JP4223389B2 - 切削ネジ - Google Patents

Description

本発明は、建築用具の分野に関し、特に、ポリカーボネート、塩化ポリビニル（ＰＶＣ）、ガラス繊維（ＧＲＰ）などから製造される非金属合成シート材を木材または金属に固定する際に用いられるネジに関する。

シート材、例えば波形金属シート材を野地に取り付けるのに用いられるネジをこのような波形シート材のリッジに貫通させ、かつこのねじの比較的広いネジ頭部の下に圧縮可能な材料からなるシーリング座金装置を配置し、それによってこのような屋根からの漏れの可能性を最低限に抑えることが公知である。

さらに、このようなボルトまたはネジが、良好なシールが得られるまで締め付けられるセフルタッピングネジの形態をとることも一般的である。

しかし、ネジが合成材料で製造されたより脆弱なシート材と一緒に使用されるときに問題が生じる。というのは、シート材を貫通するネジの通路が、ネジに隣接するシート材に損傷を与えるからである。さらに、熱膨張および収縮が、貫通するネジに隣接するこのようなシート材に損傷を及ぼすこともある。

便宜上、本明細書では、上記のような非金属材料を合成材料と呼び、この用語は、ポリカーボネート、ＰＶＣ、およびＧＲＰ、ならびに同様の材料を含むものとして用いる。

上記のようなシート材は、屋根ふき材に用いるか、壁パネルなどに用いるかに関わらず、金属波形シート材のような製品と比べて、合成波形シート材が比較的脆弱であるという一般的な特徴を有する。これは、標準的な屋根ふき型ネジが、合成パネルを野地に取り付けるために締め付けられるとき、シート材にひびを入らせることによってシート材に損傷を与える恐れがあることを意味する。

本発明の目的は、合成シート材と共に使用されるネジであって、このようなネジによってもたらされる前述の損傷の問題を最小限に抑える改良なされたネジを提供することである。

一態様における本発明は、加圧一体成形によって製造され、頭部と、軸部と、先端部とを有し、かつ、軸部から半径方向外側に延び、座金装置を受け入れるのに十分な距離だけ頭部から離れている少なくとも1つの切削部材を備えた、合成シート材を取り付ける際に用いられるネジである。

座金装置を使用する場合には、座金装置が圧縮可能であることが好ましい。

切削部材のうちの２つが、その直径が軸部の直径よりも大きくなるように同一平面内に存在することが好ましい。

これらの切削部材が、頭部に対して下向きに設けられ、合成シート材を貫通することのできる切刃を有することがさらに好ましい。

ネジの頭部が屋根ふきネジの標準形状を有する頭部であることが好ましいが、任意の比較的広いこのような頭部で十分である。ネジの大部分が事実上セルフタッピングであることが好ましく、かつ、先端部がドリルビットとして働く形状であることが好ましい。

他の態様における本発明は、加圧一体成形によって製造され、頭部と、軸部と、先端部とを有し、かつ、軸部から半径方向外側に延び、座金装置を受け入れるのに十分な距離だけ頭部から離れている少なくとも1つの切削部材を備えたネジであって、基本的にネジの先端部まで延びるネジ山に、先端部に隣接するこのネジ山を通って延びる少なくとも1つの切削面を設けることによって、木材と金属の両方を貫通するのに用いることができる、合成シート材を取り付ける際に用いられるネジである。

ネジの切削機能を高めるように、２つの切削面を軸部の両側に設けることが好ましい。座金を使用する場合には、座金が圧縮可能であることがさらに好ましい。

本発明をより容易に理解できるように、添付の図面を参照しつつ、非制限的な例によって本発明の特定の一実施形態を説明する。

図３に示されている本発明の好ましい実施形態は、波形合成屋根ふき材を金属または木製の野地に取り付けるのに適したネジ１０である。

このネジは、基本的にネジの先端部１２まで延びるネジ山１１に、このネジ山を通って延びる切削面を設けることによって実現される。連続的なネジ山１１は、ねじの両側に切削部材１５が形成されるように、ネジの先端に隣接する両側が標準的なネジに比べて部分的にえぐられている（１４）。したがって、先端部１２に隣接するネジ１０の領域は、図３に示されているように、有効なドリルビットを形成する。

ここで説明するネジの実施形態では、軸部の先端部は、両側に数ミリメートルの距離にわたって鋸歯状切込み１５を備えている。この領域の上方に、ネジの軸部に沿って３分の２ほどの所で終わる標準タッピングネジ型フライト（a standard tapping screw type flite）１１が設けられている。

この構成は、木製の野地が使用されている場合には、ネジが最初の接触の後すぐに自らねじ切りを行い、一方、金属製の野地が使用されている場合には、まず開口を切削する必要があり、その後ネジが自らねじ切りを行うようになっている。

ネジの切削領域の上方には、図４に示されているように、ネジの軸部３０の両側に２つの共平面切削部材２０が存在しており、これらの共平面切削部材２０は軸部から横方向に延びている。これらの共平面切削部材２０は、その外側末端２１の所で下向きに延びており、ネジが野地などにねじ込まれ締め付けられるとき、最終的にこれらの切削要素が波形屋根ふき材に当たりそれを貫通するように、ネジの両側の切削部材の内側面および先端に沿って切刃２２を形成している。

このような切刃を設けることが望ましい理由は２つある。第１に、この種の標準的なセルフタッピングネジを用いて得られるよりも大きい開口が合成シート材に形成され、それによって、結果的にシート材に損傷を与えることなしにシート材を膨張させ収縮させることができる。さらに、通常、タッピングネジの軸部が通過できる比較的小さい穴が切削され、そのため、作業者は、最初の穴を切削する１つの工具とネジをねじ込む別の工具の２つの工具を使用する必要がある。

本発明のネジによって、ネジの切削点は、合成シート材を通過して金属製または木製の野地などに入り込み、幅広の切刃は、合成シート材に当たったときに初めて、切刃自体と同じ直径の穴をこのシート材に切削し始める。したがって、１つの工具のみが必要であり、さらに、シート材は損傷から保護される。

本発明のネジは、水がネジ穴にしみ込むことを防ぐように構成された広いベース５２を有する、図２に示されている標準的な頭部５０を有している。この広いベース５２と切削部材２０との間に、通常はゴムであるが任意の特定の材料であってよい圧縮可能な材料からなるパッドまたは座金４０が位置している。ネジが締め付けられるにつれて、座金は横方向に延び、２つの切削要素によってシート材に切削された穴を覆う。

本発明のネジは、通常金属シートまたはパネルに用いられる種類のネジで切削されるよりも広い穴をシート材に切削するので、圧縮可能なパッドまたは座金の上の頭部の圧力によってこのシート材の縁部に掛けられる荷重が、屋根ふき材の広い範囲にわたって均等に分散され、かつこの荷重が、より大きな直径を有する穴を十分に密閉して漏れを防ぐように働き、一方、この荷重は、標準的な屋根ふきネジがシート材に与える圧力を材料に与えないことが分かる。

切刃よりも下方のねじ装置の残りの部分は、従来このような用途に用いられており、必要に応じてフレームまたは野地に締め付けられるような、標準的な種類のタッピングネジに多少とも類似している。

本発明のネジは、ネジが1回の作業で野地などにねじ込まれるときに形成される穴サイズよりも大きい直径を有する開口を合成シート材に組み込む簡素な手段を提供する。この手段によって、圧力が屋根ふき材のより広い範囲にわたってより均等に分散されるだけでなく、亀裂やひび割れのような屋根ふき材の損傷を最小限に抑えながら、屋根ふき材を熱膨張させ収縮させることができる。それによって、本発明のネジは、使用される屋根ふき材の損傷を最小限に抑えるように働くと共に、この働きを効率的に実現する。

本発明のネジの他の主要な利点は、ネジを別々の部品から成形し組み立てるのではなく、1回の独立した工程によってシート金属材料から加圧成形できることである。もちろん、座金は別に追加しなければならない。

ここでは、切削ネジ装置の特定の一実施形態と、特に屋根ふきネジとしての用途について説明したが、この種のネジを用いてあらゆる種類の合成シート材を目板などに取り付けることができる。

さらに、本発明の他の実施形態は、前述の各特徴の変形形態を有することができると考えられる。たとえば、３つ以上の切削要素を設けることができ、これらの要素の形状は様々であってよい。しかし、本発明の他の実施形態が任意の数の前述の特徴および前述の各特徴の組合せを有することが考えられ、この場合の変形および修正が、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに行えるものであることを理解されたい。

原位置に座金を有する本発明のネジの実施形態を示す図である。 本発明の実施形態の上部を示す図である。 本発明のネジをそのドリルビット型先端部と一緒に示す図である。 共平面切削部材を有する本発明の実施形態を示す図である。

Claims (8)

1. 頭部と、外側端部にドリル先端部が設けられたネジ部を有する軸部と、少なくとも座金装置を受け入れるのに十分な距離だけ前記頭部から離れ、かつ、前記軸部に一体成形され、前記軸部の半径方向に向いた実質的に平坦な２つの外側に延びる部材とを有し、
   前記外側に延びる部材は、前記軸部の半径方向外側に配置された下向きの切削部材を有する、合成シート材を支持部材に取り付ける際に用いられるネジ。
2. 前記切削部材の一方または双方は、前記切削部材の内側面および先端に沿って形成された切刃を有する、請求項１に記載のネジ。
3. 前記切削部材の一方または双方は、きれいな切断開口が形成されるように先端が尖った先細りになっている、請求項１または請求項２記載のネジ。
4. 正反対の向きに配置された共平面切削部材を有する、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載のネジ。
5. 前記ネジの前記頭部は、屋根ふきネジの標準的な形状を有する、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のネジ。
6. 前記軸部の前記ネジ部は、セルフタッピングである、請求項１から請求項５のいずれか１項に記載のネジ。
7. 先端部に隣接する前記軸部の領域が、前記ネジの前記先端部まで延びるネジ山に、前記先端部に隣接し、このネジ山を通って延びる少なくとも1つの切削面を備えることによって、木材と金属の両方を貫通するのに前記ネジを用いることができるように、ドリルビットとして機能する形状を有する、請求項６に記載のネジ。
8. ２つの切削面が、前記軸部の両側に設けられている、請求項７に記載のネジ。

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