JP4220862B2 - オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置 - Google Patents

オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4220862B2
JP4220862B2 JP2003302185A JP2003302185A JP4220862B2 JP 4220862 B2 JP4220862 B2 JP 4220862B2 JP 2003302185 A JP2003302185 A JP 2003302185A JP 2003302185 A JP2003302185 A JP 2003302185A JP 4220862 B2 JP4220862 B2 JP 4220862B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
groove
oil
fine
oiling nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003302185A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005068608A (ja
Inventor
章雄 湯口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2003302185A priority Critical patent/JP4220862B2/ja
Publication of JP2005068608A publication Critical patent/JP2005068608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4220862B2 publication Critical patent/JP4220862B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

本発明は、合成繊維の溶融紡糸後の糸条に油剤からなるオイルを付与するためのオイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置に関するものである。
ポリアミドやポリエステルなどの単糸からなる糸条を溶出する工程において、紡口ノズルから溶出させて得られた糸条に、潤滑剤や耐電防止剤などを含むオイルを付与することが行われており、このオイル付与のためにオイリングノズルが広く使われている。このオイリングノズルは、オイルを定常的に吐出するオイル供給孔を糸条が走入する糸道溝の溝底付近に設け、オイル吐出孔から吐出されたオイルが糸道溝の摺動面を潤し、そこに摺接する糸条にオイルを付与するものである。
このようなオイリングノズルとしては、従来から種々の形状のものが提案されている。例えば、図6(a)(b)に示すように、このオイリングノズル21は、糸条Yを案内するV溝状の糸道溝22と糸道溝22の溝底23に開口したオイル供給孔27を備え、オイル供給孔27よりオイルを吐出して糸道溝22の摺動面24を潤し、糸道溝22の摺動面24に走行する糸条Yを摺接させて糸条Yにオイルを付与するもので、糸道溝22の摺動面24をアルミナ、チタニア等のセラミックスで形成したものである。なお、糸条Yは重力方向に走行しており、糸条Yが走入する側である図6の上方向を糸道溝22の入口側と呼び、反対に糸条Yが走出する側である図6の下方向を糸道溝22の出口側と呼ぶ。以下、他の図においても同様とする。
また、図7のオイリングノズル31に示すように、糸道溝32の溝底33の入口側に開口したオイル供給孔37を備え、糸道溝32の溝底33にオイル溜まり38を形成して、オイル供給孔37より吐出されたオイルを出口側に形成したオイル溜まり38に蓄えることにより、走行する糸条Yにオイルを均一に付与させるものが知られている(特許文献1)。
このようなオイル溜まり38を別の方法で備えたものとして、糸条Yの走行方向と直角方向に複数の凹凸部を形成した回転体(不図示)を糸道溝32の溝底33に配置し、その凹凸部をオイル溜まり38としたオイリングノズルも提案されている(特許文献2)。
そして、糸条Yにオイルを均一に付与することにより、その後の延伸、巻き取りにおいて、糸条Yの糸切れ等の不具合を防止することができるとともに、糸条Yへのダメージを低減することで糸条Yの強度を向上させることができるものである。
特開平10−102315号 特開平5−239708号
ところで、近年の合成繊維は糸条の断面が異形状のものが多く、しかも生産効率を上げるために糸条の送り速度が3000〜8000m/分と速くなっている。これに対し、糸条Y自身の走行により生じる乱気流の発生や、オイル供給孔27より吐出するオイルが流下する糸道溝22の摺動面24の表面状態のバラツキ、あるいは糸条Yとオイル供給孔27との走行位置のズレなどが影響して、オイルがオイル供給孔27より糸条Yの走行方向(出口側)へ流下せず、V溝状の糸道溝22の右あるいは左の側面に偏って流下する偏流現象を生じることがある。このような糸道溝22上でのオイルの潤いが偏流すると、定量均一な糸条Yへのオイル付与が困難となり、オイルで十分に潤っていない糸道溝22の摺動面24と糸条Yとが擦過することにより糸条Yに大きなダメージを与え、糸切れなどの不具合が発生する。しかも、付与されなかったオイルは飛散し、繊維製造装置や雰囲気の汚染の原因となる。
同時に、このオイルで十分に潤っていない糸道溝22の摺動面24と糸条Yとが擦過することにより、オイルによる潤滑効果が無いので摺動面24が摩耗しやすい問題点があった。従って、この部分が摩耗すると、糸条Yとの摩擦抵抗が高くなり、結果として糸条Yに傷を付けるために、1ヶ月ほどの短い使用期間でオイリングノズル21を交換しなければならないという不具合があった。
また、走行糸条Yに対して均一なオイル付与が行われないと、その後の巻き取り工程において、オイル未付着部分の摩擦抵抗の変動が大きくなり、オイル未付着部分の繊維が糸道で擦過、磨耗されて、単糸切れにより毛羽が多くなるなどの糸条Yの品質低下を招いていた。
更に、この擦過、磨耗による糸条Yの磨耗粉が糸道溝22の摺動面24上に堆積することで、上記オイルの偏流現象がさらに増幅され、また、糸条Yに磨耗粉を付着させて走行することにより糸条Yの単糸切れや糸切れが助長される問題点があった。
一方、図7に示すオイリングノズル31は糸道溝32の溝底33にオイル溜まり38を備えているが、これらのオイル溜まり38は糸条Yの走行方向と直角方向に配置したものなので、上述したオイルの偏流現象を防止することは困難であった。
そこで、本発明は、オイリングノズルの糸道溝上でのオイルの偏流を防止すること、および、糸道溝の摺動面と糸条との擦過、磨耗による磨耗粉の発生を防止すること、更には、このオイル偏流の防止により、糸条へのオイル付与を均一化し、そして糸条の特性の改善、およびオイル付与を含む繊維製造工程の安定性の向上を図ることを目的としたオイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置を提供することにある。
本発明は、前記課題に鑑み、走行する糸条と摺接しつつ前記糸条にオイルを付与するオイルリングノズルであって、前記糸条と摺接して前記糸条を案内するV溝状の糸道溝と、該糸道溝の溝底に開口したオイル供給孔と、を備え、前記オイル供給孔は、前記開口に近づくにしたがって、前記糸道溝の長さ方向に沿った一方側に近づくよう傾斜し、前記糸道溝のV溝側面には、前記溝底に近づくにしたがって、前記糸道溝の長さ方向に沿った他方側に近づくよう傾斜した微細溝が複数形成されており、前記微細溝は、前記開口よりも前記一方側、および、前記開口よりも前記下流側に、それぞれ設けられていることを特徴とするオイルリングノズルとしたものである。
上記微細溝は糸条走行方向に対し10°〜60°傾斜して形成したオイリングノズルとすることが好ましい。
上記微細溝の凹溝幅が0.05〜0.3mm、凹溝深さが0.01〜0.2mmの範囲となるように形成したオイリングノズルとすることが好ましい。
また、上記オイリングノズルの微細溝はレーザー加工により形成することが好ましい。
そして、糸条を溶出する紡口ノズルを有し、溶出された糸条を上記オイリングノズルを用いて糸条にオイルを付与し、該オイル付きの糸条をフィードローラにより延伸し、巻き取り部で巻き取ることにより繊維が製造される繊維製造装置としたものである。
本発明のオイリングノズルによれば、上記糸道溝の摺動面に糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝を形成することにより、オイル供給孔より吐出したオイルは微細溝に溜まり、オイルの重力による流下と走行糸条へのオイル付与による吸引効果により、V溝状の糸道溝の溝底へオイルを誘導回収することができる。
それに加え、糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝上に糸条Yが通過する際、微細溝に溜まったオイルと糸条Yとの摺接が摺動抵抗となり、糸条Yを微細溝の傾斜方向である糸道溝の溝底側へ自然誘導させることができる。そのため、糸条Yの走行位置が例え左右に位置ズレして、オイルの流下する溝底から離れて走行していた場合においても、糸条Yが溝底側へ自然誘導されてオイル供給孔の位置する溝底中央に安定しやすくなる。そのため、糸道溝の溝底は常にオイルで潤った状態となり、摺動面から糸条へ安定してオイル付与することができ、糸条へのダメージが少なくなる。
また、微細溝が糸道溝の溝底へオイルを誘導回収することで、オイルの飛散が減少するので、オイル供給量を予め少なく設定することができ、コスト削減することができる。
そして、付与されなかったオイルの飛散が減少するので、繊維製造装置の雰囲気の汚染を抑え、作業環境の改善をすることができる。
更に、上記微細溝を糸道溝の溝底を中心にしてV字に形成することで、糸道溝の右あるいは左の側面に偏ってオイルが流下する偏流現象に対しても、糸道溝の摺動面に糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝を通して、V溝状の糸道溝の溝底へオイルを誘導回収することができるので、糸道溝の溝底は常にオイルで潤った状態となり、摺動面から糸条Yへ安定してオイル付与することができ、糸条Yへのダメージが少なくなる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1(a)(b)(c)は本発明のオイリングノズルを示している。図1(a)はオイリングノズルの斜視図、図1(b)はオイリングノズルの中央で断面を切った斜視図、図1(c)は糸道溝を真上(A方向)から見たオイリングノズルの正面図である。
本発明のオイリングノズル1は、糸条Yを案内するV溝状の糸道溝2と、糸道溝2の溝底3に開口したオイル供給孔7を備え、オイル供給孔7よりオイルを吐出して糸道溝2の摺動面4を潤し、糸道溝2の摺動面4に走行する糸条Yを摺接させて糸条Yにオイルを付与するオイリングノズルで、糸道溝2の摺動面4に糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝5を形成している。
ここで用いられる糸条としては、ポリアミドやポリエステル、ナイロンなどからなる合成繊維を紡口ノズルの各ノズル溶出孔から溶出させた単糸を集束して1本の糸条としたものである。また、オイルとしては、平滑性のある水エマルジョン型オイルが用いられる。
図2は図1に示す本発明のオイリングノズル微細溝パターンを示している。このように微細溝5を複数形成することにより、オイルを誘導回収する効果を高めることができる。糸道溝2の右あるいは左側面に偏ってオイルが流下する偏流現象を防止するためには、微細溝5は糸道溝2の左右の両側に形成することが好ましい。
また、微細溝5が糸道溝2の溝底3へオイルを誘導回収することで、オイルの飛散が減少するので、オイル供給量を予め少なく設定することができ、ムダを防止する。
更には、付与されなかったオイルの飛散が減少するので、繊維製造装置の雰囲気の汚染を抑え、作業環境の改善をすることができる。
そして、上記微細溝5は糸条走行方向に対し10°〜60°傾斜して形成することが好ましい。この傾斜角度(θ)が10°より小さい場合には、微細溝5と糸条走行方向と平行に近いため、微細溝5自身が糸条Yの走行を阻害し、糸条Yとの摺動抵抗が大きくなる。傾斜角度(θ)が60°よりも大きい場合には、上述の微細溝5によるオイル誘導回収効果が少なくなり、有効な糸道溝2の底面3へのオイル潤滑が難しくなる。なお、図中には複数の微細溝5が平行な微細溝パターンを示しているが、傾斜角度(θ)が10°〜60°の範囲にあれば各微細溝5の傾斜角度(θ)は平行でなくても良い。
図3は本発明に係る別形態のオイリングノズルの微細溝パターンを示している。このオイリングノズル11の微細溝15は糸道溝12の溝底13を中心にしてV字に形成してなり、該V字微細溝15の先端がR状となるように形成している。微細溝15を糸道溝12の溝底13を中心にしてV字に形成することで、糸道溝12の右あるいは左の側面に偏ってオイルが流下する偏流現象に対しても、糸道溝12の摺動面14に糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝15を通して、V溝状の糸道溝12の溝底13へオイルを誘導回収することができるので、糸道溝12の溝底13は常にオイルで潤った状態となり、摺動面14から糸条Yへ安定してオイル付与することができ、糸条Yへのダメージが少なくなる。
更に、該V字微細溝15の先端をR状として溝底13に形成することにより、溝底13付近の微細溝15がオイル溜まりの役割を果たし、糸条Yとの接糸長が短くなるので、走行による摩擦抵抗が小さくなり、糸条Yへのダメージを少なくすることができる。
図4はオイリングノズル1の糸道溝2の摺動面4と糸道溝2に形成した微細溝5の拡大断面の模式図である。図4に示すように、微細溝5の凹溝幅(W)が0.05〜0.3mm、凹溝深さ(D)が0.01〜0.2mmの範囲となるように形成したオイリングノズルとすることが好ましい。微細溝5がオイルを凹溝内に保持するオイル溜まりの役割を果たすためには、微細溝5の大きさが適度なサイズであることが求められ、微細溝5の凹溝幅(W)が0.05mmより小さいか、あるいは凹溝深さ(D)が0.01mmより浅い場合には、微細溝5の凹溝内に沿ってオイルがほとんど流れない。また、微細溝5の凹溝幅(W)が0.3mmより大きいか、あるいは凹溝深さ(D)が0.2mmより深い場合には、微細溝5のオイル溜まりとしての役割は十分であるが、糸条Yと摺動面4との擦過による糸条の磨耗粉が微細溝5の凹溝内へ蓄積する可能性がある。そして、微細溝5を複数形成する場合には、微細溝間の凸部幅(P)が0.1〜1.0mmの範囲で複数形成すると、オイルを安定して付与することができるので、より好ましい。
また、糸道溝2の摺動面4の表面粗さは中心線平均粗さ・Ra0.1〜1.0(μm)の範囲であり、微細溝5のエッジ6がRサイズ0.3以上の微小R状となるように形成したオイリングノズルとすることで、摺接による糸条Yへのダメージを少なくすることができる。
なお、エッジ6が微小R状とするには、オイリングノズルの糸道溝を温度1000℃以上で加熱処理して形成する。これにより、糸条Yとの摺動抵抗が大幅に低減させることができ、糸条Yへのダメージを無くすことができる。
なお、糸道溝2の少なくとも摺動面4は、ビッカース硬度(Hv)8GPa以上の高硬度なセラミックス材料や超硬材料を用いて形成すれば良い。高硬度な材料を用いることにより、糸条Yとの摺接による摺動面の磨耗を少なくし、オイリングノズルの交換寿命を長くすることができる。特に好ましくは、平均結晶粒径が10μm以下の純度99%以上のアルミナセラミックスを用いると良い。純度99%以上のアルミナセラミックスはビッカース硬度(Hv)が15GPa以上と高硬度で、しかも比較的安価な材料である。そして、その平均結晶粒径を10μm以下にすることで、微細溝5の形状を安定させることができる。
以上の構成のオイリングノズルによれば、オイル供給孔7より吐出したオイルは微細溝5に溜まり、糸条Yへのオイル付与や走行方向への吸引効果により、V溝状の糸道溝2の溝底3へオイルを誘導回収することができる。そのため、糸道溝2の溝底3は常にオイルで潤った状態となり、摺動面4から糸条Yへ安定してオイル付与することができ、糸条Yへのダメージが少なくなる。
それに加え、糸条走行方向に向かって傾斜した微細溝上に糸条Yが通過する際、微細溝5に溜まったオイルと糸条Yとの摺接が摺動抵抗となり、糸条Yを微細溝5の傾斜方向である糸道溝2の溝底側へ自然誘導する働きにより、糸条Yの走行位置が例え左右に位置ズレしていた場合においても、オイル供給孔7の位置する溝底3中央に安定しやすくなる。
本発明のオイリングノズルの製造方法としては、例えばアルミナにて製作する場合、純度99%以上のアルミナ原料粉末を用い、オイリングノズルの所定形状に加工した成形体を焼成したのち、糸道溝2の摺動面4を滑らかに仕上げて製作する。
更に、微細溝5は、プレス加工、エッチング、レーザー加工等の微細加工法により形成することができる。レーザー加工方法としては、エキシマレーザー、YAGレーザー、COレーザー等種々の方式があるが、本発明における微細溝5を高硬度な材料に効率良く形成するためにはYAGレーザーを用いることが好ましい。
YAGレーザーにより微細溝5を形成するためには、レーザー加工条件を制御することが必要になる。特に照射レーザーの周波数により微細溝5のエッジ6に溶着物による微小突起が発生することがあるので、その周波数設定を10kHz以下に設定してレーザー加工することが重要である。
次に本発明のオイリングノズルを用いた繊維製造装置について図5を用いて説明する。繊維製造装置40は、糸状を溶出する紡口ノズル41を有し、溶出された糸状Yを図1に示したオイリングノズル42を用いて糸条Yにオイルを供給し、そのオイル付きの糸条Yをフィードローラ43、44により延伸し、巻き取り部45にて糸条Yを巻き取ることにより繊維が製造されるものである。
以下に本発明の実施例を説明する。
図1に示すオイリングノズルを製作した。糸道溝2の摺動面4は平均結晶粒径4μm純度99.5%のアルミナセラミックスで作成し、YAGレーザー加工を用いて、図1(c)、図4で説明した微細溝5の糸条走行方向に対する傾斜角度(θ)、微細溝5の凹溝幅(W)、凹溝深さ(D)、微細溝間の凸部幅(P)、摺動面4の表面粗さに違いのある各種サンプルを製作した。
一方、比較例として、同じ材料で微細溝5の無い従来のオイリングノズル21、および微細溝5の糸条走行方向に対する傾斜角度(θ)が90°以上である微細溝が糸条走行方向に向いていないサンプルを製作した。
これらのオイリングノズルを用い、235デニール48フィラメントのポリエステル糸条を製糸した。
すなわち、図4に示す紡口ノズル41より溶出したポリエステル糸条を冷却固化した後、オイリングノズル42によりオイルを付与して糸条Yを集束し、フィードローラ43、44にて順次延伸し、3500m/分で巻き取り部45に巻き取りを開始した。実験は1時間の連続運転を行い、オイリングノズルにおけるオイルの偏流現象の発生頻度、糸切れ回数について調査した。また、得られた糸条Yへのオイル付与率(OPU:オイルピックアップ値)についても評価し、それらの結果を表1に示した。
なお、OPUとはオイルの付着量を示し、オイルが付いた糸条の重量と、その脱油した後の重量の比率からオイルの付着率を調べた値である。
Figure 0004220862
表1に示すように本発明のオイリングノズルは、オイルの偏流現象の発生頻度および糸切れ回数が少なく、糸条へのオイル付与率も従来のオイリングノズルに比べて高くなることが分かった。逆に、比較例1、10、11のオイリングノズルは、オイルの偏流現象の発生頻度が50%以上であり、糸条へのオイル付与率(OPU)も1%以下でオイルの付与が不十分であった。
本発明のオイリングノズルを示し、(a)はオイリングノズルの斜視図、(b)はオイリングノズルの中央で断面を切った斜視図、(c)は糸道溝を真上(A方向)から見たオイリングノズルの正面図である。 本発明のオイリングノズル微細溝パターンを示す図である。 本発明のオイリングノズル微細溝パターンの別形態を示す図である。 本発明のオイリングノズル微細溝の模式図を拡大断面で示す図である。 オイリングノズルを用いた繊維製造装置の概要を示す図である。 従来のオイリングノズルを示す図である。 従来のオイル溜まりを備えたオイリングノズルを示す図である。
符号の説明
1:オイリングノズル
2:糸道溝
3:溝底
4:摺動面
5:微細溝
6:エッジ
7:オイル供給孔
Y:糸条

Claims (5)

  1. 走行する糸条と摺接しつつ前記糸条にオイルを付与するオイルリングノズルであって、
    前記糸条と摺接して前記糸条を案内するV溝状の糸道溝と、該糸道溝の溝底に開口したオイル供給孔と、を備え、
    前記オイル供給孔は、前記開口に近づくにしたがって、前記糸道溝の長さ方向に沿った一方側に近づくよう傾斜し、
    前記糸道溝のV溝側面には、前記溝底に近づくにしたがって、前記糸道溝の長さ方向に沿った他方側に近づくよう傾斜した微細溝が複数形成されており、
    前記微細溝は、前記開口よりも前記一方側、および、前記開口よりも前記下流側に、それぞれ設けられていることを特徴とするオイルリングノズル。
  2. 前記微細溝が糸条走行方向に対し10°〜60°傾斜したことを特徴とする請求項1記載のオイリングノズル。
  3. 前記微細溝の凹溝幅が0.05〜0.3mm、凹溝深さが0.01〜0.2mmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のオイリングノズル。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のオイリングノズルに備えた微細溝をレーザー加工により形成したことを特徴とするオイリングノズルの製造方法。
  5. 糸条を溶出する紡口ノズルを有し、溶出された糸条を前記請求項1〜4のいずれかに記載のオイリングノズルを用いて糸条にオイルを付与し、該オイル付きの糸条をフィードローラにより延伸し、巻き取り部で巻き取ることにより繊維が製造される繊維製造装置。
JP2003302185A 2003-08-26 2003-08-26 オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置 Expired - Fee Related JP4220862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302185A JP4220862B2 (ja) 2003-08-26 2003-08-26 オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302185A JP4220862B2 (ja) 2003-08-26 2003-08-26 オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005068608A JP2005068608A (ja) 2005-03-17
JP4220862B2 true JP4220862B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=34406521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003302185A Expired - Fee Related JP4220862B2 (ja) 2003-08-26 2003-08-26 オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4220862B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107700108B (zh) * 2017-09-24 2024-04-30 浙江尤夫高新纤维股份有限公司 一种纺丝喷油嘴及其操作方法
CN111164245B (zh) * 2017-09-28 2022-09-23 京瓷株式会社 注油嘴

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005068608A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4093718B2 (ja) たばこ加工産業における連続体を移送するための装置
US3785138A (en) Spinning unit for open end spinning machine
EP2682507B1 (en) Ring-traveler system of ring spinning machine
JP4220862B2 (ja) オイリングノズル及びその製造方法並びにそれを用いた繊維製造装置
EP2682508B1 (en) Ring-traveler system of ring spinning machine
EP0388173A1 (en) Yarn finish applicator
US6298523B1 (en) Apparatus for condensing a fiber strand and a method of making yarn using same
CZ279649B6 (cs) Vyčesávací váleček ojednocovacího ústrojí bezvřetenového dopřádacího stroje a způsob jeho výroby
US4015559A (en) Apparatus for coating continuously produced filaments
EP2540880B1 (en) Draft roller, spinning unit, spinning machine, and manufacturing method of spun yarn
JP4190900B2 (ja) アセテートトウ糸条への油剤付与方法及び油剤付与装置
JPH1077522A (ja) オイリングノズル
JP7475004B2 (ja) 油剤付与ガイド、及び紡糸引取機
JP2005089961A (ja) ダブルエプロン式練条機用のベルト
JPH09316742A (ja) 仮撚加工装置
JPH10102315A (ja) オイリングノズル
CN115717275A (zh) 纤维用引导件及其制造方法
KR890000600B1 (ko) 트래버어스(Traverse) 장치
JPH0910659A (ja) 油剤付与ガイド
US4590756A (en) Open-end friction spinning
JPH09273024A (ja) 給油ガイド
JP2008075223A (ja) 合成繊維用油剤付与ガイド装置およびそれを用いた油剤付与方法
RU2024383C1 (ru) Способ заточки игольчатой ленты чесальной машины
JP4224560B2 (ja) 糸の斜交不織布の製造装置
JPS63270808A (ja) 油剤付与ヘツド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4220862

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees