JP4229355B2 - 電子楽器のパラメータ設定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器にパラメータを設定するためのパラメータ設定装置に関し、特にパラメータ設定操作の操作性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音量値、音色番号、リズム番号といったパラメータを電子楽器に設定するパラメータ設定装置が知られている。このパラメータ設定装置は、一般に、パラメータ入力スイッチとパラメータ表示器とから構成されている。パラメータ入力スイッチはパラメータを設定するための操作子であり、例えばアップスイッチとダウンスイッチとから構成されるアップダウンスイッチ、インクリメンタ、ベンダーホイール等が実用化されている。また、パラメータ表示器は、パラメータ入力スイッチで入力されたパラメータ値を表示する。
【0003】
以下、パラメータ入力スイッチとしてアップダウンスイッチが採用されたパラメータ設定装置について説明する。このパラメータ設定装置では、アップスイッチが単発的に押されると現在のパラメータ値が+1だけ増加される。一方、所定時間以上押し続けられると現在のパラメータ値から連続的に増加される。この場合、パラメータ値が増加する速度は、一定であったり、又は押し続ける時間の経過に連れて早くなるように制御される。
【0004】
同様に、ダウンスイッチが単発的に押されると現在のパラメータ値が−1だけ減少される。一方、所定時間以上押し続けられると現在のパラメータ値から連続的に減少される。この場合、パラメータ値が減少する速度は、一定であったり、又は押し続ける時間の経過に連れて早くなるように制御される。以上のような構成により、現在のパラメータ値から離れたパラメータ値を設定する場合に、迅速な設定ができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパラメータ設定装置は、以下のような問題がある。即ち、パラメータ入力スイッチを所定時間以上押し続けた場合に、一定のスピードでパラメータ値が変化するパラメータ設定装置では、現在値から目標値に到達するまでに時間がかかる。一方、押し続ける時間の経過に連れて変化する速度が早くなるパラメータ設定装置では、目標値を通り過ぎてしまうことが多いのでパラメータ入力スイッチを操作して目標値に戻す必要がある。この場合、操作するスイッチを変更する必要があり、その操作が煩わしいという問題がある。
【0006】
例えば、現在値が「50」、目標値が「97」であって、パラメータ値の可変範囲が「0〜100」である場合に、アップスイッチを押し続けるとパラメータ値は「50」から徐々に変化速度を上げながら変化する。従って、目標値である「97」で停止することは困難であり、多くの場合「100」まで至ってしまう。この場合は、その後にダウンスイッチを単発的に3回操作して目標値の「97」まで戻すという操作が必要である。
【0007】
また、アップスイッチ及びダウンスイッチを備えたパラメータ設定装置には、可変範囲の最大値まで増加されると最小値にラウンドし、逆に、最小値まで減少されると最大値にラウンドするものも知られている。この場合、上記の例でいうと、アップスイッチを押し続けることによりパラメータ値は「50」から徐々に変化速度を上げながら変化し、目標値である「97」を通過し、更に最大値である「100」をもラウンドして最小値の近傍の値になることがある。この場合は、ダウンスイッチの操作回数も多くなり、パラメータの設定に時間がかかる。
【0008】
更に、アップスイッチ及びダウンスイッチの何れか一方のみを備えたパラメータ設定装置も知られている。このアップスイッチのみを備えたパラメータ設定装置では、可変範囲の最大値まで増加されると最小値にラウンドし、逆に、ダウンスイッチのみを備えたパラメータ設定装置では、最小値まで減少されると最大値にラウンドする。図14は、アップスイッチのみを備え、且つ一定のスピードでパラメータ値が変化するパラメータ設定装置の動作例を示す。
【0009】
このようなパラメータ設定装置では、目標値が現在の設定値より僅かに小さい場合(アップスイッチを備えたパラメータ設定装置)又は目標値が現在の設定値より僅かに大きい場合(ダウンスイッチを備えたパラメータ設定装置)に、目標値を通過してしまうと更に一周させなければならず、パラメータ値を所望値に設定するのが難しいという問題がある。特に、パラメータ値の変化速度を上げるように動作するパラメータ設定装置では目標値を通過してしまうことが多く、パラメータ設定操作が難しいという問題がある。
【0010】
本発明は、上述した諸問題を解消するためになされたもので、パラメータの設定を容易に行うことのできる電子楽器のパラメータ設定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパラメータ設定装置は、上記目的を達成するために、パラメータの現在値を記憶する現在値記憶手段と、前記現在値記憶手段に記憶されているパラメータの現在値を変化させるためのパラメータ入力スイッチと、前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたことが判断された場合に、前記現在値記憶手段内の現在値を第1速度で連続的に変化させる速度制御手段と、前記速度制御手段によって第1速度で連続的に変化されている前記現在値記憶手段内の現在値が所定範囲の値になった場合に、前記現在値記憶手段内の現在値が前記第1速度より遅い第2速度で連続的に変化するように変更させる速度変更手段、とを備えている。
【0012】
この場合、前記パラメータは最小値から最大値までの範囲でのみ変化可能に構成し、前記所定範囲は、前記最大値から該最大値より小さい第1の値までの範囲及び前記最小値から該最小値より大きい第2の値までの範囲の少なくとも一方であるように構成できる。また、前記パラメータは最小値から最大値までの範囲で、前記最小値及び前記最大値をラウンドして変化可能に構成し、前記所定範囲は、前記最大値より小さい第1の値から前記最小値より大きい第2の値までの範囲であるように構成できる。これらの場合、パラメータ入力スイッチは、前記パラメータを増加させるアップスイッチと前記パラメータを減少させるダウンスイッチとから構成できる。
【0013】
また、このパラメータ設定装置におけるパラメータ入力スイッチを、前記パラメータを増加させるアップスイッチ又は前記パラメータを減少させるダウンスイッチから構成し、前記パラメータは最小値から最大値までの範囲で、前記最小値及び前記最大値をラウンドして変化可能であり、前記所定範囲は、前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値より小さい第1の値から前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値までの範囲であるように構成できる。
【0014】
上記のパラメータ設定装置は、前記所定時間として任意の値を設定するための入力手段を更に備えるように構成できる。また、前記第1速度及び第2速度を規定する値として任意の値を入力するための入力手段を更に備えるように構成できる。更に、前記所定範囲を規定する値として任意の値を入力するための入力手段を更に備えるように構成できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子楽器のパラメータ設定装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、パラメータ設定装置は電子楽器に組み込まれているものとする。従って、本発明の理解を容易にするために、電子楽器の全体の構成及び動作をも含めて説明する。なお、各実施の形態で同一又は相当部分には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。この電子楽器は、システムバス26で相互に接続された中央処理装置(以下、「CPU」という)10、プログラムメモリ11、ワークメモリ12、キースキャン回路13、パネルスキャン回路14及び楽音発生部15から構成されている。システムバス26は、上記各構成要素の間でアドレス信号、データ信号又は制御信号等を送受するために使用される。
【0017】
CPU10は、プログラムメモリ11に記憶されている制御プログラムに従って電子楽器の全体を制御する。このCPU10による制御の内容は、後にフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0018】
プログラムメモリ11は、例えばリードオンリメモリ(ROM)から構成されており、上述した制御プログラムの他に、CPU10が使用する種々の固定データを記憶している。
【0019】
ワークメモリ12は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)で構成され、この電子楽器で処理が行われる際に、種々のデータが一時記憶される。このワークメモリ12には、電子楽器を制御するための各種レジスタ、フラグ、カウンタ等が定義されている。各種レジスタには、パラメータの現在値を記憶する現在値レジスタ、音量の現在値を記憶する音量レジスタ、現在選択されている音色番号を記憶する音色番号レジスタ、現在選択されているリズム番号を記憶するリズム番号レジスタ、新パネルデータレジスタ、旧パネルデータレジスタ、識別ナンバレジスタ等が含まれる。
【0020】
また、フラグには、所定時間以上連続して操作されたかどうかを示すタイムフラグTMFLGが含まれる。また、カウンタには、連続して操作された時間を計数するためのタイムカウンタTMCNT、ウェイト時間を計数するウエイトカウンタWTCNTが含まれる。
【0021】
キースキャン回路13には複数の鍵を有する鍵盤装置20が接続されている。この鍵盤装置20は、押鍵によって発音を指示し、離鍵によって消音を指示するために使用される。この鍵盤装置20としては、例えば、異なる押圧深さでそれぞれオンになる第1キースイッチSW1及び第2キースイッチSW2を各鍵に備えた2接点方式の鍵盤装置を用いることができる。
【0022】
このキースキャン回路13は、CPU10からの指令に応答して鍵盤装置20上の各キースイッチをスキャンする。そして、このスキャンにより得られた各キースイッチの開閉状態を示す信号に基づいて各鍵を1ビットに対応させたキーデータ及び押鍵の早さを示すタッチデータを作成する。これらのキーデータ及びタッチデータは、システムバス26を介してCPU10に送られる。
【0023】
パネルスキャン回路14には操作パネル21が接続されている。この操作パネル21には、パラメータ入力スイッチ30及びパラメータ表示器31が含まれる。パラメータ入力スイッチ30は、例えば図2(A)に示すような、アップスイッチUPとダウンスイッチDOWNとから構成されるアップダウンスイッチによって構成されている。
【0024】
アップスイッチUPは、パラメータ値を増加させるために使用される。このアップスイッチUPが単発的に押されると現在値レジスタに格納されている現在のパラメータ値が「+1」だけ増加され、所定時間以上押し続けられると現在のパラメータ値から連続的に増加される。また、ダウンスイッチDOWNは、パラメータ値を減少させるために使用される。このダウンスイッチDOWNが単発的に押されると現在値レジスタに格納されている現在のパラメータ値が「−1」だけ減少され、所定時間以上押し続けられると現在のパラメータ値から連続的に減少される。このようにして変更された現在値レジスタの内容がパラメータ、例えば音量値、音色番号、リズム番号等として使用される。
【0025】
パラメータ表示器31はLEDやLCDで構成されており、上記現在値レジスタの内容を表示する。従って、ユーザはこのパラメータ表示器31を見ながらパラメータ入力スイッチ30(アップスイッチUP及びダウンスイッチDOWN)を操作することにより、パラメータを所望の値に設定することができる。
【0026】
なお、バッファ入力スイッチ30としては、図2(B)に示すようなインクリメンタスイッチ、図2(C)に示すようなベンダーホイール等を用いることもできる。また、実際の電子楽器に設けられる操作パネルには、上記以外に、種々のパネルスイッチ、これらパネルスイッチの設定状態を表示するLED表示器等が設けられているが図示を省略してある。
【0027】
パネルスキャン回路14は、CPU10からの指令に応じて操作パネル21の各スイッチをスキャンする。そして、このスキャンにより得られた各スイッチの開閉状態を示す信号に基づいて、各スイッチを1ビットに対応させたパネルデータを作成する。各ビットは、例えば「1」でオン、「0」でオフ状態を表す。このパネルデータは、システムバス26を介してCPU10に送られ、パネルイベントが発生したかどうかを判断するために使用される。また、このパネルスキャン回路14は、操作されることによりイベントが発生したスイッチの識別ナンバを生成する。これらパネルデータ及び識別ナンバは、システムバス26を介してCPU10に送られる。また、パネルスキャン回路14は、CPU10から送られてきた表示データをパラメータ表示器31に送る。これにより、CPU10から送られてきた現在値レジスタの内容がパラメータ表示器31に表示される。
【0028】
楽音発生部15は、CPU10からの指示に応答してデジタル楽音信号を発生する。この楽音発生部で発生されたデジタル楽音信号は、D/A変換部22に送られる。D/A変換部22は、受け取ったデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換してアナログ信号処理部23に送る。アナログ信号処理部23は、アナログ楽音信号に例えば音響効果信号を付加して増幅器24に送る。増幅器24は、アナログ信号処理部23からの信号を増幅してスピーカ25に送る。これにより、スピーカ25から楽音が発生される。
【0029】
次に、以上のように構成される電子楽器において、パラメータを設定する場合の操作を説明する。
【0030】
ユーザは、先ず、電子楽器に通常備えられているモード設定機能を用いて、電子楽器の動作モードをパラメータ設定モードに移行させる。このパラメータ設定モードに入ると、ユーザは、操作パネル21上の図示しないスイッチを操作して設定しようとするパラメータの種類、例えば、音量、音色番号、リズム番号等の中から1つを選択する。今、音量が選択されたとすると、音量レジスタの内容が現在値レジスタにコピーされる。
【0031】
この状態でパラメータ入力スイッチ30が操作されると、その操作に応答して現在値レジスタの内容が増減され、その増減結果がパラメータ表示器31に表示される。そして、パラメータ入力スイッチ30が一定時間以上操作されないと、その時点で現在値レジスタに格納されているパラメータの現在値が音量レジスタに格納され、パラメータ設定操作が完了する。
【0032】
次に、上記のように構成された、本発明の実施の形態1に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器の動作を図3〜図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。なお、この実施の形態1に係るパラメータ設定装置では、パラメータは、最小値MINである「0」から最大値MAXである「100」までの範囲で変化するものとする。また、準最大値NMAXとして「90」が、準最小値NMINとして「10」がそれぞれ規定されているものとする。なお、これら最小値MIN、最大値MAX、準最大値NMAX及び準最小値NMINは、このパラメータ設定装置で設定可能なパラメータの各1つとして、ユーザがパラメータ入力スイッチ30を用いて任意に設定するように構成できる。
【0033】
(1)メイン処理
図3は本発明の実施の形態1に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理ルーチンは電源の投入により起動される。電源が投入されると、先ず、イニシャライズが行われる(ステップS10)。このイニシャライズでは、CPU10の内部のハードウエアが初期状態に設定されると共に、ワークメモリ12に定義されているレジスタ、カウンタ、フラグ等に初期値が設定される。
【0034】
このイニシャライズが終了すると、次いで、パネルスイッチのイベントが検出されたかどうかが調べられる(ステップS11)。即ち、CPU10は、パネルスキャン回路14からパネルデータ(以下、「新パネルデータ」という)を取り込み、新パネルデータレジスタに格納する。次いで、この新パネルデータと、前回にステップS11で取り込まれて既に旧パネルデータレジスタに記憶されているパネルデータ(以下、「旧パネルデータ」という)との排他的論理和をとってパネルイベントマップを作成する。このパネルイベントマップがゼロであればパネルスイッチイベントは検出されなかったものと、そうでなければパネルスイッチイベントが検出されたものとそれぞれ判断される。
【0035】
ここで、パネルスイッチイベントが検出されると、パネルスイッチイベントに対応するパネルスイッチに割り当てられている機能を実現するためのパネルスイッチイベント処理が実行される(ステップS12)。このパネルスイッチイベント処理の詳細は後述する。一方、上記ステップS11でパネルスイッチイベントが検出されなければ、ステップS12の処理はスキップされる。
【0036】
次いで、「その他の処理」が行われる(ステップS13)。この「その他の処理」では、鍵盤装置20の操作に基づいて生成されたキーデータ及びタッチデータに応じた発音処理及び消音処理、外部からの受信されたMIDIデータに応じたMIDI処理、自動演奏処理等が行われる。その後、シーケンスはステップS11に戻り、以下ステップS11〜S13の処理が繰り返される。この繰り返し実行の過程で、操作パネル21の操作、鍵盤装置20の操作、MIDIデータの受信といったイベントが発生すると、それらのイベントに応じた処理が行われ、以て電子楽器としての各種機能が発揮される。
【0037】
(2)パネルスイッチイベント処理
次に、上記メイン処理ルーチンのステップS12で行われるパネルスイッチイベント処理の詳細を、図4に示したフローチャートを参照しながら説明する。このパネルスイッチイベント処理では、先ず、操作パネル21から送られてくる識別ナンバが識別ナンバレジスタに格納される(ステップS20)。
【0038】
次いで、識別ナンバレジスタの内容がパネル入力スイッチ30に割り当てられた識別ナンバ、つまりアップスイッチUPの識別ナンバ又はダウンスイッチDOWNの識別ナンバであるかどうかが調べられる(ステップS21)。ここで、識別ナンバレジスタの内容がパネル入力スイッチ30に割り当てられた識別ナンバであることが判断されると、後述するパラメータ入力処理が行われ(ステップS22)、その後、シーケンスはステップS23に分岐する。一方、識別ナンバレジスタの内容がパネル入力スイッチ30に割り当てられた識別ナンバでないことが判断されると、その他のスイッチ処理が行われる(ステップS23)。この「その他のスイッチ処理」では、パラメータ入力スイッチ30以外のパネルスイッチ、例えば音色選択スイッチ、リズム選択スイッチ等のイベントに対する処理が行われる。その後、シーケンスはメイン処理ループにリターンする。
【0039】
(3)パラメータ入力処理
次に、上記パネルスイッチイベント処理ルーチンのステップS22で行われるパネル入力処理の詳細を、図5〜図8に示したフローチャートを参照しながら説明する。このパラメータ入力処理では、先ず、識別ナンバレジスタの内容がアップスイッチUPに割り当てられた識別ナンバであるかどうかが調べられる(ステップS30)。
【0040】
ここで、識別ナンバレジスタの内容がアップスイッチUPに割り当てられた識別ナンバであることが判断されると、以下、アップスイッチUPのイベントに対する処理が実行される。即ち、先ず、現在値レジスタの値Pがインクリメント(+1)される(ステップS31)。このステップS31では、インクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、連続操作判定処理が行われる(ステップS32)。この連続操作判定処理では、アップスイッチUPが所定時間連続して押されたかどうかが判定され、連続して押されたことが判定された場合はタイムフラグTMFLGが「1」にセットされ、そうでない場合はタイムフラグTMFLGが「0」にセットされる。
【0041】
ここで、上記連続操作判定処理の詳細を図7のフローチャートを参照しながら説明する。この連続操作判定処理では、先ず、タイムフラグTMFLGが「0」にセットされると共に、タイムカウンタTMCNTの内容が「0」にクリアされる(ステップS50)。次いで、タイムカウンタTMCNTの内容がインクリメント(+1)される(ステップS51)。
【0042】
次いで、タイムカウンタTMCNTの内容が「50」より小さいかどうかが調べられ(ステップS52)、小さいことが判断されると、スイッチオフイベントが発生したかどうかが調べられる(ステップS54)。ここで調べられるスイッチは、この連続操作判定処理がステップS32からコールされた場合はアップスイッチUPであり、後述するステップS41からコールされた場合はダウンスイッチDOWNである。また、タイムカウンタTMCNTの内容と比較する値「50」はパラメータ入力スイッチが連続して押されたことを判定する時間を決定するための値である。このタイムカウンタTMCNTの内容と比較する値は「50」に限らず、CPU10の処理速度を勘案して任意に決定できる。このタイムカウンタTMCNTの内容と比較する値は、このパラメータ設定装置で設定可能なパラメータの1つとして、ユーザがパラメータ入力スイッチ30を用いて任意に設定するように構成できる。
【0043】
上記ステップS54でスイッチオフイベントがないことが判断されると、シーケンスはステップS51に戻り、以下、ステップS51→S52→S54を繰り返し実行する。そして、上記ステップS54でスイッチオフイベントがあることが判断されると、所定時間の間にアップスイッチUP又はダウンスイッチDOWNが離されたことが認識され、タイムフラグTMFLGが「0」にクリアされる(ステップS55)。
【0044】
上記ステップS52で、タイムカウンタTMCNTの内容が「50」以上になったことが判断されると、所定時間の間にアップスイッチUP又はダウンスイッチDOWNが離されなかったことが認識され、タイムフラグTMFLGが「1」にセットされる(ステップS53)。その後、シーケンスはパラメータ入力処理ルーチンにリターンする。
【0045】
パラメータ入力処理ルーチンでは、次いで、タイムフラグTMFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS33)。ここで、タイムフラグTMFLGが「0」であることが判断されると、アップスイッチUPが単発的に押されたことが判断され、シーケンスはパネルスイッチイベント処理ルーチンにリターンする。これにより、パラメータ値が「1」だけ増加されてパラメータ設定処理が終了する。
【0046】
一方、上記ステップS33で、タイムフラグTMFLGが「1」であることが判断されると、アップスイッチUPが所定時間以上連続して操作されていることが認識され、現在値レジスタの値Pがインクリメント(+1)される(ステップS34)。このステップS34では、インクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、現在値レジスタの値Pが準最大値NMAXより小さいかどうかが調べられる(ステップS35)。
【0047】
ここで、現在値レジスタの値Pが準最大値NMAXより小さいことが判断されると、次いで、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなったかどうかが調べられる(ステップS37)。この場合、つまりシーケンスがステップS35からステップS37へ進む場合、ステップS37では、必ず現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくないことが判断されるので、次いで、アップスイッチUPのオフイベントがあるかどうかが調べられる(ステップS38)。
【0048】
ここでアップスイッチUPのオフイベントがないことが判断されるとシーケンスはステップS34に戻り、以下、ステップS34→S35→S37→S38の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は第1速度でインクリメントされる。上記ステップS34→S35→S37→S38の繰り返し実行の過程でステップS38でアップスイッチUPのオフイベントが発生したことが判断されると、シーケンスはパネルイベント処理ルーチンにリターンする。
【0049】
また、上記ステップS34→S35→S37→S38の繰り返し実行の過程でステップS35で、現在値レジスタの値Pが準最大値NMAX以上であることが判断されると、遅速化処理が実行される(ステップS36)。この遅速化処理では、一定時間だけシーケンスの進行が停止される。
【0050】
ここで、上記遅速化処理の詳細を図8のフローチャートを参照しながら説明する。この遅速化処理では、先ず、ウエイトカウンタWTCNTの内容が「0」にクリアされる(ステップS60)。次いで、ウエイトカウンタWTCNTの内容がインクリメント(+1)される(ステップS61)。次いで、ウエイトカウンタWTCNTの内容が「50」より小さいかどうかが調べられる(ステップS62)。ここで、ウエイトカウンタWTCNTの内容が「50」より小さいことが判断されると、シーケンスはステップS61に戻り、以下ステップS61とステップS62とを繰り返し実行する。
【0051】
そして、この繰り返し実行の過程で、ステップS62で、ウエイトカウンタWTCNTの内容が「50」以上になったことが判断されると、シーケンスはコールされたステップの次のステップ(この場合はパラメータ入力処理ルーチンのステップS37)にリターンする。以上の動作により、この遅速化処理ルーチンがコールされることにより所定時間だけシーケンスの進行が停止するという、所謂ウエイトがかけられることになる。なお、ウエイトカウンタWTCNTの内容と比較する値は「50」に限らず、CPU10の処理速度と必要なウエイト時間を勘案して任意に決定できる。ウエイトカウンタWTCNTの内容と比較する値は、このパラメータ設定装置で設定可能なパラメータの1つとして、ユーザがパラメータ入力スイッチ30を用いて任意に設定するように構成できる。
【0052】
パラメータ入力処理ルーチンでは、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなったかどうかが調べられる(ステップS37)。そして、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなければステップS38へ進む。以後は、ステップS34→S35→S36→S37→S38の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は上記第1速度より遅い第2速度でインクリメントされる。ステップS34→S35→S36→S37→S38の繰り返し処理の過程で、ステップS37で現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなったことが判断されると、シーケンスはパラメータスイッチイベント処理ルーチンにリターンする。従って、この実施の形態1では、アップスイッチUPの操作の結果、最大値MAXまで到達したら以後はアップスイッチUPが操作されてもパラメータ値は最大値MAXを保ったままである。
【0053】
上記ステップS30、識別ナンバレジスタの内容がダウンスイッチDOWNに割り当てられた識別ナンバであることが判断されると、以下、ダウンスイッチDOWNのイベントに対する処理が実行される。即ち、先ず、現在値レジスタの値Pがデクリメント(−1)される(ステップS40)。このステップS40では、デクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、連続操作判定処理が行われる(ステップS41)。この連続操作判定処理では、上述したように、ダウンスイッチDOWNが所定時間連続して押されたかどうかが判定され、連続して押されたことが判定された場合はタイムフラグTMFLGが「1」にセットされ、そうでない場合はタイムフラグTMFLGが「0」にセットされる。
【0054】
次いで、タイムフラグTMFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS42)。ここで、タイムフラグTMFLGが「0」であることが判断されると、ダウンスイッチDOWNが単発的に押されたことが判断され、シーケンスはパネルスイッチイベント処理ルーチンにリターンする。これにより、パラメータ値が「1」だけ減少されてパラメータ設定処理が終了する。
【0055】
一方、上記ステップS42で、タイムフラグTMFLGが「1」であることが判断されると、ダウンスイッチDOWNが所定時間以上連続して操作されていることが認識され、現在値レジスタの値Pがデクリメント(−1)される(ステップS43)。このステップS43では、デクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、現在値レジスタの値Pが準最小値NMINより大きいかどうかが調べられる(ステップS44)。
【0056】
ここで、現在値レジスタの値Pが準最小値NMINより大きいことが判断されると、次いで、現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくなったかどうかが調べられる(ステップS46)。この場合、つまりシーケンスがステップS44からステップS46へ進む場合、ステップS46では、必ず現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくないことが判断されるので、次いで、ダウンスイッチDOWNのオフイベントがあるかどうかが調べられる(ステップS47)。
【0057】
ここでダウンスイッチDOWNのオフイベントがないことが判断されるとシーケンスはステップS43に戻り、以下、ステップS43→S44→S46→S47の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は第1速度でデクリメントされる。上記ステップS43→S44→S46→S47の繰り返し実行の過程でステップS47でS43→S44→S46→S47のオフイベントが発生したことが判断されると、シーケンスはパネルイベント処理ルーチンにリターンする。
【0058】
また、上記ステップS43→S44→S46→S47の繰り返し実行の過程でステップS44で、現在値レジスタの値Pが準最小値NMINより大きいことが判断されると、遅速化処理が実行される(ステップS45)。この遅速化処理では、上述したように、一定時間だけシーケンスの進行が停止される。
【0059】
次いで、現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくなったかどうかが調べられる(ステップS46)。そして、現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくなければステップS47へ進む。以後は、ステップS43→S44→S45→S46→S47の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は上記第1速度より遅い第2速度でデクリメントされる。ステップS43→S44→S45→S46→S47の繰り返し処理の過程で、ステップS46で現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくなったことが判断されると、シーケンスはパラメータスイッチイベント処理ルーチンにリターンする。従って、この実施の形態1では、S43→S44→S45→S46→S47の操作の結果、最小値MINまで到達したら以後はダウンスイッチDOWNが操作されてもパラメータ値は最小値MINを保ったままである。
【0060】
以上説明したように、この実施の形態1に係るパラメータ設定装置によれば、パラメータ入力スイッチ30を押し続けることによりパラメータ値を第1速度で連続的に変更する際に、現在値レジスタに格納されているパラメータ値が、最大値MAXの近傍の値である準最大値NMAXより大きくなった場合及び最小値MINの近傍の値である準最小値NMINより小さくなった場合は、パラメータ値の変化速度を上記第1速度より遅い第2速度に変更するので、最大値MAX及び最小値MINの近辺のパラメータ値を設定する操作が容易になる。
【0061】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るパラメータ設定装置では、パラメータは、最小値MINである「0」から最大値MAXである「100」までの範囲で変化するが、アップスイッチUPを操作することにより現在値レジスタの内容が最大値MAXを越えた場合は最小値MINにラウンドし、ダウンスイッチDOWNを操作することにより現在値レジスタの内容が最小値MINを越えた場合は最大値MAXにラウンドするものとする。また、準最大値NMAXとして「90」が、準最小値NMINとして「10」がそれぞれ規定されることは上述した実施の形態1と同じである。
【0062】
この実施の形態2に係るパラメータ設定装置の構成は、実施の形態1に係るパラメータ設定装置の構成と同じである。また、この実施の形態2に係るパラメータ設定装置の動作は、パラメータ入力処理の動作が上述した実施の形態1と相違するだけであるので、以下では、相違する点だけを説明する。
【0063】
図9及び図10は、この実施の形態2に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートでは、図5に示したフローチャートにステップS39の処理が追加され、図10に示すフローチャートでは、図6に示したフローチャートにステップS48の処理が追加されている。
【0064】
アップスイッチUPのイベントに対する処理では、ステップS37で、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなったことが判断されると、最小値MINが現在値レジスタの値Pとして設定される(ステップS39)。その後、シーケンスはステップS38に分岐する。これにより、アップスイッチUPの操作の結果、最大値MAXまで到達したら最小値MINにラウンドする機能が実現されている。
【0065】
また、ダウンスイッチDOWNのイベントに対する処理では、ステップS46で、現在値レジスタの値Pが最小値MINに等しくなったことが判断されると、最大値MAXが現在値レジスタの値Pとして設定される(ステップS48)。その後、シーケンスはステップS47に分岐する。これにより、ダウンスイッチDOWNの操作の結果、最小値MINまで到達したら最大値MAXにラウンドする機能が実現されている。
【0066】
以上説明したように、この実施の形態2に係るパラメータ設定装置によれば、実施の形態1と同様の効果を奏する。また、可変範囲の最大値まで増加されると最小値にラウンドし、逆に、最小値まで減少されると最大値にラウンドするようなパラメータ設定装置であっても、従来のようにパラメータ入力スイッチの操作回数が多くなることがない。
【0067】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器は、アップスイッチUPだけを備えている。また、パラメータは、最小値MINである「0」から最大値MAXである「100」までの範囲で変化するが、アップスイッチUPを操作することにより現在値レジスタの内容が最大値MAXを越えた場合は最小値MINにラウンドする。
【0068】
この実施の形態3に係るパラメータ設定装置の構成は、パラメータ入力スイッチ30がアップスイッチUPだけで構成されていることを除き、実施の形態1に係るパラメータ設定装置の構成と同じである。
【0069】
また、この実施の形態3に係るパラメータ設定装置の動作は、パラメータ入力処理の動作が上述した実施の形態1と相違するだけであるので、以下では、相違する点だけを説明する。
【0070】
図11は、この実施の形態3に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャートである。
【0071】
このパラメータ入力処理では、先ず、ワークメモリ12に設けられたバッファBUFに現在値レジスタの値Pが格納される(ステップS70)。次いで、現在値レジスタの値Pがインクリメント(+1)される(ステップS71)。このステップS71では、インクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、連続操作判定処理が行われる(ステップS72)。この連続操作判定処理では、アップスイッチUPが所定時間連続して押されたかどうかが判定され、連続して押されたことが判定された場合はタイムフラグTMFLGが「1」にセットされ、そうでない場合はタイムフラグTMFLGが「0」にセットされる。
【0072】
次いで、タイムフラグTMFLGが「1」であるかどうかが調べられる(ステップS73)。ここで、タイムフラグTMFLGが「0」であることが判断されると、アップスイッチUPが単発的に押されたことが判断され、シーケンスはパネルスイッチイベント処理ルーチンにリターンする。これにより、パラメータ値が「1」だけ増加されてパラメータ設定処理が終了する。
【0073】
一方、上記ステップS73で、タイムフラグTMFLGが「1」であることが判断されると、アップスイッチUPが所定時間以上連続して操作されていることが認識され、現在値レジスタの値Pがインクリメント(+1)される(ステップS74)。このステップS74では、インクリメントされた値Pを操作パネル21のパラメータ表示器31に表示させる処理も行われる。次いで、上記インクリメントの結果、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくなったかどうかが調べられる(ステップS75)。
【0074】
ここで、現在値レジスタの値Pが最大値MAXに等しくないことが判断されるとシーケンスはステップS77へ進み、等しいことが判断されると、最小値MINが現在値レジスタの値Pとして設定される(ステップS76)。これにより、アップスイッチUPの操作の結果、最大値MAXまで到達したら最小値MINにラウンドする機能が実現されている。その後、シーケンスはステップS77に分岐する。
【0075】
上記ステップS77では、現在値レジスタの値PがバッファBUFに格納された値から所定値Xを減算した値BUF−X以上になったかどうかが調べられる(ステップS77)。ここで、値BUF−Xより小さいことが判断されると、シーケンスはステップS80へ分岐する。
【0076】
一方、上記ステップS77で、現在値レジスタの値Pが、値BUF−X以上であることが判断されると、次いで、現在値レジスタの値PがバッファBUFに格納された値より小さいかどうかが調べられる(ステップS78)。ここで、現在値レジスタの値Pが、バッファBUFに格納された値より小さいことが判断されると、シーケンスはステップS80へ進み、そうでないことが判断されると遅速化処理が実行される(ステップS79)。この遅速化処理では、上述したように、一定時間だけシーケンスの進行が停止される。その後、シーケンスはステップS80へ分岐する。
【0077】
ステップS80では、アップスイッチUPのオフイベントがあるかどうかが調べられる。ここでアップスイッチUPのオフイベントがないことが判断されるとシーケンスはステップS74に戻り、以下、現在値レジスタの値Pが、値BUF−XからバッファBUFに格納された値までの範囲にないときは、ステップS74→S75→S77→S78→S80の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は第1速度でインクリメントされる。
【0078】
一方、現在値レジスタの値Pが、値BUF−XからバッファBUFに格納された値までの範囲にあるときは、ステップS74→S75→S77→S78→S79→S80の処理が繰り返される。これにより、パラメータ値は上記第1速度より遅い第2速度でインクリメントされる。上記何れかの繰り返し実行の過程でステップS80でアップスイッチUPのオフイベントが発生したことが判断されると、シーケンスはパネルイベント処理ルーチンにリターンする。
【0079】
以上の処理により、図12に示すようなパラメータ変更速度の変化が実現される。即ち、アップスイッチUPを押すことによりその時点での現在値レジスタの値がバッファBUFに格納され、更にアップスイッチUPを所定時間押し続けると、パラメータ変更速度は早くなる。そしてパラメータ値は増加し続け、上限値に達したら下限値にラウンドし、現在値レジスタの値Pが、バッファBUFに格納された値から所定値Xを減算した値BUF−X以上になった時点でパラメータ変更速度は遅くなる。そして、この遅くなった第2速度でパラメータ値は増加し続け、アップスイッチUPを所定時間押し続けて現在値レジスタの値がバッファBUFに格納された値になると、再びパラメータ変更速度は早くなり、第1速度になる。
【0080】
更に具体的な例を、図13を参照して説明する。アップスイッチUPを押すことによりその時点での現在値レジスタの値「50」がバッファBUFに格納され、更にアップスイッチUPを所定時間押し続けると、パラメータ変更速度は早くなる。そしてパラメータ値は増加し続け、上限値「100」に達したら下限値「0」にラウンドし、現在値レジスタの値が、バッファBUFに格納された値「50」から例えば所定値「10」を減算した値「40」以上になった時点でパラメータ変更速度は遅くなる。そして、この遅くなった速度でパラメータ値は増加し続け、現在値レジスタの値がバッファBUFに格納された値「50」になると、再びパラメータ変更速度は早くなる。
【0081】
以上説明したように、この実施の形態3に係るパラメータ設定装置によれば、パラメータ入力スイッチ30を押し続けることによりパラメータ値を第1速度で連続的に変化させる際に、現在値レジスタに格納されているパラメータ値が、パラメータ設定操作を開始した時点でのパラメータ値より所定値だけ小さな値になった時に、パラメータ値の変化速度を上記第1速度より遅い第2速度に変更し、現在値レジスタに格納されているパラメータ値が、パラメータ設定操作を開始した時点でのパラメータ値より大きくなった時に、パラメータ値の変化を上記第2速度から第1速度に戻すようにしている。
【0082】
その結果、図13に示すように、目標値「47」が現在の設定値「50」より僅かに小さい場合であっても、目標値「47」の近傍ではパラメータ値の変化速度は遅いので、パラメータ値を目標値に設定する操作が容易になる。
【0083】
なお、この実施の形態3ではアップスイッチUPだけを備えているものとしたが、ダウンスイッチDOWNだけを備えるように構成してもよく、この場合も上記と全く同様の効果を奏する。
【0084】
また、上記所定値Xは、このパラメータ設定装置で設定可能なパラメータの各1つとして、ユーザがパラメータ入力スイッチ30を用いて任意に設定するように構成できる。
【0085】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、パラメータの設定を容易に行うことのできる電子楽器のパラメータ設定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1〜3に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した操作パネルの一例を示す図である。
【図3】図1に示した電子楽器のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した電子楽器のパネルスイッチイベント処理を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャート(その1)である。
【図6】図1に示した電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャート(その2)である。
【図7】図5及び図6の連続操作判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図5及び図6の遅速化処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャート(その1)である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャート(その2)である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るパラメータ設定装置が適用された電子楽器のパラメータ入力処理を示すフローチャートである。
【図12】図11に示したフローチャートによって実現される動作を説明するための図である。
【図13】図11に示したフローチャートによって実現される動作を、更に詳しく説明するための図である。
【図14】従来のパラメータ設定装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
10 CPU
11 プログラムメモリ
12 ワークメモリ
13 キースキャン回路
14 パネルスキャン回路
15 楽音発生部
20 鍵盤装置
21 操作パネル
22 D/A変換部
23 アナログ信号処理部
24 増幅器
25 スピーカ
26 システムバス
30 パラメータ入力スイッチ
31 パラメータ表示器
Claims (5)
- パラメータの現在値を記憶する現在値記憶手段と、
前記現在値記憶手段に記憶されているパラメータの現在値を増加させるためのパラメータ入力スイッチと、
前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたことが判断された場合に、前記現在値記憶手段内の現在値を第1速度で連続的に増加させる速度制御手段と、
前記速度制御手段によって第1速度で連続的に増加している前記現在値記憶手段内の現在値が所定範囲の値になった場合に、前記現在値記憶手段内の現在値が前記第1速度より遅い第2速度で連続的に増加するように変更させる速度変更手段とを備え、
前記パラメータの現在値は、最小値から最大値までの範囲で変化可能であり、前記最大値に達すると前記最小値にラウンドし、
前記所定範囲は、前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値より所定値だけ小さい第1の値から前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値までの範囲である
電子楽器のパラメータ設定装置。 - パラメータの現在値を記憶する現在値記憶手段と、
前記現在値記憶手段に記憶されているパラメータの現在値を減少させるためのパラメータ入力スイッチと、
前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記パラメータ入力スイッチが所定時間以上継続して押されたことが判断された場合に、前記現在値記憶手段内の現在値を第1速度で連続的に減少させる速度制御手段と、
前記速度制御手段によって第1速度で連続的に減少している前記現在値記憶手段内の現在値が所定範囲の値になった場合に、前記現在値記憶手段内の現在値が前記第1速度より遅い第2速度で連続的に減少するように変更させる速度変更手段とを備え、
前記パラメータの現在値は、最小値から最大値までの範囲で変化可能であり、前記最小値に達すると前記最大値にラウンドし、
前記所定範囲は、前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値より所定値だけ大きい第1の値から前記パラメータ入力スイッチが押された時点で設定されているパラメータ値までの範囲である
電子楽器のパラメータ設定装置。 - 前記所定時間として任意の値を設定するための入力手段を更に備えた請求項1乃至2の何れか1項に記載の電子楽器のパラメータ設定装置。
- 前記第1速度及び第2速度を規定する値として任意の値を入力するための入力手段を更に備えた請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子楽器のパラメータ設定装置。
- 前記所定値として任意の値を入力するための入力手段を更に備えた請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子楽器のパラメータ設定装置。
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