JP4233210B2 - リンゴ酸ジエステル界面活性剤 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明は、水をベースとする系の表面張力を減少するためにリンゴ酸ジエステルを使用することに関する。
【0002】
【発明の背景】
水の表面張力を減少する能力は、表面張力の減少が実際の処方物中での基材の濡れの増大につながるので、水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューション(fountain solution)および農業用処方物中で極めて重要である。水をベースとする系の表面張力の減少は一般に界面活性剤の添加によって達せられる。界面活性剤の添加で得られる性能上の特性には、表面被覆の強化、欠陥の減少、そしてより均一な分布がある。系が静止している場合、平衡表面張力の性能が重要である。しかしながら、動的条件下の表面張力を減少する能力は、大きな表面形成速度が活用される応用では極めて重要である。このような応用には、コーティングの噴霧、ロール塗装および刷毛塗りまたは農業用処方物の噴霧または高速グラビア印刷もしくはインクジェット印刷がある。動的表面張力は、界面活性剤の表面張力を減少しそしてこのような高速な施用条件下での濡れを与える能力に手段を与える基本的な量である。
【0003】
アルキルフェノールエトキシレートまたはアルコールエトキシレート、およびエチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマーのような伝統的な非イオン性の界面活性剤は、優れた平衡表面張力性能を有するが、動的表面張力の減少が劣悪であることを一般に特徴とする。対照的に、ナトリウムジアルキルスルホスクシネートのようなある種の陰イオン界面活性剤は、良好な動的な結果を与えることができるが、これらは極めて発泡性であり、また仕上げられたコーティングに水感受性を与える。
【0004】
産業界では、高性能な界面活性剤の開発に加えて、環境特性の改善された界面活性剤にかなりの興味がある。環境に対する関心の結果、代替品が入手できるようになるにつれ、環境と融和可能な界面活性剤の使用が増大している。さらに、アルキルフェノールエトキシレート(APE)界面活性剤のようなさほど好ましくない製品の使用が減少している。このことは、APE界面活性剤の環境特性が劣悪である、例えば、生分解が不十分であることそしてこれが疑似内分泌物質として作用すると疑われることに一部由来する。高性能で環境に優しい界面活性剤に対する要求のため新たな界面活性剤の開発が促進されている。この作業からアルキルポリグリコシド(APG)界面活性剤と称される新たな界面活性剤の一群が、慣用の界面活性剤に対して、容易に生分解されることができ、環境に優しい代替品として出現している。しかしながら、これらの物質は発泡性である可能性があり、従って発泡が好ましくない場合、各種のコーティング、インキ、接着剤および農業上の応用に適さない。さらに、多くのAPG界面活性剤は劣悪な色彩特性を有し、固体またはペースト状である。この後者の性質は取り扱いを厄介にし、100%より著しく少ない活性成分を含有する配合物の製造を必要にする。従って、動的な施用状態下で優れた表面張力低下能および低発泡性を示す界面活性剤を得ることが望ましいだけでなく、このような新規な界面活性剤が環境に優しく、液状でありまた色をほとんどまたはまったくもたないことも著しく望ましい。
【0005】
良好な平衡表面張力特性および動的表面張力特性を示し、発泡性が低く、取り扱いを容易にする低粘度液体であり、色および匂いが少ないという特徴を有し、また水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用処方物の産業で広く受けいれられるであろう界面活性剤に対する需要がある。さらに、環境に優しい界面活性剤の開発にかなりの興味が示されているので、必須の特質は、これらの界面活性剤が上記の望ましい性能上の特質を有するだけでなく、天然産の化合物またはその合成の同等物から誘導されるかまたは有利な生分解特性および毒性を有するということである。
【0006】
コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用処方物のような応用における平衡表面張力および動的表面張力を減少することの重要性は技術上十分に認められている。
【0007】
小さい動的表面張力は水性コーティングの応用で極めて重要である。1992年9月のJournal of Coatings Technology中のSchwartz,J の文献『The Importance of Low Dynamic Surface Tension in Waterborne Coatings』には、水性コーティングの表面張力特性に関する論及およびこのようなコーティングの動的表面張力に関する論及がある。いくつかの界面活性剤について平衡表面張力および動的表面張力が評価された。小さい動的表面張力は、水性コーティングで優れたフィルム形成を達成するのに重要な因子であることが指摘されている。コーティングの動的な施用法には、凹み、クレーターおよび泡のような欠陥を防止するために動的表面張力の小さい界面活性剤が必要である。
【0008】
農業用製品を効率的に施すこともまた、処方物の動的表面張力特性に著しく関係する。Pestic.Sci.、1991年、33、411〜420ページのWirth,W.、Storp,S.、Jacobsen,W.の文献『Mechanisms Controlling Leaf Retention of Agricultural Spray Solutions』では、農業用処方物の動的表面張力と、これらの処方物が葉の上に保持される能力との関係が研究されている。これらの研究者は、保持値と動的表面張力との間の良好な相関を認めており、処方物の保持がより効果的であると動的表面張力が小さいことが示されている。
【0009】
Am.Ink Maker、1994年、72巻、2号、32〜38ページのMedina,S.W.、Sutovich,M.N.の文献『Using Surfactants to Formulate VOC Compliant Waterbased Inks』に論じられているように、高速印刷では小さい動的表面張力がやはり重要である。この文献では、平衡表面張力(EST)は静止しているインク系だけに妥当すると述べられている。しかしながら、EST値は、インキが使用される高速印刷の動的な環境下での性能の良好な指標ではない。動的表面張力はより好適な特性である。この動的な測定値は、高速印刷の際に、新たに生じるインキ/基材の界面に界面活性剤が移行して濡れを与える能力に関する一指標である。
【0010】
US 5,098,478は水、顔料、非イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤のための可溶化剤を含有する水をベースとするインキ組成物を開示している。印刷性の問題が確実に起きないようにするために、出版用グラビア印刷のためのインキ組成物中での動的表面張力は、約25〜40ダイン/cmの水準まで低下されなければならない。
US 5,562,762は、水、溶解した染料およびポリエトキシレート置換基を2つ有する第3アミンの水性ジェットインキを開示しており、またインクジェット印刷では動的表面張力の低いことが重要であるとしている。
【0011】
マレートとも称されるリンゴ酸(2−ヒドロキシ−ブタン二酸)の各種のエステルが知られている。リンゴ酸そのものは飲料、キャンデーおよび食品中の添加剤として主として使用される。市販の形態の(DL−リンゴ酸)は無水マレイン酸から製造され、米国食品医薬品局によってGRAS(Generally Recognized As Safe)と分類される。さらに、天然産の形態(L−リンゴ酸)は低濃度で多くの果物の中に見いだされる。
【0012】
DE 3 011 645 A1 は塩化ビニルの水性懸濁重合のための分散助剤としてヒドロキシカルボン酸の混合エステルを使用することを開示している。
US 3 927 073は洗浄剤および織物柔軟剤の両方としての、ジカルボン酸のポリヒドロキシ第3アミンとのエステルを開示している。
DE 19 621 681 A1 は多価のカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸の脂肪族アルコールとのエステルを乳化剤およびポリオールとともに含有する水性の真珠光沢のある濃厚物を開示している。毛髪シャンプーおよび手による食器用洗剤に使用するための『界面活性剤』に真珠光沢を付与するために、C6〜C22アルコールのモノエステルまたはジエステルが使用された。その中で示唆された酸はリンゴ酸である。
US 5 695 679は『有機銀塗装剤』として、モノカルボン酸またはポリカルボン酸と1価または多価のアルコールとのエステルを含む食器用洗剤処方物を開示している。カルボン酸のうちにリンゴ酸が挙げられている。
【0013】
US 2 925 352は水不溶性で熱可塑性のフィルム形成性有機ポリマーのための可塑化剤としてリンゴ酸の誘導体を開示している。実施例4には100部のセルロースアセテート、12.5部のジイソブチルマレート、400部のジオキサランおよび27部の水からなるフィルム形成性ドープが示されている。
US 2 122 716はC10〜C14アルコールのヒドロキシカルボン酸エステルを開示している。
C.D.Vaughan および D.A.Rice、J.Dispersion Science and Technology、1990年、11、83ページには、安定な乳濁液を得るために、油層に関して『必要なHLB』値についての式を試験するために使用される水中油乳濁液中にジオクチルマレートを使用することが開示されている。
【0014】
Kyotaniら、Sekiyu Gakkaishi、1988年、31、382ページには、2−エチルヘキサノールからつくられるモノエステルおよびジエステル潤滑剤の流動的挙動に対するOH基の効果の研究がある。ジ(2−エチルヘキシル)スクシネートの粘度がジ(2−エチルヘキシル)スクシネートより増加しているのは、後者がより良い潤滑剤であることを示す。この場合、すべての液体はニートで、水性媒体中においてではなく研究された。
【0015】
US 4 005 189は脱臭剤として、炭素を2〜4個有する脂肪族のモノヒドロキシカルボン酸またはジヒドロキシカルボン酸あるいは脂肪族のモノヒドロキシジカルボン酸またはジヒドロキシジカルボン酸と炭素を1〜6個有する脂肪族アルコールとのエステルを開示している。ジエチルマレート、ジイソプロピルマレートおよびジヘキシルマレートが示されている。
EP 0 850 935 A2 は1,3,5−トリアジン誘導体と溶媒としてのカルボン酸のある種のエステルの濃縮された溶液を開示している。好ましい溶媒はビス(2−エチルヘキシル)マレートである。
【0016】
US 5 505 937は、多数挙げられるエステルのうちジオクチルマレートを低粘度油状物として含有する抗移動性化粧品組成物を開示している。
US 5 702 693は、水混合性有機溶媒、酸および軟化剤からなる、患者の皮膚から石膏を除去するための水性の液状組成物を開示している。実施例には軟化剤としてのジオクチルマレートが示されている。
US 5 597 576は、C12〜13の単一分枝脂肪アルコールのリンゴ酸ジエステルを含有する、油をベースとする透明なゲルつまり『リポゲル』を開示している。
【0017】
【発明の概要】
本発明は、以下の構造式
【化3】
(式中、R1およびR2はC3〜C6アルキル基であるが、R1およびR2が同一であるのが好ましい)
を有するリンゴ酸のジエステルを有効量含めることにより、低減した平衡表面張力および動的表面張力を有する、有機または無機化合物を含有する水をベースとする組成物、特に水性の有機コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物を提供する。マレートジエステルの水溶液は、最大気泡圧力法によるとき、25℃の水中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡/秒で、45ダイン/cmより小さい動的表面張力を示すのが望ましい。表面張力を測定する最大気泡圧力法は、Langmuir、1986年、2、428〜432ページに記載されており、これは参照によって本記載に加入する。
【0018】
本発明の目的のため、本発明者等は『水をベースとする』、『水性』または『水性媒体』によって、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の水を含有する溶媒または液状分散媒体を意味する。
このマレートジエステル化合物を含ませることによりこのような水性組成物の平衡表面張力および動的表面張力を減少させる方法もまた提供される。
【0019】
水をベースとする組成物の動的表面張力を減少させるのに有効な量の上記の構造を有するマレートジエステル化合物を含有する水をベースとする組成物を用いて、表面を部分的または全体的にコートするように、水をベースとする無機または有機の化合物を含有する組成物を表面に施す方法もまた提供される。
【0020】
水をベースとする有機コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物中にこのマレートジエステルを使用することには著しい利点があり、この利点には以下がある。
・ 種々の基材に施されることができ、汚染された表面および低エネルギー表面を含む基材表面の湿潤が優れている、水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物、
・ コーティングまたは印刷の欠陥例えば、ゆずはだおよび流動/平坦化上の欠陥が減少すること、
・ 高速の施用が可能であるコーティングおよびインキ組成物、
・ 動的表面張力を低下できる低発泡性界面活性剤、
・ 取り扱いを容易にするための、室温での粘度が低い液体である低発泡性界面活性剤、
・ 匂いおよび色が少ない低発泡性界面活性剤、
・ 揮発性の有機物の含有率が低くしたがって環境に優しくなる水性のコーティングおよびインキ、
・ 天然の酸または合成の同等物から誘導される界面活性剤を使用し、したがって環境に優しくなる水性組成物、および
・ 良好な生分解性を示し、したがって環境に優しい低発泡性界面活性剤。
【0021】
これらの物質はその優れた界面活性および発泡を抑制する能力のため、動的表面張力および平衡表面張力の減少および低発泡性が重要である多くの応用でおそらく使用される。低発泡性が重要である応用には、繊維の染色、繊維の精錬およびキヤーボイリングのような織物の種々の湿潤処理操作であって低発泡特性が特に有利であろう操作が含まれ、これらの物質は、表面張力を減少しつつ同時に実質的に発泡しないというそれらの顕著な能力が著しく望ましいであろう石鹸、水をベースとする香水、シャンプーおよび種々の洗浄剤にも応用されるであろう。
【0022】
【発明の詳述】
本発明は、有機化合物を含有する水をベースとする組成物の、特にコーティング、インキ、ファウテンソリューション、接着剤および、ポリマー樹脂、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤または植物生長調整剤のような有機化合物を含有する農業用組成物の平衡表面張力および動的表面張力を減少させるために、構造
【化4】
(式中、R1およびR2は独立としてC3〜C6アルキル基であり、R1およびR2が同一であるのが好ましい)
を有する化合物を使用することに関する。マレートジエステルの水溶液は、最大気泡圧力法によるとき、25℃の水中の濃度5重量%またはそれ以下および6気泡/秒で、45ダイン/cmより小さい動的表面張力を示すのが望ましい。表面張力を測定する最大気泡圧力法は、Langmuir、1986年、2巻、428〜432ページに記載されており、これは参照によって本記載に加入されている。
【0023】
本発明の1つの態様で上記の式のマレートジエステルは、平衡表面張力および動的表面張力を低下しつつ実質的に発泡しない優れた能力を発揮する。
この物質はリンゴ酸をアルコールでエステル化することによりつくることができる。反応は以下のように示される。
【0024】
【化5】
【0025】
本発明の目的には、L−リンゴ酸、D−リンゴ酸およびDL−リンゴ酸を含むリンゴ酸のすべての立体異性体が好適である。
エステル化反応は、参照によって本記載に加入されているKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第9巻、755〜780ページに記載の多くの触媒および方法を使用することにより実施し得る。反応は酸によって選択的に接触される。好適な酸触媒の例は酸性のイオン交換樹脂(つまりAmberlyst(R)15樹脂)、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテレートそして、塩酸および硫酸のような鉱酸触媒である。加えて、エステル化反応は副生物の水を除去することにより推進されてよい。この場合水は典型的に、反応で使用されるアルコールによって共沸混合物として除去し得る。水を除去するために好適な他の方法には乾燥剤の使用が含まれる。また、リンゴ酸の溶解を助けまた水の共沸的除去を容易にするために反応物に溶媒が添加されてよい。
【0026】
本発明のジアルキルマレートを製造するために、必要なC3〜C6アルキル置換基を含むあらゆるアルコールまたはアルコールの混合物が利用されてよく、炭素を3〜5個含むアルコールが好ましくそして炭素を4個含むものが特に好ましい。物質に界面活性(つまり水の表面張力を低下する能力)を付与するのに十分ではあるが、物質の表面張力を低下する能力が特定の応用にとって不十分である程度まで溶解度を低下するには十分でない炭素を含有すべきである。一般に、炭素数が増加すると、得られるジアルキルマレートの効率が増加する(つまり表面張力の所定の低下を得るのにより少ない界面活性剤が必要である)が、表面形成速度が大きい場合に表面張力を低下する能力は低減する。後者の効果は炭素数が増加すると物質の水溶性が減少し、従って新たに形成される表面への界面活性剤の拡散フラックスを減少するという事実の結果である。本発明の実施においては一般に、得られるジアルキルマレートが0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%そして最も好ましくは0.1〜1.0重量%の水中への溶解限度を有するようにアルキル基を選定するのが望ましい。
【0027】
本発明のマレート中のアルキル基は同一であるか異なっていてよい。しかしながら、対称性のマレートは合成が容易であるので好ましい。アルキル基は線状または分枝状であってよく、末端に分枝を有するアルキル基が好ましい。酸素への結合点は、中にあるかまたは末端にある炭素上であってよく、末端炭素上が好ましい。R1およびR2上の炭素の総数は6またはそれ以上でなければならず、6より少ないとジアルキルマレートの界面活性をあまりにも減少しすぎる。炭素の総数は12またはそれ以下でなければならず、12より多いと、この物質を多くの処方物中に使用するのが実用的でない程度までこの物質の溶解度を低下させる。好適なアルキル基の例は、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、2−メチルブチル、3−メチル−2−ブチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルブチル、4−メチル−2−ペンチルなどである。好ましい誘導体はR1およびR2が同一であり、全部で6〜12個のアルキル炭素を含むものである。これらの誘導体のうち、 6〜10個のアルキル炭素を含むものが好ましくまた8〜10個のアルキル炭素を含むものが特に好ましく、とりわけR1およびR2が同一で、イソブチルである場合、8個のアルキル炭素を含むものが最も好ましい。さらに、末端酸素に末端の分枝または結合を有するアルキル基が好ましい。
【0028】
水をベースとする有機化合物を含有する組成物の平衡表面張力および/または動的表面張力を低下するのに有効な量のジアルキルマレート化合物が添加される。このような有効量は水性組成物の0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%そして最も好ましくは0.05 〜5重量%の範囲にある。当然ながら最も有効な量はジアルキルマレートの特定の応用および溶解度に依存する。
【0029】
マレートジエステルは、鉱石または顔料である無機化合物あるいは顔料、重合性モノマー、例えば、付加モノマー、縮合モノマーおよびビニルモノマー、オリゴマー樹脂、ポリマー樹脂、洗浄剤、苛性清浄剤、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤または植物生長調整剤である有機化合物を水中に含む水性組成物中で使用するのに好適である。
【0030】
本発明のジアルキルマレートを含有する、以下の水をベースとする有機コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物では、このような組成物の列挙された別な成分は、当業者にとって周知の物質である。
【0031】
本発明のマレートジエステル界面活性剤が添加されてよい水をベースとする保護または装飾用の典型的な有機コーティング組成物は水性媒体中に以下の成分を含むコーティング組成物30〜80重量%含有する。
水をベースとする有機コーティング組成物
0〜50重量% 顔料分散剤/粉砕樹脂
0〜80重量% 着色顔料/エクステンダー顔料/腐蝕防止顔料/他種の顔料
5〜99.9重量% 水性/水分散性/水溶性の樹脂
0〜30重量% 滑動添加剤/抗微生物剤/処理助剤/消泡剤
0〜50重量% 合着性溶媒または他の溶媒
0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤/流動および平坦化剤
0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0032】
本発明のマレートジエステル界面活性剤が添加されてよい水をベースとする典型的なインキ組成物は水性媒体中に以下の成分を含むインキ組成物を20〜60重量%含有する。
水をベースとするインキ組成物
1〜50重量% 顔料
0〜50重量% 顔料分散体/粉砕樹脂
0〜50重量% 適当な樹脂溶液ビヒクル中の粘土
5〜99.9重量% 水性/水分散性/水溶性の樹脂
0〜30重量% 合着性溶媒または他の溶媒
0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤
0.01〜10重量% 処理助剤/消泡剤/可溶化剤
0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0033】
本発明のマレートジエステル界面活性剤が添加されてよい水をベースとする典型的な農業用組成物は水性媒体中に以下の成分を含む農業用組成物を0.1〜80重量%含有する。
水をベースとする農業用組成物
0.1〜50重量% 殺菌剤、殺虫剤、除草剤または植物生長調整剤
0.01〜10重量% 界面活性剤
0〜5重量% 染料
0〜20重量% 増粘剤/安定剤/共界面活性剤/ゲル化防止剤/消泡剤
0〜25重量% 凍結防止剤
0.01〜50重量% ジアルキルマレート
【0034】
水をベースとする典型的なファウテンソリューション組成物は以下の成分である。
水をベースとするファウテンソリューション
0.05〜10重量% フィルム形成性で水溶性の巨大分子
1〜25重量% 水溶性または水溶性にされることのできる炭素原子2〜12個を有するアルコール、グリコールまたはポリオール
0.01〜20重量% 水溶性の有機酸、無機酸またはそれらの塩
30〜70重量% 水
0.01〜5重量% ジアルキルマレート
【0035】
本発明のジアルキルマレート界面活性剤が添加されてよい水をベースとする典型的な接着剤組成物は水性媒体中に以下の成分を含む接着剤組成物を30〜65重量%含有するである。
水をベースとする接着剤
50〜99重量% ポリマー樹脂(SBR,VAE,アクリル)
0〜50重量% 粘着化剤
0〜0.5重量% 消泡剤
0.5〜2重量% ジアルキルマレート
【0036】
市販で入手できたジイソプロピル−(S)−(−)−マレートおよびジブチル−DL−マレートは別として、以下の実施例でのすべてのマレートは合成され、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)および核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析法により特性付けられた。製造されたジアルキルマレートの純度はすべて>96%〜>99%の範囲にあった。
【0037】
実施例1
ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートをAldrich Chemical Companyから購入し(99%)そして入手したままで使用した。この化合物は粘度が低く、透明で、無色の液体であり、検知可能な匂いは無かった。
【0038】
実施例2
ジブチル−DL−マレートをTCI Americaから購入し(99%)そして入手したままで使用した。この化合物は粘度が低く、透明で、無色の液体であり、心地よい匂いが僅かにあった。
【0039】
実施例3
DL−リンゴ酸をイソブチルアルコールでエステル化することによりジイソブチル−DL−マレートを製造した。還流凝縮器、Dean-Starkトラップ、隔膜、熱電対および機械的撹拌機を備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、DL−リンゴ酸(75.91g)、2−メチル−1−プロパノール(210ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(10g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。106℃で、Dean-Starkトラップ内に2つの相が集まり始めた。反応温度を2時間15分にわたって108℃に保持し、Dean-Starkトラップによって水を連続的に除去した。Dean-Starkトラップ中への集まりが遅くなるにつれ、反応温度を115℃に上昇させ、新規なアルコール(50ml)を反応物に加えた。反応物を120℃に加熱し、さらにアルコール(50ml)を添加した。この時、Dean-Starkトラップ内に水はもはや集まらなかった。生成物を濾過により触媒から分離した。粗製の黄色の液体を真空蒸留により精製した。心地よい匂いが僅かにある、粘度が低く、透明で、無色の液体としてジイソブチル−DL−マレート(120.4g、収率86.3%)を得た。
【0040】
実施例4
実施例3に類似する手順を用いてジ−第2−ブチル−DL−マレートをつくった。この化合物はボトム生成物として単離した。反応フラスコにDL−リンゴ酸(80.23g)、2−ブタノール(220ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(11.2g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。102℃で1つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。102℃で4時間反応を持続した。この際、新規のアルコールを添加するにつれ水/アルコール共沸混合物を除去した。生成物をジエチルエーテル中に溶解し、シリカ床上での濾過によって触媒から分離し、飽和した重炭酸ナトリウムで多数回洗浄し、水で1回洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留する2−ブタノールを除去するために試料を真空吸引した後、検知可能な匂いがなく、粘度が低く、透明で、明黄色の液体としてジ−第2−ブチル−DL−マレート(46g、収率31%)を得た。
【0041】
実施例5
実施例4に類似する手順を用いてジペンチル−DL−マレートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸(100.43g)、1−ペンタノール(325ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(14.2g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。108℃で、2つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。110〜120℃で4時間15分反応を持続し、水を連続的に除去した。300mlのジエチルエーテルを用いて生成物をシリカ床上での濾過によって触媒から分離した。飽和した重炭酸ナトリウムで有機層を4回洗浄し、水で1回洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留する1−ペンタノールを除去するために試料を真空吸引した後、心地よい匂いが僅かにあり、粘度が低く、僅かに曇りがあり、極めて明るい黄色の液体としてジフェニル−DL−マレート(116.5g、収率55.6%)を得た。
【0042】
実施例6
実施例4に類似する手順を用いてジイソアミル−DL−マレートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸(87.54g)、3−メチル−1−ブタノール(285ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(11.9g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。109℃で、2つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。110℃で8時間反応を持続し、この際に水を連続的に除去した。生成物をジエチルエーテル中に溶解し、シリカ床上での濾過によって触媒から分離した。飽和した重炭酸ナトリウムで有機層を多数回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留する3−メチル−1−ブタノールを除去するために試料を真空吸引した後、匂いが僅かにあり、粘度が低く、透明で、無色の液体としてジイソアミル−DL−マレート(130g、収率72%)を得た。
【0043】
実施例7
実施例4に類似する手順を用いてジ(2−メチルブチル)−DL−マレートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸(100.56g)、2−メチル−1−ブタノール(325ml)およびAmberlyst(R)15イオン交換樹脂(15.1g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。108℃で、2つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。1.5時間の後、反応温度を20分間115℃にまた20分間120℃に上昇させた。Dean-Starkトラップ内への水の集まりが止まったら、生成物をジエチルエーテルで希釈し、シリカの短い床上での濾過によって収集し、飽和した重炭酸ナトリウムで4回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留する2−メチル−1−ブタノールを真空蒸留によって除去した後、検知可能な匂いが無く、粘度が低く、透明で、極めて明るい黄色の液体としてジ(2−メチルブチル)−DL−マレート(139.8g、収率68%)を得た。
【0044】
実施例8
実施例4に類似する手順を用い、触媒としてp−トルエンスルホン酸を使用してジヘキシル−DL−マレートをつくった。実施例3〜7とは異なり、反応はニートなアルコール中では実施しなかった。この場合、出発時の酸を溶解するために1,4−ジオキサンを添加した。反応フラスコにDL−リンゴ酸(80.91g)、ヘキシルアルコール(307ml)、1,4−ジオキサン(200ml)およびp−トルエンスルホン酸(12.3g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。103℃で、1つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。反応温度を110℃に上昇させた。2時間40分後に極めて少量の液体がトラップ内に集まっていた。反応温度を115℃に上昇させ、トラップに液体がもはや集まらなくなるまでこの温度を保った。飽和重炭酸ナトリウムで生成物を中和し、ジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで3回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留するヘキシルアルコールを真空蒸留によって除去した後、心地よい匂いが僅かにあり、粘度が低く、透明で、無色の液体としてジヘキシル−DL−マレート(127.7g、収率70%)を得た。
【0045】
実施例9
実施例8に類似する手順を用いてジ(4−メチル−2−ペンチル)−DL−マレートをつくった。反応フラスコにDL−リンゴ酸(90.76g)、4−メチル−2−ペンタノール(350ml)、1,4−ジオキサン(200ml)およびp−トルエンスルホン酸(15.2g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。105℃で、1つの相がDean-Starkトラップ内に集まり始めた。2時間後、温度を110℃に上昇させた。1時間10分後に温度を112℃に上昇させ、トラップに液体がもはや集まらなくなるまでこの温度を保った。飽和重炭酸ナトリウムで反応生成物を中和し、ジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで3回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発によってジエチルエーテルを除去した。残留する4−メチル−2−ペンタノールを真空蒸留によって除去した後、検知可能な匂いが無く、粘度が低く、僅かに曇りがあり、明黄色の液体としてジ(4−メチル−2−ペンチル)−DL−マレート(166.8g、収率81.5%)を得た。
【0046】
実施例10
Leeら、J.Chem.Soc.、Perkin Trans.、1巻、1995年、2877ページの方法を用いてジベンジル−DL−マレートをつくった。還流凝縮器、Dean-Starkトラップ、熱電対および機械的撹拌機を備えた1リットルの三つ口丸底フラスコに、DL−リンゴ酸(81.96g)、ベンジルアルコール(132.0g)、トルエン(620ml)およびp−トルエンスルホン酸(1.165g)を入れた。混合物を窒素下に置き、加熱還流した。100℃で、Dean-Starkトラップ内に2つの相が集まり始めた。2時間後、反応温度を1.5時間105℃に上昇させた。粗生成物を飽和重炭酸ナトリウムで中和し、分離漏斗に注入した。有機層を飽和重炭酸ナトリウムで2回洗浄し、水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。回転蒸発によってトルエンを除去した。粗生成物の2/3をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン溶離剤中の20%エチルアセテート)によって精製した。残留するベンジルアルコールを真空蒸留によって除去して、検知可能な匂いが無く、粘度が低く、透明で、無色の油状物(49.9g、収率28%)を得た。
【0047】
以下の実施例では、最大気泡法を用い、0.1気泡/秒(b/s)〜20b/sの気泡速度で種々の化合物の水溶液について動的表面張力のデータを得た。このデータは、準平衡(0.1b/s)から極端に大きな表面形成速度(20b/s)までにわたる条件での界面活性剤の性能に関する情報を与える。実際的にいうと、大きな気泡速度はリトグラフィー印刷での大きな印刷速度、塗料の施用での大きな噴霧速度またはローラー速度、そして農産物に対する迅速な施用速度に相当する。
【0048】
実施例11〜20
実施例1〜10の物質の蒸留水中の溶液をつくった。これらの動的表面張力を上記したように25℃で評価し、このデータを表1に示す量を決定するのに用いた。ρC20値は水溶液の表面張力を52.1ダイン/cm、つまり測定を0.1b/sで実施するときの純水の表面張力より20ダイン/cm低い値まで減少するのに必要な界面活性剤のモル濃度の対数に負号を付したものと定義される。この値は界面活性剤の効率の指標である。一般に、ρC20値の1.0の増加は、所与の効果を認めるのに10倍少ない界面活性剤が必要なことを示す。加えて、界面活性剤の相対的効率は異なる界面活性剤を同一の量含有する溶液の表面張力の低下を比較することにより得ることができる。このようなデータは1.0気泡/秒(b/s)および6.0b/sでジアルキルマレートの0.1重量%溶液について与えられる。溶解限度は、表面張力/濃度の自然対数値の曲線の直線部分と、多くの教科書に記載されている限界表面張力との交点によって決定した。0.1、1、6、および20b/sでの限界表面張力は、使用される界面活性剤の量とはかかわりなく所定の界面活性剤について所定の表面形成速度で得ることのできる水中での最低の表面張力を表し、界面活性剤の効果を評価するのに用いる。これらの値は、準平衡条件(0.1b/s)から極めて動的な条件(20b/s)にわたって界面活性剤が表面欠陥を低減する相対的能力についての情報を与える。表面張力がより小さいとエネルギーのより小さい表面に処方物を施用する際の欠陥を無くすことができる。
【0049】
【表1】
【0050】
表1のデータは種々のジアルキルマレートが水性組成物の表面張力を減少させる能力を有し、多くの場合、表面が速い速度で形成される条件でさえ表面張力を低く保つことができることを示している。実施例11〜20は、炭素原子が3〜6個あるアルキル基を含むジアルキルマレートは、25℃の水中での濃度5重量%以下および0.1b/sで45ダイン/cmより小さい表面張力値を示すことを明らかにしている。さらに、炭素原子が3〜5個あるアルキル基を含むジアルキルマレートは、より動的な条件(6b/s)下また25℃の水中での濃度5重量%以下で45ダイン/cmより小さい水溶液の動的表面張力の減少を示す。これに比べて、C6およびより高級なジアルキルマレートはこれらの条件での性能は劣った。さらに、炭素原子が4〜5個あるアルキル基を含むジアルキルマレートは、6b/sおよび1重量%より小さい界面活性剤濃度で、42ダイン/cmより小さい水性組成物の動的表面張力の減少を実現することができる。驚くべきことに、C4基を含むジアルキルマレートは、有効性と効率との最適な組み合わせを示し、1重量%より小さい濃度において極めて速い表面形成速度(20b/s)で40ダイン/cmより小さい表面張力の減少を示す。C4ジアルキルマレートのうち、第1アルコールからつくられるものが好ましく、末端分枝を有するものが最も好ましい。
【0051】
全般的に見て、C3〜C5アルキル基を含むジアルキルマレートは、小さい表面形成速度(0.1b/s)で38ダイン/cmより小さい限界動的表面張力値および大きな表面形成速度(20b/s)で50ダイン/cmより小さい限界動的表面張力値を示す。特に、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレートおよびジ(2−メチルブチル)−DL−マレートは動的表面張力を減少するのに極めて効率的である。この特徴は3.52、3.86および3.47のこれらの化合物についてのそれぞれのpC20値によって明らかになる。加えて、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレートおよびジ(2−メチルブチル)−DL−マレートの効率の高さは、比較的大きな表面形成速度(6b/s)で42ダイン/cmより小さい表面張力を維持できるこれらの界面活性剤の組成0.1重量%に関する表面張力データによって明らかになる。対照的に、ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートは極めて有効ではあるが極めて効率的ではない界面活性剤である。ジイソプロピル−(S)−(−)−マレートは極めて速い速度(20b/s)で表面張力を34ダイン/cmより小さく保つことができるが、C4ジアルキルマレート(実施例12〜14)の0.1〜0.5重量%組成物およびC5ジアルキルマレート(実施例15〜17)の0.05〜0.1重量%溶液に関して得られる似た値まで表面張力を低下するのに5重量%の界面活性剤が必要である。対照的にC4ジアルキルマレートは十分な有効性(つまり動的表面張力の減少)とともに妥当な効率(つまり使用水準)を与える。例えば、ジイソブチル−DL−マレートは、測定された最大の表面形成速度(20b/s)であってさえ、36ダイン/cmより小さい限界表面張力を維持することができる。さらに、この値はあらゆる気泡速度について狭い表面張力範囲をカバーする。従って、C4アルキル基は十分な表面活性(つまり効率)を物質に与えるのに最適な炭素を有するが、表面張力を減少させる物質の能力が特定の応用にとって不十分である(つまり有効性)程度まで溶解度を減少させるのに十分な炭素は有さない。
【0052】
アルキル鎖中の炭素原子の数に加えて、アルキル鎖の構造は本発明のリンゴ酸ジエステル界面活性剤の特性に対して予測できない影響を有することが認められた。特に、アルキル鎖の末端にある分枝はジアルキルマレート界面活性剤の効率および有効性をともに向上させることが分かったが、酸素原子がアルキル基の内部の位置に結合すると界面活性剤の性能にマイナスの影響を与えることが分かった。例えば、ジイソブチル−DL−マレート中に存在する末端分枝は、ジブチル−DL−マレートと比べると、20b/sで3.3ダイン/cmの限界表面張力の低下をもたらす。加えて、0.1重量%のC4ジアルキルマレートを含有する水性組成物について示された最大の表面張力は、第2アルコールからつくられたジ−第2−ブチル−DL−マレートについて認められた。同一の数の炭素原子を含有するジアルキルマレートの性能のこのような差異は技術上知られていることからは予期されない。従って、本発明に適合するジアルキルマレートに関しては、末端位置に結合した酸素原子を含むアルキル基を有するものが特に応用可能であり、末端分枝を含むものが好ましく、水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用処方物を含む水をベースとする有機化合物中の水の表面張力を減少させるのにイソブチル基が最も好ましい。しかしながら、究極的には、ジアルキルマレートの選定は応用の仕方に関係する。
【0053】
実施例21〜30
ASTM D 1173-53を基礎とする手順を用いて、本発明のジアルキルマレート界面活性剤の0.1重量%溶液の発泡特性を調べた。この試験では、界面活性剤の0.1重量%溶液を、高い所にある泡沫ピペットから、同じ溶液の入った泡沫受容器に滴加した。添加終了時に泡沫の高さ(『初期泡沫高さ』)を測定し、空気−液体界面で泡沫が消散するのに要する時間『泡沫ゼロまでの時間』を記録した。この試験により、種々の界面活性剤溶液の発泡特性の間の比較がなされる。一般に、泡沫は取り扱いを複雑にし、塗装および印刷の欠陥を生じ、農業用物質の施用を非効率にするので、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用処方物においては、泡沫は好ましくない。
【0054】
【表2】
【0055】
上記に説明したように、泡沫を抑制する能力は、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューション、農業用処方物、石鹸、洗剤、食品加工剤などを含む多くの応用に有利である。マレートジエステルに対する結果を表2に示す。コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物中で慣用の界面活性剤を使用することの欠点は、これらの系内に持続性のある泡沫がかなりの量形成されることである。このような応用の場合、界面活性剤がほとんど発泡せず、生成する泡沫が迅速に消散するのが望ましい。表2のデータは本発明の化合物は極めて僅かしか発泡せず、またははっきりとは発泡しないこと、生成する泡沫が迅速に消散することを示す。さらに、これらの物質は最初すべて、より少ない泡沫を生成し、多くが現在の技術より迅速に壊れる泡沫を生成する。驚くべきことに、線状アルキル基および第2アルコールからつくられるものは、同数の炭素原子および、末端分枝のあるアルキル基を含むこれらの相対物より多くの初期泡沫を発生し、より長く持続する泡沫を発生する。従って、末端分枝を含むリンゴ酸ジエステル界面活性剤、特にジイソブチル−DL−マレートおよびジイソアミルーDL−マレートが低発泡性界面活性剤として好ましい。全般的に見て、これらの物質は有機物を含有する水性組成物の表面張力を低下させるそれらの能力に加えて、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物にそれらを使用することに関して望ましい泡沫特性を有する。
【0056】
実施例31〜41
種々のジアルキルマレート(ジイソプロピル−(S)−(−)−マレート、ジブチル−DL−マレート、ジイソブチル−DL−マレート、ジ−第2−ブチル−DL−マレート、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレート、ジ(2−メチルブチル)−DL−マレート、ジヘキシル−DL−マレート、ジ(4−メチル−2−ペンチル)−DL−マレートおよびジベンジル−DL−マレート)の究極的な生分解性を表3に示す。これらの化合物の生分解性の評価はCarbonaceous Biological Demand試験を用いて5日目(CBOD5)および28日目(CBOD28)に実施した。試験試料を秤量し、目標の全有機炭素(TOC)を100mg/LとするようにMilli-Q水中に溶解した。これらの溶液について、完全な酸化の指標またはUltimate Biological Oxygen Demand(UBOD)として化学的酸素要求量(COD)を測定した。調製されたこれらの試料を、本発明の化合物に馴化されていないEastonのPA Wastewater Treatment Plantからのバイオマス種子を使用して5日目および28日目のCBOD試験において、三重に重複した操作を行った。再現性を確認するために各化合物についてそれぞれの測定(5日目および28日目のCBOD)を3回実施した。5日目および28日目のCBOD試験の結果を、対応する各溶液に関するCODの結果によって除し、生分解性百分率を算出するために100を乗じた。バイオマスの健全性をチェックするために、容易に生分解するグルコース/グルタミン酸溶液をポジティブコントロールとして試験した。これは、Standard Methodsに示されているBOD試験にとって好ましいコントロールであった。試験に関する検出限界(24mg/L未満または生分解率8%未満)に達しない極めて低い生分解率を示す実施例を表3では分解率0%と記載した。
【0057】
生分解性が極端である化合物の場合、馴化されていないバイオマスを使用する時でさえ、CBOD5測定において通常大きな生分解百分率が認められる。他の化合物は分解する有機体が試験物質を食料源として利用する酵素系を生じるのにより長い期間を必要とする。これらの化合物については、28日目により大きな酸素必要量が認められた。28日後の生分解性が大きい(つまり60%より大きい)化合物は容易に生分解されると考えられる。
【0058】
これらの検討の結果により、ジブチル−DL−マレート、ジイソブチル−DL−マレート、ジペンチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレート、ジ(2−メチルブチル)−DL−マレート、ジヘキシル−DL−マレートおよびジベンジル−DL−マレートはすべて、馴化されていないバイオマスを使用するCBOD5試験においてわずか5日後に顕著な生分解性を発揮することを示す。驚くべきことに、末端位置に結合する酸素原子を含むこれらのジアルキルマレートは、アルキル基の内部の位置に結合する酸素原子を対応するマレートよりかなり大きい生分解百分率を示した。例えば、ジイソプロピル−(S)−(−)−マレート、ジ−第2−ブチル−DL−マレートおよびジ(4−メチル−2−ペンチル)−DL−マレートは5日後に0〜3%しか分解しなかったが、ジイソブチル−DL−マレート、ジイソアミル−DL−マレートおよびジ(2−メチルブチル)−DL−マレートはわずか5日後にかなりの程度(つまり13〜39%)の生分解性を示した。
【0059】
28日後、分枝の著しいジ(4−メチル−2−ペンチル)マレートを除いてすべてのマレートは60%より多く分解した。ジ(4−メチル−2−ペンチル)マレートについて測定した生分解率が低いため、この化合物は生分解性のより大きな本発明のマレートほど好ましくない。全般的に見て、アルキル鎖がより短いマレートは、28日後、鎖のより長いマレートより分解した。この効果はアルキル鎖の長さが大きくなるにつれ溶解度が減少することによる。鎖のより長い(つまりC5より大きい)マレートのうち、線状アルキル基を有するマレートはより容易に分解した。これらのデータから、ジ(4−メチル−2−ペンチル)マレートは別として、すべてのマレート界面活性剤が容易に分解されると結論することができる。加えて、すべてのマレートが28日間でかなりの程度まで分解したので、これらの化合物は自然の環境で持続したり、または生物に蓄積したりしないと期待される。さらに、本発明の物質のために用いられる試験は極めて厳格な生分解性スクリーニング試験であり、期間のより長い試験、つまり馴化されたバイオマスを使用し、保守が十分な廃水処理プラントの条件下での試験の場合、生分解の程度がより大きい可能性があることが強調されるべきである。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
平衡条件および動的条件の双方の下で表面張力を低下させる、水性系中の界面活性剤の能力は、水をベースとするコーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物の性能において重要性が大きい。低い平衡表面張力は、施用後に優れた特性が生まれることを可能にする。低い動的表面張力は動的施用条件の下での濡らしおよび広がりを増大させることになり、その結果、処方物の使用がより効率的になり、欠陥が少なくなる。水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物では、取り扱いを複雑にし、欠陥を生じるか、または施用を非効率的にする結果を生むので、泡沫の形成は一般に好ましくない。さらに、産業界には環境に優しい界面活性剤の開発についてかなりの関心がある。この結果、この新規な一群の界面活性剤は、上記した所望の性能特性を有するだけでなく、天然にある化合物またはその合成的な同等物から誘導もされ、生分解が容易なことのような好ましい環境特性を有することが本発明にとって必須である。さらに、良好な平衡表面張力特性および動的表面張力特性を示すこの新規な一群の界面活性剤は、低発泡性であり、取り扱いを容易にするために低粘度の液体でもあり、色および匂いが少ないという特徴を有するのが好ましい。
【0063】
多くの応用でジアルキルマレートを検討してきたが、その役割は界面活性剤そのものに止まらないように思われる。特に、鎖が比較的短いジアルキルマレートに由来する界面活性は先行技術からは自明でない。実際、水性の媒体中の短鎖ジアルキルマレートには多くの例がない。先行技術から特に明白でない特性は、ジアルキルマレートが、表面形成速度が大きい条件下で水性混合物の表面張力を減少させるのに示す顕著な動的特性であり、この性能が、C3〜C5アルキル基を含むリンゴ酸エステルの場合特に良好であり、またC4アルキル基を含むリンゴ酸エステルで特に良好であることである。さらに、アルキル基の末端分枝が界面活性剤の効率および有効性をともに増大させ、第1アルコールからつくられるジアルキルマレートが第2アルコールからつくられるものより性能が良いこと、そしてイソブチルアルキル基がこのような特性の最適な組み合わせを生むことは先行技術から予期されない。
【0064】
高速度の施用条件下で満足な性能を得るためには、動的条件下での表面張力の低下および低発泡をともに示す界面活性剤が必須である。これらのリンゴ酸エステル界面活性剤は予想外に低発泡性である。加えて、これらのジアルキルマレートの多くは容易に生分解する。この特性は、動的表面張力を減少させる独特な能力、低い発泡性そして、色が少なく、匂いが少なくまた粘度が低いといった望ましい物理的特徴と組み合わされて、コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物を含む種々の水性組成物に特に好適である新規な一群の界面活性剤のクラスを与える。
【0065】
【産業上の応用に関する言及 】
本発明は水性コーティング、インキ、接着剤、ファウテンソリューションおよび農業用組成物の平衡表面張力および動的表面張力を減少させるのに好適な組成物を提供する。
Claims (19)
- R1およびR2が同一である請求項1に記載の方法。
- R1およびR2がC4アルキル基である請求項2に記載の方法。
- R1およびR2がC5アルキル基である請求項2に記載の方法。
- アルキル基が末端に分枝を有する請求項2に記載の方法。
- アルキル基がイソブチルである請求項2に記載の方法。
- アルキル基がn−ブチルである請求項2に記載の方法。
- エステルが第1アルコールから誘導される請求項5に記載の方法。
- R1およびR2がC4アルキル基である請求項9に記載の水性組成物。
- R1およびR2がC5アルキル基である請求項9に記載の水性組成物。
- アルキル基が末端に分枝を有する請求項9に記載の水性組成物。
- エステルが第1アルコールから誘導される請求項12に記載の水性組成物。
- アルキル基がイソブチルである請求項9に記載の水性組成物。
- アルキル基がn−ブチルである請求項9に記載の水性組成物。
- 0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹脂またはこれらの混合物、
0〜80重量%の着色顔料、エクステンダー顔料、防食顔料、他の種類の顔料またはこれらの混合物、
5〜99.9重量%の水性、水分散性または水溶性の樹脂またはこれらの混合物、
0〜30重量%の滑動添加剤、殺微生物剤、処理助剤、消泡剤またはこれらの混合物、
0〜50重量%の溶媒、
0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤、流動ならびに平坦化剤またはこれらの混合物、および
0.01〜20重量%のマレートジエステル
からなる成分を含むコーティング組成物を水性媒体中に30〜80重量%含有する水性の有機コーティング組成物である請求項9に記載の組成物。 - 1〜50重量%の顔料、
0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹脂またはこれらの混合物、
0〜50重量%の樹脂溶液ビヒクル中の粘土塩基、
5〜99重量%の水性、水分散性または水溶性の樹脂またはこれらの混合物、
0〜30重量%の溶媒、
0.01〜10重量%の処理助剤、消泡剤、可溶化剤またはこれらの混合物、
0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤またはこれらの混合物、および
0.01〜20重量%のマレートジエステル
からなる成分を含むインキ組成物を水性媒体中に20〜60重量%含有する水性のインキ組成物である請求項9に記載の組成物。 - 0.05〜10重量%のフィルム形成性で水溶性の巨大分子、
1〜25重量%の水溶性であるか水溶性化されうる炭素原子が2〜12個のアルコール、グリコールまたはポリオール、
0.01〜20重量%の水溶性有機酸、無機酸またはこれらの塩、
30〜70重量%の水、および
0.01〜5重量%のマレートジエステル
からなる成分を含む水性湿し水組成物である請求項9に記載の組成物。 - 50〜99重量%のポリマー性樹脂、
0〜50重量%の粘着化剤、
0〜0.5重量%の消泡剤、および
0.5〜2重量%のマレートジエステル
からなる成分を含む接着剤組成物を水性媒体中に30〜65重量%含有する水性の接着剤組成物である請求項9に記載の組成物。
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