JP4229250B2 - 金属箔複合部材およびその製造方法 - Google Patents

金属箔複合部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧台、台所部材、間仕切り、扉、各種テーブル、浴室カウンター、壁材、洗面台等に利用される内外装用の金属箔複合部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属板材、特にステンレス鋼板は耐久性、耐食性及び耐火性に優れ、しかも堅牢で豪華な外観を有するため、各種の内外装用の建築材料として利用されている。建築材料としてのステンレス鋼板は、必要な構造強度を得るためにはおよそ300μm以上の厚みが必要であるため、切り出し等の加工を現場では行うことができない。そのため、ステンレス鋼板の加工は工場で行われているのが現状である。
【0003】
一方、内外装用の建築材料として、繊維板、合板、パーチクルボード、無機板、発泡板、樹脂板等の基材とアルミニウム板とを接合した複合部材が古くから利用されている。アルミニウム板を用いた複合部材は表面が傷つき易く、また、150°C以上に長期間暴露されると熱クリープにより軟化する性質がある。そのため、薄い箔状のアルミニウムを用いた複合部材の場合には、利用分野が限られているのが現状である。
【0004】
基材とアルミニウム以外の金属とを接合した複合部材として、本発明者らは基材と厚み50〜300μmのステンレス箔とを接合した連続生産可能なステンレス箔複合部材を種々提案してきた。この複合部材は、耐久性、耐火性、断熱性及び防音性、さらには電磁波シールド性に優れた高い機能を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したアルミニウムやステンレス等の金属箔を用いた複合部材は、基材に接着剤を介して金属箔を貼り付けたものであるが、接着剤中に揮発性有機化合物(VOC)が含有される場合は、該揮発性有機化合物が複合部材製品に残存してしまい、これがハウスシックの原因となり、健康汚染を引き起こすという問題がある。
【0006】
この場合、接着剤として、揮発性有機化合物を含有しないか、或いは揮発性有機化合物の含有量が少ない無溶剤型又は非有機溶剤型の接着剤を用いることにより、健康汚染を防止することができると考えられる。無溶剤型又は非有機溶剤型の接着剤としては、熱硬化性樹脂を用いた熱硬化性接着剤が挙げられる。
しかしながら、接着剤として熱硬化性樹脂を用いた場合、金属箔と基材とを貼り合わせた後の熱硬化性樹脂の硬化収縮が不均一に生じてしまい、金属箔表面が柚子肌状になって鮮映性が悪化したり、また、金属箔と基材とを貼り合わせた後に加熱する工程が必要となるが、この時に基材と金属箔との熱膨張・熱収縮率の差により複合部材に反りが発生してしまい、高品位の製品が得られないという問題がある。
【0007】
本発明はかかる不都合を解消するためになされたものであり、健康汚染を防止することができるのは勿論のこと、鮮映性が良好で、反りのない高品位の金属箔複合部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1に係る金属箔複合部材は、板状の基材と、該基材の表面に接着剤を介して接合された金属箔とを備えた金属箔複合部材において、
前記接着剤、無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤であり、該接着剤の硬化後の50%モジュラスが15kgf/cm 〜25kgf/cm であり、写像鮮明度光学くしの幅1mmのとき70%以上であり、単位長さあたりの反り量が5mm/m以下であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る金属箔複合部材は、請求項1に記載の金属箔複合部材において、前記接着剤には、平均粒子径が20μm〜60μmの球状の分散性充填剤が、20〜70体積%含まれることを特徴とする
【0010】
請求項3に係る金属箔複合部材の製造方法は、板状の基材の表面に接着剤を介して金属箔を接合する金属箔複合部材の製造方法において、
前記接着剤は、無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤であり、該接着剤の硬化後の50%モジュラスが15kgf/cm 〜25kgf/cm であり、該熱硬化性弾性接着剤を前記金属箔に塗工した後に該金属箔を前記接着剤を塗工していない面側から加熱し、しかる後に前記基材と前記金属箔とをはり合わせてプレスすることにより、写像鮮明度が光学くしの幅1mmのとき70%以上であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を説明する。この実施の形態の金属箔複合部材は、板状の基材と、該基材の表面に無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤を介して接合された金属箔とを備えたものであり、写像鮮明度光学くしの幅1mmのとき70%以上、単位長さあたりの反り量が5mm/m以下とされている。
【0013】
このように接着剤として、揮発性有機化合物の存在が認められないか、存在しても極わずかな無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤を用いているので、ハウスシック等の健康汚染を良好に防止することができる。また、金属箔複合部材の金属箔側の表面はJISH8686規定のアルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化被腹の写像性試験方法に準拠した写像鮮明度が光学くしの幅1mmのとき70%以上となっているので、良好な鮮映性を得ることができ、更に、金属箔複合部材自体の反りが5mm/m以下であるので、施工時の寸法精度及び作業性を向上させることができ、施工後の仕上り状態を良好なものとすることができる。
【0014】
ここで、無溶剤型とは、接着剤中に希釈用の有機溶剤等の揮発性有機化合物を含まないものをいい、一方、非有機溶剤型とは、水性接着剤を意味し、水溶液又は水分散系として提供される。これら無溶剤型、非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤には、作業性等の改善のために少量の揮発性有機化合物を使用することは許されるが、製品中に残存するのを防止する観点から、許容される揮発性有機化合物の含有量は10重量%以下、好ましくは2重量%以下である。なお、揮発性有機化合物を全く含有していないものが最も好ましいのは勿論である。
【0015】
熱硬化性とは、必ずしも熱硬化するものに限定されず、室温で架橋反応するものも含まれ、いわゆる、高分子材料分野で熱で軟化する熱可塑性樹脂と分別されるものである。従って、本発明の熱硬化性弾性接着剤は、加熱硬化型接着剤及び常温硬化型接着剤として市販されている任意の熱硬化型弾性接着剤を指し、特に、硬化後の接着剤がゴム状弾性に近い性質を示す弾性接着剤から選ばれる
【0016】
尚、ゴム状弾性とは、−18°C〜66°Cまでの温度において、少なくともその長さの2倍まで伸長した後速やかに原長まで回復することができる性質((株)工業調査会発行、英和プラスチック工業辞典P.845参照)とされているが、本発明においては、接着剤業界で一般に弾性接着剤と呼称されている伸び率200%未満の弾性体のゴム状弾性に近い性質を示すものでもかまわない。
【0017】
従って、ここで言う弾性接着剤とは、硬化後の接着剤の弾性を示す伸び率が10〜400%、好ましくは50〜300%を示す接着剤を意味する。
伸び率が10%未満では、金属箔の熱膨張による変形に追従できず、逆に400%を超えるものは一般に軟らかいため、柚子肌が発生しやすく良好な鮮映性を確保しにくい。
【0018】
また、硬化後の接着剤の伸びやすさの目安としてモジュラス(試験片を一定の伸び率まで伸長するのに必要な引張応力を伸び率で割った値)も重要であり、50%モジュラス(M50)が10kgf/cm〜100kgf/cmの範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは15kgf/cm25kgf/cmの範囲内であるとよい。
【0019】
50%モジュラスが10kgf/cm2 未満では、金属箔表面での衝撃に対する抵抗が弱くなって複合部材の金属箔側表面に傷が入りやすくなり、一方、100kgf/cm2 を超えると、硬化後の接着剤が伸びにくくなり、硬化のための加熱後に金属箔の熱収縮に対して追従できなくなり、柚子肌または反りの原因となりやすい。
【0020】
金属箔としては、一般的な内外装用金属箔、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、黄銅、錫の箔、若しくは錫、亜鉛等で防錆処理された鉄の箔、又はこれらの金属をメッキ、塗装、印刷等によって表面処理した箔を任意に用いることができるが、耐久性の観点からステンレス箔が最も好ましい。また、金属箔の厚みは特に限定されないが、省資源、切断等の加工性の観点から、30〜300μmが好ましく、50〜200μmが更に好ましい。
【0021】
金属箔の厚さが30μm未満では、建築用部材としては強度が不十分であり、一方、300μmを越えると、切断等に特殊な治具を必要とし、かつ、重量が大きくなり、省資源にも反する。
また、基材としては、例えば繊維板、合板やパーチクルボード等の木質基材、繊維セメント、珪酸カルシウム又は石骨ボード等の無機質基材、発泡板や樹脂板等の建築用基材の中からVOCを含まないものを適宜選択して用いることができる。
【0022】
次に、かかる構成の金属箔複合部材の製造方法について説明する。まず、本発明の第1の態様の実施の形態である金属箔複合部材の製造方法から説明すると、この製造方法は、板状の基材の表面に球状の分散性充填剤を含有する無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤を介して金属箔を接合するようにしたものである。
【0023】
接着剤として、無溶剤型または非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤を用いることにより、金属箔複合部材中から揮発性有機化合物が検出されない程度とすることが可能となる。そして、熱硬化性弾性接着剤に含有させた球状の分散性充填剤は、接着剤の硬化が不均一に生じることを防止し、金属箔複合部材の反りを5mm/m以下に、また、光学くしの幅が1mmのとき、写像鮮明度を70%以上とすることを可能にする。
【0024】
ここで、球状の分散性充填剤としては、粒子形状が球状体や星状体等で、粒子径が5〜200μmの有機または無機の物質を用いることができる。これらは分散性に優れ、接着剤組織の硬化収縮を抑制したり均質化する機能を有する。なかでも、内部に空隙を有する球状中空体は、圧縮応力を緩和し接着剤の硬化収縮時の収縮率を緩和して複合部材の変形を抑制する機能を有するので特に好ましい。
【0025】
球状中空体として現在入手可能なものとしては、シラスバルーン等のシリカ質の中空体、又は塩化ビニリデンのシェルにブタンガスを充填したビニル系樹脂の中空体等が挙げられる。
球状体、球状中空体又は星状体の粒子径が大きすぎると、接着剤層の厚み方向への配列数が少なくなり、金属箔側の表面に凹凸が発生する原因となりやすいので、粒子径は接着剤層の厚みの1/2以下のものが適しており、一方、粒子径が小さすぎると、球状や星状の形の特長が活かされなくなって通常の無定形粉体を用いた場合と同様となり、金属箔側の表面性の改善が不十分となる。このため、粒子径は5〜200μmである必要があり、好ましくは10〜100μmである。
【0026】
以上説明した分散性充填剤は、熱硬化性接着剤の種類により適宜選択して用いればよいが、1〜90体積%、好ましくは10〜70体積%を熱硬化性接着剤に含有させることが必要であり、少なすぎると効果を発揮せず、多すぎると金属箔と基材との間の接着力を低下させる原因になる。また、本発明では、分散性充填剤以外に通常添加される充填剤や着色剤等を併用してもよい。
【0027】
なお、熱硬化性弾性接着剤は室温において塗工可能な粘性を有していることが好ましく、具体的には室温で100〜50000cps、より好ましくは500〜30000cpsの粘度である。熱硬化性弾性接着剤の粘度が低すぎると、金属箔又は基材に熱硬化性弾性接着剤を塗工する際に塗膜の厚みが均一にならず、金属箔と基材とを貼り合わせた後に柚子肌や反りが発生する原因となってしまう。また、粘度が高すぎると塗工が困難となり、特殊な塗工機が必要となる。
【0028】
更に、熱硬化性弾性接着剤は、50〜200°Cの短時間の加熱で急速に硬化収縮するものを用いることが好ましい。ここで、硬化収縮は、30秒〜20分、より好ましくは2分〜10分で、非加圧下の開放系での収縮率が50%以下に達することが好ましく、より好ましくは20%以下である。
【0029】
熱硬化性弾性接着剤の硬化収縮時間が長すぎると、加圧に長時間必要として非加圧下での後養生中に金属箔と接着剤との間で収縮率に差が生じるため、柚子肌や反りの発生原因となり易い。また、熱硬化性弾性接着剤の硬化収縮時間が短すぎると、金属箔と基材との接合不良が生じ易い。以上説明した熱硬化性弾性接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、オレフィン系、ビニル系等のα−β不飽和重合体の1種または2種以上の混合物、共重合体が挙げられる。
【0030】
金属箔と基材とを接合する方法は、1〜90体積%の球状の分散性充填剤を含有させた熱硬化性弾性接着剤を介して両者を貼り付ければ、常用されている任意の方法が適用できるが、熱硬化性弾性接着剤の基材へのめり込みの調整及び連続生産性の点から、金属箔に熱硬化性弾性接着剤を塗布した後、塗布面に基材を重ねて貼り合わせてプレスし、その後、切断するのが好ましい。
【0031】
次に、本発明の第2の態様の実施の形態である金属箔複合部材の製造方法を説明する。この製造方法は、板状の基材の表面に無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤を介して金属箔を接合するに際して、金属箔を加熱した後、基材と金属箔とをはり合わせてプレスするようにしたものである。
【0032】
本発明者等は、金属箔と基材とを熱硬化性弾性接着剤を介して貼り合わせてプレスする方法について種々の改良研究を行った結果、金属箔を遠赤外線等を利用して加熱した後、金属箔と基材とを貼り合わせてプレスを行うと、複合部材の金属箔側表面の平滑性が改善されることを知見した。これは、金属箔と基材とを熱硬化性弾性接着剤を介して貼り合わせる前に金属箔を加熱すると接着剤の硬化速度が速められ、該貼り合わせ時及びプレス時には接着剤が部分架橋した状態に達しているので該接着剤の硬化収縮の不均一性が緩和され、しかも金属箔側から接着剤の硬化が進行するので、複合部材の金属箔側の表面平滑性が改善されるものと考えられる。
【0033】
また、金属箔と基材とを熱硬化性弾性接着剤を介して貼り合わせる前に該金属箔を加熱すると、金属箔は加熱により熱膨張しているので該金属箔を室温の基材に貼り合わせてプレスを行うと、その後の室温までの冷却において基材は熱収縮せずに金属箔は熱収縮する結果、金属箔は緊張された状態となり、これにより、複合部材の金属箔側の表面平滑性が改善されるものと考えられる。尚、金属箔の加熱は、金属箔の表面に熱硬化性弾性接着剤を塗工した後がよいここで、熱硬化性弾性接着剤を金属箔の表面に塗工した後に、金属箔を加熱するときには、接着剤の硬化を金属箔側から進行させるために、金属箔の接着剤を塗工していない面側から加熱する必要がある。
【0034】
ここで、金属箔の加熱温度は熱硬化性弾性接着剤の種類、金属箔の種類、厚みにより適宜決定することができるが、室温よりも20°C以上、好ましくは50°C以上高い温度まで加熱すれば、上述の効果が現れ始める。また、加熱温度が高すぎると熱硬化性弾性接着剤が熱融解したり、硬化速度が速すぎて接着不良の原因となるので、250°C以下、好ましくは200°C以下とする。
【0035】
更に、プレス時の圧力は特に限定しないが、1〜30kgf/cm2 の圧力下で、1〜2分程度のプレスにより良好な表面性状を有する複合部材が得られることを確認した。なお、プレス方法としては、ロールプレスやベルトプレス等があるが、平面状に均質加圧されるベルトプレスが好ましい。
図1に本発明の第2の態様の実施の形態である金属箔複合部材の製造方法に好適な製造装置の一例を示す。
【0036】
図において符号2は金属箔巻出装置であり、該金属箔巻出装置2から巻き出された金属箔1の片面には接着剤塗工装置3により熱硬化性弾性接着剤が塗工される。なお、図中矢印Aは金属箔1の搬送方向を示す。
接着剤塗工装置3の下流側には加熱装置4が設置されており、該加熱装置4によって熱硬化性弾性接着剤が塗工された金属箔1の加熱が行われるようになっている。加熱装置4から出た金属箔1は、ベルトプレス装置5に導入される。
【0037】
ベルトプレス装置5は上下一対のスチール製ベルト6を備えており、該スチール製ベルト6によって、金属箔1と図示しない基材搬入装置により図中矢印B方向に導入される板状の基材8とを挟圧し、これにより、金属箔1と基材8とが貼り合わされるようになっている。
上下スチール製ベルト6はそれぞれ一対のニップロール7により張力を負荷された状態で循環駆動されるようになっており、また、金属箔1と基材8との挟圧を行う位置にはプレス圧力を付与するためのプレス圧負荷ロール9が配列されている。ベルトプレス装置5により金属箔1と基材8とが熱硬化性弾性接着剤を介して接合された後は、該ベルトプレス装置5の下流側に配設された切断機10によって所定の長さに切断される。
【0038】
【実施例】
図1に示す製造装置を用いて板状の基材の表面に接着剤を介してステンレス鋼(SUS304)箔を接合して金属箔複合部材を製造した。この際の接着剤の種類、接着剤に含有させる充填剤、金属箔の厚さ、基材の種類、接着剤の塗工厚さ、プレス前加熱条件、ベルトプレス条件等を表1、表2及び表3に示す。なお、表1及び表2(No.1〜47)は本発明の第1の態様の製法に対応する実施例として加熱装置4によるプレス前加熱は行わないようにし、表3は本発明の第2の態様の製法に対応する実施例として球状の分散性充填剤は無添加としている。表3中No.48、51、54、56、57、62〜70は、プレス前の加熱条件として金属箔の接着剤塗工面の反対側の表面を加熱しており、No.71、72はプレス前の加熱条件として金属箔の接着剤塗工面を加熱した。また、表1〜表3中の接着剤1〜5、充填剤1〜7は次の通りである。
接着剤1
種類:熱硬化性弾性接着剤
物質名:アクリルウレタン系水性エマルジョン型接着剤
商品名:EM802、セメダイン(株)製 弾性非有機溶剤型
不揮発分:50wt% 残余 水(VOC1%以下)
50%モジュラス:15kgf/cm
接着剤2
種類:熱硬化性弾性接着剤
物質名:シリコーン変性エポキシ系接着剤
商品名:PM210、セメダイン(株)製 弾性無溶剤型
不揮発分:99wt%以上(VOC1%以下)
50%モジュラス: 25kgf/cm
接着剤3
種類:熱硬化性弾性接着剤
物質名:ウレタン系ホットメルト型接着剤
商品名:ボンドマスター170−7310、日本エヌエスシー(株)製 弾性無溶剤型
不揮発分:99wt%以上(VOC1%以下)
50%モジュラス: 15kgf/cm
接着剤4(比較例)
種類:熱硬化性非弾性接着剤
物質名:エポキシ系接着剤
商品名:EP007、セメダイン(株)製 非弾性無溶剤型
不揮発分:99wt%以上(VOC1%以下)
50%モジュラス:伸び10%以内で破断測定できず
接着剤5(比較例)
種類:熱可塑性接着剤
物質名:オレフィン変性エチレン−酢酸ビニル系水性エマルジョン型接着剤
商品名:EM−456、セメダイン(株)製 非弾性有機溶剤型
不揮発分:50wt% 残余 水(VOC1%以下)
50%モジュラス: 7kgf/cm
充填剤1
物質名:シリカ系中空球状粒子
商品名:セルスターPZ6000 東海工業(株)製
平均粒子径:40μm
充填剤2
物質名:塩化ビニリデン樹脂系中空球状粒子
商品名:マツモトマイクロスフェアーF−85 松本油脂製薬(株)製
平均粒子径:25μm
充填剤3
物質名:アクリル樹脂系球状体
商品名:MR−60G 綜研化学(株)製
平均粒子径:60μm
充填剤4
物質名:アクリル樹脂系球状体
商品名:MR−20G 綜研化学(株)製
平均粒子径:20μm
充填剤5
物質名:アクリル樹脂系球状粒子
商品名:MR−13GH 綜研化学(株)製
平均粒子径:11μm
充填剤6
物質名:アクリル樹脂系球状粒子
商品名:MR−7G 綜研化学(株)製
平均粒子径:6μm
充填剤7(比較例)
物質名:タルク微粉末
商品名:クラウンタルクDR 松村産業(株)製
平均粒子径:22μm
形状: 不定形
各製造法により得られた金属箔複合部材No.1〜72について、揮発性有機化合物の放出量を調査したところ、検出されないか、或いは基材中に含まれるホルムアルデヒド等の揮発性有機物質であり、臭気も認められなかった。
【0039】
また、金属箔複合部材の金属箔側の表面性状、金属箔と基材との接着強度および反りの有無について調査した結果を表1、表2及び表3に併せて示す。
ここで、表面性状については、J1SH8686「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化被膜の写像性試験方法」に準拠して、光学くしの幅1mmの時の写像鮮明度及び目視で表面性を評価した。表面性の評価基準は、
◎:写像鮮明度が75%以上で、柚子肌等が認められない。
【0040】
○:写像鮮明度が75〜70%の範囲で、柚子肌等が認められない。
×:写像鮮明度が70%未満、又は柚子肌が発生している。
とした。
また、反りの有無については、反りが5mm/m以下のものを反り無し、5mm/m超のものを反り有りと判定した。
【0041】
接着強度については、J1SK6854「接着剤のはく離接着強さ試験方法」に準拠して、180度はく離試験を行い評価した。評価基準は、
◎:2kgf/25mm以上
○:1kgf/25mm超、2kgf/25mm未満
△:1kgf/25mm以下
とした。
(J1SK6854に準拠、但し20mm幅を25mm幅とした。)
【0042】
【表1】
Figure 0004229250
【0043】
【表2】
Figure 0004229250
【0044】
まず、表1及び表2から明らかなように、比較例である分散性充填剤が無添加のNo.1、No.38〜43、比較例である充填剤として微細粉末を添加したNo.8〜10、比較例である熱可塑性接着剤を用いたNo.23〜25、比較例である非弾性無溶剤型の熱硬化性接着剤を用いたNo.32〜37の各金属箔複合部材は、いずれも接着強度は満足するものの表面性状が悪く、反りの発生が見られた。
【0045】
これに対し、本発明の第1の態様の製造方法で得られた各金属箔複合部材No.2〜7、No.11〜22、No.26〜31、No.44〜47は、いずれも表面性に関して70%以上の写像鮮明度を有するとともに柚子肌が認められず、また、反りについても5mm/m以下であり、さらに、接着強度についても1kgf/25mm超の接着強度を示していることがわかる。
【0046】
【表3】
Figure 0004229250
【0047】
また、表3から明らかなように、比較例であるプレス前加熱を行わないNo.49,50,52,53,55,58〜61、比較例である非弾性無溶剤型の熱硬化性接着剤を用いたNo.56、比較例である熱可塑性接着剤を用いたNo.57の各金属箔複合部材は、いずれも接着強度は満足するものの表面性状が悪く、反りの発生が見られた。また、比較例である金属箔のプレス前加熱を接着剤塗工面側から行ったNo.71、72は表面性及び反り共に不十分であった。
【0048】
これに対し、本発明の第2の態様の製造方法で得られた各金属箔複合部材No.48,51,54,62〜70は、いずれも表面性に関して75%以上の写像鮮明度を有するとともに柚子肌が認められず、また、反りについても5mm/m以下であり、さらに、接着強度についても2kgf/25mm以上の接着強度を示していることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、健康汚染を防止することができるのは勿論のこと、鮮映性が良好で、反りのない高品位の金属箔複合部材を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の態様の実施の形態である金属箔複合部材の製造方法に好適な製造装置の全体概略図である。
【符号の説明】
1…金属箔
2…金属箔巻出装置
3…接着剤塗工装置
4…加熱装置
5…ベルトプレス装置
6…スチール製ベルト
7…ニップロール
8…基材
9…プレス圧負荷ロール
10…切断機

Claims (3)

  1. 板状の基材と、該基材の表面に接着剤を介して接合された金属箔とを備えた金属箔複合部材において、
    前記接着剤、無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤であり、該接着剤の硬化後の50%モジュラスが15kgf/cm 〜25kgf/cm であり、写像鮮明度光学くしの幅1mmのとき70%以上であり、単位長さあたりの反り量が5mm/m以下であることを特徴とする金属箔複合部材。
  2. 前記接着剤には、平均粒子径が20μm〜60μmの球状の分散性充填剤が、20〜70体積%含まれることを特徴とする請求項1に記載の金属箔複合部材。
  3. 板状の基材の表面に接着剤を介して金属箔を接合する金属箔複合部材の製造方法において、
    前記接着剤、無溶剤型又は非有機溶剤型の熱硬化性弾性接着剤であり、該接着剤の硬化後の50%モジュラスが15kgf/cm 〜25kgf/cm であり、該熱硬化性弾性接着剤を前記金属箔に塗工した後に該金属箔を前記接着剤を塗工していない面側から加熱し、しかる後に前記基材と前記金属箔とをはり合わせてプレスすることにより、写像鮮明度が光学くしの幅1mmのとき70%以上であることを特徴とする金属箔複合部材の製造方法。
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