JP4233332B2 - 蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸着装置に関し、特に、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)や半導体の高誘電体薄膜、絶縁膜、銅薄膜、磁性薄膜、高融点金属薄膜に適した成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6の符号101は従来技術の蒸着装置を示している。
この蒸着装置101は真空槽102を有しており、真空槽102内部には蒸着源103が配置されている。
【0003】
蒸着源103は筒状のアノード電極132と、放出部130とを有しており、アノード電極132と放出部130は、該放出部130がアノード電極132に配置された状態で、取り付け部120によって真空槽102内部の底壁側にそれぞれ固定されている。
【0004】
放出部130は蒸着材料131と、トリガ電極134と、棒状電極135とを有している。トリガ電極134はリング状であって、棒状電極135はトリガ電極134に挿通された状態で、その下端が取り付け部120に取り付けられている。棒状電極135の先端はトリガ電極134から突き出され、蒸着材料131は棒状電極135の先端を覆っている。
【0005】
蒸着材料131と棒状電極135は電気的に接続され、他方トリガ電極134は絶縁部材137、138によって棒状電極135と蒸着材料131から絶縁されている。棒状電極135とトリガ電極134は真空槽2外部に配置された電源装置104にそれぞれ接続されており、電源装置104を起動し、アノード電極132と真空槽102とを接地電位に置いた状態で、トリガ電極134に正の電圧を印加すると共に、棒状電極135に負の電圧を印加すると、トリガ電極134と蒸着材料131との間にトリガ放電が起こり、該トリガ放電によって蒸着材料131の側面とアノード電極132内周面との間でアーク放電が誘起される。
【0006】
アーク放電が誘起されると、アーク電流が流れ、該アーク電流により蒸着材料131の側面から蒸着材料の粒子が放出される。
蒸着材料の粒子のうち、電荷質量比(電荷/質量)の大きい微小な荷電粒子は、アーク電流により発生する磁界によって飛行方向が曲げられ、アノード電極132の開口から放出されるが、電荷質量比の小さい巨大な荷電粒子や中性粒子はアーク電流により飛行方向が曲げられる率が少なく、アノード電極132の内壁に衝突する。
【0007】
アノード電極132の開口の上方には基板ホルダ117が配置されており、予め基板ホルダ117のアノード電極132開口と対向する面には基板107が保持されているので、アノード電極132の開口から放出された荷電粒子は基板107表面に付着し、薄膜が成長する。このように、基板107には反応性が高い荷電粒子のみが到達するので、膜質の良い薄膜を形成することができる。
【0008】
ところで、中性粒子や巨大荷電粒子がアノード電極132の内周面に付着する際に、一部は衝突の際砕け散り、微小荷電粒子よりも大きな小滴(直径20μm程度)が形成されることがある。
【0009】
この小滴の飛散方向は特定の方向性が見られず、カソード電極135を中心としてほぼ半球面内に飛散するので、一部はアノード電極132の開口から放出されてしまう。開口から放出された小滴が、成膜中の膜に取り込まれると、薄膜の膜質が劣化するという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、同軸型真空アーク蒸着源により、小滴が成膜中の薄膜に混入することなく成膜を行える技術を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された蒸着源とを有し、前記蒸着源は筒状のアノード電極と、前記アノード電極内に配置され、一の軸線方向に蒸着材料の荷電粒子を放出する放出部と、前記アノード電極の開口であって、前記荷電粒子が前記真空槽内に放出される放出口とを有する蒸着装置であって、前記アノード電極の内壁面を放出口方向に延長した場合の延長線が囲む放出領域の外側に位置し、第一の磁極が前記一の軸線方向に向けられた磁石と、少なくとも一部が前記磁石の第二の磁極に向けられ、終端部が前記アノード電極に向けられたヨークとを有し、前記放出領域外部には基板ホルダが配置され、前記基板ホルダの前記一の軸線に向けられた面には基板が保持されるように構成され、前記磁石により、前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る磁力線が形成され、前記荷電粒子は、前記放出口から放出された後、前記磁力線に巻きついて移動し、前記基板ホルダに保持された前記基板に到達する蒸着装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸着装置であって、前記終端部は前記アノード電極の外周を取り囲むように構成された蒸着装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着装置であって、前記アノード電極の近傍位置であって、前記磁石側には反射板が配置され、前記反射板の一端部が前記放出口よりも前記一の軸線方向に高く突き出された蒸着装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着装置であって、前記蒸着源を少なくとも2つ有し、前記ヨークは、前記終端部が前記各蒸着源の前記アノード電極にそれぞれ向けられ、前記基板ホルダは、前記各蒸着源の前記放出領域外部に位置し、前記基板ホルダの前記各蒸着源の前記一の軸線に向けられた面に、前記基板が配置されるように構成され、前記磁石により、前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、一方の前記蒸着源の前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る前記磁力線と、前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、他方の前記蒸着源の前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る前記磁力線とが形成され、前記各蒸着源の前記放出口から放出された前記荷電粒子は、同じ前記基板に到達する蒸着装置である。
【0012】
本発明は上記のように構成されており、放出口から放出される荷電粒子は磁力線に巻き付いて移動するので、荷電粒子は放出口と第一の磁極とを結ぶ経路を通る磁力線によって第一の磁極方向に運ばれる。
従って、第一の磁極の近傍であって、磁力線の通る位置に基板を配置すれば、第一の磁極方向に運ばれた荷電粒子は基板に到達し、基板表面に蒸着材料の薄膜が成長する。
【0013】
荷電粒子が放出される際に、放出口から小滴が放出されたとしても、小滴は磁力線によってその飛行方向が曲げられることなく直進するので、基板を放出領域の外部であって、小滴が到達しない位置に配置しておけば、小滴が基板に到達することなく、荷電粒子のみを基板に到達させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1は本発明の蒸着装置の一例を示しており、蒸着装置1は真空槽2と蒸着源3とを有している。
【0015】
蒸着源3はアノード電極32を有している。ここでは、アノード電極32はステンレス製の円筒で構成され、取り付け部20によってその一端が真空槽2の底壁に気密に取り付けられ、他端が真空槽2の天井に向けられている。アノード電極32内には、蒸着材料の荷電粒子を放出する放出部30が配置されている。
【0016】
放出部30は棒状電極35と、トリガ電極34と、蒸着材料31とを有している。トリガ電極34はリング状であって、棒状電極35はトリガ電極34に挿通され、その下端が取り付け部20に固定されている。
【0017】
棒状電極35の先端はトリガ電極34から突き出されており、棒状電極35のトリガ電極34から突き出された部分は蒸着材料31で覆われている。
【0018】
真空槽2外部には電源装置4が配置され、棒状電極35はその電源装置4に接続されている。蒸着材料31は導電性材料で構成されており、棒状電極35に電気的に接続されているので、電源装置4を起動し、棒状電極35に電圧を印加するとその電圧が蒸着材料31に印加されるようになっている。
【0019】
トリガ電極34は絶縁部材37、38によって棒状電極35と蒸着材料31から絶縁されている。トリガ電極34は配線36によって電源装置4に接続されており、アノード電極32と真空槽2とを接地電位に置いた状態で電源装置4を起動すると、トリガ電極34とアノード電極32との間、及びトリガ電極34と蒸着材料31との間に電圧が印加されるようになっている。
【0020】
真空槽2には真空排気系8が接続されており、該真空排気系8を起動し、真空槽2内部に真空雰囲気を形成した後、トリガ電極34に正、蒸着材料31に負の電圧を印加すると、蒸着材料31の側面とトリガ電極34との間にトリガ放電が起こり、該トリガ放電により蒸着材料31の側面とアノード電極32の内壁面との間にアーク放電が誘起され、一軸線方向にアーク電流が流れ、蒸着材料31の側面から蒸着材料の粒子が放出される。
【0021】
図1の符号13はその一軸線である放出軸線を示しており、アーク電流は棒状電極35内を流れるので、放出軸線13は棒状電極35の中心軸線と平行になっている。蒸着材料31から放出される粒子のうち、電荷質量比(電荷/質量)の大きい微小な荷電粒子はアーク電流によりその飛行方向が放出軸線13方向に曲げられ、アノード電極32の開口である放出口39から真空槽2内部に放出される。
【0022】
他方、蒸着材料の粒子のうち、中性粒子や電荷質量比の小さい巨大粒子はアーク電流により進行方向が曲げられず、アノード電極32の内周面に衝突するが、衝突の際に小滴が発生し、その小滴の一部が放出口39から真空槽2の内部に飛散する。
【0023】
図1の符号15は、アノード電極32の内壁面を放出口39方向に延長した場合の延長線が囲む領域である放出領域を示しており、衝突によって形成された小滴がこの放出領域15に放出されるとすると、真空槽2内部の放出領域15外側には磁石51が配置されている。
【0024】
磁石51は後述する円筒状の磁石部材52と、板状の磁石部材53とで構成されており、各磁石部材52、53の磁極は同じ方向を向けられているので、磁石51全体の磁極は一方向に向けられている。
【0025】
磁石51のS極とN極のうち、一方の磁極を第一の磁極56とし、他方の磁極を第二の磁極57とすると、磁石51は第一の磁極56が放出軸線13に向き、第二の磁極57が放出軸線13とは反対側の真空槽2の内壁面に向くように配置されており、第一、第二の磁極56、57間に形成される磁力線の少なくとも一部が放出口39と第一の磁極56とを結ぶ経路を通っている。
【0026】
図1の符号5は放出口39と第一の磁極56とを結ぶ経路を通る磁力線を示しており、放出口39から放出される荷電粒子はその磁力線5に巻き付いて移動する。放出領域15外部であって、磁力線5が通る位置には基板ホルダ17が配置されており、予め基板ホルダ17には成膜対象物である基板7が保持されている。従って、磁力線5に巻き付いて移動する荷電粒子は、この基板7の表面に付着することになる。
【0027】
真空槽2内にはヨーク55が配置されている。ヨーク55は細長の金属板で構成されており、その一端部が磁石51の第二の磁極57側に密着し、中央部分が折り曲げられることで、その他端部がアノード電極32の外周近傍まで延ばされている。
【0028】
アノード電極32はヨーク55の構成材料よりも磁力線を通し難い材料で構成されているので、放出口39を通って第一の磁極56に戻る磁力線5は、ヨーク55内を走行し、ヨーク55の終端部から放出口39を通って真空槽2内の空間に出る。即ち、磁力線5はヨーク55内に収束されてから放出口39を通る磁力線5の密度は高くなる。
【0029】
図2に示すように、ヨーク55のアノード電極32近傍に延ばされた端部には、アノード電極32の外径よりも大径の開口59が形成されており、アノード電極32の上端部はその開口59に挿通されている。
【0030】
即ち、アノード電極32は開口59の内壁面で構成されるヨーク55の終端部58で囲まれた状態になっており、放出口39は磁力線密度が均一な磁力線5で取り囲まれた状態になるので、放出口39から放出される荷電粒子が効率良く基板7に運ばれ、基板7表面に蒸着材料の薄膜が成長する。他方、衝突により発生する小滴は磁力線5の影響を受けずに直進するので、その飛行方向が基板7側に曲げられることがない。
【0031】
また、放出口39近傍位置であって、磁石51が配置された側には反射板25が配置されており、反射板25の一端部である上端は、放出口39よりも放出軸線13方向に高く突き出されているので、基板7方向に飛散した小滴が放出口39から真空槽2内に放出されたとしても、反射板25に付着し、基板7に到達することがない。従って、成膜中に小滴が混入しないので、膜質の良い薄膜を得ることができる。
【0032】
尚、真空槽2に反応ガス供給系9を接続し、該反応ガス供給系9により、蒸着材料31と反応する反応ガスを供給しながら成膜を行えば、反応ガスと荷電粒子とが反応し、反応ガスと蒸着材料との反応物の薄膜を得ることができる。
【0033】
【実施例】
蒸着材料31を銅又はアルミニウムで構成し、上述した蒸着装置1に基板7を搬入し、基板7表面に銅又はアルミニウムの薄膜をそれぞれ形成した。
【0034】
ここでは、磁石51として、幅10cm、長さ15cm、厚み10mmの板状の磁石部材53(フェライト製)の片面に、外径40mm、厚み20mm、磁束密度2000Gaussの円板状の磁石部材52(サマリウム・コバルト製)の一端が接続されたものを用い、ヨーク55として幅10cm、厚み4mm、長さ20cmの純鉄製金属板が90°に折り曲げられたものを用いた。
【0035】
基板7表面に成膜された薄膜を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、小滴混入の有無を確認した。その結果を、トリガ放電の数(パルス数)と、成膜された薄膜の膜厚と、成膜速度と、速度エリア(成膜速度を測定した範囲)の直径と共に下記表1に記載する。
【0036】
【表1】
Figure 0004233332
【0037】
上記表1を見ると、蒸着材料31としてアルミニウムと銅を用いた場合には成膜された薄膜に小滴が混入しておらず、本発明の蒸着装置1を用いれば膜質の良い薄膜が得られることが確認された。
【0038】
<その他の実施例>
以上は、真空槽2内に蒸着源3が1つ配置された場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
図3の符号6は本発明の蒸着装置の他の例を示している。この蒸着装置6は真空槽2を有しており、真空槽2内には図1に示した蒸着装置1と同様の蒸着源3が2つ配置されている。ここでは、各蒸着源3の同じ部材にはそれぞれ添え字a、bを付して区別する。
【0040】
各蒸着源3a、3bは放出口39が真空槽2内に向けられた状態で、真空槽2の側壁に配置されている。真空槽2内には上述した蒸着装置1と同様の構造の磁石51が配置されており、該磁石51は各放出領域15a、15bの外側であって各放出口39a、39bの上方位置で、第一の磁極56を下側へ向けて配置されているので、第一の磁極56は各蒸着源3a、3bの放出軸13a、13bに向けられた状態になっている。
【0041】
ヨーク95は細長の金属板で構成されており、その中央部分は磁石51の第二の磁極57の近傍に位置し、両端は磁石51と各放出口39a、39bとを結ぶようにそれぞれ折り曲げられている。従って、磁石51によって、ヨーク55の終端部58a、58bから各放出口39a、39bを通って真空槽2内を走行し、第一の磁極56に戻る磁力線5が形成されるようになっている。
【0042】
ヨーク55の両端部には開口59a、59bがそれぞれ形成されており、アノード電極32a、32bは開口59a、59bにそれぞれ挿通されているので、放出口39a、39bは磁力線5で取り囲まれた状態になり、各放出口39a、39bから放出される荷電粒子は効率良く同じ第一の磁極56側へ移動する。
【0043】
各放出領域15a、15bの外部であって、各放出口39a、39bから第一の磁極56へ向かう各磁力線5が通る位置には基板ホルダ17が配置されており、基板ホルダ17の各放出軸13a、13bに向けられた面には基板7が保持されるので、各放出口39a、39bから第一の磁極56へ向かう荷電粒子は同じ基板7に到達する。
【0044】
従って、各放出部39a、39bに異なる種類の蒸着材料31を配置し、各放出部39a、39bから蒸着材料の荷電粒子を同時に放出させれば、図4に示すように、基板7表面に2種類の蒸着材料が混合した薄膜71を形成することができる。
【0045】
また、各放出部39a、39bから交互に荷電粒子を放出させれば、図5に示すように、基板7上に、異なる蒸着材料の膜72a、72b、73a、73bを交互に形成され、多層膜75が形成される。
【0046】
以上は、1つの磁石51に対し、蒸着源3を2つ設ける場合について説明したが、蒸着源3の数は特に限定されるものではなく、磁石51により形成される磁力線が各蒸着源の放出口を通るのであれば、1つの磁石51に対し3つ以上の蒸着源を設けることもできる。
【0047】
また、各蒸着源の蒸着材料は異なる物質で構成しても良いし、それぞれ同じ物質で構成してもよい。例えば、各蒸着源の蒸着材料を同じ物質で構成し、各蒸着源の放出部から同時に荷電粒子を放出させれば、短時間に膜厚の大きい薄膜を得ることができる。
【0048】
以上は蒸着材料としてアルミニウムや銅を用いる場合について説明したが、蒸着材料の種類も特に限定されず、チタン、ジルコウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンやタングステンなどの高融点金属材料、コバルト、鉄、ニッケル等の磁性材料、グラファイト等種々の材料を用いることができる。
【0049】
基板ホルダ17に回転軸を設け、基板7を水平面内で回転させながら成膜を行うように構成すれば、形成される薄膜の膜厚分布が均一になる。
また、磁石51はフェライト磁石のような永久磁石で構成された場合に限定されず、例えば磁石51を電磁石で構成することもできる。
アノード電極32の形状は円筒状に限定されず、例えば角筒状でもよいし、あるいは板状に形成されていてもよい。
【0050】
以上は、磁石51の第二の磁極57が放出軸線13とは反対側を向くように構成された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一、第二の磁極56、57間に形成される磁力線が放出口39を通るように構成されているのであれば、例えば第二の磁極57が放出軸線13と直交する軸線方向に向けられていてもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明の蒸着装置によれば、成膜中の薄膜に小滴が混入しないので、膜質の良い薄膜を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着装置の一例を説明する断面図
【図2】ヨークの開口とアノード電極の位置関係とを説明する平面図
【図3】本発明の蒸着装置の他の例を説明する断面図
【図4】本発明の蒸着装置により成膜された薄膜の一例を説明する断面図
【図5】本発明の蒸着装置により成膜された薄膜の他の例を説明する断面図
【図6】従来技術の蒸着装置を説明する断面図
【符号の説明】
1、6……蒸着装置 2……真空槽 3……蒸着源 5……磁力線 7……基板 13……放出軸線(一の軸線) 15……放出領域 17……基板ホルダ 30……放出部 32……アノード電極 34……トリガ電極 31……蒸着材料 51……磁石 55、95……ヨーク 58……終端部

Claims (4)

  1. 真空槽と、前記真空槽内に配置された蒸着源とを有し、
    前記蒸着源は筒状のアノード電極と、前記アノード電極内に配置され、一の軸線方向に蒸着材料の荷電粒子を放出する放出部と、
    前記アノード電極の開口であって、前記荷電粒子が前記真空槽内に放出される放出口とを有する蒸着装置であって、
    前記アノード電極の内壁面を放出口方向に延長した場合の延長線が囲む放出領域の外側に位置し、第一の磁極が前記一の軸線方向に向けられた磁石と、
    少なくとも一部が前記磁石の第二の磁極に向けられ、終端部が前記アノード電極に向けられたヨークとを有し、
    前記放出領域外部には基板ホルダが配置され、
    前記基板ホルダの前記一の軸線に向けられた面には基板が保持されるように構成され、
    前記磁石により、前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る磁力線が形成され、
    前記荷電粒子は、前記放出口から放出された後、前記磁力線に巻きついて移動し、前記基板ホルダに保持された前記基板に到達する蒸着装置。
  2. 前記終端部は前記アノード電極の外周を取り囲むように構成された請求項1記載の蒸着装置。
  3. 前記アノード電極の近傍位置であって、前記磁石側には反射板が配置され、前記反射板の一端部が前記放出口よりも前記一の軸線方向に高く突き出された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着装置。
  4. 前記蒸着源を少なくとも2つ有し、
    前記ヨークは、前記終端部が前記各蒸着源の前記アノード電極にそれぞれ向けられ、
    前記基板ホルダは、前記各蒸着源の前記放出領域外部に位置し、
    前記基板ホルダの前記各蒸着源の前記一の軸線に向けられた面に、前記基板が配置されるように構成され、
    前記磁石により、前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、一方の前記蒸着源の前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る前記磁力線と、
    前記第一の磁極と、前記基板ホルダと、他方の前記蒸着源の前記放出口と、前記ヨークの内部と、前記第二の磁極との間を通る前記磁力線とが形成され、
    前記各蒸着源の前記放出口から放出された前記荷電粒子は、同じ前記基板に到達する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着装置。
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