JP4218548B2 - 発泡成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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そして、成形する発泡成形品の種類によっては、例えば、発泡成形品の本体部に対して折り返された部分(折返し部)、又は発泡成形品の本体部に対して所定の間隔を隔てて折り重なった部分(折重なり部)等を有するものがある。
上記成形キャビティは、第1キャビティと、該第1キャビティに対して折れ曲り状に形成された第2キャビティと、上記第1キャビティと対向するよう上記第2キャビティから連続して形成された第3キャビティとを有しており、また、上記第1キャビティと上記第3キャビティとは、該第1キャビティから該第3キャビティへの上記発泡性原料の発泡流動を許容する短縮流路によって連通されており、
該短縮流路は、断面略円形状であると共に、当該短縮流路において内径が最も小さい狭小部を有しており、
該狭小部は、上記短縮流路が上記第1キャビティに開口する入口開口部と、上記短縮流路が上記第3キャビティに開口する出口開口部との間に形成されており、
上記入口開口部及び上記出口開口部からそれぞれ上記狭小部に向けて内径が徐々に小さくなっており、
上記発泡成形品を製造するにあたっては、上記成形型を開けた状態で、上記第1キャビティを形成する型面上に上記発泡性原料を注入する注入工程と、
上記成形型を閉じて、上記第1キャビティ内において上記発泡性原料を発泡流動させる第1発泡流動工程と、
上記発泡性原料を、上記第1キャビティから上記第2キャビティを経て上記第3キャビティに発泡流動させる一方、上記第1キャビティから上記短縮流路を経て上記第3キャビティに発泡流動させる第2発泡流動工程と、
上記第2キャビティを経て上記第3キャビティ内に流入した発泡性原料と、上記短縮流路を経て上記第3キャビティ内に流入した発泡性原料とを一体化させ、上記第1〜第3キャビティ内に充填された上記発泡性原料により上記発泡成形品を成形する発泡成形工程と、
上記成形型を開け、上記発泡成形品と上記成形型とを相対的に移動させることにより、上記短縮流路内に上記発泡成形品と一体に発泡成形された流路発泡体を、上記狭小部によって成形された薄肉部において分断し、該分断された流路発泡体を、上記発泡成形品と共に上記成形型から取り出す取出工程とを含むことを特徴とする発泡成形品の製造方法にある(請求項1)。
そのため、第3キャビティに充分な量の発泡性原料が供給されると共に、発泡性原料が第3キャビティへ発泡流動して充填される時間を短縮することができる。
それ故、本発明の製造方法によれば、つぶれや欠肉等の成形不良が生じない発泡成形品を成形することができる。
上記成形キャビティは、第1キャビティと、該第1キャビティに対して折れ曲り状に形成された第2キャビティと、上記第1キャビティと対向するよう上記第2キャビティから連続して形成された第3キャビティとを有しており、
また、上記成形型は、上記第1キャビティと上記第3キャビティとを隔てる隔壁部を有しており、該隔壁部には、上記第1キャビティと上記第3キャビティとを連通させる短縮流路が形成されており、
該短縮流路は、断面略円形状であると共に、当該短縮流路において内径が最も小さい狭小部を有しており、
該狭小部は、上記短縮流路が上記第1キャビティに開口する入口開口部と、上記短縮流路が上記第3キャビティに開口する出口開口部との間に形成されており、
上記入口開口部及び上記出口開口部からそれぞれ上記狭小部に向けて内径が徐々に小さくなっていることを特徴とする発泡成形品の製造装置にある(請求項5)。
それ故、本発明の製造装置によれば、つぶれや欠肉等の成形不良が生じない発泡成形品を成形することができる。
上記第1、第2の発明において、上記第3キャビティは、上記第1キャビティの上方に形成することができる。そして、発泡性原料は、第2キャビティ内及び短縮流路内を上方に向けて発泡流動させることにより、第1キャビティから第3キャビティへ流入させることができる。
また、上記第1キャビティと上記第3キャビティとの間には、これらを隔てる隔壁部を配置し、上記第2キャビティは、上記隔壁部の端部の周辺に形成することができる。
また、上記成形型は、下型、上記隔壁部を形成する中型及び上型との3枚型構造により構成することもできる。
上記欠肉とは、発泡性原料が成形キャビティの全体に到達せずに成形キャビティ内に未充填部分ができて、これにより、発泡成形品に生じる空洞や凹み部分のことをいう。
この場合には、短縮流路内を発泡流動する発泡性原料が、上記出口開口部から第3キャビティ内に到達する際に、第2キャビティを経て第3キャビティ内に流入する発泡性原料によって邪魔されることがない。そのため、短縮流路から第3キャビティ内、特に第3キャビティ内の端部など発泡性原料の行き渡りにくい部分にも、円滑に発泡性原料を流入させることができ、上記成形不良の発生を一層効果的に防止することができる。
この場合には、第2キャビティを経由して第3キャビティに発泡性原料を流入させる場合に比べて、第3キャビティ内に硬化反応の進行度合が少ない状態の発泡性原料が多く流入するため、発泡性原料の硬化反応を、より早い時期から第3キャビティ内で進行させることができる。そのため、良好な発泡が行われ、上記成形不良の発生を一層効果的に防止することができる。
これにより、成形後の発泡成形品と成形型とを相対的に移動させるだけで、上記流路発泡体が分断され、成形型から発泡成形品を容易に取り出すことができる。
これにより、成形後の発泡成形品と成形型とを相対的に移動させるだけで、上記流路発泡体を上記薄肉部において容易に分断することができる。そのため、分断された流路発泡体は、発泡成形品に繋がったまま、発泡成形品と共に取り出すことができ、流路発泡体が短縮流路内に残ってしまうことを防止することができる。
これにより、成形後の発泡成形品を成形型から取り出す際に、短縮流路内に成形された流路発泡体は、上記薄肉部において2つに分断されて短くなり、上記入口開口部と出口開口部との両側から容易に抜き出すことができる。そのため、流路発泡体が短縮流路内に残ってしまうことを一層確実に防止することができる。
この場合には、発泡成形品に上記補材が一体化し、発泡成形品の強度を向上させることができる。
これにより、成形後の発泡成形品を成形型から取り出す際に、短縮流路内に成形された流路発泡体を、上記狭小部によって成形された薄肉部において容易に分断することができる。
これにより、短縮流路を形成する加工が容易であり、成形後の発泡成形品を成形型から取り出す際に、短縮流路内に成形された流路発泡体は、上記薄肉部において2つに分断されて短くなり、上記入口開口部と出口開口部との両側から容易に抜き出すことができる。そのため、流路発泡体が短縮流路内に残ってしまうことを一層確実に防止することができる。
本例において製造する発泡成形品8は、図1〜図3に示すごとく、車両のシートにおける背もたれ部に用いるクッション体8であり、シート本体部81と、このシート本体部81に対向配置されたシート対向部83とを連結してなるものである。また、シート対向部83は、シート本体部81に対して、一方側の端部835において一方側連結部82Aを介して連結されていると共に、左右両側の端部836において連結部82Bを介して連結されている。
また、クッション体8の内部には、ブロック状や板状のウレタンチップからなる補材を配置することもできる。
図4、図5に示すごとく、本例の成形型2は、下型3、中型4及び上型5を有してなる3枚型構造を有している。そして、本例の隔壁部42は、下型3及び上型5に対して回動可能に配設された中型4に形成されている。また、図6に示すごとく、本例の成形型2には、隔壁部42によってアンダーカット形状の成形キャビティ20が形成されている。
また、図7〜図9に示すごとく、第3キャビティ23は、上記ヘッドレスト対向部831を成形するためのセンター上方キャビティ231と、上記サイド対向部832を成形するためのサイド上方キャビティ232とを有している。
より具体的には、図13に示すごとく、短縮流路24は、断面略円形状を有しており、狭小部242は、短縮流路24が第1キャビティ21に開口する入口開口部245と、短縮流路24が第3キャビティ23に開口する出口開口部246との間に、内径を最も小さくした部分として形成されている。そして、短縮流路24は、入口開口部245及び出口開口部246からそれぞれ狭小部242に向けて内径が徐々に小さくなるように漏斗状に形成されている。
また、図6に示すごとく、短縮流路24は、上記隔壁部42において複数形成されており、本例では、成形型2の前後方向に沿って2箇所に形成されている。
また、短縮流路24は、必ずしも流路中心に向けて形成されている必要はなく、例えば、図15に示すごとく、流路中心に対して偏心して形成されていてもよい。
発泡成形品8を製造するにあたっては、まず、図5に示すごとく、補材配置工程として、下型3に対して中型4及び上型5を開けた状態において、中型4における隔壁部42に、短縮流路24に対応する位置に貫通孔851を有する補材85を配置する。このとき、補材85は、その袋状部分852を隔壁部42に被せるようにして配置し、袋状部分852とは反対側に位置するシート状部分853をピン等の掛止部材854によって中型4に固定する。
ここで、貫通孔851は、短縮流路24の各開口部245、246における発泡性原料80の流動を妨げないためには、短縮流路24の各開口部245、246以上の内径を有していることが好ましい。
このとき、図7〜図9に示すごとく、第2発泡流動工程として、第1キャビティ21内を発泡流動する発泡性原料80は、発泡に伴い上方に向けて体積膨張し、短縮流路24を経て第3キャビティ23内に発泡流動する。また、第1キャビティ21内を発泡流動する発泡性原料80は、第2キャビティ22も経由して第3キャビティ23内に発泡流動する。
本例では、第3キャビティ23の中央部230付近及び他方側の端部237付近は、短縮流路24から流入した発泡性原料80によって充填される。また、第3キャビティ23の一方側の端部235付近及び左右両側の端部236付近は、第2キャビティ22から流入した発泡性原料80によって充填される。
このようにして、発泡性原料80が、第1〜第3キャビティ21〜23(成形キャビティ20)の全体に迅速に充填され、第3キャビティ23においては、第2キャビティ22を経て流入した発泡性原料80と、短縮流路24を経て流入した発泡性原料80とが一体化される。
そして、成形後の発泡成形品8を、中型4における隔壁部42に対して、中型4におけるヒンジ部(開閉支点部)43の形成側とは反対側に位置する隔壁部42の先端部に向けて移動させ、中型4から取り外す。このとき、短縮流路24内に発泡成形品8と一体に発泡成形された流路発泡体84は、その薄肉部842において分断(破断)される。
それ故、本例の発泡成形品製造装置1及びこれを用いた製造方法によれば、発泡性原料80の発泡流動に要する時間が部位によって偏るのを防止して、成形キャビティ20の全体に均一に発泡性原料80を充填することにより、つぶれや欠肉等の成形不良が生じない発泡成形品8を成形することができる。
2 成形型
20 成形キャビティ
21 第1キャビティ
22 第2キャビティ
23 第3キャビティ
24 短縮流路
241 一般部
242 狭小部
245 入口開口部
246 出口開口部
3 下型
4 中型
42 隔壁部
5 上型
8 発泡成形品(クッション体)
80 発泡性原料
81 シート本体部
82 連結部
83 シート対向部
84 流路発泡体
842 薄肉部
85 補材
851 貫通孔
Claims (5)
- 開閉可能で閉じたときに成形キャビティを形成する成形型を用い、上記成形キャビティに発泡性原料を充填して発泡成形品を製造する方法において、
上記成形キャビティは、第1キャビティと、該第1キャビティに対して折れ曲り状に形成された第2キャビティと、上記第1キャビティと対向するよう上記第2キャビティから連続して形成された第3キャビティとを有しており、また、上記第1キャビティと上記第3キャビティとは、該第1キャビティから該第3キャビティへの上記発泡性原料の発泡流動を許容する短縮流路によって連通されており、
該短縮流路は、断面略円形状であると共に、当該短縮流路において内径が最も小さい狭小部を有しており、
該狭小部は、上記短縮流路が上記第1キャビティに開口する入口開口部と、上記短縮流路が上記第3キャビティに開口する出口開口部との間に形成されており、
上記入口開口部及び上記出口開口部からそれぞれ上記狭小部に向けて内径が徐々に小さくなっており、
上記発泡成形品を製造するにあたっては、上記成形型を開けた状態で、上記第1キャビティを形成する型面上に上記発泡性原料を注入する注入工程と、
上記成形型を閉じて、上記第1キャビティ内において上記発泡性原料を発泡流動させる第1発泡流動工程と、
上記発泡性原料を、上記第1キャビティから上記第2キャビティを経て上記第3キャビティに発泡流動させる一方、上記第1キャビティから上記短縮流路を経て上記第3キャビティに発泡流動させる第2発泡流動工程と、
上記第2キャビティを経て上記第3キャビティ内に流入した発泡性原料と、上記短縮流路を経て上記第3キャビティ内に流入した発泡性原料とを一体化させ、上記第1〜第3キャビティ内に充填された上記発泡性原料により上記発泡成形品を成形する発泡成形工程と、
上記成形型を開け、上記発泡成形品と上記成形型とを相対的に移動させることにより、上記短縮流路内に上記発泡成形品と一体に発泡成形された流路発泡体を、上記狭小部によって成形された薄肉部において分断し、該分断された流路発泡体を、上記発泡成形品と共に上記成形型から取り出す取出工程とを含むことを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 請求項1において、上記第2発泡流動工程においては、上記第2キャビティを経て上記第3キャビティへ発泡流動する発泡性原料の流動先端部が、上記第3キャビティに向けて開口する上記短縮流路の出口開口部に到達する前に、上記短縮流路内を発泡流動する発泡性原料の流動先端部を上記出口開口部から上記第3キャビティに到達させることを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 請求項1又は2において、上記第2発泡流動工程においては、上記短縮流路を経て上記第3キャビティに流入する発泡性原料は、上記第2キャビティを経て上記第3キャビティに流入する発泡性原料よりも、硬化反応の進行度合が少ない状態で上記第3キャビティに到達することを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記注入工程を行う前に、上記第1キャビティと上記第3キャビティとを隔てる隔壁部に、上記短縮流路に対応する位置に貫通孔を有し上記発泡成形品と一体となって該発泡成形品を補強する補材を配置する補材配置工程を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 開閉可能な成形型内に形成される成形キャビティに発泡性原料を充填して発泡成形品を製造する装置において、
上記成形キャビティは、第1キャビティと、該第1キャビティに対して折れ曲り状に形成された第2キャビティと、上記第1キャビティと対向するよう上記第2キャビティから連続して形成された第3キャビティとを有しており、
また、上記成形型は、上記第1キャビティと上記第3キャビティとを隔てる隔壁部を有しており、該隔壁部には、上記第1キャビティと上記第3キャビティとを連通させる短縮流路が形成されており、
該短縮流路は、断面略円形状であると共に、当該短縮流路において内径が最も小さい狭小部を有しており、
該狭小部は、上記短縮流路が上記第1キャビティに開口する入口開口部と、上記短縮流路が上記第3キャビティに開口する出口開口部との間に形成されており、
上記入口開口部及び上記出口開口部からそれぞれ上記狭小部に向けて内径が徐々に小さくなっていることを特徴とする発泡成形品の製造装置。
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