JP4239023B2 - 不動産登記持分処理方法 - Google Patents

Description

本発明は裁判所、各種金融機関、司法書士等が不動産登記持分処理手続等を行う場合に使用され、不動産登記持分データベースファイルを作成することによって、持分の残存計算を可能ならしめるとともに、持分に付帯する負担権利を自動解析することができる不動産登記持分処理方法に関する。

従来、極めて高度な専門知識を必要とする不動産登記処理は、特に複数個の持分処理においては専門家であってもミスの生じる可能性が高い。
現在、既に大都市部において不動産登記に関するコンピュータ化の導入が進み、かつ近い将来不動産登記の全てがコンピュータ化される。コンピュータ化された不動産登記事項をイメージリーダーによって自動的に読み取ったものを不動産登記データ処理する場合において、不動産の持分処理が最大の難関であると言える。

本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、不動産登記事項をイメージリーダーによって読取り、文面の解読作業は、あり得ないデータを排除する等、出来得る限り登記内容の記載を正確にデータベース化し重大な記載ミスを科学的かつ経験科学的に徹底的に排除し、迅速な登記処理体系を実現することを目的とする不動産登記持分処理方法を提供することにある。

１、本発明は、不動産登記データをイメージリーダ等より読取り、そしてあり得ない語句を排除、本来の語句の類推解釈等により補正、置換えを通じ、データの精度を上げる処理をする。
２、残存する各共有者の持分計算、持分を阻害する抵当権等の権利の把握は、不動産持分等データベースファイルを作成することが決め手となる。データ処理した結果は、最終持分を現在持分状況データベースファイル、負担権利を負担権利データベースファイルとして最終処理される。
３、請求項１に係る発明は、
共有者（所有者を含む、以下同じ。）又は権利者のデータ、受付日及び受付番号のデータ、権利の種類である所有権又は担保権のデータ、持分のデータ、順位番号のデータ、担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータ、処理中のデータの登記内容のデータ分の作業指示コードのデータを、登記事項ごとに格納することにより登記事項のデータ内容に所有権に関する甲区情報、担保検討に関する乙区情報を混入した不動産持分等データベースファイルを用い、
中央処理装置はプログラムの指令に基づき、前記不動産持分等データベースファイルから前記共有者又は権利者のデータ、前記受付日及び受付番号のデータ、前記権利の種類である所有権又は担保権のデータ、前記持分のデータ、前記順位番号のデータ、前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータ、前記処理中のデータの登記内容のデータ分の作業指示コードのデータを登記事項ごとに受付日及び受付番号順に順次読み込み、
前記作業指示コードのデータである担保権設定に従って、前記持分のデータに応じて、前記共有者又は権利者のデータが設定されかつ前記担保設定時の所有者の受付日及び受付番号のデータで特定した所有権のデータに、前記担保権のデータを、前記受付日及び受付番号のデータとともに設定し、
前記作業指示コードのデータである前記所有権の一部移転に従って、前記持分のデータに応じて、この所有権のデータに設定された担保権のデータを設定したまま譲受人である前記共有者又は権利者のデータに前記受付日及び受付番号とともに、前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータで特定した所有権のデータを設定し、前記持分のデータに応じた持分をこの譲渡人である所有権の持分のデータから減ずる処理を行い、
前記作業指示コードのデータである一部変更抹消に従って、前記順位番号のデータで特定した又は前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータで特定した担保権のデータを抹消し、
前記作業指示コードのデータである抹消に従って、前記順位番号のデータで特定した担保権のデータを抹消することにより、
担保権設定、持分移転に係る登記事項の権利の種類毎に処理するのでは無く登記事項から必要な共有者（所有者を含む）又は権利者の持分及び担保権を登記事項の権利の種類を混在させた状態で計算することを特徴とする不動産登記持分処理方法である。
４、請求項２に係る発明は、
縦軸に表題部、上記計算によって得られた共有者、上記計算によって得られた持分を配し、横軸に担保権を配し、マトリックスの内部に、上記計算によって得られた担保権の登記受付日及び受付番号を配し、登記内容を表形式に画面表示することを特徴とする不動産登記持分処理方法である。

本発明は、不動産登記データを利用する全ての業界において有用なツールとして利用される。従来登記、特に持分に関わる処理は極めて煩わしき作業であったが、本発明の出現により数々の不動産登記持分処理業務に変化をもたらすことになる。
発明の効果を列記すれば下記の通りである。
（１）登記申請の正確な直接入力データとして司法書士、銀行融資係等の業務処理形態が根本的に変化するくらいに影響は大きく社会に貢献できる。
（２）競売等の公的データとして活用できる。

（３）不動産関係の裁判事務において活用できる。
（４）資産税特に相続税、贈与税の申告データとして活用できる。
（５）登記知識が希薄の者でも熟練者と同等な業務処理が可能になる。
（６）付帯する権利を明確にするのは煩雑な登記では司法書士等の熟練者でも難儀な作業であるが正確迅速に処理できる。

（７）処理時間の大幅な減少と正確な処理は、多大な利益をもたらす。

（８）人的判断が不要の為、複雑な作業が、流れ作業化し人事管理にも役立つ。

以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
図１は、本発明の不動産登記持分処理方法に係る中央演算装置、メインメモリー制御装置、イメージ読取装置システム、入力装置、出力装置の構成図である。図２−１は、該方法の処理フローチャート例（全体）である。
１：システム処理を開始する。
２：登記データたる登記全部事項証明書等をイメージ読取装置から読取る。
３：読取りデータに各種の自動補正を実行する。

４：読み取った登記データを内容とする不動産持分等データベースファイルを作成する。データ内容は、持分負担自動処理例１（データベース内容）に例示した。
図３−１は、該方法の持分担保自動処理例１（データベース内容）である
インデックス部
第１インデックスキー 物件所在、地番（家屋番号）
第２インデックスキー 所有者または共有者
第３インデックスキー 登記受付日および受付番号
第４インデックスキー 権利の種類
第５インデックスキー 所有権持分
第６インデックスキー 順位番号（順位変更がある場合は代替え番号）
第７インデックスキー 実質順位
第８インデックスキー 担保権等阻害権利を設定したときの甲区所有権の登記受付日および受付番号
データ部
抵当権の債権額、利息等の負担権利の具体的項目

５：各共有者・受付日・受付番号順に持分を計算し、持分状況データベースファイルを作成する。詳細な処理はフローチャート（共有持分計算）に示す。データ内容は、持分負担自動処理例３（所有最終持分計算）に例示した。

６：データベースのインデックスキーを利用し、各共有者・受付日・実質順位順に阻害権利を、持分に対して付着、剥離計算を繰り介し、負担権利ファイルを作成する。詳細な処理は処理フローチャート（共有持分負担権利）に示す。
データ内容は、持分負担自動処理例４（負担権利最終処理表）に例示した。
７：負担権利ファイルを順次読み権利状況を表に整理し、登記状況を示すマトリックスを作表する準備をする。図３−４は、該方法の持分担保自動処理例４(マトリックス説明例図)である。
８：指定する方法によって上記の登記データをテキストデータ等に任意に変換し多目的データファイルを作成する。
９：銀行、都道府県、市町村、区画整理組合等で登記データを必要とする業務で活用する。
１０：システム処理を終了する

図２−２は、該方法の処理フローチャート例（共有持分計算）である。
１：図２−１の全体処理のフローチャート中（５項目の詳細処理）の共有持分計算の処理を開始する。
２：不動産持分等データベースファイルを読み込む。
３：２によって読んだデータの内、作業指示コードが、共有者に関するコード、すなわち０１から０６までを抽出し持分状況データベースファイルを作成する。
４：持分状況データベースファイルを順次読み込み共有者毎に残持分を作業指示コードに従い、持分を加減して計算する。権利者（共有者）については持分を増加させ、義務者については指定持分を減少する。
５：共有者の持分計算を終了する。

図２−３は、該方法の処理フローチャート例（共有持分負担権利）である。
１：図２−１の全体処理のフローチャート中（６項目の詳細処理）の共有持分計算の処理を開始する。
２：処理のための初期値として処理連番＝０、共有者番号＝０、担保権番号＝０にセットする。
３：処理連番＝処理連番＋１
４：不動産持分等データベースファイルから現在処理連番データ１レコードを読込む。
５：指定物件処理する物件が指定物件か？

６：作業コードが、共有権の作業コードの０１から０６、かつ共有者テーブルの指定旧共有者の受付番号と同一受付番号の権利者か？
７：共有者番号＝共有者番号＋１
８：共有者の氏名、取得持分をセット，これらを共有者テーブルにセットし負担権利データベースファイルに新データとして格納する。
９：該当共有者持分に本件の指定持分を加算する。
１０：処理データの作業コードが０２，０４、０６であって、かつ本件旧持分に負担権利あるか？

１１：担保権番号を１アップし、旧共有者の負担権利と全ての同一の権利を新共有者の負担権利とし負担権利データベースファイルに格納する。
１２：処理データの作業コードが、共有権の作業コードの０１から０６であって、かつ共有者テーブルの旧共有者の受付番号の同受付番号の義務者か？
１３：該当義務者持分から本件指定持分(５)を減算する。
１４：処理データの作業コードが１１（設定）か？
１５：担保権番号を１アップ、処理中共有者番号、担保権に設定をセット，負担権利データベースファイルに共有者番号のデータとして格納する。

１６：処理データの作業コードが１２（抹消）か？
１７：負担権利データベースファイルから今回の指定担保全部の削除処理をする。
１８：処理データの作業コードが１３（指定持分の解除）か？
１９：負担権利データベースファイルから指定持分の担保権を削除処理する。
２０：処理データの作業コードが１４（変更）か？

２１：負担権利の登記内容を指定する内容に変更する。
２２：処理データの作業コードが１５（順位変更）か？
２３：順位変更登記事項の内容にしたがって指定する順位に担保権の実質順位を置き変える。
２４：負担権利データベースファイル内に目的たる共有持分のデータが完成し本方法の処理を終了する。

図３−１は、該方法の持分担保自動処理例１（データベース内容）である。図３−２は、該方法の持分担保自動処理例２（処理経過）である。
持分担保自動処理例１を順次実行すると図３−２の途中結果となる。
図３−３は、該方法の持分担保自動処理例３（最終持分）である。
本方法を全て実行した後の各共有者の持分状態である。
図３−４は、該方法の持分担保自動処理例４（負担権利最終処理表）である。本方法を全て実行した後の各共有者の負担権利の最終状態である。
図３−５は、該方法の持分担保自動処理例５（マトリックス説明例図）である。図３−４の結果をマトリックス画面に示したものである。

本発明の不動産登記持分処理方法に係る構成を示す。中央演算装置とファイル装置、メインメモリ、入力装置、出力装置、イメージ読取装置との情報連結の関係を示す。 本発明の不動産登記持分処理方法のフローチャート例（全体）を示す。 本発明の不動産登記持分処理方法のフローチャート例（共有持分計算）を示す。 本発明の不動産登記持分処理方法のフローチャート例（共有持分負担権利）を示す。 本発明の不動産登記持分処理方法の持分担保自動処理例１（データベース内容）である。 本発明の不動産登記持分処理方法の持分担保自動処理例２（処理経過）である。 本発明の不動産登記持分処理方法の持分担保自動処理例３（最終持分）である。 本発明の不動産登記持分処理方法の持分担保自動処理例４（負担権利最終処理表）である。 本発明の不動産登記持分処理方法の持分担保自動処理例５（マトリックス説明例図）である。

Claims (2)

1. 共有者（所有者を含む、以下同じ。）又は権利者のデータ、受付日及び受付番号のデータ、権利の種類である所有権又は担保権のデータ、持分のデータ、順位番号のデータ、担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータ、処理中のデータの登記内容のデータ分の作業指示コードのデータを、登記事項ごとに格納することにより登記事項のデータ内容に所有権に関する甲区情報、担保検討に関する乙区情報を混入した不動産持分等データベースファイルを用い、
   中央処理装置はプログラムの指令に基づき、前記不動産持分等データベースファイルから前記共有者又は権利者のデータ、前記受付日及び受付番号のデータ、前記権利の種類である所有権又は担保権のデータ、前記持分のデータ、前記順位番号のデータ、前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータ、前記処理中のデータの登記内容のデータ分の作業指示コードのデータを登記事項ごとに受付日及び受付番号順に順次読み込み、
   前記作業指示コードのデータである担保権設定に従って、前記持分のデータに応じて、前記共有者又は権利者のデータが設定されかつ前記担保設定時の所有者の受付日及び受付番号のデータで特定した所有権のデータに、前記担保権のデータを、前記受付日及び受付番号のデータとともに設定し、
   前記作業指示コードのデータである前記所有権の一部移転に従って、前記持分のデータに応じて、この所有権のデータに設定された担保権のデータを設定したまま譲受人である前記共有者又は権利者のデータに前記受付日及び受付番号とともに、前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータで特定した所有権のデータを設定し、前記持分のデータに応じた持分をこの譲渡人である所有権の持分のデータから減ずる処理を行い、
   前記作業指示コードのデータである一部変更抹消に従って、前記順位番号のデータで特定した又は前記担保設定時の所有権の受付日及び受付番号のデータで特定した担保権のデータを抹消し、
   前記作業指示コードのデータである抹消に従って、前記順位番号のデータで特定した担保権のデータを抹消することにより、
   担保権設定、持分移転に係る登記事項の権利の種類毎に処理するのでは無く登記事項から必要な共有者（所有者を含む）又は権利者の持分及び担保権を登記事項の権利の種類を混在させた状態で計算することを特徴とする不動産登記持分処理方法。
2. 請求項１記載の不動産登記持分処理方法において、
   縦軸に表題部、上記計算によって得られた共有者、上記計算によって得られた持分を配し、横軸に担保権を配し、マトリックスの内部に、上記計算によって得られた担保権の登記受付日及び受付番号を配し、登記内容を表形式に画面表示することを特徴とする不動産登記持分処理方法。

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