JP4228048B2 - 神経変性障害の検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、一般に、神経変性疾患疾患または障害を検出する方法に関し、特にパーキンソン病を早期検出する方法に関する。
【0002】
背景技術
パーキンソン病(PD)は、運動機能障害によって特徴付けられる進行性神経変性疾患である。臨床診断は、振せん、固縮、動作緩徐または運動緩慢の3種の運動症状に基づいて下される。病理学的には、PDは、神経伝達物質ドーパミン(DA)を生成する黒質(SN)と呼ばれる脳領域のニューロンの死によって特徴付けられる。
【0003】
現在実施されている研究の主な焦点は、このようなニューロンの死を遅らせるまたは停止させ、それによって疾患の進行を阻止することができる方法を同定することである。「神経保護」と名づけられるこのような方法は、ドーパミン作動性ニューロンの相対的な損失が比較的少ない場合には、効果が最大になると思われる。しかし、検死(Post-mortern)(FearnleyおよびLees、1991)および画像研究(Morrishら、1998)は、疾患の進行中のドーパミン作動性ニューロンの損失率は直線的ではなく、指数的に減速することを示唆している。ドーパミン作動性ニューロンの死は、疾患の最初の7年間で急速に生じ、この期間中で総SNドーパミン作動性ニューロン数の少なくとも65%が損失するが、平均ニューロン損失はかなり大きい(Hallidayら、1996)。脳は実質的な代償能力を有するので、この時点では運動症状は明らかではない。従って、臨床徴候が存在しないこの迅速なニューロン損失期間は「前臨床疾患」と名づけられる。神経徴候、従って臨床診断は、ニューロンの少なくとも65%が損失しないと生じないので、この疾患の神経変性の大半は疾患の臨床的発症および診断が下される前に生じている。
【0004】
ニューロンの残りの35%の損失速度は、疾患のその後の10〜20年間、いわゆる「臨床期」はかなり遅い速度で進行する(図1)。神経保護方法を開始するための最適な時点となる細胞損失が最も速い時期は、同定可能な臨床症状が見られない場合であるという点で、細胞損失パターンが1つの目標となる。
【0005】
従って、被験者の神経変性疾患を検出する手段、好ましくはこの「前臨床」期中に神経変性疾患を検出する手段を開発する必要性がある。
【0006】
本発明は、瀕死の細胞の細胞質から神経メラニン(NM)と呼ばれる物質の放出の指標の検出を含む。NMは、SNのドーパミン作動性ニューロン(および青斑核(LC)のノルアドレナリン作動性ニューロン)内の酸化されたドーパミン産物から形成されると考えられている複雑なポリマー色素である。NMは、通常、細胞内に観察されうる顆粒として生じるが、細胞死の結果として、NMは細胞外空間に放出される(図2)。
【0007】
従って、本発明は、被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者を試験する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した場合神経メラニン放出の指標の高いレベルによって特徴付けられる方法を提供する。これらのメラニン沈着した細胞の死の特異的なマーカーの同定は、臨床症状発症前でも、これらの細胞の死によって特徴付けられる障害を検出する手段を提供する。
【0008】
発明の概要
第1の局面において、本発明は、被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者を試験する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した場合神経メラニン放出の指標の高いレベルによって特徴付けられる方法を提供する。
【0009】
本発明の第2の局面において、神経変性疾患の任意の臨床症状を呈する前に試験対象とする被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者を試験する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した場合神経メラニン放出の指標の高いレベルによって特徴付けられる方法を提供する。
【0010】
典型的には、細胞死は、被験者の神経変性疾患に関連する。
【0011】
典型的には、神経変性疾患の臨床症状は、このような疾患の典型的な症状である。さらに典型的には、これらの症状には、振せん、固縮、および動作緩徐または運動緩慢が挙げられる。
【0012】
好ましくは、指標は、被験者の神経メラニン(NM)に対する循環抗体またはそれらの類似体の形態の免疫応答である。
【0013】
好ましい形態において、本発明の第1または第2の局面に係る方法は、被験者のNMに反応することができる抗体またはその抗原性断片もしくはその類似体の検出を使用する。
【0014】
好ましくは、NMの類似体は、合成ドーパミンメラニンおよび合成ノルアドレナリンメラニンからなる群より選択される。
【0015】
好ましい形態において、第1または第2の局面の方法は、
(i)被験者から血液試料を採取する段階と、
(ii)血液から血清を単離する段階と、
(iii)抗体-抗原結合に好適な条件下において、血清をヒトNMまたは合成ドーパミンメラニンから選択される抗原と共にインキュベーションする段階と、
(iv)結合抗体を検出する段階と
を含む。
【0016】
典型的には、結合抗体の検出は標識された抗ヒトIgGを使用する。
【0017】
第3の局面において、本発明は、被験者の神経変性疾患を治療する方法であって、
(a)本発明の第1または第2の局面に係る方法を使用して、被験者をスクリーニングして神経変性疾患を検出する段階と、
(b)脳内の細胞から神経メラニン放出の指標が陽性の試験結果の被験者の治療を開始する段階と
を含む方法を提供する。
【0018】
典型的には、治療は、以下の少なくとも1つの治療的に有効な量を投与する段階を含むが、これらに限定されない:抗酸化剤、鉄キレート剤、非アミン系オキシダーゼ阻害剤、アポトーシス阻害剤、増殖因子、ドーパミン受容体阻害剤、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼおよびカタラーゼなどの酸化損傷を防御する内因性酵素、興奮性損傷の抑制剤、ゾニサミド、ベンズアミド化合物もしくはエタンスルホニル-ピペリジン誘導体、またはそれらの組み合わせ。
【0019】
第4の局面において、本発明は、被験者の神経変性疾患を検出する系であって、
(a)被験者の脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標を捕獲する手段と、
(b)脳内の細胞からの神経メラニン放出の捕獲された指標を検出する手段と
を含む系を提供する。
【0020】
神経メラニン放出の指標が被験者の循環抗体である場合には、NM放出の指標を捕獲する手段は、好ましくは、固相表面に固定した神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体である。この状況では、神経メラニン、断片または類似体を介して固相支持体に捕獲される抗体に特異的であり、検出可能であるように標識されたプローブが適用される。捕獲された指標を検出する手段は、プローブの標識の存在を検出する任意の好適な手段であってもよい。
【0021】
好ましい形態において、本発明の第4の局面に係る系は、固相支持体に結合された神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体と、検出可能であるように標識されたプローブ源とを含むキットであり、使用時に、神経メラニンに対する任意の抗体が神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体を介して支持体に結合し、プローブ試料を添加し、結合抗体に結合させ、結合したプローブの標識が検出されるように、被験者の血清試料を固相支持体に適用する。
【0022】
典型的には、プローブは標識IgGである。
【0023】
さらに典型的には、プローブは西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgGである。
【0024】
典型的には、キットの成分は別個の容器に収容される。
【0025】
典型的には、キットは、洗浄試薬などの他の成分と結合抗体の存在を検出することができる他の試薬とを含有する1つまたはそれ以上の他の容器をさらに含んでもよい。さらに典型的には、検出試薬は、標識プローブと反応することができる試薬を含んでもよい。
【0026】
ELISAを用いた系は、本発明のこの局面に特に好適である。
【0027】
第5の局面において、本発明は、被験者の神経変性疾患を検出するための、本発明の第4の局面に係る系の用途に関する。
【0028】
典型的には、本発明の第4の局面に係る系を使用して、被験者の神経変性疾患を検出する方法は、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者を試験する段階を含み、
(a)系の固相支持体に、該被験者の血清試料を接触させる段階と、
(b)系の検出可能であるように標識したプローブの試料を添加する段階と、
(c)該血清試料内のプローブ結合抗体を検出する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した場合神経メラニン放出の指標の高いレベルによって特徴付けられる。
【0029】
第6の局面において、本発明は、被験者の神経変性疾患を検出するために使用される際のヒトNMまたはその抗原性断片もしくはその類似体に関する。
【0030】
第7の局面において、本発明は、該神経変性疾患の任意の臨床症状を呈する前に試験対象とする被験者の神経変性疾患を検出するために使用される際のヒトNMまたはその抗原性断片もしくはその類似体に関する。
【0031】
典型的には、本発明の第1から第7の局面の目的のために、神経変性疾患は、特発性パーキンソン病並びに多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、ピック病、皮質基底変性症およびレービー小体が認められる痴呆を含むパーキンソン症候群からなる群より選択される。さらに好ましくは、疾患は特発性パーキンソン病である。
【0032】
定義
本明細書において使用するパーキンソン病(PD)という用語は、SN内のドーパミン作動性変性によって特徴付けられる特発性PDおよび関連するパーキンソン症候群のどちらも示すために使用される。パーキンソン症候群という包括的用語で周知の関連症候群には、多系統萎縮症および進行性核上性麻痺が挙げられ、特発性パーキンソン病と病理学的および臨床的特徴がいくつか共通するところがある。
【0033】
神経メラニンに言及して本明細書において使用する「類似体」という用語は、神経メラニン特有の特徴を有する合成神経メラニンまたはその断片を意味する。
【0034】
本明細書において使用する「神経変性疾患」という用語は、神経メラニンを含有するニューロン細胞の変性によって特徴付けられる疾患をいう。疾患が前臨床期を含む場合には、神経変性疾患という用語は、前臨床期を含むだけではなく、全ての場合において、疾患の臨床期を含むことが理解される。
【0035】
本明細書において使用する「治療」という用語は、いかなる意味においても疾患状態もしくは症状を治癒させる、または疾患または他の望ましくない症状の進行を予防、妨害、遅延もしくは回復させる任意および全ての用途をいう。
【0036】
本明細書において使用する「治療的に有効な量」という用語は、その意味に、望ましい治療効果を提供するために本発明において使用する化合物または組成物の無毒性であるが、十分な量を含む。必要な正確な量は、治療対象となる種、被験者の年齢および全身状態、治療対象となる状態の重症度、投与する特定の薬剤および投与様式等などの要因に依存して被験者によって異なる。従って、正確な「有効量」を明記することはできない。しかし、任意の所定の症例のためには、適当な「有効量」は日常的な経験のみを使用して当業者が設定することができる。
【0037】
本明細書に関しては、「含んでいる(comprising)」という用語は、「主として含んでいるが必ずしも単独で含んでいるのではない」ことを意味する。さらに、「〜を含む(comprise)」および「〜を含む(comprises)」などの「含んでいる(comprising)」という言葉の変形は対応した様々な意味を有する。
【0038】
本明細書の先行技術文書の任意の説明またはそのような文書に由来もしくは基づいた本明細書における言明は、文書または由来する言明がオーストラリアまたは他国における関連分野の周知の一般知識の一部であることを認めるものではない。
【0039】
本発明をより明らかに理解できるように、以下の実施例および図面を参照して好ましい形態を記載する。
【0040】
発明の詳細な説明
本発明は、一般的なクラスの神経変性疾患に関し、特に特発性パーキンソン病並びにパーキンソン症候群の疾患である多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、ピック病、皮質基底変性症およびレービー小体が認められる痴呆を含む「パーキンソン病」という包括的用語で一般的に分類されるものに関する。
【0041】
これらの疾患の各々は、黒質のNM含有ニューロンが変性し、NMを放出するという神経病理学的な特徴が共通である。脳の他の領域も変性することがある。しかし、黒質の細胞の変性はこれらの疾患に典型的であり、NMの放出が典型的であるので、上記の神経変性疾患の各々はNM放出の指標を検出することによって検出することができる。
【0042】
SNまたはLCなどの脳の他の領域のドーパミン作動性細胞の変性によるNMの細胞外空間への放出は、NMを患者の免疫系に曝露する。免疫応答が誘発され、その免疫応答の検出が、細胞死によるNM放出の指標となる。
【0043】
典型的または特発性パーキンソン病では、総SNドーパミン作動性ニューロンの少なくとも65%が疾患の典型的な臨床症状の発症前に損失する。3種の運動症状、振せん、固縮および動作緩徐は疾患の臨床期の発症に典型的であるが、臨床期では、ドーパミン作動性細胞の残り35%の損失速度は前臨床期より有意に遅い。
【0044】
NMに対する体液性応答は、血液などの末梢組織において検出することができる。
【0045】
従って、本発明は、例えば、疾患を診断する際または臨床症状に基づいて下された診断を確認するために独立に使用することができる、神経変性疾患を診断するための改善された手段を説明する。臨床症状とは無関係の手段を提供することによって、本発明はまた、臨床症状の発症前に特定のパーキンソン病において神経変性疾患の診断を可能にする。すなわち、臨床症状に基づいた診断ではなく、神経変性疾患の病理学的な発症の診断手段を提供することによって、本発明の方法は、パーキンソン病などの神経変性疾患の前臨床期における診断を可能にする。
【0046】
被験者の神経変性疾患を検出する方法は、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者を試験することに関係する。本発明の方法は、神経変性疾患の臨床期または前臨床期の被験者において検出することができる、脳内の細胞からの神経メラニン(NM)放出の間接的な指標の検出に関係する。
【0047】
NM放出の指標は、NMに結合することができる循環抗体であってもよい。NMに結合することができる抗体はまた、NMの抗原性断片またはNMの類似体に結合可能であってもよい。好ましくは、NMの類似体は、合成ドーパミンメラニンおよび合成ノルアドレナリンメラニンからなる群より選択される。
【0048】
陽性の試験結果は、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した場合神経メラニン放出の指標の高いレベルによって特徴付けられる。対照値は、運動機能障害の徴候のない健常な個体を試験することによって測定される。試験対象個体は、年齢および性別が同じであってもよい。
【0049】
NM放出の指標レベルの増加はドーパミン作動性ニューロンの死を反映し、被験者の神経変性疾患に関連する。
【0050】
検出過程において、NM放出の指標を含有する体液または組織試料は試験被験者から入手される。好ましくは、組織は血液である。当業者は、試料は本発明の方法を実施する際に即座に使用しても、または必要時まで好適な条件下において保存してもよいことを認識している。
【0051】
試料が血液試料である場合には、血清は標準的な方法によって単離することができる。血清は即座に使用しても、または好適な条件下、例えば、-80℃において必要時まで保存してもよい。
【0052】
検出方法は、神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体と反応することができる抗体を含み、神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体と特異的に結合することができる抗体を含む。抗体は、閾値レベルの結合活性を示す場合、および/または関連のない抗原とあまり交差反応しない場合には、抗原と特異的に結合することができる。本明細書の抗体は、105 mol-1またはそれ以上、典型的には106 mol-1またはそれ以上、好ましくは107 mol-1またはそれ以上、さらに好ましくは108 mol-1またはそれ以上、よりさらに好ましくは109 mol-1またはそれ以上の結合親和性(Ka)で前記の種と結合する場合には、抗体は特異的に結合する。抗体の結合親和性は、例えば、スキャッチャード分析によって測定することができる(G. Scatchard、Ann. NY Acad. Sci. 51、660-672、1949)。
【0053】
抗体の検出は、放射性免疫測定法、酵素結合免疫測定法、固相アッセイ法を含む、抗体を検出する任意の周知の手段を使用することができる。
【0054】
放射性免疫測定法では、C14-標識合成ドーパミンメラニンを合成し、免疫沈降法は、抗原決定因子に対する限界希釈濃度の抗体の検出を用いた。
【0055】
好ましくは、本発明の方法は、抗原としてヒト脳から単離されるNMまたは合成ドーパミンメラニンを使用した酵素結合免疫測定法(ELISA)を使用する。しかし、ポリスチレンに固定した合成神経メラニンを使用し、光学的凝集技術によってアッセイして限界希釈を決定する固相免疫アッセイ法は別の検出方法となる。
【0056】
これらの方法は抗原特異的抗体応答の検出に通常使用されており、それらの内容が参照として本明細書に組み入れられている、イアン ロイト(Ivan Roitt)、ジョナサン ブロストフ(Jonathan Brostoff)およびディビット メイル(David Male)による「免疫学(Immunology)」(London : Mosby、c1998. 第5版および「免疫生物学:健常および疾患における免疫系(Immunobiology : Immune System in Health and Disease)」 / Charles A. Janeway およびPaul Travers、Oxford : Blackwell Sci. Pub.、1994)などの一般的な免疫学の教科書に十分に記載されている。
【0057】
さらに、神経変性障害の治療に関しては、治療薬は薬学的および/または治療的製剤の形態で存在することが多く、すなわち、治療薬は、薬学的に許容される担体、補助剤および/または希釈剤と共に存在する。
【0058】
典型的には、治療薬には、抗酸化剤、鉄キレート剤、非アミン系オキシダーゼ阻害剤、アポトーシス阻害剤、増殖因子、ドーパミン受容体阻害剤、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼおよびカタラーゼなどの酸化損傷を防御する内因性酵素、興奮性損傷の抑制剤、ゾニサミド、ベンズアミド化合物もしくはエタンスルホニル-ピペリジン誘導体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
好ましい治療薬はゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩であり、これに関連して、欧州特許出願第1 040 830号の開示内容は参照として本明細書に組み入れられる。
【0060】
別の好ましい治療薬は、ベンズアミド群の化合物から選択され、これに関連して、米国特許第6,140,369号の開示内容は参照として本明細書に組み入れられる。ベンズアミド群の化合物由来の典型的な治療薬は、以下からなる群より選択される:N-tert-ブチル-4-アセタミドベンズアミド、N-イソ-プロピル-4-アセタミドベンズアミド、N-tert-アミル-4-アセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-3-アセタミドベンズアミド、N-メチルシクロプロピル-4-アセタミドベンズアミド、N-n-ブチル-4-アセタミドベンズアミド、N-n-ペンチル-2-アセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-2-アセタミドベンズアミド、N-iso-ブチル-4-アセタミドベンズアミド、N-n-プロピル-4-アセタミドベンズアミド、N-n-プロピル-4-アセタミドベンズアミド、N-1,2-ジメチルプロピル-4-アセタミドベンズアミド、N-n-ペンチル-4-アセタミドベンズアミド、N-2-メチルブチル-4-アセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-2,3-ジアセタミドベンズアミド、N-tert-2,4-ジアセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-2,5-ジアセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-2,6-ジアセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-3,4-ジアセタミドベンズアミド、N-tert-ブチル-3,5-ジアセタミドベンズアミド、N-iso-プロピル-4-ニトロベンズアミド、N-tert-ブチル-3-ニトロベンズアミド、N-tert-ブチル-2-ニトロベンズアミド、N-n-ブチル-4-ニトロベンズアミド、N-n-プロピル-4-ニトロベンズアミド、N-tert-ブチル-3,5-ニトロベンズアミド、N-tert-アミル-4-ニトロベンズアミド、N-1,2-ジメチルプロピル-4-ニトロベンズアミド、N-n-ブチル-3-ニトロベンズアミド、N-n-ブチル-3,5-ジニトロベンズアミド、N-メチルシクロプロピル-4-ニトロベンズアミド、N-n-ブチル-2-ニトロベンズアミド、N-n-ペンチル-4-ニトロベンズアミド、N-2-メチルブチル-4-ニトロベンズアミド、N-n-ペンチル-2-ニトロベンズアミド、N-1-メチルプロピル-4-ニトロベンズアミド、N-tert-ブチル-3-アミノベンズアミド、N-tert-ブチル-4-アミノベンズアミドおよびN-メチルシクロプロピル-4-アミノベンズアミドまたはそれらの組み合わせ。
【0061】
さらに別の好ましい治療薬は、エタンスルホニル-ピペリジン誘導体群の化合物から選択され、これに関連して、国際公開公報第00/75109号の開示内容は参照として本明細書に組み入れられる。エタンスルホニル-ピペリジン誘導体群の化合物由来の典型的な治療薬は以下からなる群より選択される:4-[-2-(4-ベンジル-ピペリジン-1-イル)-エタンスルホニル]-フェノール、4-[2-(4-p-トリルオキシ-ピペリジン-1-イル)-エタンスルホニル]-フェノール、(-)-(3R,4R)-もしくは(3S,4S)-4-ベンジル-1-[2-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-ピペリジン-3-オール、(+)-(3S,4S)-もしくは(3R,4R)-4-ベンジル-1-[2-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-ピペリジン-3-オール、(3RS,4RS)-4-ベンジル-1-[2-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-ピペリジン-3-オール、(-)-(3R,4R)-もしくは(3S,4S)-1-[2-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-4-(4-メチル-ベンジル)-ピペリジン-3-オール、(+)-(3R,4R)-もしくは(3S,4S)-1-[2-(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-4-(4-メチル-ベンジル)-ピペリジン-3-オールおよび(3RS,4RS)-1-[2(4-ヒドロキシ-ベンゼンスルホニル)-エチル]-4-(4-メチル-ベンジル)-ピペリジン-3-オール。
【0062】
典型的には、医療用の用途のためには、治療薬の塩は薬学的に許容される塩であるが、化合物または薬学的に許容されるその塩を調製する際に他の塩を使用してもよい。薬学的に許容される塩は、適切な医学的判断の範囲内において、ヒトおよびヒトより下等な動物の組織に接触させる際に、不適当な毒性、刺激、アレルギー応答等を生ずることなく使用するために好適であり、妥当な利益/危険比に見合うような塩を意味する。薬学的に許容される塩は当技術分野において周知である。
【0063】
例えば、本発明に有用な化合物の薬学的に許容される好適な塩は、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、炭酸、酒石酸またはクエン酸などの薬学的に許容される酸を混合することによって調製することができる。
【0064】
例えば、ベルゲ(S. M. Berge)らは、J. Pharmaceutical Sciences、1977、66: 1-19において詳細に薬学的に許容される塩を記載している。塩を、治療用化合物の最終単離および精製段階において、または別の段階において遊離塩基の官能基を好適な有機酸と反応させることによってインサイチューで調製することができる。代表的な酸添加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩(asparate)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、アンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム等、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、およびエチルアミン等を含むが、これらに限定されない無毒性アンモニウム、4級アンモニウムならびにアミン陽イオンが挙げられる。
【0065】
プロドラッグも治療薬の範囲内に含まれる。典型的には、プロドラッグは、インビボにおいて作用剤として必要な(活性な)化合物に容易に変換される治療薬の機能的誘導体である。プロドラッグを選択し、調製する典型的な手法は当業者に周知であり、例えば、ブンドガード(H. Bundgaard)(編)、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、Elsevier、1985に記載されている。
【0066】
単独または薬学的組成物としての治療薬の単回または多数回投与は、治療担当医が選択する用量レベルおよびパターンで実施することができる。にもかかわらず、治療薬または薬学的組成物は、患者を効果的に治療するのに十分な量の治療薬を提供するべきである。
【0067】
当業者は、通常の経験により、障害および疾患を治療または予防するのに必要であると思われる治療薬、または治療薬を含有する薬学的組成物の有効で、毒性のない量を決定することができると思われる。一般に、有効用量は、約0.0001mg〜約1000mg/体重1kg/24時間、約0.001mg〜約750mg/体重1kg/24時間、約0.01mg〜約500mg/体重1kg/24時間、約0.1mg〜約500mg/体重1kg/24時間、約0.1mg〜約250mg/体重1kg/24時間、約1.0mg〜約250mg/体重1kg/24時間の範囲内であると予測される。さらに典型的には、有効用量は、約1.0mg〜約200mg/体重1kg/24時間、約1.0mg〜約100mg/体重1kg/24時間、約1.0mg〜約50mg/体重1kg/24時間、約1.0mg〜約25mg/体重1kg/24時間、約5.0mg〜約50mg/体重1kg/24時間、約5.0mg〜約20mg/体重1kg/24時間、約5.0mg〜約15mg/体重1kg/24時間の範囲内であると予測される。
【0068】
または、有効量は約500mg/m2までであってもよい。一般に、有効用量は、約25〜約500mg/m2、好ましくは約25〜約350mg/m2、さらに好ましくは約25〜約300mg/m2、よりさらに好ましくは約25〜約250mg/m2、さらにより好ましくは約50〜約250mg/m2、よりさらにより好ましくは約75〜約150mg/m2の範囲内であると予測される。
【0069】
さらに、治療薬の個々の投与の最適な量および間隔は、治療対象の状態の性質および程度、剤形、投与の経路および部位、並びに治療対象の特定の脊椎動物の性質によって決定されることは当業者に明らかである。このような最適な条件は従来の技術によっても設定することができる。
【0070】
規定日数の間1日あたり投与される治療薬の投与回数などの最適な一連の治療は、従来の一連の治療決定試験を使用して当業者が確定することができることも当業者に明らかである。
【0071】
治療薬は単独で投与してもよいが、薬学的組成物/製剤として投与することが一般に好ましい。一般に、薬学的製剤は、当業者に周知の方法により調製することができるので、従って薬学的に許容される担体、希釈剤および/または補助剤を含んでもよい。担体、希釈剤および補助剤は、製剤の他の成分と共溶性であるという点に関して「許可可能」でなければならず、レシピエントに有害であってはいけない。
【0072】
薬学的および獣医学的に許容される担体または希釈剤の例は、脱ミネラル水または蒸留水、生理食塩液;落花生油、ベニバナ油、オリーブ油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、落花生油またはヤシ油などの植物系油;メチルポリシロキサン、フェニルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンなどのポリシロキサンを含むシリコーン油;揮発性シリコーン;流動パラフィン、軟パラフィンまたはスクアランなどの鉱油;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;低級アルコール、例えば、エタノールまたはイソプロパノール;低級アルカノール;低級ポリアルキレングリコールまたは低級アルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールまたはグリセリン;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルまたはオレイン酸エチルなどの脂肪酸エステル、ポリビニルピロリドン、寒天、カラゲナン、トラガカントゴムまたはアカシアゴムおよび黄色ワセリンである。典型的には、担体は、1つまたはそれ以上の組成物の10重量%〜99.9重量%を形成する。
【0073】
好ましい形態において、薬学的組成物は、実施例2に示すように、有効量の作用剤と、薬学的に許容される担体、希釈剤および/または補助剤とを含む。
【0074】
薬学的組成物は標準的な経路によって投与することができる。一般に、組成物は、経皮、腹腔内、脳内、脳室内、大脳内、経口または非経口(例えば、静脈内、脊髄内、皮下または筋肉内)経路によって投与することができる。組成物は、経口摂取に好適なカプセルの形態であっても、鼻腔内吸入または経口吸入などの吸入による投与に好適なエアゾール形態であってもよい。
【0075】
注射液または注射用懸濁液として投与するためには、非経口的に許容される無毒性の希釈剤または担体は、リンガー液、等張生理食塩液、リン酸緩衝生理食塩液、エタノールおよび1,2-プロピレングリコールを含んでもよい。
【0076】
経口使用するのに好適な担体、希釈剤、賦形剤および補助剤の例のいくつかとして、落花生油、流動パラフィン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アカシアゴム、トラガカントゴム、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ゼラチンおよびレシチンが挙げられる。さらに、これらの経口製剤は好適な矯味矯臭剤および着色剤を含有してもよい。カプセル形態で使用する場合には、カプセルの崩壊を遅延するモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの化合物でカプセルをコーティングしてもよい。
【0077】
補助剤には、典型的には、軟化剤、乳化剤、増稠剤、保存剤、殺菌剤および緩衝剤が挙げられる。
【0078】
経口投与のための固形剤は、ヒトおよび脊椎動物に対する投薬に許容される結合剤、甘味剤、崩壊剤、希釈剤、矯味矯臭剤、コーティング剤、保存剤、潤滑剤および/または徐放剤を含有してもよい。好適な結合剤には、アカシアゴム、ゼラチン、トウモロコシデンプン、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースまたはポリエチレングリコールが挙げられる。好適な甘味剤には、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、アスパルテームまたはサッカリンが挙げられる。好適な崩壊剤には、トウモロコシデンプン、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ガーゴム、キサンタンガム、ベントナイト、アルギン酸または寒天が挙げられる。好適な希釈剤には、乳糖、ソルビトール、マンニトール、デキストロース、カオリン、セルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムまたはリン酸ニカルシウムが挙げられる。好適な矯味矯臭剤には、ペパーミント油、ウインターグリーン油、サクランボ、オレンジまたはラズベリー矯味矯臭剤が挙げられる。好適なコーティング剤には、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルのポリマーまたはコポリマー、ワックス、脂肪アルコール、ゼイン、シェラックまたはグルテンが挙げられる。好適な保存剤には、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、α-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸水素ナトリウムが挙げられる。好適な潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはタルクが挙げられる。好適な徐放剤には、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0079】
経口投与のための液剤は、上記の薬剤以外に、液状担体を含有してもよい。好適な液状担体には、水、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、落花生油、ヤシ油などの油、流動パラフィン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセロール、脂肪アルコール、トリグリセリドまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0080】
経口投与のための懸濁液は、分散剤および/または懸濁化剤をさらに含んでもよい。好適な懸濁化剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムまたはアセチルアルコールが挙げられる。好適な分散剤には、レシチン、ステアリン酸、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレイン酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビトールジオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールステアリン酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビトールラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタンジオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸エステルなどの脂肪酸のポリオキシエチレンエステルが挙げられる。
【0081】
経口投与のための乳剤は、さらに、1種またはそれ以上の乳化剤を含んでもよい。好適な乳化剤には、上記に例示したような分散剤またはガーゴム、アカシアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然ゴムが挙げられる。
【0082】
非経口投与のための組成物は、通常、水、緩衝液、0.4%生理食塩液および0.3%グリシン等などの許容される担体に溶解した作用剤の溶液またはそれらの混合物を含み、このような溶液は滅菌されており、粒状物質を相対的に含有しない。
【0083】
非経口投与可能な組成物を調製する方法は当業者に明らかであり、参照として本明細書に組み入れられている、「レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)」、第15版、Mack Publishing Company、Easton、Paに詳細に記載されている。
【0084】
薬学的組成物は、リポソームの形態で投与してもよい。リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質から得られ、水性媒体に分散される単層または多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる生理学的に許容され、代謝可能な無毒性の脂質を使用することができる。リポソーム形態の製剤は、治療薬以外に、安定化剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。好ましい脂質はリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)であり、共に天然および合成のものがある。リポソームを形成する方法は当技術分野において周知であり、これに関連して、具体的には、その内容が参照として本明細書に組み入れられている、プレスコット(Prescott)編、「細胞生物学における方法(Methods in Cell Biology)」、XIV巻、Academic Press、New York、N. Y. (1976)、p.33以下参照、に言及される。
【0085】
本発明は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない具体的な実施例を参照にして本明細書においてさらに詳細に記載される。
【0086】
実施例
実施例1
方法
被験者
オーストラリアのシドニーのPDの臨床診断が下された52人の個体と、運動機能障害の徴候が認められない51人の健康な対照と、重症の抑うつの臨床診断が下された7人の個体を集め、同意書の提出を求めた。抑うつ被験者は、中枢のドーパミン作動性機能において変性ではない機能的変化が認められる疾患対照群とした。年齢範囲は43〜88歳で、PD(平均年齢67.8±1.3)、対照(63.6±1.8)または抑うつ被験者(平均年齢64.5±6.5、p=0.44)間では異ならなかった。統一パーキンソン病判定基準(Unified Parkinson Disease Rating Scale)のパートIII運動検査から得られる総スコア(Martinez-Martinら、1994)が5つまたはそれ以上で、患者がレボドバ応答性である場合には、PDの臨床診断を下した。関連する運動障害または痴呆の徴候を示す被験者はいなかった。ドイツのボーカム(Bochum)のパーキンソン病の臨床診断が下された27人の患者および運動障害の徴候が認められない30人の年齢および性別が同じ対照からなるさらに別の群を試験対象とし、同意書の提出を求めた。ドイツ人被験者の年齢範囲は41〜80歳で、PD(平均年齢65.5±1.0)および対照被験者(平均年齢66.2±1.8、p=0.88)間では異ならなかった。PDの臨床診断の神経病理学的な確認は本検討のどの患者においても入手できなかった。
【0087】
血清試料の採取および調製
血液試料は、同意を得て、各被験者から採取し、遠心分離によって血清を単離した。血清は、使用時まで-80℃で凍結した。
【0088】
ヒト神経メラニンの単離
NMは、神経疾患または神経変性疾患の病歴のないドイツの10人の被験者(年齢範囲:41〜64歳)のSNから、ゼッカ(Zecca)およびシュワルツ(Swartz)の方法(1993)により単離した。SNは、冷却した台(-10℃)上で死亡から36時間以内に脳から切除し、ガラス-テフロンホモジナイザー中にプールした。試料は20mlの水に入れてホモジナイズし、12 000gで10分間遠心分離した。得られたペレットは50 mMのリン酸緩衝液(pH 7.4)で2回洗浄し、0.5 mg/ml SDSを含有する50 mM トリス緩衝液(pH 7.4)中で37℃において3時間インキュベーションし、次に0.2 mg/mlプロテイナーゼKを添加して、さらに3時間インキュベーションした。得られたペレットをプールし、その後生理食塩液、水、メタノールおよびヘキサンで洗浄した。得られた黒色のペレットは、各々150 mM EDTA(pH 7.4)において8時間ずつ3期間インキュベーションし、その後水で2回洗浄し、最後に真空下において乾燥した。
【0089】
合成神経メラニンの調製
合成ドーパミンメラニン(DAM)は、ベン-シャチャー(Ben-Shachar)ら(1991)の方法の改良法により調製した。0.1 mM CuSO4を含有する50 mM トリス緩衝液(pH 8)中で2 mMのDA(Sigma、USA)を室温において1ヶ月間インキュベーションした。得られた液体を12 000 gにおいて15分間遠心分離し、ペレットを4℃において2倍量の蒸留水中で3回洗浄した。最後に、得られたメラニンを凍結乾燥して、乾燥粉末にした。銅の代わりに0.1 mMのFe2(SO4)3を使用してドーパミンメラニンを合成した(FeDAM)。ドーパミンの代わりに2 mMノルアドレナリン(NAM)またはセロトニン(5HT-Mel)を使用して、他の種類の合成メラニンを生成した。合成メラニン生成に使用した全ての化合物はシグマ(Sigma)社、オーストラリアから購入した。
【0090】
酵素結合免疫測定法
ELISAは、ロウェ(Rowe)ら(1998)によって報告された方法の改良法であった。使用した抗原は、製造業者の指示によりEZ-リンクルスホ-NHS-ビオチン(EZ-LinkSulfo-NHS-LC-Biotin)(Pierce、USA)を使用してビオチン化したヒトNMおよび合成メラニンであり、リン酸緩衝生理食塩液中で超音波処理して調製し、1 mg/mlの濃度の微細で均一な顆粒懸濁液を作製した。スーパーブロックプレート(Superblock plate)の96ウェルリアクティ・バインド ニュートラビジン(96-well Reacti-Bind NeutrAvidin)(Pierce、USA)に100μLアリコートを分注し、アセテートシートで密封し、遮光して、室温において2時間インキュベーションした。トリス緩衝生理食塩液に0.5% ツィーン(Tween)20 0.1%ウシ血清アルブミンを溶解したものからなる洗浄緩衝液(pH 7.2 22℃)で3回洗浄した。洗浄緩衝液で50倍希釈したヒト血清100μLを6組のウェルにそれぞれ添加し、室温において0.5時間インキュベーションした。最初のインキュベーション後、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、洗浄緩衝液で10 000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgG(Pierce、Rockford、USA)の100μLを添加し、さらに0.5時間インキュベーションした。洗浄緩衝液によってさらに3回洗浄した後、0.1 Mクエン酸ナトリウムpH 4.5中で0.03%過酸化水素で活性化した、クエン酸塩添加ABTS(0.3 mg/ml 2-2'-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)を使用して結合シグナルを検出した。室温において1時間インキュベーションした後、マイクロプレートリーダー(BioRad Benchmark、USA)を使用して405 nmで吸光度を測定した。各試料の吸光度は6つのウェルで測定し、抗原を含有しないウェルに対して補正し、平均吸光度を算出した。各プレートは、二次抗体として抗ウサギIgG(Pierce、Rockford、USA)によって増幅したウサギにおいて単離ヒトNMに対して生じた免疫前血清試料および抗免疫血清試料からなる陽性対照試料を含有した。
【0091】
いくつかの実験において、合成ドーパミンメラニンを同じ方法で調製した単離ヒトNMと交換した。
【0092】
分析
マンホイットニーのU検定法を使用して、吸光度結果および吸光度に対する性別の影響を分析した。一元分散分析を使用して交差反応を分析したが、吸光度に対する年齢の影響は回帰分析を使用して分析した。
【0093】
結果
シドニー(Sydney)における検討の結果を図3に示し、抗原として合成DAMを使用した場合、PDの臨床診断が下された患者から入手した血清(平均0.171±0.020)は、年齢および性別が同じ健康な対照個体(平均0.108±0.011、p=0.005)並びに抑うつ個体(平均0.080±0.013、p=0.046)から入手した血清と比較して、ELISA試験において有意に増加した免疫応答を示すことを証明している。PD患者の免疫応答(平均0.109±0.007)が対照(平均0.079±0.003)より有意に高かった(p=0.001)ドイツにおける検討においても同様の応答が見られた。
【0094】
免疫応答の特異性は、種々の物質に対する血清の交差反応を試験することによって測定した。FeDAMまたはNAMを抗原として使用した場合には、DAMに対する対照血清と比較して、パーキンソン病症候群に曝露することによって刺激された有意に異なる吸光度応答も示された(共にp<0.001)。一方、5HT-Melをアッセイ用抗原として使用した場合には、吸光度の差は記録されなかった(p=0.64、図3)。21〜92歳の年齢の48人の健常個体から入手した血清は、血清ドナーの年齢(p=0.10)または性別(p=0.12)によって有意に影響されないことを証明した。
【0095】
考察
本発明は、DAMおよび単離ヒトNMに対するPD患者の免疫応答を同定する新規で、高価でない方法を提供する。この応答は、中枢のドーパミン作動性ニューロンからのNMの放出、従って中枢のドーパミン作動性系内のニューロンの死を示す。このような試験は、PDの臨床診断を確認できると思われ、または臨床症状が出現していない症例において前臨床PDの存在を示すことができると思われる。これらの結果は、高いIgG応答はPDの臨床診断に関連すること、およびその応答はカテコールアミン作動性に基づいたメラニンに特異的であることを証明している。抗原としてDAMをNAMと交換したアッセイ法においても、PD患者におけるわずかに高いIgG応答が同定された。これらのニューロンは、構造的にNMに類似していると考えられているドーパミンではなく、ノルアドレナリンに基づいたメラニンを形成するので(Doubleら、1999)、この応答はPDの青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンの損失に一致する。NAMに対する応答の増加が、ノルアドレナリン神経メラニン-刺激IgGによる特異的な応答またはDAMおよびNAMに対する応答の組み合わせによって生じたかどうかは不明である。しかし、SN内の約400,000個の色素細胞と比較して、青斑核はわずかに40,000個の色素細胞しか含有しないので、ノルアドレナリン神経メラニンの損失に対する特異的な免疫応答の大きさは、SNのドーパミン作動性細胞の同時の死によって誘導されるものより有意に低い可能性がある。
【0096】
現在、インビボにおいて中枢のドーパミン作動性細胞の死を信頼して同定できる他の方法はない。本発明の方法に係るこれらの細胞からのNMの放出の同定は、中枢のドーパミン作動性系の神経変性を判定する特異的で、感度の高い技術となる。
【0097】
細胞死時に生じるNM放出を検出することは、症状発症前でも、これらのメラニン細胞の死、従ってこれらの細胞の死によって特徴付けられる障害の特異的なマーカーとなると本発明者らは発見した。酵素結合免疫測定法(ELISA)およびヒト脳から単離したNMまたは合成ドーパミンメラニンを抗原として使用する本明細書に開示した方法は、瀕死の細胞からのNMの放出に対する体液性IgG応答を検出する手段を提供する。NMに対する体液性応答は末梢組織(血液)中で検出することができること、およびこの応答は、PDの臨床症状を呈する患者において有意に増加することを本発明のアッセイ法は証明した。
【0098】
PDにおける免疫応答を刺激することもできる別の要素はレービー小体(LB)である。LBは、PDのドーパミン作動性ニューロンの内側を形成し、NMと同様に、これらの細胞の死の結果放出される異常な封入体である。LBは、凝集して丸い封入体を形成する(シヌクレインおよび神経フィラメントなどの)改変された形態のタンパク質をいくつか含有する。放出されたLBに対する抗体の検出も、神経変性疾患の臨床期または前臨床期において被験者の神経変性疾患を検出する手段となりうる。
【0099】
広義に記載されている本発明の精神または範囲から逸脱することなく、数多くの変更および/または改良を、具体的な態様に示されている本発明に加えることができることは当業者に理解されている。従って、本発明の態様はあらゆる点において、例示的であり、限定するものではないと考慮されるべきである。
【0100】
実施例2
薬学的製剤
本発明に使用するための治療薬は単独で投与してもよいが、薬学的製剤として投与することが好ましい。有効成分は、製剤の0.001重量%〜10重量%、さらに典型的には、1重量%〜5重量%を含んでもよいが、10重量%もを含んでもよい。
【0101】
具体的な好ましい薬学的組成物を以下に概要する。しかし、以下は製剤の例示的な例にすぎず、いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものではないと考えられるべきである。
【0102】
実施例2(a)-吸入投与用の組成物
20〜30 mlの容量のエアゾール容器には、10 mgのゾニサミドとポリソルベート85またはオレイン酸などの潤滑剤の0.5〜0.8重量%の混合物をフレオンなどの噴霧体中に分散し、鼻腔内または経口吸入投与に適当なエアゾール容器に入れる。
【0103】
実施例2(b)-非経口投与用の組成物
筋肉内注射用の薬学的組成物は、1 mLの滅菌緩衝水溶液および1 mgのゾニサミドを含有するように調製できた。
【0104】
同様に、静脈内注入用の薬学的組成物は、250 mgの滅菌リンガー液および5 mgのゾニサミドを含んでもよい。
【0105】
実施例2(c)-カプセル組成物
カプセルの形態の薬学的組成物は、標準的な2ピース型硬ゼラチンカプセルに、粉末形態の50 mgのゾニサミド、100 mgの乳糖、35 mgのタルクおよび10 mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって調製することができる。
【0106】
実施例2(d)-注射用非経口組成物
注射によって投与するのに好適な形態の本発明の薬学的組成物は、1重量%のゾニサミドを10容量%のポリエチレングリコールおよび水に混合することによって調製することができる。この溶液をろ過滅菌する。
【0107】
参照文献
Figure 0004228048
Figure 0004228048

【図面の簡単な説明】
【図1】 パーキンソン病の細胞病理の進行を概略図で示すものである。
【図2】 パーキンソン病患者の脳の細胞外神経メラニン(矢印の先端)および細胞内神経メラニン(矢印)の顕微鏡写真である。
【図3】 パーキンソン病(PD)、PDの家族歴のない年齢および性別が同一の健康な対照個体および抑うつ個体における免疫応答。PD群の応答は、関連のない対照群(p=0.005)および抑うつ群(p=0.046)より有意に高い。
【図4】 数多くのメラニン類似体に対するIgG応答の交差反応結果を示す。

Claims (20)

  1. 被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者から得られた検体を試験する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した神経メラニン放出の指標のレベルの増加によって特徴付けられる方法であって、指標が神経メラニンまたはそれらの類似体に結合する循環抗体である、前記方法
  2. 神経変性疾患の臨床症状を呈する前に試験対象とする被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、前記症状が振せん、固縮、及び動作緩徐からなる群より選択され、 脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者から得られた検体を試験する段階を含み、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した神経メラニン放出の指標のレベルの増加によって特徴付けられる方法であって、指標が神経メラニンまたはそれらの類似体に結合する循環抗体である、前記方法
  3. 細胞死が被験者の神経変性疾患に関係する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 神経変性疾患が、振せん、固縮、動作緩徐および運動緩慢からなる群より選択される臨床症状を呈する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 検出方法が、被験者から得られた検体内に存在する神経メラニンまたはその抗原性断片もしくは類似体と反応することができる抗体の検出を使用する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 神経メラニンの類似体が、合成ドーパミンメラニンおよび合成ノルアドレナリンメラニンからなる群より選択される、請求項1 〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 採取された血液試料を試験に用いる段階を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、
    (a)血液から血清を単離する段階と、
    (b)血清をヒト神経メラニンまたは合成ドーパミンメラニンから選択される抗原と共にインキュベーションする段階と、
    (c)結合抗体を検出する段階と
    をさらに含む、前記方法。
  8. 被験者の神経変性疾患を検出する系であって、
    (a)被験者の脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標を捕獲する手段と、
    (b)脳内の細胞からの神経メラニン放出の捕獲された指標を検出する手段と
    を含み、指標が神経メラニンまたはそれらの類似体に結合する循環抗体である、前記系
  9. 神経メラニン放出の指標を捕獲する手段が、固相表面に固定された神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体である、請求項に記載の系。
  10. 固相支持体に結合された神経メラニンまたはその抗原性断片もしくはその類似体と、検出可能であるように標識されたプローブとを含む、請求項8または9に記載の系。
  11. プローブが標識抗ヒトIgGである、請求項10に記載の系。
  12. プローブが西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒトIgGである、請求項10または11に記載の系。
  13. ELISAを用いた系である、請求項12のいずれか1項に記載の系。
  14. キットである、請求項13のいずれか1項に記載の系。
  15. 神経変性疾患が、特発性パーキンソン病並びに多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、ピック病、皮質基底変性症およびレービー小体が認められる痴呆を含むパーキンソン症候群からなる群より選択される、請求項14のいずれか1項に記載の系。
  16. 神経変性疾患が特発性パーキンソン病である、請求項14のいずれか1項に記載の系。
  17. 脳内の細胞からの神経メラニン放出の指標について被験者から得られた検体を試験する段階を含み、指標が神経メラニンまたはそれらの類似体に結合する循環抗体である、被験者の神経変性疾患を検出する方法であって、
    (a)請求項1016のいずれか1項に記載の系の固相支持体に、被験者の血清試料を接触させる段階と、
    (b)請求項10〜16のいずれか1項に記載の系の検出可能であるように標識したプローブの試料を添加する段階と、
    (c)血清試料内のプローブ結合抗体を検出する段階であって、陽性の試験結果が、神経メラニンを含有する脳細胞の死を示し、対照値と比較した神経メラニン放出の指標のレベルの増加によって特徴付けられる方法。
  18. 神経変性疾患が、特発性パーキンソン病並びに多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、ピック病、皮質基底変性症およびレービー小体が認められる痴呆を含むパーキンソン症候群からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  19. 神経変性疾患が特発性パーキンソン病である、請求項1に記載の方法。
  20. 神経変性疾患の臨床症状を呈する前に、神経変性疾患の存在について被験者から得られた検体を試験する、請求項1719のいずれか1項に記載の方法であって、前記症状が振せん、固縮、及び動作緩徐からなる群より選択される前記方法。
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