JP4223825B2 - Illuminite coated arc welding rod - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全姿勢溶接において、スラグ剥離性に優れ、スパッタ発生量が少ないイルミナイト系被覆アーク溶接棒（以下、イルミナイト系棒と称する。）に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
イルミナイト系棒は、低水素系被覆アーク溶接棒と比較し、溶接金属中の拡散性水素量が多いことから拘束の大きい被溶接物での耐割れ性や衝撃靱性は劣るが、各種非低水素系被覆アーク溶接棒の中では、深い溶け込みが得られるなどの溶接作業性が良好なことから、一般軟鋼用被覆アーク溶接棒として幅広く使用されている。
【０００３】
このようなイルミナイト系棒は、全姿勢溶接での溶接作業性の向上が強く要求され、様々な条件下で使用されることが多い。溶接施工においては、アークの吹付けが強く被溶接物への深い溶け込みが得られる反面、スラグ剥離性が劣り、またスパッタ発生量が多い。したがって溶接作業後のスラグ除去や被溶接物に付着したスパッタの除去に時間が費やされ、作業能率の低下となる。
【０００４】
このようなイルミナイト系棒の問題に対して種々の提案がなされている。例えば、特開昭５７−８１９９９号公報では、被覆剤中のＴｉＯ₂ 、ＺｒＯ₂ を規制しスラグ剥離性が改善されているが、スパッタ発生量の低下は成されていない。
一方、特開昭５８−１１６９９１号公報では、被覆アーク溶接棒の心線成分と被覆剤成分を規制しスパッタ発生量を低減しているが、スラグ剥離性に問題がある。
このように、現状のイルミナイト系棒においては、諸性能を満足しつつスラグ剥離性に優れ、スパッタ発生量を低減したものにすることは困難であった。
【０００５】
【引用文献】
（ａ）特許文献１（特開昭５７−８１９９９号公報）
（ｂ）特許文献２（特開昭５８−１１６９９１号公報）
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑み、他の溶接作業性を劣化させることなく、スラグ剥離性に優れ、スパッタ発生量が少ないイルミナイト系棒を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべくイルミナイト系棒について、スラグ剥離性に優れ、スパッタ発生量を低減させる方法を被覆剤原料の面から鋭意研究した。その結果、被覆剤中のＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の量を規制することが極めてスラグ剥離性を向上し、スパッタ発生量を低減させる効果が大きく、諸溶接性能に悪影響を与えないことを知見として本発明を完成した。
【０００８】
本発明の要旨は、ガス発生剤、アーク安定剤、スラグ生成剤、脱酸剤および固着剤からなる被覆剤を鋼心線に塗布してなるイルミナイト系被覆アーク溶接棒において、被覆剤中に含まれるＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計を０．３０質量％（以下、％という。）以下にすることを特徴とする。
また、Ｎｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ のイルミナイトに含まれる量を規制することにより、被覆剤中に含まれるこれらの合計を前記の規定量の範囲にしたことも特徴とする。またさらに、被覆剤中のイルミナイトは５〜３５％であることも特徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
溶接棒におけるスラグ剥離性劣化の原因は、溶融スラグが凝固する過程での膨張率に対する収縮率の差が小さいことや、形成されたスラグの密度が高くビード表面積に対するスラグの接触面積が大きいことによるとされている。さらにアンダーカットなどを生じるとスラグがビード趾端部へ付着し、特に狭開先内ではスラグ除去が困難となる。
【００１０】
また、スパッタの発生原因としては、アーク発生時のプラズマ気流やアーク力が過剰に強い場合、あるいは溶滴のガス爆発などが知られている。特に粗大化した溶滴は、内部ガスの圧力により破裂し大粒のスパッタとなり、アーク電圧の変動も激しくなってアークの安定性も悪くなる。
【００１１】
まず、スラグ剥離性を改善するには、密度の高い緻密なスラグを多孔質にすることでビード表面とスラグの接触面積を小さくすると除去が容易になる。また、アークが不安定であるとアンダーカットなどが発生しビード趾端部のスラグ除去が困難となるので、適正なアークの吹付けと良好な安定性を持たせることが肝要である。スパッタの防止も同様にアークに良好な安定性を持たせ、溶滴の粗大化を防止することが肝要であり、これらを解決する手段が考えられた。
【００１２】
イルミナイト系棒の被覆剤中には、主成分としてイルミナイトが用いられ、良好なアーク状態と強い吹付けによる溶け込みを確保するものであり、主成分にＴｉＯ₂ 、Ｆｅ₂ Ｏ₃ を含み、その他成分としてＦｅＯ、ＳｉＯ₂ 、Ａｌ₂ Ｏ₃ 、Ｎｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ 、Ｐ、Ｓ等を含むものである。
【００１３】
本発明者らは、この主要原料として用いられるイルミナイトの成分に着眼して詳細に検討したところ、Ｎｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ が少ないイルミナイトを用いるとスラグが多孔質になり、さらにアーク電圧が低くなりアーク安定性が向上するので、アンダーカットの発生が防止でき、スラグ除去が容易となった。また溶滴の移行がスムーズになり、溶滴が細粒化されたのでスパッタ発生量も低減した。
【００１４】
そこで、被覆剤中のイルミナイトからもたらさせるＮｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の適正含有量を調べるため、次のような実験を行った。
表１に示す被覆剤に対して、表２のＮｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の含有量が異なる３種類のイルミナイトを表３に示すように１種もしくは２種以上の組合せで使用し、その合計量を５〜４２％まで変化させ、これにより得られるイルミナイトからのＮｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の合計含有量を０．００８〜０．４６０％まで変化させた。この被覆剤を直径４．０ｍｍ、長さ４５０ｍｍの軟鋼心線に被覆塗装して溶接棒を試作し、交流溶接機を用いてスラグ剥離性、スパッタ発生量およびその他の溶接作業性を調査した。
【００１５】
【表１】

【００１６】
【表２】

【００１７】
【表３】

【００１８】
スラグ剥離性の調査は、板厚１２ｍｍ、開先形状５０°Ｖ開先の軟鋼板を用いて立向および下向突合せ溶接を実施し、立向溶接では溶接電流１４０Ａ、下向突合せ溶接では溶接電流１６０Ａとした。判定は立向、下向突合せ溶接の総合判定であり、その判定基準は、軽い打撃でビード表面全面からスラグを除去できるものを良好とし○印、やや強い打撃でビード表面全面からスラグを除去できるものをやや劣るとし△印、強い打撃で除去できるものや、ビード趾端部にスラグが一部残存するものを劣るとし×印とした。
【００１９】
スパッタ発生量の調査は、幅２００ｍｍ、長さ６００ｍｍ、高さ２００ｍｍの銅製の捕集箱を作成し、その上部の開閉板に幅４０ｍｍ、長さ５５０ｍｍのスリットを設け、捕集箱内部に板厚２０ｍｍ、幅５０ｍｍ、長さ４５０ｍｍの軟鋼板を立て、スリットから溶接棒を挿入し、鋼板上に溶接を行いスパッタの捕集を行った。溶接条件は交流溶接機で電流１８０Ａ、溶接速度２００ｍｍ／ｍｉｎとし、判定基準はスパッタの捕集量が１．３ｇ／ｍｉｎ未満を良好、１．３ｇ／ｍｉｎ以上を劣るとした。
【００２０】
また、溶接作業性の試験では、板厚１２ｍｍ、幅１００ｍｍ、長さ５００ｍｍの軟鋼板をＴ型に組み、交流溶接機を用い、溶接電流は水平すみ肉が１８０Ａ、立向が１４０Ａを使用し、それぞれのアーク状態、スラグ状態、ビード形状などを調査した。その判定は水平すみ肉と立向姿勢を総合判定して、良好または劣るとした。
【００２１】
以上の試験から得られた結果を図１に示す。
図１に示すように、被覆剤中のＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計含有量が０．３０％以下ではスラグ剥離性に優れ、スパッタ発生量が少なく、さらに溶接作業性も良好な結果が得られた。また、その値が０．３０％を超えるとスラグが緻密になりビード表面に密着する箇所が生じ、スラグ剥離性が劣化した。また、アーク安定性が劣化し、アンダーカットを生じやすくなり、これもスラグ剥離性劣化の原因となった。またアーク安定性劣化に伴う溶滴の粗大化などによりスパッタ発生量も増加した。さらに、Ｎｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計が０．４０％以上になると、アーク力が過剰な影響でスラグ被包性が悪くなりビード形状の劣化が生じた。また、立向姿勢ではビードが垂れ易くなり凸形状を呈するようになった。
【００２２】
以上の結果から、良好な溶接作業性を確保しつつ、優れたスラグ剥離性とスパッタ発生量の低減を得るには、被覆剤中のＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計含有量は０．３０％以下にすべきことが判明した。
以下、上記のような各配合成分の作用および効果に基づき、本発明の構成要件に関する数値限定理由について説明する。
【００２３】
被覆剤中のＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計を０．３０％以下にすると、溶接作業性を劣化させずにスラグ剥離性とスパッタ発生量を低減することができ、逆に被覆剤中のＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計が０．３０％を超えると、スラグの緻密化、アンダーカットによるスラグ剥離性の劣化とアーク安定性劣化に伴う溶滴の粗大化などによるスパッタ発生量の増加も招くようになる。
【００２４】
また、Ｎｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ のイルミナイトに含まれる量を規制するとしたのは、これらの成分はイルミナイトには必ず含まれる微量成分であり、これらの成分を規制することがスラグ被包性やスパッタ発生量に大きな影響を与えるためである。
【００２５】
さらに、被覆剤中のイルミナイトを５〜３５％としたのは、被覆剤中のイルミナイトは、イルミナイトからのＮｂ₂ Ｏ₅ 量とＶ₂ Ｏ₅ 量を決定し、スラグ剥離性とスパッタ発生量および溶接作業性に大きく影響するからである。イルミナイトが５％未満ではアークの吹付けが弱く、溶込み不足などの溶接欠陥を生じやすくなる。一方、３５％を超えるとアーク力が強くなり過ぎてスラグ被包性が悪くなりビード形状が劣化し、さらに立向姿勢ではビードが垂れ易くなるなどの溶接作業性の劣化を招くようになる。
【００２６】
なお、本発明で用いられるガス発生剤は炭酸石灰や炭酸マグネシウムなどであり、アーク中で分解し、ＣＯ₂ ガスを発生するので溶接金属や溶融スラグを大気から遮断し、窒素や酸素の進入を防ぐと共に、適度なアーク力を確保し、スラグの流動性や粘性を調整する。
【００２７】
アーク安定剤には、ルチールや珪灰石などがあり、良好なアーク状態を確保するために用いられる。これらの１種または２種以上の組合せで使用する。
スラグ生成剤には、珪砂、長石、酸化マグネシウムなどがあり、スラグの流動性や被包性を調整する。これらの１種または２種以上の組合せで使用する。
脱酸剤には、Ｆｅ−Ｍｎ、金属Ｍｎなどがあり溶接作業性や合金剤の機能を併用している。
【００２８】
固着剤には、珪酸カリウムと珪酸ナトリウムなどがあり、これらの１種または２種以上の組合せで使用する。
なお、本発明における被覆剤を構成する成分としては、以上の成分の他に通常のイルミナイト系棒の被覆剤に添加されるアルミナ、マイカ等や、また不可避的不純物のＣ、Ｐ、Ｓ、Ｃｌ等があるが、これら各成分の存在によって本発明の効果を損なうものではなく、本発明に含まれる。
【００２９】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、比較例と共に詳細に説明する。
表１に示すイルミナイト系棒の２種類の被覆剤に対して、表２のＮｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の含有量が異なる３種類のイルミナイトをそれぞれ組み合わせて使用した。これらの被覆剤を直径４．０ｍｍ、長さ４５０ｍｍの軟鋼心線に被覆塗装して溶接棒を試作し、交流溶接機を用いて、前述したＮｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の適正含有量とスラグ剥離性、スパッタ発生量、溶接作業性調査で実施した溶接条件、測定条件、および判定方法によって、スラグ剥離性、スパッタ発生量と溶接作業性を調査した。それらの結果を表４におよび表５示す。
【００３０】
【表４】

【００３１】
【表５】

【００３２】
表４および表５中、溶接棒Ｎｏ．１〜１１が本発明例、溶接棒Ｎｏ．１２〜２２は比較例である。
本発明例である溶接棒Ｎｏ．１〜１１は、イルミナイトから被覆剤へのＮｂ₂Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の合計含有量と、被覆剤中へのイルミナイトの添加量が適正であるので、スラグ剥離性、スパッタ発生量はもとより、溶接作業性も良好で、極めて満足な結果であった。
【００３３】
比較例中、溶接棒Ｎｏ．１２、Ｎｏ．１３、Ｎｏ．１６、Ｎｏ．１９は、Ｎｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の合計含有量が多いため、スラグ剥離性が劣り、スパッタ発生量が増加した。
溶接棒Ｎｏ．１４、Ｎｏ．１５、Ｎｏ．２０、Ｎｏ．２１は、イルミナイトの添加量が多いので、アーク力が過剰な影響でスラグ被包性が悪くなりビード形状が劣り、さらに立向姿勢ではビードが垂れ易くなるなどの溶接作業性も劣化した。
【００３４】
溶接棒Ｎｏ．１７およびＮｏ．１８は、イルミナイトの添加量が少ないため、アークの吹付けが弱く、溶込み不足を生じるなどの溶接作業性が劣化した。
溶接棒Ｎｏ．２２は、Ｎｂ₂ Ｏ₅ 、Ｖ₂ Ｏ₅ の合計含有量、イルミナイトの添加量が共に多いため、スラグ剥離性の劣化、スパッタ発生量の増加および溶接作業性も劣化した。
【００３５】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のイルミナイト系被覆アーク溶接棒によれば、溶接作業 性を劣化させることなくスラグ剥離性を向上させスパッタ発生量を低減させることができ、溶接施工においては、溶接作業が容易で、溶接作業能率の向上に大いに貢献できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】Ｎｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計含有量とスパッタ発生量、スラグ剥離性および溶接作業性の関係を示した図[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an illuminite-based coated arc welding rod (hereinafter referred to as an illuminite-based rod) that is excellent in slag removability and has a low spatter generation amount in all-position welding.
[0002]
[Prior art]
Compared with low-hydrogen-coated arc welding rods, illuminite rods have poor diffusibility and impact toughness in welds with large constraints due to the large amount of diffusible hydrogen in the weld metal. Among hydrogen-based coated arc welding rods, they are widely used as coated arc welding rods for general mild steel because of their good welding workability such as deep penetration.
[0003]
Such illuminite rods are strongly required to improve welding workability in all-position welding, and are often used under various conditions. In welding construction, arc blowing is strong and deep penetration into the workpiece can be obtained, but slag peelability is inferior and spatter generation is large. Therefore, it takes time to remove the slag after the welding operation and to remove the spatter adhered to the workpiece, resulting in a reduction in work efficiency.
[0004]
Various proposals have been made for the problem of such illuminite bars. For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 57-81999, TiO ₂ and ZrO ₂ in the coating material are regulated to improve the slag removability, but the amount of spatter generated is not reduced.
On the other hand, in Japanese Patent Laid-Open No. 58-116991, the core wire component and the coating agent component of the coated arc welding rod are regulated to reduce the amount of spatter generated, but there is a problem in the slag peelability.
As described above, in the current illuminite bar, it was difficult to achieve excellent slag releasability while reducing the spatter generation amount while satisfying various performances.
[0005]
[Cited document]
(A) Patent Document 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 57-81999)
(B) Patent Document 2 (Japanese Patent Laid-Open No. 58-116991)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object thereof is to provide an illuminite-based rod that is excellent in slag removability and has less spatter generation without deteriorating other welding workability.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention has been intensively studied from the viewpoint of a coating material for an illuminite-based rod that has excellent slag releasability and reduces the amount of spatter generated. As a result, regulating the amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O _{5 in} the coating greatly improves the slag removability and greatly reduces the amount of spatter generated, and does not adversely affect the welding performance. As a result, the present invention was completed.
[0008]
The gist of the present invention is an illuminite-based coated arc welding rod formed by applying a coating material comprising a gas generating agent, an arc stabilizer, a slag generating agent, a deoxidizing agent and a fixing agent to a steel core wire. The total of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ contained is 0.30% by mass (hereinafter referred to as “%”) or less.
In addition, the amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ contained in the illuminite is regulated so that the total amount of these contained in the coating is within the range of the specified amount. Furthermore, the illuminite in the coating is characterized by 5 to 35%.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The reason for the deterioration of slag peelability in the welding rod is that the difference in shrinkage rate with respect to the expansion rate in the process of solidification of the molten slag is small, and the contact area of the slag with respect to the bead surface area is high because the density of the formed slag is high It is said that. Furthermore, when an undercut or the like occurs, the slag adheres to the end of the bead ridge, and it is difficult to remove the slag particularly in a narrow groove.
[0010]
Further, as a cause of occurrence of spatter, there are known cases where the plasma flow and arc force at the time of arc generation are excessively strong, or gas explosion of droplets. In particular, the coarse droplets are ruptured by the pressure of the internal gas and become large-sized spatters, and the arc voltage fluctuates greatly, resulting in poor arc stability.
[0011]
First, in order to improve the slag removability, removal is facilitated by reducing the contact area between the bead surface and the slag by making the dense slag highly porous. In addition, if the arc is unstable, undercut or the like occurs and it is difficult to remove the slag at the end of the bead ridge, so it is important to have an appropriate arc spray and good stability. Similarly, in order to prevent spattering, it is important to provide the arc with good stability and prevent the droplets from becoming coarse, and a means for solving these problems has been considered.
[0012]
In the coating of the illuminite rod, illuminite is used as a main component, which ensures a good arc state and penetration by strong spraying, and contains TiO ₂ and Fe ₂ O ₃ as main components, Other components include FeO, SiO ₂ , Al ₂ O ₃ , Nb ₂ O ₅ , V ₂ O ₅ , P, S and the like.
[0013]
The present inventors have examined in detail the components of the illuminite used as the main raw material, and as a result, when illuminite containing less Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ is used, the slag becomes porous. Since the arc voltage is lowered and the arc stability is improved, undercutting can be prevented and slag removal is facilitated. Moreover, the transfer of the droplets became smooth and the droplets were made finer, so the amount of spatter was reduced.
[0014]
Therefore, the following experiment was conducted in order to examine the proper contents of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ brought from the illuminite in the coating agent.
For the coating agent shown in Table 1, three types of illuminite having different contents of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ in Table 2 are used as one type or a combination of two or more types as shown in Table 3. The total amount was changed from ₅ to 42%, and the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ from the illuminite thus obtained was changed from 0.008 to 0.460%. This coating agent was coated on a mild steel core wire having a diameter of 4.0 mm and a length of 450 mm to make a trial welding rod, and slag peeling property, spatter generation amount and other welding workability were investigated using an AC welding machine.
[0015]
[Table 1]

[0016]
[Table 2]

[0017]
[Table 3]

[0018]
The slag peelability was investigated by conducting vertical and downward butt welding using a mild steel plate with a plate thickness of 12 mm and a groove shape of 50 ° V. Welding current was 140 A for vertical welding and welding for downward butt welding. The current was 160A. Judgment is a comprehensive judgment of vertical and downward butt welding, and the judgment criteria are good that can remove slag from the entire bead surface with a light hit, ○ mark, slag can be removed from the entire bead surface with a slightly stronger hit △ marks, which are slightly inferior, and those which can be removed by a strong blow, and those where a part of the slag remains at the end of the bead ridge are marked as x.
[0019]
To investigate the amount of spatter generated, a copper collection box with a width of 200 mm, a length of 600 mm, and a height of 200 mm was created. A slit with a width of 40 mm and a length of 550 mm was provided on the upper open / close plate, and a plate was placed inside the collection box. A mild steel plate having a thickness of 20 mm, a width of 50 mm, and a length of 450 mm was erected, a welding rod was inserted from the slit, and welding was performed on the steel plate to collect spatter. The welding conditions were an AC welding machine with a current of 180 A and a welding speed of 200 mm / min, and the criterion was that the amount of sputter collected was good when it was less than 1.3 g / min, and it was poor when it was 1.3 g / min or more.
[0020]
In the welding workability test, mild steel plates with a thickness of 12 mm, width of 100 mm, and length of 500 mm are assembled in a T shape, an AC welding machine is used, and the welding current is 180 A horizontal fillet and 140 A vertical. Each arc state, slag state, bead shape, etc. were investigated. The judgment was based on a comprehensive assessment of the horizontal fillet and the standing posture, and was determined to be good or inferior.
[0021]
The results obtained from the above tests are shown in FIG.
As shown in FIG. 1, when the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O _{5 in} the coating is 0.30% or less, the slag peelability is excellent, the spatter generation amount is small, and the welding workability is also good. Results were obtained. On the other hand, when the value exceeded 0.30%, the slag became dense and a part that adhered to the bead surface was generated, and the slag peelability was deteriorated. Moreover, arc stability deteriorated and it became easy to produce an undercut, and this also caused slag peelability deterioration. In addition, the spatter generation increased due to the coarsening of the droplets accompanying the deterioration of arc stability. Furthermore, when the total of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ was 0.40% or more, the slag encapsulation was deteriorated due to the excessive arc force, and the bead shape was deteriorated. In addition, the bead easily hangs down in a standing posture and has a convex shape.
[0022]
From the above results, the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O _{5 in} the coating is 0 in order to obtain excellent slag peelability and a reduction in spatter generation while ensuring good welding workability. It was found that it should be 30% or less.
Hereinafter, the reason for the numerical limitation regarding the constituent requirements of the present invention will be described based on the action and effect of each compounding component as described above.
[0023]
When the total of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O _{5 in} the coating agent is 0.30% or less, the slag peelability and the amount of spatter generated can be reduced without deteriorating the welding workability. When the total amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ exceeds 0.30%, spatter is caused by slag densification, deterioration of slag detachability due to undercutting and coarsening of droplets due to arc stability deterioration. The amount of generation will also increase.
[0024]
Also, the amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ contained in the illuminite is regulated because these components are trace components that are necessarily contained in the illuminite. This is because it greatly affects the encapsulating property and the amount of spatter generated.
[0025]
Further, the reason why the illuminite in the coating agent is 5 to 35% is that the illuminite in the coating agent determines the amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ from the illuminite, and the slag peelability and spatter This is because it greatly affects the generation amount and welding workability. If the illuminite content is less than 5%, the arc spraying is weak and welding defects such as insufficient penetration tend to occur. On the other hand, if it exceeds 35%, the arc force becomes too strong, the slag encapsulation becomes worse, the bead shape is deteriorated, and further, the welding workability is deteriorated such that the bead easily hangs in the standing posture.
[0026]
The gas generating agent used in the present invention is lime carbonate, magnesium carbonate, etc., which decomposes in an arc and generates CO ₂ gas, so that the weld metal and molten slag are shut off from the atmosphere, and nitrogen and oxygen enter. In addition to preventing, secure a suitable arc force, adjust the fluidity and viscosity of the slag.
[0027]
Examples of arc stabilizers include rutile and wollastonite, which are used to ensure a good arc state. These are used alone or in combination of two or more.
Examples of slag forming agents include silica sand, feldspar, and magnesium oxide, which adjust the fluidity and encapsulation of slag. These are used alone or in combination of two or more.
Deoxidizers include Fe-Mn, metal Mn, and the like, and they also use welding workability and alloying agent functions.
[0028]
Examples of the fixing agent include potassium silicate and sodium silicate, which are used alone or in combination of two or more thereof.
In addition, as components constituting the coating in the present invention, alumina, mica, etc. added to the coating of ordinary illuminite bars in addition to the above components, and inevitable impurities C, P, S, Although there exists Cl etc., the effect of this invention is not impaired by presence of these each component, and is contained in this invention.
[0029]
【Example】
Hereinafter, based on an Example, this invention is demonstrated in detail with a comparative example.
Three types of illuminites having different contents of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ in Table 2 were used in combination with the two types of coating agents for the illuminite rods shown in Table 1. These coating materials are coated on a mild steel core wire having a diameter of 4.0 mm and a length of 450 mm to produce a welding rod, and the appropriate content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ described above using an AC welding machine. The slag peelability, spatter generation amount and welding workability were investigated according to the welding conditions, measurement conditions, and judgment methods carried out in the investigation of slag peelability, spatter generation amount and welding workability. The results are shown in Table 4 and Table 5.
[0030]
[Table 4]

[0031]
[Table 5]

[0032]
In Table 4 and Table 5, welding rod No. 1 to 11 are examples of the present invention, welding rod Nos. 12 to 22 are comparative examples.
The welding rod no. In Nos. 1 to 11, since the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ from the illuminite to the coating and the amount of illuminite added to the coating are appropriate, the slag peelability and the amount of spatter generated In addition, the welding workability was good and the results were very satisfactory.
[0033]
In the comparative example, the welding rod No. 12, no. 13, no. 16, no. No. 19 had a large total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ , so that the slag peelability was inferior and the amount of spatter generated increased.
Welding rod no. 14, no. 15, no. 20, no. In No. 21, since the amount of illuminite added was large, the slag encapsulation was deteriorated due to the excessive arc force, the bead shape was inferior, and the welding workability was also deteriorated such that the bead was liable to sag in an upright position.
[0034]
Welding rod no. 17 and no. In No. 18, since the amount of illuminite added was small, the arc workability was weak, and welding workability such as poor penetration was deteriorated.
Welding rod no. In No. 22, since the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ and the added amount of illuminite were both large, the slag peelability was deteriorated, the amount of spatter was increased, and the welding workability was also deteriorated.
[0035]
【The invention's effect】
As described above, according to the illuminite-based coated arc welding rod of the present invention, it is possible to improve the slag peelability and reduce the spatter generation amount without degrading the welding workability. It is easy to work and can greatly contribute to the improvement of welding work efficiency.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the total content of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O _{5 and} the amount of spatter generated, slag peelability and welding workability.

Claims (3)

ガス発生剤、アーク安定剤、スラグ生成剤、脱酸剤および固着剤からなる被覆剤を鋼心線に塗布してなるイルミナイト系被覆アーク溶接棒において、被覆剤中に含まれるＮｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ の合計を０．３０質量％以下にすることを特徴とするイルミナイト系被覆アーク溶接棒。In an illuminite-based coated arc welding rod formed by applying a coating material comprising a gas generating agent, an arc stabilizer, a slag generating agent, a deoxidizing agent and a fixing agent to a steel core wire, Nb ₂ O ₅ contained in the coating material And V ₂ O ₅ is 0.30% by mass or less, an illuminite-based coated arc welding rod. Ｎｂ₂ Ｏ₅ とＶ₂ Ｏ₅ のイルミナイトに含まれる量を規制することにより、被覆剤中に含まれるこれらの合計を前記の規定量の範囲にしたことを特徴とする請求項１記載のイルミナイト系被覆アーク溶接棒。The amount of Nb ₂ O ₅ and V ₂ O ₅ contained in the illuminite is regulated so that the sum of these contained in the coating is within the range of the specified amount. Illuminite coated arc welding rod. 被覆剤中のイルミナイトは５〜３５質量％であることを特徴とする請求項１または２記載のイルミナイト系被覆アーク溶接棒。The illuminite-based coated arc welding rod according to claim 1 or 2, wherein the illuminite in the coating agent is 5 to 35% by mass.

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