JP4239330B2 - 無線通信方法と無線通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線通信方法および無線通信システムに関するものであり、特に、アンテナダイバーシティ方式の無線通信システムとその方法に関する。
より特定的には、本発明は、直交周波数多重変調(OFDM)された信号を受信した受信装置において、OFDM信号から最良な受信状態のアンテナを決定する方法と装置に関する。
【0002】
本発明はさらに、アイソクロナス伝送(isochronous transfer、等時性伝送) において特定パターンのダミービットを挿入したOFDM変調したシンボルを、データ伝送領域の剰余領域に挿入して伝送を行い、その伝送特性を評価して最適なアンテナを決定するアンテナダイバーシティ方式の無線通信システムとその方法に関する。
【0003】
本発明のアンテナダイバーシティ方式の無線通信システムとその方法は、たとえば、複数の通信端末を無線通信によって接続する無線LAN(Local Area Network)システム、移動体通信システムなどに適用される。
【0004】
【従来の技術】
複数のコンピュータを有線接続することによりLANを構築した有線LANシステムが知られている。
そのような有線LANシステムにおいては、複数の伝送手段、たとえば、コンピュータ相互間でファイルやデータの共有化を図り、電子メールやデータの転送を相互に行うことができる。しかしながら、有線LANシステムを構築する際には、複数のコンピュータ同士を接続するために回避できない煩雑で高価格の布線工事が負担となり、シンボル構成も複雑になる。そこで最近では、有線LANシステムから無線LANシステムに切り換えることが試みられている。
【0005】
そのような無線LANシステムにおいては、送信データを疑似雑音符号を用いた拡散符号、たとえば、疑似乱数雑音符号(PN(Pseudorandom Noise)符号)にを用いてスペクトラム拡散することにより生成した送信信号を用いて各通信端末同士のデータ通信を行うようにした方式、すなわち、スペクトラム拡散方式が提案されている。
【0006】
そのようなスペクトラム拡散方式を用いた無線LANシステムは、送信信号にPN符号を乗算することにより広帯域に拡散して電力密度の小さな電波によって送信する。その結果、送受信を行っている通信端末以外の他の通信機器へ与える影響が少なく、PN符号を用いて拡散及び逆拡散しているため他の通信機器からの干渉を受け難いという利点がある。さらに、スペクトラム拡散方式は、受信側で受信信号を復調する際に送信側で用いられた拡散符号と同一系列パターンおよび同一位相の拡散符号を受信信号に乗算して逆拡散処理を施さなければ復調できないので、秘話性に優れており盗聴防止という観点からも利点がある。
【0007】
スペクトラム拡散方式による無線LANシステムは、複数の通信端末装置と、当該通信端末装置を制御する通信制御端末装置とから構成されており、通信制御端末装置は通信端末装置からそれぞれ所定距離だけ離れた位置に設けられている。通信制御端末装置は、通信端末装置との同期をとるために、フレームの先頭のタイミングで所定の符号系列パターンのPN符号を距離間隔の異なる複数の通信端末装置にそれぞれ送信する。複数の通信端末装置は、通信制御端末装置との距離に応じたそれぞれの遅延時間後にPN符号を受信する。
【0008】
しかしながら、アイソクロナス伝送(等時性伝送) を行っても、通信制御端末装置と通信端末装置との距離に相違に基づく受信タイミングのずれが起こる。その結果、通信制御端末装置は、異なる距離に位置する複数の通信端末装置から送られてくるパケットデータを受信するタイミングがそれぞれ異なり、受信タイミングの誤差によって復調誤りが生じる。同様に、複数の通信端末装置間でデータ通信を行う際にも、受信タイミングの誤差によって同様の復調誤りが生じる。
【0009】
このような問題を克服するため、本願の発明者は、特願平10−237383号において、常時正確に復調し得る無線通信方法及び無線通信システムを提案している。その詳細は本発明の実施の形態と関連づけて詳述する。
【0010】
ところで、上述した通信装置相互間の距離る相違に基づく受信タイミングの相違に起因する復調誤りを克服する前提としては、複数の通信端末装置のそれぞれにおいて、および、通信制御端末装置において、受信電波を正確に受信することが前提となる。
しかしながら、実際には、常に受信電波を良好な状態で受信できるとは限らない。特に、移動体通信システムにおいては、通信端末装置が移動することによりマルチパスなどの影響により受信状態が大きく変動する。そのため、異なる位置に複数のアンテナを配置し、一番、受信状態のよいアンテナを選択して通信を行うアンテナダイバーシティ方式が試みられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
スペクトラム拡散方式、OFDM方式に好適なアンテナダイバーシティ方式が提案されていない。特に、OFDM方式によりダイバーシティ用データを送出したとき、受信側でいかにそのダイバーシティ用データの受信状態を評価する適切な方法が提案されていない。
【0012】
加えて、アンテナダイバーシティ方式において受信状態を評価するための基準信号を伝送すると、その基準信号がデータ伝送領域を占有する分だけ、データ伝送量が低下するという不具合がある。
【0013】
本発明の目的は、OFDM方式でダイバーシティ用データを送出したとき、せ適切に最適な受信状態のアンテナを識別できる無線通信方法と装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのようなダイバーシティ用データを効果的に伝送し、そのダイバーシティ用データを受信して上記のごとく最適なアンテナを識別可能な無線通信方法と装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを信号を複数のアンテナで受信し、上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて、逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出し、該算出したサブキャリアのエネルギーが所定レベルを越えたサブキャリアの本数が多いアンテナを選択する、無線通信方法が提供される。
【0015】
すなわち、受信装置において、逆周波数変換処理をしてサブキャリアのエネルギーを算出し、該算出したサブキャリアのエネルギーが最大値を示したアンテナを選択する。
上記逆周波数変換処理は、好適には、高速フーリエ変換処理である。
【0017】
本発明の第2の観点によれば、複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて受信電界強度を算出し、複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて、フーリエ変換を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出し、上記算出した受信電界強度が第1レベルを越えており、かつ、上記算出したサブキャリアのエネルギーが第2レベル以下の数が少ない、信号を受信したアンテナを選択する、無線通信方法が提供される。
【0018】
このように、受信電力強度評価法と周波数特性評価法とを適宜組み合わせると、選択性フェージング、その他の条件で受信信号が変化する場合でも、正確に最良のアンテナを選択できる。
【0024】
本発明の第3の観点によれば、無線信号を受信する無線通信装置であって、上記無線通信装置は、直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを受信する複数のアンテナと、上記複数のアンテナで受信した信号を切り換えて出力する切り換え制御部と、上記複数のアンテナで受信したダイバーシティ用データのそれぞれについて、逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出する信号処理手段と、該算出したサブキャリアのエネルギーが所定レベルを越えたサブキャリアの本数が多いアンテナを選択する評価手段とを有し、上記切り換え制御部は上記評価手段で選択したアンテナを選択する無線通信装置が提供される。
【0025】
第3の観点の発明は第1の観点の無線通信方法を装置に実現した場合である。
【0026】
本発明の第4の観点によれば、 無線信号を受信する無線通信装置であって、上記装置は、直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを送出し、上記無線通信装置は、直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを受信する複数のアンテナと、上記複数のアンテナで受信した信号を切り換えて出力する切り換え制御部と、上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて受信電界強度を算出し、かつ、上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出する信号処理手段と、上記算出した受信電界強度が第1レベルを越えており、かつ、上記算出したサブキャリアのエネルギーが第2レベル以下の数が少ない、信号を受信したアンテナを選択する、評価手段とを有し、上記切り換え制御部は上記評価手段で選択したアンテナを選択する無線通信装置が提供される。
【0027】
第4の観点の発明は第2の観点のアンテナダイバーシティ方法を装置に実現した場合である。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の無線通信システムおよび無線通信方法の第1実施の形態として、無線LANシステムについて述べる。
【0030】
(1)無線LANシステムの全体構成
図1は本発明の1実施の形態としての無線通信システムとしての無線LANシステム10の構成図である。図1に図解した無線LANシステム10は、リーフ(leaf) として動作する通信端末装置11A、11Bと、ハブ(hub)として機能する通信制御端末装置12とから構成されている。図解の関係で、2つの通信端末装置11A、11Bを図解したが、通信端末装置は1台以上、複数台設けることができる。
【0031】
図2は無線LANシステム10におけるデータ伝送に使用するフレームフォーマットを図解した図である。図2に図解したフレームフォーマットは、147455シンボル(4msecに相当する長さ)を1フレームとし、先頭に第1のPN符号を配置し、次いで管理データ領域を配置し、以下、第2のPN符号とパケットデータ領域とが繰り返して配置される。
【0032】
無線LANシステム10においては、図2に図解した1フレーム内で時分割多重(TDMA:Time Division Multiplexing )方式によって情報データを送信する。すなわち、無線LANシステム10においては、通信制御端末装置12と通信端末装置11A、11Bそれぞれとの間、または、通信端末装置11A、11B相互間で、図2に図解したフレームフォーマットでデータ通信を行う。そのようなデータ通信は、同一周波数を用いて送信と受信とを所定時間ごとる交互に切り換える、いわゆるTDD(Time Division Duplex)方式の通信を行う。
【0033】
通信端末装置11A、11Bは、それぞれコンピュータを内蔵したデータ端末装置13A、13Bに無線通信ユニット14A、14Bがそれぞれ接続されて構成されている。通信制御端末装置12も、コンピュータを内蔵したデータ端末装置15に無線通信ユニット16が接続されて構成されている。
無線LANシステム10においては、通信端末装置11Aと通信端末装置11Bとの間でデータ通信が行われ、通信制御端末装置12によって通信端末装置11Aと通信端末装置11Bとの間で行われるデータ通信を制御すると共に、通信制御端末装置12から通信端末装置11Aおよび11Bに対してもデータをアイソクロナス的に(isochronous 、等時的に) 送信する。具体例を述べると、無線LANシステム10においては、通信制御端末装置12が、例えばイーサネット等を介して得たデータを通信端末装置11A及び11Bに送信し、当該通信端末装置11A及び11BにIEEE1394等の通信インターフェースを介して接続された家庭用AV(Audio Vidual)機器、たとえば、テレビジョン装置の間でデータ通信を行うことができる。
【0034】
通信端末装置11Aに設けられた無線通信ユニット14Aは、送信部17Aと、受信部18Aと、制御部19Aと、アンテナ20Aと、アンテナ切換部21Aとから構成されている。通信端末装置11Bに設けられた無線通信ユニット14Bも無線通信ユニット14Aと同様、送信部17Bと、受信部18Bと、制御部19Bと、アンテナ20Bと、アンテナ切換部21Bとから構成されている。
【0035】
無線LANシステム、移動体通信に代表される無線通信においてはフェージングに遭遇する。特に、都市部などの高く電波を反射する建造物が多く存在する場所では、マルチパス・フェージングの影響を受ける。そのため、アンテナ20A、20Bとして図解した部分はそれぞれ少なくとも2つのアンテナを内蔵しており、アンテナ切換部21A、21Bは最も受信感度の良好なアンテナを検出してそのアンテナに切り換える処理を行う。
【0036】
マルチパス・フェージングに対して信頼性の高い通信方式とし、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing : 直交周波数分割多重) 方式が知られている。OFDM方式は、図3に図解したように、周波数間隔f0 の各キャリアを互いに直交させることにより符号間干渉が生じないようにした複数のサブキャリアを使用し、当該各サブキャリアに低ビットレートの信号を割り当てて全体として高ビットレートを得るようにしている。すなわち、OFDM方式によれば、直交する複数のサブキャリアを使用してデータを並列的に送ることにより、伝送レートを容易に上げることができると共に、ジッタが生じても誤りなく復調できる。
【0037】
そこで、送信部17A及び17B及び受信部18A及び18Bは、OFDM方式によるデータ通信を行う。
【0038】
OFDM方式を適用した場合のアンテナ切換部21A、21Bにおけるアンテナ切り換え方法については、その詳細を後述する。
【0039】
通信制御端末装置12に設けられた無線通信ユニット16は資源情報格納部25を有しており、その資源情報格納部25には、通信端末装置11A及び11Bがそれぞれデータ通信を行う際の送信割り当て時間に関する資源情報(いわゆる所定時間幅のタイムスロット情報)が格納されている。
【0040】
図2に図解したように、1フレームの先頭には、通信制御端末装置12の無線通信ユニット16から同期獲得用の第1のPN符号が配置され、送信の最初にはまず、第1のPN信号が送信される。同期獲得用の第1のPN符号は、通信端末装置11A及び11Bの無線通信ユニット14A及び14Bによってそれぞれ受信され、この受信タイミングを基準として通信制御端末装置12と通信端末装置11A及び11Bとの間でデータ通信を行う際の送受信タイミングと、通信端末装置11A及び11B間でデータ通信を行う際の送受信タイミングとが設定される。
【0041】
このように、無線LANシステム10では、通信端末装置11A、11Bからデータ通信要求がある場合、当該通信端末装置11A、11Bの無線通信ユニット14A、14Bから通信制御端末装置12の無線通信ユニット16に対して送信要求が送られる。通信制御端末装置12の無線通信ユニット16は、送られてきた送信要求と資源情報とに基づいて通信端末装置11A、11Bに対する送信割り当て時間を決定し、この送信割り当て時間を含んだ制御情報を通信端末装置11A及び11Bの無線通信ユニット14A及び14Bに送信する。これにより無線通信ユニット14A及び14Bは、送信割り当て時間に従って所定のタイムスロットのタイミングでデータの送受信を行う。このとき無線通信ユニット14A及び14Bが行うデータの送受信タイミングとしては、上述したように1フレームの先頭に送られてくる同期獲得用の第1のPN符号を基準にして行う。
【0042】
アンテナダイバーシティ方式
上述した同期獲得の前提として、アンテナにおいて正確に信号が受信されている必要がある。ところが、無線LANシステム、移動体通信に代表される無線通信においては、特に、都市部などのように、高さが高く電波を反射する建造物が多く存在する場所では、マルチパス・フェージングの影響を受けて受信を良好に行えないときが起こる。その改善策として、本実施の形態においては、アンテナダイバーシティ方式を採用している。すなわち、移動する可能性があるリーフとしての通信端末装置11A、11Bのそれぞれにおけるアンテナ20A、20Bとしてそれぞれ複数のアンテナを配設し、アンテナ切換部21A、21Bにおいて最も受信の信頼度が高いアンテナを選択する。もちろん、ハブとしての通信制御端末装置12のアンテナ26を複数本のアンテナとして、アンテナ切換スイッチ27において最も受信の信頼度の高いアンテナを選択することもできる。
【0043】
以下、通信端末装置11Aにおけるアンテナ20Aおよびアンテナ切換部21Aを代表して、本実施の形態のアンテナダイバーシティ方式について述べる。
【0044】
ダイバーシティ用データの位置
まず、ダイバーシティに使用するデータの挿入位置について述べる。第1の形態として、ダイバーシティ用データの配設位置を図2に図解した管理データ領域の内の空き領域にした。その詳細を図4に図解する。1フレームの先頭部分に位置する管理データ領域の空き部分に、通信制御端末装置12のダイバーシティ用データ、通信端末装置11Aのダイバーシティ用データ、通信端末装置11Bのダイバーシティ用データを配置した。すなわち、1フレームごと、その先頭の管理データ領域にダイバーシティ用データを配設した。その結果、1フレームごと、アンテナダイバーシティ方式を適用できる。管理データ領域の空き部分にダイバーシティ用データを配設しているので、ダイバーシティ用データを挿入しても伝送すべきデータの格納領域を減少させないし、通常のデータ伝送を行うだけでダイバーシティ用データが伝送できるので、データ伝送効率の低下も起きないという利点がある。
【0045】
ダイバーシティ用データのパターン
ダイバーシティ用データとしては、受信したとき、その受信結果の評価を明瞭にするため、m系列などの既知のランダムデータパターン、または、データ伝送されるデータとは異なるユニークな既知のデータパターンとする。そのようなデータパターンとしては、たとえば、「1」のシンボルと「0」のシンボルとが交互に存在するデータパターン、あるいは、全て「1」のデータパターンなどを採用することができる。
【0046】
受信したダイバーシティ用データの評価方法
図5は複数のアンテナを有するアンテナ20Aとアンテナ切換部21Aとその周辺の関連部の回路構成図である。複数のアンテナ、本実施の形態では、4本のアンテナAT1〜AT4は、所定間隔を隔てて通信端末装置11Aに所定位置に配設されている。アンテナ切換部21Aは、切り換えスイッチ211と、高周波増幅回路212と、ダイバーシティ用データ検出回路213と、信号処理手段214と、評価手段215と、切り換え制御部216とを有する。
【0047】
上記アンテナ切換部21Aを構成する回路の基本動作を述べる。切り換えスイッチ211は、切り換え制御部216によりアンテナAT1〜AT4を順次切り換える。高周波増幅回路212は、アンテナ切換部21Aで選択されたアンテナからの高周波(RF)信号を増幅する。ダイバーシティ用データ検出回路213は、高周波増幅回路212で増幅された信号から、図2および図4に図解した自己、すなわち、通信端末装置11Aのダイバーシティ用データを検出する。信号処理手段214は検出されたダイバーシティ用データを信号処理する。評価手段215は信号処理された結果を評価して、最も適切なアンテナを選択する。切り換え制御部216は評価手段215で選択したアンテナが選択されるようにそのスイッチ位置を切り換える。その結果、そのフレームは選択されたアンテナからの信号を用いて受信動作が行われる。このように本実施の形態においては1フレームごと、そのときの受信の最適なアンテナを用いた受信処理が行われる。
【0048】
高周波増幅回路212で増幅された信号は、通信端末装置11Aの受信部18A内のデータ復調回路181で復調が行われる。
【0049】
以下、信号処理手段214における信号処理と、評価手段215における評価方法を述べる。
【0050】
受信電界強度評価法
第1の信号処理方法とその評価方法としては、ダイバーシティ方式において周知の受信電界強度評価法を適用する。その場合、信号処理手段214は、ダイバーシティ用データ検出回路213で検出したダイバーシティ用データの受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を算出する。評価手段215は算出された受信電界強度と所定のしきい値とを比較し、受信電界強度がしきい値を越えていれば、その信号を受信したアンテナは利用可能と判断する。以上の処理を全てのアンテナAT1〜AT4から受信した信号について行い、評価手段215は、利用可能なアンテナのうち、最も受信電界強度の強い信号を受信したアンテナを選択アンテナとして切り換え制御部216に指示する。切り換え制御部216は評価手段215から指示されたアンテナからの信号が継続して受信できるように、そのアンテナを選択する。以下、そのフレームのデータ受信および復調処理は、その選択されたアンテナからの受信信号を用いる。この受信電界強度評価法そのものはダイバーシティ方式において周知であり、実施が容易である。
【0051】
BER評価法
第2の信号処理方法とその評価方法としては、種々の分野の受信装置、再生装置、たとえば、通信システム、磁気記憶再生装置、光ディスク記録再生装置などにおいて適用されている、ビット誤り率(BER)を評価する方法である。この場合、信号処理手段214は、周知の方法で、ダイバーシティ用データ検出回路213で検出した信号についてBERを算出する。評価手段215は算出されたBERが所定の値以下か否かを判定し、算出されたBERが所定の値以下であれば、その信号を受信したアンテナは利用可能と判断する。以上の処理を全てのアンテナAT1〜AT4から受信した信号について行い、評価手段215は、利用可能なアンテナのうち、もっとも低いBERを示すアンテナを選択アンテナとして切り換え制御部216に指示する。切り換え制御部216は評価手段215から指示されたアンテナからの信号が継続して受信できるように、そのアンテナを選択する。以下、そのフレームのデータ受信および復調処理は、その選択されたアンテナからの受信信号を用いる。このBER法も、通信システム、記録再生装置などにおいて周知であり、実施が容易である。
【0052】
周波数特性評価法
第3の信号処理方法とその評価方法として、本願発明者は、OFDM方式で変調されている信号について、新規な周波数特性評価法を考案した。
図3に図解したように、OFDM方式においては、周波数間隔f0 の各キャリアを互いに直交させることにより符号間干渉が生じないようにした複数のサブキャリアを使用し、当該各サブキャリアに低ビットレートの信号を割り当てて全体として高ビットレートを得るようにしている。そこで、本実施の形態においては、図5のダイバーシティ用データ検出回路213において、たとえば、図7に図解したように、72シンボルのダイバーシティ用データを検出し、信号処理手段214として図6に図解した、本発明の逆周波数変換処理の1例として高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourie Transform)を行うの高速フーリエ変換回路214aを用いて、たとえば、64シンボルの有効信号に変換する(図7)。変換結果の例を図8に図解した。図8において横軸は周波数を示し、縦軸はサブキャリアのエネルギーES を示す。すなわち、ダイバーシティ用データ検出回路213で検出したOFDM変調シンボルをFFT回路214aで高速フーリエ変換することにより受信信号の周波数特性を算出したことになる。
【0053】
図5の評価手段215は、本実施の形態においては図6に図解したような識別回路215aであり、識別回路215aは、たとえば、算出されたサブキャリアエネルギーES とエネルギーしきい値THとを比較して、しきい値THより高いサブキャリアエネルギーES を与えるサブキャリアの本数を計数する。
【0054】
切り換え制御部216は全てのアンテナAT1〜AT4を順次切り換えて、それらの受信信号を高周波増幅回路212、ダイバーシティ用データ検出回路213に印加していく。FFT回路214aと識別回路215aとは、ダイバーシティ用データ検出回路213で検出した受信信号について上述した処理を反復する。
【0055】
識別回路215aは、各アンテナで受信した信号について行った計数結果が最大の計数値を示したアンテナ、すなわち、サブキャリアエネルギーES が所定レベルを越えたサブキャリアの本数が多いアンテナを最も受信感度の良好なアンテナとして、切り換え制御部216に指示する。切り換え制御部216は評価手段215から指示されたアンテナからの信号が継続して受信できるように、そのアンテナを選択する。以下、そのフレームのデータ受信および復調処理は、その選択されたアンテナからの受信信号を用いる。
【0056】
上述した周波数特性評価法は、OFDM方式の変調信号の特徴に則した処理をしており、受信信号の品質を評価する方法としては上述した2つの方法より信頼性が高い。この周波数特性評価方法は、信号処理手段214として、FFT回路214aが必要になるが、FFT回路は、たとえば、図15を参照して後述するように、無線通信ユニット14A内の高速フーリエ変換回路(FFT)65と同様であり、高速フーリエ変換回路65を流用することも可能である。その場合は本実施の形態の周波数評価法を適用しても無線通信ユニット14A内の回路構成は複雑にならないという利点がある。
【0057】
なお、OFDM方式で変調したダイバーシティ用データの評価方法として、高速フーリエ変換を例示したが、本発明は、高速フーリエ変換に限らず、逆周波数変換処理を行うその他の方法、たとえば、DFTなどであってもよい。
【0058】
周波数特性評価法の変形態様
16QAMで変調した場合、サブキャリアの信号点の配置位置の相違によって振幅が最大3倍異なる。劣化がないOFDM信号であっても、サブキャリアエネルギーが10dB程度低下することになる。したがって、そのようなサブキャリアのエネルギーを一定のしきい値THで比較すると、しきい値TH以下のエネルギーと判定される。
【0059】
このような不具合を改善するため、複数のOFDMシンボルを用いて、各サブキャリアのエネルギーEsを平均し、その平均エネルギーについてしきい値を用いて比較判定する。
【0060】
上述したQAMに起因する不具合を回避するため、送信装置において、周波数特性評価法に使用するダイバーシティ用データをBPSK変調またはQPSK変調することが望ましい。
【0061】
評価用データの位置およびパターンの変形態様
上述した実施の形態は、評価用データ(ダイバーシティ用データ)をデータ伝送フォーマットの空き部分に挿入して、データ伝送効率を低下させない場合を述べたが、上述した周波数特性評価法のみの観点からすると、上述したデータ伝送フォーマットの空き部分にのみ、評価用データを挿入することはない。同様に、上述したデータパターンに限定されることはない。
【0062】
たとえば、管理データ領域内の制御信号を送る制御データ領域内の制御データを利用して、上述した高速フーリエ変換を行い、最適なアンテナを選択することもできる。ただし、アンテナを試験的に切り換える期間は必要なので、そのような場合には、上述した実施の形態と同様、データ伝送フォーマットの空き部分にそのような評価用データを格納することができる。
【0063】
なお、制御データの種類によっては、毎フレーム受信しなくてもよいものがあるから、それを評価用データとして使用することもできる。
【0064】
また、伝送データ領域内のデータであって、自己の受信装置当てではないデータを評価用データとして使用することもできる。
【0065】
振幅評価法
第4の信号処理方法とその評価方法としては、周知の振幅評価法を適用する。信号処理手段214は、ダイバーシティ用データ検出回路213で検出したダイバーシティ用データについて包絡線検波を行い、各サブキャリアの振幅値を積分する。評価手段215は算出された振幅積分値としきい値とを比較し、振幅積分値ががしきい値を越えていれば、その信号を受信したアンテナは利用可能と判断する。以上の処理を全てのアンテナAT1〜AT4から受信した信号について行い、評価手段215は、利用可能なアンテナのうち、もっとも振幅積分値の大きな信号を受信したアンテナを選択アンテナとして切り換え制御部216に指示する。切り換え制御部216は評価手段215から指示されたアンテナからの信号が継続して受信できるように、そのアンテナを選択する。以下、そのフレームのデータ受信および復調処理は、その選択されたアンテナからの受信信号を用いる。この振幅評価は、回路構成が簡単である。
【0066】
その他の評価方法
本実施の形態としては、上述した例示に限らず、無線送信データ、衛星通信データの受信信号の評価に適用しているその他の種々の評価法を適用することがで。
【0067】
その他のダイバーシティ用データの位置
図9を参照して、第2の形態としてのダイバーシティに使用するデータの挿入位置について述べる。図9は図2に図解したフレームフォーマットを適用して、MPEG方式でビデオ信号および音声データを圧縮してデータ伝送する場合のフォーマット例を示す。
【0068】
MPEG方式でビデオ信号を圧縮した場合、映像状況に応じて圧縮されるデータ量が変化する。その結果、図2に図解した限られたパケットデータ領域に空きがでることもある。本実施の形態はそのようなパケットデータ領域の空き部分に、特に、1フレームの最初のパケットデータ領域に、ダイバーシティ用データDVを挿入してデータ伝送することにより、第1実施の形態のデータ配置と同様、データの格納領域を減少させずに、通常のデータ伝送を行うだけでダイバーシティ用データを伝送してデータ伝送効率の低下も起きないようにしている。
ただし、MPEG方式でビデオ信号を圧縮した場合、どこにどれだけの空きが発生するかはMPEGを適用しないと判らないから、固定した位置にダイバーシティ用データは配設できない。そこで、1フレームの先頭部分に位置する管理データ領域の空き部分に、ダイバーシティ用データの格納位置、そのデータ量を明示するデータを格納する。
【0069】
ダイバーシティ用データのパターン
本実施の形態においても、上記と同様、ダイバーシティ用データとしては、受信したとき、その受信結果の評価を明瞭にするため、m系列などの既知のランダムデータパターン、または、データ伝送されるデータとは異なるユニークな既知のデータパターンとする。そのようなデータパターンとしては、たとえば、「1」のシンボルと「0」のシンボルとが交互に存在するデータパターン、あるいは、全て「1」のデータパターンなどを採用することができる。
【0070】
図10は図9に図解したダイバーシティ用データを検出し、その評価を行う、図5に類似するアンテナ切換部21Aの回路図である。アンテナ切換部21Aは、高周波増幅回路212、復調回路217、パケット再合成回路218、信号処理手段214、評価手段215、切り換え制御部216を有する。
【0071】
上記アンテナ切換部21Aを構成する回路の基本動作を述べる。切り換えスイッチ211は切り換え制御部216によりアンテナAT1〜AT4を順次切り換える。高周波増幅回路212はアンテナ切換部21Aで選択されたアンテナからの高周波(RF)信号を増幅する。復調回路217はRF増幅信号からMPEGによる圧縮信号およびダイバーシティ用データを復調する。パケット再合成回路218は、復調したデータをパケットに再合成する。これにより、管理データ領域の空き部分に格納されている位置指示データを参照してダイバーシティ用データを抽出可能となる。信号処理手段214は抽出されたダイバーシティ用データを信号処理する。評価手段215は信号処理された結果を評価して、最も適切なアンテナを選択する。切り換え制御部216は評価手段215で選択したアンテナが選択されるようにそのスイッチ位置を切り換える。その結果、そのフレームは選択されたアンテナからの信号を用いて受信動作が行われる。
【0072】
受信したダイバーシティ用データの評価方法(信号処理手段214および評価手段215の処理
信号処理手段214および評価手段215としては、上記同様、受信電界強度評価法、BER評価法、周波数特性評価法、振幅評価法など、適宜の評価法を適用できる。
【0073】
上述したように、本発明においては、図2に図解したデータ伝送に用いるフレームフォーマットのなかの空き部分にダイバーシティ用データを挿入し、受信側に送出するという構想により、データ伝送系に特別の回路増設、データ伝送効率の低下などを起こさずに、ダイバーシティ用データを伝送することができる。さらに、本発明においてはそのようなダイバーシティ用データを受信した受信装置、たとえば、通信端末装置11A、11Bなどにおいて、上述した評価法で受信信号を評価して、最適なアンテナを選択することができる。
【0074】
変形態様
信号圧縮したデータを伝送する際、データ格納領域に空きが発生し、その空き領域にダイバーシティ用データを埋め込む(挿入する)方法として、MPEG方式でビデオ信号などを圧縮した場合について述べたが、本発明は、MPEGに限らず、その他の方法でビデオ信号、オーディオ信号などを圧縮して伝送する場合にも、上記同様に空き領域をダイバーシティ用データ伝送に利用するという構想を適用できる。
【0075】
さらに圧縮する信号としては、ビデオ信号、オーディオ信号には限らない。たとえば、信号を暗号化して伝送する場合に、信号と暗号方法とによって伝送する暗号化データの量が変化する場合などのときも、空き領域をダイバーシティ用データの伝送に利用できる。
【0076】
伝送したダイバーシティ用データの評価方法は上述した各種の方法の任意の方法、または、その他の公知方法を適用できる。
【0077】
組み合わせ評価方法
上述した評価方法は、受信電力強度評価法、BER評価法、周波数特性評価法、振幅評価法を個別に行う例を示した。しかしながら、これらの評価方法を個別に適用した場合は下記に述べる限界に遭遇することがある。
【0078】
無線通信ユニット16から通信端末装置11A、11Bにデータ送信を行う際、自動利得制御(AGC)をかけると、高速フーリエ変換(FFT)した結果はほぼ同じレベルの信号となる。
【0079】
次いで選択性フェージングに起因する問題が起こる。
たとえば、送信装置から受信装置にデータを送出したとき、たとえば、データ伝送経路が2つ存在し受信装置の1つのアンテナに2つの信号経路の2つの信号が到達することがある。このとき、2つの信号には時間差が生ずることが多い。1番目の信号より遅延した2番目の信号の遅延時間τdが、τd≒1/BWであるとき、(BWはその信号の帯域を示す)、そして、2つの信号のレベルがほぼ等しいとき、2つの信号か相殺しあって、その帯域内に少なくとも1か所のヌル点(信号のレベルが0になる点)が生ずる。一般に、遅延広がり<τd>が1/BWとオーダーが等しいと、帯域内の半分近いエネルギーが失われる。
実際は上述した信号経路が2とは限らず、多重になる場合も多い。そのような多重遅延による相互干渉があると、移相、振幅が平坦なスペクトラムになる場合もある。
【0080】
上述した状況において、1台の受信装置に2個のアンテナを設置して信号を受信する場合を考察する。
たとえば、受信電力強度は第2のアンテナより第1のアンテナが強いとする。しかしながら、第1のアンテナは選択性フェージングの影響を受けた信号を受信しており、周波数特性評価法における高速フーリエ変換した結果は、帯域のある部分のエネルギーがしきい値より1/3程度低下し、しきい値より低い領域が広いとする。この場合、ビット誤り率BERは大きい。
他方、受信電力強度は第1のアンテナより弱い第2のアンテナの受信信号を高速フーリエ変換した結果は、第1のアンテナの受信信号より平坦で、帯域のある部分のエネルギーがしきい値TH1より低下している領域は小さいとする。この場合ビット誤り率BERは小さい。
【0081】
受信電力強度評価法のみによる評価では、上述した場合、第1のアンテナを選択する。しかしながら、上述した場合は第2のアンテナを選択すべきである。
その反面、第2アンテナの受信電力強度があまりに小さい場合は、SNが低下するので、第1のアンテナを選択すべきである。
【0082】
建造物内の無線通信においては、屋外の通信より上述した問題は著しい。帯域幅の逆数(数10ns)と、送受信アンテナ間の電波伝搬が複数険路を辿る場合に経路差による伝搬遅延時間、たは遅延広がりとが同一オーダーになると、帯域の1/2〜数分の1の信号が失われる。
【0083】
このように、高速フーリエ変換を行うこに起因する問題、選択性フェージングなどに影響により、単独の評価法では限界がある。
【0084】
そこで、好ましいアンテナ選択法としては、下記のごとく組み合わせて行う。
【0085】
組み合わせ評価法
1.まず、受信電力強度評価法で評価し、同時に、周波数特性評価法で評価する。
2.次いで、(a)受信電力強度がしきい値TH1(受信電力強度評価法におけるしきい値をTH1とする)より大きく、かつ、(b)サブキャリアエネルギーEsがエネルギーしきい値TH2(周波数特性評価法におけるしきい値をTH2とする)より低いサブキャリアが最も少ない、信号を受信したアンテナを最良のアンテナとして選択する。
【0086】
2.もし、上述した、(a)受信電力強度がしきい値TH1(受信電力強度評価法におけるしきい値をTH1とする)より大きい受信信号が存在しない場合は、受信電力強度が最大となるアンテナについて、(b)サブキャリアエネルギーEsがエネルギーしきい値TH2(周波数特性評価法におけるしきい値をTH2とする)より低いサブキャリアが最も少ない、信号を受信したアンテナを最良のアンテナとして選択する。
【0087】
上述したアンテナダイバーシティ方式を、通信端末装置11Aに適用した場合を述べたが、通信端末装置11B、通信制御端末装置12にも適用できることは勿論である。
【0088】
上述した回路と処理方法により、適切なアンテナが選択されてデータを受信できるとの前提で、さらに無線通信システムの構成と動作を述べる。
【0089】
(2)通信制御端末装置の無線通信ユニット
図11を参照して、通信制御端末装置12に設けられている無線通信ユニット16について述べる。無線通信ユニット16は、通信コントローラ30を有し、当該通信コントローラ30を介してデータ端末装置15とデータの交換を行う。
【0090】
通信コントローラ30は、データ端末装置15から送られてきたメッセージ情報を表す情報データS9に対して、誤り検出用のCRC(Cyclic Redundancy Check) コードを付加して送信データS10を生成し、これをDQPSK変調回路31に送出する。DQPSK変調回路31は、送信データS10に対してDQPSK変調処理を施して送信信号S11を生成し、これをOFDM変調部47のシリアル/パラレル変換回路32に送出する。
【0091】
シリアル/パラレル変換回路32は、シリアルデータ列で供給される送信信号S11をパラレルデータ列の送信信号S12に変換し、これを逆高速フーリエ変換回路(IFFT)33に送出する。逆高速フーリエ変換回路33は、送信信号S12に対して逆高速フーリエ変換処理を施して送信信号S12のパラレルデータ列を周波数領域のデータにマッピングし、その結果得られる送信信号S13をパラレル/シリアル変換回路34に送出する。
【0092】
パラレル/シリアル変換回路34は、周波数領域にマッピングされたパラレルデータ列の送信信号S13をシリアルデータ列に戻し、その結果得られる送信信号S14を切換スイッチ35に送出する。
OFDM変調部47は、図3に図解したように、周波数間隔f0 の各キャリアを互いに直交させることにより符号間干渉が生じないようにした複数のサブキャリアを使用し、当該各サブキャリアに低ビットレートの信号を割り当てて全体として高ビットレートを得るようにしている。
【0093】
図3はOFDM方式における伝送波形の周波数スペクトラムを示す。このようにOFDM方式では、送信信号S11をシリアルパラレル変換し、このパラレル変換された送信信号S12に逆高速フーリエ変換処理を施すことによって、送信信号S12を互いに直交する周波数間隔f0 の各サブキャリアに割り当てる。この逆の復調時には、周波数間隔f0 毎のサブキャリアの信号成分を取り込み、高速フーリエ変換処理を施すことによって当該サブキャリアに割り当てられているデータを抽出する。
【0094】
図12は図11に図解した回路のうち、DQPSK変調回路31、シリアル/パラレル変換回路32、逆高速フーリエ変換回路(IFFT)33およびパラレル/シリアル変換回路34を図解する図である。
OFDM方式では、シリアル/パラレル変換回路32によってDQPSK変調回路31から供給される送信信号S11のうち実データの51サンプルをパラレルデータ列に変換し、これを逆高速フーリエ変換回路33に送出する。
【0095】
逆高速フーリエ変換回路33は、51サンプルのパラレルデータ列を周波数領域にマッピングすると共に、13サンプル分の無効データ(例えば「0」でなる無効ビット)を周波数領域にマッピングすることにより64サンプルからなる有効シンボル部分を生成した後、当該64サンプルの有効シンボル部分に対して8サンプルのガードインターバルを付加してパラレル/シリアル変換回路34に送出する。
【0096】
図7に示すように、1シンボルは64サンプルの有効シンボル部分及び8サンプルのガードインターバルの合計72サンプルから構成されている。この場合、シンボル周期Tsymbolは、例えば1.953[μsec]であり、サンプル周期Tsampleは例えば27.127[nsec]であり、さらにサンプル周波数fsampleは例えば36.864[MHz] である。
【0097】
OFDM方式では、複数のサブキャリアに分散してデータを送信しているので、1シンボル当たりの送信時間が長くなるが、時間軸上でガードインターバルを設けるようにしていることにより、ジッタに対する影響やマルチパスに対する影響を受け難いという特徴がある。なおガードインターバルは、有効シンボル長の約1〜2割程度に選定されている。
【0098】
このように、OFDM方式では、復調時に連続する受信信号の中から有効シンボル部分を抽出して高速フーリエ変換処理を施す必要があり、このときジッタ等によって有効シンボル部分を切り出す際の誤差が生じたとしても、ガードインターバルが設けられているために周波数成分が変化することはなく、位相が回転した分の位相差のみが生じる。
【0099】
このためOFDM方式では、信号中に既知パターンのデータを挿入して位相補正を行うか、あるいは差分位相変復調方式によって位相差を打ち消すことにより復調を可能にしている。通常のQPSK(Quadri Phase Shift Keying) 変復調のみを用いた場合には、各ビット毎に復調のタイミングを合わせる必要があるが、OFDM方式の場合には数ビットずれたとしても感度が数デシベル劣化するだけで復調が可能である。
【0100】
再度図11を参照する。パラレル/シリアル変換回路34から出力される送信信号S14は、切換スイッチ35の第1の切換入力端子35Aに供給される。切換スイッチ35の第2の切換入力端子35Bには、PN符号発生回路49によって生成されコントローラ45の制御に基づいて選択された第1のPN符号S49PN1 又は第2のPN符号S49PN2 が1周期分だけ供給される。
【0101】
PN符号発生回路49は、M系列(Maximum Length Code) の第1のPN符号S49PN1 を生成する第1のPN符号発生部49Aと、M系列の第2のPN符号S49PN2 を生成する第2のPN符号発生部49Bとから構成されている。
【0102】
図13に示すように、第1の符号系列生成手段としての第1のPN符号発生部49Aは4段のシフトレジスタSR1〜SR4と、当該シフトレジスタSR1〜SR4のうちシフトレジスタSR1及びSR4の出力を排他的論理和演算する排他的論理和回路(エクスクルーシブオア回路)EXOR1及びEXOR2と、FIRフィルタF49とから構成されている。
【0103】
第1のPN符号発生部49Aは、初期値データとして例えば「1、1、1、1」をシフトレジスタSR1〜SR4に格納し、例えば18.432[MHz] の基準クロックに同期したタイミングでシフトレジスタSR1〜SR4に格納された初期値データを順次シフトすると共に、EXOR1及びEXOR2によってエクスクルーシブオア演算することによってシリアルデータ列でなる15ビット(約1[ μsec])の符号系列P10を18.432[Mbps]の速度で生成し、これを順次FIRフィルタF49に送出する。
【0104】
FIRフィルタF49は、15ビットの符号系列P10を所定の周波数帯域幅で帯域制限し、符号系列P10の1ビットをさらに8チップに量子化した後、120チップ(15ビット×8チップ)のパラレルデータ列の第1のPN符号S49PN1 を出力する。但し、第1のPN符号S49PN1 は符号系列P10の1ビットを8チップに量子化したのであるから、ビット長は変わらない。
【0105】
図15に示すように、第2の符号系列生成手段としての第2のPN符号発生部49Bは15ビットの符号系列P10を5ビット遅延回路D49に送出する。5ビット遅延回路D49は、符号系列P10を5ビット分遅延させた符号系列P10´を順次FIRフィルタF49に送出することにより、第1のPN符号S49PN1 とは位相が合計40チップ(5ビット×8チップ)だけシフトした第2のPN符号S49PN2 を出力する。
【0106】
すなわち第1のPN符号S49PN1 と第2のPN符号S49PN2 とは、同一の系列パターンでありながら位相が異なるために独立した2種類のPN符号として用いられる。第2のPN符号発生部49Bは第1のPN符号発生部49Aに対して5ビット遅延回路D49を設けるだけの簡単な構成で第2のPN符号S49PN2 を生成し得る。
【0107】
第1のPN符号S49PN1 とは、システム間における同期獲得用のPN符号であり、通信制御端末装置12がフレームの先頭部分で送信する。
第2のPN符号S49PN2 とは、通信制御端末装置12、通信端末装置11A及び11Bが指定された送信割り当て時間に従ってデータ通信を行う際、復調タイミングを指示する同期獲得用のPN符号であり、メッセージデータの直前に送信される。
【0108】
切換スイッチ35は、システム間の同期信号として第1のPN符号S49PN1 又は復調タイミングを指示する同期信号として第2のPN符号S49PN2 を送信する場合、コントローラ45の制御に基づいて切換入力端子35Bに切り換えて第1のPN符号S49PN1 又は第2のPN符号S49PN2 を出力し、それ以外の場合には切換入力端子35Aに切り換えて送信信号S14を出力する。
【0109】
このようにして切換スイッチ35は、送信信号S14、第1のPN符号S49PN1 又は第2のPN符号S49PN2 を出力信号S16として、周波数変換回路36、パワーアンプ38、アンテナ切換スイッチ27及びアンテナ26からなる第1の送信手段に入力する。
【0110】
第1の送信手段の周波数変換回路36は乗算器でなり、PLL(Phase Locked Loop) シンセサイザ37から供給される局部発振信号S17を出力信号S16に乗算することにより、所定周波数に周波数変換した送信信号S18を生成し、これをパワーアンプ38に送出する。なお送信信号S18の周波数としては、例えば準マイクロ波帯の2.4[GHz]、5.7[GHz]あるいは19[GHz] 帯を用いる。
【0111】
パワーアンプ38は、送信信号S18を所定の電力レベルに増幅し、その結果得られる送信信号S19をアンテナ切換スイッチ27の切換入力端子27Aに送出する。
アンテナ切換スイッチ27は、コントローラ45の制御に基づいて送信時と受信時でアンテナ26に対する接続を切り換えるものであり、データ送信時には切換入力端子27A側に切り換え、データ受信時には切換入力端子27B側に切り換える。これによりアンテナ26を介して送信信号S19を送信し得る。
【0112】
一方、無線通信ユニット16はデータ受信時にアンテナ26を介して受信した受信信号S20を切換スイッチ27の切換入力端子27Bを介して受信アンプ(一般にはLNA(Low Noise Amplifier) と呼ばれる)39に送出する。受信アンプ39は、受信信号S20を所定レベルに増幅した後に周波数変換回路40に送出する。
【0113】
周波数変換回路40は乗算器で構成されており、PLLシンセサイザ37から供給される局部発振信号S21を受信信号S20に乗算することにより、中間周波数の受信信号S22を生成し、これを復調手段としてのOFDM復調部48のシリアル/パラレル変換回路41に送出する。
【0114】
シリアル/パラレル変換回路41は、シリアルデータ列の受信信号S22をパラレルデータ列に変換し、その結果得られる受信信号S23を高速フーリエ変換回路(FFT)42に送出する。高速フーリエ変換回路42は、受信信号S23に対して高速フーリエ変換処理を施すことによって受信信号S24を生成し、これをパラレル/シリアル変換回路43に送出する。パラレル/シリアル変換回路43は、受信信号S24をシリアルデータ列の受信信号S25に戻し、これをDQPSK復調回路44に送出する。
【0115】
すなわちOFDM復調部48は、シリアル/パラレル変換回路41によって有効データ部分を抽出して受信波形を周波数間隔f0 毎に取り込んでパラレルデータに変換し、高速フーリエ変換回路42によって高速フーリエ変換処理を施してOFDM方式の復調を行う。
【0116】
DQPSK復調回路44は、受信信号S25に対してDQPSK復調処理を施して送信データS10と同一の受信データS26を復元し、これを通信コントローラ30に送出する。通信コントローラ30は、受信データS26に含まれている誤り訂正コード、たとえば、CRCコードに基づいて誤り検出した後、データが正しい場合に受信データS26をデータ端末装置15に出力し、データが正しくない場合には受信データS26をデータ端末装置15に出力しない。
【0117】
無線通信ユニット16においては、全体の動作がコントローラ45によって制御される。すなわち無線通信ユニット16は、データ送信及びデータ受信をコントローラ45からの指令に基づいて行い、通信コントローラ30が送信データS10又は受信データS26の受渡しをデータ端末装置15との間で行う。
【0118】
この無線LANシステム10においては、1フレームを送信単位としてTDMA方式によってデータを送信する。すなわち通信制御端末装置12は、図8に示すフレームフォーマットに基づいて、フレームの先頭部分における時点t0 のタイミングで送信する1シンボルにはシステム間の同期をとるための同期獲得用の第1のPN符号S49PN1 を送信した後、指定された送信割り当て時間に基づく時点t5 のタイミングで第2のPN符号S49PN2 を送信し、通信端末装置11A及び11Bは時点t7 及び時点t9 のタイミングで第2のPN符号S49PN2 を送信する。
【0119】
第1のPN符号S49PN1 に続く管理データ領域は、通信制御端末装置12から通信端末装置11A、11Bに対して送信要求を問い合わせるポーリング(Pallin)データや、当該通信端末装置11A、11Bからの送信要求を表すアクノーリッジ(Acknoledge)データ、さらに通信端末装置11A及び11Bに対する送信割り当て時間を表す時間データや受信電界強度を調整するための指令データ等の制御情報を送受信するための領域である。
【0120】
第2のPN符号S49PN2 に続いて送信されるパケットデータ領域は、通信制御端末装置12、通信端末装置11A及び11Bがメッセージデータである情報データS9にCRCコードを付加して生成したパケットデータを送信するためのデータ領域である。なお、パケットデータとしては、少なくとも3[ μsec]以上でかつ4[msec]以下の所定時間内でパケット長を可変としている。
【0121】
このように通信制御端末装置12は、図2のフレームフォーマットに従ってTDMA方式によってデータを伝送するために、無線通信ユニット16に資源情報格納部25と、タイマ46とを設けている。
【0122】
無線通信ユニット16においては、時点t0 のタイミングで第1のPN符号S49PN1 を送信したときを基準としてタイマ46によって1フレーム分の時間を順次カウントすることにより、コントローラ45は次の1フレームの先頭における時点t0 のタイミングを検出し、常時一定の時間間隔で第1のPN符号S49PN1 を送信する。
【0123】
これによりコントローラ45は、第1のPN符号S49PN1 に続いて管理データ領域の中でポーリングデータを送信し、通信端末装置11A、11Bの無線通信ユニット14A、14Bから送信要求を表すアクノーリッジデータが送られてきた場合、当該アクノーリッジデータがアンテナ26で受信されて周波数変換された後、OFDM復調及びDQPSK復調処理されて通信コントローラ30を介してコントローラ45に送信要求が供給される。
【0124】
コントローラ45は、送信要求と資源情報格納部25の通信資源残量すなわち残っているタイムスロット情報とに基づいて、通信端末装置11A、11Bに対する送信割り当て時間を決定する。そしてコントローラ45は、送信割り当て時間を表す制御情報を送信データS10として、通信コントローラ30からDQPSK変調回路31及びOFDM変調部47に供給することにより変調処理を施し、送信信号S19としてアンテナ26から通信端末装置11A、11Bに送信する。
【0125】
(3)通信端末装置の無線通信ユニット
図15を参照して、通信端末装置11A及び11Bに設けられている無線通信ユニット14A及び14Bについて説明する。
無線通信ユニット14A及び14Bは、基本的に同一の回路構成であることにより、以降の説明においては無線通信ユニット14Aについてのみ説明する。
【0126】
無線通信ユニット14Aは通信コントローラ51を有し、当該通信コントローラ51を介してデータ端末装置13Aとデータの交換を行う。通信コントローラ51はデータ端末装置13Aから送られてくる情報データS29に対して、誤り検出用のCRCコードを付加して送信データS30を生成し、これをDQPSK変調回路52に送出する。DQPSK変調回路52は送信データS10に対してDQPSK変調処理を施して送信信号S31を生成し、これを変調手段としてのOFDM変調部70のシリアル/パラレル変換回路53に送出する。
【0127】
シリアル/パラレル変換回路53はシリアルデータ列の送信信号S31をパラレルデータ列の送信信号S32に変換し、これを逆高速フーリエ変換回路54に送出する。逆高速フーリエ変換回路54は送信信号S32に対して逆高速フーリエ変換処理を施して当該送信信号S32を周波数領域のデータにマッピングし、その結果得られる送信信号S33をパラレル/シリアル変換回路55に送出する。
【0128】
パラレル/シリアル変換回路55はパラレルデータ列で供給される送信信号S33をシリアルデータ列に戻すことにより送信信号S34を生成し、これを切換スイッチ56の第1の切換入力端子56Aに供給する。切換スイッチ56の第2の切換入力端子56Bには、第2のPN符号発生部68によって生成された第2のPN符号S49PN2 が供給されている。
第2の符号系列生成手段としての第2のPN符号発生部68は、通信制御端末装置12の無線通信ユニット16で用いられた第2のPN符号発生部49Bと同一の回路構成である。
【0129】
第2のPN符号S49PN2 とは、上述したように通信端末装置11A及び11Bが指定された送信割り当て時間に従ってデータ通信を行う際、受信側で復調するときの復調タイミングを指示する同期獲得用のPN符号であり、当該通信端末装置11A及び11Bがパケットデータを送信する直前に送信する。
【0130】
切換スイッチ56は、復調タイミングを指示する同期信号として第2のPN符号S49PN2 を送信する場合、コントローラ72の制御に基づいて切換入力端子56Bに切り換えて第2のPN符号S49PN2 を出力し、それ以外の場合には切換入力端子56Aに切り換えて送信信号S34を出力する。
【0131】
切換スイッチ56は、送信信号S34及び第2のPN符号S49PN2 を出力信号S35として、周波数変換回路57、パワーアンプ59、アンテナ切換スイッチ60及びアンテナ61からなる第2の送信手段に入力する。
【0132】
第2の送信手段の周波数変換回路57は乗算器で構成され、PLLシンセサイザ58から供給される局部発振信号S36を出力信号S35に乗算することにより、所定周波数に周波数変換した送信信号S37を生成し、これをパワーアンプ59に送出する。なお送信信号S37の周波数としては、この場合も準マイクロ波帯の2.4[GHz]、5.7[GHz]あるいは19[GHz] 帯を用いる。
【0133】
パワーアンプ59は、送信信号S37を所定の電力レベルに増幅し、その結果得られる送信信号S38をアンテナ切換スイッチ60の切換入力端子60Aに供給する。アンテナ切換スイッチ60は、コントローラ72の制御に基づいて送信時と受信時でアンテナ61に対する接続を切り換えるものであり、データ送信時には切換入力端子60A側に切り換え、データ受信時には切換入力端子60B側に切り換える。これによりアンテナ61を介して送信信号S38を送信し得る。
【0134】
無線通信ユニット14Aは、データ受信時にアンテナ61、アンテナ切換スイッチ60、受信アンプ62及び周波数変換回路63からなる受信手段に入力する。無線通信ユニット14Aは、アンテナ61を介して受信した受信信号S39を切換スイッチ60の切換入力端子60Bを介して受信アンプ62に送出する。受信アンプ62は、受信信号S39を所定レベルに増幅した後に周波数変換回路63に送出する。
【0135】
周波数変換回路63は乗算器で構成され、PLLシンセサイザ58から供給される局部発振信号S40を受信信号S39に乗算することにより、中間周波数の受信信号S41を生成し、これを復調手段としてのOFDM復調部71のシリアル/パラレル変換回路64に送出する。
【0136】
シリアル/パラレル変換回路64は、受信信号S41をパラレルデータ列に変換し、その結果得られる受信信号S42を高速フーリエ変換回路(FFT)65に送出する。高速フーリエ変換回路65は、受信信号S42に対して高速フーリエ変換処理を施すことによって受信信号S43を生成し、これをパラレル/シリアル変換回路66に送出する。パラレル/シリアル変換回路66は、受信信号S43をシリアルデータ列の受信信号S44に戻し、これをDQPSK復調回路67に送出する。
【0137】
DQPSK復調回路67は、受信信号S44に対してDQPSK復調処理を施して送信データS10と同一の受信データS45を復元し、これを通信コントローラ51に送出する。通信コントローラ51は、受信データS45に含まれているCRCコードに基づいて誤り検出した後、データが正しい場合に受信データS45をデータ端末装置13Aに出力し、データが正しくなかった場合には受信データS45をデータ端末装置13Aに出力しない。
【0138】
無線通信ユニット14Aにおいては、全体の動作がコントローラ72によって制御される。すなわち無線通信ユニット14Aは、データ送信及びデータ受信をコントローラ72からの指令に基づいて行い、通信コントローラ51が送信データS30又は受信データS45の受渡しをデータ端末装置13Aとの間で行う。
【0139】
この場合、通信端末装置11Aにおいては、図2のフレームフォーマットに基づいて、1フレームの先頭部分における時点t0 のタイミングで通信制御端末装置12の無線通信ユニット16から同期獲得用の第1のPN符号S49PN1 が送られてきた後、指定された送信割り当て時間に基づく時点t7 のタイミングで第2のPN符号S49PN2 を送信し、時点t9 のタイミングで通信端末装置11Bから送られてくる第2のPN符号S49PN2 を受信する。
【0140】
すなわち、通信端末装置11Aの無線通信ユニット14Aは、フレームの時点t7 のタイミングで切換スイッチ56を切換入力端子56B側に切り換えることにより、時点t7 のタイミングで1シンボルの第2のPN符号S49PN2 を出力し、時点t8 のタイミングで切換スイッチ56を切換入力端子56A側に切り換えることにより、パケットデータでなる送信信号S34を出力する。
【0141】
このようなフレーム構造のTDMA方式によって相手装置からのデータを受信して正確に復調するために、通信端末装置11Aは無線通信ユニット14Aに第1の相関検出回路69、第2の相関検出回路70及びタイマ71を設けている。
【0142】
通信端末装置11Aの無線通信ユニット14Aは、フレームの先頭における時点t0 のタイミングで通信制御端末装置12の無線通信ユニット16から送られてくる第1のPN符号S49PN1 をアンテナ61を介して受信し、周波数変換回路63によって周波数変換処理を施した後に受信信号S41として第1の相関検出回路69及び第2の相関検出回路70に送出する。
【0143】
無線通信ユニット14Aは、続いて送られてくる第2のPN符号S49PN2 をアンテナ61を介して受信し、周波数変換回路63によって周波数変換処理を施した後に受信信号S41として第1の相関検出回路69及び第2の相関検出回路70に送出する。
【0144】
相関検出手段としての第1の相関検出回路69では、受信した符号系列と予め内部で設定しておいた符号系列との相関値を検出しており、高い相関値が得られたときに第1のPN符号S49PN1 を受信したと判定し、このとき検出信号S46をタイマ71に送出する。
【0145】
図16に示すように、第1のPN符号S49PN1 は1周期分だけが送られてきており、これにより送られてきた第1のPN符号S49PN1 の前後には一切データは存在しない。
【0146】
従って第1の相関検出回路69は、第1のPN符号S49PN1 が送られてきたタイミングで当該第1のPN符号S49PN1 を最初から全て順番通りに格納して相関検出を行うことができるので、第1のPN符号S49PN1 を受信したと判定したタイミングで検出信号S46をタイマ71に送出することができる。
【0147】
相関検出手段としての第2の相関検出回路70も、第1の相関検出回路69と同様に受信した符号系列と予め内部で設定しておいた符号系列との相関値を検出しており、高い相関値が得られたときに第2のPN符号S49PN2 を受信したと判定し、このとき検出信号S47をタイマ71に送出する。
【0148】
この場合も第2のPN符号S49PN2 は1周期分だけが送られてきており、これにより送られてきた第2のPN符号S49PN2 の前後には一切データは存在しない。従って第2の相関検出回路70は、第2のPN符号S49PN2 が送られてきたタイミングで当該第2のPN符号S49PN2 を最初から全て順番通りに格納して相関検出を行うことができるので、第2のPN符号S49PN2 を受信したと判定したタイミングで検出信号S47をタイマ71に送出することができる。
【0149】
タイマ71は、第1の相関検出回路69から供給された検出信号S46に基づいてOFDM復調部71の高速逆フーリエ変換回路65による高速逆フーリエ変換処理を開始するタイミング情報S50をコントローラ72に送出する。
【0150】
これによりコントローラ72は、タイミング情報S50に基づいて高速逆フーリエ変換回路65による高速逆フーリエ変換処理を開始させることにより、高速逆フーリエ変換回路65に受信信号S42のパラレルデータ列が全て入力されたタイミングで高速逆フーリエ変換処理を行うことができる。かくしてOFDM復調部71は、第1のPN符号S49PN1 に続いて受信した管理データ領域の制御情報を正確な復調タイミングでOFDM復調し得る。
【0151】
タイマ71は、第2の相関検出回路70から供給された検出信号S47に基づいてOFDM復調部71の高速逆フーリエ変換回路65による高速逆フーリエ変換処理を開始するタイミング情報S51をコントローラ72に送出する。
【0152】
これによりコントローラ72は、タイミング情報S51に基づいて高速逆フーリエ変換回路65による高速逆フーリエ変換処理を開始させることができ、かくしてOFDM復調部71によって第2のPN符号S49PN2 に続いて受信したパケットデータ領域のパケットデータを正確な復調タイミングでOFDM復調し得る。
【0153】
タイマ71は、図17に示すように検出信号S46を基準にして当該検出信号S46から所定時間後に送られてくるはずの第2のPN符号S49PN2 のタイミングを予め予測し、そのタイミング情報TS1をコントローラ72に送出する。これによりコントローラ72は、タイミング情報TS1のタイミングとタイミング情報S51のタイミングとを比較して、両者のタイミングが大きく離れている場合には第2の相関検出回路70によって検出された検出信号S47が誤検出であると判断し、このときタイミング情報S51に基づいて高速逆フーリエ変換処理を行わないように制御する。
【0154】
(4)動作及び効果
以上の構成において、本発明の無線LANシステム10は図18の通信シーケンスに示すように、通信制御端末装置12が時点t0 のタイミングでシステム間の同期をとるための第1のPN符号S49PN1 を通信端末装置11A及び11Bに対して送出し、続く時点t1 のタイミングで送信要求があるか否かを問い合わせるためのポーリングデータを通信端末装置11A及び11Bに対して送出する。
【0155】
これを受けた通信端末装置11Aは、時点t2 のタイミングで応答信号であるアクノリッジデータを通信制御端末装置12に対して返答する。また通信端末装置11Bは、時点t3 のタイミングでアクノリッジデータを通信制御端末装置12に対して返答する。
【0156】
ここで、例えば通信端末装置11Aが通信端末装置11Bに対してデータ伝送する旨の送信要求を送り、また通信端末装置11Bが通信端末装置11Aに対してデータ伝送する旨の送信要求を送った場合、通信制御端末装置12は受け取った送信要求に基づいて送信割り当て時間を決定し、これを制御情報として時点t4 のタイミングで通信端末装置11A及び通信端末装置11Bに対してそれぞれ送信する。
【0157】
この場合の通信制御端末装置12は自身のメッセージデータを送信する送信開始タイミングを時点t5 と決定し、通信端末装置11Aの送信開始タイミングを時点t7 と決定し、通信端末装置11Bの送信開始タイミングを時点t9 と決定する。
【0158】
すなわち通信制御端末装置12は、通信端末装置11A及び通信端末装置11Bに対してメッセージデータを送信する場合、時点t5 のタイミングで第2のPN符号S49PN2 を通信端末装置11A及び通信端末装置11Bに対してそれぞれ伝送し、続く時点t6 のタイミングでパケットデータを通信端末装置11A及び通信端末装置11Bに対してそれぞれ伝送する。
【0159】
また通信端末装置11Bは、時点t9 のタイミングになると通信端末装置11Aに対して第1のPN符号S49PN1 を送信した後、続く時点t10のタイミングでパケットデータを通信端末装置11Aに対して伝送する。なお通信端末装置11A及び通信端末装置11Bにおける時点t7 及び時点t9 のタイミングは、第1のPN符号S49PN1 を受信したタイミングを基準にして決定される。
【0160】
この場合、通信制御端末装置12の無線通信ユニット16は、フレームの先頭における時点t0 のタイミングで切換スイッチ35を切換入力端子35B側に切り換えることにより、時点t0 のタイミングで1シンボルの第1のPN符号S49PN1 を出力し、時点t1 のタイミングで切換スイッチ35を切換入力端子35A側に切り換えることにより、ポーリングデータでなる送信信号S14を出力する。
【0161】
無線通信ユニット16は、フレームの時点t5 、t7 、t9 のタイミングで切換スイッチ35を切換入力端子35B側に再度切り換えることにより、時点t5 のタイミングで1シンボルの第2のPN符号S49PN2 を出力し、時点t6 、t8 、t10のタイミングで切換スイッチ35を切換入力端子35A側に切り換えることにより、パケットデータでなる送信信号S14を出力する。
【0162】
このように無線LANシステム10では、まずフレームの先頭で通信制御端末装置12から同期獲得用の第1のPN符号S49PN1 を通信端末装置11A及び11Bに対して送信することにより制御端末と通信端末装置11A及び11B間の同期を確立する。
【0163】
そして通信端末装置11A及び11B間で相互にデータ通信を行う場合、通信端末装置11Aは、送信割り当て時間に従った所定のタイミングで復調タイミングを示す第2のPN符号S49PN2 を通信端末装置11Bに対して送信した後に続けてパケットデータを送信し、通信端末装置11Bはその後の送信割り当て時間に従った所定のタイミングで第2のPN符号S49PN2 を通信端末装置11Aに対して送信した後に続けてパケットデータを送信する。
【0164】
この場合、例えば通信端末装置11Aは第2の相関検出回路70によって第2のPN符号S49PN2 を検出したタイミングで、OFDM復調部71の高速フーリエ変換回路65による高速フーリエ変換処理を開始させる。このとき第2のPN符号S49PN2 は1周期分だけが送られてきていることにより、第2の相関検出回路70は受信した符号系列と予め内部で設定しておいた符号系列との間で位相ずれが生じることがないので、受信した符号系列をシフトレジスタSR1 〜SR4に格納したタイミングで相関検出処理を1回行えば第2のPN符号S49PN2 を受信したか否かを判定することができる。
【0165】
従って通信端末装置11Aは、受信した符号系列が第2のPN符号S49PN2 であると判定したタイミングで第2のPN符号S49PN2 に続くパケットデータを復調することにより、通信制御端末装置12と通信端末装置11Aとの距離に応じた遅延時間Δt1に係わらず常に正確に復調することができ、かくしてビット誤りを低減することができる。
【0166】
ところで通信端末装置11Aは、システム間の同期を合わせたタイミングから所定時間後に送られてくるはずの第2のPN符号S49PN2 のタイミング情報TS1をタイマ71によって予め予測しておくようにしたことにより、第2のPN符号S49PN2 を受信したと判定したタイミングがタイミング情報TS1による予測タイミングと大きく異なる場合には第2のPN符号S49PN2 を誤検出したと判定する。このとき通信端末装置11Aは、コントローラ72の制御に基づいてOFDM復調部71の高速フーリエ変換回路65による高速フーリエ変換処理を行わないことにより、データの復調誤りを未然に防止することができる。
【0167】
また無線LANシステム10では、パケットデータを送信する前に復調タイミングを指示するための120チップでなる第2のPN符号S49PN2 を送信することにより、メッセージデータの送信容量を増やして効率の良いデータ通信を実行することができる。
【0168】
また無線LANシステム10では、TDMA方式を用いて所定の送信割り当て時間に従ってデータ通信を行うと共に、通信制御端末装置12から通信端末装置11A及び11Bに対してポーリングデータを送信して送信要求を確認するようにしたことにより、当該通信端末装置11A及び11Bによる同時送信を確実に防止することができ、かくしてシステムの信頼性をより向上させることができる。
【0169】
さらに無線LANシステム10では、第2のPN符号S49PN2 を誤検出したにも係わらず復調処理してしまうことが万が一生じた場合でも、パケットデータがメッセージデータにCRCコードが付加されて形成されていることにより、当該CRCコードに基づいて誤り検出することができ、誤った復調結果を出力することを未然に防止することができる。
【0170】
ところで図19に示すように、無線LANシステム10は近接した位置に、通信制御端末装置91、通信端末装置92A及び92Bからなる他の無線LANシステム90が存在していた場合、無線LANシステム10の通信端末装置11Bに対して無線LANシステム90の通信制御端末装置91から送信される電波が干渉波となる。
【0171】
ところが図20に示すように無線LANシステム10及び90においては、互いに位相の異なる第1のPN符号を使用してシステム間の同期を確立すると共に、互いに位相の異なる第2のPN符号を使用してパケットデータを送信すれば、通信端末装置11Bは無線LANシステム10の第1のPN符号及び第2のPN符号を検出しても、無線LANシステム90において用いられている第1のPN符号及び第2のPN符号を検出することはできないので、干渉波が存在してもデータ通信に支障をきたすことはない。
【0172】
以上の構成によれば、無線LANシステム10は通信制御端末装置12からフレームの先頭でフレーム同期獲得用に第1のPN符号S49PN1 を送信し、通信端末装置11A(又は11B)から送信割り当て時間に従った所定のタイミングで復調タイミングを示す第2のPN符号S49PN2 を送信した後にユーザ情報であるパケットデータを送信するようにしたことにより、受信した通信端末装置11B(又は11A)はシステム間のフレーム同期を確立した後に所定のタイミングで送られてくるパケットデータを短時間で常時正確に復調することができる。
【0173】
(5)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、第1のPN符号発生部49A及び第2のPN符号発生部49Bによって生成した符号系列P10に基づいて同一系列パターンでかつ互いに位相の異なった第1のPN符号S49PN1 及び第2のPN符号S49PN2 を生成して用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、系列パターンが互いに異なる第1のPN符号S49PN1 及び第2のPN符号S49PN2 を生成して用いるようにしても良い。
【0174】
この場合、第2のPN符号発生部49Bにおいては第1のPN符号S49PN1 の系列パターンとは異なる第2のPN符号S49PN2 を発生するために、5ビット遅延回路49Dは必要なくなり、シフトレジスタSR2とSR4の出力を排他的論理和回路EXOR1及び2に供給するようにしてタップ位置を変更するだけで簡単に構成することができる。
【0175】
また上述の実施の形態においては、通信制御端末装置12によって通信端末装置11A及び11Bの間で行われるデータ通信を制御するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、通信端末装置11A(又は11B)によって通信制御端末装置12と通信端末装置11B(又は11A)との間で行われるデータ通信を制御するようにしても良い。
【0176】
この場合、通信制御端末装置12、通信端末装置11A及び11Bは、図16との対応部分に同一符号を付して示す図21のように第1のPN符号S49PN1 及び第2のPN符号S49PN2 を発生するPN符号発生回路101と、第1のPN符号S49PN1 を検出する第1の相関検出回路102、第2のPN符号S49PN2 を検出する第2の相関検出回路103及び資源情報格納部104を具えた無線通信ユニット100をそれぞれ共通に有し、当該無線通信ユニット100を介して各装置間でパケットデータを送信する前に必ず第2のPN符号S49PN2 を送信すれば良い。また通信制御端末装置12、通信端末装置11A及び11Bが全て共通の無線通信ユニット100を有しておくようにしたことにより、通信状態の最も良好な通信端末装置によってデータ通信を制御することができ、自由な端末の配置を可能にすることができる。
【0177】
さらに上述の実施の形態においては、4段のシフトレジスタSR1〜SR4で構成された第2のPN符号発生部49Bにおいて15ビットの符号系列P10における位相を5ビット遅延回路D49によって5ビットだけシフトするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1〜14ビットまでの任意のビット数でシフトするようにしても良い。この場合、最大で15種類のPN符号符号S49PN2 を生成することができる。
【0178】
さらに上述の実施の形態においては、第1のPN符号発生部49A及び第2のPN符号発生部49Bにおいて15ビットの符号系列P10を生成し、当該符号系列P10に基づいて120チップの第1のPN符号S49PN1 及び第2のPN符号S49PN2 を発生するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意のチップ数でなる第1のPN符号S49PN1 及び第2のPN符号S49PN2 を発生するようにしても良い。
【0179】
【発明の効果】
本発明のアンテナダイバーシティ方法と装置によれば、OFDM方式により変調されたダイバーシティ用データについて逆周波数変換して、たとえば、高速フーリエ変換して、サブキャアのエネルギーを算出し、そのエネルギーと所定のエネルギーレベルと比較して、所定のエネルギーレベル以上のエネルギーを与えるサブキャリアの本数が多いアンテナが最良の受信状態にあるアンテナとして選択し、そのアンテナを使用してより正確な通信が可能となる。
【0180】
また本発明によれば、ダイバーシティ用データをデータ伝送のフレーム・フォーマットの任意の位置に埋め込んで送信し、受信側でそのダイバーシティ用データを検出して受信状態を評価して最適なアンテナを選択するので、データ伝送効率を低下させずに、最適なアンテナを使用して通信が可能となる。
【0181】
さらに、本発明による、受信電力強度評価法と周波数特性評価法とを組み合わせた方法および装置によれば、最良の受信状態のアンテナを選択できる。
【0182】
本発明によれば、上述した受信状態で通信を行うことを前提として、通信端末は制御端末から送られてきた第1の符号系列に基づいて当該制御端末との同期を確立し、その後に送信信号の復調タイミングを表す第2の符号系列を他の通信端末に送信した後、当該第2の符号系列に続いて送信信号を他の通信端末に送信するようにしたことにより、他の通信端末は第2の符号系列を受信して得た復調タイミングに基づいて復調処理を開始すれば受信した送信信号を常時正確に復調し得る無線通信方法を実現できる。
【0183】
さらに、制御端末が同期を確立するための第1の符号系列を生成して複数の通信端末に送信することにより複数の通信端末との同期を確立し、その後通信端末が他の通信端末に対して送信信号の復調タイミングを表す第2の符号系列を送信した後、情報データに基づいて変調した送信信号を送信することにより、他の通信端末は第2の符号系列を受信して得た復調タイミングに基づいて復調処理を開始すれば受信した送信信号を常時正確に復調し得る無線通信システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態としての無線LANシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は図1の無線LANシステムのデータ伝送に用いるフレームフォーマットを示す図である。
【図3】図3は図1の無線LANシステムで適用するOFDM方式のサブキャリアを示す略線図である。
【図4】図4は本発明のアンテナダイバーシティ方式の第1実施の形態としてのダイバーシティ用データの配置を示す図である。
【図5】図5は図4の図解した方法で送信されたダイバーシティ用データを評価し、最適なアンテナを選択する回路構成図である。
【図6】図6は図5に図解した信号処理手段の回路構成例を示す図である。
【図7】図7は図1の無線LANシステムにおいて適用するOFDM方式のシンボル構成を示す図である。
【図8】図8は図6の信号処理手段の演算結果を示すグラフである。
【図9】図9は本発明のアンテナダイバーシティ方式の第2実施の形態としてのダイバーシティ用データの配置を示す図である。
【図10】図10は図9の図解した方法で送信されたダイバーシティ用データを評価し、最適なアンテナを選択する回路構成図である。
【図11】図11は図1に図解した通信制御端末装置の無線通信ユニットの構成を示すブロック図である。
【図12】図12は図11に図解した部分回路構成を示し、OFDM方式の信号処理の説明に使用する図である。
【図13】図13は第1のPN符号発生部の構成を示すブロック図である。
【図14】図14は第2のPN符号発生部の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は通信端末装置の無線通信ユニットの構成を示すブロック図である。
【図16】図16は1周期分の第1のPN符号を示す略線図である。
【図17】図17はタイマのカウントタイミングを示す略線図である。
【図18】図18は通信シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図19】図19は異なる無線LANシステムが混在する場合を示す図である。
【図20】図20は干渉波による受信状態を示す図である。
【図21】図21は他の実施の形態による無線通信ユニットの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10……無線LANシステム、
11A、11B……通信端末装置、
12……通信制御端末装置、
14A、14B……無線通信ユニット、
21A、21B……アンテナ切換部、
211・・切り換えスイッチ
212・・高周波増幅回路
213・・ダイバーシティ用データ検出回路
214・・信号処理手段
215・・評価手段
216・・切り換え制御部
217・・復調回路
218・・パケット再合成回路
25……資源情報格納部、
45、72……コントローラ、
47……OFDM変調部、
48……OFDM復調部、
49……PN符号発生回路、
25、71……タイマ、
77……第2の同期遅延回路、
78……特徴量抽出回路、
79……画素数判断回路。

Claims (12)

  1. 直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを信号を複数のアンテナで受信し、
    上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて、逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出し、
    該算出したサブキャリアのエネルギーが所定レベルを越えたサブキャリアの本数が多いアンテナを選択する、
    無線通信方法。
  2. 複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて受信電界強度を算出し、
    複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて、フーリエ変換を行いサブキャリアのエネルギーを算出し、
    上記算出した受信電界強度が第1レベルを越えており、かつ、上記算出したサブキャリアのエネルギーが第2レベル以下の数が少ない、信号を受信したアンテナを選択する、
    無線通信方法。
  3. 無線信号を受信する無線通信装置であって、
    上記無線通信装置は、
    直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを受信する複数のアンテナと、
    上記複数のアンテナで受信した信号を切り換えて出力する切り換え制御部と、
    上記複数のアンテナで受信したダイバーシティ用データのそれぞれについて、逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出する信号処理手段と、
    該算出したサブキャリアのエネルギーが所定レベルを越えたサブキャリアの本数が多いアンテナを選択する評価手段と
    を有し、上記切り換え制御部は上記評価手段で選択したアンテナを選択する
    無線通信装置。
  4. 上記ダイバーシティ用データは、BPSK変調またはQPSK変調されている、
    請求項3記載の無線通信装置。
  5. 無線信号を受信する無線通信装置であって、
    上記装置は、直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを送出し、
    上記無線通信装置は、
    直交周波数多重変調により複数のサブキャリアに変調されたダイバーシティ用データを受信する複数のアンテナと、
    上記複数のアンテナで受信した信号を切り換えて出力する切り換え制御部と、
    上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて受信電界強度を算出し、かつ、上記複数のアンテナで受信した上記無線送出されたダイバーシティ用データのそれぞれについて逆周波数変換処理を行い上記サブキャリアのエネルギーを算出する信号処理手段と、
    上記算出した受信電界強度が第1レベルを越えており、かつ、上記算出したサブキャリアのエネルギーが第2レベル以下の数が少ない、信号を受信したアンテナを選択する、評価手段と
    を有し、
    上記切り換え制御部は上記評価手段で選択したアンテナを選択する
    無線通信装置。
  6. 上記評価手段は、上記算出した受信電力強度が第1レベルを越えていないときは、最大の受信電界強度を示しており、かつ、上記算出したサブキャリアのエネルギーが第2レベル以下の数が少ない、信号を受信したアンテナを選択する、
    請求項5記載の無線通信装置。
  7. 上記ダイバーシティ用データは、BPSK変調またはQPSK変調されている、
    請求項5記載の無線通信装置。
  8. 上記ダイバーシティ用データはデータ伝送フォーマットの空き領域に挿入されて無線送出される、
    請求項5記載の無線通信装置。
  9. 上記ダイバーシティ用データはデータ伝送用制御信号である、
    請求項5記載の無線通信装置。
  10. 上記送信装置は上記無線送出データをフレームごと伝送し、当該フレームは、第1の同期獲得用データ格納領域と管理データ格納領域とからなる第1の部分、第2の同期獲得用データ格納領域と伝送すべきデータを格納するパケットデータ格納領域とで構成される第2の部分とを有し、
    上記ダイバーシティ用データは上記管理データ格納領域の空き領域に挿入されている、
    請求項8記載の無線通信装置。
  11. 上記送信装置は上記無線送出データをフレームごと伝送し、当該フレームは、第1の同期獲得用データ格納領域と管理データ格納領域とからなる第1の部分、第2の同期獲得用データ格納領域と伝送すべきデータを格納するパケットデータ格納領域とで構成される第2の部分とを有し、
    上記パケットデータ格納領域には圧縮されたデータが格納され、
    上記ダイバーシティ用データは上記パケットデータ格納領域の空き領域に挿入され、
    上記管理データ格納領域の空き領域に上記ダイバーシティ用データが格納された上記パケットデータ格納領域の位置およびデータ量が格納されている
    請求項8記載の無線通信装置。
  12. 上記圧縮されたデータは画像圧縮方式で圧縮されたビデオ信号である、
    請求項11記載の無線通信装置。
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