JP4235395B2 - 表示装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新鮮な変化に富んだ興味深い新たな視覚効果を実現する表示の技術すなわち表示装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体技術の進歩により各種電子機器が普及し、電子機器における動作状態など様々な情報の表示に各種の発光手段が用いられている。そのような発光手段の代表は発光ダイオードすなわちLED(Light Emitting Diode)であり、その優れた特徴として、小型、安価、消費電力や発熱も少ない、動作も安定している、環境変化に強く耐久性に優れているなどがある。従来、このようなLEDでは、ON(点灯状態)又はOFF(消灯状態)に選択的、択一的に制御することにより情報の表示が行われていた。
【0003】
ところで、LEDを上記のようにON又はOFFに制御する従来技術において、一つのLEDによって表される情報は、基本的にデジタルであり、デジタル情報の単位すなわち1ビットがONかOFFに対応する。このため、音声レベルなど程度や数値については、LEDを一列に多数並べ、どこまで点灯させるか、又はどれを点灯させるかなどにより表していた。その典型はカーオーディオシステムのスペクトラムアナライザーで、左右の音声信号レベルに合わせて各一列や、周波数帯ごとに各一列ずつのLEDを、該当レベルまで点灯させるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような表示は情報の客観的正確さのみを身上としたデジタル表示であり、対象の程度を表すだけのありきたりな表示であった。このため、音楽の視聴中に特に注目するような、変化に富んだ視覚効果の魅力や目新しさを利用者に感じさせたり、使用による特に優れた満足度を与える要素もなく、この点の改善が潜在的に待望されていた。また、これはすなわち、それらの表示技術を用いたカーオーディオシステムが店頭に陳列されていても特段の目新しさや注目度も得られないということであり、より優れた販売促進効果も潜在的に待望されていた。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、新鮮な変化に富んだ興味深い新たな視覚効果を実現する表示の技術すなわち表示装置及びその制御方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、ハードウェア構成は従来と特に変えることなく、マイコン等による制御手順を変えることにより、安価かつ容易に新たな視覚効果を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の表示装置は、マトリックス状に配列された複数の発光手段と、入力する信号レベルを検出するレベル検出手段と、各信号レベルにそれぞれ対応し、発光する前記発光手段を発光群として予め記憶する記憶手段と、前記レベル検出手段により検出された信号レベルに基づいて、前記発光群の前記発光手段を点灯させる表示装置において、前記レベル検出手段により検出された前記信号レベルに対応する前記発光群の発光手段が点灯しているかを判断する点灯判断手段と、前記点灯判断手段によって判断された点灯中の前記発光手段の周囲に存在する発光手段をランダムに点灯するランダム点灯手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の表示装置の制御方法は、請求項1の発明を方法という見方から捉えたもので、複数の発光手段を備え、マトリックス状に配列された複数の発光手段を備え、入力する信号レベルを検出するレベル検出処理と、各信号レベルにそれぞれ対応し、発光する前記発光手段を発光群として予め記憶する記憶処理と、前記レベル検出処理により検出された信号レベルに基づいて、前記発光群の前記発光手段を点灯させる表示装置の制御方法において、前記レベル検出処理において検出された前記信号レベルに対応する前記発光群の発光手段が点灯しているかを判断する点灯判断処理と、前記点灯判断処理によって判断された点灯中の前記発光手段の周囲に存在する発光手段をランダムに点灯するランダム点灯処理と、を含むことを特徴とする。
【0008】
これらの態様では、面上に並んだLEDなどの発光手段が、音声レベル等の信号レベルに合わせていろいろなパターンに変化するので、変化に富んだ興味深い視覚効果が実現される。また、ハードウェア構成は従来と特に変えることなく、マイコン等による制御手順を変えることにより、安価かつ容易に新たな視覚効果を実現することができる。なお、発光パターンの内容は自由であるが、例えば、どれとどの発光手段を、どの程度の明るさで、どの程度の時間、発光させるかなどの要素を組み合わせて決定する。
【0017】
また、点灯しているLED等の発光手段に隣接する周囲の発光手段をランダムに点灯させることにより、風や水で光が揺らいでいるようなアナログ的なナチュラルで変化に富んだ興味深い視覚効果が実現される。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態(以下「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して具体的に説明する。なお、本実施形態は、コンピュータをプログラムで制御することにより実現されるが、この場合のハードウェアやソフトウェアの実現態様は各種変更可能であるから、以下の説明では、本発明及び本実施形態の各機能を実現する仮想的回路ブロックを用いる。
【0029】
〔1.構成〕
〔1−1.概略〕
本実施形態は、平面上に縦横に並べて配置される発光手段である発光ダイオードすなわちLEDを、主に、入力されるオーディオ信号レベルに応じた発光パターンで発光させるカーオーディオシステム(以下「本システム」と呼ぶ)である。ここで、図1は、本システムの本体ユニットの正面図であり、各ボタンB、文字表示部Cとともに、パターン表示部Pが設けられている。
【0030】
このパターン表示部Pには、図2の概念図に示すように、縦5個×横7個に配列された計35個のLED群が用いられている。なお、本実施形態の各図(図2,図7)では、黒く塗りつぶした部分は最も明るく点灯しているLEDを表すものとし、その明るさを3とする。また、網掛け部分は最も暗く点灯しているLEDを表すものとし、その明るさを1とする。さらに、白い四角は消灯しているLEDを示すものとする。
【0031】
そして、これらLEDの発光面側には、図3の断面図に示すように、光を拡散させる光拡散手段すなわち光拡散部材Sとして艶消し加工されたプラスチックス製カバーが設けられ、これが図1のパターン表示部Pとなっている。
【0032】
〔1−2.回路ブロック図〕
次に、本システムは、図4の回路ブロック図に示す各部分を備えている。すなわち、メインマイコン11は、システム全体の制御を行う部分であり、CDメカ12は、メインマイコン11による制御にしたがってCDを再生する部分である。このようにCDから再生される音声は、CDオーディオOUT(出力)L3から出力される。
【0033】
また、PLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)IC13は、メインマイコン11により制御され、チューナー14をコントロールすることでラジオの受信を行う部分である。このように受信されるラジオの音声は、ラジオオーディオOUT(L4)から出力される。
【0034】
また、電子ボリューム15は、メインマイコン11により制御され、入力セレクタの切り換えと音量、音質のコントロールを行う部分である。この電子ボリューム15に入力されるCDオーディオOUT(L3)とラジオオーディオOUT(L4)は、入力セレクタによって切り換えられ、パワーアンプ16を経てスピーカSPから音声として出力される。
【0035】
また、表示マイコン17は、キーの入力、表示出力を行う部分である。すなわち、キーマトリックス18は、キーの入力を受け付ける部分で、その結果はバス116によって、メインマイコン11に伝達される。そして、メインマイコン11は、このように表示マイコン17から伝達されるキー入力に応じ、CDメカ12や、ラジオ系統、電子ボリューム15の制御を行い、その結果をバス116によって、表示マイコン17に返答する。
【0036】
表示マイコン17は、メインマイコン11からの返答結果によって、表示データを作成し、VFDドライバ19を制御して、VFD(蛍光表示管)110に各種の表示を行う。
【0037】
ここで、電子ボリュームの入力セレクタの後ろから出力されるE−VOL OUT(L5)が、オーディオレベルの検出用の信号として、表示マイコン17のA/Dポートに入力される。そして、表示マイコン17は、この信号をA/D変換したディジタル値に基いてLEDの点灯パターンを決定する。すなわち、表示マイコン17は、このディジタル値をもって、LED横出力111とLED縦出力112の各ポートを制御して、LEDマトリックス113における各LEDを点灯させる。
【0038】
具体的には、LED横出力111とLED縦出力112の交点に個々のLEDがあり、LED横出力とLED縦出力を同時にHIGHとすると、その交点にあるLEDが点灯する。
【0039】
〔1−3.表示マイコンの構成〕
以上のような処理を行う表示マイコン17は、図示しない前記プログラムに制御されることにより、図5に示す各部分の機能を果たす。すなわち、レベル検出部1は、入力する信号レベルを検出するレベル検出手段であり、A/D変換機能を含む。また、パターン記憶部2は、各信号レベルごとにそれぞれ対応し、各LEDの発光パターンを予め記憶する記憶手段である。また、制御部3は、レベル検出部1により検出された信号レベルと、パターン記憶部2に記憶された発光パターンと、に基づいてLED群の発光状態を制御する制御手段である。また、本実施形態で用いられる発光パターンは所定時間毎に変更されるものであり、今回発生した発光パターンを前回の発光パターンに重ね合わせる処理が行われる。
【0040】
また、減衰部4は、発光したLEDにおける輝度を徐々に減衰させる減光手段であり、LEDの単位時間における発光時間を変化させる発光時間制御部5を備えている。また、第2制御部6は、発光中のLEDに隣接するLEDを所定輝度にてランダムに発光させる第2の制御手段である。
【0041】
〔2.作用〕
以上のように構成された本実施形態では、パターン表示部P(図1)の各LEDを、再生中のソースの音声レベルに同期して点灯させる。典型的には、音声出力が大きくなるほどLEDの点灯個数を増やし、反対に小さくなるほど点灯個数を減少させることが考えられる。もちろん、これに限らず、逆に音声レベルが大きいほど点灯個数を少なくし、音声レベルが小さいほど点灯個数を増やすようにしてもよい。つまり、各音声レベルに応じた点灯個数や点灯箇所を設定さえしておけば、様々なパターンの表示を行うことができる。そして、この時のLED点灯時に、後述する揺らぎの表示を加えて、アナログ的な表示を行う。
【0042】
なお、音声レベルに応じた表示パターンを実現するため、パターン記憶部2(図5)には、各信号レベルごとにそれぞれ対応し、各LEDの発光パターンを予め記憶させておく。そして、レベル検出部1が、入力する信号レベルを検出し、制御部3が、レベル検出部1により検出された信号レベルと、パターン記憶部2に記憶された発光パターンと、に基づいてLED群の発光状態を制御する。
【0043】
また、本実施形態で用いられる発光パターンは所定時間毎に変更されるものであり、制御部3は、今回発生した発光パターンを前回の発光パターンに重ね合わせる処理を行う。
【0044】
〔2−1.各LEDの点灯制御〕
このような表示パターンは、個々のLEDの点灯を制御することで実現されるが、各LEDは、表示マイコン17による直接マトリックス駆動で制御する。すなわち、マトリックスの駆動方法は、LED横出力111をスキャニングさせ、対応する縦出力112のポートを制御することでLEDを点灯させる。
【0045】
また、LEDごとに異なった明るさで点灯させたり、さらに、減衰部4が、一旦発光したLEDにおける輝度を徐々に減衰させるが、このような明るさの制御は、LEDの点灯タイミングを間引くことで行う。具体例として、減衰部4による明るさの減衰処理は発光時間制御部5により、LEDの単位時間における発光時間を徐々に少なく変化させることによって行う。
【0046】
ここで、制御タイミングの例を図6に示す。この図は、説明を簡略化のためLEDマトリックスの一部のみを示したもので、LED横出力0〜3に対し、LED縦出力0(注1)は、縦0−横0のLEDを点灯させる場合の波形を示す。また、LED縦出力1(注2)は、縦1−横1及び縦1−横2のLEDを点灯させる場合の波形を示す。縦出力と横出力が同時にHIGHの間、その交点のLEDが点灯する。
【0047】
また、下方に示す明るさの制御例(注3)では、単位時間あたりの中でLEDの点灯しているタイミング(時間の長さ)を間引くことで明るさの調整を行う。図の例では、点灯タイミングを3/3→2/3→1/3→0/3と変化させるごとに暗くなる。なお、この例では、タイムサイクルが充分短いため、発光を見る利用者の網膜等の視覚認識における残像現象により異なった明るさによる安定した連続点灯が観察され、ここでは明るさ3が最も明るく、明るさ0が最も暗い消灯状態とする。
【0048】
〔2−2.揺らぎ表示の制御方法〕
また、第2制御部6は、発光中のLEDに隣接する周囲の各LEDを所定輝度でランダムに発光させることにより揺らぎ表示を行う。この点灯は、明るさ制御で一番暗い明るさで点灯させる。ランダムな点灯は、早い周期で別のランダムな点灯パターンに切り換える。この制御を行うことによって、LEDが揺らいでいるように見える。この場合の表示例を図7に示す。
【0049】
この例において(a)は元々点灯しているLEDを、(b)は揺らぎを付加した状態を、(c)はさらに8mS後に別のパターンの揺らぎを付加した状態を、(d)〜(f)は以降8mS後にそれぞれ別の揺らぎのパターンを付加してゆく状態を示す。
【0050】
〔2−3.レベルに応じた表示パターンの作成〕
次に、以上のように、音声レベルに応じた表示パターンの作成を行う処理のフローチャートを図8に示す。この処理は、タイマーを用いて100mSサイクルで繰り返し呼び出されステップ1から実行される。
【0051】
ここで、各LEDの各時点すなわち現在の点灯状態は表示データとして所定の記憶領域であるTBL(図9)に格納されており、図8の処理では、まず、現在表示している表示データTBL(図9)の値が1〜3であったら−1する(ステップ1)。この処理によって、前回の表示内容の明るさが一段階暗くなる。
【0052】
続いて、入力される音声レベルについてA/D変換処理を行い現在の音声レベルの検出を行う(ステップ2)。この処理では、表示マイコン17のA/Dポートの入力値をA/D変換することで、入力の音声レベルが大きいほど、A/D変換の結果値も大きくなる。これにより得られたA/D値に対応する表示データを求める(ステップ3)。ここで、音声レベルに応じた発光パターンは、図10に示すように、表示に用いる表示データ1〜6の形でパターン記憶部2に予め記憶されており、音声レベルに応じて選択される。
【0053】
例えば、A/D値が0の場合は、表示データ1を使用し、A/D値に比例して、表示テ−ブルの番号も大きな物を使用する。この表示データ1〜6は、実装としては表示マイコン17に内蔵されるROMテーブルとして作成すればよい。なお、図10の各表示データの表中では、他と同様、3という値はLEDを最も明るく点灯させる値であり、0は消灯の値である。
【0054】
このように得られた表示データを表示データTBL(図9)に代入する(図8のステップ4)。この代入は、現在の表示データTBLに重ね合わせるように、例えば各値のORを取る論理演算によって行う。これにより、発光パターンが所定時間毎に変更される場合、今回発生した発光パターンを前回の発光パターンに重ね合わせるような視覚処理が実現され発光パターンの変化がスムースとなる。なお、表示データTBLは、実装としては表示マイコン17に内蔵されたRAMテーブルとして用意すればよい。以上で図8に示す一連の処理が終了する。
【0055】
〔2−4.揺らぎの付加〕
次に、図11及び図12のフローチャートは結合子1によって一体であり、発光パターンに揺らぎ表示を付加する処理手順を示すものである。この処理は、8mSのタイマー処理であり、8mS毎に繰り返し呼び出される。この処理手順では、図8の手順によりA/D変換の結果に基いて求めた図13(a)のような表示データをもとに、点灯を意味する「3」の周囲のLEDの領域に、所定の揺らぎ値FH(図13(b)では「F」と表す)を付加するものである。
【0056】
この手順では、まず、表示データTBL(図9)に前回付加された揺らぎ値FHを抹消する処理と(ステップ11)その後に続く4つの部分、すなわちステップ12〜18、ステップ19〜25、ステップ26〜32、ステップ33〜39の部分からなり、それぞれ点灯個所の「左」「右」「上」「下」に揺らぎ値FHを付加する処理である。
【0057】
すなわち、まず、ランダム値Rを得て(ステップ12)、カウンタ1を0に初期化する(ステップ13)。ここで、「ランダム値R」は16進法で表現されるようなビット列値であり、後に説明する各ステップ12,19,26,33でそれぞれ求めた各ランダム値Rについて、その後の各ステップ14,21,28,35の「RのBITi=1?」で、第iビットがそれぞれ「1」(立っている)か否かを判断した結果に応じ、どの位置のLEDを揺らぎ表示として点灯させるかを選択するのに用いる。
【0058】
すなわち、ステップ12〜18の一連の処理では、まず、ステップ12で得たランダム値RのBITi(iはカウンタ値であり、BITiは第iビットの値を意味する。以下同じ)が1かどうかの判断を行う(ステップ14)。0であった場合は続くステップ15,16はスキップしステップ17へ進むが、1であった場合は、表示データBL(図7)の横列Yi(iはカウンタ値であり、Yiは第i番目の横一列を意味する。以下同じ)をX0からX6まで確認して点灯箇所があるかどうか判断する(ステップ15)。点灯箇所があった場合には、発見した表示デ一夕BLの点灯箇所の左側に、揺らぎ値であるFHの値を代入し(ステップ16)、点灯個所がなかった場合はステップ16はスキップされる。
【0059】
ステップ17では、カウンタiを+1し、これによりカウンタが4を越えたかどうかの判断を行う。この4という値は表示データTBLの横列の最大値であり、4以下であったらステップ14へ戻るが、4を越えたらステップ19へ進む。
【0060】
その先は上記の処理と同様で、ステップSTEP19〜25では表示データBLの点灯箇所の「右側に」揺らぎ値FHを付加する処理を行なう。同様にステップ26〜32では表示データBLの点灯箇所の「上側に」揺らぎ値FHを付加する処理を、ステップ33〜39では表示データBLの点灯箇所の「下側に」揺らぎ値FHを付加する処理を行い、以上で一連の処理が終了する。
【0061】
〔2−5.LEDマトリックスの点灯〕
以上のように作成された表示データに基き、LEDマトリックスを点灯させる処理手順のフローチャートを図14に示す。この処理は、1mSのタイマー処理であり、1mS毎に繰り返し呼び出される。また、作業用データ記憶のために、LED横列記憶用メモリYcountと、明るさ制御用メモリDcountを用いるものとする。
【0062】
この処理では、まず、現在点灯している縦列出力0〜6を消灯し(ステップ41)、LED横列カウンタYcountを+1し(ステップ42)し、Ycountが4を越えたかどうかの判定を行う(ステップ43)。この4という値は、表示データTBLの横列の最大値であり、4以内ならステップ44〜47をスキップしてステップ48へ進む。ステップ43の判定でYcountが4を越えていた場合は、LED横列カウンタYcountを0に初期化し(ステップ44)、明るさ制御用カウンタDcountを+1する(ステップ45)。
【0063】
そして、Dcountが3を越えたかどうかの判定を行う(ステップ46)、この3という値は、明るさ制御の最大値で、3を越えたらDcountを0にリセットする(ステップ47)。
【0064】
その後、Ycount値に対応するLED横列の出力を行う(ステップ48)。すなわち、Ycountが0の場合は図2におけるLED横0の出力を行う。その後、表示データTBL(図9)のYcount値に対応する列の値を得る(ステップ49)。すなわち、Ycountが0であったなら表示データTBL(図9)のY0列の値を得る。このように求めた値の揺らぎ値FHを1に置き換える(ステップ50)。この1という値は、LEDを最も暗く点灯する値である。
【0065】
そして、この置き換えによって得られた値とDcountの値を比較し、Dcount値よりも大きな値が入っている所と対応する、縦列の出力を行う(ステップ51)。すなわち、図2におけるLED縦0やLED縦1の出力を行う。以上で一連の処理が終了する。なお、このような処理手順により、揺らぎの付加された図13(b)の表示データTBLを表示した例が図2である。
【0066】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、面上に並んだLEDなどの発光手段が、音声レベル等の信号レベルに合わせていろいろなパターンに変化するので、変化に富んだ興味深い視覚効果が実現される。また、ハードウェア構成は従来と特に変えることなく、マイコン等による制御手順を変えることにより、安価かつ容易に新たな視覚効果を実現することができる。なお、発光パターンの内容は自由であるが、例えば、どれとどの発光手段を、どの程度の明るさで、どの程度の時間、発光させるかなどの要素を組み合わせて決定する。
【0067】
また、本実施形態では、一旦発光した光が機械的に突然消えるのではなく、輝度が徐々に減衰するので、動物の発光など自然界の発光のようにナチュラルでオーガニックな印象を与え、利用者に新鮮さと変化に富む興味深い視覚効果や安心感を与える利点がある。なお、減衰は輝度ゼロまででも、適当な暗さの所定レベルまででもよい。
【0068】
また、本実施形態では、発光手段を徐々に暗くする際、駆動電力を変化させるまでもなく、単位時間あたりに発光時間を少なく変化させることにより、単純な構成で光の減衰が実現できる。特に、そのタイムサイクルが充分短ければ、発光手段の種別によっては実際の発光が徐々に減衰し又はユーザの視覚認識上の残像現象により、滑らかな減衰に見えて上品な視覚効果に優れ、また、そのタイムサイクルが比較的長ければ明滅しながらかすれるように減衰してゆくような、はかなげな独特の雰囲気を醸し出す利点も得られる。
【0069】
また、本実施形態では、点灯しているLED等の発光手段に隣接する周囲の発光手段をランダムに点灯させることにより、風や水で光が揺らいでいるようなアナログ的なナチュラルで変化に富んだ興味深い視覚効果が実現される。
【0070】
また、本実施形態では、発光パターンが所定時間ごとに変化するだけでなく、その切替の際、デジタル的に突然変化するのではなく、それまで発光していた前回の発光パターンに、次の新しい発光パターンが重ね合わされるように変換するので、動物の発光など自然界の発光のようにナチュラルでオーガニックな印象を与え、利用者に新鮮さと変化に富む興味深い視覚効果や安心感を与える利点がある。
【0071】
また、本実施形態では、CD演奏やFMラジオ視聴等のオーディオ信号レベルに合わせて発光パターンが変化するので、本発明独特のナチュラルで新鮮な変化に富む視覚的効果と、耳からの聴覚的効果との相乗効果により、精神が高揚し深い満足感の得られる視聴体験がもたらされる。
【0072】
また、本実施形態では、LED等の発光手段の発光面側すなわち利用者に見える側に、半透明やスモーク加工等のプラスチックカバーなどの光拡散手段を設けることにより、多数ばらばらな光源が自然に融合した一体の発光体に見え、動物の発光など自然界の発光のようにナチュラルでオーガニックな印象を与え、利用者に新鮮さと変化に富む興味深い視覚効果や安心感を与える。
【0073】
また、本実施形態では、安価で消費電力や発熱も少なく動作も安定し環境変化に強く耐久性に優れたLED(Light Emitting Diode)を用いながら、平面的に複数個を並べて、その明るさを段階的に制御したり、さらに揺らぎなどの表現を付加することにより、従来なかったアナログ的な新しい表示表現による優れた視覚効果が得られる。
【0074】
〔4.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態も含むものである。例えば、発光パターンや揺らぎの付加を含む具体的な発光態様は適宜変更可能であり、また、音声レベルに同期させるだけでなく、例えば、キー操作によってある特定のパターンを表示させたりする事も可能である。また、LEDの並び方もハニカム状、同心円状、放射状などいろいろなパターンが考えられる。また、発光手段はLEDには限定されず、VFD(蛍光表示管)や有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)なども利用可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、新鮮な変化に富んだ興味深い新たな視覚効果を実現する表示の技術すなわち表示装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における本体ユニットの正面図。
【図2】本発明の実施形態におけるLEDの配置を示す概念図。
【図3】本発明の実施形態におけるLEDと光拡散部材の位置関係を示す断面図。
【図4】本発明の実施形態における本体ユニットの回路ブロック図。
【図5】本発明の実施形態における表示マイコンにより実現される各機能部を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の実施形態における制御タイミングを示すタイミングチャート。
【図7】本発明の実施形態におけるLEDの表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態において、音声レベルに応じたパターン表示用の表示データを作成する処理手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施形態において、各LEDの点灯状態を表示データとして格納する記憶領域TBLを示す概念図。
【図10】本発明の実施形態において、各音声レベルに応じた各発光パターンに対応する各表示データを示す概念図。
【図11】本発明の実施形態において、発光パターンに揺らぎ表示を付加する処理手順を示すフローチャート(前半)。
【図12】本発明の実施形態において、発光パターンに揺らぎ表示を付加する処理手順を示すフローチャート(後半)。
【図13】本発明の実施形態において、揺らぎの付加前(a)と付加後(b)との表示データ内容を示す概念図。
【図14】本発明の実施形態において、作成された表示データに基き各LEDを点灯させる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
B…ボタン
C…文字表示部
P…パターン表示部
S…光拡散部材
11…メインマイコン
12…CDメカ
13…PLL IC
14…チューナー
15…電子ボリューム
16…アンプ
17…表示マイコン
18…キーマトリックス
19…VFDドライバ
110…VFD
111…LED横出力
112…LED縦出力
113…LEDマトリックス
L3,L4,L5…出力ラインないしその信号
116…バス
Claims (2)
- マトリックス状に配列された複数の発光手段と、入力する信号レベルを検出するレベル検出手段と、各信号レベルにそれぞれ対応し、発光する前記発光手段を発光群として予め記憶する記憶手段と、前記レベル検出手段により検出された信号レベルに基づいて、前記発光群の前記発光手段を点灯させる表示装置において、
前記レベル検出手段により検出された前記信号レベルに対応する前記発光群の発光手段が点灯しているかを判断する点灯判断手段と、
前記点灯判断手段によって判断された点灯中の前記発光手段の周囲に存在する発光手段をランダムに点灯するランダム点灯手段と、を備えたことを特徴とする表示装置。 - マトリックス状に配列された複数の発光手段を備え、入力する信号レベルを検出するレベル検出処理と、各信号レベルにそれぞれ対応し、発光する前記発光手段を発光群として予め記憶する記憶処理と、前記レベル検出処理により検出された信号レベルに基づいて、前記発光群の前記発光手段を点灯させる表示装置の制御方法において、
前記レベル検出処理において検出された前記信号レベルに対応する前記発光群の発光手段が点灯しているかを判断する点灯判断処理と、
前記点灯判断処理によって判断された点灯中の前記発光手段の周囲に存在する発光手段をランダムに点灯するランダム点灯処理と、を含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
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