JP4217397B2 - 線量読取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線励起により発生した蛍光強度を検出する蛍光ガラス線量計の線量読取装置に係り、特に、マガジンに多数収納された蛍光ガラス素子の蛍光読取方式を改良した線量読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉、加速器、X線発生器、ラジオアイソトープ等の施設の設置、運営に当たっては、生体を放射線から防護するために、放射線管理に万全を期す必要がある。特に、上記のような施設における各種作業の従事者や、施設の利用者は、その放射線被ばく線量が所定の許容範囲内に収まるように管理しなければならない。このような放射線の管理に用いられるのが線量計である。この線量計は、施設内の所定の箇所に設置したり、従事者や利用者が携行して、定期的にそれぞれの被ばく線量を読み取ることによって、従事者や利用者の被ばく線量を管理することができるものである。
【0003】
かかる線量計として、広く用いられているものの一つが蛍光ガラス線量計である。一般に、蛍光ガラス線量計としては、銀イオンを含有したリン酸塩ガラスからなるガラス素子が用いられている。このガラス素子は、放射線が照射され活性化された後、波長300〜400nmの紫外線で励起すると蛍光を発するという現象(ラジオフォトルミネッセンス:RPL)を生じる。そして、このときの蛍光強度はそのガラス素子が受けた放射線被ばく線量に比例することから、この蛍光強度を検出することにより放射線被ばく線量を測定することができる。特に、かかる蛍光ガラス線量計は、発生したRPL中心が読取操作によっても消滅せずに、繰り返し読取りができるという特徴がある。
【0004】
このような蛍光ガラス線量計の測定に当たっては、紫外線励起光源から投射された光を光学フィルタに通すことにより、所定波長の紫外線を選択的に取り出した後、蛍光ガラス素子の一面に入射させる。このとき、蛍光ガラス線量計から発する蛍光を光学フィルタに通すことにより、所定波長範囲の光を選択的に通過させた後、光電子増倍管により光電変換して蛍光強度にほぼ比例するレベルの電気信号を得、この電気信号のレベルから蛍光強度、ひいては放射線被ばく線量を測定する。
【0005】
上記のような原理によって放射線被ばく線量を読み取る線量読取装置は、一般的には、図9に示すように、内部に蛍光ガラス素子2を収納したカプセル1を多数収納したマガジン3を用いる。このマガジン3は、図示しないマガジン供給装置からマガジン搬送装置4に載置されて、所定位置まで搬送される。そして、図示しない引出装置によって、各カプセル1から蛍光ガラス素子2が一つずつ抜き出され、外光から遮断された蛍光検出位置まで搬送され、そこで紫外線照射、蛍光量検出が行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の線量読取装置には、次のような問題点があった。すなわち、マガジンに収納された蛍光ガラス素子は、蛍光読み取りの際に、一つずつマガジンから取り出し、読取位置まで移動させる必要があるため、多数の蛍光ガラス素子の蛍光量を読み取るには多大な時間がかかっていた。
【0007】
また、個々の蛍光ガラス素子をマガジンから抜き差ししたり、搬送したりする際に、周囲に引っ掛かるなどの搬送トラブルが発生していた。特に、後述するような小型の蛍光ガラス素子はガラス単体で金属フレーム等を持たないため、従来の読取装置に装填し、搬送トラブルが発生した場合、ガラスの破損、表面の汚れ、汚染物質からの蛍光による測定精度の低下等の問題が発生する恐れが極めて高い。
【0008】
さらに、蛍光ガラス素子を個別に引き出す機構が必要となるため、製作コストが上がるとともに、装置全体が大型化するといった欠点もあった。特に、診断・治療線量評価、動物実験での線量評価、各種実験等に用いられる小型の蛍光ガラス線量計を用いる線量読取システムにおいては、蛍光ガラス素子が非常に小さいため、機械的な抜き差しが非常に困難であった。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、蛍光ガラス素子をマガジンに収納した状態で、正確な線量読取ができる線量読取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、蛍光ガラス素子の励起光源となる紫外線を照射する照射手段と、前記蛍光ガラス素子から発生する蛍光強度から放射線被ばく線量を読み取る検出手段とを有する線量読取装置において、以下のような技術的特徴を有する。
【0011】
すなわち、請求項1の発明は、蛍光ガラス素子の励起光源となる紫外線を照射する照射手段と、前記蛍光ガラス素子から発生する蛍光強度から放射線被ばく線量を検出する検出手段とを有する線量読取装置において、複数の蛍光ガラス素子を収納可能なマガジンを、前記検出手段による蛍光検出部位まで搬送するマガジン搬送部と、前記マガジン搬送部及び前記蛍光検出部位を収納する暗箱部と、前記照射手段からの紫外線が前記蛍光ガラス素子を透過した位置に、当該紫外線の光軸と直交しない角度に設定された第1の遮光板と、を有することを特徴とする。
【0012】
以上のような請求項1の発明によれば、マガジン搬送部が蛍光検出部位とともに暗箱部内にあるので、蛍光ガラス素子をマガジンに収納したままの状態で紫外線照射及び蛍光量読取りが可能となり、蛍光ガラス素子をマガジンから引き出すための装置や手間が不要となる。また、ガラス素子を透過した後の紫外線は、その光軸に直交しない角度に設定された第1の遮光板によって、隣接するガラス素子を励起しない方向に反射されて散乱が防止されるので、散乱光による隣接するガラス素子からの蛍光の発生が防止され、測定対象となるガラス素子の放射線被ばく線量を正確に読み取ることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る線量読取装置の一つの実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
(1)構成
本実施形態の線量読取装置は、図1に示すような、多数の蛍光ガラス素子Xを収納可能なマガジン10を使用し、蛍光ガラス素子Xをマガジン10に収容した状態で、個々の蛍光ガラス素子Xの放射線被ばく線量の読取りを行なうことができるように構成したものである。すなわち、本実施形態の線量読取装置は、図2に示すように、大別して、本体部20、移動テーブル上にセットされたマガジン10を蛍光読取位置に搬送するマガジン搬送部30、蛍光ガラス素子Xに照射するための紫外線を出射する紫外線照射部40、蛍光ガラス素子Xから発生する蛍光を検出する蛍光検出部50によって構成されている。以下、各部の構成を詳説する。
【0017】
(1−1)マガジンの構成
まず、マガジン10の構成について説明する。このマガジン10は、図1(A)に示すように、樹脂製の薄型直方体形状を有し、その短辺に平行に、蛍光ガラス素子Xを装填するための装填部11が20列形成されている。この装填部11には、図1(B)に示すように、蛍光ガラス素子Xの両端を保持する凹状の溝11aが形成されている。また、各装填部11の長手方向の延長線上には、紫外線照射部40からの紫外線レーザビームの入射及び出射が可能となるように、それぞれ光路となる切欠部12が形成されている。なお、これらの装填部11には、1番から20番までの識別用の番号が付されている。
【0018】
さらに、前記装填部11に保持される蛍光ガラス素子Xの中央部分を横切るように、マガジン10の底面には、複数の蛍光ガラス素子Xにまたがる開口窓13が設けられている。この開口窓13は、蛍光検出孔として機能するため、端面での光の反射の影響を無くすとともに、蛍光ガラス素子Xを掴みやすくするため、マガジン10の長手方向に一体に連続して形成されている。なお、この開口窓13は、各装填部11毎に別個に形成することもできるが、この場合には、測定精度のばらつきを防止するため、それぞれの開口窓13が一定の面積となるように形成することが望ましい。
なお、上記のようなマガジン10に収納する蛍光ガラス素子Xとしては、例えば、直径1.5mm程度の小型のものを使用することができる。
【0019】
(1−2)本体部
次に、線量読取装置の本体部20について説明する。本体部20は、図2に示すように、マガジン搬送部30、紫外線照射部40及び蛍光検出部50が配設された箱状のケース部21と、これらを覆うカバー部22によって構成されている。また、カバー部22は、前側カバー23と後側カバー24とからなり、前側カバー23内は、マガジン搬送部30及び蛍光検出部50を覆う暗箱となっている。そして、前側カバー23には、蛍光検出部50の上方に対応する位置に、開閉可能な開閉カバー23aが設けられている。なお、図中、21a、21bはそれぞれ本装置の電源の入切を切り替える電源スイッチ、電源の入切の状態を表示するパイロットランプである。
【0020】
(1−3)マガジン搬送部
マガジン搬送部30は、図2に示すように、ケース部21の上面に設置されており、マガジン10をその上に載置して、マガジン10内に収納された個々の蛍光ガラス素子Xを測定位置に移動させる移動テーブル31と、この移動テーブル31を水平移動させる直動ユニット32によって構成されている。また、移動テーブル31上には、マガジン10を保持するホルダ31aと、検出感度校正用の標準ガラスであるキャリブレーションガラス31bが設けられている。なお、ホルダ31aは、図3に示すように、蛍光ガラス素子Xの長手方向が、移動テーブル31の移動方向と直交するように、マガジン10の両端を保持するための部材である。
【0021】
また、図4及び図5に示すように、上記移動テーブル31の上面には、第1の遮光板31cが設けられている。この第1の遮光板31cは、紫外線照射部40から照射された紫外線レーザビームが蛍光ガラス素子Xを透過した位置に設けられている。また、この第1の遮光板31cにおけるレーザビームの反射面は、図5に示すように、レーザビームの光軸と直交しない角度に設定されているとともに、表面反射率の低い処理が施されている。
なお、この第1の遮光板31cに、アルミ合金に一般的なアルマイト処理を施した黒色アルマイトを適用することによって、十分な機能を発揮しうる。また、鉄系の材質に黒色の電気亜鉛メッキ(ユニクロメッキ)を施したものを用いてもよい。
【0022】
さらに、図4及び図6に示すように、移動テーブル31には、ホルダ31aに保持されたマガジン10の開口窓13に対応する位置に、蛍光ガラス素子Xから発生した蛍光が通過する蛍光通過窓31dが形成されている。通常、蛍光ガラス素子Xよりも蛍光検出素子である光電子増倍管の受光面の方が大きいため、蛍光ガラス素子Xからの蛍光を最大限蛍光検出素子へ入射させるように、この蛍光通過窓31dは、蛍光検出部50側が広いテーパ形状とされている。また、図6に示すように、この蛍光通過窓31dには、蛍光ガラス素子Xの軸方向に沿って第2の遮光板31eが設けられている。そして、この第2の遮光板31eによって、一つの蛍光ガラス素子Xからの蛍光のみを蛍光検出部50側へ通過させて、隣接する他の蛍光ガラス素子Xからの蛍光を遮ることができるように構成されている。
【0023】
なお、第2の遮光板31eの開口間隔(図6におけるd)は、蛍光ガラス素子Xの大きさや、配置間隔によって異なるが、例えば、4.5〜5.0mmとすることが考えられる。また、測定対象となる蛍光ガラス素子X以外からの蛍光を遮るためには、第2の遮光板31eの上端は、なるべく蛍光ガラス素子Xに近い位置とすることが望ましい。さらに、第2の遮光板31eの材質としては、他の部材への溶接が可能な冷間圧延鋼板(SPCC)に黒色の電気亜鉛メッキ(ユニクロメッキ)を施したものを用いることが考えられるが、アルミ合金、黒色のアルマイトなどであってもよい。
【0024】
また、直動ユニット32による移動テーブル31の駆動方式は、モータを駆動源とするボールねじによる直進駆動方式であり、その位置制御は、マイクロコンピュータによるモータパルス制御によって行なう。この直動ユニット32による移動テーブル31の移動に応じて、ホルダ31aに保持されたマガジン10内の蛍光ガラス素子X、キャリブレーションガラス31bは、それぞれ紫外線照射及び蛍光検出が可能な位置に位置決めされるように構成されている。なお、進行方向での位置決め精度は、例えば、±0.01mmとすることが考えられる。
【0025】
(1−4)紫外線照射部
紫外線照射部40は、ケース部21の上部に設置されたレーザ発振器41とリファレンスユニット42によって構成されている。レーザ発振器41は、所定波長の紫外線レーザビームを出射する発振器であり、例えば、窒素ガスレーザなどの発振器を適用することができる。このレーザ発振器41におけるレーザビームの出射窓には、図7に示すように、出射光制御用のスリット孔が形成された第1のスリット板41aが取り付けられている。この第1のスリット板41aに形成するスリット孔の大きさは、蛍光ガラス素子Xの径よりも小さい幅、例えば、1.3×10mmの長方形状とすることが考えられる。
【0026】
また、リファレンスユニット42は、レーザ発振器41から蛍光ガラス素子Xへのレーザビーム通過位置に対応して設けられており、レーザ発振器41の出力変動を補正する目的で、リファレンスユニット42内に設けられたリファレンスガラスを励起する光を分岐するハーフミラーを備えている。このリファレンスユニット42には、レーザビームの通過位置における蛍光ガラス素子X側に、入射光制御用のスリット孔が形成された第2のスリット板42aが取り付けられている。この第2のスリット板42aに形成するスリット孔の大きさは、例えば、直径3mmとすることが考えられる。
【0027】
(1−5)蛍光検出部
蛍光検出部50は、図4に示すように、蛍光検出素子である光電子増倍管51及び半球レンズ52を備えている。この光電子増倍管51は、蛍光ガラス素子Xからの蛍光を電気信号に変換するものであり、半球レンズ52は、蛍光ガラス素子Xからの蛍光を集光して、光電子増倍管51に入射させるものである。なお、上記の紫外線照射部40及び蛍光検出部50におけるレーザビーム及び蛍光の経路には、適宜、特定の波長を選択的に通過させる光学フィルタが配設されているが、その説明は省略する。
【0028】
(2)作用
以上のような構成を有する本実施形態の線量読取装置による線量読取りは、以下のようにして行なわれる。
すなわち、図3に示すように、開閉カバー23aを開け、測定対象となる複数の蛍光ガラス素子Xを収納したマガジン10を移動テーブル31上のホルダ31aにセットし、開閉カバー23aを閉じる。次に、直動ユニット32を駆動して、マガジン10内の最初の測定対象となる蛍光ガラス素子Xが蛍光検出位置に来るまで移動テーブル31を移動させる。その後、この測定対象となる蛍光ガラス素子Xに、レーザ発振器41から紫外線レーザビームが出射される。
【0029】
この紫外線レーザビームは、例えば、窒素ガスレーザを用いた場合、図8に示した第1のスリット板41aを設けない例に示すように、完全な平行光線とならず、僅かに拡大・拡散する。しかしながら、本実施形態の線量読取装置では、図7に示すように、レーザ発振器41の出射窓に第1のスリット板41aが取り付けられているため、紫外線レーザビームの拡大・拡散が防止される。特に、スリット孔の横方向の幅を、1.3mmとした場合には、直径1.5mmの蛍光ガラス素子に対して、隣接する蛍光ガラス素子Xへ入射し難いレーザスポット径として最適なものとなる。
【0030】
なお、第1のスリット板41aを通過した紫外線レーザビームは、リファレンスユニット42の直前に設けられた、例えば、直径1mmの開孔を有するダイアフラム(図示せず)を通過させることにより、リファレンスユニット42を含む蛍光ガラス素子Xに入射する実質的なレーザビーム断面形状が整えられて、リファレンスユニット42に入射するようになっている。
【0031】
さらに、リファレンスユニット42を通過した紫外線レーザビームは、マガジン10の切欠部12を通過して、測定対象となる蛍光ガラス素子Xに入射する。蛍光ガラス素子Xは、入射した紫外線レーザビームによって励起され、被ばく線量に比例した蛍光を発する。この蛍光は、図6に示すように、マガジン10の開口窓13、移動テーブル31の蛍光通過窓31dを通過して、半球レンズ52によって集光され、光電子増倍管51によって検出される。
【0032】
なお、リファレンスユニット42においては、ハーフミラーによって分岐した紫外線レーザビームに基づいて、レーザ発振器41の出力変動が補正されるが、図8に示すように、第2のスリット板42aが無い場合には、このとき生じる散乱光が、隣接する蛍光ガラス素子Xへ入射する可能性がある。しかし、本実施形態の線量読取装置においては、図7に示すように、紫外線レーザビームを第2のスリット板42aに形成されたスリット孔を通過させることによって、隣接する蛍光ガラス素子Xへの散乱光の入射が防止される。
【0033】
但し、測定対象に隣接する蛍光ガラス素子Xも、ごくわずかに散乱した紫外線によって励起され、少量の蛍光を発する場合がある。しかしながら、この隣接する蛍光ガラス素子Xから発生する蛍光は、図6に示すように、第2の遮光板31eにより遮断されるので、測定対象の蛍光ガラス素子Xからの蛍光のみが、光電子増倍管51によって検出される。
【0034】
より具体的には、例えば、測定可能範囲が1μGy(Sv)〜10Gy(Sv)の線量読取装置の場合、第2の遮光板31eが無ければ、測定対象の蛍光ガラス素子Xが10μGy(Sv)の被ばく量であり、隣接する蛍光ガラス素子Xが1Gy(Sv)の被ばく量であるとき、励起紫外線の1/100,000の強度の散乱光が隣接素子に入射したとしても、10μGy(Sv)相当の蛍光が発生し、それが光電子増倍管51に入射すると、測定対象の蛍光ガラス素子Xの測定精度は大幅に低下する。しかし、本実施形態の線量読取装置では、第2の遮光板31eがかかる余分な蛍光を遮るために、高い測定精度を維持できる。
【0035】
一方、蛍光ガラス素子Xを透過した紫外線レーザビームは、暗箱内の壁面で完全に吸収されるわけではないため、わずかな反射光が生じる。この反射光が測定対象以外の蛍光ガラス素子Xに入射すると、そこから発生した蛍光が、測定対象の蛍光ガラス素子Xからの蛍光に干渉し、測定値の信頼性が低下する。しかし、本実施形態の線量読取装置においては、蛍光ガラス素子Xを透過した紫外線レーザビームは、第1の遮光板31cに当たって垂直方向に向きが変わり、マガジン10に収納された蛍光ガラス素子Xには戻らない。このため、測定対象の蛍光ガラス素子Xからの蛍光のみが、光電子増倍管51によって検出される。
【0036】
(3)効果
以上のような本実施形態の線量読取装置の効果は以下の通りである。すなわち、マガジン搬送部30が、紫外線照射部40による紫外線照射位置、蛍光検出部50による蛍光検出位置とともに、前側カバー23内に構成された暗箱内にあるので、蛍光ガラス素子Xをマガジン10から引き出すことなく、線量読み取りが可能となる。従って、測定位置までの蛍光ガラス素子Xの搬送作業に時間がかからず、搬送トラブルや、これによる蛍光ガラスの破損、汚れ、汚染物質からの蛍光による測定精度の低下も生じにくい。
【0037】
特に、マガジン搬送部30は、マガジンを一方向に移動させるのみでよいため、機構が簡単で装置を小型化できるうえ、小型の蛍光ガラス素子Xの位置決め精度も出しやすい。また、マガジン10を順次移動させながら、複数の蛍光ガラス素子Xの読取作業を連続的に行なうことができるので、読取時間を大幅に短縮できる。さらに、蛍光ガラス素子Xを抜き出す機構が不要となるので、製作コストが節約でき、装置全体を小型化できる。
【0038】
また、レーザ発振器41から発振された紫外線レーザビームは、スリット板41a,42aによって散乱が防止され、測定対象となる蛍光ガラス素子Xに入射するため、他の蛍光ガラス素子Xへの入射による余分な蛍光の発生を極力防止することができる。そして、一部散乱した紫外線によって、測定対象以外の蛍光ガラス素子Xから蛍光が発生しても、それらの余分な蛍光は第2の遮光板31eによって遮られる。さらに、測定対象の蛍光ガラス素子Xを通過した紫外線レーザビームは、第1の遮光板31cによって正反射せず、マガジン10側への戻りが防止されるので、余分な蛍光の発生がさらに防止される。従って、測定対象の蛍光ガラス素子Xからの蛍光のみを確実に検出することができ、正確な放射線被ばく線用の読み取りを実現できる。
【0039】
(4)他の実施の形態
本発明は、上記のような実施の形態に限定するものではなく、各部材の大きさ、形状、数量、材質、種類等は適宜変更可能である。例えば、照射手段は、蛍光ガラス励起用の紫外線を照射できるものであれば、窒素ガスレーザには限定されず、他のレーザ発振器等であってもよい。また、検出手段についても、蛍光量の検出を行なうことができればよく、上記の実施の形態で例示したものには限定されない。例えば、蛍光の集光のために半球レンズを用いる必要は必ずしもなく、非球面レンズを用いてもよい。集光のための手段を省略することも可能である。
【0040】
マガジンの搬送手段も、測定対象となる蛍光ガラス素子を順次、測定位置まで搬送できるものであればよく、その構造、搬送方向、搬送距離等は自由である。マガジンについても、複数の蛍光ガラス素子を収納でき、蛍光ガラス素子を収納した状態で紫外線照射と蛍光検出が可能なものであればよく、その構造や蛍光ガラス素子の収納数は自由である。さらに、本発明は、各請求項の組み合わせによって、種々の実施の形態が構成可能であり、例えば、上記の実施の形態における遮光板やスリット板の一部若しくは全部を省略したものも実現可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蛍光ガラス素子をマガジンに収納した状態で、正確な線量読取が可能な線量読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線量読取装置に適用されるマガジンの構成を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は要部拡大斜視図。
【図2】本発明に係る線量読取装置の一つの実施の形態の構成を示す斜視図。
【図3】図2の実施の形態におけるマガジンの収納方法を示す斜視図。
【図4】図2の実施の形態における測定位置周辺を示す縦断面図。
【図5】図4に示した第1の遮光板の構成を示す拡大断面図。
【図6】図2の実施の形態における蛍光検出部周辺を示す縦断面図。
【図7】図2の実施の形態における紫外線照射経路を示す平面図。
【図8】スリット板がない場合の紫外線照射経路を示す平面図。
【図9】従来の線量計読取装置におけるマガジン搬送装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…カプセル
2,X…蛍光ガラス素子
3,10…マガジン
4…マガジン搬送装置
11…装填部
11a…凹状の溝
12…切欠部
13…開口窓
20…本体部
21…ケース部
22…カバー部
23…前側カバー
23a…開閉カバー
24…後側カバー
30…マガジン搬送部
31…移動テーブル
31a…ホルダ
31b…キャリブレーションガラス
31c…第1の遮光板
31d…蛍光通過窓
31e…第2の遮光板
32…直動ユニット
40…紫外線照射部
41…レーザ発振器
42…リファレンスユニット
41a…第1のスリット板
42a…第2のスリット板
50…蛍光検出部
51…光電子増倍管
52…半球レンズ

Claims (1)

  1. 蛍光ガラス素子の励起光源となる紫外線を照射する照射手段と、前記蛍光ガラス素子から発生する蛍光強度から放射線被ばく線量を検出する検出手段とを有する線量読取装置において、
    複数の蛍光ガラス素子を収納可能なマガジンを、前記検出手段による蛍光検出部位まで搬送するマガジン搬送部と、
    前記マガジン搬送部及び前記蛍光検出部位を収納する暗箱部と、
    前記照射手段からの紫外線が前記蛍光ガラス素子を透過した位置に、当該紫外線の光軸と直交しない角度に設定された第1の遮光板と、を有することを特徴とする線量読取装置。
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