JP4217223B2 - 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム - Google Patents

金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4217223B2
JP4217223B2 JP2005039185A JP2005039185A JP4217223B2 JP 4217223 B2 JP4217223 B2 JP 4217223B2 JP 2005039185 A JP2005039185 A JP 2005039185A JP 2005039185 A JP2005039185 A JP 2005039185A JP 4217223 B2 JP4217223 B2 JP 4217223B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
lubricant
wear amount
amount prediction
heat transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005039185A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006224125A (ja
Inventor
敦夫 渡邊
広吉 中西
利秋 田中
政敏 澤村
康宏 与語
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005039185A priority Critical patent/JP4217223B2/ja
Publication of JP2006224125A publication Critical patent/JP2006224125A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4217223B2 publication Critical patent/JP4217223B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Forging (AREA)

Description

本発明は、金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムに係り、特に鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムに関する。
鍛造加工、特に熱間鍛造加工や温間鍛造加工は、一般的に次のような工程により行なわれる。例えば1200℃に予め加熱された加工素材を、潤滑剤を吹付けした金型にセットし、型打ち成形する。その後、成形された加工素材を搬送し、金型に潤滑剤を吹付けて、次の型打ち成形を行なう。
ここで、鍛造加工用の金型の型打ち寿命は、金型と加工素材との摩擦による金型の摩耗量に関係する。そのため、金型の型打ち寿命を予測するために、金型の摩耗量を予測することは重要である。この金型の摩耗量は、潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦応力と、金型の軟化要因である金型温度とから予測することが行なわれている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、摩擦応力は、潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づいて算出され、金型温度、特に、潤滑剤吹付け等による冷却工程における金型温度は、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づいて算出されると考えられている。
従来、金型の摩耗量の解析において、これら摩擦係数と熱伝達係数とは、金型の加工領域の全域に対して一様に設定されている。図7に示すように、潤滑剤を供給するノズルである潤滑ノズル50から金型である鍛造型52に潤滑剤が吹付けられる例では、加工領域の中で潤滑剤の吹付け状態が異なるにもかかわらず、鍛造型52の加工領域の全域で摩擦係数と熱伝達係数とを一様に設定し、これらに基づいて鍛造型52の摩耗量の解析を行なっている。
特開2002−321032号公報 特開2002−35885号公報
しかし、金型の加工領域の中で潤滑剤の吹付け状態が異なれば、吹付け状態が異なる領域での摩擦係数と熱伝達係数とはそれぞれ異なっている。そのような場合に、金型の加工領域の全てにおいて摩擦係数と熱伝達係数とを一様に設定し金型の摩耗量を解析すると、摩擦応力と金型温度の解析精度に影響を与え、現実に近い潤滑剤の吹付け状態での金型の摩耗量を予測することが困難である。
そこで、本発明の目的は、金型の加工領域の中で潤滑剤の吹付け状態が異なるとき、精度良く金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムを提供することである。
本発明に係る金型摩耗量予測装置は、鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置において、金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段と、金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分手段と、記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索手段と、読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て手段と、各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る金型摩耗量予測装置において、記憶手段は、区分手段により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶し、検索手段は、記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことが好ましい。
本発明に係る金型摩耗量予測装置において、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることが好ましい。
本発明に係る金型摩耗量予測方法は、鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測方法において、金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分工程と、金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索工程と、読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て工程と、各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る金型摩耗量予測方法において、検索工程は、区分工程により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことが好ましい。
本発明に係る金型摩耗量予測方法において、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることが好ましい。
本発明に係る金型摩耗量予測プログラムは、鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置において実行される金型摩耗量予測プログラムであって、金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分処理手順と、金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索処理手順と、読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て処理手順と、各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測処理手順と、を実行させることを特徴とする。
本発明に係る金型摩耗量予測プログラムにおいて、検索処理手順は、区分処理手順により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことが好ましい。
本発明に係る金型摩耗量予測プログラムにおいて、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることが好ましい。
上記のように、本発明に係る金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムによれば、金型の加工領域の中で潤滑剤の吹付け状態が異なるとき、精度良く金型の摩耗量を予測することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。図1は、金型摩耗量予測装置10のブロック図である。
金型摩耗量予測装置10は、CPU12と、キーボード等の入力手段14と、ディスプレイ又はプリンタ等の出力手段16と、記憶手段18とを含んで構成され、これらは相互に内部バスで接続される。このような金型摩耗量予測装置10は、コンピューターで構成でき、特に、金型の加工領域を複数の領域に区分して演算処理を行なうことに適する有限要素法解析用等のコンピューターを用いることができる。
記憶手段18は、金型摩耗量予測装置プログラムの他、このプログラムを実行するのに用いられる摩擦係数データ20、熱伝達係数データ22等を格納する機能を有し、ハードディスク装置又は半導体メモリ等で構成できる。
摩擦係数データ20は、実際の鍛造機を模擬して予め実験により求められる金型と加工素材との間の摩擦係数のデータで、具体的には潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけられてデータベース化できる。摩擦係数は、圧縮試験装置を用いて、リング圧縮試験、スパイクテスト又はしごき形損傷評価試験等により測定される(例えば、特開2003−294727号公報参照)。そして、摩擦係数を測定する際には、窒化ホウ素系潤滑剤や黒鉛系潤滑剤等の潤滑剤の種類、潤滑剤の付着量、加工素材の温度、金型と加工素材のすべり面に関するすべり速度やすべり距離、金型と加工素材との界面性状、接触時間及び面圧、金型温度等が摩擦係数を測定するための因子として考慮される。
潤滑剤の吹付け状態は、広義には摩擦係数に影響を与えるすべてのパラメーターである。具体的には潤滑剤の種類による金型表面の状態、金型表面の潤滑剤の厚さ等の付着状態、潤滑剤が付着している金型の温度等が用いられる。実際の潤滑剤の吹付け状態は、上記の吹付け状態の組み合わせであり、その組み合わせ状態の1つ1つに関連づけて摩擦係数が記憶される。例えば上記の例では、潤滑剤の吹付け状態(潤滑剤A、厚みa、金型温度α)に対し実験的に求められる摩擦係数μ1が、潤滑剤の吹付け状態(潤滑剤B、厚みb、金型温度β)に対し実験的に求められる摩擦係数μ2が記憶される。そして、記憶手段18から摩擦係数を読み出すには、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして行なう。
熱伝達係数データ22は、実際の鍛造機を模擬して予め実験により求められる金型と潤滑剤との間の熱伝達係数のデータで、具体的には潤滑剤の吹きつけ状態ごとに対応する熱伝達係数が関連づけられてデータベース化できる。熱伝達係数は、潤滑剤の温度、金型温度、潤滑剤と金型との間を流れる熱量等に基づいて、一般的な伝熱工学の解析手法により求めることができる。熱伝達係数を求める際には、窒化ホウ素系潤滑剤や黒鉛系潤滑剤等の潤滑剤の種類や物理的性質が熱伝達係数を測定するための因子として考慮される。
潤滑剤の吹付け状態は、広義には熱伝達係数に影響を与えるすべてのパラメーターである。具体的には潤滑剤の種類や物性値、吹付ける潤滑剤の温度、潤滑剤が付着している金型の温度等が用いられる。実際の潤滑剤の吹付け状態は、上記の各潤滑剤の吹付け状態の組み合わせであり、その組み合わせ状態の1つ1つに関連づけて熱伝達係数が記憶される。例えば上記の例では、潤滑剤の吹付け状態(潤滑剤A、潤滑剤温度a、金型温度α)に対し実験的に求められる熱伝達係数h1が、潤滑剤の吹付け状態(潤滑剤B、潤滑剤温度b、金型温度β)に対し実験的に求められる熱伝達係数h2が記憶される。そして、記憶手段18から熱伝達係数を読み出すには、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして行なう。
次に、CPU12について説明する。CPU12は、金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分手段24と、記憶手段18から各区分領域の吹付け状態を検索キーとして、対応する摩擦係数と熱伝達係数とを読み出す検索手段26と、区分手段24によって区分された各区分領域に、対応して読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを割当てる割当て手段28と、各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて摩擦応力を求め、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて金型温度を求め、これらから金型の摩耗量を予測する摩耗量予測手段30と、を含んで構成される。これらの機能は、ソフトウエアによって実現され、具体的には、対応する金型摩耗量予測プログラムを実行することで実現することができる。なお、これらの機能の一部をハードウエアで実現してもよい。
次に、上記構成の金型摩耗量予測装置10の作用について説明する。金型摩耗量予測の解析は、図2に示すような鍛造加工の工程を1サイクルとし、各サイクルについて繰り返し行なわれる。図2は、連続して型打ちされる鍛造加工の一部を抜き出して示すもので、加工開始、加工終了、搬送開始、潤滑、そして次の型打ちの手順が1サイクルとして繰り返される。なお、従来の解析は主に加工開始から加工終了のいわゆる塑性加工に重きがおかれていた。
図3は、金型摩耗量予測の手順の流れを示す図で、金型摩耗量予測プログラムの処理手順に対応する。金型の摩耗量予測の工程は、STEP1で3次元CAD(Computer Aided Design)手段による潤滑剤の吹付け領域の幾何学状データを作成し、STEP2で摩擦係数を金型の区分領域ごとに設定し、STEP3で加工素材の加工解析を行い、STEP4で熱伝達係数を設定して金型温度解析を行い、STEP5で金型温度変化を算出し、STEP6で金型の摩耗量を予測する手順で進められる。
STEP1は、金型の加工領域を区分する工程で、3次元CAD手段による潤滑剤の吹付け領域の幾何学状データを作成する工程である。STEP1は、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる区分手段24の機能によって実行される。STEP1では3次元CAD手段を用いて、金型の加工領域に対し、潤滑剤の吹付け距離と範囲とに基づいて潤滑剤の吹付け状態を解析して特定しモデル化する。図4は、摩擦係数と熱伝達係数の設定方法を示す図である。潤滑剤吹付け距離と範囲は、例えば、図4に示すように、潤滑ノズル34から金型36までの距離Lと、潤滑剤の広がり具合を示す角度θとに基づいて解析される。そして、摩擦係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態と、熱伝達係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態とに基づいて、金型36の加工領域は複数の区分領域に分けられる。
図5は、図4に示す金型36の加工領域を複数の区分領域に分けて、摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域ごとに割当てるまでを示すモデル図である。図5(A)は、区分領域のモデル図であり、図5(B)は、各区分領域に対応する潤滑剤の吹付け状態を示す図であり、図5(C)は、各潤滑剤の吹付け状態と、摩擦係数と熱伝達係数との関連を示す図であり、図5(D)は、各区分領域と、摩擦係数と熱伝達係数との対応を示す図である。図4に示す複数の潤滑ノズル34から金型36に潤滑剤が吹付けられる例では、摩擦係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態と、熱伝達係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態から、図5(A)に示すように区分領域Z142、区分領域Z244、区分領域Z346の3つの区分領域に区分するモデルを作成することができる。
そして図5(B)のように、区分領域Z142には、摩擦係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態Maと熱伝達係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態Laが対応する。同様に、区分領域Z244には、潤滑剤の吹付け状態MbとLbが対応し、区分領域Z346には、潤滑剤の吹付け状態McとLcが対応する。なお、重なる区分領域については、単体の潤滑ノズル34による潤滑剤の吹付け状態のモデルを自動的に重ね合わせてもよい。例えば、上述した図5(A)と(B)の例では、潤滑剤の吹付け状態McをMaとMbとから自動的に設定し、潤滑剤の吹付け状態LcをLaとLbとから自動的に設定することもできる。また、モデル化した区分領域については、金型摩耗量予測装置10の記憶手段18に含まれる区分領域データ38として、再度利用するためデータベース化して記憶させておくこともできる。
STEP2は、金型の区分領域ごとに摩擦係数を設定する工程である。STEP2は、記憶手段18に含まれる摩擦係数データ20を用いて、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる検索手段26と割当て手段28との機能によって実行される。上記のように、潤滑ノズル34の位置から金型36までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定される摩擦係数データ20、例えば潤滑剤の付着量に起因する潤滑剤の吹付け状態に関連づけられる摩擦係数データ20が、記憶手段18に記憶されている。そして、好ましくは、潤滑剤の吹付け状態を特定するために、潤滑ノズル34のノズル口径や断面積、潤滑剤の流速や流量等が考慮される。
STEP2は、記憶手段18に含まれる摩擦係数データ20から、摩擦係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、潤滑剤の吹付け状態に関連づけられる摩擦係数を読み出し、読み出された摩擦係数を割当て手段28により、潤滑剤の吹付け状態により区分された各区分領域に割当てる。図4の例では、図5(C)に示すように、記憶手段18に含まれる摩擦係数データ20には、相互に関連づけられた潤滑剤の吹付け状態と摩擦係数の組が複数格納されている。潤滑剤の吹付け状態Maは摩擦係数μaに関連づけられており、潤滑剤の吹付け状態Mbは摩擦係数μbに、潤滑剤の吹付け状態Mcは摩擦係数μcに、それぞれ関連づけられている。
次に、図5(B)から、区分領域Z142には潤滑剤の吹付け状態Ma、区分領域Z244には潤滑剤の吹付け状態Mb、区分領域Z346には、潤滑剤の吹付け状態Mcが対応するので、検索手段26により潤滑剤の吹付け状態Ma、Mb、Mcを検索キーとして、関連づけられている摩擦係数μa、μb、μcをそれぞれ検索する。そして、図5(D)に示すように、割当て手段28により、区分領域Z142には摩擦係数μa、区分領域Z244には摩擦係数μb、区分領域Z346には摩擦係数μcをそれぞれ割当てる。
STEP3は、加工素材の加工解析をする工程である。STEP3は、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる摩耗量予測手段30の機能により実行される。この加工解析は、金型の形状、加工素材の形状、加熱条件等から、金型の区分領域ごとに設定された摩擦係数の分布を境界条件として、有限要素法による熱・変形連成解析等を用いて加工素材の解析を実施する。この様な解析手法は、明石他,「平成10年度春季塑性加工講演論文」,1998,P325−326に示されている。この加工解析の結果、加工素材のいかなる部位にいかなる摩擦応力が作用し、いかなる変形をしていかなる歪みを生じ、いかなる温度となるか等が解析される。
STEP4は、金型温度解析をする工程である。STEP4は、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる摩耗量予測手段30の機能により実行される。金型温度解析は、STEP3で解析された金型温度の情報を引き継ぎ、潤滑剤と金型との間の熱伝達係数の分布を境界条件として、例えば特開2004−325327号公報に記載されている方法により金型温度の解析を実施する。金型温度の解析は、評価したい金型摩耗の型打ち回数分について、繰り返し解析される。なお、本実施の形態では、素材の加工解析はSTEP3で実施した初回の型打ち1サイクルのみ解析し、STEP4では金型温度解析のみ実施している。なお、図6に示す他の実施の形態のように、加工素材の加工解析と金型温度解析の両方の解析を毎回行なってもよい。
熱伝達係数については、潤滑ノズル34の位置から金型36までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定される熱伝達係数データ22、例えば潤滑剤のレイノルズ数に起因する金型36への潤滑剤の吹付け状態に関連づけられる熱伝達係数データ22が、記憶手段18に記憶される。そして、好ましくは、潤滑剤の吹付け状態を特定するために、潤滑ノズル34の方向、位置、ノズル口径、断面積と、潤滑剤の流速、動粘度係数、流量等が考慮される。
STEP4は、記憶手段18に含まれる熱伝達係数データ22から、熱伝達係数に関連づけられる潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、潤滑剤の吹付け状態に関連づけられる熱伝達係数を読み出し、読み出された熱伝達係数を割当て手段28により各区分領域に割当てる。図4の例では、図5(C)に示すように、記憶手段18に含まれる熱伝達係数データ22には、潤滑剤の吹付け状態と熱伝達係数とが複数関連づけられている。潤滑剤の吹付け状態Laは熱伝達係数haに関連づけられており、潤滑剤の吹付け状態Lbは熱伝達係数hbに、潤滑剤の吹付け状態Lcは熱伝達係数hcに、それぞれ関連づけられている。
次に、図5(B)から、区分領域Z1には潤滑剤の吹付け状態La、区分領域Z2には潤滑剤の吹付け状態Lb、区分領域Z3には、潤滑剤の吹付け状態Lcが対応するので、検索手段26により潤滑剤の吹付け状態La、Lb、Lcを検索キーとして、対応づけられている熱伝達係数ha、hb、hcをそれぞれ検索する。そして、図5(D)に示すように、割当て手段28により、区分領域Z142には熱伝達係数ha、区分領域Z244には熱伝達係数hb、区分領域Z346には熱伝達係数hcをそれぞれ割当てる。
STEP5は、金型温度変化を算出する工程である。STEP5は、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる摩耗量予測手段30の機能により実行される。STEP4の金型温度解析から、金型の各区分領域における金型温度と型打ち回数に対応する時間との関係が求められる。図3のSTEP5のグラフ48は、金型温度が加工素材によって加熱されて上昇し潤滑剤の吹付け等により冷却されて低下する状態を繰り返し、一定の型打ち回数以上になると定常状態となる様子を示している。そして、金型温度と型打ち回数に対応する時間との積算値から、焼戻しによる金型の軟化状態を求めることができる。この積算値は、図3のSTEP5のグラフ48上で、金型温度軸と時間軸と温度曲線で囲まれた面積として示されている。
STEP6は、金型の摩耗量を算出する工程である。STEP6は、金型摩耗量予測装置10のCPU12に備えられる摩耗量予測手段30の機能により実行され、出力手段16の機能により表示される。金型の摩耗量は、STEP3の加工素材の加工解析で得られた加工素材と金型との摩擦応力と、STEP5の金型温度変化とに基づいて算出される。
摩擦応力と金型温度とに基づいて金型の摩耗量を算出する方法は、例えば特許文献1又は2に記載されている方法を用いることができ、摩擦応力と、すべり速度と、金型温度変化から求められる金型の降伏せん断応力と、型打ち回数とから金型の摩耗量を算出することができる。ここで、金型の降伏せん断応力は、特許文献1又は2に記載されている方法によれば、STEP5で算出された金型の軟化状態を示す積算値と金型の硬さとの関係と、金型の硬さと金型の降伏せん断応力との関係から金型の降伏せん断応力を算出することができる。
以上、本発明に係る実施の形態である金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムは、金型の加工領域の中で潤滑剤の吹付け状態が異なるとき、現実に近い条件で加工素材の変形形状と金型温度の解析をすることができ、精度良く金型の摩耗量を予測することができる。また、これまで鍛造現場のノウハウで実践されていた潤滑剤の潤滑ノズルの位置、潤滑剤の量等の最適化を解析で検証することができる。そして、鍛造部品の試作前に、本発明に係る金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラムを用いて、量産可能な金型を検討することができる。
本発明に係る実施の形態におけるブロック図である。 本発明に係る実施の形態における鍛造加工工程の1サイクルと金型摩耗量予測の解析範囲を示す図である。 本発明に係る実施の形態における鍛造加工用金型の潤滑剤吹付け解析を含む金型摩耗量予測の流れを示す図である。 本発明に係る実施の形態における摩擦係数と熱伝達係数の設定方法を示す図である。 本発明に係る実施の形態におけるモデル図であり、金型の加工領域を複数の区分領域に分けて、摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域に割当てるまでを示す。 本発明に係る実施の形態における鍛造加工用金型の潤滑剤吹付け解析を含む金型摩耗量予測の流れを示す図である。 従来の金型摩耗量予測における摩擦係数と熱伝達係数の設定方法を示す図である。
符号の説明
10 金型摩耗量予測装置、12 CPU、14 入力手段、16 出力手段、18 記憶手段、20 摩擦係数データ、22 熱伝達係数データ、24 区分手段、26 検索手段、28 割当て手段、30 摩耗量予測手段、34 潤滑ノズル、36 金型、42 区分領域Z1、44 区分領域Z2、46 区分領域Z、48 STEP5のグラフ、50 潤滑ノズル、52 鍛造型。

Claims (9)

  1. 鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置において、
    金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段と、
    金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分手段と、
    記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索手段と、
    読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て手段と、
    各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測手段と、
    を備えることを特徴とする金型摩耗量予測装置。
  2. 請求項1に記載の金型摩耗量予測装置において、
    記憶手段は、区分手段により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶し、検索手段は、記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことを特徴とする金型摩耗量予測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の金型摩耗量予測装置において、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることを特徴とする金型摩耗量予測装置。
  4. 鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測方法において、
    金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分工程と、
    金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索工程と、
    読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て工程と、
    各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測工程と、
    を備えることを特徴とする金型摩耗量予測方法。
  5. 請求項4に記載の金型摩耗量予測方法において、検索工程は、区分工程により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことを特徴とする金型摩耗量予測方法。
  6. 請求項4又は5に記載の金型摩耗量予測方法において、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることを特徴とする金型摩耗量予測方法。
  7. 鍛造加工用に潤滑剤を吹付けした金型と加工素材との間の摩擦係数に基づく摩擦応力と、金型と潤滑剤との間の熱伝達係数に基づく金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する金型摩耗量予測装置において実行される金型摩耗量予測プログラムであって、
    金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数の区分領域に分ける区分処理手順と、
    金型への潤滑剤の吹付け状態ごとに関連づけて摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、摩擦係数と熱伝達係数とをそれぞれ読み出す検索処理手順と、
    読み出された摩擦係数と熱伝達係数とを各区分領域にそれぞれ割当てる割当て処理手順と、
    各区分領域ごとに割当てられた摩擦係数に基づいて求められる摩擦応力と、各区分領域ごとに割当てられた熱伝達係数に基づいて求められる金型温度とを用いて金型の摩耗量を予測する摩耗量予測処理手順と、
    を実行させることを特徴とする金型摩耗量予測プログラム。
  8. 請求項7に記載の金型摩耗量予測プログラムにおいて、検索処理手順は、区分処理手順により金型の加工領域を潤滑剤の吹付け状態に基づいて複数に分けられた区分領域を記憶する記憶手段から、潤滑剤の吹付け状態を検索キーとして、区分領域を読み出すことを特徴とする金型摩耗量予測プログラム。
  9. 請求項7又は8に記載の金型摩耗量予測プログラムにおいて、潤滑剤の吹付け状態は、潤滑剤を供給するノズルの位置から金型までの吹付け距離と範囲とに基づいて特定されることを特徴とする金型摩耗量予測プログラム。

JP2005039185A 2005-02-16 2005-02-16 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム Expired - Fee Related JP4217223B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039185A JP4217223B2 (ja) 2005-02-16 2005-02-16 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039185A JP4217223B2 (ja) 2005-02-16 2005-02-16 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006224125A JP2006224125A (ja) 2006-08-31
JP4217223B2 true JP4217223B2 (ja) 2009-01-28

Family

ID=36985933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005039185A Expired - Fee Related JP4217223B2 (ja) 2005-02-16 2005-02-16 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4217223B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4813999B2 (ja) * 2006-07-26 2011-11-09 株式会社神戸製鋼所 鍛造品の形状予測方法およびそのプログラム
JP5035183B2 (ja) * 2008-08-28 2012-09-26 トヨタ自動車株式会社 鍛造潤滑剤噴霧の機能評価方法
JP6059611B2 (ja) * 2013-07-08 2017-01-11 株式会社日立製作所 熱間鍛造プロセス評価システム
JP6323142B2 (ja) * 2014-04-22 2018-05-16 大同特殊鋼株式会社 熱間鍛造金型の摩耗評価試験法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006224125A (ja) 2006-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kim et al. Estimation of die service life against plastic deformation and wear during hot forging processes
CN101807220B (zh) 用于评估铸件设计的可制造性的***
Gronostajski et al. The failure mechanisms of hot forging dies
Painter et al. Prediction of die wear during hot-extrusion of engine valves
Hawryluk et al. Application of the 3D reverse scanning method in the analysis of tool wear and forging defects
Lee et al. On critical surface strain during hot forging of lubricated aluminum alloy
JP4217223B2 (ja) 金型摩耗量予測装置、金型摩耗量予測方法及び金型摩耗量予測プログラム
Rajiev et al. Study on investigation of hot forging die wear analysis–An industrial case study
JP6111717B2 (ja) 演算処理方法、演算処理装置、及びプログラム
JP2019126831A (ja) 金型摩耗量の予測方法とその予測プログラムおよび摩耗推定式の特定方法
Zhi et al. The effect of temperature condition on material deformation and die wear
Tong et al. CAE enabled methodology for die fatigue life analysis and improvement
JP4231426B2 (ja) 金属材料の成形シミュレーション方法
Hawryluk et al. An implementation of robotization for the chosen hot die forging process
Bendjoudi et al. Contribution in the evaluation of a performance index of hot forging dies
Abachi Wear analysis of hot forging dies
Behrens et al. Numerical investigations on stresses and temperature development of tool dies during hot forging
Mudunuru et al. Prediction of remaining useful life of an end mill using ANSYS
Sukaylo et al. Development and verification of a computer model for thermal distortions in hard turning
JP5644334B2 (ja) 熱鍛型摩耗量予測装置
Repalle et al. Design of forging process variables under uncertainties
Gierzyńska-Dolna et al. Some aspects of modelling of metal forming processes
Alessio et al. Application of design of experiments to forging simulations to increase die life expectancy
Turk et al. New starting points for the prediction of tool wear in hot forging
JP3958707B2 (ja) 金型温度の予測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees