JP4228850B2 - パケット中継装置 - Google Patents
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例えば、パケットの送信側において、このパケットに優先順位を示す識別子を付加すると共に、パケット中継装置の送信制御部に優先順位を有する送信キューを複数用意し、パケットに付加された優先順位を示す識別子にしたがって、このパケットを、送信制御部に用意した送信キューのうちの該当する優先順位の送信キューにエントリし、送信制御部によって優先順位の高いキューにエントリされているパケットから順に送信することで優先的に中継するようにした方式等が一般的である。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、パケットの欠落を容易に低減することの可能なパケット中継方法及びパケット中継装置を提供することを目的としている。
また、請求項2に係るパケット中継装置は、前記データ本体は、数値情報を含み、前記パケット条件設定手段は、前記数値情報の数値範囲を前記パケット条件として設定することを特徴としている。
このとき、受信負荷検出手段によって、通信回線からのパケットの受信負荷の監視が行なわれ、この受信負荷が予め設定したしきい値を超えた場合には、この状態で受信したパケットが、予め設定した特定パケットを除くパケットであるときには、このパケットは、パケット廃棄手段によって、廃棄される。
したがって、パケット条件設定手段によってパケット条件を変更設定することによって、任意のパケットを特定パケットとして設定することが可能となる。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したネットワークシステムの一例である。各通信装置5は、それぞれ中継機器10を介して二重化回線Lに接続され、中継機器10及び二重化回線Lを介して他の通信装置5とデータ授受を行うようになっている。
前記中継機器10は、公知の二重化通信処理を実行して2系統の回線によって他の通信装置との間とのデータ授受を行うと共に、OSI参照モデルレイヤ3、ネットワーク層の中継機能を備え、二重化回線Lからの受信パケットを通信装置5に中継する際に、予め設定した中継条件を満足するパケットのみを中継する。
前記回線側受信バッファ31に格納された受信パケットは、中継処理部33によって、公知の手順で通信装置側送信バッファ(以後、送信バッファともいう。)34に転送されるが、このとき中継処理部33では、中継機器10でのパケットの欠落を回避するために、予め設定し所定の記憶領域35に格納した中継条件を満足するパケットのみを送信バッファ34に転送する。また、前記記憶領域35に格納された中継条件を変更設定するための例えば入力装置等の条件設定手段36を備え、ネットワークシステム構成や各通信装置間で授受するデータ内容の変更等に応じて中継条件等を変更することができるようになっている。
中継機器10では、バッファ管理部32からの通知等に基づいて回線L1からパケットを受信したことを認識すると、ステップS1からステップS2に移行し、バッファ管理部32で管理する受信バッファ31の使用状況情報を獲得する。具体的には、受信バッファ31に格納されている受信パケットの個数(以後、パケット格納数Npという。)を読み込む。
前記基準値Nthは、受信バッファ31に格納されている受信パケットを送信バッファ34に転送することにより受信バッファ31に空きを作るまでに要する所要時間をパケット処理時間としたとき、このパケット処理時間の間に回線L1から受信されるパケット全てを受信バッファ31に格納することの可能な、受信バッファ31に予め格納されているパケット数の最大値であって、受信バッファ31のパケット数が基準値Nthを超えた場合には、回線L1からのパケットを全て受信バッファ31に格納することができないとみなすことの可能な値に設定される。
このステップS5では、新たに受信したパケットを通信装置5に中継するか又は廃棄するかを判定するための、後述の中継/廃棄判定処理を実行する。
そして、この中継/廃棄判定処理で、中継すると判定された場合には、ステップS7に移行し、公知の手順で、受信バッファ31に格納された受信パケットを送信バッファ34に転送する。一方、中継しないと判定された場合には、ステップS8に移行し、この受信パケットを前記受信バッファ31から廃棄する。
図4は、前記中継/廃棄判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
次いで、ステップS12に移行し、予め前記条件設定手段36を操作することにより前記記憶領域35に格納されている、中継プロトコル種別を読み出す。この中継プロトコル種別は、判定対象のパケットを中継するかどうかを判定するためのプロトコル種別であって、例えば、優先順位の高い通信先の装置に応じたプロトコル種別に設定される。
そして、ステップS13に移行して、受信パケットのプロトコル種別と中継プロトコル種別とを比較し、これらが一致するときステップS14に移行し、判定対象の受信パケットは中継すると判定する。一方、一致しないときにはステップS15に移行し、判定対処の受信パケットは廃棄するパケットとして判定する。
図1のネットワークシステムにおいて、通信装置5aと通信装置5bとの間の通信プロトコル種別をプロトコルA、通信装置5aと通信装置5cとの間の通信プロトコル種別をプロトコルBとする。また、通信装置5aと通信装置5bとの間のパケット通信を優先するものとする。
今、通信装置5aにパケットを中継する中継機器10aでのパケットの欠落を図るものとすると、まず、条件設定手段36を操作し、中継機器10aにおける中継判定のために用いられる中継プロトコル種別として、パケット通信を優先する通信装置5bとの間の通信プロトコル種別であるプロトコルAを設定し、これを予め記憶領域35に格納する。また、ネットワーク負荷を判断するための受信バッファ31のパケット格納数の基準値Nthを決定し、記憶領域35に格納する。
中継処理部33では、パケットの受信を認識すると、図3のステップS1からステップS2に移行し、受信バッファの使用状況として、受信バッファ31のパケット格納数Npを読み込み、これと、記憶領域35に格納している基準値Nthとを比較する(ステップS3、S4)。
以上の処理は、受信用中継部25a、25bにおいて同様に処理が行われることから、各送信バッファ34には同一情報からなる受信パケットが格納され、これを二重化通信処理部15では所定のタイミングで読み出し、通信装置5に送信する。このとき、受信用中継部25a及び25bのいずれか一方の送信バッファ34から読み出したパケットが、他方の受信用中継部からの既に送信済みのパケットと同一である場合には、このパケットを送信せずに廃棄し、異なる経路で受信した同一のパケットを、再度、通信装置5に送信することを回避する等といった対処を行う。
この状態からネットワーク負荷が増加し、受信バッファ31にネットワークから格納されるパケット数と、中継機器10での受信バッファ31の受信パケットに対する処理に係る所要時間との関係から、受信バッファ31に格納されているパケット数が増加し、パケット格納数Npが基準値Nthを超えると、ステップS4からステップS5に移行し、新たに受信バッファ31に格納された受信パケットに対し、中継/廃棄判定処理が実行される。
したがって、例えば、プロトコルBのパケットである場合、つまり、通信装置5cからのパケットは受信バッファ31から廃棄されることになる。
このため、通信装置5cからのパケットが廃棄された分、受信バッファ31に空きができることになり、その後、優先順位の高い通信装置5bからのパケットを受信した場合には、これを受信バッファ31に格納することができる。したがって、中継機器10において、受信バッファ31に空きがないことに起因して優先順位の高いパケットが欠落することを回避することができる。
また、このとき、受信バッファ31に空きを作る方法として、優先順位の低いパケットを廃棄するようにしている。ここで、受信バッファ31に格納されている受信パケットを送信バッファ34に転送することにより、受信バッファ31に空きを作る方法も考えられる。しかしながら、受信バッファ31から送信バッファ34にパケットを転送するよりも、受信バッファ31からパケットを廃棄する方が、より短時間で処理を行うことができるから、より早い段階で、受信バッファ31に空きを作ることができる。したがって、その分、受信バッファ31に空きを速やかに確保することができるから、優先順位の高いパケットが欠落することを、より確実に回避することができる。
したがって、ネットワークのシステム構成の変更や、通信装置5間で授受するデータの内容を変更した場合、或いは優先とするパケット種別を変更したい場合等であっても、記憶領域35に登録している中継条件を変更することで、前記ネットワークのシステム構成の変更等に応じて適切な中継条件を設定することができる。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、図4のパケット受信処理における、中継/廃棄判定処理の処理手順が異なること以外は同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態における中継/廃棄判定処理では、図5に示す、条件テーブルを用いて、パケットを中継するか廃棄するかの判定を行う。
この条件テーブルは、図5に示すように、複数個のエントリと、登録されているエントリ数とからなるパケット中継テーブルT1で構成されている。このパケット中継テーブルT1に登録されているエントリは、TCP/IPやUDP/IPといったプロトコル種別と、さらに詳しい判定条件が格納されたサブリストテーブルT2の格納先を表す、サブリストポインタとから構成されている。
図6は、第2の実施の形態における中継/廃棄判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この第2の実施の形態における中継/廃棄判定処理では、まず、ステップS21で変数iをi=0に設定した後ステップS22に移行し、図5のパケット中継テーブルT1を参照し、そのエントリ数E1を読み出す。
そして、変数iがエントリ数E1よりも小さい場合にはステップS25に移行し、パケット中継テーブルT1の、変数iで特定されるi番目に登録されているエントリからプロトコル種別を読み出す。なお、パケット中継テーブルT1のエントリは、その先頭のエントリを“0”番目のエントリとする。
そして、同様にして、パケット中継テーブルT1のi番目に登録されているエントリ、つまり、次のエントリからプロトコル種別を読み出し、これと、判定対象の受信パケットのプロトコル種別が一致するかどうかを判定する(ステップS25、S26)。
続いて、ステップS33に移行し、変数jとエントリ数E2とを比較し、変数jがエントリ数E2よりも小さい場合にはステップS34に移行し、サブリストテーブルT2の変数jで特定されるj番目のエントリを参照し、そのコード情報を抽出する。なお、サブリストテーブルT2の先頭のエントリは“0”番目のエントリとする。
そして、ステップS36に移行し、変数jで特定されるj番目のエントリから判定条件を抽出する。そして、ステップS37に移行し、ステップS34で抽出したj番目のエントリのコード情報を左辺、ステップS35で抽出した受信パケットのコード情報を右辺とし、これらをステップS36で抽出した判定条件で比較する判定式を形成し、受信パケットのコード情報が、この判定式を満足するかどうかを判定する。
そして、ステップS39の処理で変数jがエントリ数E2以上となったときには、サブリストテーブルT2の全てのエントリで特定される判定条件を満足したとして、ステップS39に移行し、判定対象の受信パケットを中継すると判定する。
一方、ステップS37で、サブリストテーブルT2から抽出したコード情報と、受信パケットから抽出したコード情報とが、規定された判定条件を満足しないときには、ステップS27に移行し、以後、上記と同様に処理を行う。
今、通信装置5aにおいて、通信装置5bからのパケットのうち、数値データからなる情報Xの数値がn(50)であり、且つ、数値データからなる情報Yの数値がn(10)以上n(50)以下のものを、優先して中継するものとする。
前記情報Xは、図7(a)に示すように、通信装置5bからのパケットの、オフセット“off1”及びサイズ“s1”で特定される領域に格納され、また、情報Yは、オフセット“off2”及びサイズ“s1”で特定される領域に格納されているものとする。また、通信装置5bと通信装置5aとの間での通信プロトコルは、プロトコルAとする。
今、図7(a)に示すように、プロコトル種別がプロトコルA、オフセットが“off1”の位置からサイズ“s1”で特定される領域に格納されたコードが“n(50)”、オフセット“off2”のサイズ“s1”の領域に格納されたコードが“n(30)”であるパケットAを受信したものとする。なお、n(30)は、n(10)<n(30)<n(50)を満足する値とする。
このとき、パケット中継テーブルT1のi番目つまり先頭のエントリからプロトコル種別が抽出され、この場合、“プロトコルA”であって、受信パケットのプロトコル種別と一致するから、ステップS26からステップS31を経てステップS32に移行し、サブリストテーブルT2のエントリ数、この場合E2=3を抽出する。
続いて、例えば、図7(b)に示す、プロトコル種別がプロトコルAであるパケットBを受信したものとする。
この場合も、パケット中継テーブルT1の先頭のエントリからサブリストテーブルT2が導かれ、このサブリストテーブルT2にしたがって、判定が行われるが、パケットBは、オフセット“off1”、サイズ“s1”、コード“n(50)、オフセット“off2”、サイズ“s1”、コード“n(60)”である。なお、コード“n(60)”は、n(50)<n(60)である。
したがって、ステップS37からステップS27に移行し、変数iが“1”だけインクリメントされる。
そして、パケット中継テーブルT1のエントリ全てについて検索した結果、パケットBとプロトコル種別が一致するエントリがない場合には、条件テーブルに設定された中継条件をパケットBは満足しないとみなされることから、ステップS24からステップS28に移行し、パケットBは廃棄と判定する。
このように、条件テーブルを設定し、一つのパケットの特定の領域に格納されている情報単位で、中継するパケットであるかどうかを判定するようにしたから、プロトコル種別に基づいて判定する場合に比較してより詳細な単位で、パケットを中継するかどうかを判定することができる。
なお、上記第2の実施の形態においては、サブリストテーブルT2のエントリ数を“3”とした場合について説明したが、これに限るものではなく、任意数の条件を設定することができる。同様に中継判定テーブルT1のエントリ数も任意に設定することができ、条件に応じて、同じプロトコル種別が設定されたエントリを含んで構成することも可能であって、廃棄せずに中継するパケットを特定するために必要とする条件を設定することができる。
また、上記各実施の形態においては、各通信装置5を、二重化回線Lで接続するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、一重の回線で接続するようにしてもよい。この場合には、前記パケット受信処理の処理機能を前記通信装置5に組み込み、通信装置5において、優先度の低いパケットを廃棄することで優先度の高いパケットの欠落を防止するようにしてもよい。
なお、図2の回線側受信バッファ31が受信領域に対応し、バッファ管理部32が受信負荷検出手段に対応し、条件設定手段36がパケット条件設定手段に対応している。また、図3のパケット受信処理で、ステップS1〜ステップS6を経てステップS8に移行し、パケットを廃棄する処理がパケット廃棄手段に対応している。
10 中継機器
25a、25b 受信用中継部
31 回線側受信バッファ
32 バッファ管理部
33 中継処理部
34 通信装置側送信バッファ
35 記憶領域
36 条件設定手段
Claims (2)
- 通信回線からのパケットを一旦受信領域に格納した後、当該受信領域のパケットを所定の中継先に中継するようにしたパケット中継装置において、
前記通信回線からのパケットの受信負荷を検出する受信負荷検出手段と、
当該受信負荷検出手段で検出した前記パケットの受信負荷が、予め設定した負荷しきい値を超え、且つ予め設定した特定パケットを除くパケットを受信した場合に、当該パケットを廃棄するパケット廃棄手段と、
前記特定パケットを特定するためのパケット条件を設定するパケット条件設定手段と、を備え、
前記パケットは、通信すべきデータ本体と、当該データ本体を前記通信回線を介して通信するために必要な通信情報とを含み、
前記パケット条件設定手段は、前記データ本体と前記通信情報とのそれぞれに対してパケット条件を設定し、
前記パケット廃棄手段は、前記データ本体及び前記通信情報が共にそれぞれの前記パケット条件を満足するとき前記特定パケットであると判断することを特徴とするパケット中継装置。 - 前記データ本体は、数値情報を含み、
前記パケット条件設定手段は、前記数値情報の数値範囲を前記パケット条件として設定することを特徴とする請求項1記載のパケット中継装置。
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