が付加される。その結果、測定対象となるカラーパッチ列の印刷開始時および印刷終了時にも、各色のインキがほぼ均等に供給されやすくなり、特に印刷機の印刷方向に対して直交する方向の最端部に位置するカラーパッチ列の印刷時における色ずれを防止することができるようになる。結果として、精度のよいデバイスプロファイルを作成するためのカラーチャートデータとすることができる。
また、上記のカラーチャート作成装置において、カラーパッチが配置されない背景部分に概無彩色の印刷がなされるように背景色データを、前記カラーチャートデータに対し付加する背景色付加手段をさらに備えたことを特徴とする。
カラーパッチ群、ないしは、カラーパッチ群の周辺に付与されるダミーパッチを含めたパッチ群の背景が、無色である場合、特にパッチ群の周辺でのインキの供給が不十分になり印刷時の色ずれを生じる恐れがある。しかし、この処理により、ほぼ無彩色の背景色を付加することにより、パッチ群の周辺で各色とも所定量のインキの供給が安定して行われるようになり、パッチの色ずれを防止することができるようになる。結果として、精度のよいデバイスプロファイルを作成するためのカラーチャートデータとすることができる。
また、本発明は、異なる入出力装置の色表現を一致させるために印刷機の色特性を記述したデバイスプロファイルを作成する際に必要となるカラーパッチデータであって、色材の組み合せを示す複数のカラーパッチデータをコンピュータの記憶手段に予め記憶させ、カラーパッチの配置順がランダムとなるように配置順の演算処理を行い、決定した配置順に従って前記記憶手段よりカラーパッチデータを読み出し配置することによりカラーパッチのランダム配置処理を行い、印刷機用のカラーチャートデータを作成するカラーチャート作成方法である。
また、上記カラーチャート作成方法は、上記カラーチャート作成装置に記載されるその他の機能をコンピュータに行わせる方法も含む。
また、本発明は、コンピュータに印刷機用のカラーチャートデータの作成を行わせるプログラムであって、前記コンピュータが、異なる入出力装置の色表現を一致させるために印刷機の色特性を記述するデバイスプロファイルを作成する際に必要となるカラーパッチデータであって、色材の組み合せを示す複数のカラーパッチデータを記憶する状態において、カラーパッチの配置順がランダムとなるように配置順を決定し、決定した配置順に従って記憶手段よりカラーパッチデータを読み出し配置することによりカラーパッチのランダム配置を行い、印刷機用のカラーチャートデータを作成するパッチ位置決定機能
をコンピュータに実行させるプログラムである。
また、上記プログラムは、上記カラーチャート作成装置に記載されるその他の機能をコンピュータに実行させるための機能もコンピュータに実行させる。
本発明のカラーチャート作成装置、カラーチャート作成方法、および、その方法では、ランダムに配列されたカラーパッチを含むカラーチャートが印刷可能な印刷機用のカラーチャートデータが作成される。これにより、印刷機におけるインキの供給量を均一にすることが困難な状況下であっても、同一系列の色彩のカラーパッチが一列に並ぶことなくチャート内にランダムに配置され、同一系列の色彩のカラーパッチ印刷全てに不具合が生じることがなくなる。すなわち、同一系列の色彩のカラーパッチに対するインキ供給量の過不足に基づく、印刷精度の低下を軽減でき、結果としてより精度の高いデバイスプロファイルを作成することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態による印刷用のカラーチャートデータを作成するカラーチャート作成装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合せのすべてが発明の解決手段に必要であるとは限らない。
図1は、本発明のカラーチャート作成装置を利用してデバイスプロファイルを作成するための全体的な装置構成を示した図である。図1では、デバイスプロファイルを作成するために必要となる装置(コンピュータ)として、カラーチャート作成装置10、印刷制御装置30、ICCプロファイル作成装置50が含まれる。
カラーチャート作成装置10は、カラーパッチデータ11を記憶装置に予め蓄積し、このカラーパッチデータ11を利用して印刷機でカラーチャートを印刷する際に必要となる印刷用カラーチャートデータ12を作成する。なお、カラーパッチデータ11とは、デバイスプロファイルを作成する際に必要となるデータであって、色材の組み合せを示す複数のカラーパッチに関するデータである。印刷機における色材とは、一般的に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のインキを示す。デバイスプロファイルとは、異なる入出力装置、例えば、表示装置、スキャナ、印刷機等の色表現を一致させるためにその機器の色特性を記述したファイルを意味し、本実施の形態では、特に印刷機用のデバイスプロファイルを意味する。
デバイスプロファイルは、その機器固有のデバイス色空間(Device Dependent Color)から入出力装置に依存しない標準色空間(デバイス独立空間:Device Independent Color)へ変換するための情報、標準色空間からその機器固有のデバイス色空間へ変換するための情報のうち少なくとも一方を含む。デバイスプロファイルとして、本実施の形態では、デバイスプロファイルフォーマットの標準化を目的とて結成された国際機関(ICC)の規約に従って記述されたICCプロファイルを例にする。ICCプロファイルにおいて、印刷機のデバイス色空間は一般的にYMCKによる表色系での定義が行われ、標準色空間はCIE(国際照明委員会)の提唱するCIE LAB(CIE1976L*a*b*)による表色系での定義が行われる。
また、カラーチャート作成装置10は、対象とする印刷機のICCプロファイル13がある場合、ICCプロファイルの精度をより高めるために、これを利用して印刷用カラーチャートデータ12を作成する処理も行う。
印刷制御装置30は、カラーチャート作成装置10で作成された印刷用カラーチャートデータ12を用いて、ICCプロファイルの作成対象となる印刷機32にカラーチャート33を印刷させる。
ICCプロファイル作成装置50は、印刷された各カラーパッチのCIE LAB値を測定するための分光光度計53を備える。ICCプロファイル作成装置50は、その機能として、パッチ測定部と、ICCプロファイル作成部とを備える。パッチ測定部は、分光光度計53を制御することにより、印刷機32で印刷されたカラーチャート33内で測定対象となる各カラーパッチのCIE LAB値を測定し、測定データ51として蓄積する。また、測定データ51として、印刷用カラーチャートデータ12等を利用してカラーチャート上での各カラーパッチのデバイス色空間における表色値が蓄積されている。ICCプロファイル作成部は、この各カラーパッチのデバイス色空間における表色値、および、分光光度計53にて測定されたCIE LAB値とを対応付け、対象とする印刷機32のICCプロファイルを作成する。なお、ICCプロファイル作成部は、GretagMacbeth社のプロファイルメーカー等の市販ソフトウェアを利用することで実現できる。
次に、図1に示す装置構成によるICCプロファイル作成の処理フローについて図2を用いて説明する。
まず、カラーチャート作成装置10により、カラーパッチデータ11を利用してカラーチャート内に含めるカラーパッチの配置を決定し、印刷機で印刷する際の印刷用データとなる印刷用カラーチャートデータ12の作成が行われる(ステップS11)。
次に、印刷制御装置30により、カラーチャート作成装置10で作成された印刷用カラーチャートデータ12を用いて、ICCプロファイルの作成対象となる印刷機32でカラーチャート33の印刷を行う(ステップS12)。
続いて、ICCプロファイル作成装置50のパッチ測定部により、印刷機32で印刷されたカラーチャート33内の測定対象となるカラーパッチの色に関する測定が分光光度計53を用いて行われ、測定値を利用して各パッチの標準色空間における表色値が測定データ51として蓄積される(ステップS12)。なお、後で説明するダミーパッチについては、測定対象とするカラーパッチの印刷時の色ずれを少なくするために付加されたものであることから、測定対象としなくてよい。
次に、ICCプロファイル作成装置50のICCプロファイル作成部により、測定データ51を利用したICCプロファイルの作成が行われる(ステップS13)。なお、前述の通り、ICCプロファイル52を作成するための測定データ51内には、予め、測定対象となるカラーチャート上の各カラーパッチのデバイス空間での表色値も蓄積されている。ICCプロファイル作成部は、各カラーパッチについて、標準色空間における表色値とデバイス色空間における表色値との関連付けより、ICCプロファイルの作成を行う。
続いて、作成したICCプロファイル52を用いて、ICCプロファイルの精度を高めるための処理を行う場合(ステップS14:Yes)、カラーチャート作成装置10により、作成したICCプロファイルを一次ICCプロファイル13として利用した新たな印刷用カラーチャートデータの作成が行われる(ステップS10)。一方、ICCプロファイルの精度を高めるための処理を行わない場合、あるいは、ICCプロファイルの精度が十分に高まり再度ICCプロファイルの精度を高めるための処理をする必要のない場合(ステップS14:No)、対象とする印刷機用のICCプロファイルが完成する。なお、ステップS14に示すICCプロファイルの精度向上のために、再度、ステップ10に戻るループ処理は、少なくとも1回は行うことが好ましい。また、2回目以降のループ処理は、一般的に1回目のループ処理に比べICCプロファイルの変換精度を高める効果が低くなることから、必要とするICCプロファイルの変換精度等に応じて2回目以降のループ処理を行う。
以上が、図1に示す機器構成において、ICCプロファイルが作成されるまでの処理フローである。なお、ステップ10に示すカラーチャートの作成は別途詳細に説明する。
次に、カラーチャート作成装置10の機能について説明する。図3は、カラーチャート作成装置10の機能ブロックを示した図である。この図において、図1に示すカラーチャート作成装置10と同一の部分には同一の符号を付している。図3より、カラーチャート作成装置10は、無彩色パッチ付加部21と、パッチ位置決定部22と、ダミーパッチ付加部24と、背景色付加部25とを備える。また、パッチ位置決定部22は、チャート分割部23をその機能として含む。
無彩色パッチ付加部21は、印刷機32のICCプロファイルが既にある場合、このICCプロファイルを一次ICCプロファイル13として利用して、標準色空間において無彩色がほぼ均等に配列されるように、デバイス空間で表現される複数の無彩色カラーパッチを求め、この求めたカラーパッチを追加のパッチデータとしてカラーパッチデータ11に付加する。
パッチ位置決定部22は、予め定められたカラーパッチの配置順に対し、この配列順がランダムとなるように配置順を決定する。そして、パッチ位置決定部22は、決定した配置順に従って記憶装置よりカラーパッチデータ11を読み出して配置することによりカラーチャート上でのカラーパッチのランダム配置を行い、カラーチャートデータ12を作成する。また、パッチ位置決定部は、無彩色パッチ付加部21により無彩色となるカラーパッチに関するデータが付加されている場合、この無彩色となるカラーパッチも含めて、カラーパッチのランダム配置を行いって、印刷機用のカラーチャートデータ12を作成する。
パッチ位置決定部22に含まれるチャート分割部23は、印刷機32でカラーチャートを印刷する際に、必要となる複数のカラーパッチが1枚のカラーチャートで印刷できない場合、印刷機32の印刷紙面の大きさに応じて、複数枚のカラーチャート内で必要とする全てのカラーパッチが印刷されるように、カラーパッチをランダム配置する処理を行う。
ダミーパッチ付加部24は、配列されたカラーパッチ群の周辺の一部もしくは全てに、ICCプロファイルを作成する際に分光光度計での測定の必要性のないカラーパッチであるダミーパッチを、カラーチャートデータ12に対し付加する処理を行う。
背景色付加部25は、カラーパッチが配置されない背景部分において、おおよそ無彩色の印刷がなされるように背景色データをカラーチャートデータ12に対し付加する処理を行う。
図1でも示すように、カラーチャート作成装置10は、カラーパッチデータ10、印刷用カラーチャートデータ12、一次ICCプロファイル13を記憶または作成する。ここで、カラーパッチデータ10は、カラーパッチを特定する番号と、そのカラーパッチのデバイス空間における表色値を関連付けるデータを含む。印刷用カラーチャートデータ12は、印刷機で印刷できるファイル形式であって、カラーチャート内での各カラーパッチの位置情報とそのカラーパッチのデバイス空間における表色値に関する情報を含むデータである。一次ICCプロファイル13は、ICCプロファイル52の精度を高めるために、既に存在する印刷機32用のICCプロファイル、または、図1に示す装置構成により作成されたICCプロファイル52である。
次に、カラーチャート作成装置10の動作について説明する。図4は、カラーチャート作成装置の動作フローを示した図である。
まず、カラーチャート作成装置10により、印刷機32のICCプロファイルが既にあり、かつ、このICCプロファイルを一次ICCプロファイル13として利用して、ICCプロファイルの精度向上のための処理を行うか判断される(ステップS20)。
ICCプロファイルの精度向上のための処理を行う場合(ステップS20:Yes)、ステップS21に進み、そうでない場合(ステップS20:No)には、ステップS21をスキップして、ステップS22に進む。図4に示す処理の流れにおいて、まずは、印刷機32のICCプロファイルがないものとし、ステップS22に進む場合について説明する。
ICCプロファイルの精度向上のための処理を行わない場合(ステップS20:No)、パッチ位置決定部22により、初期のカラーパッチの配置順に対し、この配列順がランダムとなるように配置順の決定がなされる。次に、記憶装置より決定された配置順に従ってカラーパッチデータ11が読み出され、デジタルデータとして表現されている印刷紙面シート上に順次配置することによりカラーパッチのランダム配置を行い、印刷機用の印刷データとなるカラーチャートデータ12を作成する(ステップS22)。
ステップS22に示すカラーパッチのランダムに配置するパッチ位置決定部22の処理の詳細について、図5を用いて説明する。初期のカラーパッチの配置状態として、図6の符号41に示すように、カラーパッチはパッチ番号000から923の924個が存在すし、パッチ位置とそれに対応するパッチ番号が一致しているものとする。なお、カラーパッチデータ11においては、各パッチ番号に対して、色材の組み合せが表色値として関連付けられており、初期のカラーパッチデータの順番は、例えば、IT8で規定されるカラーパッチの配置順とする。
図5において、ランダム配置処理の処理回数を示す変数iが初期化される(ステップS31)。続いて、乱数発生関数等を利用して、2つの乱数RND1およびRND2が生成される(ステップS32、S33)。なお、ここでは、乱数は0以上で1未満の範囲の実数として生成される。
次に、カラーパッチの位置の入れ替え場所が決定され、パッチ番号を利用したカラーパッチの位置の入れ替えが行なわれる(ステップS34)。例えば、カラーパッチ数を“m”とした場合、カラーパッチの位置の入れ替えを行うパッチ位置A,Bを下記の通り求める。
A=INT(m×RND1)
B=INT(m×RND2)
ここで、関数INT()は、実数を整数にする関数であり、この関数によりパッチ位置A,Bは、0から923の範囲の整数となる。例えば、1回目のカラーパッチの位置の入れ替え処理により、パッチ位置Aが“300”、パッチ位置Bが“640”と決定されたとする。この場合、図6の符号41に示す初期状態のカラーパッチの位置300および640にあるパッチ番号300、パッチ番号640の位置の入れ替えが行われ、入れ替えの結果、図6の符号42に示す状態となる。
上記のステップS32からS34が、予め決められたパッチ位置の入れ替え回数“n”まで繰り返えされる(ステップS35、S36)。図6の符号43は、n回のパッチ位置の入れ替えを行った後におけるパッチ番号の配列順の一例を示している。入れ替え回数“n”を十分大きな値とすることで、図5に示す処理により、カラーパッチのランダムな配置順が決定される。パッチ位置決定部22は、全てのカラーパッチを一枚のチャートに収める場合、上記の処理により決定された配置順に従ってカラーパッチデータ11を読み出し、デジタルデータ上でカラーパッチを予め定められた配置位置に順次配置していくことで、印刷機3用のカラーチャートデータ12を作成する。図7は、パッチ位置決定部22により作成されたカラーチャートデータに基づき印刷されたカラーチャートのイメージ例を示す図である。図6の符号43に示されるランダム配置順が利用される場合、例えば、図7の配置位置No.0にはパッチ番号601で示されるカラーパッチが配置され、順次カラーパッチが配置され、最後の配置位置No.(m−1)にはパッチ番号192で示されるカラーパッチが配置される。図7および後述する図11において、符号45は、各カラーチャート上において分光光度計53での測定を必要とするカラーパッチのまとまりである“カラーパッチ群”を示している。なお、図7において紙面の都合から異なるカラーパッチであっても同一のハッチパターンを付したものがある。
カラーチャート上にカラーパッチを印刷する際、印刷後に各カラーパッチを分光光度計53で測定する必要があることから、各カラーパッチは所定の大きさでの印刷が必要となる。一方、ICCプロファイルの作成対象となる印刷機によっては、測定対象となる全てのカラーパッチを1枚の紙面上に印刷できない場合がある。この場合、測定が必要なカラーパッチを複数枚のカラーチャートに分ける必要がある。そこで、図4において、カラーチャート作成装置10において、印刷機32でカラーチャートの印刷をする際に、必要となる複数のカラーパッチが1枚のカラーチャートに印刷できる印刷機32であるかの確認が行われる(ステップS23)。なお、この判断は、例えば、対象とする印刷機32のスペックをチェックすることにより行なわれる。
カラーパッチを複数のカラーチャートに分けて印刷する必要がある場合(ステップS23:Yes)、パッチ位置決定部22に含まれるチャート分割部23は、印刷機32の印刷紙面の大きさに応じて、複数枚のカラーチャート内で全てのカラーパッチが印刷されるように、カラーパッチをランダム配置する処理を行う(ステップS24)。図8は、チャート分割部22により作成された複数のカラーチャートデータに基づき印刷された複数のカラーチャート・イメージの一例である。図8では、3枚のカラーチャートに分割された例を示している。図6の符号43に示されるランダム配置順が利用される場合、例えば、図8の1枚目のカラーチャートの配置位置No.0にはパッチ番号601で示されるカラーパッチが配置され、順次カラーパッチが配置され、1枚目のカラーチャートにおける最後の配置位置No.aにはパッチ番号352に示されるカラーパッチが配置される。2枚目のカラーチャートにおいても同様にカラーパッチが配置され、3枚目のカラーチャートの配置位置No.(b+1)にはパッチ番号738で示されるカラーパッチが配置され、順次カラーパッチが配置され、3枚目のカラーチャートにおける最後の配置位置No.(m−1)にはパッチ番号192に示されるカラーパッチが配置される。なお、図7に示す場合と同様に、図8の符号46に示す、各カラーチャート上において分光光度計53での測定を必要とするカラーパッチのまとまりについても“カラーパッチ群”と呼ぶ。
図4において、カラーパッチを複数のカラーチャートに分けて印刷する必要がない場合(ステップS23:No)、もしくは、ステップS24により複数の分割されたカラーチャートに分割された後、ダミーパッチ付加部24により、配列されたカラーパッチ群の周辺の一部もしくは全てに、ICCプロファイルを作成する際に測定対象とする必要のないカラーパッチであるダミーパッチを、カラーチャートデータ12に対し付加する処理を行う。ダミーパッチ付加部24によるカラーパッチ群へのダミーパッチの付加の例について、図面を用いて説明する。
図9は、カラーパッチ群71に対し、印刷方向と同方向にダミーパッチ列61、62を付加した際におけるカラーチャートの印刷イメージ例を示した図である。図9および他の図において、カラーパッチ群71は、図7に示すように1枚のカラーチャートに必要とする全てのカラーパッチが含まれる際のカラーパッチ群45、または、図8に示すように複数枚のカラーチャートにより必要とする全てのカラーパッチが含まれる際のカラーパッチ群46の、いずれかの場合を示しているものとする。図9の例では、ダミーパッチ付加部24が、対象とする印刷機32の印刷方向と同方向のカラーパッチ群71内の一列であって、カラーパッチ群71の最も外側のカラーパッチ列65、68と同じカラーパッチを含むダミーパッチ列61,62をそれぞれのカラーパッチ列65,68の外側近傍に並列配置することにより、ダミーパッチを付加する処理を行う場合を示している。この処理により、印刷方向と同方向のカラーパッチ列を見ると、外側のダミーパッチ列61とカラーパッチ列65が同じパターンのパッチ列となり、他方の外側のダミーパッチ列62とカラーパッチ列68とが同じパターンのパッチ列となる。
図10は、カラーパッチ群72に対し、印刷方向と直交する方向にダミーパッチ列63、64を付加した際におけるカラーチャートの印刷イメージ例を示した図である。図10の例では、ダミーパッチ付加部24が、対象とする印刷機32の印刷方向と直交する方向であって、カラーパッチ群71の最端部近傍に、おおよそ無彩色のダミーパッチ列63、64を配置することにより、ダミーパッチを付加する処理を行う場合を示している。ここで、ダミーパッチ列63および64に含まれるカラーパッチの色は同色で、例えば、カラーパッチ群71に含まれるカラーパッチにおける各色の平均値(平均網%)に対し、それぞれ1/2の値(網%)を持つパッチとする。これにより、ダミーパッチ列63および64に含まれるパッチをほぼ無彩色となる。
図11は、図9および図10に示す処理の双方を行った場合におけるカラーチャートの印刷イメージ例を示した図である。図11において、図9および図10の同一の部分には同一の符号を付している。なお、図11においては、図10に対し、カラーパッチ群のみではなく、付加されたダミーパッチ列61、62に対してもそれらをも覆うように、ほぼ無彩色となるパッチからなるダミーパッチ列63、64が付加されている点で相違する。
なお、ダミーパッチ付加部24によるカラーパッチ群71に対するダミーパッチの付加の方法は、上記に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、カラーパッチ群71の最も外側のカラーパッチ列65と同じカラーパッチを含むダミーパッチ列を符号66、67に示すように2列以上設け、同様に他方の最も外側のカラーパッチ列68と同じカラーパッチを含むダミーパッチ列を符号69,97に示すように2列以上設けてもよい。また、図13に示すようにカラーパッチ群71の周囲を取り囲むように、図10で説明したほぼ無彩色となるダミーパッチを付加しても良い。さらには、カラーパッチ群71の周囲を取り囲むように、いずれかのカラーパッチを付加することによりダミーパッチを付加してもよい。
以上のようにダミーパッチが付加された後、図4において、背景色付加部25により、印刷されるカラーチャートにおいて、測定対象となるカラーパッチおよび付加されたダミーパッチが配置されない背景部分に対し、おおよそ無彩色の背景色の印刷がなされるように、背景色データがカラーチャートデータ12に対し付加される(ステップS26)。例えば、図14に示すように、カラーパッチ群71およびダミーパッチ群73に含まれるパッチ以外の部分74がほぼ無彩色となるように背景色が付加される。なお、カラーパッチ間もこの処理により背景色が加えられる。加える背景色の一例としては、カラーパッチ群71に含まれるカラーパッチにおける各色の平均値(平均網%)に対し、それぞれ1/10の値(網%)とする。背景色は、印刷されるチャート全体とする必要はなく、少なくとも配列されたカラーパッチおよびダミーパッチを所定の幅をもって取り囲むように背景色を加えるのみでもよい。
図4のステップ21の処理を行わなくとも、ステップS22からステップ26を行うことで、カラーチャートデータ12が作成できる。このカラーチャートデータ12を用いて、図1に示す装置構成により、図2に示すステップS11からS13に示す処理を行うことで、印刷機32用のICCプロファイル52が作成できる。図2において、このようにして作成したICCプロファイル52を用いて、ICCプロファイルの精度を高める処理を行う場合(ステップS14:Yes)、最初に作成されたICCプロファイル52を用いた精度向上のための処理が、カラーチャート作成装置10によって行われる(図4のステップS21)。
図4において、最初に作成されたICCプロファイル52を一次ICCプロファイル13として利用した精度向上のための処理を行う場合(ステップS20:Yes)、無彩色パッチ付加部21により、一次ICCプロファイル13を用い、標準色空間において、無彩色がほぼ均等に配列されるように、対象とする印刷機のデバイス空間における複数の無彩色カラーパッチを求める。そして、この求めたカラーパッチは追加のカラーパッチデータとしてパッチデータ10に蓄積される(ステップS21)。以下では、この処理をより詳細に説明する。
図15は、標準色空間における色差と色相の関係を説明するための図である。ここでは、標準色空間として、CIE LAB(CIE1976L*a*b*)表色系を例にしている。この表色系において、“L*”軸は明度の変化を示し、“a*”軸+方向は赤を、“a*”軸−方向は緑を、“b*”軸+方向は黄色を、“b*”軸−方向は青を示し、図に示すa−b平面図上の原点位置にあるL*軸から離れるほどその彩度が増す事を表す。また、この表色系におけるL*軸方向から見た正射影平面上での2つの点の原点に対してなす角度は、色相の変化の度合い(色相の差)を示す。
図15において、例えば、彩度の高いカラーパッチAが精度よく印刷・測定されたならば、L*a*b*表色系上の符号81に示すポイントに位置するが、印刷時の誤差等により、符号82に示すポイントに位置することになったとする。このときの符号81、82に示すポイントの原点に対してなす角度をθ1とする。一方、彩度の低いほぼ無彩色のカラーパッチBが精度よく印刷・測定されたならば、L*a*b*表色系上の符号83に示すポイントに位置するが、印刷時の誤差等により、符号84に示すポイントに位置することになったとする。このときの符号83、84に示すポイントの原点に対してなす角度をθ2とする。なお、ここで、ポイント81と82の距離と、ポイント83と84の距離は等しいものとする。図15に示すように、彩度が大きいカラーパッチAの場合、誤差があってもその色相の差θ1は、相対的に小さい。一方、ほぼ無彩色のカラーパッチBの場合、誤差があるとその色相の差θ2は、相対的に大きくなり、異なる色として知覚される恐れがある。また、人間の視覚特性より、人間は無彩色の輝度に対する変化を敏感に識別できる。そのため、標準色空間において、ほぼ無彩色となる色に関する測定値を多く持つことが、標準色空間とデバイス色空間での色の変換精度を高めるために重要となる。
そこで、無彩色パッチ付加部21は、標準色空間において無彩色、すなわち、L*軸上に、等間隔でポイントを定める。例えば、L*a*b*表色系において、a*=0、b*=0で、L*が10から100の範囲に同一間隔で10ポイントを定める。次に、無彩色パッチ付加部21は、一次ICCプロファイル13を用いて、定めた標準色空間のポイント(例えば10ポイント)から、印刷機32のデバイス色空間におけるポイント(例えば10ポイント)に変換する。そして、無彩色パッチ付加部21は、変換したデバイス色空間におけるポイントのカラーパッチ(例えば10個のカラーパッチ)を、測定対象とするカラーパッチとしてカラーパッチデータ12に付加する。以上が、無彩色パッチ付加部21の処理である。
なお、パッチ位置決定部22は、無彩色パッチ付加部21により、測定対象とする無彩色のカラーパッチがカラーパッチデータ11に付加されている場合、このカラーパッチも含めて、カラーパッチのランダム配置を行い、印刷機32で印刷するためのカラーチャートデータ12を作成する(ステップS22)。
以上が、カラーチャート作成装置10の動作である。
なお、図3における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、印刷機用のカラーチャートデータの作成処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、この発明の実施形態について、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、本実施の形態では、印刷機を対象としたカラーチャートデータの作成を例にしているが、これに限定されるものではなく他の入出力装置にも適用できる。特に、入出力の際に、特定の位置にライン状の誤差が生じやすい入出力装置に対して適用する際に良好である。
また、本実施の形態では、インキを用いた印刷機を中心に説明したがこれに限定されるものでない。例えば、インキのほか、染料、顔料、トナー等々を利用した印刷機であってもよく、特に、それらを用いた際に、ライン状の印刷誤差が生じやすい場合に適用する際に良好である。
また、本実施の形態では、デバイスプロファイルとしてICCプロファイルを例に説明したが、これに限定されるものではない。デバイスプロファイルは、少なくとも対象とする装置のデバイス色空間と標準色空間との間で、一方向もしくは双方向の色変換ができるものであればよい。また、本実施の形態では、図7から図14にカラーパッチ群が四角い領域に収まる例を示したがこれに限定されるものではない。なお、カラーパッチ群が四角い領域に収まらない場合には、この周辺にもうけられるダミーパッチ列、ダミーパッチ群は、基本として、カラーパッチ群の領域に沿って設けられる。
また、本実施の形態では、図4に示す各処理部21〜25の処理をした例を示している。しかし、全ての処理部による処理が必要でなく、少なくともパッチ位置決定部22による処理を含んでいればよく、他の処理部21、23から25による処理は適宜行うものであってもよい。