JP4221581B2 - 樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置 - Google Patents

樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、略柱形状を有する溶融樹脂塊を雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込み、雌型金型と雄型金型との協働によって溶融樹脂塊を圧縮成形する樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PETボトルのような合成樹脂製の容器や、容器の口部を閉鎖する合成樹脂製の閉蓋具を成形する一つの方法として、溶融樹脂塊を雌型金型と雄型金型との協働によって圧縮成形する方法がある。溶融樹脂塊は、一旦、容器のための前成形体(以下、「プリフォーム」と称する。)に成形され、プリフォームを更にブロー成形することにより、容器が成形される。容器や閉蓋具の成形においては、押出機から押し出される溶融樹脂は、略柱形状の溶融樹脂塊に切り出され、雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込まれる。容器の成形の場合、キャビティ内の溶融樹脂塊に対して金型コアである雄型金型を押し込んで圧縮成形することにより、溶融樹脂塊は雌型金型と雄型金型との間でプリフォームに成形される(ブロー成形用予備成形物とその製造方法として、特許文献1参照)。閉蓋具を成形する場合も、溶融樹脂からは、容器の場合と比較して厚さを薄くした溶融樹脂塊として切り出され、その溶融樹脂塊を雌型金型内のキャビティ内に落し込み、以下、容器の場合と同様にして、閉蓋具に成形される。
【0003】
従来の圧縮成形法に用いる装置の概念図が、図4に示されている。図4は、溶融樹脂塊の外径と金型キャビティの内径とが略等しい装置の一例を示す概念図である。図4に示すように、溶融樹脂塊の押出機40は、溶融樹脂塊41を押し出すダイリップ16と、ダイリップ16の下方に配置された雌型金型44とを備えている。ダイリップ16から押し出された溶融樹脂を切り出すため、ダイリップ16の出口にはカッタ17が配置されている。圧縮成形用の雌型金型44は、略円筒状の内面44a及び平坦な底面44bを有し形状を有しており、後述するプリフォーム49の胴部及び閉塞底部を形成するため、これら内面44aと底面44bとで上方が開口したキャビティ45が形成されている。溶融樹脂塊41の押出機40と雌型金型44とは、鉛直方向に同軸上に配置されているので、押出機40から押し出し供給される溶融樹脂からカッタ17によって切り離されて作られた溶融樹脂塊41は、雌型金型44のキャビティ45内に落下・投入される。押出機40のダイリップ16の直下には、切り出された溶融樹脂塊41をガイドするためのガイド部材43が配置されている。ガイド部材43の内部には、下方に配置される雌型金型44のキャビティ45と整列した先窄み状の案内通路43aが形成されている。案内通路43aの上方開口43bは、ダイリップ16の下端開口と整列し且つその下端開口よりも大きく開口しているので、切り出された溶融樹脂塊41を確実に受け入れることができる。ガイド部材43は、降下する溶融樹脂塊41を案内通路43aのセンタリング作用によって中心に沿わせるようにガイドしながら降下させる(合成樹脂案内部材を備えた合成樹脂供給装置として特許文献2参照)。ダイリップ16の下方に保持部材を配置することにより、カッタで切り出された溶融樹脂塊を搬送部に備わる保持機構(図示せず)で保持し、搬送部の作動によって溶融樹脂塊を保持機構で保持した状態のまま別位置に設けられた両金型を備える圧縮成形機構に搬送することもできる(切断・保持機構を備えた合成樹脂供給装置について特許文献2、3参照)。この場合、圧縮成形装置は、例えば、金型を回転する円盤の周縁部に等間隔に配置するロータリ式に構成することができる。多層プリフォームを成形するため、押出機40は、例えばガスバリヤ性の樹脂42を内部に包み込んだ溶融樹脂塊41を形成する。
【0004】
キャビティ45内に投入された溶融樹脂塊41は、圧縮成形工程において、雌型金型44と同軸上に配置されているコア型、即ち、雄型金型が下降することで図5に示すようなプリフォーム49に圧縮成形される。溶融樹脂塊41は、ガスバリヤ性の樹脂42が外側の樹脂層に挟まれた層構造に形成される。図5は、雄型金型とその周囲に形成されたプリフォームの一例を示す概略図である。雄型金型46は、キャビティ45に挿入されるコア部47とコア部47の上部且つ周囲に配置された口部及び首部成形のための首部成形型48とを備えており、共に上下に昇降動可能となっている。首部成形型48は水平方向に開閉可能であり、首部成形型48が開き且つコア型47が取り外されることで、口部及び首部50を持つプリフォーム49が雄型金型46から分離可能となる。雌型金型44及び雄型金型46は内部から強制冷却可能であり、成形されたプリフォーム49を非晶質状態に過冷却する。プリフォーム49の冷却完了後、雄型金型46が上昇して、プリフォーム49は雌型金型44から抜き取られる。
【0005】
キャビティ45内に落し込まれる溶融樹脂塊41は、略円柱状の形状に押出成形されている。図4に示すように、溶融樹脂塊41の外径と、キャビティ45の内径とが略等しければ、雌型金型内に溶融樹脂塊41が落し込まれた後に、雌型金型と溶融樹脂塊41との軸中心性が崩れないため、金型コアによる圧縮で周方向のどの位置においても均一な樹脂流動が生じて良好な成形品が得られる。
【0006】
しかしながら、製造すべき成形品の形態によっては、雌型金型に形成されるキャビティがより広口に形成される場合がある。図6は、広口プリフォームの成形を行う圧縮成形装置の一例を示す概念図である。図4に示す圧縮成形装置と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、再度の説明を省略する。図6に示すように、押出機40のダイリップ16の構造は一定であるので、広口プリフォームの成形を行う場合には、雌型金型54に形成されるキャビティ55の内径が溶融樹脂塊41の外径よりも大きくなる。このような場合、溶融樹脂塊41がその流動性に起因して想像線で示すようにキャビティ55内で傾くことがある。溶融樹脂塊41の傾きが大きくなると、溶融樹脂塊41は、雄型金型54に対して中心位置がずれるので、雄型金型を押し込んで圧縮成形するときに雄型金型の周りに不均一な樹脂流動が生じて、成形不良が発生する。
【0007】
内外層樹脂中に分子量の比較的小さい中間層を内封した多層プリフォームが提案されており、溶融樹脂押出工程、溶融樹脂切断工程、多層プリフォーム成形のための圧縮成形工程及び成形された多層プリフォームの冷却工程を行う圧縮成形装置が開示されている(特許文献4)。また、バージン樹脂と再生樹脂を別個に押し出して同一の雌型内に供給し、雌型と雄型とによって圧縮成形する多層プリフォームの製造方法が考案されており、雌型に充填された二種類の溶融樹脂塊を、雄型及びネック型を用いて圧縮成形して、多層プリフォームを形成している(特許文献5)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−25729号公報(段落[0032]〜[0038]、図1〜4)
【特許文献2】
特開2000−280248号公報(段落[0013]、[0017]、図2、5、6、9)
【特許文献3】
特開2000−108127号公報(段落[0013]〜[0015]、図5〜7)
【特許文献4】
特開2003−39531号公報(段落[0049]〜[0057]),図1、図2)
【特許文献5】
特開2002−248675号公報(段落[0015]〜[0019],図4、図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、雌型金型にキャビティが広口で先窄み状に形成される場合であっても、切り出された溶融樹脂塊を雌型金型のキャビティ内で安定して保持することを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0010】
この発明の目的は、雌型金型の広口に形成されるキャビティ内で溶融樹脂塊が傾くことを防止して、雄型金型を押し込んで圧縮成形するときに雄型金型の周囲で溶融樹脂の流れを均等にして成形不良を予め防止することを可能にする樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法は、略柱形状を有する溶融樹脂塊を雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込み、前記雌型金型と雄型金型との協働によって前記溶融樹脂塊を圧縮成形する方法において、前記溶融樹脂塊の前記キャビティ内への落し込みに際して、前記溶融樹脂塊を前記柱形状の先端部周縁から前記雌型金型に形成され前記キャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に衝突させ、前記溶融樹脂塊を前記先窄み状凹部に安定支持させることを特徴としている。
【0012】
この樹脂成形物の圧縮成形方法によれば、溶融樹脂塊は、その柱形状の先端部周縁から、雌型金型に形成されキャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に衝突する態様でキャビティ内へ落し込まれる。柱形状に切り出されてキャビティ内への落し込まれた溶融樹脂塊は、どの方向に倒れようとしても上り斜面となる傾斜部分で倒れが抑制され、先窄み状凹部に安定支持される。したがって、溶融樹脂塊はキャビティ内で殆ど傾斜することがなく、その後、雄型金型が下降して溶融樹脂塊をプリフォームに圧縮成形するときにも、雄型金型の周りで溶融樹脂塊の樹脂流れが充分に均一となる。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、この発明による樹脂成形物の圧縮成形装置は、略柱形状の溶融樹脂塊を供給する供給口を有する供給部、前記供給部の下方に配置されており前記溶融樹脂塊が落し込まれるキャビティが形成されている雌型金型、及び前記雌型金型との協働によって前記溶融樹脂塊を圧縮成形する雄型金型を備え、前記溶融樹脂塊の落し込み方向で見て、前記供給口の口周縁の前記雌型金型への投影位置が前記雌型金型に形成され前記キャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に位置していることから成っている。
【0014】
この樹脂成形物の圧縮成形装置によれば、供給部によってその供給口から供給される略柱形状の溶融樹脂塊は、雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込まれる。供給口の口周縁の雌型金型への投影位置は、溶融樹脂塊の落し込み方向で見て、雌型金型に形成されキャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に位置しているので、溶融樹脂塊の落し込みの際、略柱形状の溶融樹脂塊は、その先端部周縁が先窄み状凹部の傾斜部分に衝突する。したがって、略柱形状の溶融樹脂塊は、先端部周縁において外側に向かって昇りの斜面で支持されるので、どの方向に倒れようとしても上り斜面となる傾斜部分で倒れが抑制され、先窄み状凹部に安定支持される。雄型金型が雌型金型との協働によって溶融樹脂塊を圧縮成形するとき、溶融樹脂塊は雄型金型の周りで均等に流れ、良好なプリフォームが形成される。溶融樹脂塊は、通常、連続する溶融樹脂から切断機構によって切り出すことで得られる。
【0015】
この圧縮成形方法において、前記先窄み状凹部は、前記キャビティの中央に形成された円錐台状凹部又は球面状凹部とすることができる。先窄み状凹部をキャビティの中央に形成された円錐台状凹部又は球面状凹部とするときは、キャビティが回転体の面として形成することができるので、雌型金型を回転させながら容易に製作することができる。
【0016】
この圧縮成形装置において、前記供給部は、前記溶融樹脂塊を保持する保持機構を備え前記溶融樹脂塊を前記雌型金型の直上方に位置する前記供給口まで搬送する搬送部を有することができる。雌型金型が、回転する円盤の周縁部に等間隔に配置されるロータリ式の圧縮成形装置のように、押出機の押出口から離れた位置に配置される場合には、押出機から吐出される溶融樹脂を切断し、切断された溶融樹脂塊を個々に保持機構によって保持した状態で搬送部によって雌型金型の直上方に位置する供給口まで搬送する。保持機構は搬送部に備わっているので、溶融樹脂塊は、保持機構に保持されたとき、そのまま搬送を開始することができる。また、この場合、カッタについては、押出機側又は個々の保持機構に備えることができる。
【0017】
この圧縮成形方法及び装置において、前記溶融樹脂塊は、その重心が前記柱形状の先端部の外形を落し込み方向で延長させた筒内に存在する姿勢で、前記柱形状の軸線を前記落し込み方向に略揃えて落し込むことが好ましい。溶融樹脂塊の重心が柱形状の先端部の外形を落し込み方向で延長させた筒内の外側に存在すると柱形状の溶融樹脂塊が倒れやすくなるが、溶融樹脂塊の重心を筒内の内部に置くことによって、溶融樹脂塊を倒れにくくすることが可能となる。
【0018】
この圧縮成形方法及び装置において、前記溶融樹脂塊の前記重心は、前記柱形状の先端部周縁が前記先窄み状凹部の前記傾斜部分に衝突する位置から見た仰角が82度以下とすることが好ましい。相当縦に細長い溶融樹脂塊であっても、このように定義される重心の仰角が82度以下であれば、雌型金型内に落とし込まれたときに倒れにくくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置の実施例を説明する。図1はこの発明による樹脂成形物の圧縮成形装置の一実施例を示す概念図である。図1に示す樹脂成形物の圧縮成形装置においては、図4に示す従来の樹脂成形物の圧縮成形装置に用いられる構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付すことによって再度の詳細な説明を省略する。
【0020】
図1に示す樹脂成形物の圧縮成形装置1は、溶融樹脂を略柱形状の溶融樹脂塊11として供給口であるダイリップ3から切り出して供給する押出機2、押出機2の下方に配置されており溶融樹脂塊11が落し込まれるキャビティ5が形成されている雌型金型4、及び雌型金型4との協働によって溶融樹脂塊11を圧縮成形する雄型金型(図示せず)を備えている。溶融樹脂塊11は、ガスバリア性の樹脂12を内包して切り出されている。雌型金型4のキャビティ5は、底部分7と底部分7から連続的に上方に広がって延びる傾斜部分8とを有する先窄み状凹部6によって定められた空間であり、先窄み状凹部6の中心線9は、溶融樹脂塊11の落し込み方向の鉛直軸線と一致している。底部分7は円形又は四角形であってよく、それに応じて、傾斜部分8も円錐面や截頭角錐面であってよい。
【0021】
略柱形状を有する溶融樹脂塊11の先端部13は、底面7よりも広い大きさに設定されている。即ち、ダイリップ3の口周縁3aの雌型金型4への投影位置8aは、雌型金型4の先窄み状凹部6の傾斜部分8上にある。キャビティ5内に落し込まれた溶融樹脂塊11は、先ず、先端部13の周縁部13aが傾斜部分8に衝突する。溶融樹脂塊11は流動性を有するので、先窄み状凹部6の底部分7と、溶融樹脂塊11の先端部13との間を埋めるように変形する。キャビティ5内への落し込まれた溶融樹脂塊11は、どの方向に倒れようとしても、先窄み状凹部6において傾斜部分8、即ち、外側に向かって昇りの斜面で支持されるので、倒れにくい状態となって安定して支持される。したがって、溶融樹脂塊11は、キャビティ5内で殆ど傾斜することがなく、キャビティ5内への投入時の姿勢は略保たれる。
【0022】
キャビティ5内で保持された溶融樹脂塊11は、その後、雄型金型が下降することによって、プリフォームに圧縮成形される。圧縮成形装置1において、雄型金型と雌型金型4とは互いに中心位置は調整されているので、両金型の周囲に形成される隙間は周方向に一様である等、予め決められた隙間である。雄型金型の下降に伴って、溶融樹脂塊11は雄型金型によってその周囲略均等に押し退けられ、押し退けられた溶融樹脂塊11は周方向のどの位置でも上記隙間を略均一な樹脂流れとなって上昇する。したがって、キャビティ5内で安定支持された溶融樹脂塊11は、雄型金型が雌型金型4との協働によって圧縮成形されるとき、雄型金型の周りで均等に流れ、樹脂製容器のための前成形体や樹脂製の閉蓋具が形成される。
【0023】
図2は、この発明による樹脂成形物の圧縮成形装置の別の実施例として雌型金型を示す概念図である。図2に示す樹脂成形物の圧縮成形装置においては、図1に示す樹脂成形物の圧縮成形装置に用いられる構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付すことによって再度の詳細な説明を省略する。図2に示す樹脂成形物の圧縮成形装置20に用いられる雌型金型24のキャビティ25は、球面状の先窄み状凹部26によって定められた空間であり、先窄み状凹部26の中心線29は、溶融樹脂塊11の落し込み方向の鉛直軸線と一致している。ダイリップ3の口周縁3aの雌型金型24への投影位置28aは、雌型金型24の先窄み状凹部26の傾斜部分28上にある。キャビティ25内に落し込まれた溶融樹脂塊11は、先ず、先端部13の周縁部13aが先窄み状凹部26において外側に向かって昇りの湾曲状に傾斜した斜面部分28に衝突して支持されるので、安定支持される。したがって、溶融樹脂塊11、キャビティ25内で殆ど傾斜することがなく、キャビティ25内への投入時の姿勢は略保たれる。雄型金型が下降することによるプリフォームへの圧縮成形については、図1に示す圧縮成形装置1の場合と略同様であるので、再度の説明を省略する。
【0024】
この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置について、具体的な数値例を以下に説明する。溶融樹脂塊11については、長さ(或いは、溶融樹脂塊11が滴状の形状を有する場合には長径)Yと、直径(溶融樹脂塊11が滴状の形状を有する場合には短径)Zとの間に、次の式(1)の関係があるとする。
0.5≦Y/Z≦6 ・・・式(1)
また、図1に示す雌型金型4については、口部口径Dと底部径Dbとの間に、次の式(2)の関係があるとする。また、雌型金型4のキャビティ5の高さを(L)とする。
Db<0.5D ・・・式(2)
キャビティ5の内径がZとなる高さ位置をLzとするとき、次の式(3)〜(5)の関係を満足することが好ましい。
0.25D≦Z<D ・・・式(3)
Y≦1.5L ・・・式(4)
Lz≦0.5L ・・・式(5)
【0025】
図3は、この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置において、適用可能な数値(比)例を挙げた図である。図3の上段に示すように、溶融樹脂塊11については、式(1)から、長さYが直径Zの半分程度の平たい形状のものから、長さYが直径Zの6倍ある細長いものまでが対象となり得ることが判る。Y/Zの値が1/4の場合は、溶融樹脂塊11の倒れが生じたとしても実際上問題にならない。溶融樹脂塊11の重心Gは、柱形状の先端部周縁が先窄み状凹部の傾斜部分に衝突する位置8a(図1参照)から見た仰角θが82度以下とされる。仰角θを82度以下の細長さであれば、雌型容器に落とし込められたときにも、傾倒することなく雌型容器内に安定して保持することができる。図3の下段には、雌型金型4の口部口径Dに対するキャビティ5の高さLの比が示されている。式(2)から、雌型金型4の先窄み状凹部6は、半分より小さい径にまで窄む形状を対象としている。また、式(3)から、溶融樹脂塊11の直径Zは、雌型金型4の口部口径Dとの関係において、4分の1以上の大きさがあるとされる。また、式(4)から、溶融樹脂塊11の高さYは、雌型金型4のキャビティ5の高さLの1.5倍以下であるとされる。更に、式(5)から、溶融樹脂塊11の先頭部13の周縁部13aが傾斜部分8に衝突する地点は、底部分7からキャビティ5の高さLの半分以下とされる。
【0026】
上記の実施例では、合成樹脂層の中にガスバリヤ層のような中間層を有する多層プリフォームを成形する場合を例に採って説明したが、プリフォームとしては、合成樹脂が一種類から成る単層プリフォームであってもよい。また、本発明による樹脂成形物の圧縮成形は、更に、閉蓋具として多層キャップ、多層圧縮成形物の圧縮成形にも適用可能であることは言うまでもない。溶融樹脂から切り出された樹脂塊は、略柱状としたが、温度や粘度に応じては、滴状、或いは回転楕円体形状と表現も可能である。更に、上記の実施例では、押出機から直接に雌型金型に落し込む例を挙げて説明したが、この発明による樹脂成形物の圧縮成形の技術は、従来技術として説明したように押出機から切り出された合成樹脂を搬送部によって把持・搬送し、搬送された合成樹脂塊を雌型金型に落し込む場合にも適用可能である。
【0027】
【発明の効果】
この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置は、上記のように、方法として、溶融樹脂塊のキャビティ内への落し込みに際して、溶融樹脂塊を柱形状の先端部周縁から雌型金型に形成されキャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に衝突させ、溶融樹脂塊を前記先窄み状凹部に安定支持させており、また装置として、溶融樹脂塊の落し込み方向で見て、供給口の口周縁の雌型金型への投影位置を雌型金型に形成されキャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に位置させている。このような構成であるので、雌型金型にキャビティが広口で先窄み状に形成される場合でも、切り出された溶融樹脂塊は、どの方向に倒れようとしても上り斜面となる傾斜部分で倒れが抑制され、雌型金型の先窄み状凹部に安定支持することができる。したがって、本発明である樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置によれば、雌型金型に形成されるキャビティが広口であっても、キャビティ内で溶融樹脂塊が傾くことが防止されるので、雄型金型が雌型金型との協働によって溶融樹脂塊を圧縮成形するときに、雄型金型の周囲で溶融樹脂の流れを均等にしてプリフォーム等の樹脂成形品の成形不良を予め防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による樹脂成形物の圧縮成形装置の一実施例を示す概念図である。
【図2】この発明による樹脂成形物の圧縮成形装置の別の実施例として雌型金型を示す概念図である。
【図3】この発明による樹脂成形物の圧縮成形方法及び装置において、適用可能な数値(比)例を示す図である。
【図4】溶融樹脂塊の外径と金型キャビティの内径とが略等しい従来の装置の一例を示す概念図である。
【図5】雄型金型とその周囲に形成されたプリフォームの一例を示す概略図である。
【図6】広口プリフォームの成形を行う従来の圧縮成形装置の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1,20 圧縮成形装置 2 押出機
3 ダイリップ 3a 口周縁
4,24 雌型金型 5,25 キャビティ
6,26 先窄み状凹部 7 底面
8,28 傾斜部分 8a,28a 投影位置
11 溶融樹脂塊 12 ガスバリア性の樹脂
13 先端部 13a 先端部13の周縁部
17 カッタ 18 保持部材
46 雄型金型 47 コア部
48 首部成形型 49 プリフォーム
50 口部

Claims (8)

  1. 略柱形状を有する溶融樹脂塊を雌型金型に形成されているキャビティ内に落し込み、前記雌型金型と雄型金型との協働によって前記溶融樹脂塊を圧縮成形する方法において、前記溶融樹脂塊の前記キャビティ内への落し込みに際して、前記溶融樹脂塊を前記柱形状の先端部周縁から前記雌型金型に形成され前記キャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に衝突させ、前記溶融樹脂塊を前記先窄み状凹部に安定支持させることを特徴とする樹脂成形物の圧縮成形方法。
  2. 前記先窄み状凹部は、前記キャビティの中央に形成された円錐台状凹部又は球面状凹部であることから成る請求項1に記載の圧縮成形方法。
  3. 前記溶融樹脂塊は、その重心が前記柱形状の先端部の外形を落し込み方向で延長させた筒内に存在する姿勢で、前記柱形状の軸線を前記落し込み方向に略揃えて落し込まれることから成る請求項1に記載の圧縮成形方法。
  4. 前記溶融樹脂塊の前記重心は、前記柱形状の先端部周縁が前記先窄み状凹部の前記傾斜部分に衝突する位置から見た仰角が82度以下であることから成る請求項3に記載の圧縮成形方法。
  5. 略柱形状の溶融樹脂塊を供給する供給口を有する供給部、前記溶融樹脂塊が落し込まれるキャビティが形成されている雌型金型、及び前記雌型金型との協働によって前記溶融樹脂塊を圧縮成形する雄型金型を備え、前記溶融樹脂塊の落し込み方向で見て、前記供給口の口周縁の前記雌型金型への投影位置が前記雌型金型に形成され前記キャビティの一部を構成している先窄み状凹部の傾斜部分に位置していることから成る樹脂成形物の圧縮成形装置。
  6. 前記供給部は、前記溶融樹脂塊を保持する保持機構を備え前記溶融樹脂塊を前記雌型金型の直上方に位置する前記供給口まで搬送する搬送部を有することから成る請求項5に記載の圧縮成形装置。
  7. 前記溶融樹脂塊は、その重心が前記柱形状の先端部の外形を落し込み方向で延長させた筒内に存在する姿勢で、前記柱形状の軸線を前記落し込み方向に略揃えて落し込まれることから成る請求項5に記載の圧縮成形装置。
  8. 前記溶融樹脂塊の前記重心は、前記柱形状の先端部周縁が前記先窄み状凹部の前記傾斜部分に衝突する位置から見た仰角が82度以下であることから成る請求項7に記載の圧縮成形装置。
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