JP4241052B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の冷蔵庫は、特開2001-116438号公報の図１及び明細書記載のように、ビール瓶等を貯蔵する枠体や中段ポケットを構成する枠体を、扉内板の両側に形成した土手と土手の間に設置しているものであった。
【０００３】
また、観音開き方式に開閉する扉を有する冷蔵庫では、特開2000-55534号公報の図４及び明細書記載のように、第一の扉及び第二の扉の扉内板の両側に形成した土手間内部に食品収納部を有しているものであった。
【０００４】
【特許文献１】
特開2001-116438号公報（図１）
【特許文献２】
特開2000-55534号公報（図４）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、特開2001-116438号公報の扉内板８、特開2000-55534号公報の扉内板１２は、一枚の合成樹脂材料を金型等内で真空成型や圧空成型等にて加工して目的の形状に成形するため、土手部の厚さは金型の厚さ、成形性の関係で非常に大きくなっていた。従って、その土手部の厚さ分だけ食品の収納スペースが犠牲になっていた。
【０００６】
本発明の目的は、食品収納スペースの犠牲を最小にする板状仕切り部材を設置した冷蔵庫を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部に設けられた扉と、この扉の周縁に装着されたガスケットと、前記扉の内板に配置された複数の食品収納容器と、前記ガスケットの内周縁側面に配置した板状仕切り部材とを備え、前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm とすることで達成される。
【０００８】
また、扉が、食品収納容器の保持及び板状仕切り部材の係止を行う係止具を備えることが好ましい。
【００１１】
また、板状仕切り部材が、食品収納容器を係止する係止部を備えることが好ましい。
【００１２】
また、ガスケットと板状仕切り部材とが一体となっていることが好ましい。
【００１５】
更に、上記目的は、冷却器を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉する第一及び第二の扉と、この第一及び第二の扉の両扉が接する扉側面に各々設けられたガスケットと、前記第一及び第二の扉の内板に配置された食品収納容器と、前記ガスケットと食品収納容器との間に配置された板状仕切り部材とを備え、前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm とすることで達成される。
【００１７】
また、板状仕切部材が、透光性を有する材料にて成形されることが好ましい。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細を図に示す実施例にて説明する。
図１は、本発明の第一の実施例を示す扉斜視図であり、図２は本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫斜視図である。図３は図２の要部縦断面図であり、図４は図２の要部横断面図である。
【００１９】
先ず、図３に於いて、１は冷蔵庫の断熱箱体であり、外板２、内箱４及び前記外板２と内箱４との間に充填された断熱材３により構成されている。５は熱パイプであり、断熱箱体１の前面開口部周縁に設置されて、この開口部周縁部の露付きを防止している。６は断熱箱体１内の上部に区画設置された庫室であり、冷却器１３にて冷却された冷気をファン１４で庫室６内に循環することにより、所定の設定温度を保持するように構成されている。７は断熱箱体１内の下部に区画設置された庫室であり、冷却器１６で冷却された冷気をファン１７で庫室７内に循環させることにより、所定の設定温度を保持するように構成されている。
【００２０】
なお、庫室６及び庫室７は、使用者の使い方により、それぞれの庫室の所定設定温度を冷蔵用温度から冷凍用温度にまで任意に変化できるように、冷却器１３、冷却器１６、圧縮機２０及び凝縮器１９を設定してある。換言すれば、圧縮機２０は、その回転数を可変にして、庫室６や庫室７を同時に冷凍用温度にまで冷却できる冷凍能力を有し、凝縮器１９は、そのときの最大熱量を放熱できるように構成してある。１５及び１８は前述した所定設定温度を具現できるように設置されたファンガードである。
【００２１】
次に、図１、２及び４を用いて説明すると、８及び９は断熱箱体１の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設置された第一の扉及び第二の扉であり、この第一の扉８及び第二の扉９で断熱箱体１の前面開口部を開閉可能に密閉できるように、扉の周縁部にガスケット２７及びガスケット４７を設置している。また、第一の扉８及び第二の扉９の回動側縁にガスケット２８及びガスケット４８を設置して、ガスケット２８とガスケット４８とを離脱可能に密着させることにより、第一の扉８と第二の扉９間を開閉可能に密閉している。
【００２２】
第一の扉８は、扉外板２２、扉内板２４及び扉断熱材２３により構成されており、扉内板２４の庫室側に複数の食品収納容器３６、３７、３８を設置している。２１及び４１は第一の扉８及び第二の扉９の回動中心軸である。
【００２３】
３２a、３３a、３４aは、前述のガスケット２７の庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流を阻害するように設置された板状仕切り部材であり、ガスケット２７を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３６、３７、３８内に貯蔵された食品、及び、庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２７対向位置の庫内側に設置されている。
【００２４】
板状仕切り部材３２a、３３a、３４aは、その係止部３２c、３３c、３４cにより、扉内板２４の扉断熱材２３側に設置された複数個の係止具２５に着脱可能に設置されている。また、係止具２５には、食品収納容器３６、３７、３８の係止部３６b、３７b、３８bを同時に着脱可能に設置することができ、扉内板２４に設置する係止具の数を効率的に減少できる。
【００２５】
なお、扉断熱材２３は、硬質ウレタン樹脂等の非金属である熱伝導性の低い材料で、且つ、断熱材自身に接着性を有する原料で構成されているので、係止具２５及び後述する係止具２６は、扉内板２４の扉断熱材２３側に強固に固定されている。換言すれば、係止具２５及び係止具２６に食品収納容器や板状仕切り部材を複数個設置しても充分な強度を保持できるように構成してある。
【００２６】
また、板状仕切り部材３２a、３３a、３４a、及び、後述する板状仕切り部材３１、３２b、３３b、３４bは熱伝導性の低い合成樹脂等を原料として射出成型や押し出し成型等にて薄肉に、かつ、透光性を有するように成形してある。なお、板状仕切り部材の肉厚は、その原材料により異なるが、通常は０．５ｍｍから５ｍｍ程度の薄さに保持されている。ただし、後述するフイルム状の材料を使用するときは、０．５ｍｍ以下の薄さに構成される。換言すると、板状仕切り部材の肉厚は、従来技術で紹介した特開2001-116438号公報の扉内板の両側に形成した土手の厚さより薄く構成されている。従って、従来の土手厚さと本発明の板状仕切り部材の厚さとの差を、食品収納スペースとして増加できるように構成されている。
【００２７】
３２b、３３b、３４bは、板状仕切り部材であり、第一の扉８及び第二の扉９の回動側縁に設置されたガスケット２８及びガスケット４８を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器３６、３７、３８内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２８対向位置の庫内側に設置されている。換言すれば、ガスケット２８、４８の庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流を阻害するように、板状仕切り部材３２b、３３b、３４bが設置されている。板状仕切り部材３２b、３３b、３４bは、その係止部３２e、３３e、３４eにより、扉内板２４の扉断熱材２３側に設置された複数個の係止具２６に着脱可能に設置されている。
【００２８】
３１は板状仕切り部材であり、ガスケット２７を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２７対向位置の下部でかつ庫内側に設置されている。
【００２９】
第二の扉９は、扉外板４２と扉内板４４及び扉断熱材４３により構成されており、扉内板４４の庫室側に複数の食品収納容器５３、５４、５５を設置している。５２a及び５２bは、前述の板状仕切り部材３２a、３３a、３４a、３２b、３３b、３４bと同様に形成された板状仕切り部材であり、ガスケット４７、ガスケット４８を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器５３、５４、５５内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット４７や４８の対向位置の庫内側に設置されている。
【００３０】
また、板状仕切り部材５２a、５２bは、食品収納容器５３、５４の側面部をも覆って一体の長方形形状に設定されて、食品収納容器側面部においては二重の温度上昇防止効果を生ずるように構成されている。
【００３１】
なお、図１の第二の扉９の実施例では、食品収納容器５５は扉内板４４と同時に成形された土手部４４b及び４４cに保持されているが、この土手部４４b及び４４cに収納する食品５６の荷重程度により、第一の扉の食品収納容器３８に示す実施例構成を採用できることは自明である。
【００３２】
次に、本発明の第二の実施例を図５の扉要部横断面図により説明する。
６１aはガスケット２７対向位置の庫内側に設置された熱伝導性の低い材料（非金属材料）で形成された板状仕切り部材であり、その先端に、内箱の開口部内面４aと接触して、ガスケット２７を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び、外板２等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３７内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成された、軟質の可撓性合成樹脂６１bを設置している。
【００３３】
換言すれば、板状仕切り部材６１aは、ガスケット２７部よりの熱漏洩を減少できるように、その係止部６１cを扉内板２４裏面の係止具２５に係止し、軟質の可撓性合成樹脂６１bを内箱の開口部内面４aに接して、区画空間Ｍを形成するように設置されている。
【００３４】
６２aは熱伝導性の低い材料（非金属材料）で形成された板状仕切り部材であり、その先端に軟質の可撓性合成樹脂６２bを一体に設置して、且つ、もう一方の扉に設置された板状仕切り部材６３aの先端に設けられた軟質の可撓性合成樹脂６３bと離脱可能に密着して、扉の回動側縁に設置されたガスケット２８及びガスケット４８を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器３７、５４内に貯蔵された食品、及び、庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２８対向位置の庫内側に設置されている。
【００３５】
換言すれば、板状仕切り部材６２aは、ガスケット２８及び４８よりの熱漏洩を減少できるように、その係止部６２cを扉内板２４裏面の係止具２６に係止し、その軟質の可撓性合成樹脂６２bを、もう一方の扉に設置された軟質の可撓性合成樹脂６３bに接して、区画空間Ｎを形成するように設置されている。
【００３６】
次に、本発明の第三の実施例を図６、図７及び図８により説明する。
図６は第三の実施例を示す扉斜視図であり、図７は図６の要部横断面図である。
図８は第三の実施例を示す食品収納容器斜視図である。
【００３７】
６４a及び６５aは、扉の回動側縁に設置されたガスケット４８と食品収納容器６６との間に設置された板状仕切り部材であり、この板状仕切り部材６４a及び６５aにより、扉の回動側縁に設置されたガスケット４８を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器６６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように設置されている。また、板状仕切り部材６４aと６５aは互いの間に後述する間隙を設けて、扉内板６８の断熱材側に設置された複数の係止具６７に着脱可能に設置されている。
【００３８】
同様に、６４bと６５ｂは、扉の側縁に設置されたガスケット６９と食品収納容器６６との間に設置された板状仕切り部材であり、板状仕切り部材６４b及び６５bにより、扉の側縁に設置されたガスケット６９を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器６６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように設置されている。また、板状仕切り部材６４bと６５bは、互いの間に後述する間隙を設けて、扉内板６８の断熱材側に設置された複数の係止具６７に着脱可能に設置されている。
【００３９】
食品収納容器６６は、その両側面に係止部６６aを有しており、この係止部６６aを前述の板状仕切り部材６４aと６５aの間隙及び６４bと６５bの間隙に、着脱可能に係止されている。
【００４０】
６６b及び６６cは、係止部６６aに設けられた突起であり、板状仕切り部材の窪み６４eや６５eと嵌合して、板状仕切り部材と食品収納容器との係止を確実にするものである。
【００４１】
次に、本発明の第四の実施例を図９の扉要部横断面図により説明する。
７３aは、扉の側縁に設置されたガスケット７１と食品収納容器との間に設置された熱伝導性の低い材料で形成された板状仕切り部材であり、７３ｂは板状仕切り部材７３ａの先端に設置され、内箱の開口部内面４aと当接するように構成された軟質の可撓性合成樹脂である。仕切り部材７３a、７３bにより、扉の側縁に設置されたガスケット７１を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器内に貯蔵された食品及び庫室内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成されている。
【００４２】
ガスケット７１は、扉内板２４の断熱材側に設置された係止具７７に強固に固定されて、ガスケット７１と連結部７２により結合された仕切り部材７３ａ、７３bを所定の位置に保持できるように構成されている。換言すれば、ガスケット７１と仕切り部材７３ａ、７３bは連結部７２と共に同時押し出しできる合成樹脂原料にて形成されている。
【００４３】
７６aは、扉の回動側縁に設置されたガスケット７４と食品収納容器との間に設置された板状仕切り部材であり、その先端に軟質の可撓性合成樹脂７６bを有している。軟質の可撓性合成樹脂７６bは、対向する扉に設けられた板状仕切り部材の軟質の可撓性合成樹脂部８０bと開閉可能に密着する部位に磁石７６eを内蔵している。同様に、対向する扉に設けられた板状仕切り部材の軟質の可撓性合成樹脂部８０bには前述の磁石７６eと互いに、かつ、開閉可能に吸着する磁石８０eを内蔵している。
【００４４】
従って、仕切り部材７６a、７６b、８０a、８０eにより、扉の回動側縁に設置されたガスケット７４や７９を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成されている。
【００４５】
また、ガスケット７４と板状仕切り部材７６aは、熱伝導性の低い材料で形成された連結部７５により結合されて、且つ、扉内板の断熱材側に設置された係止具７８に強固に固定されて、仕切り部材７６ａ、７６bを所定の位置に保持できるように構成されている。
【００４６】
次に、本発明の第五の実施例を図１０、図１１及び図１２により説明する。
図１０は扉要部横断面図であり、図１１は食品収納容器斜視図、図１２は仕切り部材斜視図である。
【００４７】
８２は扉内板面に設置された複数の食品収納容器であり、扉内板の断熱材側に埋設された係止具８３に着脱可能に、かつ、強固に係止されている。８１は前記の複数の食品収納容器と食品収納容器との間で、かつ、該食品収納容器と扉の周縁に設置されたガスケット２７との間に設けられた仕切り部材である。仕切り部材８１は、透明なフイルム状部８１bと、該フイルム状部８１bの前端と後端に支持部８１aと支持部８１cを有している。支持部８１aと支持部８１cは、扉内板に設置された複数の食品収納容器の側面に設けられた凹部８２aと凹部８２bに着脱可能に嵌合されて、図１０に示すごとく配設される。
【００４８】
次に、本発明の第六の実施例を図１３及び図１４により説明する。
図１３は扉要部縦断面図であり、図１４は仕切り部材と係止具の斜視図である。９３は扉内板面に設置された食品収納容器であり、９２aは該食品収納容器の食品収納空間の上方で、且つ、扉周縁に配設されたガスケット２７の下方に設置された板状仕切り部材である。板状仕切り部材９２aはその先端に軟質の合成樹脂部９２bを有しており、食品と当接しても食品を傷つけないように構成されている。また、板状仕切り部材９２aは後述するように係止具９１と回動可能に嵌合する軸部９２cを有している。９１は扉内板に設置された複数の係止具であり、前述の仕切り部材軸部９２cと回動可能に嵌合する穴部９１bを有している。
【００４９】
以上の構成にて、食品収納容器の食品収納空間に貯蔵された食品を取り出すときは、図１３に示すように貯蔵された食品９４が前述の軟質の合成樹脂部９２bと当接することにより、仕切り部材９２a、９２bが上方に回動して、食品の取り出しを容易にしている。
次に、本発明の第七の実施例を図１５と前述の図１４により説明する。
図１５は観音開き方式の扉要部横断面図であり、９３は扉内板に設置された食品収納容器である。９５aは食品収納容器９３の側面を閉鎖する板状仕切り部材であり、その先端に軟質の合成樹脂部９５bを有しており、食品と当接しても該食品を傷つけないように構成されている。また、板状仕切り部材９５aは係止具９１と回動可能に嵌合する軸部９５cを有して、該軸部９５cと係止具穴部９１bにて回動可能に結合している。
【００５０】
以上の構成にて、食品収納容器の食品収納空間に貯蔵された食品を取り出すときは、図１５に示すように貯蔵された食品が軟質の合成樹脂部９５bと当接することにより、仕切り部材９５a、９５bが側方に回動して、食品の取り出しを容易にしている。換言すれば、仕切り部材９５a、９５bが側方に回動することにより、扉の開放角度θ1が９０度以下でも開放扉の隙間より貯蔵食品を取り出せるように構成してある。
【００５１】
次に、本発明の第八の実施例を図１６、図１７及び図１８により説明する。
図１６は本発明の第八の実施例を示す冷蔵庫斜視図であり、図１７は扉斜視図、図１８は扉要部横断面図である。９８は扉９６の内部に設けられた複数の食品収納容器である。４eは内箱の前面開口部に設けられた凹部である。９７a、９７b及び９７cは食品収納容器の側面及び上面を閉鎖する板状仕切り部材であり、該板状仕切り部材９７a、９７b及び９７cの設置位置は前述の内箱凹部４e内になるように構成されている。換言すれば、扉側の食品収納容器を冷却する庫内冷気が内箱の庫内壁面４fに沿って扉側に流れても、該冷気が扉周縁のガスケットに流れ込まないように、庫内壁面４fよりＬ1寸法あるいはＬ2寸法だけ内箱凹部４e内に入り込んで設置されている。
【００５２】
なお、Ｌ1寸法あるいはＬ2寸法は冷蔵庫の冷却方式により変わることは自明であり、例えば、ファン冷却方式の場合は３ｍｍ以上が望ましく、直冷方式の場合は０ｍｍ以上が望ましい。また、ファン冷却方式の場合はその冷気方向により、Ｌ1寸法とＬ2寸法を変えることも自明である。なお、仕切り部材９７a、９７b及び９７cを透明にすることにより、扉内の貯蔵食品が目視確認でき、取り出し性が向上するのは自明である。
【００５３】
以上せつめいしたように、本発明の実施例に示す冷蔵庫は、以下の効果を備える。即ち、冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を開閉可能に密閉する扉と、該扉の周縁に装着されたガスケットとを有し、該ガスケットの庫内側側面に対流を防止する板状仕切り部材を設置した冷蔵庫では、ガスケットの庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流が阻害され、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱影響を減少できる。
【００５４】
食品収納容器を保持する係止具に、仕切り部材を係止した冷蔵庫は、係止具の少ない製造原価上有利となる。
【００５５】
扉内板に複数の食品収納容器を設置し、該食品収納容器間の側面に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、従来方式より幅方向に増加した収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００５６】
扉内板に設置された食品収納容器と扉の周縁に装着されたガスケットとの間に設置された板状仕切り部材とを有し、内箱と接触する仕切り部材先端の部分を軟質の可撓性合成樹脂にて形成した冷蔵庫は、収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による食品収納容器中の貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００５７】
扉内板に設置した板状仕切り部材に食品収納容器を着脱可能に係止した冷蔵庫は、食品収納容器を保持する係止具の少ない製造原価上有利な冷蔵庫を提供できると共に、板状仕切り部材が側面方向へ倒れずらい。
【００５８】
扉内板に設置された食品収納容器と扉の周縁に装着されたガスケットとの間に設置された仕切り部材を有し、仕切り部材とガスケットとを一体とした冷蔵庫は、部品点数の少ない製造原価上有利となる。
【００５９】
食品収納容器の側面を閉鎖する仕切り部材を設置した冷蔵庫において、扉内板に設置した食品収納容器にフイルム状の仕切り部材を着脱可能に係止した冷蔵庫は、幅方向により収納量の増加した食品収納容器とすることができる。
【００６０】
扉の周縁に装着されたガスケットを有し、冷蔵庫の扉内板に食品収納容器を設置し、該食品収納容器の側面あるいは上面に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫において、内箱の庫内壁よりガスケットに近い位置に、板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６１】
冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設けられた第一及び第二の扉とを有し、該第一及び第二の扉の回動側縁に装着されたガスケットを有し、該回動側縁に装着されたガスケットと、扉内板に設置された食品収納容器との間に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６２】
断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設けられた第一及び第二の扉を有し、該第一及び第二の扉の回動側縁に装着されたガスケット同士を開閉可能に密着し、該回動側縁に装着されたガスケットと、扉内板に設置された食品収納容器との間に先端の部分を軟質の可撓性合成樹脂にて形成した仕切り部材を設置した冷蔵庫は、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６３】
扉内板に食品収納容器を設置し、該食品収納容器の上面あるいは側面を閉鎖する仕切り部材を透明材料にて形成した冷蔵庫は、貯蔵した食品の確認と取り出し性のよい使いやすくなる。
【００６４】
【発明の効果】
本発明では、食品収納スペースの犠牲を最小にする板状仕切り部材を設置した冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一の実施例を示す扉斜視図
【図２】本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫斜視図
【図３】本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫要部縦断面図
【図４】本発明の第一の実施例を示す扉要部横断面図
【図５】本発明の第二の実施例を示す扉要部横断面図
【図６】本発明の第三の実施例を示す扉斜視図
【図７】本発明の第三の実施例を示す扉要部横断面図
【図８】本発明の第三の実施例を示す食品収納容器斜視図
【図９】本発明の第四の実施例を示す扉要部横断面図
【図１０】本発明の第五の実施例を示す扉要部横断面図
【図１１】本発明の第五の実施例を示す食品収納容器斜視図
【図１２】本発明の第五の実施例を示す仕切り部材斜視図
【図１３】本発明の第六の実施例を示す扉要部縦断面図
【図１４】本発明の第六の実施例を示す仕切り部材と係止具の斜視図
【図１５】本発明の第七の実施例を示す扉要部横断面図
【図１６】本発明の第八の実施例を示す冷蔵庫斜視図
【図１７】本発明の第八の実施例を示す扉斜視図
【図１８】本発明の第八の実施例を示す扉要部横断面図
【符号の説明】
１・・・断熱箱体、２・・・外板、４・・・内箱、５・・・熱パイプ、６・・・庫室、７・・・庫室、８・・・第一の扉、９・・・第二の扉、１３・・・冷却器、１４・・・ファン、１５・・・ファンガード、１９・・・凝縮器、２０・・・圧縮機、２１・・・扉の回動中心軸、２２・・・扉外板、２３・・・扉断熱材、２４・・・扉内板、２５・・・係止具、２６・・・係止具、２７・・・ガスケット、２８・・・ガスケット、３１・・・仕切り部材、３３a・・・仕切り部材、３３b・・・仕切り部材、３６・・・食品収納容器、３８・・・食品収納容器、４１・・・扉の回動中心軸、４４・・・扉内板、４５・・・係止具、４７・・・ガスケット、４８・・・ガスケット、５１・・・仕切り部材、５２a・・・仕切り部材、５２b・・・仕切り部材、５４・・・食品収納容器、６１a・・・仕切り部材の硬質部、６１b・・・軟質の可撓性合成樹脂、６２a・・・仕切り部材の硬質部、６２b・・・軟質の可撓性合成樹脂、６４a・・・仕切り部材、６６・・・食品収納容器、７１・・・ガスケット、７６a・・・仕切り部材、７６b・・・軟質の可撓性合成樹脂、７６e・・・磁石、８１b・・・仕切り部材のフイルム状部、９１・・・係止具、９２a・・・仕切り部材、９２b・・・軟質の可撓性合成樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の冷蔵庫は、特開2001-116438号公報の図１及び明細書記載のように、ビール瓶等を貯蔵する枠体や中段ポケットを構成する枠体を、扉内板の両側に形成した土手と土手の間に設置しているものであった。
【０００３】
また、観音開き方式に開閉する扉を有する冷蔵庫では、特開2000-55534号公報の図４及び明細書記載のように、第一の扉及び第二の扉の扉内板の両側に形成した土手間内部に食品収納部を有しているものであった。
【０００４】
【特許文献１】
特開2001-116438号公報（図１）
【特許文献２】
特開2000-55534号公報（図４）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、特開2001-116438号公報の扉内板８、特開2000-55534号公報の扉内板１２は、一枚の合成樹脂材料を金型等内で真空成型や圧空成型等にて加工して目的の形状に成形するため、土手部の厚さは金型の厚さ、成形性の関係で非常に大きくなっていた。従って、その土手部の厚さ分だけ食品の収納スペースが犠牲になっていた。
【０００６】
本発明の目的は、食品収納スペースの犠牲を最小にする板状仕切り部材を設置した冷蔵庫を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部に設けられた扉と、この扉の周縁に装着されたガスケットと、前記扉の内板に配置された複数の食品収納容器と、前記ガスケットの内周縁側面に配置した板状仕切り部材とを備え、前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm とすることで達成される。
【０００８】
また、扉が、食品収納容器の保持及び板状仕切り部材の係止を行う係止具を備えることが好ましい。
【００１１】
また、板状仕切り部材が、食品収納容器を係止する係止部を備えることが好ましい。
【００１２】
また、ガスケットと板状仕切り部材とが一体となっていることが好ましい。
【００１５】
更に、上記目的は、冷却器を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉する第一及び第二の扉と、この第一及び第二の扉の両扉が接する扉側面に各々設けられたガスケットと、前記第一及び第二の扉の内板に配置された食品収納容器と、前記ガスケットと食品収納容器との間に配置された板状仕切り部材とを備え、前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm とすることで達成される。
【００１７】
また、板状仕切部材が、透光性を有する材料にて成形されることが好ましい。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下本発明の詳細を図に示す実施例にて説明する。
図１は、本発明の第一の実施例を示す扉斜視図であり、図２は本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫斜視図である。図３は図２の要部縦断面図であり、図４は図２の要部横断面図である。
【００１９】
先ず、図３に於いて、１は冷蔵庫の断熱箱体であり、外板２、内箱４及び前記外板２と内箱４との間に充填された断熱材３により構成されている。５は熱パイプであり、断熱箱体１の前面開口部周縁に設置されて、この開口部周縁部の露付きを防止している。６は断熱箱体１内の上部に区画設置された庫室であり、冷却器１３にて冷却された冷気をファン１４で庫室６内に循環することにより、所定の設定温度を保持するように構成されている。７は断熱箱体１内の下部に区画設置された庫室であり、冷却器１６で冷却された冷気をファン１７で庫室７内に循環させることにより、所定の設定温度を保持するように構成されている。
【００２０】
なお、庫室６及び庫室７は、使用者の使い方により、それぞれの庫室の所定設定温度を冷蔵用温度から冷凍用温度にまで任意に変化できるように、冷却器１３、冷却器１６、圧縮機２０及び凝縮器１９を設定してある。換言すれば、圧縮機２０は、その回転数を可変にして、庫室６や庫室７を同時に冷凍用温度にまで冷却できる冷凍能力を有し、凝縮器１９は、そのときの最大熱量を放熱できるように構成してある。１５及び１８は前述した所定設定温度を具現できるように設置されたファンガードである。
【００２１】
次に、図１、２及び４を用いて説明すると、８及び９は断熱箱体１の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設置された第一の扉及び第二の扉であり、この第一の扉８及び第二の扉９で断熱箱体１の前面開口部を開閉可能に密閉できるように、扉の周縁部にガスケット２７及びガスケット４７を設置している。また、第一の扉８及び第二の扉９の回動側縁にガスケット２８及びガスケット４８を設置して、ガスケット２８とガスケット４８とを離脱可能に密着させることにより、第一の扉８と第二の扉９間を開閉可能に密閉している。
【００２２】
第一の扉８は、扉外板２２、扉内板２４及び扉断熱材２３により構成されており、扉内板２４の庫室側に複数の食品収納容器３６、３７、３８を設置している。２１及び４１は第一の扉８及び第二の扉９の回動中心軸である。
【００２３】
３２a、３３a、３４aは、前述のガスケット２７の庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流を阻害するように設置された板状仕切り部材であり、ガスケット２７を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３６、３７、３８内に貯蔵された食品、及び、庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２７対向位置の庫内側に設置されている。
【００２４】
板状仕切り部材３２a、３３a、３４aは、その係止部３２c、３３c、３４cにより、扉内板２４の扉断熱材２３側に設置された複数個の係止具２５に着脱可能に設置されている。また、係止具２５には、食品収納容器３６、３７、３８の係止部３６b、３７b、３８bを同時に着脱可能に設置することができ、扉内板２４に設置する係止具の数を効率的に減少できる。
【００２５】
なお、扉断熱材２３は、硬質ウレタン樹脂等の非金属である熱伝導性の低い材料で、且つ、断熱材自身に接着性を有する原料で構成されているので、係止具２５及び後述する係止具２６は、扉内板２４の扉断熱材２３側に強固に固定されている。換言すれば、係止具２５及び係止具２６に食品収納容器や板状仕切り部材を複数個設置しても充分な強度を保持できるように構成してある。
【００２６】
また、板状仕切り部材３２a、３３a、３４a、及び、後述する板状仕切り部材３１、３２b、３３b、３４bは熱伝導性の低い合成樹脂等を原料として射出成型や押し出し成型等にて薄肉に、かつ、透光性を有するように成形してある。なお、板状仕切り部材の肉厚は、その原材料により異なるが、通常は０．５ｍｍから５ｍｍ程度の薄さに保持されている。ただし、後述するフイルム状の材料を使用するときは、０．５ｍｍ以下の薄さに構成される。換言すると、板状仕切り部材の肉厚は、従来技術で紹介した特開2001-116438号公報の扉内板の両側に形成した土手の厚さより薄く構成されている。従って、従来の土手厚さと本発明の板状仕切り部材の厚さとの差を、食品収納スペースとして増加できるように構成されている。
【００２７】
３２b、３３b、３４bは、板状仕切り部材であり、第一の扉８及び第二の扉９の回動側縁に設置されたガスケット２８及びガスケット４８を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器３６、３７、３８内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２８対向位置の庫内側に設置されている。換言すれば、ガスケット２８、４８の庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流を阻害するように、板状仕切り部材３２b、３３b、３４bが設置されている。板状仕切り部材３２b、３３b、３４bは、その係止部３２e、３３e、３４eにより、扉内板２４の扉断熱材２３側に設置された複数個の係止具２６に着脱可能に設置されている。
【００２８】
３１は板状仕切り部材であり、ガスケット２７を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２７対向位置の下部でかつ庫内側に設置されている。
【００２９】
第二の扉９は、扉外板４２と扉内板４４及び扉断熱材４３により構成されており、扉内板４４の庫室側に複数の食品収納容器５３、５４、５５を設置している。５２a及び５２bは、前述の板状仕切り部材３２a、３３a、３４a、３２b、３３b、３４bと同様に形成された板状仕切り部材であり、ガスケット４７、ガスケット４８を貫通して庫室６内に侵入する外気の温熱、及び、前述の外板２等を経由して庫室６内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器５３、５４、５５内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット４７や４８の対向位置の庫内側に設置されている。
【００３０】
また、板状仕切り部材５２a、５２bは、食品収納容器５３、５４の側面部をも覆って一体の長方形形状に設定されて、食品収納容器側面部においては二重の温度上昇防止効果を生ずるように構成されている。
【００３１】
なお、図１の第二の扉９の実施例では、食品収納容器５５は扉内板４４と同時に成形された土手部４４b及び４４cに保持されているが、この土手部４４b及び４４cに収納する食品５６の荷重程度により、第一の扉の食品収納容器３８に示す実施例構成を採用できることは自明である。
【００３２】
次に、本発明の第二の実施例を図５の扉要部横断面図により説明する。
６１aはガスケット２７対向位置の庫内側に設置された熱伝導性の低い材料（非金属材料）で形成された板状仕切り部材であり、その先端に、内箱の開口部内面４aと接触して、ガスケット２７を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び、外板２等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用の熱パイプ５の温熱が、食品収納容器３７内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成された、軟質の可撓性合成樹脂６１bを設置している。
【００３３】
換言すれば、板状仕切り部材６１aは、ガスケット２７部よりの熱漏洩を減少できるように、その係止部６１cを扉内板２４裏面の係止具２５に係止し、軟質の可撓性合成樹脂６１bを内箱の開口部内面４aに接して、区画空間Ｍを形成するように設置されている。
【００３４】
６２aは熱伝導性の低い材料（非金属材料）で形成された板状仕切り部材であり、その先端に軟質の可撓性合成樹脂６２bを一体に設置して、且つ、もう一方の扉に設置された板状仕切り部材６３aの先端に設けられた軟質の可撓性合成樹脂６３bと離脱可能に密着して、扉の回動側縁に設置されたガスケット２８及びガスケット４８を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器３７、５４内に貯蔵された食品、及び、庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように、ガスケット２８対向位置の庫内側に設置されている。
【００３５】
換言すれば、板状仕切り部材６２aは、ガスケット２８及び４８よりの熱漏洩を減少できるように、その係止部６２cを扉内板２４裏面の係止具２６に係止し、その軟質の可撓性合成樹脂６２bを、もう一方の扉に設置された軟質の可撓性合成樹脂６３bに接して、区画空間Ｎを形成するように設置されている。
【００３６】
次に、本発明の第三の実施例を図６、図７及び図８により説明する。
図６は第三の実施例を示す扉斜視図であり、図７は図６の要部横断面図である。
図８は第三の実施例を示す食品収納容器斜視図である。
【００３７】
６４a及び６５aは、扉の回動側縁に設置されたガスケット４８と食品収納容器６６との間に設置された板状仕切り部材であり、この板状仕切り部材６４a及び６５aにより、扉の回動側縁に設置されたガスケット４８を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器６６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように設置されている。また、板状仕切り部材６４aと６５aは互いの間に後述する間隙を設けて、扉内板６８の断熱材側に設置された複数の係止具６７に着脱可能に設置されている。
【００３８】
同様に、６４bと６５ｂは、扉の側縁に設置されたガスケット６９と食品収納容器６６との間に設置された板状仕切り部材であり、板状仕切り部材６４b及び６５bにより、扉の側縁に設置されたガスケット６９を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器６６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように設置されている。また、板状仕切り部材６４bと６５bは、互いの間に後述する間隙を設けて、扉内板６８の断熱材側に設置された複数の係止具６７に着脱可能に設置されている。
【００３９】
食品収納容器６６は、その両側面に係止部６６aを有しており、この係止部６６aを前述の板状仕切り部材６４aと６５aの間隙及び６４bと６５bの間隙に、着脱可能に係止されている。
【００４０】
６６b及び６６cは、係止部６６aに設けられた突起であり、板状仕切り部材の窪み６４eや６５eと嵌合して、板状仕切り部材と食品収納容器との係止を確実にするものである。
【００４１】
次に、本発明の第四の実施例を図９の扉要部横断面図により説明する。
７３aは、扉の側縁に設置されたガスケット７１と食品収納容器との間に設置された熱伝導性の低い材料で形成された板状仕切り部材であり、７３ｂは板状仕切り部材７３ａの先端に設置され、内箱の開口部内面４aと当接するように構成された軟質の可撓性合成樹脂である。仕切り部材７３a、７３bにより、扉の側縁に設置されたガスケット７１を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器内に貯蔵された食品及び庫室内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成されている。
【００４２】
ガスケット７１は、扉内板２４の断熱材側に設置された係止具７７に強固に固定されて、ガスケット７１と連結部７２により結合された仕切り部材７３ａ、７３bを所定の位置に保持できるように構成されている。換言すれば、ガスケット７１と仕切り部材７３ａ、７３bは連結部７２と共に同時押し出しできる合成樹脂原料にて形成されている。
【００４３】
７６aは、扉の回動側縁に設置されたガスケット７４と食品収納容器との間に設置された板状仕切り部材であり、その先端に軟質の可撓性合成樹脂７６bを有している。軟質の可撓性合成樹脂７６bは、対向する扉に設けられた板状仕切り部材の軟質の可撓性合成樹脂部８０bと開閉可能に密着する部位に磁石７６eを内蔵している。同様に、対向する扉に設けられた板状仕切り部材の軟質の可撓性合成樹脂部８０bには前述の磁石７６eと互いに、かつ、開閉可能に吸着する磁石８０eを内蔵している。
【００４４】
従って、仕切り部材７６a、７６b、８０a、８０eにより、扉の回動側縁に設置されたガスケット７４や７９を貫通して庫室内に侵入する外気の温熱が、食品収納容器内に貯蔵された食品及び庫室６内に貯蔵された食品の温度を上昇させないように構成されている。
【００４５】
また、ガスケット７４と板状仕切り部材７６aは、熱伝導性の低い材料で形成された連結部７５により結合されて、且つ、扉内板の断熱材側に設置された係止具７８に強固に固定されて、仕切り部材７６ａ、７６bを所定の位置に保持できるように構成されている。
【００４６】
次に、本発明の第五の実施例を図１０、図１１及び図１２により説明する。
図１０は扉要部横断面図であり、図１１は食品収納容器斜視図、図１２は仕切り部材斜視図である。
【００４７】
８２は扉内板面に設置された複数の食品収納容器であり、扉内板の断熱材側に埋設された係止具８３に着脱可能に、かつ、強固に係止されている。８１は前記の複数の食品収納容器と食品収納容器との間で、かつ、該食品収納容器と扉の周縁に設置されたガスケット２７との間に設けられた仕切り部材である。仕切り部材８１は、透明なフイルム状部８１bと、該フイルム状部８１bの前端と後端に支持部８１aと支持部８１cを有している。支持部８１aと支持部８１cは、扉内板に設置された複数の食品収納容器の側面に設けられた凹部８２aと凹部８２bに着脱可能に嵌合されて、図１０に示すごとく配設される。
【００４８】
次に、本発明の第六の実施例を図１３及び図１４により説明する。
図１３は扉要部縦断面図であり、図１４は仕切り部材と係止具の斜視図である。９３は扉内板面に設置された食品収納容器であり、９２aは該食品収納容器の食品収納空間の上方で、且つ、扉周縁に配設されたガスケット２７の下方に設置された板状仕切り部材である。板状仕切り部材９２aはその先端に軟質の合成樹脂部９２bを有しており、食品と当接しても食品を傷つけないように構成されている。また、板状仕切り部材９２aは後述するように係止具９１と回動可能に嵌合する軸部９２cを有している。９１は扉内板に設置された複数の係止具であり、前述の仕切り部材軸部９２cと回動可能に嵌合する穴部９１bを有している。
【００４９】
以上の構成にて、食品収納容器の食品収納空間に貯蔵された食品を取り出すときは、図１３に示すように貯蔵された食品９４が前述の軟質の合成樹脂部９２bと当接することにより、仕切り部材９２a、９２bが上方に回動して、食品の取り出しを容易にしている。
次に、本発明の第七の実施例を図１５と前述の図１４により説明する。
図１５は観音開き方式の扉要部横断面図であり、９３は扉内板に設置された食品収納容器である。９５aは食品収納容器９３の側面を閉鎖する板状仕切り部材であり、その先端に軟質の合成樹脂部９５bを有しており、食品と当接しても該食品を傷つけないように構成されている。また、板状仕切り部材９５aは係止具９１と回動可能に嵌合する軸部９５cを有して、該軸部９５cと係止具穴部９１bにて回動可能に結合している。
【００５０】
以上の構成にて、食品収納容器の食品収納空間に貯蔵された食品を取り出すときは、図１５に示すように貯蔵された食品が軟質の合成樹脂部９５bと当接することにより、仕切り部材９５a、９５bが側方に回動して、食品の取り出しを容易にしている。換言すれば、仕切り部材９５a、９５bが側方に回動することにより、扉の開放角度θ1が９０度以下でも開放扉の隙間より貯蔵食品を取り出せるように構成してある。
【００５１】
次に、本発明の第八の実施例を図１６、図１７及び図１８により説明する。
図１６は本発明の第八の実施例を示す冷蔵庫斜視図であり、図１７は扉斜視図、図１８は扉要部横断面図である。９８は扉９６の内部に設けられた複数の食品収納容器である。４eは内箱の前面開口部に設けられた凹部である。９７a、９７b及び９７cは食品収納容器の側面及び上面を閉鎖する板状仕切り部材であり、該板状仕切り部材９７a、９７b及び９７cの設置位置は前述の内箱凹部４e内になるように構成されている。換言すれば、扉側の食品収納容器を冷却する庫内冷気が内箱の庫内壁面４fに沿って扉側に流れても、該冷気が扉周縁のガスケットに流れ込まないように、庫内壁面４fよりＬ1寸法あるいはＬ2寸法だけ内箱凹部４e内に入り込んで設置されている。
【００５２】
なお、Ｌ1寸法あるいはＬ2寸法は冷蔵庫の冷却方式により変わることは自明であり、例えば、ファン冷却方式の場合は３ｍｍ以上が望ましく、直冷方式の場合は０ｍｍ以上が望ましい。また、ファン冷却方式の場合はその冷気方向により、Ｌ1寸法とＬ2寸法を変えることも自明である。なお、仕切り部材９７a、９７b及び９７cを透明にすることにより、扉内の貯蔵食品が目視確認でき、取り出し性が向上するのは自明である。
【００５３】
以上せつめいしたように、本発明の実施例に示す冷蔵庫は、以下の効果を備える。即ち、冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を開閉可能に密閉する扉と、該扉の周縁に装着されたガスケットとを有し、該ガスケットの庫内側側面に対流を防止する板状仕切り部材を設置した冷蔵庫では、ガスケットの庫内側に滞留する空気と冷蔵庫庫内側の冷気の対流が阻害され、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱影響を減少できる。
【００５４】
食品収納容器を保持する係止具に、仕切り部材を係止した冷蔵庫は、係止具の少ない製造原価上有利となる。
【００５５】
扉内板に複数の食品収納容器を設置し、該食品収納容器間の側面に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、従来方式より幅方向に増加した収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００５６】
扉内板に設置された食品収納容器と扉の周縁に装着されたガスケットとの間に設置された板状仕切り部材とを有し、内箱と接触する仕切り部材先端の部分を軟質の可撓性合成樹脂にて形成した冷蔵庫は、収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による食品収納容器中の貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００５７】
扉内板に設置した板状仕切り部材に食品収納容器を着脱可能に係止した冷蔵庫は、食品収納容器を保持する係止具の少ない製造原価上有利な冷蔵庫を提供できると共に、板状仕切り部材が側面方向へ倒れずらい。
【００５８】
扉内板に設置された食品収納容器と扉の周縁に装着されたガスケットとの間に設置された仕切り部材を有し、仕切り部材とガスケットとを一体とした冷蔵庫は、部品点数の少ない製造原価上有利となる。
【００５９】
食品収納容器の側面を閉鎖する仕切り部材を設置した冷蔵庫において、扉内板に設置した食品収納容器にフイルム状の仕切り部材を着脱可能に係止した冷蔵庫は、幅方向により収納量の増加した食品収納容器とすることができる。
【００６０】
扉の周縁に装着されたガスケットを有し、冷蔵庫の扉内板に食品収納容器を設置し、該食品収納容器の側面あるいは上面に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫において、内箱の庫内壁よりガスケットに近い位置に、板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６１】
冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設けられた第一及び第二の扉とを有し、該第一及び第二の扉の回動側縁に装着されたガスケットを有し、該回動側縁に装着されたガスケットと、扉内板に設置された食品収納容器との間に板状仕切り部材を設置した冷蔵庫は、収納量の多い食品収納容器を提供できると共に、ガスケットを貫通して庫室内に侵入する外気の温熱、及び外板等を経由して庫室内に侵入する露付き防止用熱パイプの温熱による貯蔵食品の温度上昇の少ない、かつ、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６２】
断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉するように設けられた第一及び第二の扉を有し、該第一及び第二の扉の回動側縁に装着されたガスケット同士を開閉可能に密着し、該回動側縁に装着されたガスケットと、扉内板に設置された食品収納容器との間に先端の部分を軟質の可撓性合成樹脂にて形成した仕切り部材を設置した冷蔵庫は、熱漏洩の少ない省エネタイプとすることができる。
【００６３】
扉内板に食品収納容器を設置し、該食品収納容器の上面あるいは側面を閉鎖する仕切り部材を透明材料にて形成した冷蔵庫は、貯蔵した食品の確認と取り出し性のよい使いやすくなる。
【００６４】
【発明の効果】
本発明では、食品収納スペースの犠牲を最小にする板状仕切り部材を設置した冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一の実施例を示す扉斜視図
【図２】本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫斜視図
【図３】本発明の第一の実施例を示す冷蔵庫要部縦断面図
【図４】本発明の第一の実施例を示す扉要部横断面図
【図５】本発明の第二の実施例を示す扉要部横断面図
【図６】本発明の第三の実施例を示す扉斜視図
【図７】本発明の第三の実施例を示す扉要部横断面図
【図８】本発明の第三の実施例を示す食品収納容器斜視図
【図９】本発明の第四の実施例を示す扉要部横断面図
【図１０】本発明の第五の実施例を示す扉要部横断面図
【図１１】本発明の第五の実施例を示す食品収納容器斜視図
【図１２】本発明の第五の実施例を示す仕切り部材斜視図
【図１３】本発明の第六の実施例を示す扉要部縦断面図
【図１４】本発明の第六の実施例を示す仕切り部材と係止具の斜視図
【図１５】本発明の第七の実施例を示す扉要部横断面図
【図１６】本発明の第八の実施例を示す冷蔵庫斜視図
【図１７】本発明の第八の実施例を示す扉斜視図
【図１８】本発明の第八の実施例を示す扉要部横断面図
【符号の説明】
１・・・断熱箱体、２・・・外板、４・・・内箱、５・・・熱パイプ、６・・・庫室、７・・・庫室、８・・・第一の扉、９・・・第二の扉、１３・・・冷却器、１４・・・ファン、１５・・・ファンガード、１９・・・凝縮器、２０・・・圧縮機、２１・・・扉の回動中心軸、２２・・・扉外板、２３・・・扉断熱材、２４・・・扉内板、２５・・・係止具、２６・・・係止具、２７・・・ガスケット、２８・・・ガスケット、３１・・・仕切り部材、３３a・・・仕切り部材、３３b・・・仕切り部材、３６・・・食品収納容器、３８・・・食品収納容器、４１・・・扉の回動中心軸、４４・・・扉内板、４５・・・係止具、４７・・・ガスケット、４８・・・ガスケット、５１・・・仕切り部材、５２a・・・仕切り部材、５２b・・・仕切り部材、５４・・・食品収納容器、６１a・・・仕切り部材の硬質部、６１b・・・軟質の可撓性合成樹脂、６２a・・・仕切り部材の硬質部、６２b・・・軟質の可撓性合成樹脂、６４a・・・仕切り部材、６６・・・食品収納容器、７１・・・ガスケット、７６a・・・仕切り部材、７６b・・・軟質の可撓性合成樹脂、７６e・・・磁石、８１b・・・仕切り部材のフイルム状部、９１・・・係止具、９２a・・・仕切り部材、９２b・・・軟質の可撓性合成樹脂
Claims (6)
- 冷却装置を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部に設けられた扉と、この扉の周縁に装着されたガスケットと、前記扉の内板に配置された複数の食品収納容器と、前記ガスケットの内周縁側面に配置した板状仕切り部材とを備え、
前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm であることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項１において、
前記扉が、前記食品収納容器の保持及び前記板状仕切り部材の係止を行う係止具を備えた冷蔵庫。 - 請求項１において、
前記板状仕切り部材が、前記食品収納容器を係止する係止部を備えた冷蔵庫。 - 請求項１において、
前記ガスケットと前記板状仕切り部材とが一体となっている冷蔵庫。 - 冷却器を内蔵した断熱箱体と、この断熱箱体の前面開口部を観音開き方式に開閉する第一及び第二の扉と、この第一及び第二の扉の両扉が接する扉側面に各々設けられたガスケットと、前記第一及び第二の扉の内板に配置された食品収納容器と、前記ガスケットと食品収納容器との間に配置された板状仕切り部材とを備え、
前記板状仕切り部材は前記複数の食品収納容器の側面を覆い且つ肉厚が０．５ mm から５ mm であることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項１乃至５のいずれかにおいて、
前記板状仕切部材が、透光性を有する材料にて成形された冷蔵庫。
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