JP4223109B2 - ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリビニルアルコール系繊維の製造方法、より詳しくは均一に変性されたポリビニルアルコール系繊維の工業的に容易でかつ安価な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)系繊維は、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルといった他の繊維と比較して、強度、弾性率が高く、また、耐薬品性に優れるといった種々の優れた性質を有しており、この特徴を利用して、魚網、ロープ、テント、土木シートといった一般産業資材用途に広く使用されている。また、セメントとの接着性や分散性、及び耐アルカリ性が良好なことから、石綿代替のセメント補強材として用いられ、近年、特にその需要が増加している。このように、PVA系繊維はPVA由来の特徴的な基本物性を巧みに利用することで様々な用途に用いられている。
【0003】
ところで、PVA系繊維は燃焼時に有害なガスを発生せず、また、本質的に生分解性であるなど環境に優しい素材でもある事から、環境問題に対する意識が非常に高まりつつある近年、改めて注目を集めている。そこで、PVA系素材の特徴を生かしつつ、新しい機能、性質を付与することにより、従来の主用途である一般産業資材以外の用途への展開が強く求められている。
【0004】
PVA系繊維に機能性を付与する試みは、これまでに数多くなされている。古くから用いられている手法として、紡糸原液中に適当な顔料や着色防止剤、酸化防止剤を添加し、これを紡糸、繊維化する手法が挙げられるが、使用時にブリードアウトする、あるいは水や有機溶剤によって容易に流れ出るなどの問題があり、繊維の機能化手法としては決して満足できるものではなかった。また、紡糸後の繊維表面に各種油剤などを塗布する手法も一般的だが、これは表面改質を目的としたものであり、繊維全体を均質に機能化するという意味では十分でない。
【0005】
一方、紡糸原液中でPVA系重合体に、第2成分として他の高分子量体をブレンドした後、紡糸、繊維化する処方が知られている。例えば、特公昭35−8565号公報において、PVAに澱粉を添加したものを紡糸することで染色性の向上を図る方法が示されている。また特公昭47−42057号公報においては、PVAとポリ塩化ビニルとを混合紡糸することで防炎性繊維が得られると記載されている。しかし、このような処方に於いては、第2成分として使用できる高分子量体がPVA系重合体と共通の溶剤に溶解あるいは分散する必要がある。ここで、第2成分の溶解性、あるいは分散性が不良であると繊維が均質に機能化されないばかりか、紡糸性が悪化し繊維そのものが得られないため、第2成分として使用可能な高分子量体は大幅に限定されるのが現状である。
【0006】
PVA系繊維を均一に機能化する手法としては、原料であるPVA系重合体そのものに機能性を発現する化合物を導入する方法が最も優れていると考えられる。このため、PVAの前駆体であるポリ酢酸ビニル系重合体の合成時に、特定の官能基を有するビニル系単量体を共重合させ、官能基を有するユニットを持った酢酸ビニル共重合体を合成し、次いでこのポリ酢酸ビニル共重合体をケン化することにより官能基を有するPVA系重合体を得た後、これを紡糸、繊維化する方法が知られている。例えば特開平3−14613号では、官能基としてマレイン酸やアクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーを用いることで高吸水性を有するPVA系繊維を得ている。しかしこれらのモノマー、あるいは代表的なラジカル重合性モノマーであるアクリレート、メタクリレート類は酢酸ビニルとの共重合性が低いため、高変性率の共重合体を得ることや高重合度体の合成は工業的に困難である。さらにポリ酢酸ビニルのケン化工程時に官能基が切断してしまうため、代表的なラジカル重合性モノマーであるアクリレート、メタクリレート類は実質的に使用できない。また、ラジカル重合処方を利用する以上、官能基として二重結合の導入は極めて困難であるなど、適用範囲が限定されているのが現状である。
【0007】
一方、特公昭33−2318号公報ではPVAにアミノ基含有アセタール化合物を反応させ、アミノアセタール化PVAを得た後、これを水に溶解して紡糸原液を調製し、紡糸、繊維化することにより変性PVA繊維を得る方法が報告されている。しかし、ここではPVAを粉末状態のままで反応変性を行っているため均一変性は非常に困難であり、また、このような条件でアセタール化するとPVA系樹脂は容易に着色したり劣化するという事が本発明者らの検討で明らかとなった。
また、特開昭54−138624号では、アミノ基含有化合物との反応を水溶液中で行い、これを単離・精製した後、再度紡糸溶剤に溶解し、紡糸することでアミノアセタール化変性PVA系繊維を得ている。このような条件では少なくとも反応は均一に進行するが、変性PVAの取り出す際に溶剤である水を加熱留去によって除いているため、PVA系樹脂が着色しやすい、あるいはゲル化などの副反応が生じ易いという問題点がある。さらに、変性PVAを合成した後一旦単離、精製し、再度紡糸原液に溶解するというステップを踏まなければならず、大幅なコストアップにつながるため工業的実施は困難であった。
このように、着色、ゲル化などの副反応を伴わず、均一に、かつ工業的に容易な手法によって変性された機能化PVA系繊維の製造法としては、十分満足のゆくものが報告されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術では困難であったPVA系繊維に対する多種多様な機能性基を均一に導入できるとともにその導入量のコントロールが可能であり、さらに高重合度の変性PVA系繊維の製造が可能であり、かつ工業的に容易でコスト的に有利な優れた変性PVA系繊維の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、紡糸原液及び紡糸方法を工夫することで、これまでの技術では困難であった多種多様な官能基が均一に導入されたPVA系繊維を工業的に安価に製造する方法を見出し、本発明に至ったものである。
【0010】
すなわち本発明とは、PVA系重合体からなる繊維を製造する際に、PVA系重合体(A成分)及び該PVA系重合体の分子中に存在する水酸基と反応し得る原子団を分子内に有する変性剤(B成分)を有機系溶剤に添加して紡糸原液を調製し、該紡糸原液中でA成分とB成分を結合させた後又は結合させると同時に該紡糸原液を紡糸することを特徴とするポリビニルアルコール系繊維の製造方法である。
【0011】
そして本発明は、ポリビニルアルコール系重合体の水酸基と反応しうる原子団がアルデヒド基あるいはそのアセタールであり、ポリビニルアルコール系重合体と該変性剤とをアセタール化反応により結合させることを特徴とする、上記したポリビニルアルコール系繊維の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。
本発明におけるPVA系重合体とは、その前駆体であるポリ酢酸ビニルの部分ケン化あるいは完全ケン化、又はピバリン酸ビニル、ギ酸ビニルのごとき側鎖が嵩高い又は極性の高いビニルエステル類、もしくはt−ブチルビニルエーテルやトリメチルシリルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルのごときビニルエーテル類の単独重合体の分解などにより得られる重合体である。
【0013】
もちろんビニルアルコールを含めた2種類以上のモノマーユニットより構成される共重合体であってもよい。共重合体成分としては、本発明の趣旨を損なわない範囲で、かつ上述したPVAの前駆体モノマーと共重合しうるものであれば特に制限はなく、例えばエチレン、アリルアルコール、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドンなどが挙げられる。共重合成分の組成比は、紡糸性を考慮すると30モル%以下、特に10モル%以下とするのが好ましい。
【0014】
PVA系重合体の重合度は、原液中におけるPVA系重合体と変性剤との反応性、及び繊維化時の紡糸性を損なわない範囲で任意に選択可能であるが、工業的な製造を考慮すると通常は100〜30000、好ましくは500〜10000である。本発明においては、重合度3000以上、特に5000以上のPVAを用いた場合であっても優れた効果が得られる。
【0015】
PVA系重合体のケン化度は、紡糸時の固化性などの点から通常70モル%以上、さらに90%以上であるのが望ましい。なお、ここでいうケン化度とは、PVAの前駆体であるポリ酢酸ビニル又はその共重合体中の全酢酸ビニル単位に対するケン化後のビニルアルコール単位の割合を表したものである。
【0016】
本発明におけるPVA系繊維の製造方法の特徴は、PVA系重合体からなる繊維を製造する際に、PVA系重合体(A成分)及び該PVA系重合体の分子中に存在する水酸基と反応し得る原子団を分子内に有する変性剤(B成分)を有機系溶剤に添加して紡糸原液を製造し、該紡糸原液中でA成分とB成分を結合させた後又は結合させると同時に該紡糸原液を紡糸することにある。以下、その特徴について詳細に説明する。
【0017】
紡糸原液を調製する際に使用されるPVA系重合体の有機系溶剤としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジエチレントリアミン、グリセリン、メタノールなどが挙げられ、これら単独あるいは2種類以上の混合溶媒で使用される。本発明においては、PVAと反応しうる様々な変性剤を溶解できる溶剤が適しており、このような溶剤としてはジメチルスルホキシドやグリセリンなどの有機系溶剤が好ましく、特にジメチルスルホキシドを主成分とした溶剤が最も好ましい。溶剤中のジメチルスルホキシドの含量は通常50〜100重量%、好ましくは80〜100重量%である。勿論、本発明の効果を損わない範囲で水や他の添加剤が含まれていても構わない。
【0018】
次に、紡糸原液の調製法について説明する。
紡糸原液の調製方法は特に限定されないが、PVA系重合体を均一に溶解させる点からは、まずPVA系重合体を溶剤に添加し、これを攪拌して均一に溶解させた後に変性剤を添加する方法を採用するのが好ましい。勿論、PVAを均一分散させた溶剤と変性剤を溶解させた溶剤を混合して調製してもかまわない。紡糸原液中のPVA系重合体の濃度は紡糸方法によっても異なるが、通常は5〜50重量%であり、PVAと変性剤との反応性、あるいは紡糸時の固化性などを考慮すると5〜30重量%が好ましい。このとき濃度は、PVA重量/紡糸原液重量×100(%)で表される。
【0019】
PVA系重合体をすみやかに溶解するために必要に応じて加熱するのが好ましい。加熱温度は通常20〜230℃の範囲で行われるが、原液濃度、PVA系重合体の重合度によって異なり、また高温時のPVA系重合体の分解、着色などを考慮すると50〜150℃とするのが特に好ましい。溶解時間は通常1〜10時間であり、溶剤及びPVA系重合体の分解、着色を抑制する点からは不活性気体中で行うのが好ましい。
また、PVAと変性剤との反応を阻害したり、紡糸性や延伸性を悪化させない範囲で紡糸原液中にホウ酸、界面活性剤、分解抑制剤、染料、顔料などを添加することも可能である。
【0020】
次に、紡糸原液中におけるPVA系重合体と変性剤との反応について説明する。
PVA系重合体と変性剤との反応は、PVAの水酸基と変性剤との反応によって形成される化学的結合様式によって種々分類されるが、代表的な結合にはアセタール、エーテル、エステルなどがある。以下、それぞれについて説明する。
【0021】
アセタール結合による変性剤の導入は、分子内にアルデヒドあるいはそのアセタールを有する変性剤を用い、PVA系重合体と変性剤とをアセタール化反応させることにより達成される。アセタール化反応は通常酸触媒存在下で進行する。
【0022】
エーテル結合による変性剤の導入方法としては、以下の三種の方法が挙げられる。第一の方法は、分子内に活性二重結合を有する変性剤を、PVA系重合体中の水酸基に対して共役(1,4)付加反応させることにより達成され、共役付加反応は通常塩基触媒存在下で進行する。
また第二の方法は、分子内にエポキシ基を有する変性剤を用い、PVA系重合体と変性剤とを付加反応させることにより達成され、付加反応は通常塩基触媒の存在下で進行する。
さらに第三の方法は、分子内にハロゲン化アルキル基を有する変性剤を用い、PVA系重合体と変性剤とを縮合反応させることにより達成され、縮合反応は通常塩基触媒の存在下で進行する。
【0023】
エステル結合による変性剤の導入は、分子内にカルボキシル基、エステル基、酸無水物骨格などを有する変性剤を用い、PVA系重合体と変性剤とをエステル化反応させることにより達成される。エステル化反応は通常酸、塩基いずれの触媒でも進行する。酸無水物に関しては無触媒でも反応は進行する。
【0024】
なお、ここで用いられる酸触媒としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、塩化アンモニウムなどの塩、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのルイス酸などが挙げられる。酸触媒の使用量は、酸触媒の種類によっても異なるが、通常変性剤に対して約0.01〜100モル%、特に約0.5〜20モル%の範囲が適当である。
また塩基触媒としては、たとえば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ水酸化物、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどの金属アルコラート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンなどのアミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩などが挙げられる。塩基触媒の使用量は、使用する塩基触媒の性質によっても異なるが、通常変性剤に対して0.01〜100モル%、特に約0.5〜20モル%の範囲が適当である。
【0025】
触媒及び変性剤を、前述した方法により調製した紡糸原液に添加し、攪拌、反応させるのが好ましい。変性剤の添加量は、PVA系重合体の水酸基に対して通常0.01〜100モル%、特に約0.1〜20モル%である。触媒及び変性剤の添加順序は問わないが、触媒の種類、量によってはPVA系重合体と共に長時間攪拌すると着色を生じる場合があるため、そのときは変性剤を先に添加した後に触媒を加えるのが好ましい。
また、反応温度は通常20〜230℃の範囲内であるが、反応率、溶剤自身の熱分解、ポリマーの着色などを考慮すると、好ましくは50〜150℃である。反応時間は、目的とする変性率に達するかあるいは添加した変性剤がすべて消費されるまでの総経過時間であり、通常10分〜20時間である。
【0026】
PVA系重合体と変性剤との反応においては、反応率を向上させるために反応前、あるいは反応中に脱水を行うのが望ましい。脱水の方法としては、炭化水素系溶媒又はハロゲン化炭化水素溶媒などを用いる共沸脱水、モレキュラーシーブなどの脱水剤を共存させることによる脱水、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチルなどのオルトエステル類を用い化学的に水を反応除去させることによる脱水などがある。
【0027】
所定時間反応後、酸触媒を使用している場合には塩基性物質、塩基触媒を使用している場合には酸性物質によって中和するのが好ましい。中和が不十分であると紡糸性が悪化したり、紡糸した繊維を延伸、乾燥する際に着色する原因となる。ここで用いられる酸性物質とは、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられ、一方塩基性物質としては、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどの金属アルコラート、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、などのアルカリ水酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩などが挙げられる。中和時間は通常0.5〜1時間である。
【0028】
以上のように、アセタール結合、エーテル結合、エステル結合を利用することによりPVA系重合体に様々な変性剤を導入可能であり、PVA系繊維に所望の機能を付与することができる。変性剤の具体的な構成は特に限定されないが、反応性及び繊維性能などの点からは、分子量50〜2000程度、特に100〜1000程度のものが好ましい。本発明においては複数の官能基を有する変性剤を用いてもよく、また複数種の変性剤を併用してもかまわない。また変性剤としてはPVAと結合することにより、PVAの紡糸性を著しく損なわないものが好ましい。
官能基の種類は、PVA系繊維に付与したい機能、性質によって適時選択される。例えば、PVA系繊維に疎水性、柔軟性、光・熱反応性などの機能を付与するならば、アルキル基、アリール基、複素環、不飽和結合などを導入するのが適している。吸湿性、吸水性、水溶性などの機能を付与するならば、カルボン酸及びその塩、スルホン酸及びその塩などのイオン基を導入するのが適している。防炎性、難燃性などの機能を付与するならば、リン酸基、ハロゲン原子などを導入するのが適している。親水性、抗菌性などの機能を付与するならば、アミノ基、第4級アンモニウム塩などを導入するのが適している。さらに本発明では、官能基の導入量を任意にコントロールすることで、発現する機能性の強度を調節可能である。勿論、発現する機能性はここに示す限りではない。
【0029】
以下に変性剤の具体例を詳細に説明するが、本発明ではこれらの変性剤に限定されるものではない。
まずアセタール結合によりPVA系重合体に導入される変性剤の例を挙げる。アルキル基又はアリール基などを官能基として有するものには、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ドデシルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド及びそのアルキルアセタール、シクロペンタンアルデヒド、メチルシクロペンタンアルデヒド、ジメチルシクロペンタンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、メチルシクロヘキサンアルデヒド、ジメチルシクロヘキサンアルデヒド、シクロヘキサンアセトアルデヒドなどの脂環族アルデヒド及びそのアルキルアセタール、シクロペンテンアルデヒド、シクロヘキセンアルデヒドなどの環式不飽和アルデヒド及びそのアルキルアセタール、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、クミンアルデヒド、ナフチルアルデヒド、アントラアルデヒド、シンナムアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレインアルデヒド、7−オクテン−1−アールなどの芳香族あるいは不飽和結合含有アルデヒド及びそのアルキルアセタール、フルフラールアルデヒド、メチルフルフラールアルデヒドなどの複素環アルデヒド及びそのアルキルアセタールなどがある。
【0030】
また水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などを官能基として有するものには、ヒドロキシアセトアルデヒド、ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ヒドロキシブチルアルデヒド、ヒドロキシペンチルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒドなどの水酸基含有アルデヒド及びそのアルキルアセタール、グリオキシル酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−ホルミル酢酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、3−ホルミルプロピオン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、5−ホルミルペンタン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、4−ホルミルフェノキシ酢酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−カルボキシベンズアルデヒド及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、4−カルボキシベンズアルデヒド及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2,4−ジカルボキシベンズアルデヒド及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、ベンズアルデヒド2−スルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、ベンズアルデヒド−2,4−ジスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、4−ホルミルフェノキシスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、3−ホルミル−1−プロパンスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、7−ホルミル−1−ヘプタンスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、4−ホルミルフェノキシホスホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩などの酸含有アルデヒド及びそのアルキルアセタールなどがある。
【0031】
さらにアミノ基、シアノ基、ニトロ基、4級アンモニウム塩などを官能基として有するものには、アミノアセトアルデヒド、ジメチルアミノアセトアルデヒド、ジエチルアミノアセトアルデヒド、アミノプロピオンアルデヒド、ジメチルアミノプロピオンアルデヒド、アミノブチルアルデヒド、アミノペンチルアルデヒド、アミノベンズアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、エチルメチルアミノベンズアルデヒド、ジエチルアミノベンズアルデヒド、ピロリジルアセトアルデヒド、ピペリジルアセトアルデヒド、ピリジルアセトアルデヒド、シアノアセトアルデヒド、α−シアノプロピオンアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、トリメチル−p−ホルミルフェニルアンモニウムイオダイン、トリエチル−p−ホルミルフェニルアンモニウムイオダイン、トリメチル−2−ホルミルエチルアンモニウムイオダイン及びそのアルキルアセタールなどがある。
【0032】
ハロゲンを官能基として有するものには、クロロアセトアルデヒド、ブロモアセトアルデヒド、フルオロアセトアルデヒド、クロロプロピオンアルデヒド、ブロモプロピオンアルデヒド、フルオロプロピオンアルデヒド、クロロブチルアルデヒド、ブロモブチルアルデヒド、フルオロブチルアルデヒド、クロロペンチルアルデヒド、ブロモペンチルアルデヒド、フルオロペンチルアルデヒド、クロロベンズアルデヒド、ジクロロベンズアルデヒド、トリクロロベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、ジブロモベンズアルデヒド、トリブロモベンズアルデヒド、フルオロベンズアルデヒド、ジフルオロベンズアルデヒド、トリフルオロベンズアルデヒド、トリクロロメチルベンズアルデヒド、トリブロモメチルベンズアルデヒド、トリフルオロメチルベンズアルデヒド及びそのアルキルアセタールなどがある。
【0033】
またPVA系重合体と相溶性の良好なポリエチレングリコール、PVA、ポリスチレン、PMMAなどの末端にアルデヒド基又はそのアルキルアセタールが結合したポリマーなども変性剤として用いることができる。
【0034】
次にエーテル結合によりPVA系重合体に導入される変性剤の例を挙げる。共役付加反応によりPVA系重合体に導入される変性剤としては、例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸又はその金属塩あるいはアンモニウム塩、アクリル酸エステル、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はその金属塩あるいはアンモニウム塩、ビニルスルホン酸又はその金属塩あるいはアンモニウム塩、ビニルスルホキサイド、ビニルスルホン、マレイン酸、マレイン酸ジエステル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート又はその4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート又はその4級塩、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド又はその4級塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド又はその4級塩、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどが挙げられる。
【0035】
付加反応によりPVA系重合体に導入される変性剤としては、例えば1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、グリシドール、グリシジルイソプロピルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、2,3−エポキシプロピルベンゼン、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジル−2−メチルフェニルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−クロロフェニルグリシジルエーテル、グリシジル−4−メトキシフェニルエーテル、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0036】
縮合反応によりPVA系重合体に導入される変性剤としては、例えばα−クロロ酢酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、α−ブロモ酢酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−クロロエタンスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−ブロモエタンスルホン酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−クロロエチル硫酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、2−ブロモエチル硫酸及びその金属塩あるいはアンモニウム塩、クロロメチルホスホン酸ジメチル、ブロモメチルホスホン酸ジメチルなどが挙げられる。
【0037】
次にエステル結合によりPVA系重合体に導入される変性剤の例を挙げる。エステル結合によりPVA系重合体に導入される変性剤としては、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水ノルボルナンジカルボン酸、無水ノルボルネンジカルボン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ジフエン酸などの無水酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、メルカプトプロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、フタル酸などの酸及びそのメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジルのいずれか1つから選ばれるエステルなどが挙げられる。
【0038】
以上のように、アセタール結合、エーテル結合、エステル結合によりPVA系重合体に様々な変性剤を導入可能であり、PVA系繊維に所望の機能を付与することができる。これらの中で特にアセタール結合は、広範囲の官能基を有する変性剤を高い反応率でPVA中に導入できる点で最も優れており、変性剤としてはアルデヒドあるいはそのアセタール、特にPVAの紡糸性を損なわない点からはモノアルデヒドあるいはそのアセタールが好ましい。
PVA系重合体に対する変性剤の導入率は、反応条件を選ぶことによって任意にコントロール可能であるが、通常は0.01〜20モル%、生成するPVA系繊維に明確な機能性を付与する点からは0.5モル%以上が好ましい。
【0039】
次に紡糸工程について説明する。
本発明においては、ポリビニルアルコール系重合体(A成分)と変性剤(B成分)を結合させた後又は結合させると同時に該紡糸原液をそのまま紡糸することが重要であり、紡糸原液をそのまま紡糸することにより、均一に官能基が導入された機能化PVA系繊維を工業的に安価に製造可能できる。紡糸原液からPVA系重合体を一旦単離・精製した場合、再溶解時にPVA系樹脂が着色しやすい、あるいはゲル化などの副反応が生じ易いという問題点があり、変性剤や条件によっては紡糸不能になる場合がある。さらに単離、精製、再溶解という複数のステップを踏まなければならないため大幅なコストアップとなって工業的実施は困難である。
【0040】
繊維の紡糸方法は特に限定されないが、予め紡糸原液を脱泡した後に紡糸するのが好ましい。紡糸原液中に気泡が混入していると、紡糸時に断糸や毛羽発生の原因となる。脱泡時間は通常1〜10時間である。このとき紡糸原液は、ゲル化を抑制するために40〜170℃の温度とするのが好ましい。
【0041】
所定時間経過後、紡糸原液はそのまま紡糸塔に圧送された後、ノズル表面より吐出され、繊維化される。本発明の紡糸方法としては、乾式、湿式、及び乾湿式紡糸法のいずれでもよいが、紡糸原液にジメチルスルホキシドなどの高沸点溶媒を用いていること、及び未反応の変性剤や触媒などの除去などを考慮すると湿式紡糸法又は乾湿式紡糸法が好ましい。さらに多ホールから紡糸原液を吐出する場合には、吐出時の繊維同士の膠着を防ぐためには、湿式紡糸方法の方がより好ましい。なお、湿式紡糸方法とは、紡糸口金から直接に凝固浴に紡糸原液を吐出する方法のことであり、一方乾湿式紡糸方法とは、紡糸口金から一旦、空気や不活性ガス中に紡糸原液を吐出し、それから凝固浴に導入する方法のことである。紡糸原液の吐出時の液温としては40〜170℃の範囲でかつ原液がゲル化しない範囲が好ましい。
【0042】
凝固液としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸エチルなどの脂肪族エステル類、アルカリ水溶液、アルカリ金属塩水溶液などいずれでもよいが、紡糸原液に用いている溶媒に応じて適時選択される。特にジメチルスルホキシドを主成分とした紡糸原液の場合は、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸エチルなどの脂肪族エステル類などを凝固液として用いることで均一固化が進行し、糸断面は円状となり、湿延伸及び乾延伸により高度に配向し、PVA系繊維に特徴的な高強度を発現することができる。また原液溶媒をこれら凝固液に混合して凝固浴とすることも可能である。なかでも変性度の小さいPVA系重合体に対してはメタノールと原液溶媒との混合液を、また変性度の大きいPVA系重合体やケン化度の低いPVA系重合体に対しては、メタノールでは固化能力が十分でないため、例えばメチルエチルケトンと原液溶媒との混合液やアセトンと原液溶媒との混合液を凝固浴として使用することが好ましい。凝固溶媒/原液溶媒の混合重量比は95/5〜40/60が好ましい。90/10〜50/50であるとさらに好ましく、85/15〜55/45であると最も好ましい。凝固浴に原液溶媒を混合することにより、固化能を調整すると共に、原液溶媒と凝固溶媒の分離回収コスト低下をはかることができる。
【0043】
凝固浴の温度に限定はないが、通常−20〜30℃の間で行う。均質固化及び省エネルギーの点から凝固浴温度は−10〜20℃が好ましく、−5〜15℃であるとさらに好ましく、0〜10℃であると最も好ましい。なお、上記したように紡糸原液はかなり高温に加熱されており、そのような紡糸原液を凝固浴に導入すると、凝固浴温度は通常30℃を上回る温度となる。したがって凝固浴温度を30℃以下に保つためには、凝固浴を冷却することが必要である。
【0044】
得られた糸篠を凝固溶媒又はそれと原液溶媒の混合液からなる湿延伸浴中で湿延伸するのが望ましい。特に糸篠の膠着抑制のため、毛羽の出ない範囲で湿延伸倍率を大きくすることが重要である。湿延伸倍率を大きくするためには、湿延伸浴の温度を沸点近くまで昇温することが有効である。また湿延伸を2段以上の多段に分けて行うことも有効である。なお、湿延伸浴に用いる液としては、上記した凝固浴溶媒と同様のものが挙げられる。なお、アルカリ凝固の場合は、湿延伸の前に張力下で中和を行うのがよい。
【0045】
湿延伸後の糸篠を、凝固溶媒を主体とする抽出浴に接触させて糸篠から原液溶媒、未反応の変性剤、触媒残渣、中和塩を抽出除去し、乾燥時の繊維間膠着などの発生を抑制することが望ましい。この抽出処理は、純粋な凝固溶媒を糸篠の走行方向とは向流方向で連続的に流すことに抽出浴での滞留時間を短縮することができる。この抽出処理により、糸篠中に含まれている紡糸原液溶媒の量を糸篠重量の1%以下、好ましくは0.1%以下、未反応の変性剤、触媒残渣、中和塩については0.1%以下、好ましくは0.01%以下にする。接触させる時間としては5秒以上、特に15秒以上が好ましい。抽出速度を高め、抽出を向上させるためには、抽出浴溶媒の温度を沸点近くまで昇温するのが好ましい。また抽出が不十分であると、乾燥又は延伸時に断糸、毛羽発生、着色が発生する原因ともなる。
【0046】
抽出後の糸篠を150℃以下の気体浴中で乾燥する。乾燥前に鉱物油系、シリコン系、フッ素系などの疎水性油剤を付着させたり、乾燥時の収縮応力を緩和させるために収縮させることも膠着防止に有効である。
【0047】
乾燥後のPVA系繊維に強度、高湿度下寸法安定性を与え、また繊維間の膠着を防止するために乾熱延伸をするのが望ましい。この延伸操作は、空気中又は窒素ガスなどの不活性気体中や油浴中で実施され、一段もしくは二段以上の多段で行われる。また、微小領域加熱延伸のいわゆるゾーン延伸法も適用され得る。延伸温度は高重合度ほど高くして高倍率を維持するのが好ましいが、260℃以上ではPVAの分解が生じ易く好ましくない。さらに熱的に不安定な官能基で変性されている場合、乾熱延伸中に官能基が分解する恐れもあるため、変性剤に適した温度で乾熱延伸する必要がある。なお、総延伸倍率は湿延伸倍率と乾熱延伸倍率との積で表される。また、本発明における繊維の単糸繊度は特に限定されず、繊維が使用される用途によって、0.5〜200d,特に1〜20drの範囲で適時選択される。また繊維の機械的性能については用途などによって異なるが、強度3g/d以上、伸度5〜20%のものが広範囲に適用できるので好ましい。
【0048】
上記のようにして得られたPVA系繊維は、機能性を発現し得る官能基が繊維中に均一に導入されており、PVA系繊維独自の性質に加えて、導入された官能基由来の新しい機能、性質を発現することが期待される。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。なお、本発明における各種の物性値は以下の方法で規定されたものである。
1)PVAの粘度平均重合度PA
JIS K−6726に基づき30℃におけるPVA希薄水溶液の比粘度ηSPを5点測定し、次式(1)より極限粘度〔η〕を求め、さらに次式(2)より粘度平均重合度PAを算出した。
【0050】
【数1】
Figure 0004223109
【0051】
2)PVA系繊維中の変性剤量
乾燥後の変性PVA系繊維を50〜140℃のジメチルスルホキシドに溶解せしめプロトンNMRによりPVAのCH2基ピークに対する該変性剤のピーク面積比を算出し、予め作成した検量線より含有量を求めた。
【0052】
3)PVA系繊維の強伸度、繊度
JIS L−1015に準じ、予め調湿された単繊維を試長10cmになるように台紙に貼り25℃×60%RHで12時間以上放置。次いでインストロン1122で2kg用チャックを用い、初荷重1/20g/d、引張速度50%/minにて破断強度を求めn≧10の平均値を採用した。デニールは1/10g/d荷重下で30cm長にカットし重量法により求めた。なおデニール測定後の単繊維を用いて強伸度、弾性率を測定し1本ずつデニールと対応させた。
【0053】
[実施例1]
粘度平均重合度1700、ケン化度99.9%のPVA20kg(ビニルアルコールユニット換算で455モル)をジメチルスルホキシド80kg(90℃)に溶解し、20重量%の原液100kgを調製した。次に変性剤として2−カルボキシベンズアルデヒド2.05kg(13.65モル、ビニルアルコールユニットに対して3.0モル%)、さらにp−トルエンスルホン酸0.991kg(5.21モル)を加え90℃、1時間反応させた。次に酢酸ナトリウム0.428kg(5.21モル)を加えて90℃×10時間攪拌して中和し、中和終了後攪拌を停止して90℃×5時間、160torrの条件で脱泡した。
得られた紡糸原液を2000ホールのノズルより吐出させ、メタノール/ジメチルスルホキシド=7/3重量比、5℃の凝固浴で湿式紡糸した。さらに40℃のメタノール浴で3倍延伸した後、繊維を2段のメタノール抽出浴を順次通過させることによりジメチルスルホキシド、未反応の変性剤、触媒残渣及び中和塩を除去し、100℃にて乾燥した。紡糸原糸の組成分析から、繊維中の変性剤導入量は2.9モル%、反応率は97%であった。次に得られた紡糸原糸を120℃、140℃、140℃の3セクションからなる熱風炉で総延伸倍率5.5倍になるように延伸した。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例2]
変性剤を4−カルボキシベンズアルデヒドに変更した以外は実施例1と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表1に示す。
[実施例3]
変性剤をベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様の条件で反応を行い繊維を得た。得られた繊維を8mmカットしたものを蒸留水に室温で2時間放置したところ、変性剤を導入していないものの溶解率は数%程度であったが、本実施例の繊維は実質的に完全に溶解しており、かかる方法によれば常温水溶解性に優れた繊維を効率的に製造できることが確認できた。結果を表1に示す。
【0055】
[実施例4]
粘度平均重合度2400、ケン化度99.8%のPVAを用い、濃度14重量%のポリマー原液を調製し反応に用いた以外は、実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。該繊維は実施例3と同様に優れた常温水溶解性に優れたものであることが確認でき、かかる方法により常温水溶解性に優れた繊維を効率的に製造できることがわかった。結果を表1に示す。
【0056】
[実施例5]
粘度平均重合度4000、ケン化度99.8%のPVAを用い、濃度10重量%のポリマー原液を調製して反応に用いるとともに、生成した繊維の総延伸倍率を4.5倍に変更した以外は実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。該繊維は実施例3と同様に優れた常温水溶解性に優れたものであることが確認でき、かかる方法により常温水溶解性に優れた繊維を効率的に製造できることがわかった。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例6]
粘度平均重合度8000、ケン化度99.8%のPVAを用い、濃度7重量%のポリマー原液を調製し反応に用いた以外は、実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。該繊維は実施例3と同様に優れた常温水溶解性に優れたものであることが確認でき、かかる方法により常温水溶解性に優れ、かつ高重合度PVAからなる繊維を効率的に製造できることがわかった。結果を表1に示す。
【0058】
[実施例7]
変性剤をベンズアルデヒド−2,4−ジスルホン酸ナトリウムに変更した以外は、実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。該繊維は実施例3と同様に優れた常温水溶解性に優れたものであることが確認でき、かかる方法により常温水溶解性に優れた繊維を効率的に製造できることがわかった。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例8〜10]
変性剤をブチルアルデヒドに変更し、添加量をビニルアルコールユニットに対してそれぞれ5.0モル%(実施例8)、10モル%(実施例9)、15モル%(実施例10)とし、さらに反応温度を70℃に変更した以外は実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して耐水性などの諸性能に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表1に示す。
【0060】
[実施例11]
変性剤としてベンズアルデヒドを用い、添加量を5.0モル%に変更した以外は実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して耐水性などの諸性能に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表1に示す。
【0061】
[実施例12〜16]
変性剤をそれぞれジメチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(実施例12)、ジメチルアミノベンズアルデヒド(実施例13)、4−クロロベンズアルデヒド(実施例14)、7−オクテン−1−アール(実施例15)、フルフラール(実施例16)に変更し、また7−オクテン−1−アール又はフルフラールを用いた場合に添加量をビニルアルコールユニットに対してそれぞれ5モル%に変更した以外は、実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比してそれぞれ親水性(実施例12、実施例13)、難燃性(実施例14)、耐水性(実施例15、実施例16)に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表1に示す。
【0062】
[実施例17、18]
変性剤をそれぞれエチレンジオキシオクテン(実施例17)、クロトンアルデヒド(実施例18)、添加量をビニルアルコールユニットに対してそれぞれ5モル%に変更し、さらに反応温度を60℃、反応時間を3時間に変更した以外は、実施例3と同様の条件で反応を行い繊維を得た。
得られた不飽和結合含有繊維を8mmカットして約0.3gを秤量し、これを光開始剤である2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.01モルを100gのメタノールに溶解させた溶液中に室温×30分間浸漬した後、50℃×30分間乾燥し、次いで東芝製UV照射装置(TOSCURE 1000)により30分間UV照射して架橋を形成させた。さらにUV照射後の繊維約100ミリグラムを試験管中に精評し、蒸留水10ミリリットルを加えた後、封管してオートクレーブ(ヤマト科学製、SP22)中で熱処理(121℃×2時間)し、さらに水洗乾燥(120℃×10時間以上)した後の繊維の溶出率(繊維溶出重量/オートクレーブ前繊維重量×100)を求めたところ、それぞれ6%(実施例17)、56%(実施例18)であり、光開始剤を添加しない場合(それぞれ7%、100%)に比して耐水性が向上しており、不飽和結合が導入されたPVA系繊維は良好な光反応性を有していることが明らかとなった。結果を表1に示す。
【0063】
[実施例19]
エーテル結合による変性剤の導入
粘度平均重合度1700、ケン化度99.9%のPVA20.00kg(ビニルアルコールユニット換算で455モル)をジメチルスルホキシド80.00kg(90℃)に溶解し、20重量%の原液100kgを調製した。次にアクリロニトリル1.21kg(22.75モル、ビニルアルコールユニットに対して5.0モル%)、ナトリウムメチラート0.0616kg(1.14モル、28重量%のメタノール溶液として添加)を加え、70℃、5時間反応させた。次にp−トルエンスルホン酸0.217kg(1.14モル)を加えて70℃×10時間攪拌し中和し、中和終了後攪拌を停止し、70℃×5時間、160torrの条件で脱泡した。次いで得られた紡糸原液を用いて実施例を1と同様の方法により繊維を製造したところ、変性剤で変性しないものに比して耐水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0064】
[実施例20〜21]
変性剤及びその添加量を、アクリルアミド3.0モル%(実施例20)、アクリルアミド−2−メチルスルホン酸5.0モル%(実施例21)にそれぞれ変更した以外は実施例19と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0065】
[実施例22〜24]
変性剤をn−ブチルグリシジルエーテルに変更し、添加量をそれぞれ5.0モル%(実施例22)、10.0モル%(実施例23)、15.0モル%(実施例24)とし、また触媒を添加せず、反応温度を90℃に変更した以外は実施例19と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して耐水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0066】
[実施例25]
変性剤をベンジルグリシジルエーテルに変更した以外は実施例22と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して耐水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0067】
[実施例26〜28]
変性剤をアリルグリシジルエーテルに変更し、添加量をそれぞれ5.0モル%(実施例26)、10.0モル%(実施例27)、15.0モル%(実施例28)とし、また実施例26のみ触媒としてピリジンを加えた以外は実施例22と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により変性剤で変性しないものに比して光反応性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0068】
[実施例29〜30]
変性剤をそれぞれα−クロロ酢酸ナトリウム(実施例29)、及びα−ブロモ酢酸ナトリウム(実施例30)に変更し、添加量をそれぞれ10.0モル%とし、また触媒としてトリエチルアミンを加えた以外は実施例22と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表2に示す。
【0069】
[実施例31]
エステル結合による変性剤の導入
粘度平均重合度1700、ケン化度99.9%のPVA20.00kg(ビニルアルコールユニット換算で455モル)をジメチルスルホキシド80.00kg(90℃)に溶解し、20重量%の原液100kgを調製した。次に無水マレイン酸2.23kg(22.75モル、ビニルアルコールユニットに対して5.0モル%)を加え、90℃、3時間反応させた。反応終了後攪拌を停止し、90℃、5時間、160torrで脱泡した。次いで得られた紡糸原液を用いて実施例を1と同様の方法により繊維を製造した。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表3に示す。
【0070】
[実施例32〜33]
無水マレイン酸の添加量をそれぞれ10.0モル%(実施例32)、20.0モル%(実施例33)に変更し、さらに実施例33については反応時間を5.0時間に変更した以外は、実施例31と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表3に示す。
【0071】
[実施例34〜36]
変性剤を無水フタル酸に変更し、その添加量をそれぞれ5.0モル%(実施例34)、10.0モル%(実施例35)、20.0モル%(実施例36)としたこと以外は、実施例32と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表3に示す。
【0072】
[実施例37〜39]
変性剤を無水コハク酸に変更し、その添加量をそれぞれ5.0モル%(実施例37)、10.0モル%(実施例38)、20.0モル%(実施例39)としたこと以外は、実施例32と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して吸水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表3に示す。
【0073】
[実施例40]
変性剤を安息香酸メチルに変更し、その添加量を5.0モル%とし、触媒としてナトリウムメチラートを添加したこと以外は、実施例32と同様の条件で反応を行い繊維を得た。かかる方法により、変性剤で変性しないものに比して耐水性に優れた繊維を効率的に製造することができた。結果を表3に示す。
【0074】
[比較例1]
粘度平均重合度1700、ケン化度98.0%のPVA200g(ビニルアルコールユニット換算で4.08モル)を水800g(90℃)に溶解し、約20重量%の紡糸原液1000gを調製した。この溶液を45℃に冷却し、2−カルボキシベンズアルデヒド18.32g(0.122モル、ビニルアルコールユニットに対して3.0モル%)を添加し、pHが3になるよう20重量%の塩酸水溶液を加え、45℃、4時間反応させた。次に反応混合物を室温まで冷却し、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え1時間攪拌し中和した。中和終了後、水を減圧留去により除去しようとしたが、濃縮するにつれ経時的にポリマーが茶色に変色していくのが観察された。さらに加熱すると溶液の着色、増粘が著しくなり、最終的にゲル化し紡糸不可能となった。
【0075】
[比較例2]
共重合モノマーとしてアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を選択し、常法に従ってメタノール溶媒中、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として酢酸ビニルとの共重合を行うことにより、実施例5又は実施例6と同等の高重合度スルホン酸変性PVAの合成を試みたが、変性剤、生成ポリマーの析出による重合系の不均一化が生じたためポリマー中に変性剤が均一に導入されず、また収率が数%と極めて低かった。
【0076】
【表1】
Figure 0004223109
【0077】
【表2】
Figure 0004223109
【0078】
【表3】
Figure 0004223109
【0079】
【発明の効果】
上記の実施例で明らかなように、本発明によれば、従来技術では困難であったPVA系繊維に対する様々な官能基を均一に導入することが可能であり、その導入量のコントロールが可能であると同時に高重合度の変性PVA系繊維の製造も可能となる。さらに導入された官能基により、従来のPVA系繊維独自の性質に加えて新しい機能性を付与することができる。また紡糸原液中で機能性基を導入し、そのまま連続的に紡糸工程に移行することにより、工業的に容易かつコスト的に有利な優れた変性PVA系繊維を効率的に製造できる。
本発明により得られる繊維は、目的に応じてフィラメント糸、カットファイバー、紡績糸、織編物、不織布などのあらゆる形態で使用することができ、衣料用、産業用、医療用などのあらゆる分野に使用でき、従来からの魚網、ロープ、テント、土木シート、セメント補強材といった一般産業資材用途に加えて、その適用範囲を大幅に拡大することが期待されるものである。

Claims (2)

  1. ポリビニルアルコール系重合体(A成分)及び該ポリビニルアルコール系重合体の分子中に存在する水酸基と反応し得る原子団を分子内に有する変性剤(B成分)を有機系溶剤に添加して紡糸原液を調製し、該紡糸原液中でA成分とB成分を結合させた後又は結合させると同時に該紡糸原液を紡糸することを特徴とするポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
  2. ポリビニルアルコール系重合体の水酸基と反応しうる原子団がアルデヒド基あるいはそのアセタールであり、ポリビニルアルコール系重合体と該変性剤とをアセタール化反応により結合させることを特徴とする請求項1に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
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