JP4228477B2 - 流動性改善剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
本発明は、免疫学的測定法に使用される試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
近年、臨床検査・診断薬分野に於いて、生体由来試料中の測定対象物質を短時間のうちに多量に、且つ簡便に測定するために、免疫反応を利用した自動分析装置が開発されており、更には、一つのカートリッジに免役反応及び測定に必要な試液の全てが封入された複数のウェルを有するカートリッジを用いて、一検体一カートリッジ方式(1チューブ1アッセイ)で該測定対象物質をより簡便且つ迅速に測定するための自動分析装置も開発されている。
【0003】
一方、このような自動分析装置を用いて免疫学的測定を行う場合には、カートリッジのウェル内での試液の流動性が良好でないとウェルから正確な試液量を反応ウェルに移動させることができなくなり、再現性が低下する等、精度の高い分析が行えなくなることが問題となっていた。
【0004】
また、免疫学的測定法に於いて使用される抗原、抗体又は標識物質により標識された抗原又は抗体(以下、標識体と略記する。)が、測定対象物質又は測定対象物質に対する抗原又は抗体を固定化した固相や反応ウェルに非特異的に吸着してしまい、検出感度や再現性等を低下させるという問題点をも有していた。
【0005】
従来、これら問題点を解消する方法として、界面活性剤等を試液に共存させることにより試液の流動性や非特異的吸着を改善する方法(有機工業化学 朝倉書店、特開平6-94715号公報等)等が試みられている。
【0006】
しかしながら、このような目的で用いられてきた従来の界面活性剤は、試液の流動性改善作用が必ずしも充分とはいえないばかりか、免疫反応を阻害してしまうため、上記した如き免疫学的測定法に於いて実際には使用することができなかった。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、免疫反応に影響を与えず、試液の流動性を改善し、且つ抗原、抗体又は標識体等の非特異的吸着を防止し、高精度且つ高感度な分析を可能にする免疫学的測定法用試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決する目的でなされたものであり、
(1)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、免疫学的測定法用試液の流動性改善剤、
【0009】
(2)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、免疫学的測定法用試液中に存在させることを特徴とする、該試液の流動性改善方法、
【0010】
(3)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤、
【0011】
(4)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、抗体又は抗原を含有する溶液中に存在させることを特徴とする、抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、
【0012】
(5)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、免疫学的測定法用試液、及び
【0013】
(6)フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を共存させた、抗体又は抗原を含有する溶液を用いることを特徴とする、免疫学的測定方法。
【0014】
即ち、本発明者らは、免疫反応に影響を与えず、試液の流動性の改善及び抗原、抗体又は標識体等の非特異的吸着を防止し、高精度且つ高感度な分析を可能にする免疫学的測定法用試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤を求めて鋭意研究を重ねた結果、フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタイン(以下、本発明に係る化合物と略記することがある。)が、免疫反応に影響を与えずに、試液の流動性を改善し得、更には、抗原、抗体又は標識体等の非特異的吸着を防止する目的で従来用いられていた種々の界面活性剤に比べて著しい非特異的吸着改善効果を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明に於いて用いられるフルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩のアルキル基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは10〜25のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル基、トリアコンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンタデシル基、シクロノナデシル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子のうち通常1以上がフッ素原子に置換されたものが挙げられる。また、アルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の塩類が挙げられる。
【0016】
また、本発明に於いて用いられるフルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテルのアルキル基としては、通常炭素数1〜20、好ましくは5〜15の低級アルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されたものであるが、免疫反応への影響を小さくするためには、少なくとも1以上、好ましくは2以上の水素原子は無置換のままであることが好ましい。アルキレン基としては、通常炭素数1〜6、好ましくは2〜3の低級アルキレン基が挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンタメチレン基、2−エチルプロピレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。尚、上記した如きアルキレン基を含むオキシアルキレン基の繰り返し数としては、通常1〜30、好ましくは10〜25である。
また、これらフルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテルの具体例としては、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテルがその代表的なものとして挙げられる。
【0017】
本発明に於いて用いられるN−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミドのアルキル基としては、通常炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。アルキレン基としては、通常炭素数1〜6、好ましくは2〜3の低級アルキレン基が挙げられ、具体的には、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチルプロピレン基、ペンタメチレン基、2−エチルプロピレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。尚、上記した如きアルキレン基を含むオキシアルキレン基の繰り返し数としては、通常1〜30、好ましくは10〜25である。アルカンスルホンアミドとしては、アルカン部分が通常炭素数1〜15、好ましくは5〜10のアルカンスルホンアミドが挙げられ、具体的には、例えばメタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロパンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ペンタンスルホンアミド、ヘキサンスルホンアミド、ヘプタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ノナンスルホンアミド、デカンスルホンアミド、ウンデカンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、トリデカンスルホンアミド、テトラデカンスルホンアミド、ペンタデカンスルホンアミド、イソブタンスルホンアミド、イソペンタンスルホンアミド、ネオペンタンスルホンアミド、2−メチルペンタンスルホンアミド、3−メチルペンタンスルホンアミド、2,2−ジメチルブタンスルホンアミド、2,3−ジメチルブタンスルホンアミド、2−メチルヘキサンスルホンアミド、3−メチルヘキサンスルホンアミド、3−エチルペンタンスルホンアミド、2,2−ジメチルペンタンスルホンアミド、2,3−ジメチルペンタンスルホンアミド、2,4−ジメチルペンタンスルホンアミド、3,3−ジメチルペンタンスルホンアミド、2,2,3−トリメチルブタンスルホンアミド、2−メチルヘプタンスルホンアミド、3−メチルヘプタンスルホンアミド、2,2−ジメチルヘキサンスルホンアミド、2,3−ジメチルヘキサンスルホンアミド、2,5−ジメチルヘキサンスルホンアミド、3,4−ジメチルヘキサンスルホンアミド、2,2,3−トリメチルペンタンスルホンアミド、2,2,4−トリメチルペンタンスルホンアミド、2,3,3−トリメチルペンタンスルホンアミド、2,3,4−トリメチルペンタンスルホンアミド、2−メチルオクタンスルホンアミド、2−メチルノナンスルホンアミド等が挙げられる。パーフルオロアルカンスルホンアミドとしては、上記アルカンスルホンアミドのアルカン部分の水素原子が全てフッ素原子に置換したものが挙げられる。また、これらN−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミドの具体例としては、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドがその代表的なものとして挙げられる。
【0018】
また、本発明に於いて用いられるフルオロアルキルベタインのアルキル基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは10〜25のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル基、トリアコンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンタデシル基、シクロノナデシル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子のうち通常1以上がフッ素原子に置換されたものが挙げられる。
【0019】
本発明に係る免疫学的測定法用試液としては、例えばサンドイッチ法,競合法,二抗体法等の測定原理に基づく、例えば酵素免疫測定方法(EIA),放射免疫測定方法(RIA),蛍光免疫測定方法(FIA)等の自体公知の免疫学的測定法〔例えば、酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987:酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)1987年9月10日発行;医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983等〕に用いられる試液又はその一部を含有する溶液が挙げられ、本発明に係る化合物はこれら全ての試液に使用し得る。
【0020】
本発明に係る化合物を、上記した如き免疫学的測定用試液、例えば免疫反応時に使用される緩衝液、例えば抗原,抗体,又はこれらの標識体を含有する試液、検体、或いは標準液等中に存在させることによって、免疫反応に影響を与えることなく、試液容器内に於けるこれら試液等の流動性を改善することができる。
【0021】
また、本発明に係る化合物は、試液の流動性を改善し得るばかりでなく、例えば抗原,抗体,又は標識体が、測定対象物質又は測定対象物質に対する抗原若しくは抗体を担持(固定化)した固相(以下、単に固定化固相と略記する場合がある。)、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止し得る作用をも有しているので、本発明に係る化合物を、例えば免疫反応時に使用される緩衝液、例えば抗原,抗体又は標識体を含有する試液、検体、或いは標準液等に含有させて反応系内に存在させることによって、免疫反応に影響を与えずに、抗原、抗体又はこれらの標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止することもできる。
【0022】
本発明に於いては、フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた化合物を夫々単独で用いても、或いはこれらを二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明に係る化合物を流動性改善剤として用いる場合の使用濃度としては、免疫学的測定法用試液の試液容器内での流動性を改善し得、且つ目的の免疫反応を阻害しない濃度であればよく、例えばフルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を単独で用いる場合は、試液中に通常0.005〜1w/v%、好ましくは0.01〜0.2w/v%となるように添加され、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテルを単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜5w/v%、好ましくは0.04〜1w/v%となるように添加され、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜10w/v%、好ましくは0.04〜2w/v%となるように添加され、フルオロアルキルベタインを単独で用いる場合は、試液中に通常0.001〜1w/v%、好ましくは0.005〜0.2w/v%となるように添加される。また、これらを2種以上組み合わせて用いる場合は、その合計が通常0.01〜2w/v%、好ましくは0.05〜0.2w/v%となるように試液中に添加される。
【0024】
また、本発明に係る化合物を非特異的吸着防止剤として用いる場合の使用濃度としては、抗原,抗体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止し得、且つ目的の免疫反応を阻害しない濃度であればよく、例えばフルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩を単独で用いる場合は、試液中に通常0.005〜0.5w/v%、好ましくは0.04〜0.2w/v%となるように添加され、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテルを単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜2w/v%、好ましくは0.04〜1w/v%となるように添加され、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜2w/v%、好ましくは0.04〜1w/v%となるように添加され、フルオロアルキルベタインを単独で用いる場合は、試液中に通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.04〜0.2w/v%となるように添加される。また、これらを2種以上組み合わせて用いる場合は、その合計が通常0.01〜1w/v%、好ましくは0.04〜0.2w/v%となるように試液中に添加される。
【0025】
尚、本発明に係る化合物が有する、流動性改善効果と非特異的吸着防止効果の両方を同時に期待する場合、本発明に係る化合物の使用濃度としては、目的の免疫反応を阻害しない濃度であって、免疫学的測定法用試液の試液容器内での流動性を改善し得、且つ抗原,抗体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止し得る濃度となるように、上記した如き濃度範囲から適宜選択すればよい。
【0026】
本発明に係る化合物により、試液容器内での試液の流動性を改善し得る試液容器の材質及び形状としては特に限定されないが、例えばポリスチレン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル樹脂,ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガラス、金属、セラミック、シリコンラバー等から調製されたボトル、試験管、チューブ、多数のボトル,験管又はチューブが一体成型された専用のトレイ、多数のウェルを有するマイクロタイタープレート、或いは複数のウェルを有するカートリッジ等が挙げられる。
【0027】
中でも、試液容器として、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成高分子から調製されたものであって、該試液容器の内径が、例えば1〜10mm程度の小さいものを使用する場合には、表面張力等の影響を強く受けるため、容器の底部以外の部分にとどまる場合も多々あり、そのような場合には、試液吸引用ピペッター等により、試液容器から正確な試液量を反応容器に移動させることが困難となるので、本発明の流動性改善剤が特に有効に用いられる。
【0028】
本発明に係る化合物を用いて免疫学的測定法用試液の流動性を改善するには、上記した如き自体公知の免疫学的測定法用試液又はその一部中に、本発明に係る化合物を上記した如き濃度存在させればよく、存在させる方法は特に限定されないが、例えば、免疫反応時に使用される緩衝液、抗原、抗体又は標識体を含有する試液、検体、或いは標準液等に本発明に係る化合物を予め添加溶解しておくことが望ましい。
【0029】
本発明に係る化合物により、固定化固相、試液容器、反応容器等への特異的な吸着が防止し得る抗原としては、例えば血清,血液,血漿,髄液等の各種体液や尿等の***物、糞便等の希釈物から固形分を除去したもの、リンパ球、血球、各種細胞類、各種生体組織の抽出液等の生体由来試料中に含まれる蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖、ホルモン、薬物等が代表的なものとして挙げられる。更に、具体的には例えばα-フェトプロテイン(AFP),CA19-9,前立腺特異抗原(PSA)、癌胎児性抗原(CEA),癌細胞の産生する特殊な糖鎖を有する物質等の癌マーカー、例えば免疫グロブリンA(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブリンG(IgG),免疫グロブリンM(IgM),β2-ミクログロブリン,アルブミン,フェリチン等の血清蛋白質、例えばC-ペプチド,アンジオテンシンI等のペプチド、例えばアミラーゼ,アルカリホスファターゼ,γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GTP)等の酵素蛋白、例えばルベラウイルス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイルス,AIDSウイルス等臨床的に注目されているウイルスに由来する抗原、ウイルス等の病原体のデオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)或はこれら核酸を構成する1本鎖ポリヌクレオチド、ウイルス等の病原体に由来する抗原性物質、例えばスギその他の草木の花粉や室内塵等のアレルゲン、例えばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン,プラスミン,セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例えばインシュリン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),サイロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),プロラクチン,甲状腺刺激ホルモン(TSH)等のホルモン、例えばジゴキシン,フェニトイン,モルヒネ,ニコチン等の薬物等が挙げられる。
【0030】
本発明に係る化合物により、非特異的吸着を防止し得る抗体としては、上記した如き抗原に対する抗体が挙げられる。尚、これら抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、また、該抗体には、抗体の分解物であるF(ab’)2、Fab’、Fab等も包含される。
【0031】
本発明に於ける標識体としては、上記した如き抗原又は抗体に、通常この分野で用いられる標識物質を結合させたものが挙げられる。
【0032】
このような標識物質としては、例えば酵素免疫測定法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスファターゼ(ALP),β-ガラクトシダーゼ(β-Gal),パーオキシダーゼ(POD),マイクロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ(GOD),グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH),リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、例えば放射免疫測定法(RIA)で用いられる99mTc,131I,125I,14C,3H等の放射性同位元素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)で用いられるフルオレセイン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,ナフチルアミン或はこれらの誘導体,ユウロピウム(Eu)等の蛍光性物質、例えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキソ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記した如き標識物質を、抗原又は抗体に結合させた標識体の調製方法は、通常この分野で用いられる常法、例えば自体公知のEIA、RIA或いはFIA等に於いて一般的に行われている自体公知の標識方法[例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第3版、医学書院、1987等]や、アビジン(又はストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用した常法等何れの方法によるものでもよい。
【0033】
本発明に係る化合物を用いて抗原,抗体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止するには、少なくとも免疫反応の際にその反応系内に、本発明に係る化合物を上記した如き濃度となるように存在させればよく、存在させる方法は特に限定されないが、例えば、免疫反応時に使用される緩衝液、抗原、抗体又は標識体を含有する試液、検体、或いは標準液等に本発明に係る化合物を予め添加溶解させておいても、また、検体と必要な試液とを混合する際に添加溶解させてもよい。尚、非特異的吸着防止効果を考慮した場合、及び非特異的吸着防止効果と同時に流動性改善効果をも期待する場合には、抗原、抗体又は標識体を含有する試液中に、本発明に係る化合物を予め添加しておくことが望ましい。
【0034】
本発明に係る化合物により、抗原、抗体又は標識体が非特異的に吸着するのを防止し得る固定化固相の固相、即ち、いわゆる不溶性担体の材質及び形状としては特に限定されないが、例えばポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル樹脂,ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガラス、金属、セラミック、シリコンラバー等から調製された、例えば試験管、タイタープレート、ビーズ、ラテックス、磁性微粒子等や、ニトロセルロース、硝酸セルロース、ガラス繊維、ナイロン、修飾ナイロン、活性基修飾ナイロン、ポリビニリデンジフルオロライド(PVDF)、修飾PVDF、紙、レーヨン、綿糸、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン等から調製された膜状やシート状の吸収性担体(イムノクロマト法等で用いられるもの)等が挙げられる。
【0035】
固相に結合させる抗原又は抗体は、上記した如き生体由来試料中の測定すべき物質に応じて適宜選択され、抗原又は抗体の固相(不溶性担体)への結合は、化学的結合であっても、物理的結合(吸着)であってもよい。
【0036】
本発明に係る化合物により、非特異的吸着を防止し得る試液容器又は反応容器の材質及び形状としては特に限定されるないが、例えばポリスチレン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,アクリル樹脂,ポリメチルメタクリレート等の合成高分子、ガラス等から調製された試験管、チューブ、多数の試験管又はチューブが一体成型された専用のトレイ、マイクロタイタープレート、或いは複数のウェルを有するカートリッジ等が挙げられる。
尚、これら反応容器は、場合により反応容器自体を固定化固相用固相として使用することもできる。
【0037】
本発明の免疫学的測定方法は、本発明に係る化合物を用いる以外は、上記した如き自体公知の免疫学的測定法に準じて実施すればよく、使用される試薬類もこれら自体公知の方法に準じて適宜選択すればよい。
即ち、自体公知の免疫学的測定法に於いて、本発明の化合物を、該免疫学的測定法用試液又はその一部中に共存させて、自体公知の免疫学的測定法に準じて測定を行うことにより、免疫反応に影響を与えずに、試液の流動性を改善することができ、更には、抗原,抗体又は標識体が固定化固相、試液容器、反応容器等へ非特異的に吸着するのを防止することもでき、生体由来試料中の測定対象物質を高精度且つ高感度に測定することができる。
【0038】
本発明に於ける測定対象物質としては、前述した、本発明に係る化合物により、非特異的吸着を防止し得る抗原や抗体と同様のものが挙げられる。また、該測定対象物質に対する抗体としては、これら測定対象物質である抗原や抗体に対する抗体が挙げられ、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよく、また、該抗体には、抗体の分解物であるF(ab’)2、Fab’、Fab等も包含される。
【0039】
本発明の免疫学的測定法用試液としては、生体由来試料中の測定対象物質を免疫学的測定法により測定するために使用されるもので、本発明に係る化合物を使用する以外は、上記した如き通常この分野で使用される試薬類を、この分野で通常使用される濃度範囲で含有するように調製されたものでよく、本発明に係る化合物の使用濃度等は、上で述べた通りである。
【0040】
本発明に係る試液中には、共存する試液等の安定性や抗原と抗体との反応等を阻害しないものであれば通常この分野で用いられる、例えば緩衝剤、反応促進剤、糖類、タンパク質、塩類、界面活性剤等の安定化剤、防腐剤等の試薬類が含まれていてもよい。またその濃度も、通常、この分野で用いられる濃度範囲から適宜選択すればよい。
【0041】
本発明に於て用いることのできる緩衝剤としては、例えばトリス緩衝剤、リン酸緩衝剤、ベロナール緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッド緩衝剤等、通常免疫比濁法、免疫比ろう法、EIA、RIA、FIA等に於いて用いられている緩衝剤は全て挙げられ、測定反応時のpHとしては抗原抗体反応を抑制しない範囲であれば特に限定されないが、通常6〜10である。
【0042】
以下に実施例、参考例及び実験例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
実施例1 各種化合物の流動性改善作用の検討
本発明の流動性改善剤による免疫測定用試液の流動性改善作用を調べるため、以下のような実験を行った。
【0044】
先ず、50mM 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pH7.0)、150mM塩化ナトリウム、2% 牛血清アルブミン(シグマ社製)及び表1に示す所定の化合物を所定濃度含有する試液を調製した。次いで、該試液0.25mLを、ポリプロピレンチューブ(内径5.7mm:アシスト社製)に、夫々分注し、該チューブの上部をアルミシール(東海アルミ箔社製)で密封し、一日放置した。放置後、該チューブを転倒して、チューブ内の試液が、チューブ底部からチューブ上部、即ち、アルミシール側に移動するかどうかを調べた。
結果を表1に示す。尚、表1に於いて、○は、チューブ内の試液がアルミシール側に移動した場合を、×は、チューブ内の試液がアルミシール側に移動しなかった場合を夫々示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004228477
【0046】
表1の結果から、今回検討した化合物の中でも、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、及びフルオロアルキルベタインは、少量の添加で試液の流動性を改善し得ること、即ち、流動性改善作用が高いことが判る。
【0047】
実施例2 各種化合物の免疫反応への影響についての検討
(1)抗HBeモノクローナル抗体の作製
HBe抗原(スクリプス社製)をフロイント完全アジュバントとともにBALB/cマウス(雌)に免疫(2回)後、摘出した脾臓細胞とミエローマ細胞(F0)とをポリエチレングリコールを用いる常法(特開平5-244983号公報に記載された方法)により融合させた。その後、常法により抗HBeモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選別し、これを培養して抗HBeモノクローナル抗体を得た。
【0048】
(2)POD標識抗体溶液の調製
上記(1)で得られた抗HBeモノクローナル抗体を常法(石川栄治著、「酵素標識法」、学会出版センター、1991年、p.62の方法)によりパーオキシダーゼ(POD、ロシュ社製)標識し、標識抗体を作製した。得られた標識抗体を2.5μgAb/mL及びBSAを2%含む50mM 2−モルホリノエタンスルホン酸1水和物(MES)緩衝液(pH6.5)に、表2に示す所定の化合物を所定濃度になるように溶解したものをPOD標識抗体液とした。
尚、比較として、表2に示す化合物を加えないものも同時に調製した。
【0049】
(3)抗HBeモノクローナル抗体固定化ビーズの作製
ポリスチレンビーズ(イムノケミカル社製、直径3mm)を、上記(1)で得た、POD未標識抗HBeモノクローナル抗体を20μg/mL含む50mM 3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pH7.5)中に浸漬し、4℃で一夜静置後、BSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に浸漬して、さらに4℃で一夜静置し、抗HBeモノクローナル抗体固定化ビーズを作製した。
【0050】
(4)各種化合物の免疫反応への影響についての検討
以下に示す方法で測定を行い、表2に示す化合物の免疫反応への影響を調べた。
先ず、HBe抗原(スクリプス社製)と、BSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)とを用いて調製したHBe抗原溶液(含有量;0または0.2 PEI U/mL)20μLと、上記(2)で調製したPOD標識抗体溶液200μLとをポリプロピレンチューブに分注し、次いで、これに上記(3)で調製した抗HBeモノクローナル抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を5mM及び過酸化水素水を0.02%含む50mM トリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。得られた発光量に基づいて、下記式1によりS/N比(シグナル/ノイズ比)を算出し、免疫反応への影響の有無を検討した。結果を表2に示す。尚、PEI Uは、ポールエイリッヒインステチュート社製のHBe Referenzserm82(IgG 抗HBe)を一次標準とした単位を表す。
【0051】
【式1】
Figure 0004228477
【0052】
【表2】
Figure 0004228477
【0053】
表1及び表2の結果から、免役反応に影響を与えず(S/N比が高く)、且つ試液の流動性を改善し得るのはフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム及びフルオロアルキルベタインであることが判る。
【0054】
実施例3 各種化合物の非特異的吸着防止作用の検討
ポリプロピレンチューブに、BSAを1%及び所定の化合物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)200μLを分注し、実施例2の(3)で調製した抗HBeモノクローナル抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。次いで該ビーズを生理食塩液1mLで3回洗浄後、実施例2の(2)で調製した所定のPOD標識抗体溶液200μLを加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩液 1mLで3回洗浄後、5mMルミノール(和光純薬工業(株)製)及び0.02%過酸化水素を含む50mMトリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計( ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。
尚、非特異的吸着防止能(%)は下記式2により算出した。結果を表3に示す。
【0055】
【式2】
Figure 0004228477
【0056】
【表3】
Figure 0004228477
【0057】
表3の結果から、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは、それ以外の化合物に比べ著しく非特異的吸着防止能力が高いことが判る。しかしながら、実施例2の結果(表2)を考慮すると、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル及びポリオキシエチレンラウリルエーテルは、免疫反応を阻害してしまうので、免疫学的測定法に於いて使用することは好ましくないことが判る。
【0058】
以上、実施例1〜3の結果から明らかなように、種々の化合物の内、本発明に係る化合物、即ち、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム及びフルオロアルキルベタインのみが、免疫反応には悪影響を与えずに、試液の流動性の改善及び非特異的吸着の防止を同時に行い得る作用を有することが判る。
【0059】
実施例4 血清干渉回避作用の検討
本発明に係る化合物の内、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドについて、血清干渉の影響を調べた。
ポリプロピレンチューブに、検体として所定の血清又はBSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)(1%BSA含有緩衝液)50μLを夫々分注し、更にHBe抗原(スクリプス社製)を5 PEI U/mL、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを0.5%(W/V)及びBSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)(試液1)を100μL添加し、実施例2の(3)で作製した抗HBeモノクローナル抗体固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。次いで該ビーズを生理食塩液1mLで3回洗浄後、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを0.5%(W/V)、実施例1の(1)で得たPOD標識抗体を2.5μgAb/mL及びBSAを2%含む50mM MES緩衝液(pH6.5)(試液2)200μLを加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩液 1mLで3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を5mM及び過酸化水素を0.02%含む50mMトリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。尚、血清干渉回避作用の確認は、血清検体の有無(検体として血清を用いた場合と緩衝液を用いた場合)に於ける夫々の発光量を比較することにより、即ち、下記式3により求めた比活性の比較に基づいて行った。また、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを含まない試液1及び試液2を用いた以外は上記と同じ検体及び試液を用い同様に操作して求めた値を対照とした。
尚、ここで用いた血清検体をHbe抗原測定用試薬〔HBeAg・ダイナパックAX、ダイナボット(株)製〕及びHBe抗体測定用試薬〔HbeAb・ダイナパックAX、ダイナボット(株)製〕によって測定したところ、HBe抗原及びHBe抗体の何れについても陰性であった。
【0060】
【式3】
Figure 0004228477
【0061】
【表4】
Figure 0004228477
【0062】
表4の結果から、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド無添加の試液を用いて免疫学的測定を行うと、血清中の各種夾雑物により負の影響を受けて測定精度が低下することが判る。これに対して、本発明に係る化合物であるN−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドを含む試液を用いて免疫学的測定を行うと、検体に血清を用いた場合と緩衝液を用いた場合とでは、殆どその発光量に差がないこと、即ち、本発明に係る化合物であるN−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドが血清中の各種夾雑物の影響(干渉)を回避し得る作用をも有しており、これを用いれば、高精度に免疫学的測定が行えることが判る。
【0063】
実施例5 各種化合物の流動性改善作用の検討
本発明の流動性改善剤による免疫測定用試液の流動性改善作用を調べるため、以下のような実験を行った。
【0064】
先ず、50mM 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pH7.0)、150mM塩化ナトリウム、2% 牛血清アルブミン(シグマ社製)、0.2μg/mL POD標識HBc抗原及び表5に示す所定の化合物を所定濃度含有する試液を調製した。次いで、該試液0.25mLを、ポリプロピレンチューブ(内径5.7mm:アシスト社製)に、夫々分注し、該チューブの上部をアルミシール(東海アルミ箔社製)で密封し、一日放置した。放置後、該チューブを転倒して、チューブ内の試液が、チューブ底部からチューブ上部、即ち、アルミシール側に移動するかどうかを調べた。
尚、POD標識HBc抗原は、特開昭62-187495号公報に記載された方法に従ってHBc抗原遺伝子を挿入したプラスミドpTB368により形質転換された大腸菌DH1から得られた組換えHBc抗原(rHBc抗原)を用いて、スカラー(Scorer)らの方法(Viral Hepatitis and Liver Disease, Alan R. Liss, Inc., 1988, p.214)に従い調製したものを使用した。
結果を表5に示す。尚、表5に於いて、○は、チューブ内の試液がアルミシール側に移動した場合を、×は、チューブ内の試液がアルミシール側に移動しなかった場合を夫々示す。
【0065】
【表5】
Figure 0004228477
【0066】
表5の結果から、POD標識HBc抗原が試液中に含有する場合に於いても、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインは試液の流動性を改善し得ることが判る。
【0067】
実施例6 各種化合物の免疫反応への影響についての検討
(1)組換えHBc抗原の調製
特開昭62-187495号公報に記載された方法に従い、HBc抗原遺伝子を挿入したプラスミドpTB368により形質転換された大腸菌DH1から、組換えHBc抗原(rHBc抗原)を調製した。
【0068】
(2)POD標識HBc抗原溶液の調製
スカラー(Scorer)らの方法(Viral Hepatitis and Liver Disease, Alan R. Liss, Inc., 1988, p.214)に従い、POD標識HBc抗原を調製した。調製したPOD標識HBc抗原を0.2μg/mL、BSAを2%、NaClを150mM及び所定化合物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)をPOD標識HBc抗原溶液とした。
尚、比較として、所定化合物を加えないものも同時に調製した。
【0069】
(3)HBc抗原固定化ビーズの作製
ポリスチレンビーズ(イムノケミカル社製、直径3mm)を、上記(1)で得たHBc抗原を30μg/mL含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に浸漬し、4℃で一夜静置後、BSAを1%含む50mM MOPS緩衝液(pH7.5)中に浸漬して、さらに4℃で一夜静置し、HBc抗原固定化ビーズを作製した。
【0070】
(4)各種化合物の免疫反応への影響についての検討
以下に示す方法で測定を行い、免疫反応への影響を調べた。
先ず、抗HBc抗体(国際バイオ社製)と、BSAを2%及びNaClを150mM含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)を用いて調製した抗HBc抗体溶液(含有量;0または0.05 PEI U/mL)20μLと、BSAを2%、NaClを150mM及び所定の化合物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)200μLをポリプロピレンチューブに分注し、上記(3)で調製したHBc抗原固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。次いで該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、上記(2)で調製したPOD標識HBc抗原溶液200μLを加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を5mM及び過酸化水素水を0.02%含む50mM トリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。得られた発光量に基づいて、下記式4によりS/N比(シグナル/ノイズ比)を算出し、免疫反応への影響の有無を検討した。結果を表6に示す。尚、PEI Uは、ポールエイリッヒインステチュート社製のHBc Reference Material82(IgG 抗HBc)を一次標準とした単位を表す。
【0071】
【式4】
Figure 0004228477
【0072】
【表6】
Figure 0004228477
【0073】
表6の結果から、従来用いられている界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、化合物無添加の場合に比べてS/N比が小さく、免疫反応を阻害していることが判る。
これに対して、本発明に係る化合物であるフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム及びフルオロアルキルベタインは、化合物無添加の場合に比べてS/N比が大きくなっており、免疫反応に影響を与えないことが判る。
以上のことから、本発明に係る化合物は、免疫反応に悪影響を与えずに流動性を改善し得ることが判る。
【0074】
実施例7 各種化合物の非特異的吸着防止作用の検討
ポリプロピレンチューブに、BSAを2%、NaClを150mM及び所定の化合物を所定濃度含む50mM MOPS緩衝液(pH7.0)200μLを分注し、実施例6の(3)で調製したHBc抗原固定化ビーズ1個を加えて37℃で7分間反応させた。次いで該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、実施例6の(2)で調製した所定のPOD標識HBc抗原溶液200μLを加えて37℃で7分間反応させた。該ビーズを生理食塩水1mLで3回洗浄後、ルミノール(和光純薬工業(株)製)を5mM及び過酸化水素水を0.02%含む50mM トリス緩衝液(pH8.5)200μLを加え、化学発光計(ベルトールド社製、オートルマットLB953)にて1秒間の化学発光積算量を測定した。
【0075】
尚、非特異的吸着防止能(%)は下記式5により算出した。結果を表7に示す。
【0076】
【式5】
Figure 0004228477
【0077】
【表7】
Figure 0004228477
【0078】
表7の結果から、N−ポリオキシエチレン−N−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミド、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル及びパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテルは、それ以外の化合物に比べ著しく非特異的吸着防止能力が高いことが判る。しかしながら、実施例6の結果(表6)を考慮すると、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテルは、免疫反応を阻害してしまうので、免疫学的測定法に於いて使用することは好ましくないことが判る。
以上、実施例5〜7の結果から明らかなように、本発明に係る化合物は、免役反応には悪影響を与えずに、試液の流動性の改善及び非特異的吸着の防止を同時に行い得る作用を有することが判る。
【0079】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明は免疫反応に影響を与えず、試液の流動性を改善し、且つ非特異的吸着を防止し、高精度且つ高感度な分析方法を可能にする、免疫学適用試液の流動性改善剤或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤、これを用いた該試液の流動性改善方法或いは抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法、並びに免疫学的測定法用試液及び免疫学的測定方法を提供するものであり、本発明によれば、免疫反応に影響を与えずに試液の流動性を改善するばかりでなく、抗原、抗体又は標識体の固定化固相や反応容器への非特異的吸着をも防止することができるので、高精度且つ高感度な分析が可能となる。

Claims (6)

  1. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、免疫学的測定法用試液の流動性改善剤。
  2. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、免疫学的測定法用試液中に存在させることを特徴とする、該試液の流動性改善方法。
  3. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、抗体又は抗原の非特異的吸着防止剤。
  4. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を、抗体又は抗原を含有する溶液中に存在させることを特徴とする、抗体又は抗原の非特異的吸着防止方法。
  5. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を含んでなる、免疫学的測定法用試液。
  6. フルオロアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、フルオロアルキルポリオキシアルキレンエーテル、N−ポリオキシアルキレン−N−アルキルパーフルオロアルカンスルホンアミド及びフルオロアルキルベタインからなる群より選ばれた1種以上の化合物を共存させた、抗体又は抗原を含有する溶液を用いることを特徴とする、免疫学的測定方法。
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