JP4236311B2 - シクロヘプトイミダゾール誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロヘプトイミダゾール誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なシクロヘプトイミダゾール誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
高血圧又はうっ血性心不全の治療剤又は眼圧低下剤として種々の薬剤が開発されている。その一環として、いくつかのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤による治療が利用されている。すなわち、レニン−アンジオテンシン系においては血漿蛋白質アンジオテンシンノーゲンは酵素レニン及びアンジオテンシン変換酵素により順次分解され、アンジオテンシンIを経てアンジオテンシンIIとなる。このアンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用を持つ物質であり、高血圧の発現及びうっ血性心不全に関与していることが従来より知られている。それゆえ、アンジオテンシンII受容体拮抗剤は優れた高血圧、うっ血性心不全の治療剤となり得る。この種の物質として先に本出願人によって特開平5−320139号公報において優れた高血圧及びうっ血性心不全の作用を示す一連の新規なシクロヘプトイミダゾール誘導体化合物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高血圧又はうっ血性心不全の治療剤又は眼圧低下剤として有用な新規なシクロヘプトイミダゾール誘導体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特開平5−320139号公報に開示された以下に示すシクロヘプトイミダゾール誘導体化合物(一般式(8))
【0005】
【化8】
Figure 0004236311
【0006】
(式中、R、R1は前記と同じである。)
の生体内における活性代謝物を探究している際に、このシクロヘプトイミダゾール誘導体の活性代謝物である本発明の新規な化合物(1)を見い出した。更に本発明者は、この化合物(1)は、生体内においては光学的には純粋ではなく、一定の鏡像異性体過剰率を有して存在しており、また、この化合物(1)にもアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有することを知見し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の一般式(1):
【0007】
【化9】
Figure 0004236311
【0008】
(式中、Rは低級アルキル基、R1はテトラゾール基を表す。)で示される化合物(ラセミ体及び光学活性体を包含する)又はその医薬品に使用し得る塩の製造方法である。なお、本明細書において、低級アルキル基は炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基をいう。本発明者らは、一般式(1)で示される化合物を合成するに当たって、当初、ジエンのMetathesis反応とジカルボキシラートのDieckmann縮合の2つのルートを立案した。まず、ジエンのMetathesis反応による方法は、次式のようにして試みた。
【0009】
【化10】
Figure 0004236311
【0010】
R.H.Grubbsらの方法(J.Am.Chem.Soc.118,9606,1996)に従い、化合物(9)のルテニウムあるいはモリブデンカルベン錯体による閉環反応を試みたが、目的とする化合物(10)は得られなかった。
次に、ジカルボキシラートのDieckmann縮合による方法を、次式のようにして試みた。
【0011】
【化11】
Figure 0004236311
【0012】
化合物(11)のDieckmann縮合による閉環反応も試みたが、目的とする化合物(12)は得られなかった。
本発明者らは、さらに鋭意研究を進めた結果、分子内Kulinkovich型反応(Tetrahedron Lett.38,8299,1997)を鍵工程としたシクロヘプトイミダゾール誘導体の新規合成法を見い出した。
すなわち、本発明の一般式(1)で示される化合物は、次に示す方法により合成することが出来る。ここでは一般式(1)のRがn−プロピル基である場合を例にして説明する。なお、以下の全ての式中、全ての誘導体において、不斉炭素については、ラセミ体及び光学活性体を包含する。
【0013】
【化12】
Figure 0004236311
【0014】
(式中、 2 は炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基、R 3 は炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基又はフェニル基で置換されているシリル基、R 4 はフェニル基、R 5 はトリフェニルメチル基、Xはハロゲン原子を表す)。
工程Aは、分子内Kulinkovich型反応(Tetrahedron Lett.38,8299,1997)を用いて一般式(2)より、一般式(3)を得る反応である。反応は通常、エーテルあるいはテトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、チタニウムテトライソプロポキシドあるいはクロロチタニウムトリイソプロポキシド等のチタン化合物とイソプロピルマグネシウムクロリド等の低級アルキルマグネシウムハライド試薬から調製したチタン化合物を−78℃ないし室温で2時間ないし24時間作用させることにより達成される。得られた一般式(3)は通常精製せずに次の工程に使用するが、必要に応じて再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、精製することもできる。
【0015】
工程Bは、一般式(3)より、一般式(4)を得る反応(Organic Synthesis,59,113,1979)であり、トルエン,N,N−ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、無水塩化鉄(III)を0℃ないし60℃で1時間ないし24時間時間作用させた後、メタノールあるいはエタノール等のアルコール系溶媒中、酢酸ナトリウム等の塩基を作用させることで達成される。
工程Cは、一般式(4)より、化合物(5)を得る工程であり、メタノールあるいはエタノール等のアルコール系溶媒中、パラジウム−炭素の存在下、水素気流下で反応を行うことで達成される。
【0016】
工程Dは、化合物(5)と化合物(6)を反応させて化合物(7)を得る工程であり、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒中、炭酸カリウム等の塩基を共存させることで達成される。
工程Eは、化合物(7)から一般式(1)を得る反応であり、酢酸あるいは塩酸を作用させたのちに、テトラヒドロフランあるいはエーテル等のエーテル系溶媒中、フッ化テトラブチルアンモニウムあるいはフッ化水素を作用させることで達成される。
なお、出発物質である一般式(2)は次の方法で合成することができる。
【0017】
【化13】
Figure 0004236311
【0018】
(但し、式中、R2、R4は前記と同じである。)
工程Fは、化合物(13)から化合物(14)を得る工程である。化合物(13)(J.Med.Chem.39,323,1996)をテトラヒドロフランあるいはトルエン等の不活性溶媒中、−78℃ないし0℃で水素化ジイソブチルアルミニウム等の金属系還元剤で扱うことにより、化合物(14)を得ることが出来る。
工程Gは、化合物(14)から化合物(15)を得る工程であり、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒あるいはテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中、二酸化マンガンで酸化することにより達成される。
【0019】
工程Hは、化合物(15)から一般式(2)を得る工程であり、ジクロロメタン等の不活性溶媒中、四塩化チタン等のルイス酸存在下、アリルトリメチルシラン等のアリル金属化合物と化合物(15)を−20℃ないし0℃で反応させ、生じた2級アルコールをN,N−ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、イミダゾール等の塩基存在下、t−ブチルジメチルクロロシラン等の低級アルキル基で置換されたクロロシラン類を反応させることにより達成される。
【0020】
上記の方法によって得られた一般式(1)はラセミ体であるが以下の楠見らの新Mosher法(J.Am.Chem.Soc.113,4092,1991)により光学活性体として得ることも出来る。
【0021】
【化14】
Figure 0004236311
【0022】
(但し、式中、R3、R5は前記と同じ、R6は少なくとも1ヶの不斉炭素を持ち、且つ光学的に純粋な官能基であることを表す。)
化合物(7)をテトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、フッ化テトラブチルアンモニウム等のフッ素系試薬と反応させ、ラセミ体の化合物(16)を得る。このラセミ体の化合物(16)を、化合物(17)とトリエチルアミン等の塩基存在下、ジクロロメタン等の不活性溶媒中で反応させることにより、化合物(18)を得る。化合物(18)はこの時点ではジアステレオマー混合物であり、再結晶もしくはシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、容易に分離することができ、化合物(S)−(18)及び化合物(R)−(18)を得ることが出来る。この化合物(S)−(18)または化合物(R)−(18)をメタノール等のアルコール系溶媒中、水酸化ナトリウム等の塩基で処理することにより、化合物(S)−(16)または化合物(R)−(16)を得ることが出来る。ここで得た化合物(16)はそれぞれ光学的に純粋である。化合物(16)を酢酸等の酸で処理することにより目的とする一般式(1)で表される化合物を光学活性体として得ることが出来る。
【0023】
次にアンジオテンシンII受容体拮抗作用についての薬理試験例を挙げる。下記実施例で得た化合物(dl)−(1)、(R)−(1)および(S)−(1)(式中のRがn−プロピル基)を試料とし、Wong,P.C.ら(Hypertension,15,823,1990)の方法に従い、家兎の胸部大動脈を用いて、アンジオテンシンIIによる収縮に対する拮抗作用を検討し、用量−作用曲線により、Schildの方法(Br.J.Pharmacol.14,48,1959)でpA2値を求めた。その結果を表1に示す。化合物(8)(式中のRがn−プロピル基)の代謝産物である化合物(dl)−(1)のpA2値は、8.70であり、薬効を示すのに十分なアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有していることがわかった。
【0024】
【表1】
Figure 0004236311
【0025】
【実施例】
以下に製造実施例をかかげるが、本発明が実施例に限定されるものでないことは勿論なことである。
実施例1
(dl)−2−プロピル−4−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−((1H)−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物dl−(1)〕の製造方法A工程:1−ベンジル−2−プロピル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール−5−カルボン酸エチル(化合物14)の製造法
2−プロピルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチル46.9gのN,N−ジメチルアセトアミド溶液400mLに、カリウムt−ブトキシド22.7gを加え10分間撹拌した後、ベンジルブロミド25.2mLを加え18時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した物を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残留物のテトラヒドロフラン溶液200mLに、水素化ジイソブチルアルミニウムヒドリド(1.01M、トルエン溶液)386mLを−40℃にて加えた。室温までゆっくりと昇温しながら17時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、不溶物をセライトを用いてろ過した。減圧下でろ液を濃縮した後、残留物をジエチルエーテルで洗浄し、目的物49.35gを得た。
【0026】
MS:302(M+),284,255,211,186,135,91(bp),65
IR νcm~1(KBr):3184,1692,1494,1467,1383,1363,1290
1H−NMR δppm(CDCl3):0.94(3H,t,J=7.3Hz),1.26(3H,t,J=7.0Hz),1.72(2H,sext,J=7.3Hz),2.61(2H,t,J=7.3Hz),3.41(1H,bs),4.25(2H,q,J=7.0Hz),4.84(2H,s),5.53(2H,s),6.95−6.97(2H,m),7.24−7.33(2H,m)
【0027】
B工程:1−ベンジル−2−プロピル−4−(1’−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−3’−ブテニル)−5−エトシキカルボニルイミダゾール〔化合物(2)〕の製造法
上記のA工程で合成したアルコール体6.05gのクロロホルム溶液60mLに二酸化マンガン52.2gを加え室温にて1.5時間撹拌した。セライトを用いて濾過し、濾液を減圧下で濃縮後、残留物の塩化メチレン溶液80mLにアリルトリメチルシラン3.5mLを加えた。−78℃にて四塩化チタン2.2mLを加え、ゆっくりと室温まで昇温しながら7時間撹拌した後、水を加え塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残留物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液40mLにイミダゾール2.72g、t−ブチルジメチルクロロシラン4.22gを加え、室温にて2時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物7.62gを得た。
【0028】
MS:399(M+−tBu),267,187,126,91(bp)
IR νcm~1(neat):1698,1461,1383,1278,1248
1H−NMR δppm(CDCl3):−0.04(3H,s),−0.01(3H,s),0.84(9H,s),0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.27(3H,t,J=7.0Hz),1.65(2H,sext,J=7.3Hz),2.46−2.50(1H,m),2.65(2H,t,J=7.3Hz),2.67−2.70(1H,m),4.22(2H,q,J=7.0Hz),4.98−5.07(2H,m),5.40−5.43(1H,m),5.51(2H,ABq,J=16.6Hz),5.80−5.87(1H,m),6.90(2H,d,J=7.3Hz),7.21−7.30(3H,m)
【0029】
C工程:1−ベンジル−2−プロピル−4−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−8−オキソ−4、5−ジヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物(4)〕の製造法
上記のA工程で合成したエステル10.35gのテトラヒドロフラン溶液450mLにクロロチタニウムトリイソプロポキシド(1.0M、ヘキサン溶液)45.4mLを加えた。−60℃にてイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M、テトラヒドロフラン溶液)90.8mLを滴下し、ゆっくりと室温まで昇温しながら20時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した後、抽出物を飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残留物を塩化鉄(III)8.10g、ピリジン4.1mLのN,N−ジメチルホルムアミド溶液100mLに加え、室温にて1時間撹拌した。反応液を1N塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残留物のメタノール溶液110mLに酢酸ナトリウム18.6gを加え、1時間加熱還流した。減圧下でメタノールを留去し、残留物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物0.91gを得た。
【0030】
MS:353(M+−tBu),285,187,91(bp)
IR νcm~1(neat):1641,1602,1458,1398,1383,1251
1H−NMR δppm(CDCl3):0.05(3H,s),0.12(3H,s),0.83(9H,s),0.94(3H,t,J=7.3Hz),1.74(2H,sext,J=7.3Hz),2.61(2H,t,J=7.3Hz),2.73−2.78(1H,m),2.83−2.89(1H,m),4.98−5.00(1H,m),5.63(2H,s),6.10−6.14(1H,m),6.38−6.44(1H,m),6.97−7.00(2H,m),7.22−7.30(3H,m)
【0031】
D工程:(dl)−2−プロピル−4−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−((1H)−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物dl−(1)〕の製造法
上記のC工程で合成したシクロヘプトイミダゾール体0.91gのメタノール溶液9.1mLに5%パラジウム−炭素0.10gを加え、水素雰囲気下で2日間撹拌した後、セライトを用いて濾過し、濾液を濃縮した。残留物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液4.2mLに炭酸カリウム0.46g、4−〔2’−(1−トリフェニルメチルテトラゾール−5イル)フェニル〕フェニルメチルブロミド1.10gを加え室温にて23時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残留物に酢酸、テトラヒドロフラン、水の混合溶液(3:1:1)5.0mLを加え、50℃にて24時間撹拌した。クロロホルムで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去し、残留物のテトラヒドロフラン溶液5.0mLにテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0M、テトラヒドロフラン溶液)1.5mLを加え、室温にて4時間撹拌した。飽和食塩水にあけ、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフフィーで精製することにより、目的物0.13gを得た。
【0032】
MS(TSI):443(〔M+H〕+
IR νcm~1(KBr):3394,1641,1464
1H−NMR δppm(CD3OD):0.97(3H,t,J=7.3Hz),1.66(2H,sext,J=7.3Hz),1.87−1.95(1H,m),2.17−2.20(3H,m),2.62−2.73(3H,m),2.83−2.95(1H,m),4.97−5.01(1H,m),5.64(2H,s),6.99(2H,d,J=8.3Hz),7.11(2H,d,J=7.8Hz),7.56−7.60(2H,m),7.67−7.69(2H,m)
【0033】
実施例2
光学活性 2−プロピル−4−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−((1H)−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物(R)−(1)及び化合物(S)−(1)〕の製造方法
A工程:(dl)−2−プロピル−4−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール(化合物16)の製造法
2−プロピル−4−(t−ブチルジメチルシリル)オキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール1.80gのテトラヒドロフラン溶液9.0mLに、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)4.5mLを加え、50℃にて3時間撹拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物1.34gを得た。
【0034】
IR νcm~1(KBr):3400,1641,1464,1215
1H−NMR δppm(CDCl3):0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.39−1.41(1H,m),1.69(2H,sext,J=7.3Hz),1.83−1.97(3H,m),2.32−2.35(1H,m),2.50(2H,t,J=7.3Hz),2.61−2.66(2H,m),4.90−4.93(1H,m),5.46(2H,ABq,J=4.9Hz),6.78(2H,d,J=8.3Hz),6.92−6.95(6H,m),7.07(2H,d,J=7.8Hz),7.24−7.36(10H,m),7.42−7.50(2H,m),7.87−7.90(1H,m)
【0035】
B工程:2−プロピル−(4R)−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール、及び、2−プロピル−(4S)−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−トリフェニルメチルテトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物(R)−(16)と化合物(S)−(16)〕の製造法
上記で合成したアルコール体1.50gのジクロロメタン溶液15.0mLにトリエチルアミン0.37mLと(S)−α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセチルクロリド0.45mLを加え、15時間加熱還流した。反応液を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、Rの絶対配置を有するエステル体0.98g、Sの絶対配置を有するエステル体0.91gをそれぞれ得た。これらのエステル体をそれぞれメタノール−テトラヒドロフランの混合溶液(1:1)20mLに溶解し、3M水酸化ナトリウム水溶液10mLを加え、室温にて2時間撹拌した。減圧下、濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的とする(R)−アルコール体0.73g、(S)−アルコール体0.69gをそれぞれ得た。
【0036】
C工程:2−プロピル−(4R)−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール、及び、2−プロピル−(4S)−ヒドロキシ−8−オキソ−1−〔2’−(1−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル〕メチル−4,5,6,7−テトラヒドロシクロヘプトイミダゾール〔化合物(R)−(1)と化合物(S)−(1)〕の製造法
上記で合成した(R)−アルコール体0.73g〔化合物(R)−(16)〕に、酢酸−テトラヒドロフラン−水の混合溶液(3:1:1)5.0mLを加え、50℃にて17時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけ、クロロホルムで抽出し、水、食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、Rの絶対配置を有する目的物0.31g〔化合物(R)−(1)〕を得た。
また、同様にして(S)−アルコール体0.69g〔化合物(S)−(16)〕からSの絶対配置を有する目的物0.37g〔化合物(S)−(1)〕を得た。
R体:〔α〕D20+18.0(C 0.50,MeOH)
S体:〔α〕D20−18.0(C 0.10,MeOH)
【0037】
【発明の効果】
本発明の新規なシクロヘプトイミダゾール誘導体は、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧及びうっ血性心不全の治療剤又は眼圧低下剤として有用である。

Claims (1)

  1. 次の一般式(2):
    Figure 0004236311
    (式中、Rは炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基、R2炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基、R3炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基又はフェニル基で置換されているシリル基、R4はフェニル基を表す。)で示される化合物をチタン化合物と反応させ、次の一般式(3):
    Figure 0004236311
    (式中、R、R3、R4は前記と同じである。)で示される化合物を合成し、さらに塩化鉄(III)と反応させ、続く塩基との反応により、次の一般式(4):
    Figure 0004236311
    (式中、R、R3、R4は前記と同じである。)で示される化合物を合成し、その後二重結合の還元により次の一般式(5):
    Figure 0004236311
    (式中、R、R3は前記と同じである。)で示される化合物を合成し、この一般式(5)で示される化合物と、次の一般式(6):
    Figure 0004236311
    (式中、R5はトリフェニルメチル基、Xはハロゲン原子を表す。)で示される化合物とのカップリングにより、次の一般式(7):
    Figure 0004236311
    (式中、R、R3、R5は前記と同じである。)で示される化合物を合成し、次いで官能基変換をおこなうことを特徴とする次の一般式(1):
    Figure 0004236311
    (式中、Rは炭素数1〜5の枝分かれしていてもよいアルキル基、R1はテトラゾール基を表す。)で示される化合物(ラセミ体及び光学活性体を包含する)又はその医薬品に使用し得る塩の製造方法。
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