JP4241119B2 - 静電潜像現像剤用キャリア、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
静電潜像現像剤用キャリア、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、或いは静電記録法において、静電潜像を現像するために使用される静電潜像現像剤用キャリア、及び該静電潜像現像剤用キャリアを用いる静電潜像現像用現像剤、並びに画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法では、感光体(潜像担持体)に形成された静電荷像を結着樹脂、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写紙上に転写し、加熱ロールで定着し画像を得る。このような電子写真法等で使用する乾式現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散したトナーそのものを用いる一成分現像剤と、かかるトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別することができる。
【0003】
電子写真の市場は1980年代の後半から装置の小型化、高機能の要求が強く、特にフルカラーの画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。そのような高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。デジタル化処理では、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、それぞれの画像の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点でメリットが大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。
【0004】
近年、このような技術の進展から軽印刷、特にDTP(デスクトップパブリッシング)に電子写真が採用されつつある。この場合の特徴はオンデマンドで印刷処理できることにある。しかし、これを現像剤の視点からみてみると、画像出力としては光学系で作製された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしてはますます小粒径化が進み、現像、転写、定着特性における基本特性の改善が更に重要となっている。
近年の複写機、プリンターなどの電子写真装置では、ビジネスユース、パーソナルユースを問わず、更に高速でかつ小型の装置が望まれている。特に現像工程では、左記ニーズに答えるためにはより帯電の立ち上がりが速く、より長期にわたり安定した帯電性を有する現像剤が必要となる。特にキャリアに対しては、帯電特性、電気特性のさらなる向上が望まれている。
【0005】
キャリアには、一般に磁性体粒子表面に樹脂被膜層を有する被膜キャリアと、被膜層を有しない非被膜キャリアとに大別される。しかし現像剤の長寿命化やトナーの帯電制御が容易である点から被膜キャリアの方が優れている。また一般的に非被膜キャリアの電気抵抗は低く、このため現像時にキャリアに感光体表面の電荷とは逆極性の電荷が注入されやすくなり、感光体表面の電荷との間にクーロン力が働き、キャリア粒子が感光体表面に付着する現象、いわゆるキャリア付着が起こる。この現象は画像面にキャリアがついたり、転写工程でキャリアは紙などの支持体に付着されず、白抜けが発生し、致命的な画像欠陥を引き起こす。
【0006】
前記課題すなわち帯電の長寿命化およびキャリア高抵抗化を実現するために樹脂被膜層を有する被膜キャリアが種々検討されてきた。例えば、四フッ化エチレン系樹脂および四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂が被覆されているキャリア、環状構造を持ったポリオレフィン樹脂が被覆されているキャリアが提案されている。
前記記載のキャリアは帯電の長寿命化には有用であるが、他方で樹脂のみで被膜したキャリアには帯電の長寿命化のために被覆量を増やすと帯電の立ち上がりが遅くなるという欠点を有している。この帯電の立ち上がり性の遅れは未帯電トナーの現像機内での飛散や、かぶりなどの画質欠陥を引き起こす。そしてこれは特に電荷漏洩の少ない低湿の環境下では顕著である(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0007】
また、長寿命および高抵抗でかつ帯電の立ち上がりの速いキャリアとしては、樹脂被覆層に帯電制御剤が固着されたキャリアや、帯電制御剤含有の樹脂層の上層に樹脂微粒子あるいは無機微粒子が固着されたキャリアが提案されている。
これらのキャリアは帯電の立ち上がり性、および帯電の長寿命化には有用であるが、樹脂被覆層中の帯電制御剤の分散状態によっては、帯電特性が不安定となる問題がある。また帯電制御剤の材料によっては環境依存性が悪化するなどの欠点を有しており、安定した設計が困難となる(例えば、特許文献3及び4参照。)。
【0008】
更に、コート樹脂とは逆極性のカップリング剤により処理された無機微粒子が樹脂被覆層に固着されたキャリアが提案されている。しかし該キャリアの帯電付与能力は基本的に樹脂被覆層の樹脂が担う形となっており、一旦トナーや外添剤がキャリア表面に固着してしまうと安定した帯電性を保つことは困難となる。このことは帯電量が上昇しやすくトナーや外添剤との静電的な付着力が強くなる低温低湿下では顕著であり、いまだ十分であるとはいえない(例えば、特許文献5参照。)。
【0009】
一方、帯電の長寿命化を図ったキャリアとして、樹脂被覆層中に樹脂微粒子と導電性微粉末が分散された被覆型キャリアが提案されている。上記キャリアは帯電の長寿命化には有効であるが、複写機・プリンターなどのプリンティング市場では廃棄物を抑制する傾向がさらに強まることが予想され、さらに長寿命のキャリアが望まれている(例えば、特許文献6参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−19214号公報
【特許文献2】
特開平9−185185号公報
【特許文献3】
特開平1−29859号公報
【特許文献4】
特開平1−29865号公報
【特許文献5】
特開平1−29860号公報
【特許文献6】
特開平9−269614号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、常温・常湿下はもとより、高温・高湿、及び低温・低湿下においてもトナー帯電の立ち上がりが速く、キャリア付着が起こらず、長期にわたり安定した帯電性をトナーに与え、良好な画像を安定して得ることができる静電潜像現像剤用キャリア、及び該静電潜像現像剤用キャリアを用いる静電潜像現像用現像剤、並びに画像形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、樹脂被覆層を有したキャリア粒子表面に一定量のチタン原子を存在させることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
<1> マトリックス樹脂中に、少なくとも樹脂微粒子及び導電粉が分散含有している樹脂被覆層を、芯材上に有する静電潜像現像剤用キャリアであって、
X線光電子分光法で測定した、前記樹脂被覆層の表面における炭素原子に対するチタン原子の比率が0.8%〜7.0%であり、
酸化チタンを前記樹脂被覆層中に分散含有させる、又は、酸化チタンを前記樹脂被覆層の表面に添加することにより得られ、
前記酸化チタンの体積抵抗が、10 11 〜10 15 Ω・cmであることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリアである。
【0013】
<2> 酸化チタンを前記樹脂被覆層中に分散含有させることにより得られることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像剤用キャリアである。
<3> 酸化チタンを前記樹脂被覆層の表面に添加することにより得られることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像剤用キャリアである。
【0014】
<4> 前記酸化チタンの平均粒径が、10〜200nmであることを特徴とする<2>又は<3>に記載の静電潜像現像剤用キャリアである。ここで酸化チタンの平均粒径は、走査型電子顕微鏡により観察し、任意に100個選択し、それらの粒径を平均したものである。
【0015】
<5> トナーとキャリアからなる静電潜像現像用現像剤において、前記キャリアが<1>〜<4>の何れか1つに記載の静電潜像現像剤用キャリアであることを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
<6> 静電潜像坦持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を定着する工程と、を有する画像形成方法であって、前記現像剤が、<5>に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、マトリックス樹脂中に、少なくとも樹脂微粒子及び導電粉が分散含有している樹脂被覆層を、芯材上に有する静電潜像現像剤用キャリアであり、X線光電子分光法で測定した、前記樹脂被覆層の表面における炭素原子に対するチタン原子の比率が0.8%〜7.0%であることを特徴とする。以下、本発明の静電潜像現像剤用キャリアについて詳しく説明する。
【0017】
本発明の静電潜像現像剤用キャリア(以下、単に「キャリア」という場合がある。)は、樹脂被覆層を芯材上に有するいわゆるコートキャリアである。
前記芯材としては、フェライト、マグネタイト、鉄粉などの磁性粒子が好ましく用いられる。
前記磁性粒子の体積平均粒径は10〜55μmの範囲が好ましい。前記磁性粒子の体積平均粒径が55μmを超えると、現像機内ストレスにより被覆層の剥がれが生じ、キャリア抵抗が低下する場合がある。一方、前記磁性粒子の体積平均粒径10μm未満であると、トナーインパクションが発生し、キャリア抵抗が上昇する場合がある。これらの現象は、キャリア1粒子当たりの重さに起因するものと推定される。
【0018】
また、前記磁性粒子の磁力は、3000エルステッドにおける飽和磁価が50emu/g以上であることが好ましく、より好ましくは60emu/g以上である。飽和磁価が50emu/gより弱い磁力では、キャリアがトナーと共に、感光体上に現像されてしまう場合がある。
【0019】
前記マトリックス樹脂は、キャリアの被覆層として当業界で利用され得る任意の樹脂から選択されてよく、単独でも二種以上でもよい。前記マトリックス樹脂としては、トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂、及びトナー成分のキャリアへの移行を防止するための低表面エネルギー材料を使用することが好ましい。
前記トナーに帯電性を付与するための帯電付与樹脂の内、トナーに負帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、およびエポキシ樹脂等があげられ、さらにポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂等のセルロース系樹脂等があげられる。また、トナーに正帯電性を付与するための帯電付与樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
【0020】
前記トナー成分のキャリアへの移行を防止するための低表面エネルギー材料としては、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が挙げられる。
【0021】
前記導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。前記平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる場合がある。また、導電粉自身の導電性は1010Ωcm以下が好ましく、109Ωcm以下がより好ましい。更に、必要に応じて、導電性樹脂等を併用することができる。
前記導電粉の樹脂被覆層における含有量は、0.05〜1.5質量%が好ましく、0.10〜1.0質量%がより好ましい。前記前記導電粉の樹脂被覆層における含有量が1.5質量%を超えると、キャリア抵抗の低下を招き、現像像へのキャリア付着などにより画像欠損を引き起こす場合がある。
一方、前記導電粉の樹脂被覆層における含有量が0.05質量%未満であると、キャリアが絶縁化され、現像時、現像電極として働きにくくなり、特に黒ベタ部でエッジ効果が出る等、ソリッド画像の再現性が劣る場合がある。
【0022】
前記樹脂微粒子は、粒径が0.1〜2.0μmのものをいう。該粒径としては、0.2〜1.0μmが好ましい。該粒径が0.1μmより小さいと、被覆層での分散性が悪化し、被覆層の脆化を招く場合がある。2μmより大きいと、被覆層からの脱落が生じやすく、本来の機能を維持できなくなる場合がある。また、樹脂微粒子はトナーに負帯電性を付与するためには、その構成成分として電子供与性を有するN原子を含むことが好ましい。
【0023】
前記樹脂微粒子は、樹脂微粒子は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることが出来る。熱可塑性樹脂の例としては具体的には、ポリオレフィン系樹脂、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルおよびポリビニルケトン;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体;スチレン-アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂またはその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0024】
前記樹脂微粒子の樹脂被覆層における含有量は、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.6質量%がより好ましい。前記前記樹脂微粒子の樹脂被覆層における含有量が1.0質量%を超えると、樹脂被覆層の強度が低下し、現像機内ストレスによりコート剥がれが発生しやすくなる場合がある。一方、前記樹脂微粒子の樹脂被覆層における含有量が0.05質量%未満であると、帯電維持性の点で不充分になる場合がある。
【0025】
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、前記樹脂被覆層の表面における炭素原子に対するチタン原子の比率が0.8%〜7.0%であることを特徴とする。
前記樹脂被覆層の表面に、炭素原子に対して0.8%〜7.0%の範囲のチタンが存在することで、見かけ上キャリアの表面が低抵抗となり、トナーと接触することによりキャリア表面に発生した電荷は速やかに無接触のキャリア表面に移動し、結果としてトナーの過度な帯電を抑制すると同時に、電荷交換性、帯電立ち上がり速度の向上をもたらす。キャリア表面のチタン存在量が炭素比で0.8%未満では充分な電荷の移動が行われず、機能の発現にはいたらない。一方、7.0%を超える領域では、電荷交換性、帯電立ち上がり速度の向上は認められるが、帯電のリークが発生しやすく、特に高温高湿の環境下ではカブリを引き起こす。前記炭素原子に対するチタン原子の比率は、1.0〜6.0%が好ましく、1.0〜4.5%がより好ましい。
尚、本発明では、樹脂被覆層の大半が炭素原子であるので、チタン原子の比率を炭素原子に対して規定した。
【0026】
また、本発明では、炭素原子に対するチタン原子の比率は、X線光電子分光法で測定した。X線光電子分光法での炭素原子に対するチタン原子の比率の測定の詳細は、以下の通りである。
測定器:日本電子株式会社製、JPS−9000MX
測定強度:10.0kV、20mA
Source:MgKa
上記測定器および測定条件にて得られた各元素に由来するピークのうち、炭素由来成分とチタン由来成分のピーク強度を比較することで、チタン原子の炭素原子に対する比率を算出している。
【0027】
本発明において、前記樹脂被覆層の表面にチタン原子を供給する手段としては、酸化チタンを前記樹脂被覆層中に分散含有させる方法と、酸化チタンを前記樹脂被覆層の表面に添加する方法とが挙げられる。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、酸化チタンを前記樹脂被覆層中に分散含有させることにより得られる静電潜像現像剤用キャリア、又は、酸化チタンを前記樹脂被覆層の表面に添加することにより得られる静電潜像現像剤用キャリアである。本発明においては、上述の何れの態様においても、前記樹脂被覆層の表面における炭素原子に対するチタン原子の比率が0.8%〜7.0%である必要がある。
【0028】
前記酸化チタンは、トナーの外添剤として利用され得る公知のものから選択することができる。用いる酸化チタンの表面には疎水化、帯電量調整、抵抗調整などを目的とし、公知の表面処理(例えばシリコーンオイルによる疎水化処理)を施してもよい。
また、前記酸化チタンの粒径は10〜200nmのものが好ましく、より好ましくは10〜100nmである。
前記酸化チタンの粒径が200nmを超えると、前記樹脂被覆層中に酸化チタンを分散含有させた場合、被覆層が脆くなり剥がれが生じる場合がある。一方、前記酸化チタンの粒径が10nm未満であると、2次凝集体の凝集力が強くなる場合があり、均一分散が困難となる場合がある。不均一な分散状態をとることにより、被覆層中、酸化チタン成分が過剰になり、その部分から電荷のリークなどが発生しやすくなる場合がある。また、前記樹脂被覆層中の2次凝集体存在部が脆化しやすくなる場合、樹脂被覆層の剥がれの原因となる場合がある。
【0029】
一方、前記樹脂被覆層の表面に添加した場合、前記酸化チタンの粒径が200nmを超えると、現像機内でのストレスにより表面からの脱離が生じたり、機能の維持が困難となる場合がある。一方、前記酸化チタンの粒径が10nm未満であると、2次凝集体の凝集力が強くなる場合があり、均一分散が困難な場合、付着状態が不均一になる場合、2次凝集体存在部から電荷のリークが発生しやすくなる場合、トナーの帯電量分布が広がる場合、及びカブリや機内汚染の原因となる場合がある。
【0030】
前記酸化チタンの体積抵抗は、1010〜1016Ω・cmが好ましく、より好ましくは1012〜1016Ω・cmである。前記酸化チタンの体積抵抗が1010Ω・cm未満であると、電荷交換性は向上するものの、高温高湿下の環境で電荷のリークが発生し、カブリの原因となる場合がある。一方、前記酸化チタンの体積抵抗が1016Ω・cmを超えると、充分な電荷交換性が得られず、特に低温低湿の環境下、迅速な帯電立ち上がりが得られない場合がある。
【0031】
前記樹脂被覆層中に酸化チタンを分散含有させる方法としては、あらかじめ酸化チタンを分散させた樹脂被覆層形成用原料溶液(溶媒中にマトリックス樹脂固形分を溶解させたもの。必要に応じて、樹脂微粒子、帯電制御剤、導電粉等を含んでもよい)を用いる。具体的には芯材表面に樹脂被覆層形成原料溶液を噴霧し、脱溶剤を行うスプレードライ法、ニーダーコーターの中で芯材と樹脂被覆層形成原料溶液とを混合し脱溶剤を行うニーダーコーター法、芯材を樹脂被覆層形成用原料溶液に侵漬する侵漬法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用原料溶液を噴霧する流動床法が挙げられる。
【0032】
前記樹脂被覆層形成用原料溶液中での酸化チタンは溶剤中に均一に分散していれば、形成される樹脂被覆層中でも、均一に分散されるので、そのように樹脂被膜層形成用原料溶液を調製することが好ましい。このような均一分散は、溶液であるので極めて容易に達成できる。例えば、その原料溶液全体を攪拌すれば十分である。
【0033】
前記樹脂被覆層の表面に酸化チタンを付着添加させる方法としては、通常に用いる混合装置であれば特に限定されるものではない。具体的にはV型ブレンダー、セメントミキサー、ペイントシェーカー、ヘンシェルミキサー、ニーダーコーターなどが挙げられる。
【0034】
前記樹脂被覆層形成用原料溶液に使用する溶剤は前記被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を使用することができる。また、前記樹脂樹脂被覆層の平均膜厚は通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時に渡り安定したキャリアの体積抵抗を発現させるため、0.5〜3.0μmであることが好ましい。
【0035】
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、任意の粒状のトナーと共に使用されて、静電潜像現像用現像剤となる。
前記トナーの構成成分である着色剤と、結着樹脂とは、それらの種類に特に限定はなく、前記着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを代表的なものとして例示することができる。
【0036】
前記結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンを例示することができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類を挙げることができる。この中でも、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体樹脂を使用したトナーでは、末端に水酸基、カルボキシル基が存在せず、帯電速度が比較的遅いため、本発明の静電潜像現像剤用キャリアの使用により、飛躍的に帯電立ち上がり速度の向上が見られる。また、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体より低温定着性能に優れるポリエステル樹脂、例えば、ビスフェノールAと多価芳香族カルボン酸とを主単量体成分とした重縮合物よりなる線状ポリエステル樹脂においても、同様に好ましく使用できる。
【0037】
更に、軟化点90〜150℃、ガラス転移点45〜70℃、数平均分子量2000〜5000、重量平均分子量8000〜150000、酸価5〜30、水酸基価5〜40を示す樹脂が特に好ましく使用できる。
これらトナー粒子には、所望により公知の帯電制御剤、定着助剤等の添加剤を含有させてもよい。
【0038】
本発明の画像形成方法は、静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像しトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、前記トナー画像を熱定着する工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、前記現像剤として、本発明の現像剤を用いることを特徴とする。
なお、本発明の画像形成方法は、上記した4つの工程を少なくとも含むものであれば特に限定されず、必要に応じて他の工程を含むものであってもよい。
本発明の画像形成方法は、本発明の現像剤を用いて画像を形成するので良好な画像を安定して得られる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」はすべて「質量部」を意味する。なお、実施例および比較例に用いたトナー、キャリア、現像剤、酸化チタンの製造において、各測定は以下の方法で行った。
【0040】
<トナー粒子の粒度>
コールターカウンター社製粒度測定器TA−IIにより、アパーチャー径100μmで測定した。
<酸化チタンの平均一次粒子径>
各酸化チタンの平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡写真により観察し、任意に50個サンプリングしたデータの平均をとることで求めた。
【0041】
<体積抵抗値の測定>
各酸化チタンの体積抵抗値は、図1に示す装置を用いて行なった。図1は体積抵抗値を測定の構成を説明するための構成図である。図1において、厚みHに調整した測定試料3を、下部電極4と上部電極2とで狭持し、上方より加圧手段1で加圧しながらダイヤルゲージで厚みを測定し、測定試料3の電気抵抗を下部電極4及び上部電極2と配線6で結ばれた高電圧抵抗計5で計測した。具体的には酸化チタンの試料に成型機にて500kg/cm2の圧力を加えて測定ディスクを作製した。ついでディスクの表面を刷毛で清掃し、セル内の上部電極2と下部電極4との間に挟み込み、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより体積抵抗値を求めた。
また、キャリア試料の体積抵抗値は、試料キャリアを100Φの下部電極4に充填し、上部電極2をセットし、その上から3.43kgの荷重を加え、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積抵抗値を求めた。
【0042】
<表面チタン量>
キャリア表面のチタン量は日本分光製X線光電子分光装置(JPS−9000MX)を用い、X線源MgKα,出力10kV,分析領域10×10mmで行い、測定された各元素のピーク強度より表面原子濃度を見積った。尚、表面原子濃度の計算は日本分光社提供の相対感光因子を用いた。
測定された元素のピーク強度は分析領域内の存在量に原子毎に比例する。本発明においては、キャリア表面の炭素由来ピーク強度とチタン原子由来ピーク強度を比較することで、チタン量を算出している。
また、本実施例では現像剤作製前のキャリアを用いて表面チタン量の測定を行っているが、同様の測定は作製後の現像剤からも可能である。
作製済み現像剤中のキャリア表面チタン量の測定は以下のように行うことが出来る。すなわち、現像剤を50mlビーカーなどに入れ、界面活性剤水溶液(たとえば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル0.2%水溶液)を適量加え、ビーカー下部から磁石によりキャリアを保持し、トナーのみを洗い流す。3〜4回界面活性剤水溶液で洗浄し、洗液が無色透明になった後、5ml程度のエタノールを加え、キャリア表面に付着している界面活性剤成分を除去する。トナー除去を行ったキャリアは乾燥機により乾燥させ、その後、X線光電子分光装置にて測定することで、キャリア表面のチタン量を測定することが可能である。
【0043】
(トナーAの作製)
・スチレン−n−BA樹脂:100部
(Tg=58℃,Mn=4000,Mw=24000)
・カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製):3部
上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散し、体積平均粒径D50=8.0μmの黒トナー粒子を作製した。得られた黒トナー粒子にシリカ(商品名R972;日本アエロジル社製)を0.4質量%ヘンシェルミキサーで添加し、黒トナー粒子(トナーA)を得た。
【0044】
(実施例1)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.3部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1011Ω・cm)
・樹脂微粒子(架橋メラミン樹脂粒子;平均粒径0.3μm、トルエン不溶)
:0.3部
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアAを作製した。得られたキャリアの表面チタン量は2.5%であった。
【0045】
(実施例2)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.5部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1015Ω・cm)
・樹脂微粒子(架橋ナイロン樹脂粒子;平均粒径0.3μm、トルエン不溶)
:0.2部
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアBを作製した。得られたキャリアの表面チタン量は5.2%であった。
【0046】
(実施例3)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
・樹脂微粒子(架橋メラミン樹脂粒子;平均粒径0.3μm、トルエン不溶)
:0.3部
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアCを作製した。得られたキャリアの表面チタン量は0.01%であった。
【0047】
・キャリアC:100部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.05部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1015Ω・cm)
V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアCとデシルトリメトキシシラン処理酸化チタンを入れ、40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで、キャリアDを作製した。得られたキャリアDの表面チタン量は6.0%であった。
【0048】
(実施例4)
・キャリアC:100部
・トリエタノールアミン処理酸化チタン:0.01部
(平均一次粒径:50nm,体積抵抗:1011Ω・cm)
V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアCとトリエタノールアミン処理酸化チタンを入れ、40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで、キャリアEを作製した。得られたキャリアEの表面チタン量は1.2%であった。
【0049】
(比較例1)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.05部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1011Ω・cm)
・樹脂微粒子(架橋メチルメタアクリレート樹脂粒子;平均粒径0.3μm、トルエン不溶):0.3部
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアFを作製した。得られたキャリアFの表面チタン量は0.5%であった。
【0050】
(比較例2)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
・酸化チタン(KA20カップリング剤未処理品;チタン工業製):0.5部
(平均一次粒径:15nm,体積抵抗:108.2Ω・cm)
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアGを作製した。得られたキャリアGの表面チタン量は5.0%であった。
【0051】
(比較例3)
・キャリアC:100部
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.005部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1015Ω・cm)
V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアCと酸化チタンを入れ、40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで、キャリアHを作製した。得られたキャリアHの表面チタン量は0.3%であった。
【0052】
(比較例4)
・キャリアC:100部
・トリエタノールアミン処理酸化チタン:0.10部
(平均一次粒径:50nm,体積抵抗:1011Ω・cm)
V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアCと酸化チタンを入れ、40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで、キャリアIを作製した。得られたキャリアIの表面チタン量は9.5%であった。
【0053】
(比較例5)
・フェライト粒子(平均粒径=50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比90:10):2部
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製):0.2部
フェライト粒子を除く上記成分を60分間スターラーにて撹拌/分散し、被覆層形成用原料溶液を調製した。次にこの原料溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーターに入れ、60℃で30分撹拌した後、更に加温しながら、減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアJを作製した。得られたキャリアの表面チタン量は0.01%であった。
【0054】
・デシルトリメトキシシラン処理酸化チタン:0.05部
(平均一次粒径:20nm,体積抵抗:1017Ω・cm)
V型ブレンダー(容積5L)に上記キャリアJとデシルトリメトキシシラン処理酸化チタンを入れ、40rpmで20分間撹拌した後、目開き75μmの篩を通過させることで、キャリアKを作製した。得られたキャリアKの表面チタン量は6.0%であった。
【0055】
(比較例6)
・キャリアC:100部
上記キャリアのみ
【0056】
(現像剤の調製)
前記実施例1〜4及び比較例1〜6のキャリアそれぞれ100質量部を、トナーA6質量部と混合し、10種の現像剤を調整した。得られた静電潜像現像用現像剤を用いて、Fuji Xerox社製Docu Color 1250の改造機により、常温・常湿(22℃,55%RH)、高温・高湿(30℃,85%RH)、低温・低湿(10℃,20%RH)の各環境下で10000枚のコピーテストを行い、10枚後(初期)および10000枚後の感光体上のカブリ、キャリア付着および現像性の評価を行った。
【0057】
尚、Docu Color 1250の改造機による画像の形成方法は、静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、及び前記トナー画像を熱定着する工程とを含むものである。
【0058】
<初期の現像性の評価>
各現像剤を所定の温度湿度下で一晩放置し、2cm×5cmのパッチを2個所有する画像をコピーし、ハードストップにて現像量を測定した。感光体上の2個所の現像部分をそれぞれテープ上に粘着性を利用し転写して、トナー付着テープの質量を測定し、テープの質量を差し引いた後に平均化することにより現像量を求めた。好ましい値は、4.0〜5.0g/m2である。
【0059】
<1万枚後の現像性の評価>
各現像剤を所定の温度湿度下で10000枚コピーを採取し、更に一晩放置した後、2cm×5cmのパッチを2個所有する画像をコピーし、ハードストップにて現像量を測定した。感光体上の2個所の現像部分を各々テープ上に粘着性を利用し転写して、トナー付着テープ重量を測定し、テープ重量を差し引いた後に平均化することにより現像量を求めた。
【0060】
<初期及び1万枚後のかぶりおよびキャリア付着評価>
背景部を同様にテープ上に転写し、ルーペあるいは顕微鏡を用い、1cm2当たりのトナーおよびキャリア個数を数え、トナーカブリは100個未満を○、100個から500個までを△、それより多い場合を×として評価した。
また、キャリア付着は5個未満を○、5個から10個までを△、11個以上を×とした。なお、トナーとキャリアの区別は主に粒径差および形状により判定している。以上の評価結果を表1及び2に示す。
【0061】
<帯電維持性評価>
帯電維持性評価は次のように行った。すなわち、初期および1万枚後の現像剤を約20gサンプリングし、ブローオフを行うことで現像剤からトナーを除去し、キャリアのみを単離した。得られたキャリアに対し、新たにトナーAをキャリア10gに対し0.5g加え、ターブラミキサーにて5分間撹拌し、帯電量の測定を行った。
初期現像剤と1万枚後のそれぞれのキャリアの帯電量の比(初期に対する1万枚後)を算出し、帯電維持性を評価した。
なお、帯電量の比が1.0±0.2を○、0.6〜0.8もしくは1.2〜1.4を△、0.6以下もしくは1.4以上を×とした。帯電維持性の評価結果及び総合評価を表3に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
表1〜表3より、本発明の静電潜像現像剤用キャリア得られる静電潜像現像用現像剤を用いた画像は、現像性、カブリ、キャリア付着、帯電維持性全てが良好であることがわかる。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、常温・常湿下はもとより、高温・高湿、及び低温・低湿下においてもトナー帯電の立ち上がりが速く、キャリア付着が起こらず、長期にわたり安定した帯電性をトナーに与え、良好な画像を安定して得ることができる静電潜像現像剤用キャリア、及び該静電潜像現像剤用キャリアを用いる静電潜像現像用現像剤、並びに画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 体積抵抗値を測定の構成を説明するための構成図である。
【符号の説明】
1 加圧手段
2 上部電極
3 測定試料
4 下部電極
5 高電圧抵抗計
6 配線
Claims (3)
- マトリックス樹脂中に、少なくとも樹脂微粒子及び導電粉が分散含有している樹脂被覆層を、芯材上に有する静電潜像現像剤用キャリアであって、
X線光電子分光法で測定した、前記樹脂被覆層の表面における炭素原子に対するチタン原子の比率が0.8%〜7.0%であり、
酸化チタンを前記樹脂被覆層中に分散含有させる、又は、酸化チタンを前記樹脂被覆層の表面に添加することにより得られ、
前記酸化チタンの体積抵抗が、10 11 〜10 15 Ω・cmであることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。 - トナーとキャリアからなる静電潜像現像用現像剤において、前記キャリアが請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリアであることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
- 静電潜像坦持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤を用いて前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を定着する工程と、を有する画像形成方法であって、
前記現像剤が、請求項2に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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