JP4228577B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン(内燃機関)の空燃比制御装置に関し、特にEGR制御を併用したときの制御精度を改善した技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
機関の吸気通路と排気通路とを連結するEGR通路内にEGRガス量を制御するEGR制御弁を配置し、空燃比が目標空燃比となるようにEGR制御弁の開度または開弁割合をフィードバック制御するようにした内燃機関の空燃比制御装置が公知である(特開昭63−94061号公報参照)。
【0003】
すなわち、同一の機関運転状態においてEGR制御弁の開度を変更してEGRガス量を増減させるとそれに見合った分だけ新気量が増減することによって空燃比を変更することができ、空燃比が目標空燃比となるようにしている。吸入空気量(新気量)を直接制御して空燃比フィードバック制御する場合は、新気量を変化させるとそれに伴って目標EGR率を満たすようにEGR量が変化することによって、新気量が変化し、空燃比がずれてしまうので、目標空燃比に収束するのに遅れを生じるが、EGR制御で空燃比フィードバック制御を行うと、EGR率を再調整することがないので速やかに目標空燃比に収束させることができる。
【0004】
しかし、吸気脈動や回転変動などによって変動する空燃比に基づいてEGR制御弁の開度を制御するとEGR制御弁の開度が変動するのでEGRガス量が変動し、その結果空燃比が目標空燃比から発散する恐れがある。
そこで、特開平10−220304号に開示される技術では、検出された空燃比を平滑化して得られる平滑化空燃比に基づいてEGR制御弁の開度を制御することにより、EGR制御弁の開度の変動を低減すると共に、EGR制御弁の開度に応じて定まる平滑化係数を用いて平滑化空燃比を算出し、この平滑化空燃比に基づいてEGR制御弁の開度を制御することにより、EGR制御弁の開度の応答性を確保しつつ空燃比を良好に目標空燃比に一致するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記EGR制御による空燃比フィードバック制御では、EGR率の小さい領域では、EGR率に対する空燃比フィードバック用のEGR制御量の変化代が相対的に大きいため適正なEGR率に制御することができなくなるという問題があった。
【0006】
また、従来技術はEGR率と空燃比(空気過剰率)との関係が一定の関係を保つようにEGR制御による空燃比フィードバック制御を行っているが、これは全制御領域で成立するわけではないため、例えば、緩加速を含めた加速時などでは目標の空燃比(空気過剰率)を達成するためにEGR制御による空燃比フィードバック制御をすると、EGR率の目標値が達成できないという問題もある。
【0007】
さらに、排気中のNOxを吸着するNOxトラップ触媒を設け、該触媒に吸着されたNOxを排気中のHCにより還元して触媒を再生するため、空燃比をリッチ制御するリッチスパイク制御を行うものでは、該リッチスパイク実行時には、燃焼の安定と排気浄化性能を満たすためにはEGR率と空燃比(空気過剰率)を正確に制御する必要があるが、EGR制御で空燃比フィードバック制御を行うとEGR制御量が過剰となったり、逆に少なくなるなどで、燃焼の不安定や排気悪化を引き起こす可能性があるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は、
EGRを目標EGR率に基づいて制御することによる空燃比フィードバック制御と、エンジン吸気系に介装された吸気絞り弁の開度制御を含んで吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御とを、目標EGR率に応じて切り換えて実行し、かつ、空燃比をリッチに制御するときには、無条件に前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択する一方、
前記吸気絞り弁の開度制御は、目標作動ガス割合のフィードバック量の演算と、この目標作動ガス割合のフィードバック量を用いての吸気絞り弁開度の設定とを所定の周期毎に行うものであり、
このうち目標作動ガス割合のフィードバック量の演算は、実吸入空気量(Qac)と目標吸入空気量(tQac)の差(dQactv)を演算し、目標EGR率(Megr)に1を加算した値を目標吸入空気量(tQac)に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量(Qgmax)と係数(VCE#)とで除算した値に前回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0z)を加算して目標作動ガス割合(tQh0)を演算し、この目標作動ガス割合(tQh0)からフィードバックゲインを算出し、このフィードバックゲインと前記差(dQactv)とを用いて今回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0)を算出する、ことにより行うものであり、
前記吸気絞り弁開度の設定は、目標EGR率(Megr)に1を加算した値を目標吸入空気量(tQac)に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量(Qgmax)と係数(VCE#)とで除算した値に前記今回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0)を加算して目標作動ガス割合(tQh0)を演算し、この目標作動ガス割合(tQh0)から吸入空気量比(tDNV)を演算し、この吸入空気量比(tDNV)に基づいて吸気絞り弁開度を演算する、ことにより行うものである
ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、
エンジン運転状態に基づいて目標吸入空気量と目標EGR率を設定し、実吸入空気量が目標吸入空気量に一致するようにフィードバック制御することで空燃比フィードバック制御を行うと共に、目標EGR率に基づいてEGRを制御するエンジンの空燃比制御装置であって、
前記空燃比フィードバック制御の実行条件で、EGR制御によって吸入空気量を間接制御することによる空燃比フィードバック制御と、エンジン吸気系に介装された吸気絞り弁の開度制御を含んで吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御とを、前記目標EGR率に基づいて選択し、かつ、空燃比をリッチに制御するときには、無条件に前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択する一方、
前記吸気絞り弁の開度制御は、目標作動ガス割合のフィードバック量の演算と、この目標作動ガス割合のフィードバック量を用いての吸気絞り弁開度の設定とを所定の周期毎に行うものであり、
このうち目標作動ガス割合のフィードバック量の演算は、実吸入空気量(Qac)と目標吸入空気量(tQac)の差(dQactv)を演算し、目標EGR率(Megr)に1を加算した値を目標吸入空気量(tQac)に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量(Qgmax)と係数(VCE#)とで除算した値に前回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0z)を加算して目標作動ガス割合(tQh0)を演算し、この目標作動ガス割合(tQh0)からフィードバックゲインを算出し、このフィードバックゲインと前記差(dQactv)とを用いて今回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0)を算出する、ことにより行うものであり、
前記吸気絞り弁開度の設定は、目標EGR率(Megr)に1を加算した値を目標吸入空気量(tQac)に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量(Qgmax)と係数(VCE#)とで除算した値に前記今回の目標作動ガス割合のフィードバック量(kQh0)を加算して目標作動ガス割合(tQh0)を演算し、この目標作動ガス割合(tQh0)から吸入空気量比(tDNV)を演算し、この吸入空気量比(tDNV)に基づいて吸気絞り弁開度を演算する、ことにより行うものである
ことを特徴とする。
【0010】
請求項1または請求項2に係る発明によると、
EGR率に応じてEGR制御量を調整して吸入空気量を間接的に制御して行う空燃比フィードバック制御と、吸入空気量を直接制御して行う空燃比フィードバック制御とが選択して実行される。
これにより、例えば、低EGR率領域などEGR制御による空燃比フィードバック制御を行った場合には、EGR率の目標値からのずれが大きくなるような領域では吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を行って、空燃比とEGR率とを正確に目標値に一致させる制御が行え、一方、所定以上のEGR率領域ではEGR制御による空燃比フィードバック制御を行うことで、EGR率の精度を維持しつつ空燃比を速やかに目標値に収束させて応答性を高めるようなことができる。
【0011】
なお、請求項1に係る発明では、空燃比を検出して目標空燃比となるようにフィードバック制御するものも含むのに対し、請求項2に係る発明では、実吸入空気量を検出して目標吸入空気量と一致するように制御することにより、空燃比をフィードバック制御するものである。
【0012】
また、空燃比をリッチに制御するときには、無条件に前記吸入空気量制御を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択することにより、例えば、前記リッチスパイク制御の実行時には、吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択することにより、空燃比とEGR量(EGR率)とを正確に目標値に制御することができ、燃焼の安定と排気浄化性能を満たすことができる。
ところで、吸気絞り弁はその開度と吸入空気量との間には、非線形な特性があり、開度が小さい場合と開度が大きい場合とでは吸入空気量への感度が異なる(図34参照)。したがって、単に目標吸入空気量と実吸入空気量との差に基づいてフィードバックゲインを演算すると、この非線形性を考慮していないため、吸気絞り弁の開度が大きすぎたりしてハンチングを起こす可能性がある。
吸気絞り弁開度の大きさも用いて非線形性を考慮したフィードバック量の演算をすれば、上記ハンチングを抑制することが可能となる。
【0013】
上記非線形性を表す方法として、最大作動ガス量と目標吸入空気量との比で表される目標作動ガス割合を利用する方法が考えられる(図35参照)。
そこで、吸気絞り弁の開度の大きさを表すパラメータとして、目標作動ガス割合を用いることにより、容易に開度相当値を演算できる。
また、これまで、吸気絞り弁開度が小さい場合と大きい場合で、吸入空気量に対する感度が異なることを述べてきた。ここで、例えば上記発明によるフィードバック量が同じ量演算された場合を考えると、今現在の吸気絞り弁開度が大きい場合にはあまり吸入空気量に対し感度がなかったフィードバック量であっても、最終的に収束させようとする開度が小さい場合には遅れにより実開度に対して感度が大きくなりすぎて、ハンチングを起こす可能性がある。
そこで、制御目標値である目標作動ガス割合をフィードバック量によってフィードバック制御することにより、遅れによる感度のずれが抑制され、上記のようなハンチングを抑制することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、
EGRガスの流速または該流速に対応する状態量に基づいて前記空燃比フィードバック制御の選択を変更することを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、
EGRガスの流速または該流速に対応する状態量によって、EGR制御の感度(制御量変化量に対するEGR流量変化量)が変化するので、要求に応じて空燃比フィードバック制御の選択を変更することができる。
【0020】
そこで、制御目標値である目標作動ガス割合をフィードバック量によってフィードバック制御することにより、遅れによる感度のずれが抑制され、上記のようなハンチングを抑制することが可能となる。
また、請求項4に係る発明は、
前記フィードバック量を、予め設定した最大フィードバック量と最小フィードバック量との間に制限することを特徴とする。
【0021】
定常運転時において、目標吸入空気量と実吸入空気量とに差が生じた場合、主に積分要素であるI分量がその差を小さくするように制御する。この場合、例えばその定常運転点が吸気絞り弁開度の吸入空気量に対する感度が小さい点であった場合、I分量は比較的大きな値となる。その後、何らかの原因により他地点へ移動した場合(実際の場合ではアクセル踏み込みによる他地点への移動であるが)、それまでに積分したI分量はすぐには変化しない。もし、移った先の運転点が吸気絞り弁開度の吸入空気量に対する感度が大きい点であった場合、前回までのI分量がクリアされるまでの時間、吸気絞り弁の動作が遅れることになる(図33a部参照)。
【0022】
そこで、請求項4に係る発明によると、必要以上にフィードバック量(主にI分量)が溜まることを防止するために、これに制限を設けることで上記のような不具合を軽減することが可能となる(図33b部参照)。
また、請求項5に係る発明は、
前記フィードバック量は、目標吸入空気量と実吸入空気量との差の絶対値が予め設定した値を超える場合には、フィードバック量を0とすることを特徴とする。
【0023】
請求項5に係る発明によると、
予め設定した値を超えて目標吸入空気量と実吸入空気量とが乖離した場合、強制的にフィードバック量をクリアすることで、先に述べたような応答遅れを回避することが可能となる(図33c部参照)。
また、請求項6に係る発明は、
前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御は、過給機による過給圧制御を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項6に係る発明によると、
過給圧を制御することで、容易に吸入空気量を制御することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図に基づいて説明する。一実施形態のシステム構成を示す図1において、過給機1は、エアクリーナ2でダストを除去されて吸気通路3に吸入された空気を吸気コンプレッサ1Aにより圧縮過給し、インタクーラ4で冷却した後、下流側の吸気マニホールド5へ送り込む。
【0026】
一方、サプライポンプ6から圧送され、コモンレール7を経て高圧に貯留された燃料が、エンジン8の各気筒の燃焼室に装着された燃料噴射弁(インジェクタ)9から燃焼室に向けて燃料が噴射され、該噴射された燃料は着火して燃焼される。
また、排気マニホールド10と前記吸気マニホールド5のコレクタ部5Aとを結んでEGR弁11を介装したEGR通路12が接続されると共に、前記吸気通路3の吸気コンプレッサ1Aの上流側に電子制御式吸気絞り弁13が介装され、主としてアイドル時や低負荷時に排気改善,騒音対策のために前記吸気絞り弁13を絞ると同時にEGR弁11の開度を制御してEGR制御を行う。
【0027】
前記吸気絞り弁13下流の各気筒に分岐する吸気ポートには、スワールコントロールバルブ(SVC)14が配設され、絞り量の制御によって、燃焼室内に運転状態に応じて適度のスワールを形成する。
燃焼後の排気は、排気マニホールド10より前記過給機1の排気タービン1Bを回転駆動させた後、NOxトラップ触媒15により排気中のNOxが捕集された後に大気中に放出される。排気タービン1Bは、可変ノズル式となって過給圧を可変制御できるようになっている。
【0028】
エンジンの運転状態を検出する各種センサ類として、吸入空気流量を検出するエアフローメータ16、エンジン水温を検出する水温センサ17、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ18、アクセル開度センサ19などが設けられる。
前記センサ類からの検出信号は、コントロールユニット20に入力され、該コントロールユニット20は、各検出信号に基づいて検出された運転状態に応じて、EGR制御、燃料噴射制御(空燃比制御)、スワール制御を行う。ここで、本発明ではEGR制御状態に応じた空燃比フィードバック制御を行う。
【0029】
前記EGR制御状態に応じた空燃比フィードバック制御について、図2以下に基づいて説明する。
図2は、吸入空気量を検出するフローである。
ステップ1では、エアフローメータ14の出力電圧Usを読み込む。
ステップ2では、図3に示したようなリニアライズテーブルでUsから吸入空気量Qas0_dへ変換する。
【0030】
ステップ3では、加重平均処理を行ってQas0として、処理を終了する。
ステップ4では、次式により、1吸気行程あたりの吸入空気量を演算してQacとし、処理を終了する。
Qac=Qas0/Ne×KCON♯
次に、目標EGR率Megrを演算するフローを、図4に従って説明する。
【0031】
ステップ11では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、エンジン水温Twを読み込む。
ステップ12では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolから、図5に示すようなマップを検索して、基本目標EGR率Megrbを演算する。
ステップ13では、エンジン水温Twから、図6に示すようなマップを検索して、目標EGR率補正係数Kegr_twを演算する。
【0032】
ステップ14では、基本目標EGR率Megrbと目標EGR率補正係数Kegr_twとを乗じて、目標EGR率Megrを演算し、処理を終了する。
図7は、EGR流速Cqeを演算するフローである。これはEGR流速すなわちEGR弁前後差圧を予測するフローであり、実際にセンサ等を設けて検知してもよい。
【0033】
ステップ21では、前記目標EGR率Megr、実吸入空気量Qacを読み込む。
ステップ22では、EGR流量Qecを次式により演算する。
Qec=Qac×Megr
ステップ23では、前記EGR流量Qec、目標EGR率Megrから例えば図8に示すようなマップより補間計算してEGR流速Cqeを演算して、処理を終了する。
【0034】
図9は、EGR制御による空燃比フィードバック制御と吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御とを選択するフローであり、第1の実施形態と第2の実施形態に適用される。
ステップ31では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、目標EGR率Megr、EGR流速Cqeを読み込む。
【0035】
ステップ32では、エンジン回転速度Neが所定値NEL♯より大きいか否かを判断し、大きければステップ33へ進み、小さければステップ39へ進む。
ステップ33では、燃料噴射量Qsolが所定値QSOLL♯より大きいか否かを判定し、大きければステップ34へ進み、小さければステップ39へ進む。ステップ34では、フィードバック制御許可フラグFfbを1(許可)とする。
【0036】
ステップ35では、目標EGR率Megrが所定値MEGRL♯より大きいか否かを判定し、大きければステップ36へ進み、小さければステップ38へ進む。
ステップ36では、EGR流速Cqeが所定値CQEL#より大きいか否かを判定し、大きければステップ37へ進んでEGRフィードバックフラグを1(許可)とし、小さければステップ38へ進んでEGRフィードバックフラグを0(禁止)として処理を終了する。
【0037】
本実施形態では、空燃比をEGR流速が所定より大きいときにEGRでフィードバックするようにしているが、逆に小さい場合にEGRでフィードバックするにようにしてもよい。
図10は、目標吸入空気量tQacを設定するフローである。これはリッチスパイク制御を行わない場合のフローである。
【0038】
ステップ41では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolを読み込む。
ステップ42では、例えば図11に示すようなマップから補間算して目標吸入空気量tQacを設定し、処理を終了する。
図12はEGRのフィードバック係数Kegrを演算するフローである。
ステップ51では、目標吸入空気量tQac、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、実吸入空気量Qacを読み込む。
【0039】
ステップ52では、フィードバック許可フラグFfbを見てフィードバック許可か否かを判定し、許可であればステップ53へ進み、禁止であればステップ55へ進む。
ステップ53では、EGRフィードバックフラグFegrfbが1か否か、もしくはフィードバックモードFfbmdが1(EGRフィードバック)か否かを判定し、EGRフィードバック指令であればステップ54へ進み、否であればステップ55へ進む。
【0040】
ステップ54では次式により吸入空気量誤差割合dQacを演算する。
dQac=Qac/tQac−1
ステップ55では、EGRフィードバック禁止状態であるので誤差割合dQac=0とする。
ステップ56では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolからフィードバックゲイン補正係数Khを演算し、ステップ57で最終的な補正ゲインを設定する。
【0041】
ステップ58では、ステップ57で設定したフィードバックゲインとdQacを用いてフィードバック補正割合Kqecを演算する。
ステップ59では、次式によりEGR流量補正係数Kegrを演算して、処理を終了する。
Kegr=Kqec+1
図13は、EGR弁11の開口面積を演算するフローである。
【0042】
ステップ61では、実吸入空気量Qac、目標EGR率Megr、EGR流速Cqe、エンジン回転速度Ne、EGR流量補正係数Kegrを読み込む。
ステップ62では、次式により目標EGR流量tQekを演算する。これはEGR流量の演算と1吸気行程あたりのEGR量から単位時間あたりの流量への変換を行っている。
【0043】
tQek=Qac×Megr×Kegr×Ne/KCON♯
ステップ63では、目標EGR量tQekとEGR流速Cqeから次式によりEGR弁開口面積Aevを演算する。
Aev=tQek/Cqe
図14は、得られたEGR弁11の開口面積Aveをアクチュエータの指令信号に変換するテーブルの例を示している。該指令信号の出力により、EGR弁11が前記開口面積Aveに制御される。
【0044】
図15は、吸気絞りのフィードバック量kQh0を演算するフローである。
ステップ71では、目標吸入空気量tQac、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、実吸入空気量Qacを読み込む。
ステップ72では、フィードバック許可フラグFfbを見てフィードバック許可か否かを判定し、許可であればステップ73へ進み、禁止であればステップ75へ進む。
【0045】
ステップ73では、EGRフィードバックフラグFegrfbが0か否かを判定し、EGRフィードバックでないあるいは吸気絞りフィードバック指令(後述するフィードバックモードFfbmb=2)であればステップ74へ進み、否であればステップ75へ進む。
ステップ74では、次式により吸入空気量誤差量dQactvを演算する。
【0046】
dQactv=tQac−Qac
ステップ75では、フィードバック禁止状態であるので誤差量dQactv=0とする。
ステップ76では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolからフィードバックゲイン補正係数Ktを演算し、ステップ77で最終的な補正ゲインを設定する。
【0047】
ステップ78では、ステップ77で設定したフィードバックゲインとdQactvを用いてフィードバック量kQh0を演算し、処理を終了する。
図16は、吸気絞り弁開度TVOを演算するフローである。
ステップ81では、エンジン回転速度Ne、目標EGR率Megr、目標吸入空気量tQac、フィードバック補正量kQh0を読み込む。
【0048】
ステップ82では、例えば図17に示すような最大作動ガス量テーブルをエンジン回転速度Neにより補間計算して最大作動ガス量Qgmaxを設定する。
ステップ83では、次式により目標作動ガス割合tQh0を演算する。
tQh0=tQac×(1+Megr)/VCE♯/Qgmax+kQh0
ステップ84では、tQh0より例えば図18に示すようなテーブルを補間計算して吸入空気量比tDNVを演算する。
【0049】
ステップ85では、次式により目標開口面積基本値tAtvobを演算する。
tAtvob=tDNV×Ne×VOL♯
ステップ86では、次式により目標開口面積tAtvoを演算する。これはtAtvobが作動ガス全体の開口面積であるのに対してEGRガス分の補正を行ったものである。
【0050】
tAtvo=tAtvob/(1+Megr)
ステップ87では、例えば図19に示すようなテーブルにより単位変換(面積→角度)を行い、処理を終了する。これにより、アクチュエータに指令信号が出力され、吸気絞り弁13の開度がTVOとなるように制御される。
以上のように第1の実施形態では、目標EGR率Megrが所定より大きく、かつ、EGR流速が所定より大きいときにEGR制御による空燃比フィードバック制御が実行される。即ち、EGR率が所定以下の小領域では、EGR率に対して空燃比フィードバック制御のためのEGR制御量の変化代が相対的に大きくなって適正なEGR制御を行うことができなくなる。そこで、該小EGR率領域では、吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御を行うことで、精度のよいEGR制御と空燃比制御とを確保する。また、EGR率が所定より大きい領域ではEGR率に対して空燃比フィードバック制御のためのEGR制御量の変化代が相対的に小さくなるので、EGR制御による空燃比フィードバック制御を行ってEGR制御精度を確保しつつ応答性のよい空燃比制御を行う。
【0051】
また、EGR流速については、図20に示すように、EGR流速に対応する状態量であるEGR弁11の前後差圧が、低差圧側では差圧に対するEGR流量感度が大きく、高差圧側ではEGR弁11の開度に対する感度が大きい。したがって、本実施形態では、EGR流速の小さい低差圧側では差圧つまり吸気絞り弁13の開度制御による空燃比フィードバック制御を行い、高差圧側ではEGR弁11の開度制御による空燃比フィードバック制御を行うようにしており、これにより、線形性が保ちやすいため、フィードバックゲインの設定も容易である。しかし、逆に低差圧側ではEGR弁11の開度制御による空燃比フィードバック制御を行い、高差圧側では差圧つまり吸気絞り弁13の開度制御による空燃比フィードバック制御を行うようにすると、フィードバック制御によるハンチングの防止が可能である。このように、要求により、いずれが良いかは異なるが、少なくとも空燃比フィードバック制御をEGR弁前後差圧(EGR流速)で変更する要求は存在するので、要求に応じていずれかを選択すればよい。
【0052】
上記、第1の実施形態では、吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御を吸気絞り弁開度で制御するものを示したが、過給機1による過給圧制御により行う構成としてもよい。
以下、吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御を過給圧制御により行う第2の実施形態について説明する。
【0053】
図21は、過給機1のフィードバック量Dty_fbを演算するフローである。 ステップ91では、目標吸入空気量tQac、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、実吸入空気量Qacを読み込む。
ステップ92では、フィードバック許可フラグFfbを見てフィードバック許可か否かを判定し、許可であればステップ93へ進み、禁止であればステップ95へ進む。
【0054】
ステップ93では、EGRフィードバックフラグFegrfbが0か否かを判定し、EGRフィードバックでない場合は、ステップ95へ進む。
ステップ94では、次式により吸入空気量誤差量dQacvnを演算する。
dQacvn=tQac−Qac
ステップ95では、フィードバック禁止状態であるので誤差量dQacvn=0とする。
【0055】
ステップ96では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolからフィードバックゲイン補正係数Kvを演算し、ステップ97で最終的な補正ゲインを設定する。
ステップ98では、ステップ97で設定したフィードバックゲインとdQacvnを用いてフィードバック補正量Dty_fbを演算し、処理を終了する。
【0056】
図22は、過給機制御のフローである。
ステップ101では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、過給機フィードバック量Dty_fbを読み込む。
ステップ102では、過給機指令のフィードフォワード量Dty_ffを、例えば図23に示すようなマップを補間計算して設定し、ステップ103で次式により最終指令値Dutyvntを演算して処理を終了する。
【0057】
Dutyvnt=Dty_ff+Dty_fb
前記指令値Dutyvntの信号が過給機1に出力されると、可変ノズルの制御によって目標過給圧に制御される。
次に、前記NOxトラップ触媒15に吸着されたNOxを排気中のHCにより還元して触媒を再生するため、空燃比をリッチ制御するリッチスパイク制御を行う場合に対応した第3の実施形態について説明する。
【0058】
図24は、リッチスパイクフラグfrspkを設定するフローである。
ステップ111では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、エンジン水温Twを読み込む。
ステップ112では、水温Twが所定値TWRSK♯以上か否かを判定し、以上であればステップ113へ進み、否であればステップ121へ進む。
【0059】
ステップ113では、エンジン回転速度Neが所定範囲に入っているか否かを判定し、入っていればステップ114へ進み、入っていなければステップ121へ進む。
ステップ114では、燃料噴射量Qsol(負荷)が所定範囲に入っているか否かを判定し、入っていればステップ115へ進み、入っていなければステップ121へ進む。以上ステップ113、114では、リッチスパイクが効果的にできる範囲すなわちNOx還元剤であるHCが、リッチスパイクを入れることにより効果的に発生させうる領域か否かを判定している。
【0060】
ステップ115では、リッチスパイク実行完了フラグfrspk1が立っているか否かを判定し、立っていなければステップ116へ進み、立っていればステップ123へ進む。
ステップ116では、前回の処理でリッチスパイク条件が成立してリッチスパイク制御実行中となったか否かを判定し、実行中でなければステップ117へ進み、実行中であればステップ118へ進む。
【0061】
ステップ117では、リッチスパイク実行カウンタCtrrhをTMRRSK♯にセットし、ステップ122へ進んでリッチスパイク制御実行フラグfrspkを立てて処理を終了する。
また、ステップ118では、前記カウンタCtrrhをデクリメントし、ステップ119ではCtrrhがゼロすなわちリッチスパイク制御実行終了か否かを判定する。
【0062】
Ctrrhがゼロであればステップ120へ進み、リッチスパイク制御実行終了フラグfrspk1を立て、ステップ123でfrspkを0として処理を終了する。
また、ステップ119で未だカウンタCtrrhがゼロでない、すなわち未だ終了条件でないときにはステップ122へ進み、frspkを1(実行状態)に維持する。
【0063】
また、ステップ112、113、114の各判定が否のときにはステップ121へ進むが、リッチスパイク制御完了フラグfrspk1をクリアして、ステップ123へ進み、frspkをクリアして処理を終了する。
この処理は、リッチスパイク条件(運転条件)が成立し、まだリッチスパイク制御を行っていないときには所定時間実行し、その運転条件の変化が無いときにはリッチスパイク制御をおこなわず、一度その条件から外れて再度条件が成立したときに、また実行するようにして、不必要に制御を実行することを防止している。
【0064】
図25は、該リッチスパイク制御を行う第3の実施形態において目標吸入空気量tQacを設定するフローである。
ステップ131では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、リッチスパイクフラグfrspkを読み込む。
ステップ132では、frspkが1か否かを判定し、0(非実行)であればステップ133へ進み、1(実行)であればステップ134へ進む。
【0065】
ステップ133では、例えば前記図11に示したようなマップから補間計算(tQacb)して目標吸入空気量tQacを設定し、処理を終了する。
ステップ134では、リッチスパイク時用の目標吸入空気量マップを補間計算(tQacr)してtQacとし、処理を終了する。ここで、リッチスパイク時用の目標吸入空気量Qacrは、リッチスパイク非実行時の目標吸入空気量tQacbに比較して同一条件(Ne、Qsolが同一)において少ない値に設定されており、これにより、空燃比がリッチに制御される。
【0066】
図26は、該第3の実施形態において、EGR制御による空燃比フィードバック制御と吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御とを選択するフローである。
ステップ141では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、目標EGR率Megr、リッチスパイク制御実行フラグfrspkを読み込む。
【0067】
ステップ142では、エンジン回転速度Neが所定値NEL♯より大きいか否かを判断し、大きければステップ143へ進み、小さければステップ149へ進む。
ステップ143では、燃料噴射量Qsolが所定値QSOLL♯より大きいか否かを判定し、大きければステップ144へ進み、小さければステップ149へ進む。
【0068】
ステップ144では、フィードバック制御許可フラグFfbを1(許可)とし、 ステップ145では、目標EGR率Megrが所定値MEGRL♯より大きいか否かを判定し、大きければステップ146へ進み、小さければステップ148へ進む。
ステップ146では、EGRフィードバックフラグfrspkが0(不実行)か1(実行)かを判定し、0であればステップ147へ進み、EGRフィードバックフラグを1(許可)とし、1であればステップ148へ進み、EGRフィードバックフラグを0(禁止)とする。
【0069】
ステップ149では、フィードバック許可フラグを0(禁止)として処理を終了する。
以上のようにして設定されたEGRフィードバックフラグfrspkにしたがって、EGR制御を、前記図12、図13によって実行し、吸入空気量制御を、吸気絞り弁13で空燃比フィードバック制御を行うときは、図15、図16によって実行し、過給機1による過給圧制御で空燃比フィードバック制御を行うときは、図21、図22によって実行する。
【0070】
以上、第3の実施形態では、吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御を、吸気絞り制御か過給圧制御のいずれか一方のみを用いて行ったが、これら吸気絞り制御と過給圧制御を条件で切り換えて空燃比フィードバック制御を行うようにすることもできる。
図27は、前記リッチスパイク制御の実行時に吸気絞り制御による空燃比フィードバック制御を行い、リッチスパイク制御の非実行時は、目標EGR率に応じたEGR制御による空燃比フィードバック制御と過給圧制御による空燃比フィードバック制御とを切り換えて行う第4の実施形態において空燃比フィードバック制御を選択するフローを示す。
【0071】
ステップ151〜ステップ154、ステップ160は、図26のステップ141〜ステップ144、ステップ149と同様である。
ステップ154で、フィードバック制御許可フラグFfbを1(許可)とした後、ステップ155でfrspkが0か否かを判定し、0(EGRフィードバックの非実行)であればステップ157へ進む。
【0072】
ステップ157では、フィードバックモードFfbmdを2とする。これは吸気絞りによるフィードバック制御モードである。
ステップ155でfrspkが1であれば、ステップ156へ進み、目標EGR率Megrが所定値MEGRL#より大きいか否かを判定し、大きければステップ158へ進んで、フィードバックモードFfbmdを1とする。これはEGRによるフィードバック制御を実行するモードである。
【0073】
目標EGR率Megrが所定値MEGRL#以下であればステップ159へ進んで、フィードバックモードFfbmdを0とし、過給機によるフィードバック制御とする。
前記フィードバックモードFfbmdは、EGR制御においては、前記図12のステップ53でフラグFegrfbに代えてFfbmd=1であるかの判定に用いられ(図示括弧内に示す)、吸気絞り弁13の開度制御においては、前記図15のステップ73でフラグFegrfbに代えてFfbmd=2であるかの判定に用いられ(図示括弧内に示す)、過給圧制御においては、前記図21のステップ93でフラグFegrfbに代えてFfbmd=0であるかの判定に用いられる(図示括弧内に示す)。
【0074】
これにより、前記各判定によってリッチスパイク制御の実行時に吸気絞り制御による空燃比フィードバック制御、リッチスパイク制御の非実行時は、目標EGR率が小さいときはEGR制御による空燃比フィードバック制御、目標EGR率が大きいときは過給圧制御による空燃比フィードバック制御とが切り換えて行われる。
【0075】
これら、第3及び第4の実施形態では、リッチスパイク制御時に強制的に吸入空気量制御による空燃比フィードバック制御を行うようにしたため、図28に示すように、空燃比とEGR率とをそれぞれ正確に目標空燃比、目標EGR率と一致させることができ、安定した燃焼性と良好な排気浄化性とを両立できる。
なお、以上の実施形態では、吸入空気量を検出して目標吸入空気量と一致させて空燃比をフィードバック制御するものを示したが、空燃比センサによって空燃比を検出しつつ目標空燃比と一致するように制御するものであってもよい。この場合も、目標吸入空気量をフィードフォワード量として設定しておいて、目標空燃比と実空燃比との誤差量に基づいて、吸入空気量をEGR制御を介してまたは直接制御する構成とすればよい。
【0076】
次に、吸気絞り制御による吸入空気量制御において、前記図15とは異なるフローでフィードバック量を演算する実施形態(第5の実施形態)について説明する。 本実施形態は、請求項7〜11に対応するもので、これらの作用で既述したように吸気絞り弁の開度に応じて吸入空気量の感度が異なることなどに対処したものである。
【0077】
図29は、本実施形態に係る吸気絞りのフィードバック量kQh0を演算するフローである。
ステップ201では、目標吸入空気量tQac、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsol、実吸入空気量Qac、目標EGR率Megrおよびフィードバック量の現在値(前回算出値)kQh0zを読み込む。
【0078】
ステップ202〜205は、図15のステップ72〜75と同様である。すなわち、吸入空気量のフィードバック制御が許可され、EGRフィードバックでないあるいは吸気絞りフィードバック指令のときは吸入空気量誤差量dQactvを演算し(dQactv=tQac−Qac)、フィードバック制御が禁止されあるいはEGRで吸入空気量フィードバック制御しているときは、前記誤差量dQactvを0とする。
【0079】
ステップ206では、前記吸入空気量誤差量dQactvが最大値♯DQH0TVmax(>0)より大きく、かつ、現在のフィードバック量kQh0zが負であるかを判定し、ステップ207では、同じく吸入空気量誤差量dQactvが最小値♯DQH0TVmin(<0)より小さく、かつ、現在のフィードバック量kQh0zが正であるかを判定する。
【0080】
そして、ステップ207または208のいずれかが成立したときは、目標吸入空気量と実吸入空気量とが大きく乖離しているので、ステップ208へ進んでフィードバック量kQh0を強制的に0とすることにより応答遅れを回避する(図33c部参照)。上記、ステップ207または208の条件が共に不成立のときはステップ209以降へ進む。
【0081】
ステップ209では、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qsolからフィードバックゲイン補正係数Ktを演算する。
ステップ210では、次式により目標作動ガス割合tQh0を演算する。
tQh0=tQac×(1+Megr)/VCE♯/Qgmax+kQh0zステップ211では、前記目標作動ガス割合tQh0に応じたフィードバックゲインを演算する。具体的には、比例ゲイン基本値KPBt♯、積分ゲイン基本値KIBt♯、微分ゲイン基本値KDBt♯を、図30〜図32に示す特性マップを参照して求める。ここで、目標作動ガス割合tQh0が大きくなるほど、吸気絞り弁開度制御量に対する作動ガス割合の感度が低くなるので、各ゲイン基本値の値を大きくするように設定されている。そして、これら各ゲイン基本値に前記フィードバックゲイン補正係数Ktを乗じて比例ゲインKp、積分ゲインKi、微分ゲインKdを算出する。
【0082】
ステップ212では、前記フィードバックゲインと誤差量dQactvとを用いてフィードバック量kQh0を演算する。
ステップ213で、前記フィードバック量kQh0が正のリミット値♯KQH0MXを超えているかを判定し、超えているときはステップ214へ進んでフィードバック量kQh0をリミット値♯KQH0MXとして制限する。
【0083】
また、ステップ213で正のリミット値♯KQH0MXを超えていないと判定されたときは、ステップ215でフィードバック量kQh0が負のリミット値♯KQH0MXを下回っているかを判定し、下回っているときはステップ216へ進んでフィードバック量kQh0をリミット値♯KQH0MNとして制限する。これにより、その後、運転状態が大きく変化した場合でもそれまでのフィードバック量が大き過ぎることによる応答遅れを回避できる(図33のb部参照)
図33は、本実施形態における吸入空気量制御の様子を示し(図示実線)、フィードバック量を感度を考慮して算出すること、フィードバック量をリミット値で制限すること、急激な変化時にフィードバック量をクリアすることにより、これらの機能を備えない場合(図示一点鎖線)と比較して、ハンチングを抑制した安定性に優れかつ応答性にも優れた制御を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシステム構成図。
【図2】吸入空気量検出ルーチンを示すフローチャート。
【図3】エアフローメータ出力電圧−吸入空気流量変換テーブルを示す図。
【図4】目標EGR率演算ルーチンを示すフローチャート。
【図5】基本目標EGR率マップ例を示す図。
【図6】目標EGR率水温補正係数テーブル例を示す図。
【図7】EGR流速を演算するルーチンを示すフローチャート。
【図8】EGR流速マップ例を示す図。
【図9】空燃比フィードバック制御方式を選択するルーチンを示すフローチャート。
【図10】目標吸入空気量設定ルーチンを示すフローチャート。
【図11】目標吸入空気量マップ例を示す図。
【図12】EGRフィードバック補正係数を演算するルーチンのフローチャート。
【図13】EGR弁開口面積を演算するルーチンのフローチャート。
【図14】EGR弁開口面積−駆動信号変換テーブル例を示す図。
【図15】吸気絞り弁フィードバック量を演算するルーチンのフローチャート。
【図16】吸気絞り弁開度を制御するルーチンのフローチャート。
【図17】最大作動ガス量テーブル例を示す図。
【図18】吸入空気量比変換テーブル例を示す図。
【図19】吸気絞り弁開度変換テーブル例を示す図。
【図20】EGR弁前後差圧−EGR流量特性を示す図。
【図21】過給機フィードバック量を演算するルーチンのフローチャート。
【図22】過給機を制御するルーチンのフローチャート。
【図23】目標過給機制御デューティと燃料噴射量との関係を示す図。
【図24】リッチスパイクフラグを設定するルーチンのフローチャート。
【図25】リッチスパイク制御時の目標吸入空気量設定ルーチンを示すフローチャート。
【図26】第3の実施形態における空燃比フィードバック制御方式を選択するルーチンを示すフローチャート。
【図27】第4の実施形態における空燃比フィードバック制御方式を選択するルーチンを示すフローチャート。
【図28】第3及び第4の実施形態の効果を示す図。
【図29】第5の実施形態の吸気絞り弁フィードバック量を演算するルーチンのフローチャート。
【図30】目標作動ガス割合に対する比例ゲイン基本値の特性マップ。
【図31】目標作動ガス割合に対する積分ゲイン基本値の特性マップ。
【図32】目標作動ガス割合に対する微分ゲイン基本値の特性マップ。
【図33】第5の実施形態における吸入空気量制御の様子を示すタイムチャート。
【図34】吸気絞り弁開度と吸入空気量との関係を示す図。
【図35】吸気絞り弁開度と目標作動ガス割合との関係を示す図。
【符号の説明】
1 過給機
5 吸気マニホールド
8 エンジン
9 燃料噴射弁
10 排気マニホールド
11 EGR弁
12 EGR通路
13 吸気絞り弁
16 エアフロメータ
17 水温センサ
18 回転速度センサ
19 アクセル開度センサ
20 コントロールユニット
Claims (6)
- EGRを目標EGR率に基づいて制御することによる空燃比フィードバック制御と、エンジン吸気系に介装された吸気絞り弁の開度制御を含んで吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御とを、目標EGR率に応じて切り換えて実行し、かつ、空燃比をリッチに制御するときには、無条件に前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択する一方、
前記吸気絞り弁の開度制御は、目標作動ガス割合のフィードバック量の演算と、この目標作動ガス割合のフィードバック量を用いての吸気絞り弁開度の設定とを所定の周期毎に行うものであり、
このうち目標作動ガス割合のフィードバック量の演算は、実吸入空気量と目標吸入空気量の差を演算し、目標EGR率に1を加算した値を目標吸入空気量に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量と係数とで除算した値に前回の目標作動ガス割合のフィードバック量を加算して目標作動ガス割合を演算し、この目標作動ガス割合からフィードバックゲインを算出し、このフィードバックゲインと前記差とを用いて今回の目標作動ガス割合のフィードバック量を算出する、ことにより行うものであり、
前記吸気絞り弁開度の設定は、目標EGR率に1を加算した値を目標吸入空気量に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量と係数とで除算した値に前記今回の目標作動ガス割合のフィードバック量を加算して目標作動ガス割合を演算し、この目標作動ガス割合から吸入空気量比を演算し、この吸入空気量比に基づいて吸気絞り弁開度を演算する、ことにより行うものである
ことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。 - エンジン運転状態に基づいて目標吸入空気量と目標EGR率を設定し、実吸入空気量が目標吸入空気量に一致するようにフィードバック制御することで空燃比フィードバック制御を行うと共に、目標EGR率に基づいてEGRを制御するエンジンの空燃比制御装置であって、
前記空燃比フィードバック制御の実行条件で、EGR制御によって吸入空気量を間接制御することによる空燃比フィードバック制御と、エンジン吸気系に介装された吸気絞り弁の開度制御を含んで吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御とを、前記目標EGR率に基づいて選択し、かつ、空燃比をリッチに制御するときには、無条件に前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御を選択する一方、
前記吸気絞り弁の開度制御は、目標作動ガス割合のフィードバック量の演算と、この目標作動ガス割合のフィードバック量を用いての吸気絞り弁開度の設定とを所定の周期毎に行うものであり、
このうち目標作動ガス割合のフィードバック量の演算は、実吸入空気量と目標吸入空気量の差を演算し、目標EGR率に1を加算した値を目標吸入空気量に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量と係数とで除算した値に前回の目標作動ガス割合のフィードバック量を加算して目標作動ガス割合を演算し、この目標作動ガス割合からフィードバックゲインを算出し、このフィードバックゲインと前記差とを用いて今回の目標作動ガス割合のフィードバック量を算出する、ことにより行うものであり、
前記吸気絞り弁開度の設定は、目標EGR率に1を加算した値を目標吸入空気量に乗算した値である作動ガス量をその作動ガス量の最大値である最大作動ガス量と係数とで除算した値に前記今回の目標作動ガス割合のフィードバック量を加算して目標作動ガス割合を演算し、この目標作動ガス割合から吸入空気量比を演算し、この吸入空気量比に基づいて吸気絞り弁開度を演算する、ことにより行うものである
ことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。 - EGRガスの流速または該流速に対応する状態量に基づいて前記空燃比フィードバック制御の選択を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの空燃比制御装置。
- 前記フィードバック量を、予め設定した最大フィードバック量と最小フィードバック量との間に制限することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジンの空燃比制御装置。
- 前記フィードバック量を、目標吸入空気量と実吸入空気量との差の絶対値が予め設定した値を超える場合には、0とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの空燃比制御装置。
- 前記吸入空気量を直接制御することによる空燃比フィードバック制御は、過給機による過給圧制御を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの空燃比制御装置。
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